JP2924142B2 - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2924142B2
JP2924142B2 JP24469390A JP24469390A JP2924142B2 JP 2924142 B2 JP2924142 B2 JP 2924142B2 JP 24469390 A JP24469390 A JP 24469390A JP 24469390 A JP24469390 A JP 24469390A JP 2924142 B2 JP2924142 B2 JP 2924142B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はレーザ装置に関し、特にレーザ光の通過領域
を複数の領域に分割し、各領域を通過するレーザ光束間
に所定の位相差を付与するようにした位相シフト素子を
用いることにより、レーザ光のビームスポット径を調整
し、高精度な画像形成を行ったり、又レーザ光の非点隔
差を調整するようにしたレーザ装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 近年、レーザ光を用いて画像情報の入出力を行うよう
にしたレーザ装置においては高解像力で画像情報の形成
や再生が出来ることが要望されている。
一般に画像情報の形成や再生を高解像力で行う為に
は、例えば入出力の際のレーザ光(レーザビーム)のビ
ームスポット径を小さくすれば良い。ビームスポット径
を小さくするにはNA(開口数)の大きな光学系を用いれ
ば良いことが知られている。
第14図は従来のレーザプリンタ等に利用されている光
走査装置の要部概略図である。
第14図に於いて91はレーザ等から成る光源部であり、
該光源部91から射出されたレーザビームはコリメータレ
ンズ92により略平行光とされ回転多面鏡93に入射する。
該回転多面鏡93は矢印の方向に等速で高速回転してお
り、回転多面鏡93の反射面93aの点Pに入射した該レー
ザビームは反射されて主走査断面において偏向走査され
結像光学系としてのf−θレンズ系94に入射する。f−
θレンズ系94を通過したレーザビームは被走査面95上に
結像されてその面上を略等速度直線運動で光走査する。
ここで例えば感光体等の被走査面上に画像形成を行う
際の高解像化を図るにはf−θレンズ系94のNAを大きく
し、被走査面95上に結像するビームスポット径96を小さ
くすれば良い。
しかしながらNAの大きい光学系を構成するのは非常に
困難であり、理論的に見ても空気中の光学系はNA=1を
越えることができない。又、NAが大きくなると焦点深度
が急激に小さくなる為、像面の設定誤差が厳しくなり装
置の製造や調整が困難になる。
一般にレーザ光源を用いたレーザ装置像面上でのビー
ムスポット径と焦点深度は次式により表わされる。
スポット直径=kλ/(2・NA) ・・・・・(a) 焦点深度 =±λ/(2・NA2) ・・・(b) ここでλは波長、kは結像光学系の瞳周辺部における
ビーム強度の程度を表わす定数(k≧1.64)であり、ビ
ームスポット直径はピーク強度の1/e2値である。
参考の為に(a),(b)式において波長λ=0.78μ
m、定数k=1.7と仮定して算出した種々のNAに対する
被走査面上のビームスポット径と焦点深度との関係を表
−1に示す。
又、レーザ装置に用いられるレーザ光源として半導体
レーザはその構造上の原因で非点隔差が発生する。即ち
第13図(A)に示すように半導体の接合面に平行な方向
(x方向)と垂直な方向(y方向)とで発光面積の大き
さが異なる。この為レーザ光源から離れた点における波
面の曲率半径は第13図(B)に示すように平行な方向と
垂直な方向の2つの方向で異なってくる。
従ってレーザ光源からの高速を回転軸対称のレンズ系
で結像すると最良結像位置が第13図(B)に示すように
x方向とy方向の2つの方向で各々異なり所謂非点隔差
が発生してくる。
従来はこの種の非点隔差を光路中にシリンドリカルレ
ンズを配置し、該シリンドリカルレンズの位置を調整す
ることにより補正していた。
