JP2911551B2 - 周囲流体に対する航行体の相対速度を表わす信号を航行体上で得る装置 - Google Patents

周囲流体に対する航行体の相対速度を表わす信号を航行体上で得る装置

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JP2911551B2 JP2156581A JP15658190A JP2911551B2 JP 2911551 B2 JP2911551 B2 JP 2911551B2 JP 2156581 A JP2156581 A JP 2156581A JP 15658190 A JP15658190 A JP 15658190A JP 2911551 B2 JP2911551 B2 JP 2911551B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は周囲流体に対する航行体の相対速度を表わす
信号を航行体上で得る装置に関するものである。
〔従来の技術〕
例えば飛行機やミサイル、及び船等の航行体を操作す
るためには周囲流体に対する相対速度の知識が必要であ
る。以下飛行機を例にとって説明するが、流体の型を除
いて航行体が飛ぼうが、陸上、水上、又は水中を動こう
が以下の説明は有効である。
飛行機においては4個のプローブから得られる信号か
ら上記相対速度を決定することが知られている。
…静圧プローブは、部分器な真空や過大な圧力が発生
しない位置にエアフローの流れに並行に置かれる。
…全圧プローブは、一般に飛行機の前面に、飛行機の
縦軸に垂直に置かれる。
…傾斜計のプローブ、例えば風向計は各々迎角と飛行
機の横すべり角を与える。この迎角は、風に対する相対
速度ベクトルが飛行機の翼弦線すなわち飛行機の対称面
に並行な垂直断面内における翼の前縁と後縁とを結ぶ直
線となす角度である。この迎角の情報は極めて重要なも
のであり、失速の危険を防止することを可能にする。横
すべり角は風に対する相対速度ベクトルが飛行機の縦軸
となす角である。
〔発明が解決しようとする課題〕
これらの4個のプローブは飛行機の外壁上に多くの凸
起物となるため、種々の問題を引起す。悪天候において
は機械的な強度の問題が生じるとともに、操縦性とりわ
けあられの降る天候における操縦性に問題が生じる。
又、上記プローブは飛行機をレーダによって発見しやす
くし、このことは軍用飛行機においては問題となる。又
圧力プローブによって測定される測定値は迎角の関数と
して修正する必要がある。更に上記プローブは乱流を生
じさせる。
本発明は上記障害を除去するか又は少なくとも上記障
害を軽減することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この目的はクローズドスペースにおいてはエアフロー
を測定したり、フリースペースにおいては特殊な条件の
測定に用いられるフリンジレーザ風速計を用いて測定す
る装置によって達成することができる。
本発明による周囲流体に対する航行体の相対速度を航
行体上で得る装置は、 各々が測定軸を有する測定ゾーンを生じるn個のフリ
ンジレーザ風速計を有し、各風速計はレーザダイオード
からなる放射源を有する光学系と、前記レーザダイオー
ドの放射周波数に通過帯域の中心がある光学フィルタ
と、光検出器と、測定ゾーンとを有しており、前記フィ
ルタは測定ゾーンと光検出器の間に設けられ、前記n個
の風速計の光検出器は前記n個の風速計に対するn個の
測定軸のうち少なくとも2つの分離された方向に対する
信号を与えることを特徴とする。
〔実施例〕
第1図は本発明によるレーザダイオード風速計の構成
を示す図である。このレーザダイオード風速計は、パワ
ーレーザダイオード1からなる発光源と、コリメータレ
ンズ2と、ハーフミラーを有する光ビーム分離器3と、
エミッションレンズ4と、レシービングレンズ5と、干
渉フィルタ6と、絞り7と、光検出器8とを備えてい
る。この風速計はセントルイス(仏国)の仏−独研究所
によって開発されたものであるが、要素6及び7を付加
することによって修正されている。
第1図に示す風速計の作用は以下の通りである。
レーザダイオード1は単色放射線を放射する。この放
射からコリメータレンズ2はビーム分離器3の入力に向
うビームを形成する。ビーム分離器は入力されたビーム
を2つのビームA,Bに分離し、エミッションレンズ4に
送る。このエミッションレンズは上記2つのビームA,B
を測定ゾーンと呼ばれる領域Mに向って収束させ、この
測定ゾーンで干渉縞を生じさせる。ゾーンMのほぼ中心
とダイオードを通る垂直平面内におけるこのゾーンの上
記干渉縞を拡大したものを第3図に示す。このゾーンは
ビームAとBに与えられる横方向寸法の関数、及びビー
ムAとBの交差角Qの関数として変化し、数百ミクロン
の長さと、数十ミクロンの厚さと幅を有している。ゾー
ンMにおいて発生する明暗の縞は2つのビームを2分す
る平面に平行である。2つの連続した縞の中心間距離S
はダイオード1の放射線の波長を2・sinQ/2で割った値
に等しい。エアフローによってゾーンMに選ばれるダス
ト粒子は光を散乱させ、干渉縞のためにその光の強さが
周波数fで周期的に変化する。この周波数fはダスト粒
子の速度Vに比例し、又より詳細に言えば、干渉縞の面
に垂直なXX方向の速度Vの成分Uの線形関数である。こ
のXX方向は風速計の測定軸と呼ばれる軸を構成する。速
度成分U、周波数f、及び干渉縞の中心間距離Sの関係
は次のように表される。
U=f・S(但し符号は除く) ゾーンMを通過した粒子によって散乱された光の一部
