JP2918343B2 - 強誘電性液晶表示装置 - Google Patents

強誘電性液晶表示装置

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JP2918343B2 JP3239591A JP3239591A JP2918343B2 JP 2918343 B2 JP2918343 B2 JP 2918343B2 JP 3239591 A JP3239591 A JP 3239591A JP 3239591 A JP3239591 A JP 3239591A JP 2918343 B2 JP2918343 B2 JP 2918343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に関す
る。さらに詳しくは、強誘電性液晶を用いた液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術であるネマティック液
晶を用いた液晶表示装置としては、ツィストネマティッ
ク型(Twisted Nematic TN型)液晶表示装置、スーパー
ツイステッド型(Supertwisted Birefringence Effec
t、SBE 型) 液晶表示装置がある。
【0003】しかしながらツイステッドネマティック型
液晶表示装置では、駆動方式のマルチプレックス化が進
むに従って駆動マージンが狭くなり、十分なコントラス
トが得られないという欠点が生じている。また、ツイス
テッドネマティック型液晶表示装置の改良型であって、
大きなツイスト角を用いるスーパーツイステッド型液晶
表示装置では、大容量表示に用いるとコントラストが低
下したり、応答速度が遅くなるという欠点が生じてい
る。
【0004】そこで、このようなネマティック液晶を用
いる液晶表示装置を改良する装置として、1980年に
クラーク(N.A.Clark)とラガバル(Lagerwall)によっ
て、キラルスメクチックC液晶、すなわち強誘電性液晶
を用いた液晶表示装置が提案されている(特開昭56-1072
16号公報、米国特許第4367924号)。
【0005】この液晶表示装置は、液晶分子の誘電異方
性を利用する電界効果を用いた前記の液晶表示装置とは
異なり、強誘電性液晶の自発分極の極性と電界の極性と
を整合させる回転力を用いた構成の液晶表示装置であ
る。この液晶装置の特徴としては、双安定性、メモリー
性、高速応答性などを挙げる事が出来る。すなわち、強
誘電性液晶をギャップを薄くしたセルに注入すると、界
面の影響を受けて強誘電性液晶の螺旋構造がほどけ、液
晶分子がスメクチック層法線にたいして傾き角Θだけ傾
いて安定する領域と、逆方向に−Θだけ傾いて安定する
領域とが混在し、双安定性を有する。このセル内の強誘
電性液晶に対して電圧を印加することによって、液晶分
子とその自発分極の向きを一様に揃える事ができ、印加
する電圧の極性を切り替えることによって、液晶分子の
配向をある一定の状態から別の一定の状態へと切り替え
るスイッチング駆動が可能となる。
【0006】このスイッチング駆動に伴い、セル内の強
誘電性液晶では、複屈折光が変化するので2つの偏光子
間に上記セルを挟むことによって、透過光を制御するこ
とができる。さらに、電圧の印加を停止しても液晶分子
の配向は、界面の配向規制力によって電圧印加停止前の
状態に維持されるので、メモリ効果も得ることができ
る。また、スイッチング駆動に必要な時間は、液晶の自
発分極と電界が直接作用するために、ツイステッドネマ
ティック型液晶表示装置の1 /1000以下という高速応答
性をもち、それにより高速表示が可能である。
【0007】そこで、この強誘電性液晶のメモリ効果や
高速応答性を利用することにより、マルチプレックス駆
動方式による走査線の数が多い高解像度の液晶表示装置
を構成することが従来より試みられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラー
ク、ラガバル型の液晶表示装置にも多くの問題点が有っ
た。まず当初のモデルでは、スメクチックC相の層構造
は、図9に示すようなブックシェルフ型とよばれる基板
に垂直な構造をとると考えられていた。しかしながら、
従来のラビング等による配向法を用いて、セルを作成し