(発明が解決しようとする問題点) 前記表−1から明らかのように、例えばレーザプリン
ター等のレーザ装置に関しては結像光学系のNAを0.02以
上、即ちスポット径が33μm以下になると焦点深度が±
1mmを下まわる。
一般に焦点深度が±1mm以下になると感光体の位置の
設定や感光体の平面性等が問題となり製造が大変困難と
なる。従って一般には結像光学系のNAを0.02以上大きく
することは難しい。
又、光ディスク用の対物レンズや顕微鏡用の対物レン
ズ等に関しては大体ビームスポット径を0.7μm程度に
するのが限界であり、それ以下のスポット径を得ること
は理論的に見て困難である。
このように従来のレーザ装置において小さなスポット
径のレーザビームを得るのは理論的及び機構的に大変難
しいという問題点があった。
この他、レーザ装置に用いる光学系が回転対称なレン
ズ系のとき、シリンドリカルレンズを用いて半導体レー
ザを用いたときの非点隔差を補正しようとするとシリン
ドリカルレンズの曲率半径が増大し、シリンドリカルレ
ンズの製作が難しくなってくるという問題点があった。
本発明はレーザビームの通過する領域を複数に分け各
々の領域を通過するレーザビーム内に所定の位相差を付
与するように構成した位相シフト素子を光路中の適切な
位置に配置することにより、レーザ光源の非点隔差を良
好に補正することができる等高い光学性能が容易に得ら
れるレーザ装置の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明のレーザ装置としてはレーザ光源の光出射端面
近傍又は該光出射端面と共役な位置近傍又は該レーザ光
源から出射したレーザ光のビームウエスト近傍に該レー
ザ光に対して透明な第1領域と該第1領域の周囲に該第
1領域を通過するレーザ光に対して所定の位相差を有す
る第2領域とを有する位相シフト素子を配置したことを
特徴としている。そしてレーザ光源としては半導体レー
ザ又はガスレーザを用い、前記ビームウエストは前記レ
ーザ光源から出射したレーザ光を集光光学系で集光して
形成されていることを特徴としている。
(実施例) 第1図は本発明に係る位相シフト素子の一実施例を示
す要部概略図であり、第1図(A)は斜視図、第1図
(B)は中心軸(光軸)を含む断面図である。
第1図に於いて4は位相シフト素子、11は光軸を中心
とする円形状や楕円状の所定の波長の光(レーザ光L)
に対して透明な第1領域、12は第1領域11の周囲に設け
たレーザ光Lに対して透明な円形状や楕円環状の第2領
域、13は該第2領域12の周囲をとりまくレーザ光Lに対
して不透明な遮光領域である。
このように位相シフト素子4の光透過部分は第1領域
11と第2領域12の2つの透明領域に分けられる。そして
該2つの領域11,12を通過する2つの光束間に所定の位
相差を付与している。
本実施例では第1領域11を通過するレーザ光に対して
第2領域12を通過したレーザ光の方が2分の1波長だけ
光路長が長くなるように設定している。
即ち、該位相シフト素子4により通過光束を第1領域
11を通過した光束と第2領域12を通過した光束の2つの
光束に分け、このときの2つの光束間に180°の位相差
を付与している。
このような位相シフト素子は比較的容易に製作が可能
である。例えば基板として両面を精密に研磨した平行平
板ガラスを用いレーザ光の波長をλとし第2領域12又は
第1領域のみに屈折率nの蒸着物質で厚みd=λ/{2
(n−1)}の薄膜を真空蒸着によって形成し、遮光領
域には光吸収性の塗料を塗ることにより製作できる。
次に位相シフト素子を用いることによりレーザ光のビ
ームスポット径が小さくなる原理を説明する。
第2図(A),(B)は本実施例の位相シフト素子4
に平面波の光束が入射し通過するときの波面状態と振幅
分布を示す説明図である。このような状態は例えばレー
ザ装置においてレーザビームのビームウエスト近傍に位
相シフト素子4を配置したときに生ずる。
同図に於いては図面左側より位相シフト素子4に平面
波のレーザビームが入射したときの前記第1、第2領域
11,12を通過する互いに所定の位相差を有した光束の波
面を概念的に示している。
第2図(A)に示すようにレーザビームは左方から位
