JP2919285B2 - 手動式人工手型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は人工的に整形した人工手
型に関するが、詳しくは人の手動操作によって人の手と
同様な操作ができるようにした手動式人工手型に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の人工的に整形される人工手型とし
ては、交通事故等で人の手首や腕を切断したような場合
に取り付けられる義手があるが、このような従来から有
する義手はあくまでも手首の機能を失った人の手に代わ
るものとして、切断された手首や腕の先に直接に取り付
けられるものである。従って、従来の義手は失った手に
代わるべき機能を持たせたところに特徴を有する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来方式の義手
に改良を加えて従来では得られないような作用効果を持
たせたところに本発明が解決しようとする課題を有す
る。すなわち、切断された手首に直接取り付けるため
に整形される義手ではなく人の手と同様な機能を有する
人工的な手型を整形すること、前記人工手型の操作を
電動によらず手動操作できるようにすること、の２点に
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き課
題を解決するために開発したものがあって、ゴム質性又
は軟質性の合成樹脂素材から成る人手とほぼ同形状の人
工手型を設け、該人工手型の各指部に固定具を介して操
作杆の一端を固着しかつ人工手型とほぼ同形状の各手袋
指部に固着し、人手の操作によって人工手型の指部を自
在に操作することを特徴とする手動式人工手型の提供に
あり、また前記人工手型と手袋とを長さ調節ネジ付の支
持棒で連結すると共に前記各操作杆が伸縮自在とし、更
に前記人工手型の指部に人工爪を付設して成る手動式人
工手型の提供にある。

【０００５】

【作用】ゴム質性又は軟質性の合成樹脂素材から成る人
手とほぼ同形状の人工手型を設け、該人工手型の各指部
に固定具を介して操作杆の一端を固着しかつ人工手型と
ほぼ同形状の各手袋指部に固着し、人手の操作によって
人工手型の指部を自在に操作することを特徴とする手動
式人工手型の構成になっているので、手袋を着用した人
手の指部を操作することによって、人工手型の指部も同
時かつ同様な操作をすることができる。これは人手に着
用されている手袋と人工手型との間に固着されている操
作杆によって作動されるからである。

【０００６】また、前記人工手型と手袋とを長さ調節ネ
ジ付の支持棒で連結して成る構成になっているので、手
袋を介して人手の支軸（腕と手の平）と人工手型の支軸
（手の平の裏側である甲）とが支持棒で固定され、しか
も支持棒が調節ネジで適宜長さに調整できる。

【０００７】また、前記各操作杆が伸縮自在となる構成
になっているので、人工手型の指部を自在に伸縮するこ
とができる。また、必要に応じて左右の回動も自在とな
る。

【０００８】更に、前記人工手型の指部に人工爪を付設
して成る構成になっているので、人の爪と同様な操作が
可能となり、人の爪又はそれ以上の役割・機能を果たす
ことができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例について
説明する。図１及び図２は、本発明の手動式人工手型を
示したものであり、１はその人工手型である。人工手型
１は、ゴム質性又は軟質性の合成樹脂素材を用い、人の
手Ａとほぼ同形（右手は右手、左手は左手とし、その大
きさ形状もほぼ同じ）に一体成形されている。この人工
手型１には、必要に応じて人工爪３が付設されている。
４は人工指２を作動する操作杆であり、人工指２の先端
部に固定具５を介して固着されている。なお、操作杆４
の他端部は手袋８の指部９に固定具10を介して固着され
ている。この操作杆４は、図２に示すようにバネなどの
弾材が内設されている。これは人手Ａの指部９を作動
（指先を前後左右に動作）した際に、操作杆４を介して
人工手型１の人工指２が同時かつ同様の作動を可能にす
るために設けたものである。すなわち、人手Ａの指部９
を内側に折り曲げて握りこぶしの状態にすれば操作杆４
は矢印状態に伸縮するので、人工手型１の人工指２も人
手Ａと同様な握りこぶしの状態となる。また指部９を左
右の矢印方向に回動すれば人工指２も人手Ａと同様に左
右方向に回動される。

