JP2921751B2 - 上下動式収納棚 - Google Patents

上下動式収納棚

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JP2921751B2
JP2921751B2 JP8248349A JP24834996A JP2921751B2 JP 2921751 B2 JP2921751 B2 JP 2921751B2 JP 8248349 A JP8248349 A JP 8248349A JP 24834996 A JP24834996 A JP 24834996A JP 2921751 B2 JP2921751 B2 JP 2921751B2
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  • Combinations Of Kitchen Furniture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、建造物内の壁面天井際に取
り付けられる収納棚に関し、従来までの踏み台等を使用
した収納、取出し作業を、通常の姿勢で実施可能とする
ように、収納棚側が壁面に沿って安全且つ簡便に上下移
動し、壁面の所望高さ位置で確実に停止する、新規な構
造を備えた上下動式収納棚を提供しようとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】数多くの食器や調理用具等を整然と整理
収納することを要求される台所において、好適に対応で
きるようにする様々な構造、機能を備えた収納家具が数
多く開発、提供されており、例えば、流し台下では、そ
の筐体中空部分を利用し、前面に開閉扉を備える収納部
内に、排水パイプを回避して高い収納性を確保するよう
にした網棚や、米櫃機能を備えた収納ケース等が、ま
た、流し台周辺では、上下複数段設けられた円盤形状の
棚板が、中心軸によって回転自在に枢支されるように
し、該棚板を回動操作することにより、食器棚の奥への
収納を手前側で容易に行えるように構成した食器棚等が
実用化されている如く、枚挙に暇がない状況である。
【0003】こうした状況の中で、窓際に面した流し台
や、リビングルームに対面するように設けられた流し
台、またはその周辺の壁面等には、天井側から吊下られ
た状態で、有効に空間利用した収納棚が設置されてい
て、該収納棚の下側空間には、比較的使用頻度の高い食
器等を収納し、上側空間には、通常あまり使用頻度の多
くない食器や調理器具等を収納するようにしている。広
い台所では、上述のような収納棚を含め、床上から天井
際までの壁面全面を使った収納棚等、様々な機能を備え
た数多くの収納棚を用意して、いくらでも収納力を高め
ることが可能となるが、我が国の住宅事情にあっては、
収納棚の設置数にも制限を加えられてしまうことが多
く、その結果、高所に取り付けられた収納棚に対して
も、使用頻度の高い食器や調理器具、あるいは各種調味
料等まで収納せざるを得ないことになってしまう。
【0004】高所に収納したこれら物資は、踏み台や食
卓椅子等を利用して出し入れをしなければならず、調理
過程での作業が極めて繁雑になってしまうだけではな
く、高齢者や身体に障害をもつ人、あるいは子供等にと
っては、割れ易い食器や、重量のある電気プレート等の
調理器具等を取り出す場合、不安定な姿勢になって自ら
が転倒して怪我をしてしまうという事故に繋がったり、
事故にまで至らないまでも大切な物資を零したり、破損
させるといった事態に遭遇してしまうことも多く、この
ような高所の収納棚にまつわる危険な家庭内作業に対
し、何らかの解決策を講ずる必要性が、これまでにも強
く要望されてきていた。
【0005】本願発明者は、建築業に携わる者の一人と
して、このような台所等に多用される天井吊り下げタイ
プの収納棚において、物資の出し入れ作業の度毎に、踏
み台や食卓椅子の利用を余儀なくされるという不都合さ
