JP2916973B2 - 乳酸菌に特異的なモノクローナル抗体およびこれを用いた乳酸菌の検出法 - Google Patents

乳酸菌に特異的なモノクローナル抗体およびこれを用いた乳酸菌の検出法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の乳酸菌に対する
モノクローナル抗体、およびこれを用いたビール、飲
料、食品などの有害乳酸菌の検出および識別、同定に関
する。
【0002】
【従来の技術】ビールを含めた飲料一般および食品一般
において有害微生物が混入すると濁りや酸敗などによっ
て著しく商品の品質を損ねることがある。例えばビール
においては、グラム陽性菌であるラクトバチルス属(La
ctobacillus)、ぺディオコッカス属(Pediococcus)、ロ
イコノストック属(Leuconostoc)などの乳酸菌、野生酵
母、あるいはグラム陰性菌であるエンテロバクター属
Enterobacter) 、ペクチネータス属(Pectinatus) 等
が代表的な有害菌である。なかでもラクトバチルス属に
属するラクトバチルス・ブレビス (Lactobacillus brev
is) 、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus
plantarum)、ラクトバチルス・コリニフォルミス (Lac
tobacillus coryniformis)、ラクトバチルス・カゼイ
Lactobacillus casei) 等に代表される乳酸桿菌はビ
ール汚染菌として最も著名である。これらの有害菌を検
出する方法として、現在最も一般的なものは、対象とな
るビールをメンブランフィルターでろ過後、適当な培地
中で培養し、生育するコロニーを観察するものである。
しかしながら、ビールおよびビール製造工程において検
出される有害菌は一般に細胞活性が低下しており、また
極めて微量しか存在しないために、このような培地で培
養しても菌の生育が遅く、検出に時間を要する難点があ
る。このため、これまでとくに、乳酸菌検出培地として
改変NBB培地(Back, W., Brauwelt, 120, 1562(198
0)) 、KOT培地(Taguchi, H. et al.,J. Am. Soc. Br
ew. Chem., 48, 72(1990)) 等が考案されているが、大
きな時間短縮には至っていない。
【0003】近年、培養法とは異なる迅速、高感度な検
出法が報告されている。例えば、菌体中のATPを利用
し、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応による化学発光
を用いる方法(例えば、Hysert, D. W. et al., J. Am.
Soc. Brew. Chem. 34, 145(1976)) がある。しかし、
酵母などに比べ細胞当たりのATP含量の少ない乳酸菌
では、少なくとも検出には104 個程度の菌体が必要とな
る。前述のごとく、ビールの場合、有害菌の初発菌数は
極めて少ないために、検出に必要な菌数まで培養する必
要があり、ビールの場合、この方法は必ずしも迅速法と
はなり難い。また、培地中での有害菌の生育を、培地の
電気伝導度の変化でとらえる方法(例えば、Vogel, H.
& Bohak, I., Brauwelt, 130, 414(1990))もあるが、A
TP法と同様、感度の点でビール有害菌の迅速検出法と
して適用し難い。
【0004】一方、近年ビールをメンブランフィルター
でろ過後、蛍光色素で染色し、蛍光顕微鏡観察するDE
FT法(direct epifluorescent filter technique) お
よびメンブランフィルター上の菌を短時間培養後蛍光染
色するMMCF法(membranefilter-microcolony fluor
escent method)が報告されている (例えば、Pettipher,
G. L. & Rodrigus, U.M., Appl. Environ. Microbio
l., 44, 809(1982) およびRusch, A. & Kra(¨)mer, J.
