JP2918444B2 - 掻型造型用鋳物砂 - Google Patents

掻型造型用鋳物砂

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JP2918444B2 JP5748694A JP5748694A JP2918444B2 JP 2918444 B2 JP2918444 B2 JP 2918444B2 JP 5748694 A JP5748694 A JP 5748694A JP 5748694 A JP5748694 A JP 5748694A JP 2918444 B2 JP2918444 B2 JP 2918444B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成型性に優れた掻型造
型用の鋳物砂に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳型造型法の一つとして、掻型法があ
る。これはフランジ付パイプや曲がり管のような製品の
鋳型の造型法であり、例えば、図8に示すように製品外
径の断面半径に等しい長さを有する掻板11を製品断面
の中心を軸心として回動させ、型枠12の内周部に付与
した鋳物砂13を前記掻板により掻き取って鋳型を作る
方法であり、特に製作個数が少なく、大形製品の鋳型造
型法として好適なものである。
【0003】掻型造型用の鋳物砂の造型性としては、積
み重ね性及び切れ性が要求される。積み重ね性とは、鋳
枠に対して砂を積み上げていく際に、上部の砂の重みに
より下部の砂が崩れない性質をいい、特に成型面が垂直
ないしそれに近い傾斜面における造型性を左右する。一
方、切れ性とは、掻板で砂を掻いた際に掻板の成形端縁
に砂が付着せずに砂の表面を平滑に仕上げることができ
る性質をいう。このような要求を満足するものとして、
従来、骨材である砂にセメント及び水を添加したものが
使用されている。尚、積み重ね性や切れ性すなわち造型
性の評価は、従来、作業者の経験に基づき行われてお
り、鋳物砂を握ることにより得られる手の感触によって
判定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セメントを含
んだ鋳物砂を用いた場合、鋳造後の型ばらしの際に、セ
メントの粉塵が浮遊し、作業環境が著しく損なわれると
いう問題がある。尚、セメントの代わりに、フェノール
ウレタン法(ペプセット)、フラン酸硬化法等の自硬性
有機バインダを使用することも試みられているが、造型
性が著しく劣り、またガスが多量に発生するため、ガス
欠陥が生じ易く、掻型造型用鋳物砂としては実用的でな
い。
【0005】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、造型性が良好で、しかも環境汚染のおそれのない掻
型造型用鋳物砂を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の掻型造型用鋳物
砂は、骨材を構成する砂とバインダと水とからなる掻型
造型用鋳物砂において、前記バインダは主成分がカリウ
ムアルカリ性フェノール樹脂及びその硬化剤からなり、
砂の重量に対してアルカリ性フェノール樹脂を0.5〜
2.0wt%、水を1.5〜3.6wt%含有する。この
際、骨材として粗粒砂と平均粒径が粗粒砂の1/2.5
以下の細粒砂との混合砂を用いるのがよく、好適には平
均粒径が粗粒砂の1/4以下の細粒砂を混合砂中に10
wt%以上含有させ、混合砂の重量に対してアルカリ性フ
ェノール樹脂を1.0〜2.0wt%、水を1.5〜2.
8wt%含有させるのがよい。この場合、アルカリ性フェ
ノール樹脂を1.5wt%以上使用すると、水を3.6wt
%まで含有させることができる。
【0007】
【作用】バインダの主剤であるカリウムアルカリ性フェ
ノール樹脂(高分子固形分)は、水溶性であるため所定
量の水に分散させることができ、造型の際に、樹脂その
ものの優れた接着性と、砂に添加した水の持つ表面張力
による結合性とにより、少ないバインダ量で、掻型造型
用の鋳物砂に要求される積み重ね性と切れ性の良好な鋳
物砂を得ることができる。しかも、バインダ量が少なく
て済むため、造型、注湯時の臭気、煙、有害ガスの発生
が少なくて済み、良好な作業環境を維持することがで
き、鋳造後の砂の崩壊性も良好である。
【0008】バインダ中のカリウムアルカリ性フェノー
