JP2924731B2 - Cr鋼製タービンロータの肉盛溶接用溶接材料及び該溶接材料を用いた肉盛溶接方法 - Google Patents
Cr鋼製タービンロータの肉盛溶接用溶接材料及び該溶接材料を用いた肉盛溶接方法Info
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Description
を含む疲労強度に優れた肉盛強化型Cr鋼製タービンロ
ータ製造用の肉盛溶接材料および肉盛溶接法に関し、特
に軸受との接触面をCr含有鋼の多層肉盛溶接によって
強化し、優れた強度と軸受特性を有するCr鋼製タービ
ンロータを与える肉盛溶接材料およびこれを用いた肉盛
溶接方法に関するものである。尚、本発明においてCr
鋼製タービンロータとは、9〜13%のCrを含有する
Cr鋼を基材とするタービンロータを総称するもので、
本明細書では、以下、12%Cr鋼製タービンロータと
記すことがある。
タービンロータは、発電効率を高めるため、より高い蒸
気温度で使用される傾向が見受けられる。こうした高温
条件下で使用される金属材料としては、従来より高温ク
リープ強度の高い12%Cr鋼が汎用されてきたが、該
12%Cr鋼製のタービンロータの軸受との接触面は、
使用中に軸受で焼付きを起こし易いという問題が指摘さ
れている。そこでこうした欠点を防止するため、軸受と
の接触面に低合金鋼製のスリーブを焼き嵌めしたタイプ
のタービンロータが開発されたが、このタイプの軸受部
は、使用中に経年変化を起こして焼き嵌め部が緩み、ガ
タツキを生じるという問題を残している。
に示す如く軸受との接触面に低合金鋼を肉盛溶接する技
術が検討され、一部で実用化が進められているが、夫々
下記の様な問題を残している。
ータ」 C,Si,Mn,Cr,Mo,V,Ni等の含有量を規
定した合金鋼を軸受との接触面に肉盛溶接したタービン
ロータを開示するものであるが、この方法を12%Cr
鋼のロータ材に適用しようとすると、肉盛合金のCr含
有量が0.30〜2.80%の範囲であることから、ロ
ータ基材と接する肉盛合金とのCr含有量の差が極端に
大きくなるため、適量のVを含有させたとしてもそれら
の境界部分に強度的な段差が生じ、満足のいく疲労強度
の肉盛溶接部が得られない。また、この方法で規定する
肉盛合金成分範囲である例えばC:0.25%−Cr:
1.2%−Mo:1.5%−V:0.3%といった成分
組成を想定した場合、この成分系はSR割れ感受性が非
常時高いものであるため、健全な肉盛溶接部を得ること
は容易でない。
蒸気タービンロータシャフト」 このシャフトは、肉盛溶接金属の表層部のC,Si,M
n,P,Cr,Mo,及びV量を規定したものであり、
焼結型フラックスと溶接ワイヤを組み合わせたサブマー
ジアーク溶接法によって3層以上の肉盛溶接を行ない、
最表層部の金属組成を規制するものであり、溶接母材を
適度の温度に余熱することによって低温割れの防止を図
っている。この技術によれば、肉盛溶接部における低温
割れや高温割れ、更にはSR割れ等も起こしにくく、且
つ肉盛溶接金属表層部の軸受け特性や強度においても良
好な成果が得られる。しかしながら、初層の肉盛溶接に
Cr含有量の少ない溶接材料を使用すると、ロータ材と
初層肉盛溶接金属との間でCr含有量の差が非常に大き
くなり、この部分で大きな強度段差が生じて疲労強度が
極端に悪くなる。
系タービンロータ」 5〜13%Cr系タービンロータのジャーナル部に下盛
と上盛の肉盛溶接を施したものであり、上盛溶接材料は
下盛の低合金とロータ基材よりも低強度で且つ線膨張率
の大きい溶接材料を用いたものであるが、この発明で
は、下盛溶接材料中にCrが含まれていないため、ロー
タ基材と初層肉盛溶接金属とのCr含有量に成分段差が