た場合、予想されたスイッチング現象や、光学的特性が
大きく食い違い、提案されたモデルとは全く異なるスイ
ッチングをしていたことが判ってきた。
【0009】その要因の一つとして、層構造が図10に
示すようなシェブロンと呼ばれる「く」の字型に折れ曲
がった構造をしていることがX線の小角散乱法を用いて
解析された[Rieker,T.P.,Clark,N.Aら、Phys.Rev.Let
t.,59,p.2658(1987)]。もう一つ当初のモデルと異なる
点は、自発分極の方向や液晶分子が、一様な方向に揃っ
たユニフォーム配向を取るだけでなく、分子が上基板と
下基板でねじれたツイスト配向をすることが報告されて
いる [Glogarova,M.and Pavel,J.,J.Phys.(France),4
5,p.143(1984)]。
【0010】特に、ラビングにより配向させた強誘電性
液晶素子は、界面での規制力が強く働くため、ツイスト
配向であることが分かってきた。このような配向をとっ
た場合、一般的に2状態間のスイッチングでの光学的な
分子軸の差が効果的に現れず、高いコントラスト特性が
得られないことが判った。これらの欠点を解消するため
に、当初クラークらが提案した層構造モデルを達成する
方式が幾つか提案されており、その一つとして、SiO斜
蒸着法を用いたもので比較的高いプレチルトを基板界面
に付与することで層の折れ曲がりを防ぎ、斜めに傾斜し
た層構造を達成した報告がある。
【0011】また第二の方法として、折れ曲がり構造を
もつセルに高い電圧の交番電界を印加することにより、
層構造をブックシェルフ構造に変える方法が提案されて
おり[佐藤らによる、第12回液晶討論会( 名古屋)、1
F16(1986)]、いずれも高いコントラスト特性が得られ
たことが報告されている。しかしながら、前記の斜め蒸
着法は、蒸着角度を均一にする技術が難しいことや、真
空プロセスを有するために生産面で大きな問題がある。
また、電界を印加する方法は、均一に層構造を変化させ
るのが難しく、長期の時間の経過とともに序々に元のシ
ェブロン構造に変化するものが多く、未だ実用化には至
っていない。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明によれ
ば、表面に電極が形成され、さらにその上に絶縁膜、配
向膜が形成されるとともに、一軸配向処理が施された一
対の基板が、その一軸配向処理の方向を上下基板におい
て略平行になるように互いに対向して配置しており、こ
れらの基板間にカイラルスメクチックC相を有する液晶
が介在した液晶パネルと、前記電極に選択的に電圧を印
可することによって液晶の光軸を切り替える駆動手段
と、光軸の切り替えを光学的に選別する手段とを有する
強誘電性液晶表示装置において、前記液晶が、前記カイ
ラルスメクチックC相において、層構造が「く」の字形
状に折れ曲がったシェブロン構造を有し、前記層の中央
部の折れ曲がり方向が一軸配向処理方向と逆に折れ曲が
った部分を有し、かつ前記光軸の切り替えの際に液晶分
子が基板近傍で反転を伴うスイッチング過程を有し、さ
らにコレステリック相における液晶分子のプレティルト
角度θpが15度以上35度未満である強誘電性液晶表
示装置が提供される。
【0013】この発明は、簡便なラビング法を用い、そ
の方向と層の折れ曲がり方向を決めることで、界面での
液晶分子の反転を容易にし、シェブロン構造を有するユ
ニフォーム配向を実現したものである。また、基板界面
における液晶分子のプレチルト角度θpの角度を15度
以上35度未満とすることで、さらに界面反転を起こし
やすくし、その結果、高速のスイッチングと高いコント
ラスト特性を実現させたものである。
【0014】
【実施例】以下図に示す実施例に基づいてこの発明を詳
述する。なお、これによってこの発明は限定されるもの
ではない。カイラルスメクチックC相における層構造
は、一般的には、 「く」の字に折れまがった構造をして
いることが知られている。このような構造を取る理由
は、カイラルスメクチックC相よりも高温側にある液晶
相(一般的には、スメクチックA相)での層間隔が、カイ
ラルスメクチックC相に変わるとき液晶分子が傾くこと
により小さくなるのに対して、基板界面付近の分子は動