ル樹脂量が、砂の重量に対して0.5wt%未満では、樹
脂が硬化した後の鋳型の強度が過小となるため、すくわ
れ、さし込み等の鋳造欠陥が生じるおそれがあり、一方
2.0wt%を越えると強度が過大になり、鋳造後の崩壊
性が悪化すると共にガス欠陥が生じるようになる。ま
た、含水率が、砂の重量に対して1.5wt%未満では、
造型性の向上効果が過小であり、一方3.6wt%を越え
ると、造型性は大きく改善されるものの、乾燥後の強度
の不足が著しくなる。
【0009】骨材を構成する砂としては粗粒砂と平均粒
径が粗粒砂の1/2.5以下、好ましくは1/4以下の
細粒砂との混合砂を用いると、細粒砂の小径粒子が粗粒
砂の大径粒子の隙間に入り込むようになり、鋳型の強度
の向上には余り寄与しないが、積み重ね性や切れ性を大
きく向上させることができる。この際、細粒砂の平均粒
径が粗粒砂の1/2.5を越えると大径粒子の隙間に入
り込むことが困難となり、造型性の向上作用が緩慢にな
る。また、平均粒径が粗粒砂の1/4以下の細粒砂を混
合砂に10wt%以上含有させ、混合砂に対してアルカリ
性フェノール樹脂を1.0〜2.0wt%、水を1.5〜
2.8wt%含有させることにより、あるいはアルカリ性
フェノール樹脂を1.5wt〜2.0wt%、水を1.5〜
3.6wt%含有させることにより、造型性及び鋳型強度
が大幅に向上し、内径が900mm以上の大型掻型を造型
することができる。
【0010】
【実施例】本発明の掻型造型用鋳物砂は、骨材を構成す
る砂とバインダと水とからなり、前記バインダはカリウ
ムアルカリ性フェノール樹脂及びその硬化剤を主成分と
するものである。前記骨材となる砂としては、砂型用の
各種の砂が使用される。例えば、天然珪砂、人造珪砂、
アルミナ等のセラミック粒、ジルコンサンド、クロマイ
トサンド、オリビンサンドなどを挙げることができる。
砂の粒径は、通常、再生使用を考慮して、AFS粒度指
数で20〜70、好ましくは35〜60程度のものが使
用される。粒度指数が20未満では造型性に劣り、一方
70を越えると再生性が悪化するようになる。粒度指数
が大きい(平均粒径が小さい)程、造型性は向上するの
で、特に高い造型性を要求される場合は、粒度指数の大
きい、細かい砂を使用すればよい。
【0011】また、単一粒度の砂に限らず、前記粒度の
砂を粗粒砂とし、この粗粒砂に平均粒径が粗粒砂の1/
2.5以下、好ましくは1/4以下の細粒砂を添加混合
した混合砂を用いることにより、既述の通り、積み重ね
性や切れ性を大きく向上させることができる。細粒砂の
粒径が小さい程、また使用量は多いほど造型性の向上作
用が大きい。もっとも、粒径が余り小さいと、細粒砂の
回収率が低下するので、細粒砂の平均粒径は粗粒砂の1
/8以上、好ましくは1/6以上にするのがよい。
【0012】前記バインダの主剤であるカリウムアルカ
リ性フェノール樹脂(カリウムアルカリ性フェノールホ
ルムアルデヒド樹脂)は、その重量平均分子量(Mw)
=700〜2000、ホルムアルデヒド:フェノールの
モル比=1.2:1〜2.6:1、KOH:フェノール
のモル比=0.5:1〜1.2:1のものがよい。かか
るカリウムアルカリ性フェノール樹脂は接着力が大き
く、少ない樹脂量で高強度の鋳型を造型することができ
る。樹脂の使用量は既述の通り、砂の重量に対してカリ
ウムアルカリ性フェノール樹脂を0.5〜2.0wt%、
好ましくは1.0〜2.0wt%使用する。また、カリウ
ムアルカリ性フェノール樹脂の硬化剤としては、トリア
セチン(グリセリル トリアセテート)等のエステル
が、樹脂の使用重量に対して通常30〜80wt%、好ま
しくは30〜40wt%程度使用される。30wt%未満で
は硬化が不足し、鋳型の強度が不足する。一方80%を
越えると過剰の硬化剤による溶剤効果でかえって硬化障
害を生じるようになる。また、バインダには、補助的添
加剤として、強度の向上を図るためにシランを樹脂重量
に対して0.06〜6.0wt%程度添加することができ
る。0.06wt%未満では強度の向上作用が過少であ
り、一方6.0wt%を越えると造型性が劣化するように
なるからである。
【0013】尚、前記バインダは、特公昭61−431
32号公報に開示されており、公知であるが、前記公報
に開示されたバインダに添加された水分は、単に樹脂の
分散媒として使用されているに過ぎず、本発明の鋳物砂
において含有される水の使用目的、作用、含有量及び製
造対象である鋳型が前記公報に開示されたものと顕著な
