JP2920205B2 - 超塑性発現の耐熱性アルミニウム粉末合金の製造方法 - Google Patents

超塑性発現の耐熱性アルミニウム粉末合金の製造方法

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JP2920205B2 JP32473796A JP32473796A JP2920205B2 JP 2920205 B2 JP2920205 B2 JP 2920205B2 JP 32473796 A JP32473796 A JP 32473796A JP 32473796 A JP32473796 A JP 32473796A JP 2920205 B2 JP2920205 B2 JP 2920205B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性アルミニウ
ム合金に、該合金の使用温度範囲以上の高温度域におい
て超塑性特性を発現させることによって、複雑形状の物
品の製造も容易に行えるようにした超塑性発現の耐熱性
アルミニウム粉末合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金の強度、弾性率、耐熱
性等を高めるためには、アルミニウムに遷移金属を添加
し、アルミニウム−遷移金属から成る金属間化合物の組
織を微細に形成させ、かつ均質に分散させることが有効
である。しかしながら、従来から用いられている溶解鋳
造法では、晶出する金属間化合物が非常に粗大になり、
そのため、添加できる遷移金属の量は限定されていた。
日本工業規格(JIS)で規格化されているアルミニウ
ム合金展伸材では、遷移金属の中で唯一、マンガンのみ
が主要合金元素として添加され、他の遷移金属は副次的
な合金元素として添加されているに過ぎない。そして、
そのアルミニウム−マンガン合金の場合、マンガンの添
加量は亞共晶組成である1.2質量%程度であり、純ア
ルミニウムの耐食性を阻害せずに、強度を純アルミニウ
ムよりもやや高めるためだけの作用にとどまっている。
【0003】ところで、近年は、技術の高度化・高効率
化等にともない、アルミニウム合金の種々の機械的性質
の向上はもとより、各種部品に対して複雑形状化の要求
が一層強くなっている。しかし、上述のごとく、遷移金
属の多量添加は粗大な金属間化合物を多量に形成させる
ことになり、強度や延性、ならびに成形加工性の大幅な
低下をもたらすため、これらの要請に応えることは困難
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる観点
から、アルミニウムへの遷移金属の添加量を大幅に増加
させ、形成される金属間化合物を微細、均一に分散させ
て、室温・高温における機械的性質の改善を図るととも
に、高温においては超塑性特性を発現し、今後より一層
求められる複雑形状物品への耐熱性アルミニウム合金の
適用を可能にすることを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、従来からの慣用
的な空気噴霧法やガス噴霧法の場合よりも、さらに速い
冷却速度により得られる急冷凝固粉末を出発原料とし、
これに適切な固化形成プロセスを施すことによって、耐
熱性に優れるとともに、合金の使用温度範囲以上の高温
度域においては超塑性特性を発現して極めて優れた成形
加工性を有するアルミニウム粉末合金の製造方法を開発
するに至った。
【0006】すなわち、本発明における超塑性発現の耐
熱性アルミニウム粉末合金の製造方法は、マトリックス
であるアルミニウムに9〜15質量%のマンガンを含
み、残部は実質的にアルミニウムから成るアルミニウム
−マンガン系急冷凝固合金粉末を、104 ℃/sec以
上、さらに望ましくは105 ℃/sec以上の冷却速度
の下で製造し、これを出発原料として、大気中で放電プ
ラズマ燒結し、次いで大気中で熱間押出しを行って固化
成形することによって、該粉末合金に超塑性を付与する
ことを特徴とするものである。このような固化成形プロ
セスを採用すると、急冷凝固粉末の組織特性を活かし
て、アルミニウムマトリックスおよびアルミニウム−遷
移金属から成る金属間化合物の微細均質化を図った粉末
合金を製造することができる。この合金の組織の微細・
均質化は、高温における超塑性発現に必要・不可欠な条
件である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法をさらに具体的に説
明すると、まず、アルミニウム−マンガン系粉末合金に
おいて超塑性を発現させるためには、マトリックス組織
が微細・均質であるとともに、金属間化合物が微細、均
一に分散していなければならない。この必須条件を満足
させるために、本発明においては、出発原料として、マ
トリックスであるアルミニウム中に9〜15質量%のマ
ンガンを含むアルミニウム−マンガン系合金で、遠心噴
霧法あるいはその他の方法により、冷却速度が104
/sec以上、通常は105 〜104 ℃/secに達す
る冷却凝固により得られた合金粉末、薄帯を用いる。
【0008】上記出発原料を得るためのアルミニウム中
へのマンガンの添加は、例えば合金の形で加えることが
できる。すなわち、純アルミニウムへアルミニウム−マ
ンガン母合金を所定の組成になるように秤量、添加し
て、合金化することができる。また、冷却速度が105
〜104 ℃/secの上記合金の急冷凝固合金粉末(フ
レーク状を含む。)や急冷凝固合金薄帯は、上記遠心噴
霧法以外に、回転水中噴霧法、超音波ガス噴霧法、双ロ
ール法、噴霧ロール法、単ロール法、その他の方法でも
得ることができるが、いずれにしろ、高い冷却速度を達
成するためには、得られる材料の体積が小さいことが必
要であり、そのため、得られる材料の形態は粉末や薄帯
等になる。
【0009】このような出発原料のアルミニウム−マン
ガン系急冷凝固合金粉末を大気中で放電プラズマ燒結し
た後に、これもまた大気中で熱間押出し加工を加えて固
化成形することにより、超塑性特性を有するアルミニウ
ム−マンガン系粉末合金を得る。放電プラズマ燒結は、
数分間の短時間で終了する。すなわち、この燒結におい
ては、先ず粉末粒子間にプラズマ放電を発生させ、その