相シフト素子4に入射するが、位相シフト素子4がビー
ムウエスト位置近傍に配置されているため、入射位置近
傍ではほぼ平面波となっている。この平面波が位相シフ
ト素子4に入射すると、第1領域11を通過した平面波と
第2領域12を通過した平面波との間に2分の1波長の光
路差が生じるため同図に示したような形の波面となって
出射する。従って位相シフト素子4から出射した直後の
レーザビームの複素振幅分布は第2図(B)に示すよう
なものとなる。
第2図(B)においてxは光軸と垂直方向の座標、U0
(x)は座標xにおけるレーザビームの複素振幅分布、
14は位相シフト素子4の第1領域11を通過したビームの
複素振幅分布、15a及び15bは位相シフト素子4の第2領
域12を通過したビームの複素振幅分布を表わす。
U0(x)は複素数であるが、位相が0度及び180°の
2値だけの複素振幅分布であるため、虚数成分が零とな
り、同図に示したように実数軸だけで表現できる。尚、
簡単のためレーザビームの強度は座標xによらず一定で
あるとして同図を描いている。
次に位相シフト素子4を物体面とみなして収差のない
光学系で結像させると、像面上でどのような強度分布が
得られるかを説明する。簡単のため、位相シフト素子は
x方向の1次元の素子とし、光学系の倍率を1倍として
説明する。
先ず、光学系の開口数が無限に大きい場合には物体面
の複素振幅分布(第2図(B))がそのまま像面の複素
振幅分布として再現される。しかし実際には光学系の開
口数が有限なため、回折による拡がりが発生して、第3
図(A)のような複素振幅分布U1(x′)が像面上に形
成される。同図においてx′は像面上の座標であり、1
6,17a,17bはそれぞれ第2図(B)の複素振福分布14,15
a,15bに対応する複素振幅分布である。このことは式を
用いて説明することができる。
像面の複素振幅分布U1(x′)は物体面の複素振幅分
布U0(x)と点像複素振幅分布K(x′)とを用いて次
式で表現することができる。
U1(x′)=∫U0(x)・K(x′−x)・dx ・・・・・(1) ここでU0を位相の異なる3個の点光源の集合とみなす
近似が成り立つとすればδ(x)をDiracのデルタ関数
として U0(x)=C・δ(x)−δ(x−a)−δ(x+a) ・・・・・(2) がなりたつ。但し、aは光軸からはかった複素振幅分布
15a又は15bの中心部までの距離であり、Cは複素振幅14
の部分のエネルギーと複素振幅15a又は15bの部分のエネ
ルギーとの比に相当する定数である。(2)式を(1)
式に代入すると(1)式は U1(x′)=C・K(x′)−K(x′+a)−K
(x′−a) ・・・・・・・・・(3) となり、像面の複素振幅分布は3つの点像複素振幅分布
の加算によって表わされることが分る。(3)式の右辺
第1項、第2項、第3項がそれぞれ第3図(A)の複素
振幅分布16,17a,17bに対応する。尚、複素振幅分布16,1
7a,17bなどは簡単のため、小さなピークの2次極大は省
略して描いてある。物体面を3つの点光源の集合とみな
す近似が成りたたない場合には物体面の強度を1とすれ
ば物体面の複素振幅分布U0(x)は で与えられる。但し、a0は光軸から第1領域11と第2領
域−12との境界までの距離、a1は光軸から第2領域12と
遮光領域13との境界までの距離である。(4)式を
(1)式に代入すると、像面複素分布U1(x′)は次の
ように表わされる。
(5)式右辺の第1項、第2項、第3項がそれぞれ第
3図(A)における複素振幅分布16,17a,17bである。
以上、第2図(B)のような複素振幅分布をもつ物体
を光学系で結像した場合に、像面複素振幅分布は第3図
(A)の16,I7a,17bの3つの複素振幅分布の加算で表わ
されることを説明した。
さて第3図(A)において17a′,17b′はそれぞれ複
素振幅分布を表わす曲線17a,17bをx′軸に対して折り
返した曲線であり、これら17a′,17b′の曲線と16の曲
線とを比べることによって、振幅の大きさを比較するこ
とができる。同図より曲線16のすその部分と曲線17a′
及び17b′がほぼ重なるようになっていることが分かる