できてこの部分に強度段差が生じ、高い疲労特性の求め
られるタービンロータへの適性を欠くものとなる。
って強化した従来タイプのタービンロータでは、特にロ
ータ基材と接する肉盛溶接金属のCr含有量が低く、1
2%Cr鋼製ロータ基材と肉盛溶接金属とのCr含有量
差が大きくなってこの部分に強度的段差が生じるため、
満足のいく疲労強度が得られず、より高い設計強度に耐
え得る肉盛強化型の12%Cr鋼製タービンロータの開
発が求められている。
盛溶接部の組成あるいは肉盛溶接部の残留応力特性の改
善等を主目的とするものであるが、これらの性能改善に
加えて極めて重要となるのは、肉盛溶接金属内の溶接欠
陥防止技術である。即ち一般構造物ではあまり問題とな
らない様な軽度のブローホールやスラグ巻き込み欠陥で
も、高応力下で高度の疲労強度特性が求められるタービ
ンロータ軸受け部では、これら軽微な欠陥が大きな問題
となり、例えば超音波探傷試験で確認されるサイズが直
径0.5mm程度の欠陥までも確実に解消できる様な肉
盛溶接技術の確立が必要となる。また、これらの欠陥が
軸受け部仕上げ表面近傍に生じると、寸法制度の確保や
溶接歪みの面から局部的な補修溶接を行なえない場合が
多いため、ジャーナルの性能を著しく劣化させることに
なる。
情に着目してなされたものであって、その目的は、高レ
ベルの疲労強度と耐焼付き性を有すると共に、従来例で
は皆無にすることが困難であった微小溶接欠陥の発生を
可及的に防止することのできる12%Cr鋼製タービン
ロータ用の肉盛溶接材料および肉盛溶接方法を提供しよ
うとするものである。
のできた本発明に係る肉盛溶接用溶接材料とは、12%
Cr鋼製タービンロータの軸受との接触面を多層肉盛溶
接によって強化するための下層側肉盛溶接用溶接材料で
あって、 C :0.03〜0.2% Si:0.2〜2.0% Mn:0.5〜3.0% Ni:3.0%以下 Cr:1.0〜4.0% Al,Ti,Zrよりなる群から選択される少なくとも
1種:総和で0.05〜1.5% 水素:3.0ppm以下 の要件を満足すると共に、Nb,V,W,Ti,Moよ
りなる群から選択される少なくとも1種を、下記(I)
式の関係を満たす様に含有し、 0.07mass% ≦Nb+(1/3)V+(1/5)W+(1/3)Ti+(1/5)Mo≦2.0mass%……(I) 残部が実質的にFeからなるところに要旨を有してい
る。
は、12%Cr鋼製タービンロータの軸受との接触面を
多層肉盛溶接によって強化するための表層側肉盛溶接用
溶接材料であって、 C :0.03〜0.2% Si:0.2〜2.0% Mn:0.5〜3.0% Ni:3.0%以下 Cr:1.0〜2.5% Mo:0.1〜1.5% Nb:0.05%以下 V :0.1%以下 Al,Ti,Zrよりなる群から選択される少なくとも
1種:総和で0.05〜1.5% 水素:3.0ppm以下 の要件を満足すると共に、残部が実質的にFeからなる
ところに要旨を有している。
は、12%Cr鋼製タービンロータを多層肉盛溶接によ
って強化する肉盛溶接方法であって、少なくともロータ
基材に接する初層の肉盛溶接材料としては、前記下層側
肉盛溶接用の材料を用いて肉盛溶接を行ない、少なくと
も最表層側は、前記表層側肉盛溶接用の材料を用いて肉
盛溶接を行なうことにより、軸受との接触面のCr含有
量を2.5%以下に抑えるところに要旨を有するもので
ある。
(以下、12%Crロータと略記することがある)の軸
受との接触部(以下、軸受部または軸受面ということが
ある)に要求される主な特性としては、軸受特性および
強度特性が挙げられる。軸受特性については、肉盛溶接
における表層部のCr含有量が大きな影響を及ぼし、C
r含有量は低い方が好ましい。ちなみに、従来のタービ
