JP2913849B2 - 車両用操舵角検出装置 - Google Patents

車両用操舵角検出装置

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JP2913849B2
JP2913849B2 JP453691A JP453691A JP2913849B2 JP 2913849 B2 JP2913849 B2 JP 2913849B2 JP 453691 A JP453691 A JP 453691A JP 453691 A JP453691 A JP 453691A JP 2913849 B2 JP2913849 B2 JP 2913849B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用操舵角検出装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用操舵角検出装置としては、
例えば特開昭60−15270号公報に開示されるもの
がある。この装置においては、左右車輪速に基づいて直
進状態と判断した場合、即ち車両の左右両車輪の平均速
度が基準速度を越え、かつ両車輪の速度差が所定値以下
状態でのみステアリングの推定中立位置を補正する。そ
してステアリングが所定量回転した状態、あるいは所定
の速度以下で走行している状態でのステアリングの推定
中立位置の補正を停止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の装
置では、左右車輪速に基づいて直進状態が検出されたと
きにしか中立位置が求められなかった。即ち、車両旋回
中においては操舵角の中立位置を算出することが不可能
であった。さらに従来の装置では、直進状態でないにも
係わらず、スリップ等によって車輪速が乱れた場合、左
右両車輪の平均速度が基準速度を越え、かつ両車輪の速
度差が所定値以下の状態となる場合がある。このような
ときには、誤って直進状態と判断してしまう可能性があ
る。その結果、誤った中立位置を求めてしまい、正しい
制御が行われないという問題がある。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、直進に限らず車両旋回中においても精度よ
く操舵角の中立位置を算出することができるとともに、
車輪スリップ中において誤って操舵角の中立位置を算出
することが防止可能な車両用操舵角検出装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステアリング
の推定中立位置に対する相対的な操舵角を検出する相対
操舵角検出手段と、左車輪速を検出する左車輪速検出手
段と、右車輪速を検出する右車輪速検出手段と、前記左
車輪速検出手段による左車輪速と前記右車輪速検出手段
による右車輪速とから推定舵角を算出する推定舵角算出
手段と、前記左車輪速検出手段による左車輪速と前記右
車輪速検出手段による右車輪速とから車両の左右車輪の
スリップ状態を検出するスリップ検出手段と、前記相対
操舵角検出手段によって検出された相対的な操舵角と前
記推定舵角算出手段によって算出された推定舵角とに基
づいて、両者の位相差を考慮して操舵角の中立位置を算
出する中立位置算出手段と、前記スリップ検出手段によ
って、前記左右車輪の少なくともどちらか一方のスリッ
プ状態が検出されたとき、前記中立位置算出手段におけ
る中立位置の算出を中止する中止手段とを備えたことを
特徴とする車両用操舵角検出装置をその要旨とするもの
である。
【0006】
【作用】本発明の車両用操舵角検出装置は、左車輪速検
出手段A2と右車輪速検出手段A3から検出された左右
車輪速により推定舵角算出手段A6が推定舵角を算出す
る。また相対操舵角検出手段A1がステアリングの推定
中立位置に対する操舵角の相対値を検出する。そして、
中立位置算出手段A8が、推定舵角と操舵角の相対値と
に基づき、かつ両者の位相差を考慮して中立位置を算出
する。ここで、車輪にスリップが発生した場合には推定
舵角に誤差が生じ、誤った中立位置を算出してしまう恐
れがあるので、そのような状況下では、中止手段A9に
よって操舵角の中立位置の算出を中止する。この中止手
段A9は、スリップ検出手段A7によって左右車輪の少
なくとも一方のスリップ状態が検出されたとき、上記の
算出を中止をするものである。
【0007】
【実施例】以下、この発明を車両の後輪操舵装置に具体
化した一実施例を図面にしたがって説明する。図2にお
いて、後輪操舵機構1内に取りつけられた直流サーボモ
