JP2912920B1 - ウラン・プルトニウム混合酸化物の硝酸溶解前処理方法 - Google Patents
ウラン・プルトニウム混合酸化物の硝酸溶解前処理方法Info
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Abstract
酸化物の硝酸溶解時に、溶解速度及び溶解度を向上し、
不溶解残渣を低減する。硝酸溶解の際に、NOXガスの
発生を極力防ぐ。 【解決手段】 不純物を含有するウラン・プルトニウム
混合酸化物を硝酸に溶解させる際に、その粉末を均一化
混合した後に0.2〜0.3重量%のMnO2 を添加混
合するか、あるいは0.2〜0.3重量%のMnO2 を
添加した後に均一化混合し、その混合粉末を用いて成形
し、還元性雰囲気中(不活性ガスで希釈した水素雰囲気
中)で焼結することで焼結ペレットを調製する。それ
を、そのまま硝酸に溶解する。あるいは、このように調
製した焼結ペレットを、300〜350℃の空気中で酸
化した後、それを硝酸に溶解させる。
Description
ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末を硝酸に溶解させ
る際の前処理方法に関するものである。更に詳しく述べ
ると本発明は、不純物を含有するウラン・プルトニウム
混合酸化物の粉末を焼結ペレットに調製する際に、適量
のMnO2 粉末を添加混合することにより、硝酸溶解処
理における溶解速度及び溶解度の向上を図る方法に関す
るものである。この技術は、不純物を含有するウラン・
プルトニウム混合酸化物から硝酸溶解−精製法により不
純物を分離除去する湿式回収法で有用である。
や磨耗等により、ウラン・プルトニウム混合酸化物(以
下、「MOX」と略記する)粉末に不純物が混入するこ
とがある。MOX粉末は、それに含まれている不純物の
種類と量によっては、原子炉燃料としての不純物仕様を
満たすことができなくなり、そのためペレット製造用の
原料粉末としては利用出来ない場合がある。その場合、
UO2 (酸化ウラン)やPuO2 (酸化プルトニウム)
の有効利用を図るため、一度、硝酸に溶解して不純物を
分離して精製した後、再び粉末に転換して原料として用
いる。
下、「DS粉末」と略記する)をそのまま硝酸に溶解し
た場合、UO2 成分は容易に硝酸に溶解するが、PuO
2 成分は殆ど溶解せず、そのまま不溶解残渣となる。不
溶解残渣は、Pu含有率が高いため、大量に溜まると臨
界安全上問題となるばかりでなく、その後の処理ができ
なくなるという問題が生じる。そこで、従来、DS粉末
を均一化混合し焼結してUO2 とPuO2 の固溶体を形
成させることにより、Pu溶解性を向上させ、不溶解残
渣を低減させる方法が用いられている。また、溶解速度
を向上させるため、ペレットを機械的あるいは酸化によ
って破砕粉にして硝酸との接触面積を大きくする方法が
ある。
書において用いる幾つかの用語について説明する。「溶
解度」とは、MOX粉末やDS粉末から調製したペレッ
ト中のPuが硝酸溶液に移行した率をいう。なお、ペレ
ット中のUも硝酸溶液に移行するが、一般にUの移行率
はPuの移行率に比べて遙に高いため、移行率の低いP
uの移行率をもって溶解度と定義している。「溶解速
度」とは、溶解時間毎の溶解度の上昇率をいう。また、
溶解速度が殆ど0になり、溶解時間を延長しても溶解度
が殆ど変化しなくなった(飽和した)時点の溶解度を
「最終溶解度」という。最終溶解度は、溶解対象物によ
って異なり、極めて短時間の溶解で最終溶解度に達する
場合もあるし、溶解速度が非常にゆっくりとしていて極
めて長時間かかって最終溶解度に到達する場合もある。
