JP2921587B2 - 現像剤担持体 - Google Patents

現像剤担持体

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JP2921587B2 JP2140889A JP14088990A JP2921587B2 JP 2921587 B2 JP2921587 B2 JP 2921587B2 JP 2140889 A JP2140889 A JP 2140889A JP 14088990 A JP14088990 A JP 14088990A JP 2921587 B2 JP2921587 B2 JP 2921587B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転駆動される現像剤担持体に、必要に応
じて補助剤を外添した非磁性一成分系現像剤を供給し、
該現像剤担持体の表面に前記現像剤を担持して搬送し、
潜像担持体と前記現像剤担持体が互いに対向した現像領
域にて、該潜像担持体に形成された静電潜像を現像剤担
持体に担持された前記現像剤によって可視像化する画像
形成方法に用いる現像剤担持体に関するものである。
〔従来の技術〕
潜像担持体に静電潜像を形成し、これを現像剤によっ
て可視像化して記録画像を得る電子複写機、プリンタ或
いはファクシミリ等の画像形成装置では、粉体状の現像
剤を用いる乾式の現像装置が広く採用されている。
かかる粉体状の現像剤としては、トナーとキャリアを
有する二成分系現像剤と、キャリアを含まない一成分系
現像剤とが公知であり、前者の二成分系現像剤を用いた
二成分現像方式は、比較的安定した良好な記録画像が得
られる反面、キャリアの劣化やトナーとキャリアの混合
比の変動が発生しやすく、装置の維持管理が煩雑で、装
置全体の構造が大型化しやすくなる欠点を有している。
このような観点から、上述の欠点を有しない一成分系
現像剤を用いた一成分現像方式が注目されている。一成
分系現像剤は、トナーのみから成るものと、これに必要
に応じて補助剤を外添しトナーと補助剤を混合したもの
とがある。またトナーとしては、その各トナー粒子自体
に磁性粉を練り込んだ磁性トナーと、磁性体を含まない
非磁性トナーとがある。
ここで、磁性体は一般に不透明であるため、フルカラ
ーやマルチカラーを含めたカラー画像を磁性トナーによ
って形成すると、現像された可視像が不鮮明となり、鮮
やかなカラー画像を得ることはできない。従って、特に
カラー現像に対しては、非磁性トナーを用いた一成分現
像方式を採用することが望ましい。
ところで、一成分現像方式を採用した現像装置におい
ては、一成分系現像剤を現像剤担持体に担持させて搬送
し、この現像剤担持体と潜像担持体とが互いに対向した
現像領域において、潜像担持体に形成された静電潜像を
現像剤によって可視像化しているが、所定濃度の高品質
な可視像を形成するには、充分に帯電した多量のトナー
を現像領域に搬送し、かかるトナーによって潜像を可視
像化する必要がある。
磁性トナーを用いた場合には、現像剤担持体に内設し
た磁石の磁力を利用して、該担持体にこの一成分系現像
剤を担持できるので、上述の要求を比較的容易に満たす
ことが可能である。
ところが、非磁性の一成分系現像剤を用いたときは、
これを磁力によって現像剤担持体に担持させることはで
きないため、上述の要求を満たすことは難しい。これに
対する対策も従来より各種提案されており、例えば特開
昭61-42672号公報には、現像剤担持体(現像ローラ)の
表面に誘電体(絶縁体)の層を積層形成し、これに対し
て、例えばスポンジローラから成る現像剤供給部材を圧
接させ、両者を互いに異極性に摩擦帯電させると共に、
この誘電体と逆極性に帯電させた非磁性トナーを誘電体
に静電的に付着させ、かかる一成分系現像剤を現像領域
に搬送する方法が提案されている。しかし、この方法に
よっても、誘電体表面の近傍に形成される電界の強さを
充分に高めることができないため、現像ローラの表面に
多量のトナーを担持させることは難しく、現像領域へ搬
送できる現像剤量が不足し、高濃度の可視像を形成する
ことは困難である。
また、現像ローラと現像剤供給部材の間に、非磁性ト
ナーが現像ローラ側へ静電的に移行する向きの電界を印
加する構成も公知であるが、このような構成を付加して
も、現像ローラへ充分な量のトナーを付着させることは
難しい。
なお、トナー供給部材としては、102〜106Ω・cmの導
電性発泡体(特開昭60-229057号公報)、スキン層付弾
性体(特開昭60-229060号公報)及びファーブラシ(特