が、このような関係にすることが小さなスポット径を得
る上で望ましい。
第3図(A)の3つの複素振幅分布16,17a,17bを加え
て1つの複素振幅分布として表わしたものが第3図
(B)の曲線18である。曲線16に比べると曲線18のx′
方向への拡がりが改善されて小さくなっている。
第3図(C)の曲線19は像面強度分布を示す曲線であ
る。強度分布I(x′)は複素振幅分布U1(x′)から I(x′)=U1 *(x′)・U1(x′)=|U1(x′)
2 ・・・(6) によって求められる。
以上の様に本実施例では第1図(A),(B)で示さ
れるような位相シフト素子をレーザビームのビームウエ
スト位置近傍に配置し光学系で結像し、これにより光学
系のFナンバーから(開口数、NA)から定まる結像スポ
ット径よりも更に小さな結像スポット径を得ている。
次に本発明に係る位相シフト素子が半導体レーザの非
点隔差を補正することができる原理についてシミュレー
ション結果を用いて説明する。
第4図(A)はこの位相シフト素子4をレーザ光のビ
ームウエスト位置近傍に配置したときの概略図、第4図
(B)は同図(A)の結像レンズによる像面上の強度分
布のシミュレーションの結果を示す説明図である。
尚、本実施例では簡単の為に回転軸対称の系で計算し
ている。第4図(B)では位相シフト素子としては同心
円構造とし、中心軸(光軸)から半径Aの第1領域11と
その外側の半径βの第2領域12とから形成し、通過光束
間に180度の位相差がつくように設定している。そして
第2領域12の外側は遮光領域としている。このような位
相シフト素子4をレーザビームを集光してできるビーム
ウエスト位置近傍に配置し、それを無収差レンズと仮定
した結像レンズで結像させている。
ここでビームウエスト半径をW0、レーザ光の波長を
λ、結像レンズの像面側の有効FナンバーをFNOとし、
像面上の強度分布を求める為のシミュレーションは通常
の回折理論を用いて行った。
第4図(B)はW0=1.0μm、λ=0.6328μm、FNO
1.0、B=2.0μmとしてAの値を0.5μmから2.0μmま
で変えたときの像面上での強度分布を示している。但
し、強度分布は最大値で正規化しており、パラメータ
W0,A,Bは実寸に結像レンズ倍率の掛かった像面上のスケ
ールで示している。
第4図(B)に示すようにA=2μmの場合はA=B
であり、位相を反転する領域がなく、単なるアパーチャ
を入れたのと同じことになる。この場合には、第13図
(B)からも予想できるように光発散原点が位相シフト
素子の位置からずれているので像面をデフォーカスすれ
ばビームスポット径をこれよりもある程度小さくするこ
とができる。半径Aが1μmになると、位相反転の効果
が表われ像面上でのスポット径が小さくなってくる。そ
して半径A=0.7μmになると更に像面上でのビームス
ポット径が小さくなり、結像レンズのエアリーパターン
とほぼ一致してくる。エアリーパターンは点光源を回転
軸対称の無収差レンズと仮定した結像レンズで結像した
ときに像面上に生じる回折像である。そうすると、半径
A=0.7μmの場合には丁度位相シフト素子の位置に仮
想的な点光源があるものと解釈することができる。
この結果、位相シフト素子はレーザビームの光発散原
点の位置を位相シフト素子の位置にもってくることがで
きる光学的作用を有する素子と考えることができる。又
同時に前述したようにレーザビームの発散角を大きく
し、結像レンズの有効径全域にレーザ光を入射させるこ
とによりビームスポット径を小さくすることができる素
子と考えることができる。
以上のように光学系が回転対称の場合には位相シフト
素子は光発散原点の位置を制御することができる。
半導体レーザのようなビームスポット径が回転非対称
な場合は第13図(B)に示すような2つの断面内に各々
光発散原点があると考えられる。従って位相シフト素子
を用いれば各々断面内において光発散原点の位置を位相
シフト素子の位置に変位させることができる。そうする
と始めは各断面で異なっていた光発散原点の位置を同一
の位置に変位させることができる。
本実施例ではこの原理を用いて位相シフト素子の半径