単に「溶解性が良い」という場合は、前者のように溶解
速度が大きく、最終溶解度に到達するまでの時間が短い
場合をいう。なお、最終溶解度をパーセント(%)で表
した場合、100%から最終溶解度を差し引いた値が不
溶解残渣中のPuを表している。
する。図1のAは、DS粉末の精製フローを示してい
る。DS粉末を前処理し、硝酸に溶解させる。溶解は、
通常、3〜4規定の沸騰下あるいは沸点近くに加熱した
硝酸中で行う。そして不純物を除去することで精製し、
再転換して原料粉末とする。
示すように、DS粉末を均一化混合し、成形し、焼結
し、破砕するという工程を経る。均一化混合と焼結を行
う理由は、PuO2 単独では硝酸に殆ど溶解しないた
め、UO2 とPuO2 の固溶体を形成させることによっ
てPu溶解度を向上させるためである。UO2 とPuO
2の固溶性は、焼結温度が高いほど、また焼結時間が長
いほど向上する。しかし、均一化混合の条件が不適切で
あれば、焼結後もPuの多い部分が存在し、この部分が
溶け難くなる。この場合は、焼結温度を高くしても、ま
た焼結時間を長くしても最終溶解度の向上には殆ど効果
がない。そこで、最終溶解度を上げるため、適切な均一
化混合条件で処理し、更に高温・長時間焼結を行う必要
がある。
いられる。成形は、焼結時のハンドリングを容易にする
ために行われる。成形体としては、3〜4cm3 以下の体
積のものが望ましい。焼結は、窒素などの不活性ガスで
希釈した水素雰囲気下で1700℃程度の温度に2時間
程度保持することによって行われる。
・長時間の焼結を行うと、最終溶解度は向上し、不溶解
残渣は減少する。その反面、溶解速度は低下し、溶解に
長時間を要する。これを補うため、ペレットを機械的
に、あるいは500〜600℃で酸化することにより、
破砕粉にして溶解することが行われる。これにより、溶
解初期の溶解速度は向上し、溶解時間を2/3程度に短
縮できる。他方、1600℃程度の低温・短時間焼結を
行った場合は、ペレットを破砕しなくても、溶解初期の
溶解速度は速くなるが、途中から殆ど溶解しなくなり、
結果としてPu含有率が高い大量の不溶解残渣が生じ
る。以上の関係をまとめると、図2のようになる。
解残渣中のPu量である。一方、U溶解度はPu溶解度
に比べて遙に高い。従って、30重量%のPuを含むD
S粉末の不溶解残渣中のPu含有率は、60〜80%と
高いものになる。このような不溶解残渣は、大量に生じ
ると臨界安全上好ましくなく、またPu含有率の高い不
溶解残渣は、より濃度の高い硝酸に対しても安定であ
り、その後の処理方法が無いという問題がある。(Pu
含有率の高い不溶解残渣を処理するには、硝酸にフッ化
水素酸を添加して溶解する必要があるが、フッ化水素は
殆どの金属を溶解させるため、実用規模の処理設備では
使用できない。)
レス鋼の磨耗粉やSiO2 等の硝酸に不溶解の成分は不
溶解残渣中に残り、鉄粉やFe2 O3 等の硝酸に溶ける
成分は硝酸溶液中に移行し、精製工程で硝酸溶液から分
離される。
的な破砕粉の硝酸溶解時には、MOX中のPuO2 及び
UO2 は、主に次式により硝酸に溶解し、反応によって
はNOやNO2 などのNOX (窒素酸化物)ガスが発生
する。 3UO2 +8HNO3 →3UO2 (NO3 )2 +2NO+4H2 O … UO2 +4HNO3 →UO2 (NO3 )2 +2NO2 +2H2 O … UO2 +3HNO3 →UO2 (NO3 )2 +1/2 NO+1/2 NO2 … PuO2 +8HNO3 →3Pu(NO3 )2 +4H2 O … 3PuO2 +8HNO3 →3PuO2 (NO3 )2 +2NO+4H2 O … 硝酸濃度が3〜4規定程度であれば、、式の反応が