開昭61-42672号公報)等を使用することが提案されてお
り、また現像ローラとしては、表面に凹凸を有する金属
体(特開昭60-53976号公報)、絶縁被覆ローラー体(特
開昭55-46768号公報)中抵抗体被覆ローラ(特開昭58-1
3278号公報)及び絶縁体と導電面を持つ電極ローラ(特
開昭53-36245号公報)等が開示されている。
また、非磁性一成分現像剤を用いる現像装置におい
て、特開昭60-229057号公報ではスポンジローラ、特開
昭62-229060号公報では弾性ローラ、特開昭61-52663号
公報ではファーブラシ等を用いて、トナーと補給部材と
の摩擦帯電でトナーに電荷を付与し、更に現像ローラと
の接触においての摩擦により、現像ローラへトナーを静
電的に付着させ、更にブレード等の層厚規制部材を用い
て、トナー層を制御して感光体の潜像を現像する。現像
ローラの材料としては、絶縁性のもの、中抵抗のもの、
積層のものなど各種のものが用いられている。
これらの引例で示されている方式によると、現像ロー
ラへのトナー付着は、トナー補給部材と現像ローラとの
摩擦帯電によって行なわれるが、トナーの付着した部材
で摩擦するため、充分な帯電が得にくく、結果的にトナ
ー付着が不足してしまう。非磁性一成分現像方式での最
適付着量と帯電量について説明すると、次のようにな
る。
白黒用では、帯電量が重視され、それは一般的に10〜
20μC/gである。この値より小さいと、地汚れ、シャー
プ性などの画質面で劣るものとなる。また、付着量に関
しては、現像ローラ上の付着量は0.1〜0.3mg/cm2である
が、転写紙上には0.4〜0.5mg/cm2が必要であり、現像ロ
ーラのスピードを感光体のスピードの3〜4倍にするこ
とによって、トナーの付着量をカバーしている。ただ、
3〜4倍の現像ローラの回転には、“トナー後端より”
という現象、すなわちベタ部を現像した場合、画像の後
端部の濃度が高くなるという現象を、発生するという問
題がある。この現象を防ぐには、現像ローラのスピード
を感光体のスピードに近ずけることである。つまり、現
像ローラ上の付着量を多くして、回転数を小さくしなけ
ればならない。
一方、カラートナーでは、その色特性は黒トナーに比
べて着色度が小さく、また“トナー後端より”を改良し
ようとすると、黒トナーに比べ更に多い0.8〜1.2mg/cm2
という現像ローラ上の付着量が必要になる。また、帯電
量に関しては、安定した画像を得るためには、5〜20μ
C/g(好ましくは10〜15μC/g)の値が望まれる。
これらの問題点を解消する方法として、本発明者ら
は、先に「回転駆動される現像剤担持体に、必要に応じ
て補助剤を外添した非磁性トナーより成る一成分系現像
剤を供給し、該担持体の表面に前記現像剤を担持して搬
送し、潜像担持体と前記現像剤担持体が互いに対向した
現像領域にて、該潜像担持体に形成された静電潜像を現
像剤担持体に担持された前記現像剤によって可視像化す
る現像方法において、前記現像剤担持体の表面に選択的
に電荷を保持させることにより該担持体表面の近傍に多
数の微小閉電界を形成し、この閉電界により帯電トナー
を吸引し、現像剤を現像剤担持体表面に付着させて担持
し、該担持現像剤によって静電潜像を可視像化する画像
形成方法」を提案した。
かかる発明は、現像剤担持体の表面の近傍に多数の微
小閉電界(マイクロフィールド)が形成されるので、そ
の電界強度を従来よりも著しく増大させることができ、
充分に帯電した多量の非磁性トナーを現像剤担持体に担
持して現像領域に搬送できるといった多くの利点を有す
るものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ただ、前記のような現像剤担持体表面の近傍に多数の
マイクロフィールドが形成される画像形成方法において
も、経時的に安定したトナー付着量と帯電量を得るため
には、現像剤担持体表面にトナーが付着する、いわゆる
トナーフィルミングを防止すること、更には現像剤担持
体とトナー供給部材(スポンジローラ又はファーブラシ
など)とが接触して回転するとき、その回転ムラをなく
して、現像ムラを防止するため、現像剤担持体の駆動ト
ルクを低減化することなどが要求される。
従って、本発明の目的は、前記の画像形成方法におい
て、フィルミングや現像ムラの発生という問題点を解消
する現像剤担持体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、鋭意検討した結果、現像剤担持体表面
において、微小誘電性領域の表面が微小導電性領域の表