A,B及びレーザ光路中の配置位置等を適切に設定するこ
とにより半導体レーザの非点隔差を補正している。尚第
1領域11と第2領域12を通過するレーザビーム間の位相
差は180度に限らず任意な位相差であっても良い。
次に本実施例の位相シフト素子を用いたレーザ装置の
種々の実施例について説明する。
第5図は本発明に係る位相シフト素子を用いたレーザ
装置の第1実施例の要部概略図である。
同図において1はレーザ等から成る光源部であり、該
光源部1から出射した光束はコリメータレンズ2により
略平行光とされ、集光レンズ3により集光される。この
とき集光位置近傍にビームウエストが形成される。そし
て該ビームウエスト近傍に位相シフト素子4を配置し、
該位相シフト素子4を通過した光はコリメータレンズ5
により平行光となって副走査方向に屈折力を有するシリ
ンドリカルレンズ6に入射する。該シリンドリカルレン
ズ6により光束は副走査方向線状に結像されて回転多面
鏡7へ入射し反射される。回転多面鏡7で反射偏向され
た該光束はf−θレンズ系8を介して被走査面9上にビ
ームスポット10を形成する。
尚、回転多面鏡7は矢印方向に等速回転している為回
転にともなってレーザスポット10は被走査面9上を光走
査する。
本実施例では以上のような構成において位相シフト素
子4を用いることにより焦点深度を浅くせず小さなビー
ムスポット径で被走査面を走査することができるように
している。これにより例えば高解像力の画像形成や画像
読取りが可能なレーザ装置を達成している。
第6図〜第9図は本発明に係る位相シフト素子を用い
たレーザ装置の第2〜第5実施例の要部概略図である。
図中、第5図の第1実施例に示した要素と同一要素には
同符番を付している。
第6図の第2実施例では光源部としての半導体レーザ
1のレーザビーム出射端面近傍に位相シフト素子4を配
置している。半導体レーザ1の発光点から出射したレー
ザビームはその近傍に配置した位相シフト素子4を通過
したのち、コリメータレンズ2で平行光束となりシリン
ドリカルレンズ6に入射している。シリンドリカルレン
ズ6を通過した後の構成は第5図の第1実施例と同様で
ある。
本実施例では半導体レーザ1のレーザビーム出射端面
直後の位置はビームウエスト近傍となっているため、そ
の位置に位相シフト素子4を配置し、前述した原理によ
ってビームスポット径を小さくしている。
本実施例第5図の第1実施例に比べて光学系を簡略化
している。
第7図の第3実施例において20は光源部でHe-Neレー
ザから成っている。21は第1集光レンズ、22はA/O変調
器、23は第2集光レンズ、24はコリメータレンズ、25は
ビームエキスパンダーである。同図に於いてHe-Neレー
ザ20から出射したレーザビームは第1集光レンズ21によ
って集光され、集光点付近に配置されたA/O変調器22で
強度変調をうける。A/O変調器22を出射したレーザビー
ムは第2集光レンズ23によって再度集光される。
このとき形成されるビームウエスト位置近傍に位相シ
フト素子4を配置している。位相シフト素子4を出射し
たレーザビームはコリメータレンズ24で平行化され、ビ
ームエキスパンダー25によってビーム径が拡大されたの
ち、シリンドリカルレンズ6に入射する。シリンドリカ
ルレンズを通過した後の構成は、第5図の第1実施例と
同様にしてビームスポット10を被走査面9上に形成す
る。
本実施例ではガスレーザから出射したレーザビームを
第2集光レンズ23で集光させてビームウエストを形成
し、その近傍に前述した構成の位相シフト素子を配置す
ることにより光源部としてガスレーザを用いたレーザ装
置においても前述と同様の効果が得られるようにしてい
る 第8図の第4実施例においては光源部1からのレーザ
光を被走査面9側からf−θレンズ系8を介して回転多
面鏡7に導光していることを特徴としている。
同図において41は透過型の位相シフト素子であり被走
査面9と略同一平面上に設けている。
本実施例においてf−θレンズ8は副走査方向に関し
て回転多面鏡(ポリゴンミラー)7のミラー面と被走査
面9とを略共役関係とする倒れ補正光学系となってい
る。同図に於いて半導体レーザ1の発光点から出射した