相違あり、技術的思想が別異である。
【0014】鋳物砂中の水分は、砂の重量に対して、既
述の通り、1.5〜3.6wt%配合されるが、特に、A
FS粒度指数で35〜60の粗粒砂に、粗粒砂の平均粒
径に対して平均粒径が1/4以下の細粒砂を10wt%以
上含有させた混合砂を用い、砂の重量に対してカリウム
アルカリ性フェノール樹脂を1.0〜2.0wt%、該樹
脂の硬化剤を樹脂の使用重量に対して30〜40wt%、
水の含有量を前記1.5〜2.8wt%にすることによ
り、あるいは砂の重量に対してカリウムアルカリ性フェ
ノール樹脂を1.5〜2.0wt%、該樹脂の硬化剤を樹
脂の使用重量に対して30〜40wt%、水の含有量を前
記1.5〜3.6wt%にすることにより、後述する造型
性の尺度である粘度高さが130mm以上、抗圧強度が
6kgf/cm2以上確保することができ、内径が900mm以
上の大型の掻型を造型することができるようになる。
【0015】尚、鋳物砂の調製は、予め固形分のバイン
ダに配合すべき必要な水分の一部を添加してバインダ水
溶液を調製しておき、この水分と残部の水分を原料砂に
添加混合すればよく、また原料砂に必要な水分の一部を
含ませておき、これに残部の水分を添加して調製したバ
インダ水溶液を添加混合してもよく、その他、混合の仕
方は自由である。
【0016】次に、具体的実施例を説明するに際し、掻
型造型用鋳物砂の造型性の評価を定量的に行うための評
価方法について説明する。この方法は、図1に示すよう
に、下端開口にピストン1が挿着されたシリンダ2に評
価対象の鋳物砂3をシリンダ2の中に入れ、シリンダ2
をピストン1に対して相対的に移動して、ピストン1を
シリンダ2内に挿入し、シリンダ2内の鋳物砂3をシリ
ンダ2の上端開口から上方へ押出し、形崩れすることな
く押し出された砂柱4のシリンダ上端からの高さH(粘
度高さ、という。)により、造型性の評価を行うもので
ある。積み重ね性の悪い鋳物砂では、押し上げられた砂
柱の自重で自ら崩れるため、粘度高さが低くなり、一方
切れ性の悪い鋳物砂では、シリンダから押し出される
際、シリンダの開口縁に砂柱の外周面がむしり取られる
ため、形崩れを起こし、粘度高さが低くなる。従って、
積み重ね性と切れ性とによって判断される造型性は、粘
度高さを測定することにより、定量的に評価することが
できる。
【0017】実施例1 (1) AFS粒度指数40の天然珪砂(種類:温泉津6
号珪砂、平均粒径約390μm)に、砂の重量に対し
て、カリウムアルカリ性フェノール樹脂水溶液(樹脂分
59wt%、シラン1wt%、水分40wt%)を2wt%、水
溶液中の樹脂分に対して硬化剤(トリアセチン)を34
wt%(砂重量に対して0.4wt%)、水を種々の割合で
添加混合して掻型造型用鋳物砂を調製した。尚、鋳物砂
における水分の全量は、添加した水とカリウムアルカリ
性フェノール樹脂水溶液中の水分との合計(wt%)にな
り、この実施例では、水の添加率(wt%)+0.8wt%
で表される。 (2) 該鋳物砂を用いて、粘度高さを測定した。使用し
たシリンダの内径は50φmm、長さは280mmである。
また、該鋳物砂を用いて抗圧強度を測定した。
【0018】抗圧強度は、円筒形の成形型に鋳物砂を充
填し、24時間放置して鋳物砂中のバインダーを硬化さ
せた後、成形固化したテストピースを用いて測定され
た。その結果を図2に示す。 (3) 図2より、水添加率が0.7wt%(鋳物砂中の水
分の合計1.5wt%)以上では粘度高さが100mm以上
であり、一方、水添加率が2.8wt%(鋳物砂中の水分
の合計3.6wt%)以下で抗圧強度が5kgf/cm2 以上が
得られ、良好な造型性と鋳型強度が得られることが分か
る。特に、水添加率が2.0wt%(鋳物砂中の水分では
2.8wt%)以下では抗圧強度が7kgf/cm2 以上が得ら
れており、高強度の鋳型を得ることができる。
【0019】実施例2 (1) AFS粒度指数40の天然珪砂(種類:温泉津6
号珪砂)にAFS粒度指数160の人造珪砂(種類:三
栄特7号珪砂、平均粒径約90μm)を種々の割合で添
加混合して混合砂を調製した。この混合砂に対して実施
例1で調製したバインダを同率で添加し、混合砂の重量
に対して水を種々の割合で添加混合して鋳物砂を調製し
た。 (2) 実施例1と同様のシリンダを用いて、該鋳物砂の
粘度高さを測定した。その結果を図3に示す。尚、図中