面より低くなっている現像剤担持体が、上記目的に適合
することを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、現像剤担持体の表面上
に、選択的に電荷を保持させることにより、現像剤担持
体表面近傍に多数の微小閉電界を形成し、この現像剤担
持体上に、必要に応じて補助剤を外添したトナーよりな
る非磁性一成分系現像剤を供給し、前記微小閉電界によ
り前記現像剤を現像剤担持体表面に担持させ、該担持現
像剤によって静電潜像を可視像化する画像形成方法に用
いる現像剤担持体であって、その表面が微小誘電性領域
と、導電性基体と電気的に接続する微小導電性領域とか
ら構成され、しかも前記微小誘電性領域の表面が前記微
小導電性領域の表面より低くなっていることを特徴とす
る現像剤担持体が提供される。
また、本発明によれば、前記現像剤担持体が、誘電部
と導電部を表面に分布させたものであって、前記誘電部
を帯電して電荷を保持させ、前記導電部を、この誘電部
の電荷に対応して生じる静電誘導により前記電荷と逆極
性でかつ前記電荷に対応した量に帯電させて前記現像剤
担持体の表面に電荷配置を形成し、この電荷間に多数の
微小閉電界を形成したことを特徴とする前記現像剤担持
体が提供される。
本発明の現像剤担持体を用いる画像形成方法は、現像
剤担持体表面の近傍に多数の微小閉電界が形成されるの
で、その電界強度を従来よりも著しく増大させることが
できる上に、現像剤担持体表面において、微小誘電性領
域の表面が微小導電性領域の表面よりも低くなっている
という構成にしたことから、トナーフィルミングの発生
が防止されると共に現像剤担持体の駆動トルクが低減化
されて現像ムラを防止することができるものとなる。
以下、かかる画像形成方法について説明する。
第1図にこの画像形成方法の実施に有用な代表的な現
像装置の現像剤担持体部を中心とした概要を示す。第1
図において、トナータンク70に内蔵されているトナー60
は、撹拌羽根(トナー供給補助部材)50によりトナー供
給部材(スポンジローラ又はファーブラシなど)40に強
制的に寄せられ、トナー60はトナー供給部材40に供給さ
れる。一方、現像を終了した本発明の現像剤担持体(現
像ローラ)20は、矢印の方向に回転(例えば400rpm)
し、トナー供給部材40との接触部に至る。トナー供給部
材40は現像剤担持体20と逆方向に回転(例えば300rpm)
し、現像剤担持体20とトナー60に帯電を与え、現像剤担
持体20上にトナー60を付着させる。更に現像剤担持体20
は回転し、現像剤担持体20上の付着トナーは、トナー層
厚規制部材(弾性ブレード)30により、厚みを制御され
ながら帯電も安定化され、現像領域80に達する。現像領
域80において、接触又は非接触現像により、潜像が現像
される。ここで必要に応じて、現像剤担持体20、トナー
供給部材40に直流、交流、直流重畳交流、パルスなどの
バイアスなどを印加して、最適な画像を制御することが
できる。
次に、このタイプ(電極タイプ)の現像剤担持体20へ
のトナー付着のメカニズムについて説明する。現像剤担
持体20の例としては、例えば第2図に示されるように、
その表面に誘電性領域(誘電体部)と導電性領域(導電
体部)とが微小面積で混在するように構成されている。
面積の大きさは、形状が円形であるとした場合、径が10
〜500μmの大きさの微小面積がランダムに又はある規
則にしたがって分散している。面積比としては、導電体
部の面積が20〜60%の範囲が好ましい。また、誘電体部
表面は導電体部表面より低くなっており(すなわち凹ん
でおり)、その差(深さ)はトナー平均粒径の3〜6倍
程度が好ましい。
トナー付着は次のようになる。まず、現像を終了した
現像剤担持体20は、矢印の方向に回転してトナー供給部
材40と接触する。ここで現像しなかった非画像部の残ト
ナーは、トナー供給部材40により機械的、電気的にかき
とられ、誘電体部は摩擦によって帯電する。このとき前
の現像による現像剤担持体20とトナーの電荷は、摩擦に
より一定化され、初期化される。次に、供給部材40によ
って運ばれたトナーは、摩擦により帯電し、現像剤担持
体20の誘電体部に静電的に付着する。このときの極性
は、感光体電荷に対してトナーは逆極性にまた現像剤担
持体20の誘電体部は同極性となる。このような現像剤担
持体20とトナー供給部材40との接触回転によるトナー供
給と初期化の過程において、誘電体部表面が低くなって
いる(凹んでいる)ことによって、誘電体部とトナー供
給部材40との接触回転が適正化され、その結果誘電体部