支配的であるが、現実には、、式の反応も並行し
て起きている。
原因物質であるばかりでなく、特にNO2 は肺等に炎症
や壊死を起こす極めて有毒な物質である。NOX ガスは
褐色を呈し、その発生は目視によっても確認できる。な
お、PuO2 の溶解時には、UO2 の溶解時よりは少な
いものの、式も起こるため、NOx ガスも少量ではあ
るが発生する。当然ながらNOX ガスの単位時間当たり
の発生量は溶解速度と比例し、溶解速度が速いほど多
い。このため、溶解時に硝酸中に酸素を吹き込みNOX
ガスの発生を低減するとともに、NOガスを水スクラバ
ーに吸収しやすいNO2 ガスに酸化させる。UO2 を例
にとると、次式の反応が起こる。 2UO2 +4HNO3 +O2 →2UO2 (NO3 )2 +
2H2 O NO+1/2O2 →NO2
2 がこの式に示すように反応することはない。酸素を吹
き込んでも、割合としては少なくなるが、〜式も並
行して起きるため、NOX ガスの発生量は少なくなるも
のの、発生が全くなることはない。
いると、Puの溶解性は、MOX粉末をそのまま硝酸に
溶解させた場合に比べると向上するものの、不溶解残渣
は十分には低減しない。また、溶解速度も非常に遅く、
実用化上、処理に時間が多くかかるという問題がある。
に機械的に破砕して硝酸との接触面積を大きくする方法
では、硝酸への投入時に多量のNOx ガスが発生し、そ
れの処理のために大がかりな水スクラバーや酸回収設備
を必要とする。
ットを粉化させる方法では、破砕粉自体が余剰の酸素を
含有するため、溶解させた時に、酸素吹き込みの場合と
同様なNOX ガス発生低減効果を更に反応効率よくおこ
させることが可能となり、NOX ガスの発生は更に抑制
され、NOX ガス処理装置への負担が軽減する。しか
し、破砕粉の粒度が著しく細かくなるため、粉末の流動
性が低下し、付着性が増加し、容器や装置内に粉末が残
留したり、付着する。これにより、核物質の計量管理上
の問題(不明在庫量の増加)や放射線当量率の上昇によ
る被曝増加という問題が生じる。
溶解する方法は、初期の溶解速度を向上させることには
効果があるが、最終溶解度の向上には全く寄与せず、不
溶解残渣の低減には結びつかない。
・プルトニウム混合酸化物の硝酸溶解時に、溶解速度及
び溶解度を向上させることにより、不溶解残渣の低減を
図る前処理方法に関するものである。本発明の他の目的
は、硝酸溶解時に、NOX ガスの発生をより一層低減で
きる前処理方法を提供することである。
するウラン・プルトニウム混合酸化物を硝酸に溶解させ
る際の前処理方法である。DS粉末を均一化混合した
後、0.2〜0.3重量%のMnO2 を添加混合する
か、あるいはDS粉末に、0.2〜0.3重量%のMn
O2 を添加して均一化混合する。その混合粉末を用いて
成形し、還元性雰囲気中(例えば、不活性ガスで希釈し
た水素雰囲気中)で焼結することで焼結ペレットを調製
する。その後、焼結ペレットをそのまま硝酸に溶解す
る。
結ペレットを、300〜350℃の空気中で酸化し、そ
れを硝酸に溶解させる方法もある。
は、Pu含有量が30重量%以下、酸化物の形で混入し
ている不純物は0.5〜1.0重量%以下(但し、Ti
O2 を除く)のものである。なお、金属の形で混入して
いる不純物及び有機物については、1.0重量%程度混
入していても問題はない。
酸溶解前処理方法を示す工程説明図である。(A)に示
すようにDS粉末を均一化混合した後、0.2〜0.3
重量%のMnO2 を添加混合するか、あるいは(B)に
示すようにDS粉末に0.2〜0.3重量%のMnO2
を添加した後、均一化混合する。その混合粉末を用いて
体積が3〜4cm3 以下の円柱状に成形する。そして不活