の添字は混合砂における細粒砂の配合割合すなわち含有
量(wt%)を示している。 (3) 図3より、水添加率が高く、細粒砂の添加率が高
いほど、造型性に優れることが分かる。特に、水添加率
が0.7wt%(鋳物砂中の水分の合計1.5wt%)以上
で、かつ細粒砂を10wt%以上配合したものでは、粘度
高さが140mm以上であり、極めて造型性に優れた鋳物
砂が得られることが分かる。 (4) 次に、水添加率=1.2wt%(鋳物砂中の水分の
合計2.0wt%)の鋳物砂を用いて、実施例1と同様に
して24時間放置後の抗圧強度を測定した。その結果を
図4に示す。尚、図4には、粘度高さも併せて示した。 (5) 図4より、細粒砂の添加率によっては、抗圧強度
がほとんど変化せず、平均11kgf/cm2 程度の高い強度
が得られたことが分かる。この結果は、図2の水添加率
=1.2wt%のときの値と良好な一致を示しており、抗
圧強度は細粒砂の添加にほとんど影響を受けず、水添加
率(鋳物砂中の含水率)により定まることが分かる。
【0020】実施例3 (1) 粗粒砂としてAFS粒度指数40の天然珪砂(種
類:温泉津6号珪砂、平均粒径390μm)を用い、こ
れにAFS粒度指数100の人造珪砂(平均粒径約15
0μm、粗粒砂粒径の約1/2.5)、AFS粒度指数
140の人造珪砂(平均粒径約100μm、粗粒砂粒径
の約1/4)又はAFS粒度指数200の人造珪砂(平
均粒径約65μm、粗粒砂粒径の1/6)を種々の割合
で添加混合して混合砂を調製した。この混合砂に対して
実施例1で調製したバインダを同率で添加し、水を混合
砂の重量に対して1.2wt%(鋳物砂中の水分の合計
2.0wt%)添加混合して鋳物砂を調製した。 (2) 実施例1と同様のシリンダを用いて、該鋳物砂の
粘度高さ及びを測定した。その結果を図5、図6及び図
7に示す。尚、図中横軸の添加率は、混合砂における細
粒砂の含有量を表す。 (3) 図5〜7より、粗粒砂の粒径の1/2.5程度の
細粒砂を添加することにより、造型性の向上作用が認め
られ、細粒砂の粒径が小さいほど、特に平均粒径が粗粒
砂の1/4以下で、粘度高さの向上作用が大きく、また
少ない添加量でも十分効果的であることが分かる。
【0021】実施例4 (1) 種々のAFS粒度指数の砂に、又はこの砂に細粒
砂としてAFS粒度指数160の人造珪砂(種類:三栄
特7号珪砂、平均粒径約90μm)を添加混合した混合
砂(細粒砂の含有量12wt%)に、実施例1で調製した
バインダを同率で添加し、水を砂の重量に対して1.2
wt%(鋳物砂中の水分の合計2.0wt%)添加混合して
鋳物砂を調製した。 (2) 実施例1と同様のシリンダを用いて、該鋳物砂の
粘度高さ及び24時間放置後の抗圧強度を測定した。そ
の結果を表1に示す。尚、表中の試料No. に付したAは
細粒砂の無添加ものも、Bは細粒砂を添加したものを表
している。
【0022】
【表1】
【0023】(3) 表1より、砂の種類に係わらず、A
FS粒度指数35以上で、細粒砂を添加しない場合で
も、粘度高さが100mm以上、抗圧強度が9kgf/cm2
上であり、良好な造型性、強度が得られている。また、
砂の粒度が小さい(AFS粒度指数が大きい)ほど、粘
度高さが大きく、造型性が良好なことが分かる。これ
は、粗粒砂に細粒砂を添加混合し、平均粒径が低下した
場合に相当するものと考えられる。一方、各砂細粒砂を
12wt%含有させた場合、粘度高さが25mm以上、通常
30mm以上向上しており、AFS粒度指数31の人造珪
砂では粘度高さが135mmとなる。抗圧強度は若干低下
したが、それでも7kgf/cm2 程度以上は確保されてい
る。
【0024】実施例5 (1) 砂、バインダ、水を下記表2の通り配合し、鋳物
砂を調製した。
【0025】
【表2】
【0026】(2) 該鋳物砂を用いて、実施例1と同様
にして、粘度高さ及び抗圧強度を測定した。その結果を
同表に示す。 (3) 次に、(1) の鋳物砂を用いて、種々の型枠を用い
て、実際に掻型鋳型を造型し、造型可能な内径の大きさ
を調べた。その結果を同表に併せて示す。 (4) (3) の鋳型に中子型を装着してダクタイル鋳鉄の
溶湯を注湯したところ、鋳造欠陥の発生もなく、従来と
遜色のない鋳肌の鋳鉄管を得ることができた。
【0027】また鋳造後の鋳型の崩壊性も良好であっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明の掻型造型用鋳物砂によれば、バ