を解消し、通常の姿勢で使用することができ、しかも、
高所の空間利用もこれまでどおりに可能とするという新
たな発想の収納棚の実用化の必要性を痛感して研究、開
発に着手し、長期に渡る試行錯誤と共に幾多の実験を繰
り返してきた結果、今回、遂に後述する如くの、収納棚
自体が壁面に沿って安全且つ簡便に上下移動した上、所
望の高さ位置において確実に停止して物資の取出し作業
が執り行なえるようにした全く新規な構造からなる上下
動式収納棚を完成、実用化するすることに成功したもの
であり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施
例と共に、その構成を詳述することとする。
【0006】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含される上
下動式収納棚は、基本的に次のような構成をその要旨と
している。即ち、内部の少なくとも隅角部に沿って立方
体状に枠組みされた骨格体を有し、前面側を収納口とし
てなる収納棚本体の、左右両側の夫々の上下で平行し、
前後方向に延びる一対の水平骨格部材に対し、夫々の基
端部近傍を上下に貫通させて吊下杆を一体化すると共
に、収納棚本体の背面には転動輪を取着し、該転動輪
を、建造物の取付壁面の所定箇所に配した、上下方向に
延びるレール体に嵌合状に組み合わせるようにする一
方、取付け壁面上部所定箇所には、正逆転自在に巻取軸
を横架した上、該巻取軸に巻き取り可能とした吊下索条
の自由端側を、先の吊下杆上端に接続し、適宜駆動装置
で巻取軸を正転、逆転して吊下索条を上下方向に伸縮さ
せ、収納棚本体を取付壁面に沿わせて上下動、且つ所定
位置で停止させるようにしてなる上下動式収納棚であ
る。
【0007】収納棚本体は、通常、横長の箱体であっ
て、その内部空間の少なくとも隅角部(したがって、仕
切りや補強のために設けられるそれ以外の部分も含む)
に沿って立方体状に枠組みされた骨格体を有していて、
それら骨格体で収納棚本体の全体荷重に耐えられる構造
に形成されており、前面収納口を除く5面は、適宜化粧
板あるいは幕板で閉鎖され、収納口には開き扉か引き違
い戸が組み込まれるか、カーテンや簡単なシャッター等
が取り付けられることもある。なお、前面収納口を除く
各面の化粧板あるいは幕板は、全体に分散状あるいは部
分的に適宜通孔を設けてなるものとし、通気性や透光性
が確保されるようにしたものとすることも可能であり、
例えば、窓が設けられた壁面上部に設置されるようにし
たものの場合、降下したときに窓からの太陽光の取り込
みや換気を行えるようにした構成のものとすることも可
能である。
【0008】骨格体の中の左右の夫々の上下には、隅角
部内に沿って前後方向に延びる水平骨格部材(通常、平
角材からなる木製構造部材であって、場合によっては軽
量型鋼によって形成されることもある。)を備えてお
り、隣接する他の部分の骨格体形成部材と剛構造となる
ように連結、一体化されている。この水平骨格部材の構
造強度をより高めるために、補強用の適宜部材を添設、
一体化するようにしたものとすることも勿論可能であっ
て、内部空間側に添設するか、外観上支障がなければ化
粧板あるいは幕板を介して外側に添設したものとするこ
ともできる。
【0009】吊下杆は、収納棚本体の左右で各々上下に
平行状に配されている水平骨格部材の各基端部近傍(壁
面側となる端部近傍)を上下に貫通し、それら水平骨格
部材に対して強固に一体化されることにより、収納棚本
体の左右に夫々1本ずつ垂設された構造をなし、これら
左右一対の吊下杆の上端側を、後述する吊下索条で吊り
下げれば、収納棚本体全体を吊り下げ状に支持すること
ができるよう機能するものであり、したがって、この吊
下杆は、収納棚本体およびその中に収納される物資全て
の荷重に充分耐えられるだけの強度と、収納棚本体の左
右で各々上下に平行状に配されている水平骨格部材への
一体化手段とを必要とするものであり、例えば、鋼鉄製