きにくく、高温側の相での分子間隔を保とうとするため
に、界面での分子間隔を保ちながら、層間隔を縮める必
要が生じ、層が折れ曲がると考えられている。ところ
が、この層の折れ曲がる方向は図2に示すように、二通
りの方向(17,18)に発生し、二つの異なった配向状
態を生じる。そのとき層と層の折れ曲がりの方向が異な
った境界の場所には、 ジグザグ欠陥と呼ばれる配向欠陥
が生じてくる。
【0015】図2に示すように、ジグザグ欠陥には層の
折れ曲がる方向で2種類の欠陥が発生し、その形状から
一方の15はライトニング欠陥、他方の16はヘアピン
欠陥と名付けられており、この形状を観察することで層
の折れ曲がり方向を推定することができる[Jpn.J.App
l.Phys.,28,p.50(1988)]。本発明は、この折れ曲がり
構造を利用するものであり、以下にその説明を詳しく述
べる。配向処理方向が上下基板で同じ方向の場合、配向
処理方向に対して層の折れ曲がり方向が同じ方向に折れ
曲がるか、反対方向に折れ曲がるかで二つの異なった配
向状態をとる。この関係を図3に示す。
【0016】図3中に記されている円錐状の図形は、ス
イッチングの際に液晶分子が動きうる軌道を表してお
り、層法線25に対して液晶のティルト角26だけ傾い
た軌道である。 また矢印19はラビング方向を示す。こ
の関係に関しては、特開平1−158415号公報の中でも論
じられており、ラビング軸と層の折れ曲がり方向が逆で
ある図3の23の場合をシェブロン1(C1配向)、ま
た、ラビング軸と層の折れ曲がり方向が同じである図4
の24の場合をシェブロン2(C2配向)と定義してい
る。以下本明細書中においても同様の名称を使う。
【0017】C1配向とC2配向は、基板界面の液晶分
子のプレティルトが無い場合にはほぼ等価な配向状態を
示す。しかしながらラビング処理などの一軸配向処理を
した場合には、図4に示すような方向に液晶分子のプレ
チルト22が生ずる。このプレチルトを大きくしてやる
と、C1とC2で液晶分子の配向状態の差が顕著になっ
ていき、プレティルト角度は2度程度以上あれば配向状
態の差は顕著になる。図5にその配向状態の違いを示
す。
【0018】図5のa, bおよび図5のc, dは、基板
界面での分子が動きにくい場合のC1,C2配向のメモ
リ状態の分子の様子を、Cダイレクターによる表示方法
で記したものである。液晶分子は、上下基板で捩れた状
態を取っているので、この場合のC1配向をC1Tw
(シェブロン1ツイスト)配向、C2配向をC2Tw(シ
ェブロン2ツイスト)と定義する。電界を印加した時の
スイッチングは、それぞれab間および、cd間で起こ
っている。この場合においては、メモリー状態の切り替
えは、シェブロン構造のつなぎめ部分14だけで起こっ
ている。
【0019】図3を参照して、上下基板での界面におけ
る分子の配置を考えると、C1Tw配向ではnダイレク
タ20は大きくねじれた状態になっており、C2Tw配
向では小さなねじれ状態になっている。いまセルの上下
に偏光板を直交させて配置し、セルをその中で回転させ
ると、C1Tw配向では消光する場所がなく、C2Tw
配向では消光する場所があり、C1Tw配向に比べC2
Tw配向の方が暗い黒表示が可能となり、良いコントラ
スト特性を示すことが報告されている(特開平−158415
号公報)。ところが、界面付近の分子を動き易くし、界面
反転が発生した場合を考えると、状況が異なってくる。
【0020】図5のe,fおよび図5のg,hは、界面反
転が発生した場合のC1,C2配向のメモリー状態の分
子の様子を記したものである。上下基板での液晶分子の
捩れが解消されるため、分子は一様に並んでいる。この
場合のC1配向をC1U(シェブロン1ユニフォーム)
配向、C2配向をC2U(シェブロン2ユニフォーム)配
向と定義する。電界を印加した時のスイッチングは、そ
れぞれef間およびgh間で起こっている。この場合C
1U配向においては、2つのメモリー状態共に上下基板
の分子のねじれ状態はなくなり、しかも、2つのメモリ
ー状態間の光軸角度(メモリー角ΘM)が広くなることか
ら、直交ニコル中で消光が可能なだけでなく、セルを消
光位置に設置し、電圧印加を行うことで、もうひとつの
メモリー状態に光軸を切り替えると、光軸角の動きが大