表面へのトナーフィルミングが防止され、且つ現像剤担
持体20の駆動トルク低減化により回転ムラが防止され
る。
また、このときの現像剤担持体20上の電界は、第2図
に示されるようにマイクロフィールド(閉電界)とな
り、電界傾度の大きい電界となって、トナーを多層に付
着させることが可能となる。また、付着したトナーは閉
電界となっているので、現像剤担持体20側に強く引かれ
離れにくい状態となる。
このトナー層は、更にトナー層厚規制部材30によりト
ナー層厚が制御され、現像領域80に達する。現像領域80
での現像剤担持体20と静電潜像担持体(感光体)10間の
電界は、電極効果が大きくなり、現像剤担持体20上のト
ナーは静電潜像担持体10に付着し易い電界となり、現像
が行なわれる。
次に、本発明の現像剤担持体について説明する。本発
明の現像剤担持体は、前記したように、その表面に導電
性領域(導電体部)と誘電性領域(誘電体部)とが微小
面積で混在している構成となっているが、導電体部に用
いる導電性材料としては、1012Ω・cm以下、好ましくは
108Ω・cm以下のものが使用できる。具体例としては、A
l、SUS、Fe、Niなどの金属類、セラミックス類などの他
に、有機ポリマー類に導電性フィラーを添加したものが
挙げられる。この場合、有機ポリマー類としては次のも
のが挙げられる。
ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルホルマールなどのビニル系樹脂;ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのポリスチ
レン系樹脂;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などのポリエチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリメチルメタクリレート−スチレン共重合体な
どのアクリル系樹脂;ポリアセタール、ポリアミド、セ
ルロース、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエ
ステル、フッ素樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料;天然ゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロ
ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴ
ム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコ
ーン変性エチレン−プロピレンゴムなどのゴム材料な
ど。
また、導電性フィラーとしては、Ni、Cuなどの金属
粉;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブ
ラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなど
のカーボンブラック;酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブ
デン、酸化アンチモン、チタン酸カリなどの導電性酸化
物;酸化チタン、雲母上などにめっきを施した無電界め
っき物;グラファイト、金属繊維、炭素繊維などが挙げ
られる。
なお、ポリエチレンオキサイドやポリシロキサンなど
のポリマーマトリックスに金属イオンを配位させた有機
イオン伝導体なども用いることができる。
一方、誘電体部に用いる材料は、絶縁性であれば、使
用可能であるが、1013Ω・cm以上、特に1014Ω・cm以上
のものが好ましい。具体的には、脂肪族含フッ素化合物
やシリコーン樹脂を主体とするものが使用される。
脂肪族含フッ素化合物としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体、ポリクロロトルフルオロエチレンなどのフッ素を
含む重合体若しくは分子鎖末端あるいは分子鎖中にエー
テル基、カルボキシル基、水酸基などの極性基を有する
脂肪族フルオロカーボンないし脂肪族フルオロクロロカ
ーボン化合物などが挙げられる。また、シリコーン樹脂
としては、縮合反応型、付加反応型、過酸化物硬化反応
型のシリコーン樹脂ないしは有機樹脂を共重合した変性
樹脂などが挙げられる。
本発明の現像剤担持体を作製するには、例えば、
(i)まず、表面にアヤメローレット加工等によりV溝
加工を施した金属ローラを作製し(この場合、V溝は0.