性ガスで希釈した水素雰囲気中で1600℃で2時間焼
結することで焼結ペレットを調製する。調製した焼結ペ
レットを300〜350℃の空気中で酸化させ、それを
硝酸に溶解させる。
DS粉末に対して0.2〜0.3重量%のMnO2 粉を
均一化混合前、又は均一化混合後に添加する点である。
添加するMnO2 粉は市販の試薬で十分である。但し、
均一化混合後に添加する場合には、MnO2 が凝集して
粒状になっていることは好ましくないので、添加前に凝
集を破壊しておく必要がある。なお、この際の混合は、
デルタ型混合機あるいはV型混合機等の簡単な混合機で
10分間程度混合するだけで十分である。均一化混合前
に添加する場合は、凝集の破壊等は必要なく、凝集の破
壊及び混合は均一化混合と同時に行われる。
粉末中のPu含有率に連動させているためである。即
ち、Pu含有率が高いほど溶解速度及び溶解度が低下す
るためにMnO2 粉の添加率を高くし、低Pu含有率の
場合にはMnO2 粉の添加率を低くしている。因みに、
DS粉末中のPu含有率が30重量%近くであれば、M
nO2 粉の添加率を0.3重量%程度にし、Pu含有率
が10重量%程度であれば、MnO2 粉の添加率を0.
2重量%程度とする。
は、必ずしもPuの溶解速度、溶解度は向上しない。M
nO2 粉の添加は、適切な均一化混合処理と相俟て始め
て初期の目的が達成される。本発明における「均一化混
合」とは、不純物やMnO2粉を含まない状態のMOX
粉末を混合して成形後、1600℃以上の温度で2時間
焼結したペレットをX線回折法によりPuとUの固溶度
を測定し、固溶度が90%以上と判定されるような条
件、又はこのペレットを4規定の濃度の沸騰硝酸中で6
時間溶解させた場合、Puの溶解度が95%以上を示す
ような条件での均一化混合をいう。
場合、ミルの径、粉砕ボールの種類(比重)、径、装荷
重、装荷するMOX粉末の量、ミルの回転数、回転時間
などがパラメータとなり、これらのパラメータを調整し
て上記の条件となる適正値を見い出し設定する。
粉末、又は均一化混合したDS粉末にMnO2 粉を添加
混合した粉末を、体積が3〜4cm3 以下の大きさの円柱
状等の成形体(圧粉体)に調製する。その際、成形時の
潤滑剤として有機物を添加することもある。この成形体
を、不活性ガスで希釈した水素雰囲気中で約1600℃
で2時間程度焼結する。この温度は、従来の焼結温度よ
りも100℃程度低い温度である。必要に応じ、焼結前
に有機物の分解除去のため、800℃で2時間ほど保持
して脱脂を行うこともある。
ンレス鋼などの耐酸化性金属の容器に入れ、空気雰囲気
下300〜350℃の温度で酸化させる。この温度での
酸化は遅く、またそれほど進行しないために、ペレット
に亀裂が入るか、あるいは粗大粒子となるにとどまる。
因に、350℃を超える温度で酸化させると、酸化は更
に進行し、ペレットはより細かく粉化する。細かく粉化
したものは、取り扱い時に容器や装置の内面に付着した
り残留し易く、放射線の線量当量率を上昇させるため好
ましくない。それに対して、粗大粒子程度の大きさのも
のは、付着は少なく、流動性も良いため、取り扱い上有
利である。酸化させて亀裂が入った状態のペレット、又
は粗大粒子の状態で硝酸に溶解させると、流動性が良い
ため、容器内や装置内に残留する量が減少し、付着も少
なくなるため、核物質管理上の問題、被曝上昇の問題が
軽減される。また、溶解時にNOX ガスの発生量も同時
に低減できる。
含むMOX粉末(各種不純物を総量で約0.1重量%含
む)を用い、次に示す4種類のペレットを調製し、比較
実験を行った。 A.このMOX粉末を用いて、1650℃で焼結したペ