ンロータシャフトにおいてジャーナル部で焼付き事故を
起こしていないのは、実績として低合金鋼系のCr−M
o−V鋼や2.25%Cr鋼であり、3%あるいは4%
レベルの高Cr含有量での運転実績はないのが現状であ
る。従って運転時の焼付き事故を防止するには、肉盛表
層部のCr含有率を従来レベルの2.5%以下に抑える
ことが望まれる。
図する12%Crロータ材に、上記の様な肉盛溶接法を
適用して強化しようとすると、ロータ基材と初層肉盛溶
接金属間あるいは各肉盛溶接金属間における強度的段差
の影響が顕著に現われ、満足のいく疲労強度特性が得ら
れない。即ち、12%Crロータ材に対し初層肉盛材と
して従来材を肉盛した場合、12%Crロータ材(実質
的に11%程度のCrが含まれている)と初層肉盛溶接
金属間のCr含有量の差が7〜9%程度にもなり、この
様にCr含有量の差が大きくなると、この部分で強度的
段差が生じて該段差部の低強度側に応力集中が起こり、
十分な疲労強度が得られなくなる。
タ基材と初層肉盛溶接金属および各肉盛溶接金属層間の
Cr含有量差を小さくして強度的段差を可及的に抑える
ことが有効であるが、2.5%以下という肉盛溶接表層
部のCr含有量を確保しつつCr含有量差を十分に小さ
くするには、肉盛層数を多くしなければならず、溶接工
数の増大によるコストアップを招く他、寸法設計の余裕
度も低下してくる等、工業的に実用化するうえで大きな
障害となる。
肉盛溶接を行なうに当たっては、ロータ基材に対する初
層と第2層目に使用する肉盛溶接材料の成分組成が極め
て重要となる。即ち、より少ない肉盛層数で肉盛最表層
部のCr含有量を2.5%以下に抑えるには、ロータ基
材と肉盛初層間あるいは初層と第2層間のCr含有量
を、強度的段差が問題にならない限度で可能な限り大き
くすることが望ましい。
部、即ち軸受面に相当する部分のCr含有量を2.5%
程度以下に抑えたうえで、高温割れ、SR割れ、融合不
良等の欠陥を生じることなく、55kgf/mm2 程度
以上の0.2%耐力を有する表層肉盛溶接金属を確保で
きる様に肉盛溶接金属の成分組成を選定する必要があ
る。
て特に注意しなければならないのは溶接材料の清浄度で
あり、最も一般的なサブマージアーク溶接では、溶接ワ
イヤに付着した異物が問題となる。即ち、溶接ワイヤ製
造時に付着する酸化物や潤滑剤が付着したままの状態で
溶接に供すると、それらが溶接時にガス発生源となって
溶接金属中に巻き込まれて欠陥となる。そこで本発明で
は、該清浄度の判断基準として、肉盛溶接材料に含まれ
るトータル水素量(不活性ガス融解抽出法によって測
定)を規定する。即ち、上記酸化物や潤滑剤が溶接材料
に付着している場合は、それら酸化物に付着した水素や
潤滑剤成分中の水素として計測されるので、該水素量を
分析することによって溶接材料としての清浄度を評価す
ることが可能となる。
はCが含まれており、このCは溶接雰囲気中の酸素と反
応してCOガスを生成して溶接欠陥となるが、肉盛溶接
材料中に適量のAl,TiあるいはZrを含有させてお
くと、これらの元素が強力な脱酸剤として作用してCO
ガスの発生を抑え、溶接欠陥の抑制に有効に作用する。
材に対し特に初層及び第2層目の肉盛溶接材料として使
用することにより強度的段差を生じさせることなく高レ
ベルの疲労強度と耐焼付き性を有し、しかも微小溶接欠
陥の発生を可及的に防止することのできる下層側肉盛溶
接用溶接材料として、上記第1発明に係る肉盛溶接材料
に到達した。
料の各成分組成を定めた理由を明らかにする。 C:0.03〜0.2% 肉盛溶接金属の強度を高め、ロータ基材と肉盛初層間あ
るいは初層と第2層目間の強度的段差を軽減するのに欠
くことのできない元素であり、少なくとも0.03%以