1〜0.5mmピッチとし、ローラ長手方向に対して、約45°
の角度に加工する)〔参照;第3図(a)〕、(ii)次
に、V溝加工した金属表面に、前記誘電体材料をスプレ
ー、ディッピングなどの方法によりコーティングし、所
定の条件(温度、時間)で硬化(焼成)し(塗布膜の厚
みはV溝の縁より20〜70μm凹んだ状態にする)〔参
照;第3図(b)〕、(iii)続いてローラの表面を切
削又は研磨加工により導電面と誘電面が微小面積で混在
するように削り、導電部面積が20〜60%になるように削
る〔参照;第3図(c)〕という方法が採用される。
また、(iv)前記導電性材料を混練した後、該混練物
を金属ローラの表面に、射出成型、押し出し成型、プレ
ス成型、スプレーコーティング、ディッピング等の通常
の成型方法により、層成型し、その後に前記(i)〜
(iii)の処理を行なうという方法を採用することもで
きる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。な
お、部は重量部を表わす。
実施例1 次の要領により現像剤担持体(現像ローラ)を作製し
た。
(i)金属ローラ(φ25)の表面にアヤメローレット加
工により、V溝を設けた。V溝は0.2mmピッチとし、ロ
ーラ長手方向に対して約45度に加工した。
(ii)V溝加工した金属ローラ表面に、ポリテトラフル
オロエチレン(商品名ポリフロンTEF M-5;ダイキン工業
社製)を静電塗装した後、350℃、約1時間焼成した。
コーティング膜の厚みは、V溝の縁より50μm凹んだ状
態とした。
(iii)ローラの表面を研磨し、導電面と誘電面が微小
面積で混在するようにして、導電部面積が約50%となる
ようにした。
実施例2 次の要領により現像ローラを作製した。
(i)下記の導電性材料を2本ローラ機で混練した後、
ステンレス製芯金に押し出し法で層形成した。
導電性材料 シリコーン変性エチレン・プロピレンゴム 100部 (商品名SEP 1421-U;信越化学工業社製) カーボンブラック 8部 (商品名ブラックパールスL;キャボット社製) 加硫剤 4部 (商品名C-12;信越化学工業社製) なお、架橋条件はプレスキュア:170℃/10分、50kgf/c
m2、2次キュア:150℃/2時間とした。
このようにして得られた導電性ローラ(φ25)の表面
をアヤメローレット加工により、V溝加工した。V溝は
0.5mmピッチとし、ローラ長手方向に対して約45度の角
度に加工した。
(ii)V溝加工した導電性ローラ上に下記の誘電体材料
をエア・スプレーでコーティングした後、150℃、2時
間で硬化させた。
誘電体材料 付加型硬化シリコーン樹脂 100部 (商品名SR2407;トーレシリコーン社製) キシレン 10部 なお、コーティング膜の厚みは、V溝の縁より50μm
凹んだ状態にした。
(iii)ローラの表面を研磨し、導電面と誘電面が微小
面積で混在するようにして、導電部面積が約50%となる
ようにした。
比較例 次の要領により現像ローラを作製した。
(i)実施例1と同様にV溝加工した金属ローラ(φ2
5)にポリテトラフルオロエチレン(商品名ポリフロンT
FE M-5;ダイキン工業社製)を静電塗装した後、350℃、
約1時間焼成した。コーティング膜の厚みは、溝が完全
に埋まる状態とした。
(ii)ローラの表面を研磨し、導電面と誘電面が微小面
積で混在するようにして、導電部面積が約50%となるよ
うにした。
評価 各現像ローラを第1図に示される現像装置に装着し、
トナーの帯電量、トナーの付着量、トナーフィルミング
性及びローラ回転トルクを測定した。それらの結果を第
1表に示す。
なお、上記現像装置において、トナー薄層化ブレード
はウレタンゴム製のものを、トナー供給ローラは導電性
ウレタンスポンジ製のものを、トナーは正帯電トナー
を、装填した。
また、トナーフィルミング性は、上記現像装置を用い
て72時間後の現像ローラ表面のトナー付着状態を、次の
基準により評価したものである。
