JP2912669B2 - Vtrドラム鍛造用素材の製造方法 - Google Patents

Vtrドラム鍛造用素材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Al合金のVTRドラムを形成する工程の中間
材料となる鍛造素材の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
VTRドラム用のAl合金系鍛造素材を製造する手段とし
ては、原材料に溶解鋳造法で形成したビレットを用いる
方法と急冷凝固法で形成した粉末を用いる方法が知られ
ている。
このうち、前者の方法は、溶解凝固法によるビレット
を熱間押出して押出棒を成形し、切断、冷間鍛造および
旋削などの諸加工を施してドラムに仕上げる工程からな
り、また後者の方法は、原料鋳塊をアトマイズする急冷
凝固粉末法で得られるAl合金粉末を容器に封入し、真空
脱ガス処理したのちに熱間押出して形成した押出棒を前
記と同様に切断、冷間鍛造および旋削仕上げを施して製
品化する工程からなっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
溶解凝固ビレットを適用する方法には、通常、Al−Cu
系合金(JIS 2218)が原材料として用いられているが、
この合金材料は耐摩耗特性の点で製品要求性能を満足し
ない。耐摩耗性の不足は、原材料にAl−Si系の合金を用
いることにより効果的に改善することができる。ところ
が反面、耐摩耗性の増大化は、穴明け、旋削、タップ加
工等を困難にし、そのうえ各種バイト類の消耗を速めて
交換頻度を増すなど加工性に多くの問題点がある。
一方、急冷凝固粉末を原材料とする方法は、急冷凝固
Al粉末のコストが高いため製品原価が著しく高騰化する
難点がある。
本発明は、溶解凝固ビレットと急冷凝固粉末の利点を
抽出結合することにより開発されたもので、その目的
は、ドラム本体部分は加工性のよいAl合金材で構成さ
れ、摺動面部分は局部的に耐摩耗性に優れるAl合金材で
構成された耐摩耗性と加工性とを兼備する複合形態によ
るVTRドラム用鍛造素材の製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明によるVTRドラム
鍛造用素材の製造方法は、溶解鋳造法で形成した肉厚2
〜5mmのAl基合金からなる円筒缶の中心部に、該円筒缶
内径の50〜95%に相当する外径寸法をもつ溶解鋳造法で
形成したAl基合金製のビレットを置き、前記円筒缶とビ
レットとの間の空隙部分に急冷凝固法により作製したAl
−Si系合金粉末を充填し、円筒缶の端部を密封したのち
脱気管を介して真空脱ガス処理をおこない、ついで熱間
押出加工を施すことを構成上の特徴とする。
円筒缶およびビレットを構成する溶解鋳造法で形成し
たAl基合金は、加工性の良好なAl−Mg系、Al−Mn系、Al
−Cu系、Al−Mg−Si系またはAl−Zn−Mg系から選択され
る。特に、円筒缶には適度の強度と良押出性をもち溶接
が可能であることが要求されるから、Al−Mg−Si系の合
金(JIS 6063)が好適に使用される。円筒缶の内径は15
0〜250mmが望ましい。また、ビレットは切削性が良くて
熱間押出時の変形抵抗が急冷凝固Al合金粉末と近似する
ことが望ましいため、Al−Cu系合金(JIS 2218)が代表
的なものとなる。
急冷凝固法により作製したAl−Si系合金粉末は最終的
に焼結してドラムの摺動部分を構成するものであるか
ら、組成的に高度の耐摩耗性と良好な熱間加工性を有
し、時効硬化に優れることが望ましい。この要件を満た
す合金組成は、Si15〜30wt%、Cu0.5〜6wt%、Mg0.3〜5
wt%、残部がAlである。Si成分が15%未満では耐摩耗性
が不足し、30%を越えると熱間加工性が困難となるうえ
旋削性が極端に悪化する。CuおよびMgは共に時効硬化に
寄与する成分であるが、上記範囲を下廻るとその効果が
不十分となり、また範囲を越えると効果が飽和する。
第1図は本発明の熱間押出加工前における原材料の配
置構成を示した縦断面図、第2図は第1図のA−A′線
に沿った横断面図で、1は溶解鋳造法で形成したAl基合
金からなる円筒缶、2は同じく溶解鋳造法で形成したAl
基合金製のビレット、3は円筒缶1とビレット2の間の
空隙部分に充填された急冷凝固法によるAl−Si系の合金
粉末である。円筒缶1の下部には底板4が、また上部に
は脱気管5を備えた上蓋6が密封状態に各溶接されてい
る。
円筒缶1の肉厚(t1)は2〜5mmの範囲に設定するこ
とが重要で、これが2mmを下廻ると作業時に缶壁が破れ
て合金粉末が飛散する危険があるうえに端部の溶接が困
難となり、また5mmを越えると熱間押出加工後の材料外
周部に介在する外皮層が2mmを越す厚さとなって最終旋
削の加工工数が増大する。
円筒缶1の中心部にセットされるビレット2の外径
(d1,d2)は、前記円筒缶1の内径(D)に対して50〜9
5%に相当する範囲とする。この理由は、前記の径比率
が50%未満では急冷凝固法による粉末原材料が多くなる
関係でコスト高になると共に、Si含有率の高い耐摩耗材
質部分の占有比率が増大するため加工性が減退し、95%
を越えると耐摩耗材質部分の層厚が極端に薄くなって冷
鍛後の旋削加工により削り取られる現象を招くためであ
る。
上記の条件で第1〜2図のような原材料配置構成を形
成し、脱気管5を介して真空脱ガス処理をおこなったの
ち熱間押出加工を施す。
〔作 用〕
本発明のプロセスで熱間押出加工を施すと、円筒缶1
の内壁とビレット2との間の空隙に充填されたAl−Si系
合金粉末は合金層を形成し、中心部分が加工性の良好な
Al合金で構成され、その外周に高耐摩耗性を備える粉末
合金層が形成され、さらに最外層に加工性のよいAl合金
