JP2913050B2 - 電子写真感光体並びにこの感光体を搭載した電子写真記録装置 - Google Patents

電子写真感光体並びにこの感光体を搭載した電子写真記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高湿下で画像流れが防止できた電子写真感光
体並びにこの感光体を搭載した電子写真記録装置に関す
るものである。
〔従来技術及びその問題点〕
近年、アモルファスシリコン光導電層から成る電子写
真感光体が実用化されているが、その感光体の基本的層
構成は第3図に示す通りである。
同図において、(1)はアルミニウムなどの導電性基
板であり、この基板(1)の上にキャリア注入阻止層
(2)、アモルファスシリコン光導電層(3)(以下、
アモルファスシリコンをa−Siと略す)並びに表面保護
層(4)が順次積層されている。キャリア注入阻止層
(2)は基板(1)からのキャリアの注入を阻止して残
留電位を低減せしめており、一方、表面保護層(4)は
高硬度な層であり、これによって感光体の耐久性を高め
ている。
そして、この表面保護層(4)にアモルファスシリコ
ンカーバイド(以下、a−SiCと略す)を用いることが
提案されている(特開昭62−168161号、特開昭62−1927
51号など参照)。
ところで、上記構成の電子写真感光体をプリンタや複
写機などの電子写真記録装置に搭載し、実用に供した場
合、繰り返し使用によってa−SiC表面保護層(4)が
変質し、また、その耐湿性が低下し、その結果、特に高
湿な環境下では鮮明なコピー画像が出なくなり、ぼけた
画像になることが知られている(以下、本願発明におい
ては上記劣化現像を画像流れと称する)。
そこで、この問題点を解決すべく第5図に示すように
ヒーターを用いて電子写真感光体を45℃位の温度になる
ように加熱している。
同図において、(5)はドラム状の電子写真感光体、
(6)はフランジであり、感光体(5)の内周面に接触
するように円筒形状のフィルム状ヒーター(7)が配置
されている。このヒーター(7)は耐熱性樹脂フィルム
(8)と、この樹脂フィルム(8)に埋設された電熱線
(9)とから成り、そのフィルム面に亘って均一に発熱
できる。また、図示していないが、バイメタル式の温度
調整器を設けることによって感光体(5)の温度を検知
し、それに対応してヒーター(7)の発熱量を加減しな
がら感光体温度を所要の範囲に設定することができる。
しかしながら、上記ヒーター(7)を用いた場合、温
度制御機構が必要となり、装置自体が複雑な機構とな
り、これに伴って高価となり、しかも、帯電能が約60V
低減し、電子写真特性を損ねるという問題点がある。
一方、上記a−SiC表面保護層に代えてグロー放電プ
ラズマCVD法によりアモルファスカーボン層を表面保護
層として形成することが提案されている(特開昭60−59
367号、特開昭60−225163号など参照)。
本発明者等が上記表面保護層を形成した電子写真感光
体を作製し、その性能を評価したところ、a−SiC層に
比べて硬度が小さく、しかも、光学的バンドギャップも
小さくなる傾向にあり、その上、a−SiC光導電層との
密着性に劣ることも確認した。
また、前記a−SiC表面保護層に代えてカーボンを主
成分とし、それにGe,Sn,Pbの少なくとも一種の元素を加
えて表面保護層としたことも提案されている(特開昭62
−150356号参照)。
しかしながら、本発明者等はその一例としてアモルフ
ァスゲルマニウムカーバイドの表面層を備えた電子写真
感光体を製作し、その帯電能を測定したところ、その表
面層の光学的バンドギャップが小さいために低い帯電能
になることを実験上確認した。
また、一般的に表面保護層(4)には高硬度特性が要
求される。このような要求が満たされた場合、耐久性及
び耐コロナ放電性に優れた電子写真感光体となり得る。
〔発明の目的〕
従って本発明の上記事情に鑑みて完成されたものであ
り、その目的はヒーターを不要としても画像流れが生じ
なく、また、高湿な環境下においてもヒーターが不要と
なった電子写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は耐久性及び耐コロナ放電性並びに
帯電能を向上せしめた電子写真感光体を提供することに
ある。
更に本発明の他の目的は感光体加熱用ヒーターを不要
とし、装置自体の簡略化並びに低コスト化を達成した電
子写真記録装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の電子写真感光体は、a−Si光導電層の上にア