ランク:布などでローラ表面のトナーが簡単に拭き取
ることができる。
ランク:拭き取りで僅かにトナーが残存している。
ランク:完全に拭き取りができずトナーの薄い層が残
る。
ランク:溶融状態のトナーが強くローラ表面に固着し
ている。
第1表の結果から、本発明の現像ローラによると、ト
ナーフィルミングが防止され、しかも回転トルクが低減
化されて、充分なトナー帯電量と付着量が得られること
が分かる。
〔発明の効果〕
本発明の現像剤担持体は、その表面に誘電性領域と導
電性領域とが微小面積で混在し、しかも該誘電性領域の
表面が該導電性領域の表面よりも低くなっているという
構成にしたことから、現像剤担持体の表面上に、選択的
に電荷を保持させることにより、現像剤担持体表面近傍
に多数の微小閉電界を形成し、この現像剤担持体上に、
必要に応じて補助剤を外添したトナーよりなる非磁性一
成分系現像剤を供給し、前記微小閉電界により前記現像
剤を現像剤担持体表面に担持させ、該担持現像剤によっ
て静電潜像を可視像化する画像形成方法に、本発明の現
像剤担持体を用いると、トナーフィルミングが防止さ
れ、しかも回転トルクの低減化により現像ムラが防止さ
れて、充分に帯電した多量の非磁性一成分系現像剤を現
像剤担持体に担持して現像領域に搬送することができ、
高濃度の高品質画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に有用な現像剤担持体上にマイク
ロフィールドの電界を形成させた現像装置の一例を示す
現像剤担持体を中心とした模式断面図である。また、第
2図は第1図で示される装置において、現像剤担持体上
にマイクロフィールドによる閉電界が生成している状態
を説明するための模式断面図である。 更に、第3図(a)〜(c)は、本発明の現像剤担持体
の作製過程における表面状態を示す模式断面図である。 10……静電潜像担持体、20……現像剤担持体、30……ト
ナー層厚規制部材、40……トナー供給部材、50……撹拌
羽根、60……トナー、70……トナータンク、80……現像
領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−62469(JP,A) 実開 昭60−54150(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像剤担持体の表面上に、選択的に電荷を
    保持させることにより、現像剤担持体表面近傍に多数の
    微小閉電界を形成し、この現像剤担持体上に、必要に応
    じて補助剤を外添したトナーよりなる非磁性一成分系現
    像剤を供給し、前記微小閉電界により前記現像剤を現像
    剤担持体表面に担持させ、該担持現像剤によって静電潜
    像を可視像化する画像形成方法に用いる現像剤担持体で
    あって、その表面が微小誘電性領域と導電性基体と電気
    的に接続する微小導電性領域とから構成され、しかも前
    記微小誘電性領域の表面が前記微小導電性領域の表面よ
    り低くなっていることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 【請求項2】前記現像剤担持体が、誘電部と導電部を表
    面に分布させたものであって、前記誘電部を帯電して電
    荷を保持させ、前記導電部を、この誘電部の電荷に対応
    して生じる静電誘導により前記電荷と逆極性でかつ前記
    電荷に対応した量に帯電させて前記現像剤担持体の表面
    に電荷配置を形成し、この電荷間に多数の微小電界を形
    成したことを特徴とする請求項(1)記載の現像剤担持
    体。
  3. 【請求項3】前記微小誘電性領域の表面が前記微小導電
    性領域の表面よりトナー平均粒径の3〜6倍低くなって
    いることを特徴とする請求項(1)又は(2)記載の現
    像剤担持体。
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