インダとしてカリウムアルカリ性フェノール樹脂を主成
分とするものを用い、砂の重量に対してカリウムアルカ
リ性フェノール樹脂を0.5〜2wt%、水を1.5〜
3.6wt%含有するので、造型の際に、樹脂そのものの
優れた接着性と、砂に添加した水の持つ表面張力による
結合性とにより、少ないバインダ量で、掻型造型用の鋳
物砂に要求される積み重ね性と切れ性の良好な鋳物砂を
得ることができる。しかも、バインダ量が少なくて済む
ため、造型、注湯時の臭気、煙、有害ガスの発生が少な
くて済み、良好な作業環境を維持することができる。ま
た、骨材を構成する砂として粗粒砂と平均粒径が粗粒砂
の1/2.5以下の細粒砂との混合砂を用いることによ
り、細粒砂の小径粒子が粗粒砂の大径粒子の隙間に入り
込むようになり、積み重ね性や切れ性を大きく向上させ
ることができる。特に、AFS粒度指数35〜60の粗
粒砂に、平均粒径が粗粒砂の1/4以下の細粒砂を10
wt%以上含有させた混合砂を骨材として用い、所要の樹
脂量の下、水を混合砂重量に対し、1.5〜3.6wt%
含有させることにより、製品内径が900mm以上の大型
掻型を造型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】掻型造型用鋳物砂の造型性を粘度高さとして定
量的に測定するための試験装置の断面図である。
【図2】実施例における水添加率と粘度高さとの関係を
示すグラフ図である。
【図3】実施例における水添加率と粘度高さとの関係
を、細粒砂の含有量に対して示したグラフ図である。
【図4】含水率2wt%における細粒砂(AFS粒度指数
160)の含有量と粘度高さ及び抗圧強度との関係を示
すグラフ図である。
【図5】含水率2wt%における細粒砂(AFS粒度指数
100)の含有量と粘度高さとの関係を示すグラフ図で
ある。
【図6】含水率2wt%における細粒砂(AFS粒度指数
140)の含有量と粘度高さとの関係を示すグラフ図で
ある。
【図7】含水率2wt%における細粒砂(AFS粒度指数
200)の含有量と粘度高さとの関係を示すグラフ図で
ある。
【図8】造型要領を示す掻型の断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ 3 鋳物砂 4 砂柱 H 粘度高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 雅彦 大阪府豊中市寺内2−14−1−1103 (72)発明者 中野 友邦 愛知県岡崎市松橋町1−10−57 (72)発明者 舟橋 充 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式 会社クボタ武庫川製造所内 (72)発明者 馬込 好則 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式 会社クボタ武庫川製造所内 (56)参考文献 特開 昭59−61545(JP,A) 特公 昭61−43132(JP,B2) 特公 昭57−52139(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材を構成する砂とバインダと水とから
    なる掻型造型用鋳物砂において、 前記バインダは主成分がカリウムアルカリ性フェノール
    樹脂及びその硬化剤からなり、砂の重量に対してアルカ
    リ性フェノール樹脂を0.5〜2.0wt%、水を1.5
    〜3.6wt%含有する掻型造型用鋳物砂。
  2. 【請求項2】 粗粒砂と平均粒径が粗粒砂の1/2.5
    以下の細粒砂との混合砂を骨材として用いる請求項1に
    記載した掻型造型用鋳物砂。
  3. 【請求項3】 平均粒径が粗粒砂の1/4以下の細粒砂
    が混合砂中に10wt%以上含有され、混合砂の重量に対
    してアルカリ性フェノール樹脂を1.0〜2.0wt%、
    水を1.5〜2.8wt%含有する請求項2に記載した掻
    型造型用鋳物砂。
  4. 【請求項4】 平均粒径が粗粒砂の1/4以下の細粒砂
    が混合砂中に10wt%以上含有され、混合砂の重量に対
    してアルカリ性フェノール樹脂を1.5〜2.0wt%、
    水を1.5〜3.6wt%含有する請求項2に記載した掻
    型造型用鋳物砂。
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