Monatsschr Brauwiss., 43, 77(1990)) 。この方法は
操作も簡便で感度もよいが、最大の難点はビール中に共
存する微細な粒子が自家蛍光をもち、微粒子と有害菌と
を判別しにくい点である。このためマイクロコロニーを
形成させ画像解析を行って、その形状から菌か微粒子か
を識別する工夫も考案されている(特開平2-27259 〜27
261 及び特開平2-28772)が、実効の程は不明である。
【0005】しかしながら、これらの方法では、検出で
きる菌種は特定のものでないため、有害菌を特異的に検
出することは不可能である。一方、乳酸菌に対する抗体
を用いる方法は特異的検出という点で優れている。古く
から、これらの乳酸菌に対するポリクローナル抗体(抗
血清)が作製されているが(Sharpe, M. E., J. Gen.Mi
crobiol., 12, 107(1955), Sharpe, M. E., Int. J. Sy
st. Bacteriol., 20,509 (1970), Knox, K. W. et al,
Infect. Immun., 24, 12(1979), Shimohashi,H. & Muta
i, M., J. Gen. Microbiol., 103, 337(1977)等) 、こ
れらは、乳酸菌の分類同定の手段として作製されたポリ
クローナル抗体であり、本発明に関連するものとして
は、ラクトバチルス・カゼイのBおよびC抗原(polysac
charide)を認識するものが知られている(Kandler, O. a
nd Weiss, N., Bergey's manualofsystematic bacterio
logy Vol.2, p.1208(1986))。しかし、ポリクローナル
抗体は一般に交差反応性があり、このため交差反応性を
示す抗原で抗血清を吸収する操作が必要である上、抗血
清のロット毎にその抗体価や特異性が変動する欠点があ
る。
【0006】一方、モノクローナル抗体は、通常、認識
する抗原部位は特定の部位であることから極めて高い特
異性を期待することができ、また一旦、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを樹立すれば同一のモノクロー
ナル抗体を半永久的に調製することができる利点を有す
る。このようなモノクローナル抗体の利点を利用し、清
酒の有害乳酸菌である火落菌に対するモノクローナル抗
体を作製し、検出に応用した例もある (特開昭62-1010
0) 。しかし、火落菌に対するモノクローナル抗体は火
落菌の中でも反応性がまちまちであり、また他の乳酸菌
に対する反応性は明らかでない。さらに本発明のモノク
ローナル抗体はビール有害乳酸菌に対してのものであ
り、火落菌とは反応しない点で全く別種のものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ビールに混在する微生
物は多様であるが、すべての微生物がビールで増殖する
のではなく、ごく限定された微生物種が問題となる。具
体的には、グラム陽性菌であるラクトバチルス属、ペデ
ィオコッカス属、ロイコノストック属などの乳酸菌、グ
ラム陰性菌であるエンテロバクター属、ペクチネータス
属菌、さらに野生酵母等がある。このうち、ラクトバチ
ルス属の乳酸菌はビール有害菌として特に注意すべき種
類のものであるが、ラクトバチルス属のビール有害菌と
して著名なものとしては、ラクトバチルス・ブレビス、
ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・コリ
ニフォルミス、ラクトバチルス・カゼイ等がある。ま
た、ビール醸造の環境において生育しないため有害菌と
はされていないそれ以外のラクトバチルス属乳酸菌も多
数ある。そのため、問題があった場合にいずれの乳酸菌
が原因であるのかを速やかに特定し対応する必要があ
る。そこで、本発明は、ビール有害乳酸菌の一種である
ラクトバチルス・カゼイにのみ反応し他のラクトバチル
ス属菌やその他の微生物に反応しない特異的なモノクロ
ーナル抗体を作成することとし、さらには公知の免疫学
的手法を用いて、菌の識別、同定のための試薬とその方
法を提供するものである。従って、本発明のモノクロー
ナル抗体をビール醸造工程で得た検体に対して反応させ
たとき、検体中にラクトバチルス・カゼイが存在する場
合のみ特異的に反応するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、乳酸菌である
ラクトバチルス・カゼイをヒト以外の哺乳類に免疫して
得られる乳酸菌に特異的なモノクローナル抗体である。
これらのうち、72−6D2(FERM P−1359