上含有させなければならない。しかし、C量が多くなり
過ぎると高温割れを起こし易くなるので0.2%を上限
とする。高強度化と高温割れ防止の両方を考慮してより
好ましいC量の範囲は0.10〜0.15%である。
に、溶融金属の流動性を高めてロータ基材との馴染みを
よくする作用を有しており、それらの効果は0.2%以
上含有させることによって有効に発揮される。しかし、
2.0%を超えて過多に含有させると溶接金属の靭性を
劣化させるので、それ以上の添加は避けるべきである。
Siのより好ましい含有量は0.3〜0.6%の範囲で
ある。
に不可避的に混入してくるSと反応してMnSを生成し
て高温割れの発生を抑制し、更には脱酸性元素としての
機能も発揮してブローホール欠陥を抑える作用も有して
おり、それらの作用は0.5%以上含有させることによ
って有効に発揮される。しかし、それらの作用効果は約
3.0%で飽和し、それ以上に含有させるとむしろ低温
割れ感受性が高くなるという欠点が現われてくるので、
3.0%を上限とする。Mnのより好ましい含有量は
1.0〜1.8の範囲である。
よび靭性の向上に有効に作用するので、好ましい元素と
して規定した。但し、それらの添加効果は約3.0%で
飽和するのでそれ以上の添加は不経済であるばかりでな
く、高温割れ感受性を高めるという障害も現われてくる
ので、3.0%を上限とする。尚、上記Niの添加効果
を有効に発揮させるには、0.5%程度以上、より好ま
しくは0.8%以上含有させることが望ましい。
度的段差に最も大きく影響を及ぼすのはCrであり、後
述する如くNb,V,W,Ti,Moの1種以上を所定
量含有させるという前提の下では、基材と初層肉盛溶接
金属および各肉盛溶接金属層間のCr含有量の差を6%
以下に抑えてやれば、強度的段差を疲労強度に実質的な
悪影響を与えない程度に抑え得ることが確認された。
を例えば10.5%とすると、初層の肉盛溶接時におけ
る溶込率が40%程度以上となる様な溶接条件を採用し
たとしても、溶接材料のCr含有量が0%である場合の
肉盛初層のCr含有量は4.2%となり、ロータ基材と
のCr含有量差は6.3%となって強度的段差を生じる
ことになる。溶接材料のCr含有量を1.0%とする
と、同様の溶込率で肉盛溶接を行なった場合でも、初層
の肉盛溶接金属のCr含有量は4.8%となり、ロータ
基材とのCr含有量の差は5.7%となって、強度的段
差を実害のない程度に抑えることができる。この様なと
ころから、肉盛溶接時の高Cr濃度側(即ち、ロータ基
材側)からのCr量の増加も考慮して、強度的段差を実
害のない程度に抑え得るCr含有量差を確保するための
条件として、溶接材料中のCr含有量を1.0%以上と
定めた。尚、溶接材料のCr含有量が4.0%を超える
と、ロータ基材と肉盛初層間のCr含有量差は小さくな
り、この間の強度的段差は小さくなるが、少ない肉盛層
数で最表層部のCr含有量を焼付きを起こさない2.5
%以下に抑えようとすると、肉盛初層と第2層目間ある
いはそれ以降の肉盛層間におけるCr含有量差が大きく
なり、その部分で大きな強度的段差が生じて疲労特性を
劣化させる原因になる。従って、できるだけ少ない肉盛
層数で目的を果たすための要件として、溶接材料のCr
含有量は4.0%を上限と定めた。
の関係を満たす範囲 0.07mass% ≦Nb+(1/3)V+(1/5)W+(1/3)Ti+(1/5)Mo≦2.0mass%……(I) これらの元素は何れも炭化物生成元素であり、溶接金属
中のCを固定して強度を高め、Cr含有量の差が比較的
大きくなった場合でも強度的段差を抑える作用を有して
おり、それらの効果を有効に発揮させるには、これらの
元素の1種以上を上記(I)式の関係を満足する範囲で