レーザビームは、コリメータレンズ2を通過して平行ビ
ームとなり次いで集光レンズ3によって集光され被走査
面9の延長線状の近傍にビームウエストを形成する。
位相シフト素子41は前記ビームウエスト位置近傍に配
置されている。位相シフト素子41には斜め方向からレー
ザビームが入射するが、ある特定の角度の斜めの入射の
ビームに対し2つの領域を通過して出射するレーザビー
ム間で略2分の1波長の光路差をもつように作られてい
る。位相シフト素子41を出射したレーザビームはf−θ
レンズ8を通過し、回転多面鏡7のミラー面近傍に線像
を形成する。そしてレーザビームは同ミラーによって反
射され、再びf−θレンズ8を通過して被走査面9上に
ビームスポット10を形成する。ビームスポット10は回転
多面鏡7の矢印方向への回転とともに、被走査面9上を
矢印の方向に光走査する。
本実施例は線像形成用のシリンドリカルレンズが不要
であるため光学系が簡略化できるという事のほかに位相
シフト素子41近傍にできるビームウエスト径が位相シフ
ト素子を用いない場合のビームスポット径と同程度に大
きいので、位相シフト素子41の製作が容易になるという
利点がある。
更に本実施例に於いては位相シフト素子41に斜め方向
からレーザビームが入射するため位相シフト素子で反射
したレーザビームが半導体レーザには殆んど戻らないの
で安定なレーザ発振が可能となるという特徴がある。
第9図の第5実施例においては第8図の第4実施例に
比べて透過型の位相シフト素子の変わりに反射型の位相
シフト素子を用いた点が異なり、その他の構成は同じで
ある。
本実施例の反射型の位相シフト素子42は、特定の斜め
入射角のレーザビームに対して2つの領域を出射したレ
ーザビーム間の光路差が2分の1波長になるように作ら
れている。このように斜め入射の反射型の位相シフト素
子を用いると、光学系全体がコンパクトになると同時に
反射光がレーザに戻らないため安定なレーザ発振が可能
となるという特徴がある。
第10図は本発明に係る位相シフト素子を光メモリ用の
光ピックアップ検出系に適用したときの第6実施例の光
学系の要部概略図である。
同図において1はレーザ等から成る光源部であり、該
光源部1から出射した光束は集光レンズ81により集光さ
れ集光位置近傍にビームウエストを形成する。該ビーム
ウエスト位置近傍に位相シフト素子4を配置し、該位相
シフト素子4を出射した光束はビームスプリッタ84を通
過し対物レンズ82によって集光され光メモリ媒体83上に
ビームスポットを形成する。
本実施例では位相シフト素子4を用いることにより光
メモリ媒体83面上に小さなビームスポットを形成してい
る。そして該光メモリ媒体83からの反射光は対物レンズ
82を通過しビームスプリッタ84によって反射されて光検
出器85に入射する。このようにして光検出器85により光
メモリ媒体83上の信号の読取りを高密度で行っている。
尚、本実施例では位相シフト素子4、1枚をビームウ
エスト位置に配置し構成したがビームウエスト以外の位
置、例えば光源1近傍に配置しても良く、又位相シフト
素子を1枚以上何枚配置して構成しても良い。
第11図は本発明に係る位相シフト素子を用いて半導体
レーザの非点隔差を補正するようにした第7実施例の光
学系の要部概略図である。
同図において半導体レーザより成る光源部1から放射
された回転非対称のレーザビームは第1集光レンズ21に
より集光され回転非対称な形状のビームスポットを形成
る。このビームスポット位置近傍に第4図で説明したの
と同様の位相シフト素子4を配置している。この位相シ
フト素子4の第4図(B)で示す第1領域11と第2領域
12との通過光束の位相差は180度であり、又その半径は
各々A=0.7μm、B=2μmである。位相シフト素子
4を通過したレーザビームは第2集光レンズ23で集光さ
れ像面86にビームスポットを形成する。
本実施例では半導体レーザ1の発光面と位相シフト素
子4そして像面86は互いに光学的に共役な関係となって
いる。
本実施例では第1集光レンズ21の集光点近傍に位相シ
フト素子4を配置することにより前述したようにx方向
及びy方向のいずれの方向に対してもレーザビームの光