きいために、大きな光変化を得ることができる。ところ
がC2U配向においては、界面近傍の分子の反転が起こ
ったとしても、同図から分かるように、第一のメモリー
状態と第二のメモリー状態との間では、光軸の変化が大
きく取れない。従ってC1U配向の方が、より高いコン
トラストを取れることが分かる。以上のことからコント
ラスト特性については次の関係が成り立つ。
【0021】コントラスト大 C1U>C2U≧C2T
w>C1Tw コントラスト小 以上のことから本実施例では、C1U配向を積極的に用
いるものであるが、特に、ユニフォーム配向のような界
面反転を利用したスイッチングの場合、バルクの液晶の
動きと、界面近傍の液晶の動きは独立的で、通常バルク
の分子は動き易く、界面分子は動きにくい傾向があり、
そのため界面反転を伴うスイッチングは非常に遅い傾向
にある。しかしながら、界面の状態のコントロールの仕
方次第では、基板界面での分子の反転をできるだけ小さ
な電圧と狭いパルス幅でスイッチングさせることも可能
な筈である。
【0022】図6は、基板界面付近の液晶分子を示す模
式図である。一般に液晶分子は、外部からの電界に対し
て出来るだけ小さな体積変化で動こうとし、スメクチッ
クCの層間隔を変えないようにスイッチングするため
に、図6に記したようなコーン状の軌道を動くと考えら
れている。しかるに基板界面付近では、基板があるため
に、完全なコーン状の軌道がとりえない。次に界面で
は、液晶自身が持っている自発分極29が、液晶と配向
膜との接触によって発生する電界28によって基板方向
に引き寄せられるか、反発するかの力を受ける。
【0023】また液晶分子は、ラビングによるアンカリ
ングの束縛31も受ける。これらの力関係は明確には判
明していないが、界面反転を容易にするためには、基板
から分子を離して存在させてやれば、接触電界の大き
さ、アンカリングによる束縛は小さくなり、コーン軌道
も描けるようになる。従って界面反転現象を起こしやす
くするためには、プレティルト角度を大きくしてやれば
良いことが判る。経験的には、プレティルト角度Θpが
8度当たりから界面での反転が良く観測できるようにな
り、プレティルト角度をどんどん大きくしていくと、界
面反転に必要なスイッチング時間が速くなる。しかしな
がら、Θpが35度を越える当たりからは、図7に示す
ように、スメクチックの層の法線方向が、基板にたいし
て直角方向をとり、通常のスイッチングが出来ない配向
状態をとってしまうので、大きすぎるプレティルト角度
も良くないことが判かる。
【0024】最後に、配向状態の見分け方を以下に述べ
る。まずC1かC2かの見分け方については、セル内の
スペーサーや傷から発生するジグザグ欠陥の形状から層
の折れ曲がり方向が推定できる。すなわち、欠陥にはラ
イトニングとヘヤピンとの2種類の形状があり、それら
二つの欠陥は通常つながって閉じており、その欠陥でか
こまれた領域とその外側では層の折れ曲がり方向が異な
ることが知られているので(図2参照)、ラビング方向と
層の折れ曲がり方向を推定することができる。またラビ
ング方向は分子のプレチルトの方向で図4に示す関係に
なる。
【0025】次にツイスト配向であるか、ユニフォーム
配向であるかの判別法においては、次の2点が判定基準
となる。 1. セルに低周波の三角波を印加しながら顕微鏡観察を
すると、反転ドメインが観察される。その際、シェブロ
ンのつなぎめで発生する内部回位の移動によるドメイン
反転は(舟型のドメインと呼ばれている)、ツイスト配向
であるとユニフォーム配向であるとに拘わらず発生す
る。従ってその反転以外にもう一つ以上ドメイン反転が
観測された場合、その反転は界面での反転であり、スイ
ッチング時にユニフォーム状態を経由していると判断で
きる。
【0026】2. セルに十分な電界を(±10V程度)
印加して求めた光軸の移動角度に対して、メモリー時の
二つの安定状態(電圧無印加状態)間の光軸角度が、前
者の40%以上ある場合。通常ツイスト配向では、30
%台程度の値しか得られない。
【0027】[実施例1]図1は、この発明による液晶
表示装置の断面を示した図である。同図においてガラス
基板1a上に300 〜5000Å、好ましくは1000〜3000Åの
厚さの複数本の透明電極2aを互いに平行となるように