ータ2は電気的制御装置(以下、「ECU」と言う)3
の指令信号を受けて正逆方向に回転し、減速ギア4を通
して油圧パワーアシスト付ラック・アンド・ピニオン機
構つまり操舵機構1の入力軸(図示しないトーションバ
ー)の一端に連結されている。トーションバーの他端に
はピニオンギア5が装着されており、パワーピストン6
の一端に形成されたラック7と噛み合っている。即ち、
モータ2によりトーションバーの一端が回され、トーシ
ョンバーが捩れ、油圧バルブ8の絞り面積が変化し、ト
ーションバーの捩れを修正する方向に油圧を供給してパ
ワーピストン6を動かす機構となっている。パワーピス
トン6の両端は、それぞれタイロッド9を介してナック
ルアーム10に連結されている。後輪11はナックルア
ーム10によって左右方向へ揺動自在に支持されてい
る。
【0008】従って、図中のA方向にパワーピストン6
が動くことで、後輪11は左右に操舵される。そして、
トーションバーの捩れがなくなると油圧バルブ8の絞り
面積は「0」となり、パワーピストン6を動かす油圧は
「0」となって、パワーピストン6は停止する。ここ
で、後輪操舵角センサ12は、パワーピストン6の位置
を検出し信号を出力する。ECU3は、この信号に基づ
いて、パワーピストン6の位置と後輪実舵角との関係か
ら、後輪実舵角を求めるともに、後輪実舵角のその変化
率より操舵角速度も求める。サーボモータ2を含む操舵
機構1とECU3とによって、後輪操舵角指令位置に後
輪実舵角が一致するように後輪11を位置決め制御する
位置決めサーボ系を構成している。尚、13は油圧バル
ブ8を介してパワーピストン6に油圧を供給する油圧ポ
ンプ、14オイルタンクを示す。
【0009】車速センサ15は車軸又は車輪の回転速度
を検出して車速Vに応じた車速信号をECU3に出力す
る。前輪操舵角センサ16はインクリメントタイプのロ
ータリーエンコーダよりなり、被回転体としてのステア
リングシャフト17に設けられている。そして、ステア
リングホイール18のハンドル操作に伴うステアリング
シャフト17の回転を検出して前輪19の操舵角θS
応じた前輪操舵角信号をECU3に出力する。ヨーレイ
トセンサ20はジャイロ等で構成され、車両の重心を中
心とした車両の回転角速度(ヨーレイトWa)に応じた
ヨーレイト信号をECU3に出力する。左車輪速センサ
21は前輪19の左車輪の回転速(左車輪速ωL )を検
出し、右車輪速センサ22は前輪19の右車輪の回転速
(左車輪速ωR )を検出する。ブレーキスイッチ23は
ABS(アンチロックブレーキシステム)制御実行中、
もしくは、ブレーキペダル操作が行われるとオンする。
【0010】ECU3を図3に基づいて説明すると、E
CU3はマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と
いう)24と、波形整形回路25〜28と、アナログバ
ッファ29と、A/Dコンバータ30と、デジタルバッ
ファ31と、駆動回路32とから構成されている。波形
整形回路25〜28は車速センサ15、左車輪速センサ
21、右車輪速センサ22、前輪操舵角センサ16から
の信号を波形整形してマイコン24に取り込ませる。
又、アナログバッファ29は後輪操舵角センサ12とヨ
ーレイトセンサ20からの各信号を読み込み、A/Dコ
ンバータ30はアナログデジタル変換を行う。デジタル
バッファ31はブレーキスイッチ23からの信号をラッ
チする。さらに、駆動回路32はマイコン24からの電
流指令値信号Ifに応じた電流を直流サーボモータ2に
供給する。
【0011】次に、このように構成した後輪操舵装置の
作用を説明する。図4にはマイコン24のメイン処理ル
ーチンを示し、図5には車速センサ15及び左右車輪速
センサ21,22からのパルス信号による車速パルス処
理を示し、図6には所定時間毎(例えば、5ms毎)に
実行される割り込み処理ルーチンを示す。
【0012】図4に示すように、マイコン24は起動時
にステップ1010で初期化し、ステップ1020で各
種の処理を行う。一方、図5に示すように、マイコン2
4はステップ2010において、車速パルスおよび車輪
速パルスについて前回のパルス割り込みが発生した時刻
と今回の割り込み発生時刻とから車速パルス幅を算出し
て記憶する。
【0013】そして、図6に示すように、マイコン24
はステップ3000で車速パルス割り込み処理で記憶さ
れた車速パルス幅から車速Vを算出する。又、同様に、
左車輪速センサ21と右車輪速センサ22についても、
その車輪速パルス幅により前輪19の左車輪速ωL ,右