1)および72−11G12(FERM P−1358
9)から選ばれるハイブリドーマセルラインによって産
生されたものが望ましい。
【0009】本発明のモノクローナル抗体は公知の細胞
融合法により作製できる。 (1) 抗原の免疫 乳酸菌、例えばラクトバチルス・カゼイを適当な培地中
で培養し抗原とする。菌体を適当なアジュバントと混合
し、適当な動物(例えばBALB/cマウス) に免疫する。適
当な間隔で数回追加免疫を行い、血中の抗体価が上昇し
たら最終免疫を行う。
【0010】(2) 細胞融合とスクリーニング 最終免疫3日後に免疫した動物の脾臓を摘出し、細胞を
分散後、適当な融合促進剤の存在下で、ミエローマと融
合する。96ウェルマイクロプレートに細胞を播き、適当
な選択培地(例えば0.1mM ヒポキサンチン、0.4 μM ア
ミノプテリン、16μM チミジン、10%ウシ胎仔血清(F
CS)を含むRPMI−1640培地(HAT培地))でハイ
ブリドーマのみを増殖させる。適当な時期に、ハイブリ
ドーマ培養上清中の抗体活性を酵素免疫法(ELIS
A)などの方法により測定する。
【0011】(3) クローニングと腹水作製 抗体陽性のハイブリドーマを限界希釈などの方法で、約
2回クローニングを行い、ハイブリドーマクローンを樹
立する。当該モノクローナル抗体を大量に取得するに
は、予めプリスタンを投与したマウス腹腔にハイブリド
ーマを移植することによって腹水として回収でき、腹水
からプロテインAやプロテインGカラムを用いてモノク
ローナル抗体を容易に精製できる。
【0012】このようにして得られたモノクローナル抗
体は、乳酸菌、例えばラクトバチルス・カゼイを特異的
に認識することができる。例えば、ビール中の有害菌を
検出するには、ビールをメンブランフィルターでろ過し
て菌を捕捉する。次に本発明で得られたモノクローナル
抗体の好ましくは酵素標識物とメンブラン上の菌を反応
させる。標識モノクローナル抗体は酵素の他に、蛍光色
素、ラジオアイソトープまたはその他の化学物質の1種
以上を標識して得ることができる。その他の化学物質と
しては、例えば、ビオチンやアビジンが挙げられる。次
に、前記酵素の基質として好ましくは酵素反応の結果、
化学発光する物質がよく、発生する微量の光をケミルミ
フォトメータなどの装置でモニターすることにより有害
菌を検出することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明においては以上の方法により乳酸
菌ラクトバチルス・カゼイを特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体を得た。このようなモノクローナル抗体を用
いてビール中の当該有害菌を迅速、高感度にかつ特異的
に検出することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。 実施例1 抗乳酸菌モノクローナル抗体の作製 イ) 抗原の調製と免疫 ビール醸造場から分離したラクトバチルス・カゼイをM
RS培地で培養し、リン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.
4) で集菌洗浄した菌体を抗原とした。BALB/cマウスの
腹腔にフロイント不完全アジュバントと混合した抗原を
マウス1匹あたり109 個となるように免疫した。10〜14
日の間隔で数回追加免疫を行い、血中の抗体価が上昇し
た後、マウス1匹あたり108 〜109 個を腹腔に最終免疫
した。
【0015】ロ)細胞融合 最終免疫3日後のマウス脾臓を摘出し、血清を含まない
RPMI1640培地(Biocell 社製)中で脾細胞を分散さ
せた。脾細胞:マウスミエローマ(SP-2)=5:1の割合
で混合し、50%ポリエチレングリコール4000(関東化学
社製)1mlを滴下後、血清を含まないRPMI16401ml
を徐々に滴下し、さらに10%FCS(Biocell 社製)を
含むRPMI1640(FCS−RPMI)8mlを除々に滴
下し、遠心分離して細胞を集めた。FCS−RPMIに
再懸濁し、96ウェルマイクロプレート(住友ベークライ
ト社製)の各ウェルに5×105 個/ウェルずつ分注し、
CO2 インキュベーター中、37℃で培養した。翌日、H
AT培地を加え、以後適当な間隔で培地交換(HAT培
地)を行った。ハイブリドーマが増殖したら上清の抗体
価を以下のELISAで測定し、抗体陽性細胞をスクリ
ーニングした。
【0016】ハ)スクリーニング 96ウェル平底ELISAプレート(住友ベークライト社
製) の各ウェルに108〜109 個/ml(PBS)の抗原50
〜100 μl を加え、4℃で1昼夜インキュベート後、上