の薄層が被覆された形態を有する3層クラット状に一体
複合されたVTRドラム鍛造用素材が製造される。
得られた素材は、切断したのち冷間鍛造してドラム形
状に成形されるが、この状態を模式的に示すと第3図
(断面図)のようになる。第3図において、7は加工性
の良好な中心Al合金部、8は摺動部位に介在する高耐摩
耗性の粉末合金層、9は易加工性の最外Al合金層であ
る。したがって、旋削仕上げ加工により易加工性で薄膜
の最外Al合金層9を削り取ることによってドラム摺動面
に高耐摩耗性の粉末合金層8が露出する。
このような複合機構を介して、本体主要部分は穴明
け、切削、タップ加工等の加工性に優れ、摺動部位は材
質要求に沿う十分な耐摩耗性を備えるVTR用ドラムの安
価な供給が可能となる。
なお、本発明の素材は外周面に最外Al合金層が存在す
るから、後工程で冷間鍛造時における加工歩留りを増大
させる作用も同時にもたらされる。
〔実施例〕
溶解鋳造法によるAl−Mg−Si系合金(JIS 6063)を用
いて外径254mm、高さ715mmで肉厚(t1)の異なる円筒缶
を作製し、円筒缶の中心部に溶解鋳造法で形成したAl−
Cu系合金(JIS 2218)からなる上端直径(d1)180mm、
下端直径(d2)195mmのビレットをセットし、缶内壁と
ビレットとの間隙にSi20wt%、Cu3wt%、Mg1wt%で残部
Alからなる組成の急冷凝固法で形成したAl−Si系合金粉
末を充填した。一方、溶解鋳造法によるAl−Mg−Si系合
金(JIS 6063)を用いて外径254mm、内径247mm、高さ71
5mmの円筒缶を作製し、円筒缶内径(D)に対する外径
寸法および上端直径(d1)と下端直径(d2)が異なる各
種ビレットをセットし、缶内壁とビレットとの間隙にSi
20wt%、Cu3wt%、Mg1wt%で残部がAlからなる組成の急
例凝固法で形成したAl−Si系合金粉末を充填した。つい
で、Al−Si系合金粉末を充填した上記円筒缶の下部に底
板を、また上部に脱気管を備える上蓋を溶接して密封化
し、第1〜2図に示す原材料配置構成とした。
脱気管から真空度10-2Torrの条件で脱ガス処理したの
ち、上蓋側をビレット先端側として420℃の温度で熱間
押出加工を施し、直径62.5mmのVTRドラム用鍛造素材を
製造した。上記の工程による円筒缶の肉厚(t1)と押出
加工後の同肉厚(t2)との関係を表1に、ビレット直径
(d1,d2)と押出加工後におけるAl−Si系粉末合金層
(T)の厚さとの関係を表2に示した。
表1のRUN No.1〜2の例では押出加工後の肉厚(t2
が旋削加工の容易な0.5〜2mmの範囲に収まるが、RUN N
o.3では円筒缶の肉厚(t1)が8mmと厚い関係で押出加工
後も2〜4mmの肉厚までしか薄くならず、切削加工の困
難性が残る。また、表2の結果からは、中心にセットさ
れるビレット外径が円筒缶内径の50%より小さい場合
(RUN No.4)には押出後の粉末合金層厚さが不十分とな
ることがわかる。VTRドラムに十分な耐摩耗性を与える
ためには2mm厚以上の粉末合金層が必要である。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によれば熱間押出加工前の段階
で原材料の配置構成を整えることにより中心主要部は易
加工性のAl基合金で構成し、摺動部位は高耐摩耗性のAl
−Si系粉末合金層で構成する複合構造のVTRドラム鍛造
用素材を製造することができる。そのうえ、高価な急冷
凝固粉末原料の使用量が少量で済み、孔明け、切削、タ
ップ加工等の加工性がよいから、経済面、作業能率面で
の改善効果も頗る高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱間押出加工前における原材料の配置
構成を示した縦断面図、第2図は第1図のA−A′線に
沿う横断面図、第3図は本発明による鍛造用素材を冷間
鍛造してVTRドラム形態に形成した段階を示す模式断面
図である。 1……円筒缶、2……ビレット 3……合金粉末、4……底板 5……脱気管、6……上蓋 7……中心Al合金部、8……粉末合金層 9……最外Al合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−69304(JP,A) 特開 昭64−40131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 3/00 - 7/08 B21C 23/22 B21K 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶解鋳造法で形成した肉厚2〜5mmのAl基
    合金からなる円筒缶の中心部に、該円筒缶内径の50〜95
    %に相当する外径寸法をもつ溶解鋳造法で形成したAl基
    合金製のビレットを置き、前記円筒缶とビレットとの間
    の空隙部分に急冷凝固法により作製したAl−Si系合金粉
    末を充填し、円筒缶の端部を密封したのち脱気管を介し
    て真空脱ガス処理をおこない、ついで熱間押出加工を施
    すことを特徴とするVTRドラム鍛造用素材の製造方法。
  2. 【請求項2】溶解鋳造法で形成したAl基合金が、Al−Mg
    系、Al−Mn系、Al−Cu系、Al−Mg−Si系またはAl−Zn−
    Mg系である請求項1記載のVTRドラム鍛造用素材の製造
    方法。
  3. 【請求項3】急冷凝固法により作製したAl−Si系合金粉
    末が、Si15〜30wt%、Cu0.5〜6wt%、Mg0.3〜5wt%、残
    部がAlの組成である請求項1記載のVTRドラム鍛造用素
    材の製造方法。
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