車輪速ωR が計算される。なお、本実施例では車速セン
サ15にて車速Vを求めたが、車速Vを左右車輪速
ωL ,ωR より(ωL +ω R )/2として求めるように
してもよい。
【0014】そして、マイコン24はステップ4000
で後輪操舵角センサ12とヨーレイトセンサ20からA
/Dコンバータ30を介してA/D変換データを取り込
み、ステップ5000で後輪実舵角θr と実ヨーレイト
a を算出する。次にステップ5500において、ブレ
ーキスイッチ23からの信号をデジタルバッファ31を
介して取り込む。
【0015】さらに、マイコン24はステップ6000
で前輪操舵角(ハンドル角)θS を算出するルーチンを
実行する。この前輪操舵角算出ルーチンを図7に示す。
又、図8には、図7の前輪操舵角算出ルーチンの制御ブ
ロック図を示す。図7において、マイコン24はステッ
プ6100で前輪操舵角センサ16から出力されるパル
ス数をカウントすることにより、前輪操舵角θS を算出
する。そして、ステップ6200で算出された前輪操舵
角θS から一次遅れの伝達特性を用いて一次遅れ操舵角
θC を演算する。即ち、次式にて一次遅れ操舵角θC
演算する。
【0016】
【数1】θCi=(1−a)・θCi-1+a・θSi ただし、aは時定数から算出される定数、iは今回値、
i−1は前回値を表す。そして、マイコン24はステッ
プ6300で一次遅れ操舵角θC と左車輪速センサ21
による左車輪速ωL と右車輪速センサ22による右車輪
速ωR のローパスフィルタ処理を行う。即ち、次の処理
を実行する。
【0017】
【数2】θCi * =(1−b)・θCi-1 * +b・θCi
【0018】
【数3】ωLi * =(1−b)・ωLi-1 * +b・ωLi
【0019】
【数4】ωRi * =(1−b)・ωRi-1 *+b・ωRi ただし、bはフィルタ定数、iは今回値、i−1は前回
値を表す。また、アスタリスク(*)はフィルタ処理後
であることを意味する。そして、マイコン24はステッ
プ6400でフィルタ通過後の左右車輪速ωL * ,ωR
* から次式にて推定舵角θx * 算出する。
【0020】
【数5】 ただし、Nはステアリングギア比、Lはホイールベー
ス、Wはトレッド、Vは車速、Kは車両のアンダーステ
アあるいはオーバーステア特性を表すスタビリティファ
クタである。
【0021】この際、図11に示すように、前輪舵角θ
f
【0022】
【数6】θf =l/R−θr であり、また図12に示すように、旋回半径Rは、
【0023】
【数7】
【0024】であるので、数6,数7を用いて上記数5
が導かれる。ただし、数5はθf ≫θ r として後輪操舵
による影響を無視している。マイコン24はステップ6
500で推定舵角θX * と一次遅れ操舵角θC * との差
(=θC * −θX * )を中立位置θD * として算出す
る。そしてマイコン24はステップ6600で補正条件
が許可になっているか否かを判断する。
【0025】この補正条件許可ルーチンを図9に示す。
図9ににおいて、ステップ6610では車速Vが下限値
L から上限値VH の範囲内であるか否かが判断され
る。次にステップ6620では推定舵角θX * の絶対値
|θX * |が所定値θ1 以下であるか否かが判断され
る。ステップ6630ではブレーキスイッチ23からの
信号によりブレーキ操作がなされていないか否かが判断
される(アンチロックブレーキシステム制御中でない
か、またはブレーキ圧が所定値Pb以下との条件であっ
てもよい)。そして、ステップ6640では車輪にスリ
ップが生じていないか否かが判断され、これらのステッ
プにおいて全てYESと判断されれば、補正条件が成立
しステップ6650にて補正許可とする。一方、ステッ
プ6610〜6640において、どれか一つのステップ
でNOと判断されるとステップ6660に進み、補正を
停止する。
【0026】ここでステップ6640のスリップ検出は
図10のフローチャートで示される処理で行われる。図
10のスリップ検出においては、ステップ6641で左
右車輪速変化率(微分値)の絶対値|dωL * |,|d
ωR * |のいずれかが閾値C1 以上であるか否かが判断
される。次に、ステップ6642では左右車輪速変化率
の差の絶対値|dωL * −dωR * |が閾値C2 以上で
あるか否かが判断される。ステップ6641あるいはス
テップ6642においてYESと判断されたとき、ステ
ップ6646でフラグをオンにし、ステップ6647に
おいてフラグのオン状態を一定時間tK だけ保持させる