モルファスシリコンゲルマニウムカーバイド(以下、a
−SiGeCと略す)から成る表面層を形成した層構成であ
り、その表面層の原子比が組成式(i)(ii)により表
されることを特徴とする。
(i)0<Si/(Si+Ge+C)≦0.1 (ii)0<Ge/(Si+Ge+C)≦0.3 また本発明の電子写真感光体は、上記表面層のうち少
なくとも自由表面を含む層領域の原子比が上記組成式
(i)(ii)により表され、該層領域より光導電層へ向
かって層厚方向に亘りシリコン(Si)含有比率を漸次増
加せしめると共にゲルマニウム(Ge)含有比率を漸次減
少せしめる層領域を更に形成したことを特徴とする。
更にまた本発明によれば、上記電子写真感光体を搭載
して感光体加熱用ヒーターを不要とすることができた電
子写真記録装置を提供することにある。
以下、本発明を詳細に説明する。
第1図及び第2図は本発明電子写真感光体の典型的な
層構成であり、先ず第1図によれば、(1)は基板、
(2)はキャリア注入阻止層、(3)はa−Si光導電層
であり、(10)はa−SiGeC表面保護層であり、この表
面保護層(10)が前記組成式(i)(ii)により構成さ
れる。
また、第2図においては、第1図に比べて表面保護層
(11)が少なくとも自由表面を含み且つ前記組成式
(i)(ii)により構成される第1の層領域(11a)並
びに前述した通りにSiとGeの含有比率を漸次変えた第2
の層領域(11b)から成る。
上記本発明のいずれの層構成も表面保護層(10)(1
1)のそれぞれの自由表面(12)(13)もしくはその近
傍の層領域が組成式(i)(ii)のa−SiGeCから成
り、これにより、コロナ放電に曝した後、その表面に親
水性のSi−O結合がほとんど生成せず、親水性の表面が
生じなくなりその結果、高湿な環境下においても画像流
れが生じなくなる。
また、上記a−SiGeC表面保護層(10)(11)であれ
ば、硬度が高くなり、a−Si光導電層(3)との密着性
にも優れる。しかも、組成比を変えることにより所望通
りに光学的バンドギャップを設定することができ、その
ため、1.7eV位のa−Si光導電層に比べて更に大きくす
ることもでき、これにより、帯電能や光感度が高められ
る。
組成式(i)については、0.1以下、好適には0.05以
下の範囲内に設定するとよく、0.1を越えた場合、コロ
ナ放電に曝した後、表面に生成するSi−O結合が多くな
り、高湿な環境下において画像流れが生じる。
組成式(ii)については、0.3以下、好適には0.05〜
0.2の範囲内に設定するとよく、0.3を越えた場合には光
学的バンドギャップが小さくなって帯電能や光感度の低
下を招き、また、表面硬度の低下も引き起こすようにな
る。
また第2図の層構成によれば、第2の層領域(11b)
を形成することにより良好な電子写真特性を維持すると
ともに、表面の耐湿性を高めることができる。
本発明者等は上記利点から生まれるメカニズムについ
て、次の通り考察する。
即ち、表面保護層内のa−Si光導電層側近傍領域の組
成が既に提案されたa−SiC表面層の組成に近づき、こ
れにより、良好な帯電特性やその他の電子写真特性が確
保できたと考える。、加えて、組成を層厚方向に亘って
変えており、これに伴って光学的バンドギャップが連続
的に変化し、表面保護層(11)におけるキャリアの動き
がスムーズとなり、その結果、電子写真特性の劣化、例
えば残留電位の上昇などを防ぐことができたと考える。
第1の層領域(11a)の厚みは0.05〜2μm、好適に
は0.1〜1μmの範囲内に設定するとよく、この範囲内
であれば、耐摩耗性及び耐久性に優れ、しかも、残留電
位が顕著に低下し、画像の解像度が向上する。
第2の層領域(11b)の厚みは0.05〜3μm、好適に
は0.1〜2μmの範囲内に設定するとよく、この範囲内
であれば、本発明の目的が最も優位に達成でき、残留電
位が低下し、画像の解像度が向上する。
また、第1の層領域(11a)の光学的バンドギャップ
については、組成比を適当に設定して1.7eV以上、即
ち、a−Si光導電層の値よりも大きくするのがよい。こ
れにより、この層領域(11a)における光吸収に起因し
た光感度の低下を防ぐことができる。
第2の層領域(11b)の光学的バンドギャップについ
ても、同様の理由により1.7eV以上であるのが望まし
い。しかも、第1の層領域(11a)光学的バンドギャッ
プよりも大きくして光感度の低下を防止することができ