発散原点が位相シフト素子4の位置となるように設定し
ている。これにより像面86において非点隔差のない良好
なるビームスポットを形成している。
このように本実施例によれば位相シフト素子4を新た
な点光源と見なした各種システムに対応したレーザ光源
に非点隔差のない良好なるビームスポットが得られるレ
ーザ装置を構成することができる。
尚、以上の各実施例に係る位相シフト素子の形状とし
ては第1図(A)に限られるものではなく、例えば第12
図(A)〜(F)に示すようなものが適用可能である。
同図において11は第1領域、12は第2領域、斜線部は
遮光領域を示す。第1領域11と第2領域12は通過光束間
に互いに180度(1/2波長)の位相差がつくように構成さ
れている。
本発明のレーザ装置としては前述の実施例の他に例え
ばレーザビームプリンタ、レーザ顕微鏡、走査光学系を
用いたレチクル描画装置等に適用することができる。
(発明の効果) 本発明によれば前述したような位相シフト素子を光学
系の所定位置に配置することにより、半導体レーザを用
いたときはレーザ光の非点隔差を補正することができ、
又焦点深度を大きく維持しつつ光学系のNAより決まるビ
ームスポット径よりも小さなスポット径を所定面上に形
成することができ例えば画像形成等においては高解像力
化が可能なレーザ装置を達成することができる。
又、本発明によれば半導体素子製造用の露光装置(ス
テッパー)に位相シフト法を適用する場合とは異なりレ
チクル面上の全ての開口パターンに沿って位相シフト領
域を形成する必要はなく、位相シフト領域を光学系の光
軸近傍のーカ所に配置すれば良いので装置全体を簡素化
することができるという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)は本発明に係る位相シフト素子の
要部概略図、第2図(A),(B)は本発明に係る位相
シフト素子を通過する光束の波面状態を示す説明図、第
3図(A)〜(C)は本発明に係る位相シフト素子を通
過する光束の複素振幅分布と像面上の強度分布の説明
図、第4図(A),(B)は本発明に係る位相シフト素
子を用いてレーザ光の非点隔差を補正する際の光学系を
シミュレーション結果の説明図、第5図〜第11図は各々
本発明に係る位相シフト素子を用いたレーザ装置の第1
〜第7実施例の光学系の要部概略図、第12図は本発明に
係る位相シフト素子の他の実施例の説明図、第13図は従
来の半導体レーザの非点隔差を示す説明図、第14図は従
来のレーザ装置の要部概略図である。 図中、1は光源部、2,5はコリメータレンズ、3,81は集
光レンズ、4,41,42は位相シフト素子、6はシリンドリ
カルレンズ、7は回転多面鏡、8はf−θレンズ系、9
は被走査面、10はビームスポット、11は第1領域、12は
第2領域、13遮光領域、20はHe-Neレーザ、21は第1集
光レンズ、22はA/O変調器、23は第2集光レンズ、24は
コリメータレンズ、25はビームエキスパンダー、82は対
物レンズ、83は光メモリ媒体、84はビームスプリッタ
ー、85は光検出器である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光源の光出射端面近傍又は該光出射
    端面と共役な位置近傍又は該レーザ光源から出射したレ
    ーザ光のビームウエスト近傍に該レーザ光に対して透明
    な第1領域と該第1領域の周囲に該第1領域を通過する
    レーザ光に対して所定の位相差を有する第2領域とを有
    する位相シフト素子を配置したことを特徴とするレーザ
    装置。
  2. 【請求項2】前記所定の位相差は180度であることを特
    徴とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 【請求項3】前記ビームウエストは前記レーザ光源から
    出射したレーザ光を集光光学系で集光して形成されてい
    ることを特徴とする請求項2記載のレーザ装置。
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