含有させることが必要であり、この値が0.07%未満
では、それらの効果が不十分となって強度的段差による
疲労強度特性の低下を抑えることができず、一方この値
が2.0%を超える過多になると肉盛の第2層あるいは
それ以降の肉盛溶接金属のSR割れ感受性が高くなる危
険が生じてきくる。SR割れ感受性を高めることなく強
度的段差を一層少なくする上でより好ましい範囲は0.
10〜0.15%である。
で0.05〜1.5% これらの元素は強力な脱酸剤として作用し、溶接時にお
けるCOガスの発生を抑えて溶接欠陥の防止に有効に作
用する。こうした効果は、夫々単独もしくは2種以上を
合計で0.05%以上含有させることによって有効に発
揮させれる。しかしその効果は1.5%で飽和するばか
りでなく、サブマージアーク溶接においてはスラグの剥
離性が劣化して作業性に悪影響を及ぼす様になるので、
1.5%を上限として定めた。これらの元素のより好ま
しい含有量は0.2〜0.6%である。
量を意味し、溶接欠陥や水素割れを抑えるにはその量を
極力少なくすることが望ましいが、溶接ワイヤ等として
の製造や使用工程を考えると、該水素をゼロにすること
は至難である。そこで、基礎実験により肉盛溶接金属と
しての微小欠陥が実質的に問題とならない水素量につい
て検討を行い、その上限を3.0ppmと定めた。
料の必須構成元素は上記の通りであり、残部は実質的に
Feからなるものであって、この溶接材料を12%Cr
ロータ基材における少なくとも肉盛初層あるいは更に第
2層以降の肉盛溶接用(但し、最終肉盛層は除く)とし
て使用することにより、ロール基材と肉盛第1層間、あ
るいはそれ以降の肉盛溶接金属層間における強度的段差
を実用上問題のない程度に抑え得る様にCr含有量差を
最小限度に抑えることができ、それにより溶接欠陥を可
及的に低減すると共に、疲労強度特性の良好な肉盛強化
型12%Crロータを得ることができる。
層部を構成する肉盛溶接金属材については、前述の如く
焼付き防止の観点からCr含有量を2.5%程度以下に
抑えると共に、軸受面として十分な強度や耐高温割れ
性、耐SR割れ性等を確保することが必要であり、その
ため本発明の第2発明では該表層部を構成する肉盛溶接
用の溶接材料を規定する。以下、該表層側肉盛溶接材料
の成分組成を定めた理由を説明する。
素であり、焼付き防止の観点からCr含有量が低く抑え
られる最表層部に十分な強度を与えるには、Cを0.0
3%以上含有させなければならない。しかし、C含有量
が多くなり過ぎると溶接金属が高温割れを起こし易くな
るので0.2%を上限とする。C含有量のより好ましい
範囲は0.10〜0.17%である。
様に、脱酸性元素として作用しブローホール欠陥を抑え
ると共に、溶融金属の流動性を高めて下層側肉盛溶接金
属との馴染みをよくする作用を有しており、それらの効
果は0.2%以上含有させることによって有効に発揮さ
れる。しかし、2.0%を超えて過多に含有させると表
層側肉盛溶接金属の靭性を劣化させるので、それ以上の
添加は避けるべきである。Siのより好ましい含有量は
0.3〜0.6%の範囲である。
溶接金属中に不可避的に混入してくるSと反応してMn
Sを生成して高温割れの発生を抑制し、更には脱酸性元
素としての機能も発揮してブローホール欠陥を抑える作
用も有しており、それらの作用は0.5%以上含有させ
ることによって有効に発揮される。しかし、それらの作
用効果は約3.0%で飽和し、それ以上に含有させると
むしろ低温割れ感受性が高くなるという欠点が現われて
くるので、3.0%を上限とする。Mnのより好ましい
含有量は1.0〜2.3%の範囲である。
強度および靭性の向上に有効に作用するので、好ましい
元素として規定した。但し、それらの添加効果は約3.