レット。 B.このMOX粉末に、MnO2 粉を0.3重量%添加
し、1650℃で焼結したペレット。 C.このMOX粉末に、Fe2 O3 ,CaO,MgO,
ZrO2 ,SiO2 を各0.3重量%添加し、1650
℃で焼結したペレット。 D.このMOX粉末にFe2 O3 +CaOを0.5重量
%添加し、更にMnO2粉を0.3重量%添加し、16
50℃で焼結したペレット。
硝酸に溶解させ、溶解時間とPu溶解度の関係を調べ
た。その結果を表1に示す。なお、硝酸への投入は、ペ
レットの状態のまま行った。ペレットの大きさは、直径
約6mm、高さ約9mmの円柱状である。溶解試験は、1種
類のペレットについて2〜3回実施した。溶解度±は、
各試験毎の溶解度測定値の範囲を示す。一般に溶解度が
低い場合ほど、ペレットの個体差が現れるため、ばらつ
きは大きい。また、いずれの場合も酸素を吹き込んで実
施した。
トCは、不純物が殆ど含まれていないペレットAに比べ
ると、溶解速度は若干大きくなる傾向となるが、6時間
溶解時点の溶解度には差が殆ど見られない。これに対し
て、MnO2 粉を添加したペレットBでは、溶解速度及
び溶解度が著しく向上した。更に、Fe2 O3 等に加え
てMnO2 粉を添加したペレットDでも、MnO2 粉単
独添加のペレットBとほぼ同等の溶解速度、溶解度の向
上が見られた。
前後どちらかの時点でMnO2 粉を添加混合して焼結を
行ったペレットの硝酸に対する溶解速度及び溶解度は、
無添加の場合に比べて著しい向上を示すことが分かる。
これにより溶解処理時間は短縮され、且つ不溶解残渣は
著しく減少する。また、MnO2 粉の添加によって、焼
結の温度を下げることが可能となる。このことは焼結に
必要な電力消費量を低減する他に、焼結装置部材の寿命
が長くなる(ヒータ等の部材の寿命は低温で使用するほ
ど長くなる)という利点となる。
の状態で実施したが、上記ペレットBとDの場合は、硝
酸への投入直後から大きな溶解速度を示すため、酸素を
吹き込んでいるにもかかわらず、かなりの量の褐色のN
OX ガスの発生が見られた。焼結ペレットを破砕した場
合、投入直後の溶解速度はペレットのままの状態に比べ
て更に大きい。従って、より多量のNOX ガスが発生
し、それを処理する装置は大型のものが必要となる。そ
こで、焼結ペレットを300〜350℃の空気中で酸化
させて硝酸へ投入したところ、ある程度破砕されて、溶
解速度もかなり大きいにもかかわらず、NOX ガスの発
生量は機械的に破砕した場合に比べて1/10〜1/2
0程度に減少した。表2は、表1のペレットAとBを酸
化により破砕して(ペレットA′及びB′)溶解した場
合の溶解速度を示す。
速度の向上は、MnO2 粉の添加、無添加にかかわらず
認められる。これは、酸化によりMOX自身に含まれる
酸素の量が増加しているためである。この効果は、従来
の酸素吹き込みと併用すると更に効果的である。これに
より、NOX ガス処理装置は小型のもので済むようにな
る。但し、最終溶解度は酸化の有無で変化しない。ま
た、ペレットを300〜350℃の空気中で酸化させる
ことにより、ペレット中に有機物が残留していた場合、
これが酸化して消失するため、硝酸と有機物の反応が無
くなり、溶解時の爆発の危険性が低減する効果も生じ
る。
は、乾式回収としてペレットを酸化破砕させる温度であ
る500〜600℃に比べるとかなり低い温度である。
このため、酸化速度は遅く、酸化時間を管理すれば、完
全に酸化が終了しない状態で処理が終了することもあ
る。この場合は、ペレットは破砕されて粉化するという
よりも、ペレットに亀裂が入った状態となり、流動性の
点からは好ましい。酸化が完全に終了した場合でも、酸