の棒体や管体、索条、鎖等から構成され、水平骨格部材
との一体化構造部分には、座金や軟質樹脂等の緩衝部品
を介在させ、各水平骨格部材の表裏面からナット締め、
差しピン止めとしたり、あるいは特別に用意した固定金
具、例えば、吊下杆の所定箇所に熔着あるいはネジ止め
して一体化できるようにした鍔片あるいは交叉棒等を用
い、収納棚本体側に損傷を与えることなく、確実に一体
化するようにする。
【0010】吊下索条は、上記した左右に垂設状に配設
された一対の吊下杆の夫々の上端に別々に1本ずつ取着
され、夫々の上端側を別々に、後述の巻取軸によって巻
取、巻戻しされるようにして、収納物を含む全荷重を支
持しながら収納棚本体を上下動させる機能を果たすもの
であり、巻取、巻戻しに適した柔軟性と共に、充分な引
っ張り強度を有する、例えばワイヤーロープか、あるい
はそれに相当する性状の合成樹脂製ロープ(但し、伸縮
性の極めて少ないもの)等によって形成され、吊下杆へ
の接続部分には、移動停止時の衝撃を和らげるためのバ
ネ材やゴム材等が介在されるのが望ましく、また、収納
棚本体の上下移動巾を調整したり、あるいは収納棚本体
の水平バランスを矯正するための長さ調節機構、例え
ば、巻取軸の外周に雄ねじが刻設され、該雄ねじ部分に
螺着されたナット部材に対して、吊下索条の端部を結合
し、ナット部材を回転操作することによって、巻取軸に
沿って進退移動して、吊下索条の長さ調節を行い、調節
を終了した後に、緩み止めの止めナットを締付け固定す
るようにした機構や、巻取軸の周壁面にリール状の巻取
環を備えさせ、吊下索条の長さを調節して巻取環を巻取
軸に固定するようにした機構等が採用されるようにすべ
きである。
【0011】転動輪は、収納棚本体の背面、即ち壁面に
相対する面の左右側縁近傍か、その他適所に取着され、
壁面に設置した後述のレール体に嵌合し、該レール体を
案内軌道として収納棚本体が正しく壁面に沿って上下動
し、その上下動の際しての左右、前後への揺れを規制す
ると共に、地震時の安全を確保する機能を果たすもので
あり、後述する実施例に示すものの外、例えば、平面視
略「C」字状に折曲された車軸を有する1つの支持体
の、対峙する左右端に対して、一対の車輪を直線状に枢
着し、該2つの車輪によって、水平断面「T」字状もし
くは横転された「H」字状に形成されたレール体を嵌合
状に挟み込み、組み合わせられるように構成したもの、
更に、左右の転動輪を左右外側から一対のレール体で挟
み込むようにしたものや、逆に2本のレール体の左右の
外側から2つの転動輪で挟み込むことによって、嵌合状
に組み合わせるようにした構造のもの等によって実現さ
れる。
【0012】上記のとおりの収納棚本体は、建造物の壁
面であって、設置に耐える強度を有するか、予めそのた
めに補強構造、例えばレール体接地箇所となる軸組構造
部に柱または間柱を配しておくようにしたり、あるいは
仕上げ壁面の表面に、後から補強材を添設一体化する等
して補強してなる壁面に、レール体を介して吊下げ状に
組み込まれることになり、該レール体は、十分な剛性を
備え、転動輪を前後左右に移動させず、上下方向にのみ
案内するようにした断面構造を有する型鋼材、例えば、
水平断面で「C」字状、「E」字状、「L」字状、横転
「U」字状、「X」字状、「Y」字状等、適宜断面形の
型鋼材の採用が可能であり、上記した転動輪の配置具合
に応じて、1列あるいはそれ以上の列で、壁面に確実に
固定されるようにする。
【0013】巻取軸は、壁面から突出させたアーム部材
か、天井部の梁、桁等の横架材に直接か適宜部材を介し
て回転自在に軸受され、上記した吊下索条の上端側を巻
取、巻戻しする機能を果たすものであり、直接巻取軸に
吊下索条を巻取、巻戻しするようにやや太めの鋼棒、鋼
管を採用するか、あるいは後述する実施例のように、鋼
棒にリール状の巻取環を一体化し、鋼棒の回転と共に巻
取環を回転させて巻取、巻戻しができるようにしたもの
とすることができる。
【0014】この巻取軸の駆動装置は、利用者の意思に