0%で飽和するのでそれ以上の添加は不経済であるばか
りでなく、高温割れ感受性を高めるという障害も現われ
てくるので、3.0%を上限とする。尚、上記Niの添
加効果を有効に発揮させるには、0.5%程度以上、よ
り好ましくは0.8%以上含有させることが望ましい。
を高めるうえで欠くことのできない元素であり、軸受面
として十分な強度を確保するには、少なくとも1.0%
以上含有させなければならない。しかしながらCr含有
量が2.5%を超えると軸受け特性が悪化し、殊に焼付
きを起こし易くなるので、それ以下に抑えなければなら
ない。表層側肉盛溶接用材料としてのより好ましいCr
含有量は1.2〜2.2%の範囲である。
する元素であり、こうした効果は0.1%以上含有させ
ることによって有効に発揮される。しかしMo含有量が
多くなり過ぎるとSR割れ感受性が上昇し、表層部でS
R割れを起こし易くなるので1.5%を上限とする。M
oのより好ましい範囲は0.2〜0.6である。
層側と表層部における強度的段差を抑えて疲労特性を高
めるのに有効に作用する。しかし、これらの元素が多く
なり過ぎると、肉盛表層部でSR割れを起こし易くなる
傾向が現われてくるので、Nb量は0.05%以下、V
量は0.1%以下に抑えなければならない。
で0.05〜1.5% これらの元素は強力な脱酸剤として作用し、溶接時にお
けるCOガスの発生を抑えて溶接欠陥の防止に有効に作
用する。こうした効果は、夫々単独もしくは2種以上を
合計で0.05%以上含有させる必要がある。しかしそ
の効果は1.5%で飽和するばかりでなく、サブマージ
アーク溶接においてはスラグの剥離性が劣化して作業性
に悪影響を及ぼす様になるので、1.5%を上限として
定めた。これらの元素のより好ましい含有量は0.2〜
0.6%である。
量を意味し、溶接欠陥や水素割れを抑えるにはその量を
極力少なくすることが望ましいが、溶接ワイヤ等として
の製造や使用工程を考えると、該水素をゼロにすること
は至難である。そこで、基礎実験により肉盛溶接金属と
しての微小欠陥が実質的に問題とならない水素量につい
て検討を行い、その上限を3.0ppmと定めた。
ける必須の成分は上記の通りであり、残部は実質的にF
eであるが、これらには上記の特性を阻害しない範囲で
微量のS,P等の不可避不純物が含まれていても構わな
い。そして、この様に肉盛表層部の溶接材料の成分組成
を規定することにより、耐焼付き性等の軸受特性にも優
れた軸受面を形成することができる。
をうまく組み合わせ、12%Crロータ基材に対する少
なくとも肉盛初層あるいはこれと第2層目以降(最表層
側を除く)の肉盛溶接に使用される溶接材料として第1
発明の溶接材料を使用し、基材と肉盛初層間、あるいは
その後の各肉盛溶接層間の強度的段差を抑え、また少な
くとも肉盛表層側を構成する溶接材料については第2発
明の溶接材料を使用して表層部のCr含有量を2.5%
以下に抑えることによって、軸受との接触面に優れた軸
受特性を与えて焼付き等を解消することができ、溶接欠
陥がなく耐久性や疲労特性の非常に優れた肉盛強化型1
2%Crロータを得ることができる。
には特に制限がなく、TIG溶接法、MIG溶接法、サ
ブマージアーク溶接法等どの様な方法を採用しても構わ
ないが、最も一般的なのはサブマージアーク溶接法であ
り、この場合、必須合金元素の一部をフラックスから含
有させることも可能である。
用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下
記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記