化速度が遅いため、破砕粉は粗大で流動性の良いものと
なる。この場合も、容器や装置内への滞留や付着は、高
温で酸化させた場合に比べて少なくなる。
るMOX粉末から調製したペレットの処理にあてはまる
が、TiO2 を1000ppm (0.1重量%)以上含有
する場合には当てはまらない。この場合には、ペレット
を調製しても、酸化による破砕は全く生じないし、硝酸
に溶解させた場合でも、不純物をほとんど含有しないペ
レットに比べても溶解性は低下してしまう。
一化混合した後、0.2〜0.3重量%のMnO2 を添
加混合するか、あるいはDS粉末に、0.2〜0.3重
量%のMnO2 を添加して均一化混合し、その粉末を用
いて成形し、還元性雰囲気中で焼結し、その焼結ペレッ
トを、そのまま硝酸に溶解する方法であるから、硝酸溶
解時に、溶解速度が向上すると共にPu溶解度も向上
し、不溶解残渣が低減する効果が得られる。
ペレットを、更に300〜350℃の空気中で酸化さ
せ、それを硝酸に溶解させる方法であるから、硝酸溶解
時に、NOX ガスの発生が低減し、且つ容器装置内の残
留、付着を低減させることができる。
明図。
明図。
Claims (4)
- 【請求項1】 不純物を含有する(但し、TiO2 を
0.1重量%以上含有するものは除く)ウラン・プルト
ニウム混合酸化物を硝酸に溶解させる際の前処理方法で
あって、 上記の不純物を含有するウラン・プルトニウム混合酸化
物の粉末を均一化混合した後、0.2〜0.3重量%の
MnO2 を添加混合し、成形して還元性雰囲気中で焼結
することで焼結ペレットを調製して硝酸に溶解させるこ
とを特徴とするウラン・プルトニウム混合酸化物の硝酸
溶解前処理方法。 - 【請求項2】 不純物を含有する(但し、TiO2 を
0.1重量%以上含有するものは除く)ウラン・プルト
ニウム混合酸化物を硝酸に溶解させる際の前処理方法で
あって、 上記の不純物を含有するウラン・プルトニウム混合酸化
物の粉末に、0.2〜0.3重量%のMnO2 を添加し
て均一化混合した後、成形して還元性雰囲気中で焼結す
ることで焼結ペレットを調製して硝酸に溶解させること
を特徴とするウラン・プルトニウム混合酸化物の硝酸溶
解前処理方法。 - 【請求項3】 還元性雰囲気が、不活性ガスで希釈した
水素雰囲気である請求項1又は2記載のウラン・プルト
ニウム混合酸化物の硝酸溶解前処理方法。 - 【請求項4】 調製した焼結ペレットを300〜350
℃の空気中で酸化させた後、硝酸に溶解させる請求項1
乃至3のいずれかに記載のウラン・プルトニウム混合酸
化物の硝酸溶解前処理方法。
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JP21539398A JP2912920B1 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | ウラン・プルトニウム混合酸化物の硝酸溶解前処理方法 |
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CN109727696A (zh) * | 2017-10-30 | 2019-05-07 | 中核四0四有限公司 | Mox芯块回收再利用方法 |
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1998
- 1998-07-30 JP JP21539398A patent/JP2912920B1/ja not_active Expired - Fee Related
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