JP2915488B2 - 耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用高力アルミニウム合金 - Google Patents
耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用高力アルミニウム合金Info
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Description
に用いられる高力アルミニウム合金に関し,さらに詳し
くは,耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用Al-Zn-Mg
系高力アルミニウム合金に関する。
薄肉軽量化が進み,溶接可能な高力アルミニウム合金の
要求が高まって来ている。従来,これらの用途に対する
アルミニウム合金としては,Al-Zn-Mg系合金やAl-Zn-Mg-
Cu合金が考えられてきた。この種の高力アルミニウム合
金は,Zn,Mg量を増加するに従って高強度になるが,それ
に伴って応力腐食割れ感受性や溶接割れ感受性が高くな
る傾向があり,又,圧延,押出,鍛造等の熱間加工性も
劣化してくる。
れる高力アルミニウム合金として代表的なものにA7075
合金がある。該合金の強度はアルミニウム合金の中でも
最高に属するが,Cuを含むため溶接性が著しく劣り,接
合はボルト締め,リベット等の機械的接合によらなけれ
ばならない。また,該合金は応力腐食割れ感受性が高い
ため,従来は本来最高強度が得られる熱処理であるT6処
理では,応力腐食割れが起こる危険があるため,それよ
りさらに高い温度又は長い時間の焼き戻しを行い組織を
安定化させたT7処理で使用することが多い。
の成形が可能で,しかも溶接性,耐応力腐食割れ性に優
れたアルミニウム合金としてはA7N01が良く知られてい
る。また,押出性の良好なA7003も溶接性,耐応力腐食
割れ性に優れたアルミニウム合金である。しかしながら
これらの合金では強度が比較的低いため,更に強度を要
する用途には適さなかった。上記のごとく従来の技術で
は強度,耐応力腐食割れ性,溶接性の全ての面で満足が
得られ,しかも押出,圧延,鍛造等の成形性にも優れた
アルミニウム合金を得ることは甚だ困難であった。
耐応力腐食割れ性,溶接性の全ての面で満足が得られ,
しかも,押出,圧延,鍛造等の成形にも優れた材料を提
供することを目的とするものである。
き,強度,耐応力腐食割れ性,溶接性の全ての面で満足
が得られ,しかも,押出,圧延,鍛造等の成形性にも優
れたアルミニウム合金の開発を期して,合金成分の種
類,含有率を変えて,種々検討した。その結果,下記の
ごとく合金成分の種類,含有率を特定してやれば上記の
目的を達成できることを見出し,本発明の完成をみた。
力アルミニウム合金の構成とは,Zn 5〜8重量%,Mg1.2
〜4.0重量%,Cu1.6〜4.0重量%,稀土類元素又はミッシ
ュメタル0.03〜5.0重量%,Fe0.01〜1.0重量%,Ti0.005
〜0.2重量%,B0.0001〜0.08重量%を含有し,かつ,Mn0.
01〜1.5重量%,Cr0.01〜0.6重量%,Zr0.01〜0.25重量
%、Mo0.03〜0.5重量%のうちの少なくとも1種または
2種以上を含み,残りアルミニウム及び不可避不純物か
らなるところが要旨である。
またはミッシュメタルを添加することにより耐応力腐食
割れ性及び耐溶接割れ性を向上させたものである。
有率の限定理由について説明すると次のとおりである。
欠の元素であり,含有量が5重量%未満ではその効果が
少なく,8重量%を越えると耐応力腐食割れ性,溶接性,
加工性が劣化する。Znの最も好ましい含有量は5〜8重
量%である。
り,含有量が1.2重量%未満では充分な強度が得られず,
4.0重量%を越えて含有されると耐応力腐食割れ性,溶
接性,加工性が劣化する。よって,Mgの最も好ましい含
有量は1.2〜4.0重量%である。
り,含有量が1.6重量%未満では充分な強度が得られず,
4.0重量%を越えて含有されると耐応力腐食割れ性,溶
接性,加工性が劣化する。よって,Cuの最も好ましい含
有量は1.6〜4.0重量%である。
及び耐溶接割れ性を向上させるものであり,含有量が0.