応じて自在に収納棚本体を上下動させるために、上記巻
取軸を回転駆動する装置であり、例えば、巻取軸端に連
結された自在軸継ぎ手の端部に、クランク状に折曲され
た長尺の回転操作棒先端の鉤爪を嵌着して、利用者が直
接、該回転操作棒を正逆回転操作することにより、収納
棚を上下動することができるように構成したものや、巻
取軸の端部に巻き付けられた長尺の無端状チェーンを、
手繰り操作することによって上下動するように構成した
ものとしたり、また、上昇の場合にのみ、前記のような
操作手段で引き上げ力を加え、降下時には、制動機構の
操作と共に収納棚本体の自重で低速に降下するようにし
たもの、あるいは後述の実施例のように電動モーターに
よって作動するようにしたものとする。以下では、これ
までに説明してきたこの発明の上下動式収納棚に包含さ
れる構成が、より一層明確に理解できるよう、最も代表
的な実施例を開示して具体的な説明を加えてみることと
する。
【0015】
【実施例1】図1の上下動式収納棚を流し台上に設置し
た状態を示す斜視図、図2の上下動式収納棚の斜視図、
図3の図4中のB−B線により示される上下動式収納棚
のレール体に組み合わせられる左側上部の転動輪を示す
平断面図、図4の図3中のA−A線によって示される上
下動式収納棚と左側に配置されたレール体の側断面図に
示された事例は、この発明を具体化したものの代表的な
1実施例である。上下動式収納棚1は、建造物の壁面
に、上下方向に延びる如くに設けられた左右のレール体
2,2と、これらのレール体2,2に嵌合状に組み合わ
せられるようにした上下左右の転動輪3,3,……を背
面に有する収納棚本体4とを備え、更に、上記壁面上部
には正逆転自在に横架された巻取軸5と、該巻取軸5に
巻き取り可能な左右2本の吊下索条6,6と、吊下索条
6,6に対して収納棚本体4を吊下る左右の吊下杆7,
7と、を備えている。
【0016】収納棚本体4は、立方体状に組み立てられ
た木製の骨格体41の、上下左右および背面の夫々に合
成木材板等からなる壁面板42が張付けられており、前
面部分は収納口43として開口され、複数枚の開閉扉4
2a,42a,……が取着されている。更に、収納棚本
体4は、美観を向上すると共に、収納力を高めるため
に、前面の中央部分が半円柱形状を成す如く前方に膨出
されており、中央部に設けられた2枚の開閉扉42a,
42aは、共に半円柱形状の周壁面を縦割り状に2分割
するように構成され、中央から観音開き可能に構成され
ている。
【0017】骨格体41の左右上下の四角部分には、前
後方向に延びる合計4本の水平骨格部材41a,41
a,41b,41bが設けられており、左右の構造は、
互いに対象的に構成されている。正面視左側の上下の水
平骨格部材41a,41bの背面側の基端部には、上下
に雄ねじの形成された螺着部を備えた鉄棒から成る吊下
杆7が、上下方向に貫通されており、該吊下杆7の下側
の水平骨格部材41bの下側に突出された下端の螺着部
には、同骨格材41bを傷から保護し、保持面積を拡大
するワッシャーを介してナットを螺着し、収納棚本体4
を保持するように構成されている。また、吊下杆7の上
端の螺着部には、吊環を備えた吊環金具71の下端に下
向きに開口されたねじ穴が螺着され、必要に応じて止め
ナット、または割ピン等の緩み止め部品を設けている。
左右の吊環金具71の夫々の上端には、後述する左右の
吊下索条6,6の一端が緊縛され、懸吊されるように構
成されている。
【0018】一方、収納棚本体4の背面の上下左右の四
角部分には、左右対象に配置される如くに、夫々転動輪
3,3,……が取着されている。該転動輪3は、鋼板が
平面視略「L」字状に折曲された支持体31を備えて成
り、支持体31の一方の鋼板面には、取着位置に対応す
る水平骨格部材41a,41a,41b,41bの後端
に螺挿される木ねじを貫通する、ばか孔が穿設され、他
方の鋼板面には、合計2本の車軸が前後に位置して板厚
方向に貫通され、且つ、回転自在に支持されている。後