ためのタイマをセットし、ステップ6648に進みスリ
ップ中と設定する。ステップ6641及びステップ66
42においていずれもNOと判断されたとき、ステップ
6643に進み、フラグがオン状態となってから一定時
間tK 経過したか否かがタイマの状態をもとに判断され
る。ステップ6643においてNOと判断されると再び
ステップ6648に進んでスリップ中と設定し、YES
と判断されるとステップ6644に進んでフラグをオフ
としステップ6645でスリップ中でないと設定する。
このフローチャートでは一度フラグがオンになると、前
記2つの条件が満たされなくても(即ち、それぞれ閾値
1 およびC2 未満)、ステップ6643においてフラ
グがオン状態となってから一定時間tK 経過していなけ
れば、スリップ中という設定が保持される。これによっ
てフラグのばたつき(チャタリング)が抑えられ正しく
スリップ中であることを検知することができる。
【0027】補正条件が許可となると、マイコン24は
ステップ6700で中立位置θD * のローパスフィルタ
処理を行い、最終的な中立位置θN **を算出する。即
ち、次の処理を実行する。
【0028】
【数8】θNi **=(1−C)・θNi-1 **+C・θDi * ただし、Cはフィルタ定数、iは今回値、i−1は前回
値を表す。その後、マイコン24はステップ6800で
前輪操舵角センサによる操舵角θ S と最終中立位置θN
**との差(=θS −θN **)を最終操舵角θする。一
方、マイコン24はステップ6600において補正条件
が成立していないとステップ6700の処理は行わなわ
ず、即ち、中立位置θN **の算出を行わずにステップ6
800へ進む。
【0029】その後図6において、マイコン24はステ
ップ7000で後輪操舵角指令置θ r * を算出する。こ
こにアスタリスク(*)は指令値であることを意味す
る。まず、車速V,前輪の最終操舵角θとから次式にて
目標ヨーレイトWS を算出する。
【0030】
【数9】 ただし、Kはステビリティファクタ、Lは車両のホイー
ルベース、Nはステアリング比を表す。
【0031】そして、実ヨーレイトWa と目標ヨーレイ
トWS との差ΔW(=Wa −WS )を算出し、次式にて
後輪操舵角指令値θr * を算出する。
【0032】
【数10】θr * =F(ΔW,V) ここで、F(ΔW,V)はヨーレイト差ΔWと車速Vを
パラメータとする関数とする。マイコン24はステップ
8000で後輪操舵角司令値θr *と後輪実舵角θr
に基づいてその両者の差を無くすべく一般に公知の後輪
操舵位置決めサーボ演算を行い、この演算結果によりス
テップ9000で電流指令値信号Ifを算出し、サーボ
モータ2を駆動すべく駆動回路32に出力する。
【0033】このように本実施例においては、マイコン
24(推定舵角算出手段及び中立位置算出手段)が左車
輪速センサ21による左車輪速ωL * と右車輪速センサ
21による右車輪速ωR * とから推定舵角θX * を算出
するとともに、前輪操舵角センサ16からの信号の一次
遅れの伝達特性を用いて、推定舵角θX * から操舵角の
中立位置を算出するようにした。つまり、ハンドル操作
を行うと、車輪に横力が発生して車両にモーメントが発
生し、左右の前輪19に速度差が発生し、この一連の動
作においてハンドル操作に対し左右の前輪19に速度差
が発生するまでに遅れが発生するが、これが一次遅れの
伝達特性にて近似される。その結果、車両旋回中におい
て精度よく操舵角の中立位置を算出することができるこ
ととなる。
【0034】尚、この発明は上記実施例に限定されるこ
となく、以下に説明する如く種々変形可能である。 .例えば、図7中ステップ6200において一次遅れ
の伝達特性を用いて一次遅れ推定舵角θC を算出した
が、ハンドル操作に対し左右の前輪19に速度差が発生
するまでの遅れをN次(N;「2」以上の整数)の伝達
特性で近似してもよい。このとき、高次の伝達特性を用
いると、ハンドル角と推定舵角の位相差の推定誤差を少
なくすることができる。
【0035】.推定舵角の算出の際に、ローパスフィ
ルタ処理した後輪11の切れ角θr * をその要素として
次式を用いて算出してもよい。
【0036】
【数11】 .図9中で判定する補正条件に、ハンドル角速度が
設定値以下の場合に補正するという条件を追加すること
により、ハンドル角と推定舵角の位相差の推定誤差の影
響を無くし、精度の良い中立位置算出が可能となる(|
dθS |≦ΔθMA X の判定を追加する)。
【0037】.前述した手順にて、ハンドル角の中立