03重量%未満では,その効果が少なく,5.0重量%を越え
ると合金中に粗大晶出物が生成し,強度を劣化させる。
よって稀土類元素又はミッシュメタルの最も好ましい含
有量は0.03〜5.0重量%である。尚,稀土類元素として
は,La,Ce,Pr,Nd,Sm等,又,ミッシュメタルとしてはCe,
Laを主成分とする合金で,通常Ce45〜50重量%,La20〜4
0重量%,残部その他の稀土類元素(Nd,Sm,Pr等)から
なり,稀土類元素,ミッシュメタル何れも同等の効果を
示すも,稀土類元素単体は高価であり,ミッシュメタル
として添加する方が経済的に有利である。
重量%未満ではその効果が少なく,1.0重量%を越えて含
有させると靭性,加工性が劣化する。よって,Feの最も
好ましい含有量は0.01〜1.0重量%である。
元素であるが,含有量がTi0.005重量%未満,B0.0001重
量%未満ではその効果が少なく,Ti0.2重量%,B0.08重量
%を越えて含有させると巨大化合物が発生し靭性,加工
性が劣化する危険性がある。よって,Tiの最も好ましい
含有量は0.005〜0.2重量%であり,Bの最も好ましい含有
量は0.0001から0.08重量%ある。
させる元素であり,1種または2種以上添加するものであ
るが,含有量がMn0.01重量%未満,Cr0.01重量%未満,Zr
0.01重量%未満,Mo 0.03重量%未満では結晶粒微細化の
効果が少なくなり,また,Mn3.0重量%,Cr0.6重量%,Zr
0.25重量%,Mo 0.5重量%を越えて含有されると巨大化
合物が発生し,靭性,加工性を劣化させる危険がある。
重量%未満,Ni0.03重量%未満に制限することが必要で
ある。それぞれ制限値を越えて含有されると溶接性を低
下させる。
成の合金を半連続水冷鋳造装置を用いて押出用鋳塊(9
インチ径)に鋳造した。この9インチ径の棒状鋳塊を47
0℃で12時間均質化処理した後,430℃に加熱して押出機
によって,それぞれ厚さ5mm,幅100mmの平角材に押出し
た。押出加工するに際して,前記平角材が表面欠陥や割
れ発生が無く押出し得る最高押出速度をもって,各合金
の押出性の良否を評価した。その結果を第2表に示す。
各々の材料は押出後,460℃で1時間の溶体化処理後焼入
し,120℃で24時間の焼戻し処理を行った。
応力腐食割れ試験,及び溶接割れ試験を行った結果を第
2表に併記した。なお,試験方法を下記に示す。
φ) 押出温度……430℃ (b)押出サイズ:5mmx100mm (c)評価方法:押出速度がA7075と同等か否かにより
判定した。
基づき試験する。
準で判定する。
荷試験液,浸漬…3.5%NaCl液,交互浸漬(周期10分浸
漬,50分乾燥)30日間 (c)評価:応力腐食割れ発生の有無観察 x…割れ発生 〇…割れ発生せず (4)溶接割れ試験 (a)試験片:第1図に示す,フィッシュボーン形試験
片 (b)溶接条件:溶接方法……TIG 溶加材……使用せず 電極……トリウム入りタングステン棒3.2mmφ 溶接電流……180A アーク電圧……19V 溶接速度……30cm/min アルゴンガス流量……10l/min (c)割れ評価:割れ長さ測定し,次の基準で判定す
る。
加工性,強度,耐応力腐食割れ性,溶接性の全てにおい
て優れていたの対し,比較合金,特に希土類元素または
ミッシュメタルが本発明範囲外のもの及び従来合金はい
ずれかの特性で劣っていた。
るように,溶接構造用アルミニウム合金として,従来合
金を凌ぐ高強度を有し,かつ耐応力腐食割れ性に優れて
おり,しかも押出加工,圧延加工,鍛造加工等の熱間加
工性を保有した溶接構造用アルミニウム合金を提供しう
るものであり,従来合金による場合に比べ,更に溶接構
造材としての薄肉軽量化の要請に好適に対応しうるもの
である。
ある。 1……フィッシュボーン形割れ試験片 1a……溶接ビード 1b……溶接割れ 1c……割れ長さ 1d……溶接方向
Claims (1)
- 【請求項1】Zn5〜8重量%、Mg1.2〜4.0重量%、Cu1.6
〜4.0重量%、希土類元素又はミッシュメタル0.03〜5.0
重量%、Fe0.01〜1.0重量%、Ti0.005〜0.2重量%、B0.
0001〜0.08重量%、を含有し、かつ、Mn0.01〜1.5重量
%、Cr0.01〜0.6重量%、Zr0.01〜0.25重量%、Mo0.03
〜0.5重量%のうちの少なくとも1種または2種以上を
含み、残りアルミニウム及び不可避不純物からなること
を特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用高
力アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
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JP11600290A JP2915488B2 (ja) | 1990-05-02 | 1990-05-02 | 耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用高力アルミニウム合金 |
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JP11600290A JP2915488B2 (ja) | 1990-05-02 | 1990-05-02 | 耐応力腐食割れ性に優れた溶接構造材用高力アルミニウム合金 |
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1990
- 1990-05-02 JP JP11600290A patent/JP2915488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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