部側に位置された車軸の両端には、内輪32,32が枢
着され、また、前部側に位置された車軸の両端には、外
輪33,33が枢着されている。
【0019】レール体2,2は、建造物の取付壁面であ
る台所の流し台S上部に位置する壁面に対して、収納棚
本体1の左右の転動輪3,3,……を上下に結ぶ軌道に
対応する2ヵ所に夫々、鉛直状に張り付け結合されてい
る。該左右2本のレール体2は、鋼板をプレス成形する
ことにより、製造されたものであり、上下方向の断面が
略横転「C」字状に形成されてなり、図3および図4中
に示されるように、支持体31は、上下に連続するスリ
ット状の開口に挿入され、内輪32,32をレール体2
の内側に位置するように組み合わせられる。換言すれ
ば、平面視略「コ」字状に形成されたレール体の前面左
右の開口縁には、上下に渡って平面視略「C」字状を成
す如くに、ウエブ片21,21が形成されており、内輪
32,32が、該ウエブ片21,21の内側に配置さ
れ、また、外輪33,33が該ウエブ片21,21の外
側に配置されて嵌合状に挿着され、該内輪32,32と
外輪33,33とにより、上記ウエブ片21,21を転
動自在に挟み込む状態に装着されて、収納棚本体4は壁
面に対して、前後に移動不可能、且つ上下に移動自在に
案内支持されている。
【0020】レール体2,2の上部には、巻取軸5が左
右に設けられた軸受51,51によって台所壁面に対し
て水平横架状、且つ、回転自在に枢支されており、一端
側には,減速機8を介してモータ9の駆動軸が接続され
ている。巻取軸5の上記左右の吊下杆7,7の上部に対
応する部位には、夫々、所定間隔を持って対峙する一対
のフランジ部72a,72a,……を備えた巻取部7
2,72が設けられ、吊下索条6の中途部分を巻回して
いる。左右の巻取部72,72の内側に位置するフラン
ジ部72a,72aの壁面には、板厚方向に貫通されて
吊下索条6を挿通する索条孔72b,72bが穿設さ
れ、該索条孔72b,72bに挿通された吊下索条6の
他端側は中央側に配置された、長さ調節装置10,10
側に引き込まれるように構成されている。
【0021】長さ調節装置10,10は、左右の巻取部
72,72の中央側に配置され、左右の吊下索条6,6
を夫々「U」ターンする如く巻き付けるプーリ101,
101を備え、更に、「U」ターンされた吊下索条6,
6の他端部を、巻取軸5の軸方向の任意の位置に固定で
きるバックル102,102に連結している。つまり、
上記バックル102,102の巻取軸5の軸方向の位置
を変更することにより、左右の吊下索条6の長さを調節
し、その結果、収納棚本体4の傾きを修正して水平状態
に調整することができるように構成されている。
【0022】上下動式収納棚1は、モータ9に接続され
たスイッチ装置11を操作することにより、上下動およ
び停止制御可能に構成されており、その上下移動範囲
は、レール体2の上下の端部側に設けられた図示しない
スイッチ部品に上下動収納棚1が接触することにより、
自動停止するように構成された安全装置を備えて制限さ
れるようになっている。
【0023】
【実施例2】図5の図4中のB−B線により示される上
下動式収納棚のレール体に組み合わせられる左側上部の
転動輪の他の例を示す平断面図は、この発明を具体化し
た他の実施例が示してあり、上下動式収納棚1の基本的
な構成は、上記実施例1に説明したものと同一の構成を
備えており、転動輪3,3,……の構成のみが異なるも
のである。
【0024】収納棚本体4の背面の上下左右の四角部分
に設けられた転動輪3,3,……は、鋼板を平面視略
「L」字状に折曲して形成した支持体31を備えて成
り、該支持体31の一方の鋼板面には、取着位置に対応
する収納棚本体4の背面板に貫通され、水平骨格部材4
1a,41a,41b,41bの後端に螺挿結合される
木ねじを挿通する、挿通孔が穿設され、該一方の鋼板面
と直角に交差する他方の鋼板面には、1本の車軸が板厚