位置θN **と操舵角θS の値から、中立位置補正後のハ
ンドル角θを用いて後輪制御を行うが、車両のイグニッ
ションキーがオンされ最初にハンドル角中立位置θN **
が算出されるまでは、後輪制御を停止しておき、ハンド
ル角中立位置が最初に算出され確定された時点より中立
位置補正後のハンドル角θを用いて後輪制御を始める。
ただしこの際、車両が旋回中であると後輪が急転舵され
危険であるため、ハンドル角中立位置が最初に算出され
た時点から所定時間は、算出された後輪指令値に所定時
間かけて「0」から「1」に変化する定数をかけて後輪
指令値とし後輪の急転舵を防止する。又あるいは、一旦
直進状態を検出して直進状態から後輪制御を開始するよ
うにしてもよい。
【0038】.スリップ中か否かを判断する方法にお
いて、本実施例では左右車輪速の変化率を用いてスリッ
プ検出をしていたが、車体速度と車輪速の差を検出し
て、両者の差が所定値以上になったらスリップと判断す
る方法を用いてもよい。なお、本実施例においては、前
輪操舵角センサが相対操舵角検出手段、左車輪速検出セ
ンサが左車輪速検出手段、右車輪速検出センサが右車輪
速検出手段、図7のフローチャートのステップ6100
〜6400が推定舵角算出手段、図10のフローチャー
トがスリップ検出手段、図7のフローチャートのステッ
プ6500,6700,6800が中立位置算出手段、
図9のフローチャートが中止決定手段にそれぞれ相当す
る。
【0039】
【効果】以上詳述したように本発明によれば、左右車輪
速に基づいて推定操舵角を算出し、この推定舵角と検出
した相対的な操舵角とから両者の位相差を考慮して操舵
角の中立位置を算出し、さらに車輪速に基づいて車輪の
スリップ状態を検出し、スリップ中は中立位置の算出を
中止しているために、例えば、四輪駆動車のように加速
スリップが発生する駆動輪の車輪速からも操舵角の中立
位置が正しく検出できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】実施例の後輪操舵制御装置の構成を示す図であ
る。
【図3】電気的構成を示す図である。
【図4】フローチャートである。
【図5】フローチャートである。
【図6】フローチャートである。
【図7】フローチャートである。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】操舵の際の説明図である。
【図10】操舵の際の説明図である。
【図11】別例の制御ブロック図である。
【図12】別例の制御ブロック図である。
【符号の説明】
A1 相対操舵角検出手段 A2 左車輪速検出手段 A3 右車輪速検出手段 A6 推定舵角算出手段 A7 スリップ検出手段 A8 中立位置算出手段 A9 中止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 和洋 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 長谷田 哲志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−195224(JP,A) 特開 昭62−77210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングの推定中立位置に対する相
    対的な操舵角を検出する相対操舵角検出手段と、左車輪
    速を検出する左車輪速検出手段と、右車輪速を検出する
    右車輪速検出手段と、前記左車輪速検出手段にて検出し
    た左車輪速と前記右車輪速検出手段にて検出した右車輪
    速とから所定演算式に従って推定舵角を算出する推定舵
    角算出手段と、前記左車輪速検出手段にて検出した左車
    輪速と前記右車輪速検出手段にて検出した右車輪速とか
    ら車両の左右車輪のスリップ状態を検出するスリップ検
    出手段と、前記相対操舵角検出手段によって検出された
    相対的な操舵角と前記推定舵角算出手段によって算出さ
    れた推定舵角とに基づいて、両者の位相差を考慮して操
    舵角の中立位置を算出する中立位置算出手段と、前記ス
    リップ検出手段によって、前期左右車輪の少なくともど
    ちらか一方のスリップ状態が検出されたとき、前記中立
    位置算出手段における中立位置の算出を中止する中止手
    段とを備えたことを特徴とする車両用操舵角検出装置。
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