る。
このようなa−SiGeC表面保護層(11)を形成する場
合、その組成分布として例えば第8図〜第17図に示す通
りがある。
これらの図において横軸は層厚方向を表し、11a,11b,
3はそれぞれ第1の層領域、第2の層領域並びにa−Si
光導電層に対応する。縦軸はSi含有量又はGe含有量を表
し、それぞれ実線又は破線により表す。
第1図及び第2図に示す層構成においては、キャリア
注入阻止層(2)が形成されているが、その層(2)に
はa−Si,a−SiCの他、それらに酸素、窒素又はゲルマ
ニウムなどを添加した材料を用いてもよい。
本発明によれば、第4図に示すような機能分離型感光
体でもよく、この感光体の場合、基板(1)の上にキャ
リア注入阻止層(2)、キャリア輸送層(14)、a−Si
光導電層(3)及び表面保護層(10)(11)が順次形成
されている。
このキャリア輸送層(14)についてはa−Si,a−SiC
の他にアモルファスシリコンゲルマニウムなどにより形
成すればよい。
上述したような各種の層を形成するにはグロー放電分
解法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真
空蒸着法などの各種薄膜形成手段を用いればよい。
かくして本発明の電子写真感光体によれば、高湿下で
用いた場合でも感光体加熱用ヒーターが不要となり、し
かも、画像流れが生じなくなった。
このような本発明電子写真感光体を搭載する電子写真
記録装置にはPPC複写機、静電転写方式複写機、多機能
複写機、レーザープリンタ、LEDプリンタ、液晶シャッ
タプリンタ、マイクロフィルム用リーダプリンタ、デジ
タル複写機、カラー複写機、医療用X線複写機などがあ
る。
第6図は後述する実施例にて用いたPPC複写機の概略
である。
同図中、(15)は原稿台、(16)は感光体ドラム、
(17)は感光体帯電部、(18)は露光用光源、(19)は
現像機、(20)は転写部、(21)は定着部、(22)はク
リーニング部、(23)は用紙排出部、(24)は除電部で
ある。
以下に上記複写機の動作の概略を説明する。
先ず感光体ドラム(16)が回転し、感光体帯電部(1
7)を通過して表面に帯電が与えられる。次に、原稿台
(15)に載置した原稿に露光用光源(18)からの光が当
たり、その反射光が光学系を通して帯電した感光体ドラ
ム表面に照射される。この露光によって明部の帯電は消
失し、暗部の帯電はそのまま保持されるため、感光体ド
ラム表面には原稿の明案に応じた表面電位のパターン、
即ち静電潜像が形成される。この静電潜像は続く現像部
(19)において粉末状のトナー(現像剤)にて感光体ド
ラム表面にトナー像の形で現像され、そして、これが転
写部(20)にて用紙表面に転写される。この用紙に転写
されたトナー像は定着部(21)にて熱又は圧力により用
紙上に定着され、用紙排出部(23)よりコピーとして排
出される。一方、感光体ドラムは、クリーニング部(2
2)によって表面に残ったトナーや紙粉などの汚れが清
掃され、除電部(24)によって表面に残っている帯電も
一様に消失された後、再び感光体帯電部(17)へと進
み、次の複写プロセスに入る。このように繰り返して複
写が行われる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(グロー放電分解装置の概要) 本実施例に用いる装置を第7図により説明する。
図中、第1タンク(25)、第2タンク(26)、第3タ
ンク(27)、第4タンク(28)にはそれぞれSiH4,C2H2
(又はCH4),GeH4及びH2が密封され、これらのガスは各
々対応する第1調整弁(29)、第2調整弁(30)、第3
調整弁(31)、第4調整弁(32)の開放により放出す
る。その放出ガスの流量はそれぞれマスフローコントロ
ーラ(33)(34)(35)(36)により制御され、各々の
ガスは混合されて主管(37)へ送られる。尚、(38)は
止め弁である 主管(37)を通じて流れるガスは反応管(39)へ流入
するが、この反応管(39)の内部には容量結合型放電用
電極(40)が設置され、また、筒状の成膜用基板(41)
が基板支持体(42)の上に載置され、基板支持体(42)
がモーター(43)により回転駆動され、これに伴って基
板(41)が回転する。そして、電極(40)に電力50W〜3
kW、周波数1〜50MHzの高周波電力(RFパワー)が印加
され、しかも、基板(41)が適当な加熱手段により約20
0〜400℃、好適には約200〜350℃の温度に加熱される。