方向に貫通され、回転自在に支持されている。
【0025】車軸の両端には内輪32,32が枢着さ
れ、上下方向の断面を略「コ」字状に形成されたレール
体の前面左右の開口縁には,上下に渡って平面視略
「C」字状を成す如くに、ウエブ片21,21を有し、
該内輪32,32をウエブ片21,21の内側に嵌合状
に挿着し、収納棚本体4を、前後移動不可能、且つ上下
に移動自在な状態に案内,支持するように構成されてい
る。
【0026】
【作用】図1に示されるように,台所の流し台Sの上部
壁に設置された、上下動式収納棚1は、収納物を出し入
れするときに、スイッチ装置11を降下側に操作するこ
とによって、モータ9を解放側に回転起動し、減速機8
を介して、所定速度に減速されて巻取軸5を解放側に回
転する。巻取軸5の回転に従って、巻き付けられていた
吊下索条6,6は、解き放たれて収納棚本体4を次第に
流し台Sに最も近接する位置まで降下させる。
【0027】レール体2の下端側に配された、図示しな
いスイッチ部品に収納棚本体4の底面が接触することに
より、安全装置が働き、自動的に停止される。収納棚本
体4は、女性や子供および老人等であっても、手の届き
やすい低さまで、降下して停止されているので、踏み台
や、食卓椅子等、を一切必要とせずに、収納および取り
出し作業を行うことを可能にする。また、収納や、取り
出しを完了した後には、スイッチ装置11を上昇側に操
作することにより、モータ9を巻取側に回転し、減速機
8を介して巻取軸5を巻取側に回転駆動する。巻取軸5
の回転により、吊下索条6,6が巻回され、収納棚本体
4を上昇させる。上昇する収納棚本体4の天井面が、レ
ール体2の上端側に設けられた、図示しないスイッチ部
品に接触することによって、自動的に安全装置が作動し
て、モータ9を停止させる。最上位まで移動された収納
棚本体4は、頭上に固定支持されるため、流し台Sを利
用する場合にも邪魔にならない。
【0028】転動輪3の内輪32,……は、レール体
2,2のウエブ片21,……の内側に、転動自在に組み
込まれたことにより、収納棚本体4の前後左右への不用
意な揺れ動きを規制し、静粛且つ滑らかな上下移動を可
能にするように構成され、更に、外輪33,……を設け
て、ウエブ片21,……を内輪32,…との間に挟み込
むようにすることにより、一層強固に揺動を規制するこ
とを可能にする。
【0029】巻取軸5の左右に設けられた長さ調節装置
10,10を使用することによって、吊下索条6,6の
長さを調節して、収納棚本体4の水平を確保することが
できる。先ず、スイッチ装置11を解放側に操作して、
収納棚本体4を降下させ、吊下索条6,6を全て解放し
た状態にする。次に、巻取軸5に嵌着されたバックル1
02,102を外して、吊下索条6,6を引き付け、ま
たは送り出し調節して、収納棚本体4を水平にする位置
に移動し、その位置において、バックル102,102
を巻取軸5の周壁に嵌着結合することによって、吊下索
条6,6の他端を巻取軸5の周壁面に固定する。以上の
長さ調節の後は、収納棚本体4の水平状態を保ったま
ま、上下移動することを可能にすることができる。スイ
ッチ装置11を操作することにより、通常の上昇位置ま
で移動し、吊下索条6,6の長さ調節を終了することが
できる。
【0030】
【効果】以上説明したように,この発明の上下動式収納
棚によれば、先ず何よりも、従前までであれば、台所の
流し台の上等の高所に設けられた収納棚を利用する場合
に、踏み台や食卓用の椅子等を収納棚の下まで運び、体
のバランスを崩さないように注意しながら、高所に収納
された物を出し入れすることが必要であり、特に高齢者
や子供には極めて困難で危険の伴う作業となるものであ
ったが、収納棚を上下移動させることが可能なことか
ら、踏み台や椅子を運ぶ手間を省き、手の届く通常の姿
勢で収納、取り出し作業を楽に行うことができ、したが
って、健常者にとっては勿論のこと、特に高齢者や子
供、および体の不自由な利用者にとって極めて有用な収