清を捨てた。0.5 〜1.0 %ウシ血清アルブミン(BS
A)を含むPBS(BSA−PBS)を各ウェルに入
れ、室温1時間静置後、各ウェルを0.05 %Tween20 を
含むPBS(PBS-Tween)で洗浄した。このようにして調
製したプレートの各ウェルにハイブリドーマ培養上清50
〜100 μl を加え、室温で2時間静置後、PBS-Tween で
洗浄した。次いでビオチン標識抗マウスIgG(ベクター社
製) 溶液を加え室温で2時間静置後、PBS-Tween で洗浄
した。次いでアビジン−アルカリフォスファターゼ(ベ
クター社製)溶液を加え室温で20分静置後、PBS-Tween
で洗浄した。発色基質としてP−ニトロフェニルフォス
フェイト(シグマ社製)及びジエタノールアミン緩衝液
(pH9.8)を用い、反応停止は5N水酸化ナトリウム溶液
で行なった。ELISAリーダーで 405nmにおける吸光
度を測定した。
【0017】ニ)クローニングと腹水作製 抗体産生が確認されたハイブリドーマを限界希釈法によ
り2回クローニングを行った。このようにして樹立した
ハイブリドーマクローンを予めプリスタンを投与したBA
LB/cマウスの腹腔に106 〜107 個接種し約2週間後、腹
水を回収した。 ホ)腹水からのモノクローナル抗体の精製 腹水を10,000rpm にて10分間遠心分離し、不溶物を除
き、蛋白量として100 〜150mg 相当を市販のプロテイン
Gカラムキット(ファルマシア製) にかけ、モノクロー
ナル抗体を精製した。得られたモノクローナル抗体産生
ハイブリドーマのセルライン2種を通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託した。寄託者が付した
識別のための表示は、72−6D2、72−11G12 であり、受
託番号はFERM P-13591、FERM P-13589であった。
【0018】ヘ)精製抗体の標識 精製抗体の標識を、西洋ワサビペルオキシダーゼまたは
蛍光色素フルオレセインイソチオシアネート(FIT
C)で標識する場合を例に説明する。 −−西洋ワサビペルオシキダーゼで標識する場合 西洋ワサビペルオキシダーゼ(ベーリンガー・マンハイ
ム社製) 4mgを水1mlに溶解後、0.1 M過ヨウ素酸ナト
リウムを添加し、室温で20分間攪拌する。1mM酢酸ナト
リウム緩衝液(pH4.4)に透析後、0.2 M炭酸ナトリウム
を加えて、pHを9.5 とした。一方、予め精製抗体8mgを
10mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)に対して透析してお
き、これと過ヨウ素酸酸化したペルオキシダーゼを混合
し、室温で2時間攪拌して標識した。標識後、4mg/ml
のNaBH4 を0.1ml 加え、4℃、2時間反応させ、PBS
に透析した。次いでPBSで平衡化したセファクリルS
−200HR カラム(2.5×70cm、ファルマシアLKB社製)
でゲルろ過した。280nm および403nmの吸光度の一致す
る溶出ピークをプールし、精製画分とした。
【0019】−−FITCで標識する場合 10mg/ml の精製抗体1mlを0.05M炭酸ナトリウム緩衝液
(pH9.5)に一夜透析した。FITC(シグマ社製)2mg
を0.05M炭酸ナトリウム緩衝液 (pH9.5)1mlに溶解し、
透析した抗体溶液1mlにFITC溶液 100μl を加え
た。室温で1時間攪拌し、標識した。反応後、直ちにP
BSで平衡化したセファデックスG−25カラム (1.2 ×
50cm、ファルマシアLKB社製)にかけ、ボイドボリュ
ームに溶出される画分を集め、FITC標識抗体とし
た。
【0020】ホ) 得られたモノクローナル抗体のクラ
ス、サブクラス モノクローナル抗体のクラス、サブクラスを市販のキッ
ト(バインディングサイト社製) で調べた。その結果、
モノクローナル抗体72−6D2 、72−11G12 はIgG1
あった。
【0021】実施例2 モノクローナル抗体の特異性 実施例1で作製したモノクローナル抗体の特異性をEL
ISA法で検討した。ELISAは次のように行った。
マイクロタイタープレート(スミロンHプレート)の各
ウェルに予め適当な培地で培養後集菌洗浄した各菌体10
8 個/mlを100μl 入れ、4℃、一夜静置後、上清を捨
て、1%BSA−PBSで1時間ブロッキングした。PB
S-Tween で洗浄後、各モノクローナル抗体(精製モノク
ローナル抗体として5〜10μg/ml) を50〜100 μl 添加
し、室温で2時間静置後、ビオチン標識抗マウスIgG
(ベクター社製)を加え2時間静置した。PBS-Tween で
洗浄後、アビジン化アルカリフォスファターゼを加え、
室温で20分間反応させ、p−ニトロフェニルフォスフェ