ストライプ状に配列して形成し、その上に300 〜5000
Å、好ましくは500 〜2000ÅのSiO2の電極保護膜3
aをスパッタで形成し、さらにその上に配向膜4aをス
ピンコーターにて形成し、この後レーヨン系の布を用い
てラビングによる一軸配向処理を行い、基板9を形成し
た。一方、もう片側のガラス基板1b上にも同様の条件
で複数本の透明電極2bを、互いに平行となるようにス
トライプ状に配列して形成し、その上に電極保護膜3b
を介して配向膜4bを形成し、この後ラビングによって
一軸配向処理を行い、基板10を形成した。
【0028】次いで、この基板10をもう一方の基板9
と、互いに配向膜4a, 4bが対向しあい、互いの透明
電極2a, 2bが直交し、かつラビング方向がほぼ一致
するようにして、1.5 μの間隔を隔てシリカスペーサー
5を介してエポキシ樹脂製のシール部材6で貼り合わせ
た。これらの基板9, 10間には、カイラルスメクチッ
クC相を有する液晶7(チッソ石油化学(株)製CS-1014)
を加熱しつつ、真空注入法で注入口から注入したのち、
アクリル系のUV硬化型の樹脂8で注入口を封止して液
晶セル11を作製した。
【0029】更に、このセルの上下に偏光軸をほぼ直交
させた偏光板12a,12bを配置させ、偏光板の一方
の偏光軸をセルの液晶のどちらか一方の光軸にほぼ一致
させて液晶表示装置とした。上記の実施例の配向膜4
a, 4bは、プレチルト角度の異なった値を示す9種類
の配向膜を用いA〜Iの9種類のセルを作った。また同
様のセル構成でラビング方向が反平行で、セル厚が約2
0μのものを作り、メルク社製のE−8液晶を注入し、
磁場容量法を用いてネマチック相での液晶分子のプレテ
ィルト角度を測定した。今回注入した液晶とは異なる液
晶を用いたのは、カイラルC相を持つ液晶は、コレステ
リック相で液晶分子が捩れるために、正確なティルト角
度を測定できない為である。
【0030】一般に、プレティルトの液晶材料依存性が
幾らかは存在することが判かっているが、パーフルオロ
アルキル等の特殊な材料で無い限り、1〜2度程度のば
らつきしか発生しないので、代用液晶での測定値を用い
た。下記表1に配向膜とプレティルト角度の測定値を示
す。
【0031】 表1 セルNo. 配向膜 (会社名) プレティルト角度 A PSI-X7355 (チッソ) 6° B PSI-X7356 (チッソ) 6.5° C PSI-X7354 (チッソ) 8° D LQ-1800 (日立化成) 8° E PSI-A-005 (チッソ) 13° F PSI-A-006 (チッソ) 13° G PSI-A-009 (チッソ) 15° H PSI-X-S130(チッソ) 17° I RN-715 (日産化学) 35° チッソ: チッソ石油化学
【0032】次に図8にしめすような±10V 500 μ
sec の双極性パルス( このスイッチングパルスは、界面
反転を伴わないセルで測定したツイスト間でのスイッチ
ング速度(約250 μsec)の2倍程度のパルス幅) をセル
に印加して光軸を切り替え、ユニフォーム間でのスイッ
チングが起こっているかどうかを、C1配向を示す領域
で調べた。下記表2にC1U配向の領域の割合とスイッ
チングの結果を示す。 表2 A × 10% B × 10% C × 30% D △ 35% E ○ 90% F ○ 90% G ○ 95%以上 H ○ 95%以上 I × 0% (at 25℃) ○ ユニフォーム間のスイッチング可 △ 一部分のみ × ユニフォーム間のスイッチング不可
【0033】表1から判るように、プレティルト角度が
大きくなるにつれて、特に8度を越える当たりからスイ
ッチングが可能となることが判った。また、プレティル
ト角が35度を越えるセルIでは、スメクチック層の法
線が基板に垂直方向に向いてしまい、もはやC1, C2
配向すらとれず、全くスイツチングしなくなることが判
った。またプレティルトが低いと、C1Tw配向やC2
配向をとり易く、C1U配向を作るためにも高いプレテ
ィルト角は有効に寄与していることが判る。
【0034】以上の結果から、セルE、F、G、Hは、
略全面C1U配向を達成することができ、しかも高速で
のスイッチングが可能であった。また、二つの光軸角度
が広がり、二つのメモリー状態間でのコントラスト比は