納棚を実現することができるという大きな利点を特徴と
して取り上げなければならない。
【0031】そして、この収納棚本体が、壁面に沿って
自在に上下動可能となることにより、特に我が国の厨房
のように、狭い空間内に沢山の物資を保管、管理しなけ
ればならない住宅事情における収納棚として、必要時以
外は高所の空間に止め置き、採光や換気のための空間、
あるいは調理その他の作業のための空間等、それら収納
棚に邪魔されない広がりある空間に活用できるようにす
るものであり、この空間の有効利用面で、この発明の上
下動式収納棚は、大いにその威力を発揮するものになる
という非常に秀れた特徴をも有している。
【0032】この発明の上記までの特徴は、特別に必要
なとき以外、収納棚本体の基本的な構造をそのまま生か
し、単に左右隅部分に配されている上下一対の水平骨格
体の基端側近傍に吊下杆を上下に貫通、一体化するだけ
の構造で、他にそれらを上下動させるための壁面側に固
定されるレール体と、吊下索条を巻き取る巻取軸とによ
って極めて簡便に実現可能な上、設置前の各部品は、各
部品毎に分解された状態で取り扱うことができ、しか
も、長さ調節装置を設けたものとすることにより、設置
当初の水平調節や、長期に渡る使用によって生じた吊下
索条の片伸び等の調整も簡単に実施できるることから、
現場における取り扱い、設置作業も極めて容易なものと
なり、新築段階だけではなく、既存の壁面へ後付けする
ことも簡単に実施可能になるという秀れた特徴も兼ね備
えており、製造が容易であることも加味され、諸経費の
削減による低価格化が可能になる。
【0033】特に、各実施例に示される上下動式収納棚
1は、上記までの特徴に加え、吊下杆7,7の収納棚本
体4への一体化が、極めて簡便、確実に実現され、全体
荷重を吊り下げる上で、より高い強度を確保することが
可能であり、また、転動輪3,3,……には、レール体
2,2のウエブ片21,21,……内に嵌合状に組み込
まれる内輪32,32,……を備え、且つ、該ウエブ片
21,21,……の外側に、上記内輪32,32,……
に対峙する外輪33,33,……を設けたことによっ
て、前後の揺動が規制され、より円滑な上下移動を確保
することができ、地震が発生した場合等にあっても、壁
面から大きく離れ揺れ動くことを確実に防止する効果が
発揮されるものとなる上、万が一、一方の吊下索条6が
切断された場合であっても、レール体2,2と内輪3
2,32,……との嵌合により、収納棚本体4の水平状
態が確保され、室内への倒壊を防止することができる
等、高い安全性が確保可能になるという特徴を発揮でき
るものとなる。
【0034】叙上の如く、この発明の上下動式収納棚
は、新規な構成によって確実に所期の目的を達成可能と
するものであり、その構造も比較的簡素で製造も容易で
あり、低廉な製品として市場に提供することが可能であ
ることから、我が国のような限られた空間を有効利用せ
ざるを得ない建造物の収納棚として最適なものとなっ
て、広く普及、利用することが可能になり、既に始まり
つつある高齢化社会における住宅設備の一つとして、多
くの高齢者や身体に障害を持つ人々に大いに貢献すると
共に、健常者の日常的な作業の効率化にも繋がり、それ
ら関連する人々から高い評価がなされるものと予想され
る。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の上下動式収納棚の技術的思想を具現化
した代表的な実施例を示すものである。
【図1】上下動式収納棚を流し台上に設置した状態を示
す斜視図である。
【図2】上下動式収納棚の一部を省略して示す拡大斜視
図である。
【図3】図4中のB−B線によるレール体への転動輪の
組合せ構造を示す要部拡大縦断面図である。
【図4】図3中のA−A線によって示される方向を望
む、収納棚本体とレール体との組合せ構造を示した縦断
面図である。
【図5】図3と同様にしたものの他の実施例を示す要部