の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施する
ことも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的
範囲に包含される。
表2に示す成分組成の肉盛溶接ワイヤを用いて初層の肉
盛溶接を行ない、更に表3に示す成分組成の肉盛溶接ワ
イヤを用いて第2層目以降の肉盛溶接を行なった。尚、
溶接ワイヤとしては何れも直径2.4mmのものを使用
し、サブマージアーク溶接法によって肉盛溶接を行なっ
た。溶接条件は表4に示す通りとし、肉盛溶接に当たっ
ては、溶接ワイヤの狙い位置を調節することによって、
初層肉盛溶接時の溶込率は約40%に、また第2層目以
降肉盛溶接時の希釈率は約35%となる様に調整した。
また、第3層目以降、第5層目の最終層までの溶込率は
40%とした。
れ)の有無を観察すると共に、割れ欠陥の認められなか
ったものについては、の650℃×15時間のSR処理
を施した後、溶接部の超音波探傷試験を行なった後、ロ
ータ材を含めた肉盛溶接部から回転曲げ疲労試験片を採
取して疲労試験を行なった。
mm相当以上のインディケーションが検出されなかった
ものを合格(○)とし、1個でも検出されたものを不合
格(×)とした。また疲労試験の評価は、表2に示した
No.1(従来材)で初層溶接したのち表3に示すワイ
ヤで溶接した試験材から採取した試験片の1×107サ
イクルにおける疲労限界応力振幅に対し、10%以上疲
労限界応力が上回っているものを合格(○)、これ未満
のものを不合格(×)とした。引張試験の判定は、常温
引張試験において55kgf/mm2 以上の0.2%耐
力が得られたものを合格(○)、衝撃試験については、
常温での吸収エネルギーvE20が2.1kgf・m以上
であったものを合格(○)とした。図1は、実験で用い
たロータを模擬した肉盛溶接基材の形状を示す見取り
図、図2は、肉盛溶接後の性能試験用試料の採取位置を
示す説明図である。結果を表5に示す。
定要件を満足する実施例ワイヤ(No.17〜24は、
何れも超音波探傷試験による欠陥が認められず且つ疲労
特性も良好であるのに対し、規定要件の何れかを欠くN
o.1〜8では、何れも超音波探傷試験による欠陥が認
められると共に疲労特性も不良であり、またNo9〜1
2,15,16では、疲労試験結果は一応満足している
が、ブローホール欠陥および超音波探傷試験による欠陥
が認められる。No.13,14,25では、ブローホ
ール欠陥や超音波探傷試験による欠陥は認められない
が、疲労特性に欠ける。
盛溶接材料を夫々第1層目および第2層目の肉盛に適用
し、それ以降は前記表3に示した肉盛溶接材料を用いた
以外は、前記実施例1と全く同様にして肉盛溶接実験を
行なった後(溶込率は何れも約40%に調整した)、得
られた各試験材について、上記と同様にして溶接欠陥の
有無および物性試験を行なったところ、いずれの場合も
ブローホールや超音波探傷試験による欠陥がなく優れた
引張強度、衝撃強度および疲労特性を有する肉盛溶接部
が得られた。
o.18のワイヤを用いて初層の肉盛溶接を行ない、引
き続いて前記表6のワイヤを用いて第2層目以降の肉盛
溶接(全体として8層肉盛)し(溶込率は何れも約40
%に調整した)、肉盛溶接後650℃で15時間のSR
処理を行ない、各肉盛溶接部について超音波探傷試験を
行なった後、割れ欠陥が検出されなかったものについて
は、上記と同様にして引張試験、衝撃試験および疲労試
験を行ない、表7に示す結果をえた。