40以上を達成することができた。
【発明の効果】この発明によれば、液晶が、一軸配向処
理の方向と逆の折れ曲がり構造を有するシェブロン構造
を有し、液晶分子のプレティルト角度θpが15度以上
35度未満であるため、界面での液晶分子の反転を容易
にし、シェブロン構造を有するユニフォーム配向を実現
することができる。よって、高速のスイッチングと高い
コントラスト特性を有する強誘電性液晶表示装置を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液晶表示装置の断面図。
【図2】実施例におけるカイラルスメクチックC相の層
構造を示す模式図。
【図3】実施例におけるC1配向、C2配向の模式図。
【図4】実施例におけるラビング処理を示す説明図。
【図5】実施例におけるC1配向、C2配向のCダイレ
クターを示す写影図。
【図6】実施例における基板界面の液晶分子を示す模式
図。
【図7】実施例における液晶分子プレティルト角度を示
す模式図。
【図8】実施例における双極性パルス印加状態を示す波
形図。
【図9】従来例のスメクチックC相の層構造を示す模式
図。
【図10】従来例のスメクチックC相の層構造を示す模
式図。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板 2a,2b 透明電極 3a,3b 電極保護膜 4a,4b 配向膜 5 スペーサー 6 シール部材 7 液晶 8 封止部材 9,10 基板 11 液晶セル 12a,12b 偏光板 13 スメクチック層 14 シェブロン構造のつなぎめ部分 15 ライトニング欠陥 16 ヘアピン欠陥 17,18 シェブロン構造 19 ラビング方向 20 液晶分子:Nダイレクター 21 Cダイレクター 22 プレティルト角度 23 C1配向 24 C2配向 25 スメクチック層の法線 26 液晶のティルト角 27 ローラー 28 界面電界 29 自発分極 30 分子の回転を阻害する空間 31 アンカリングによる力
フロントページの続き (72)発明者 中 川 謙 一 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−31828(JP,A) 特開 平3−252624(JP,A) 特開 平3−288825(JP,A) 特開 平4−63326(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/141 C02F 1/1337 G09F 9/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に電極が形成され、さらにその上に絶
    縁膜、配向膜が形成されるとともに、一軸配向処理が施
    された一対の基板が、その一軸配向処理の方向を上下基
    板において略平行になるように互いに対向して配置して
    おり、これらの基板間にカイラルスメクチックC相を有
    する液晶が介在した液晶パネルと、前記電極に選択的に
    電圧を印可することによって液晶の光軸を切り替える駆
    動手段と、光軸の切り替えを光学的に選別する手段とを
    有する強誘電性液晶表示装置において、 前記液晶が、前記カイラルスメクチックC相において、
    層構造が「く」の字形状に折れ曲がったシェブロン構造
    を有し、前記層の中央部の折れ曲がり方向が一軸配向処
    理方向と逆に折れ曲がった部分を有し、かつ前記光軸の
    切り替えの際に液晶分子が基板近傍で反転を伴うスイッ
    チング過程を有し、さらにコレステリック相における液
    晶分子のプレティルト角度θpが15度以上35度未満
    であることを特徴とする強誘電性液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 一軸配向処理を施す配向膜が有機高分子
    である請求項1に記載の強誘電性液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 一軸配向処理がラビング法を用いて行わ
    れる請求項1に記載の強誘電性液晶表示装置。
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