イト(最終濃度で1mg/ml)、ジエタノールアミン緩衝液
(pH9.8)で発色させて、5N水酸化ナトリウム溶液で反
応を停止した。
【0022】このようなELISA系を用い、各種乳酸
菌、酵母、その他のグラム陽性菌、陰性菌の標準株につ
いて、72−6D2 、72−11G12 との反応性を検討した。そ
の結果、72−6D2 はラクトバチルス・カゼイのみに特異
的に反応し、72−11G12 はラクトバチルス・カゼイの他
にビール有害菌以外の一種と弱く反応した。その他の各
乳酸菌株、ビール酵母を含む酵母、その他のグラム陽
性、陰性細菌には反応しないことが判明した。この結果
はビール有害乳酸菌のうち特に問題となるラクトバチル
ス・カゼイの特異的検出にこのモノクローナル抗体が有
用であることを示している。さらにこれらのモノクロナ
ール抗体との反応性から菌種の推定も可能である。以上
の結果を表1にまとめた。
【0023】
【表1】 Lactobacillus casei(72-6D2, 72-11G12)、Pediococcus
damnosus(23-5G8)の反応を100 %として、+:30%以
上の反応 +−:15%〜30%の反応 −:15%以下の反応
【0024】実施例3 ビール有害乳酸菌株との反応性 実施例2と同様の方法でビール有害乳酸菌株との反応性
を調べた。ビール醸造場等から単離した,ペディオコッ
カス属に属する菌株に対する反応性を調べた結果、ラク
トバチルス・カゼイのみを認識した。結果を表2に示し
た。
【0025】
【表2】 ABBC72の反応を100%として、 +:30%以上の反応 +−:15%〜30%の反応 −:15%以下の反応
【0026】実施例4 蛍光抗体を利用したビール有害乳酸菌の特異的早期識別
法 醸造場等より単離したビール有害乳酸菌株を、蛍光色素
で標識したモノクローナル抗体で識別できるかどうか検
討した。ビール有害乳酸菌をMRS培地で培養後、無蛍
光ガラススプレート上の5μl 蒸留水中に1白菌耳懸濁
し風乾した後、火炎固定した。固定菌体の上にモノクロ
ーナル抗体(精製モノクローナル抗体として0.2mg/ml)
を50〜100 μl のせ、室温で30分間静置した。PBS-Twee
n で洗浄後、FITC標識抗マウスIgGを50〜100μl
のせ、室温で30分間静置した。PBS-Tween で洗浄し、
更に蒸留水で洗浄後、風乾し、蛍光顕微鏡で蛍光像が得
られるかどうかを検討した。その結果、ラクトバチルス
・カゼイのみを認識した。結果を表3に示した。
【0027】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 C12N 15/00 C (56)参考文献 特開 昭62−10100(JP,A) 特許2532330(JP,B2) 特許2609982(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/00 - 7/08 C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸菌の1種であるラクトバチルス・カ
    ゼイ(Lactobacilluscasei)をヒト
    以外の哺乳類に免疫して得られるモノクロナール抗体
    あって、ELISA系の検出において、ラクトバチルス
    ・カゼイ乳酸菌と反応性を示し、ビール製造工程におい
    て存在するそれ以外の乳酸菌、酵母、グラム陽性菌、グ
    ラム陰性菌とは反応性を示さない特異性を持つモノクロ
    ーナル抗体
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマセルライン。
  3. 【請求項3】 72−6D2(FERM P−1359
    1)および72−11G12(FERM P−1358
    9)から選ばれる請求項2記載のハイブリドーマセルラ
    イン。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いることを特徴とするビール有害乳酸菌の検出識別方
    法。
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JP2609982B2 (ja) 1992-02-17 1997-05-14 アサヒビール株式会社 乳酸菌に対するモノクローナル抗体およびこれを用いた乳酸菌の検出法
JP2532330B2 (ja) 1992-09-25 1996-09-11 アサヒビール株式会社 乳酸菌に対するモノクロ―ナル抗体およびこれを用いた乳酸菌の検出法

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