衝撃で、粒子の表面に熱やひずみのエネルギーを蓄積し
て粒子表面を活性化させ、粉末表面に吸着しているガス
や汚れ、さらに数nmのオーダーの酸化被膜の一部を破
壊して清浄な粒子表面を現出させる。その後に、通電に
よるジュール熱を発生させ、粉末粒子同士の燒結・結合
を促進させる。次いで、放電プラズマ燒結で成形された
予備燒結体に、大気中での熱間押出し加工を施す。この
場合の押出し温度は520〜550℃程度、押出し比は
50以上、さらに望ましくは100程度である。
【0010】上記のようにして作製されたアルミニウム
粉末合金は、その組織が微細・均質化されているため、
500〜625℃程度の適切な加工温度と、10-1-1
程度の適切なひずみ速度すなわち加工速度の下で成形加
工することによって、超塑性を発現し、複雑形状物品を
容易に製造することができる。
【0011】上述した出発合金において、アルミニウム
中のマンガンの量が9質量%より少ないと、合金の強
度、弾性率、耐熱性等が十分に向上しない。一方、マン
ガンの量が15質量%よりも多くなると、溶解温度が高
くなり、操業条件がやや厳しくなることや、合金の密度
が増加して、アルミニウム合金の特徴の一つである軽量
性が損なわれるとともに、晶出・析出する金属間化合物
が粗大化することから、好ましくない。したがって、マ
ンガンの添加量は、9〜15質量%が適当である。
【0012】
【実施例】合金の基本的組成が、Al−10質量%Mn
である急冷凝固粉末を、105 〜104 ℃/secの冷
却速度の下で遠心噴霧法により製造した。得られた粉末
を149μm以下に分級後、29MPaの成形圧力を作
用させた状態でパルス状の電圧を4分間印加し、475
℃で放電プラズマ燒結を行った。次いで、545℃、押
出し比110の下で熱間押出し加工を行った。このよう
にして作製したアルミニウム−マンガン系粉末合金の高
温における超塑性特性試験を行った結果の伸びと試験温
度との関係を図1に示す。この場合の初期ひずみ速度
は、8.3×10-3-1の一定である。この試験結果に
よれば、本実施例における該合金の伸びは試験温度の上
昇にともなって向上し、625℃の温度で264%の最
大値を示している。
【0013】図2は、同粉末合金の高温における超塑性
特性試験を、試験温度を625℃一定として行った結果
の伸びを、初期ひずみ速度、すなわち加工速度との関係
で示したものである。この結果によれば、伸びには顕著
なひずみ速度依存性が認められ、本実施例における合金
の場合、10-1-1程度の比較的高ひずみ速度域で最大
350%の伸びを示している。最大伸びを示す最適ひず
み速度の高速化は、実操業での高生産性を可能にするた
め、非常に重要なファクタとなる。
【0014】図3は、同粉末合金の高温における超塑性
特性試験を、試験温度を625℃一定として行った結果
の変形応力と初期ひずみ速度との関係で示したものであ
る。この試験結果によれば、変形応力には顕著なひずみ
速度依存性が認められる。同図には、ひずみ速度感受性
指数m値も記している。このm値は、
【数1】 によって与えられるものである。
【0015】周知のように、このm値は超塑性発現の一
つの指標であり、超塑性を示さない通常の材料では、
0.1前後、一方、超塑性材料では、0.3以上になる
ことが知られている。本実施例による粉末合金のm値
は、伸びが大きくなるひずみ速度域で、0.37や0.
36を示しており、このm値の点からも本粉末合金が超
塑性を発現していることが確認された。
【0016】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の方法に
よれば、アルミニウムにマンガンを多量に添加した耐熱
性アルミニウム粉末合金に対して、高温において異常な
高延性を示す超塑性特性を発現させることができるた
め、少ない工程によって複雑形状部品の一体化成形加工
や部品点数の大幅削減、これらに伴う部品および部品を
組み込んだ機械や構造物の信頼性の向上、部品重量の軽
減、材料歩留まりの向上および精密加工などが可能にな
る。さらに、超塑性発現時には合金の変形応力が小さく
なるので、低容量の成形加工装置でもって製造できるこ
とになり、その工業的意義は非常に大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施例によって作製したアルミニ
ウム−マンガン系粉末合金の高温引張試験を行った際
の、伸びと試験温度との関係を表す図である。
【図2】本発明方法の実施例によって作製したアルミニ
ウム−マンガン系粉末合金の高温引張試験を行った際
の、伸びと初期ひずみ速度との関係を表す図である。
【図3】本発明方法の実施例によって作製したアルミニ
ウム−マンガン系粉末合金の高温引張試験を行った際
の、変形応力と初期ひずみ速度との関係およびひずみ速
度感受性指数m値を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 21/00 C22F 1/04 B C22F 1/04 B22F 3/10 N C22K 3:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/04 B22F 3/00 - 5/12 B22F 9/08 C22C 21/00 C22F 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンガンを9〜15質量%含み、残部は実
    質的にアルミニウムより成るアルミニウム−マンガン系
    急冷凝固合金粉末を、104 ℃/sec以上の冷却速度
    の下で製造し、これを出発原料として、大気中での放電
    プラズマ燒結、つづいて熱間押出し加工を加えて固化成
    形することにより、超塑性特性を発現させることを特徴
    とする超塑性発現の耐熱性アルミニウム粉末合金の製造
    方法。
JP32473796A 1996-11-19 1996-11-19 超塑性発現の耐熱性アルミニウム粉末合金の製造方法 Expired - Lifetime JP2920205B2 (ja)

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