また、反応管(39)は回転ポンプ(44)と拡散ポンプ
(45)に連結されており、これによってグロー放電によ
る成膜形成時に所要な圧減状態(放電時のガス圧例えば
0.01〜0.5Torr)が設定できる。
このような構成のグロー放電分解装置を用いて、基板
(41)の上にa−SiC層を形成する場合、第1調整弁(2
9)、第2調整弁(30)及び第4調整弁(32)を開いてS
iH4,C2H2,H2の各々のガスを放出し、その放出量をマス
フローコントローラ(33)(34)(36)により制御し、
各々のガスは混合されて主管(34)を介して反応管(3
9)へ流入する。そして、反応管内部の減圧状態、基板
温度、電極印加用高周波電力をそれぞれ所定の条件に設
定するとグロー放電が発生し、ガスの分解に伴ってa−
SiC膜が基板上に高速に形成される。
〔実施例〕
以下実施例を詳述する。
(例1) 上記グロー放電分解装置を用いて第1表に示す成膜条
件によりドラム状アルミニウム基板の上にa−SiGeC層
(厚み0.3μm)を形成し、そして、各層について組成
比をX線マイクロアナリシスにより、光学的バンドギャ
ップEg optをガラス基板上に成膜した膜の光学吸収測定
法により、硬度を引掻硬度法(ダイヤ針を膜に垂下し、
それに傷がつくる場合の荷重により表す)により測定し
たところ、第1表に示す通りの結果が得られた。
かくして得られた5種類の試料のなかで試料No.A〜D
はEg optがa−Si光導電層の値(約1.7eV)に比べて著
しく大きく、しかも、高い硬度があるという点で表面層
に優れることが判る。
(例2) 第7図のグロー放電分解装置にB2H6ガス導入用のボン
ベ、調整弁及びマスフローコントローラ並びにNOガス導
入用のボンベ、調整弁及びマスフローコントローラなど
を付設し、第2表に示す通りドラム状アルミニウム基板
の上にキャリア注入阻止層及び光導電層を順次積層し
た。そして、続けて試料No.A〜Eにより表す表面層を積
層し、5種類の感光体を作製した。尚、この光導電層の
光学的バンドキャップを測定したところ、1.7eVであっ
た。
かくして得られた各々の正帯電型感光体ドラムを第6
図のPPC複写機に搭載し、初期特性として帯電能、光感
度、残留電位を測定した。以下、上述した試料No.A〜E
に対応してそれぞれ感光体A〜Eと付記する。
帯電能、残留電位及び光感度は市販の複写機を改造し
て現像機取付部での感光体ドラムの表面電位が測定でき
るようにし、そして、次のように測定した。即ち、+6.
5kVでのコロナ帯電を行った時の帯電能を測定し、次い
で原稿白地部の露光に相当する白色光を露光した時の表
面電位の減衰により光感度を測定して求めた。
その結果、感光体A〜Dは帯電能、光感度、残留電位
ともに良好であった。しかし、感光体Eはやや光感度に
劣っていた。
次に上記感光体A〜Eの画像評価を行った。
画像濃度はコピー画像の黒地部(画像形成部)の濃度
を表し、その濃度は画像濃度計(マクベス社反射画像濃
度計RD−914)を用いてコピー画像のO.D.(Optical Den
sity)により表して評価した。
画像のかぶりはコピーした画像の白地部(バックグラ
ウンドもしくは画像非形成部と呼ばれる)へのトナーの
付着による汚れ発生状況を表すものであり、目視観察に
より実用レベルを評価した。
画像流れは複写画像の解像力が低下して画像がぼやけ
たり、にじんだり或いはかすれたようになる現像を表す
ものであり、目視観察により実用レベルを評価した。
上記画像評価テストを行ったところ、感光体A〜Dは
いずれも十分な画像濃度があり、画像のがぶりや画像流
れは生じなかった。しかし、感光体Eについては他の感
光体に比べて光感度がやや劣り、そのために画像のかぶ
りが認められた。
また各々の感光体A〜Eを高温高湿(30℃、85%RH)
の環境下に10時間放置し、その後、同環境下に第6図の
PPC複写機を配置し、ドラム加熱ヒーターなしで各感光
体を搭載し、画像評価を行った。その結果、感光体A〜
Dはいずれも画像流れのない良好な画像が得られたが、
感光体Eについては初期画像と同様に画像のかぶりが認
められた。
次に各々の感光体を高温高湿(30℃、85%RH)の環境
下で第6図のPPC複写機を用いて10万枚のコピーによる
耐刷試験を行い、次いで同環境下ドラム加熱ヒーターな
しで画像評価を行った。
その結果、感光体A〜Cはいずれも画像流れなどが生
じない優れた電子写真特性が得られた。
然るに感光体Dは画像流れが生じて耐湿性に劣ること