肉盛層形成用溶接材料として適正な成分組成を有してい
るNo.15〜21では、何れも割れおよび超音波探傷
試験による微小欠陥が認められず且つ引張特性や衝撃特
性、疲労特性も良好であるのに対し、表層部肉盛溶接用
として何れかの規定要件を欠く比較例(No.1〜1
4)では、割れ欠陥あるいは超音波探傷試験による微小
欠陥が認められるか、軸受面の引張特性や衝撃特性が悪
い。
2%Crロータ基材に対する初層あるいは第2層目以降
(最終肉盛層を除く)の肉盛溶接に使用される溶接材料
の成分組成を規定することにより、ロータ基材と肉盛初
層金属間、あるいはその後の各肉盛溶接層間の強度的段
差を抑えて疲労強度特性を高め、また肉盛最表層側を構
成する溶接材料の成分組成を規定することによって、肉
盛最表面層、即ち軸受との接触面に優れた軸受特性を与
えて焼付き等を解消することができ、更には肉盛溶接金
属に見られる微小欠陥をなくし、健全で耐久性の非常に
優れた肉盛強化型12%Crロータを提供し得ることに
なった。
基材の形状を示す見取り図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 9〜13%(mass%を意味する、以下同
じ)のCrを含むCr鋼製タービンロータの軸受との接
触面を多層肉盛溶接によって強化するための下層側肉盛
溶接用溶接材料であって、 C :0.03〜0.2% Si:0.2〜2.0% Mn:0.5〜3.0% Ni:3.0%以下 Cr:1.0〜4.0% Al,Ti,Zrよりなる群から選択される 少なくとも1種:総和で0.05〜1.5% 水素:3.0ppm以下 の要件を満足すると共に、Nb,V,W,Ti,Moよ
りなる群から選択される少なくとも1種を、下記(I)
式の関係を満たす様に含有し、 0.07mass% ≦Nb+(1/3)V+(1/5)W+(1/3)Ti+(1/5)Mo≦2.0mass%……(I) 残部が実質的にFeからなることを特徴とするCr鋼製
タービンロータの肉盛溶接用溶接材料。 - 【請求項2】 9〜13%のCrを含むCr鋼製タービ
ンロータの軸受との接触面を多層肉盛溶接によって強化
するための表層側肉盛溶接用溶接材料であって、 C :0.03〜0.2% Si:0.2〜2.0% Mn:0.5〜3.0% Ni:3.0%以下 Cr:1.0〜2.5% Mo:0.1〜1.5% Nb:0.05%以下 V :0.1%以下 Al,Ti,Zrよりなる群から選択される 少なくとも1種:総和で0.05〜1.5% 水素:3.0ppm以下 の要件を満足すると共に、残部が実質的にFeからなる
ことを特徴とするCr鋼製タービンロータの肉盛溶接用
溶接材料。 - 【請求項3】 9〜13%のCrを含むCr鋼製タービ
ンロータを多層肉盛溶接によって強化する肉盛溶接方法
であって、少なくともロータ基材に接する初層の肉盛溶
接材料としては、請求項1に記載の溶接材料を用いて肉
盛溶接を行ない、最表層側は、請求項2に記載の溶接材
料を用いて肉盛溶接を行なうことにより、軸受との接触
面のCr含有量を2.5%以下に抑えることを特徴とす
るCr鋼製タービンロータ軸受部の肉盛溶接方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1995
- 1995-09-13 JP JP23574595A patent/JP2924731B2/ja not_active Expired - Fee Related
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