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 上下動式収納棚 2 レ ー ル 体 21 同 ウエブ片 3 転 動 輪 31 同 支持体 32 同 内輪 33 同 外輪 4 収納棚本体 41 同 骨格体 41a,41b 同 上下一対の水平骨格部材 42 同 壁面板 42a 同 開閉扉 43 同 収納口 5 巻 取 軸 51 同 軸受 6 吊 下 索 条 7 吊 下 杆 71 同 吊環金具 72 同 巻取部 72a 同 フランジ部 8 減 速 機 9 モータ 10 長さ調節装置 101 同 プーリ 102 同 バックル 11 スイッチ装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−46927(JP,A) 特開 平6−46926(JP,A) 実開 平6−82939(JP,U) 実開 平2−64335(JP,U) 実開 昭60−178429(JP,U) 実開 昭63−127438(JP,U) 実開 平7−20872(JP,U) 実開 昭59−118435(JP,U) 実開 昭63−142136(JP,U) 実開 平5−15841(JP,U) 実開 平2−132444(JP,U) 実開 昭63−150543(JP,U) 実開 昭62−177331(JP,U) 実開 昭62−116935(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 77/04 A47B 46/00 501

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部の少なくとも隅角部に沿って立方体
    状に枠組みされた骨格体を有し、前面側を収納口として
    なる収納棚本体の、左右両側の夫々の上下で平行し、前
    後方向に延びる一対の水平骨格部材に対し、夫々の基端
    部近傍を上下に貫通させて吊下杆を一体化すると共に、
    収納棚本体の背面には転動輪を取着し、該転動輪を、建
    造物の取付壁面の所定箇所に配した、上下方向に延びる
    レール体に嵌合状に組み合わせるようにする一方、取付
    け壁面上部所定箇所には、正逆転自在に巻取軸を横架し
    た上、該巻取軸に巻き取り可能とした吊下索条の自由端
    側を、先の吊下杆上端に接続し、適宜駆動装置で巻取軸
    を正転、逆転して吊下索条を上下方向に伸縮させ、収納
    棚本体を取付壁面に沿わせて上下動、且つ所定位置で停
    止させるようにしてなる、上下動式収納棚。
  2. 【請求項2】 レール体が、チャンネル材等のように、
    部材断面において前面に案内溝を有し、該案内溝の両側
    にはウエブ片を有する構造の型鋼材あるいはそれに相当
    する断面の部材からなるものとし、転動輪が、少なくと
    も該レール体のウエブ片の内側面を案内として転動可能
    とする内輪を有するものに形成され、レール体を案内と
    した上下動と共に、取付け壁面からの前後方向の揺れを
    阻止するようにしたことを特徴とする、請求項1記載の
    上下動式収納棚。
  3. 【請求項3】 駆動装置が、巻取軸に減速機を介して接
    続されたモータと、収納棚本体が所定上下規制位置まで
    移動したときにモータを自動停止する安全装置、およ
    び、該モータを正逆転操作および停止操作するスイッチ
    装置とを備えてなるものとしたことを特徴とする、請求
    項1または2何れか記載の上下動式収納棚。
  4. 【請求項4】 巻取軸には、左右に一対の吊下索条が巻
    着され、夫々巻取られる側の端部を、軸表面に沿わせ、
    軸端側、或いは軸中央側に個別に引き込み、適宜長さ調
    節装置を介して固定してなるものとしたことを特徴とす
    る、請求項1〜3何れか記載の上下動式収納棚。
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