が判った。また、感光体Eについては表面層の摩耗が顕
著であり、その摩耗が画像に傷として表れ、実用上支障
が生じた。
(例3) 次に(例2)に記載された通りにドラム状アルミニウ
ム基板の上にキャリア注入阻止層及び光導電層を順次積
層し、そして、第3表に示す通りに三通りの方法で表面
層を形成した。
同表によれば、成膜開始の条件はいずれも同一であ
り、その後、SiH4ガスの流量を小さくするとともにC2H2
ガスを増大せしめ、しかも、GeH4ガスを加え、その量を
徐々に高めている。そして、成膜終了時に条件を変えて
三通りの感光体F,G,Hを作製した。
かくして三種類の感光体F,G,Hはいずれも第8図に示
す通りに層厚方向に亘って濃度を変化させた。尚、第3
表中の矢印は成膜開始から終了に至る時間的経過を表
す。
上記感光体F,G,Hの帯電能を測定した結果、それぞれ
感光体A,B,Cに比べて概ね約5〜15%向上し、光感度や
残留電位はほぼ同じであった。
また、各々の感光体について、(例2)と同様に画像
評価を行ったところ、十分な画像濃度があり、画像のか
ぶりや画像流れは生じなかった。そして、同様の高温高
湿保存試験並びに10万枚のコピーによる耐刷試験を行
い、ドラム加熱ヒーターなしで画像評価を行ったとこ
ろ、いずれの感光体F,G,Hも画像流れが生じない優れた
電子写真特性が得られた。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、a−SiGeC表面層を形
成したことにより高湿な環境下においてもヒーターを不
要とし、しかも、耐久性及び耐コロナ放電性に優れた電
子写真感光体を提供することができた。
また本発明によれば、上記a−SiGeC表面層の内部にS
i含有量とGe含有量をそれぞれ層厚方向に亘って変化せ
しめた層領域を形成したことにより帯電能を更に一層高
めることができた。
また、本発明によれば、感光体加熱用ヒーターが不要
となったために装置自体の簡略化並びに低コスト化を達
成した電子写真記録装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第4図は本発明電子写真感光体の層
構成を表す断面図、第3図は従来の電子写真感光体の層
構成を表す断面図、第5図はヒーターを備えた電子写真
感光体を表す破断面図、第6図はPPC複写機の概略図、
第7図はグロー放電分解装置の概略図である。また、第
8図、第9図、第10図、第11図、第12図、第13図、第14
図、第15図、第16図及び第17図はSi含有量及びGe含有量
を表す線図である。 3……アモルファスシリコン光導電層 7……フィルム状ヒーター 10,11……アモルファスシリコンゲルマニウムカーバイ
ド表面保護層 11a……第1の層領域 11b……第2の層領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−125846(JP,A) 特開 昭63−82416(JP,A) 特開 昭62−148960(JP,A) 特開 昭62−231264(JP,A) 特開 昭63−135954(JP,A) 特開 平1−128070(JP,A) 特開 昭63−137243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/08 105

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アモルファスシリコン光導電層の上にアモ
    ルファスシリコンゲルマニウムカーバイドから成る表面
    層を形成した層構成であって、上記表面層の原子比が組
    成式(i)(ii)により表されることを特徴とする電子
    写真感光体。 (i)0<Si/(Si+Ge+C)≦0.1 (ii)0<Ge/(Si+Ge+C)≦0.3
  2. 【請求項2】前記表面層のうち少なくとも自由表面を含
    む層領域の原子比が前記組成式(i)(ii)により表さ
    れ、且つ上記層領域より光導電層へ向かって層厚方向に
    亘りシリコン含有比率を漸次増加せしめると共にゲルマ
    ニウム含有比率を漸次減少せしめる層領域を更に形成し
    た請求項(1)記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】請求項(1)又は(2)記載の電子写真感
    光体を搭載した電子写真記録装置。
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