【００１０】６は支持棒であり、人工手型１と人手Ａの
手袋８とに連結されている。この支持棒６は、人手Ａの
手の平部分と人工手型１の裏側（手の甲の部分）との支
軸を保持するために固着したものであり、必要に応じて
支持棒６の長さを調節することができる。７は、その調
節不ネジである。

【００１１】図３は、本発明から成る手動式人工手型の
使用様態を示したものである。まず、図１に示すように
人工手型１付の手袋８を人手Ａの右手に装着すると共
に、調節ネジ７を介して支持棒６を所望の長さに調節す
る。

【００１２】次に、人工手型１を鉛筆Ｂの置いてある場
所に移動させ、人手Ａの指部９を内側に折り曲げ人工手
型１の手を握りこぶしの状態にする。そうすれば、図３
に示すように鉛筆Ｂを人工手型１の手の平に握りしめる
ことができる。更に、その状態のまま右手を手前方向に
引っぱれば鉛筆Ｂを手元に移動させることができる。な
お、鉛筆Ｂを元の場所に移動する場合も、このような操
作を繰り返すことによって行うことができる。

【００１３】本実施例では、鉛筆の場合で説明されてい
るがそれ以外の物でも同一効果が得られることは勿論で
あり、また片方の手だけではなく両手（左右の手）で操
作することも可能である。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、ゴム質性又は軟質性の合成樹
脂素材から成る人手とほぼ同形状の人工手型を設け、該
人工手型の各指部に固定具を介して操作杆の一端を固着
しかつ人工手型とほぼ同形状の各手袋指部に固着し、人
手の操作によって人工手型の指部を自在に操作すること
を特徴とする手動式人工手型の提供にあり、また前記人
工手型と手袋とを長さ調節ネジ付の支持棒で連結し、か
つ前記各操作杆が伸縮自在となる手動式人工手型であ
り、更に前記人工手型の指部に人工爪を付設して成る手
動式人工手型を提供するものであるから、次のような多
くの効果を有している。 ア、本発明の手動式人工手型を用いれば、自分の手と同
様な動作や仕ぐさをすることができるので、従来の義手
よりも便利であるばかりか、その操作もいたって簡便で
ある。 イ、この人工手型を使用すれば、従来の人の手がとどか
ない場所の物も自在に取り扱うことが可能となり、いち
いちその場所から離れずに作業などをすることができ
る。 ウ、特に、足が不自由で自分の足で移動することが困難
不可能の人には最適であり、多くの身体障害者には役立
つ装具といえる。 エ、なお本装具（手動式人工手型）は、その構造・機能
・操作等が簡単であり、安価なコストで量産が可能とな
るので、今後の社会福祉施策事業の一環としても採用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の手動式人工手型を示した斜視図。

【図２】本発明の図１に示した本発明の一部拡大説明
図。

【図３】本発明の使用状態を示した斜視図。

【符号の説明】

１ 人工手型 ２ 人工指 ３ 人工爪 ４ 操作杆 ５、10 固定具 ６ 支持棒 ７ 調節ネジ ８ 手袋 ９ 指部 Ａ 人手 Ｂ 鉛筆

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム質性又は軟質性の合成樹脂素材から
   成る人手とほぼ同形状の人工手型を設け、該人工手型の
   各指部に固定具を介して操作杆の一端を固着しかつ人工
   手型とほぼ同形状の各手袋指部に固着し、人手の操作に
   よって人工手型の指部を自在に操作することを特徴とす
   る手動式人工手型。
2. 【請求項２】 前記人工手型と手袋とを長さ調節ネジ付
   の支持棒で連結して成る請求項１記載の手動式人工手
   型。
3. 【請求項３】 前記各操作杆が伸縮自在となる請求項１
   記載の手動式人工手型。
4. 【請求項４】 前記人工手型の指部に人工爪を付設して
   成る請求項１記載の手動式人工手型。