は引続きエミッションレンズ4及びレシービングレンズ
5を貫通し、干渉フィルタ6及び絞り7を介して光検出
器8に向って収束する。強さが変調されたこの光は光検
出器8によって電気信号に変換される。そしてこの電気
信号の変調周波数を測定することにより、速度ベクトル
の成分Uの値を決定することが可能となる。
干渉フィルタ6はダイオード1の放出線の周波数を中
心周波数とする狭帯域の光学フィルタである。この干渉
フィルタ6の役割は、光検出器8に供給される光からダ
イオード1によって発生される光以外の全ての光、特に
日光を除去することにある。もしこの干渉フィルタ6が
ないと、光検出器8は容易に飽和し、測定が不能とな
る。
第4図乃至第7図に記載された本発明によるレーザダ
イオード風速計装置は放射線の波長が0.82ミクロンのレ
ーザダイオードを使用しているが、開発中の波長が1.4
ミクロンと1.9ミクロンのレーザダイオードを使用する
ことが可能である。このようなダイオードを使用する利
点は放射線が太陽スペクトラムのホールに位置している
ことであり、このためフィルタ6の帯域が上記ホール全
体に位置し、フィルタ6と光検出器8を結合して日光の
影響を受けなくすることが可能となる。又、ダイオード
1の放射線の周波数がより安定となるようにフィルタ6
の帯域を更に狭く選定することが可能である。かように
してダイオード1の温度特性における安定化は±1ナノ
メータの非常に狭い帯域のフィルタ、すなわち迷光に対
して非常に効果的なフィルタの使用を可能とする。
絞り7は光検出器8によって受ける光から、測定ゾー
ンから生じない放射光を除去する役割を有している。と
いうのはそれらの風速計の光軸ZZに対してオフセットさ
れているからである。
第2図は、測定ゾーンMを超えた光軸ZZの点から第1
図に示す風速計を見た図である。この図において、測定
軸XX、測定ゾーンM、エミッションレンズ4とリシービ
ングレンズ5の円周、及び光ビームAとBのみが示され
ている。そして、リシービングレンズ5の両側を通って
エミッションレンズ4に到達した光ビームA,Bはエミッ
ションレンズ4によって測定ゾーンMに向って収束させ
られている。
第3図から分かるように、第1図及び第2図に示す風
速計は相対速度ベクトルの軸XX方向の成分を決定するこ
とを可能にする。飛行機を操縦する場合、飛行機の縦軸
を通る垂直面内の相対速度ベクトルの成分が必要であ
る。飛行機に関して、相対速度ベクトルは飛行機の製作
者によって先見的に与えられるコーン内に位置してい
る。したがって、飛行機の垂直縦平面内に測定軸が正し
く置かれた2台の風速計を用いれば、これらの2つの軸
上への速度ベクトルの投影によって上記平面内の速度ベ
クトルの成分を決定することが可能となる。この配置は
速度ベクトルが2つの軸に対して同一の角度を成すよう
に置かれるべきであり、これにより測定軸への投影によ
って符号を除いてその大きさを知ることができ速度ベク
トルの決定に関して何等あいまいなことは生じない。相
対速度ベクトルの最大変位は飛行状態において一般に90
度を越えないため、2つの測定軸を飛行機の縦軸の両側
に45度傾いて置くことができる。
速度ベクトルの測定は風速計によって与えられる値を
平均にすることによって得られるので、同一の粒子に関
して上記2つの投影を決定することはない。それ故、同
一のエアフロー内に2つの風速計を置いている間に2つ
の風速計の測定ゾーンを分離することが可能である。こ
のような例を第4図に示す。第4図は第1図及び第2図
に示した風速計と同一の2台の風速計を第2図と同様に
して見た図であり、これらの2台の風速計の各要素の符
号は第2図に示す対応する要素の符号に各々1及び2を
付加したものである。第4図に示す2台の風速計は第1
図に示す軸ZZに対応する軸に関して−45度及び+45度な
すように配置されている。前にも述べたように相対速度
ベクトルの最大変位を考慮すると、傾き角として上述の
角と異なった角を選択しても良いことが理解される。
相対速度を決定する他の方法は、第1図及び第2図に
示す1台の風速計を用いて、軸ZZのまわりにビーム分離
器3を回転させるか振動させることによっても可能であ
る。相対速度のために得られる最大値は、測定軸XXに平
行な軌跡を有する粒子に対応し、最小値は軸XXにほとん
ど垂直な軌跡を有する粒子に対応する。この場合の具体
例を第5図に示す。
第5図に示す装置は第1図及び第2図に示す装置に、
モータ31によって駆動される回転板30と、この回転板に
結合される角度センサ32とを付加したものである。この
角度センサ32は光検出器8によって与えられる信号を処
理することを可能にする相基準信号を与えるものであ
る。上記回転板はビーム分離器3を支持し、軸ZZのまわ
りに回転するようにビーム分離器を駆動する。モータが
分離器を振動させるように駆動する場合、振動は時計の
振子のように漸進運動させても良いし、2端点で予め決
められた時間の停止を生じさせても良い。後者の場合、
測定は上記停止期間中のみに行われる。完全な回転や時
計の振子のような漸進振動の場合、測定は運動中に行わ
れる。
飛行機の空気に対する相対速度を表す信号を飛行機内
で得る他の装置を第6図及び第7図に示す。この装置は
第1図及び第2図に示す風速計とは異なり、4個の出力
ビームA,B,A′,B′を有するビーム分離器3′と、2個
の測定ゾーンM,M′と、2個の絞り7,7′と、2個の光検
出器8,8′とを有している複式風速計である。第7図に
おいては、4個のビームが分離器3の出力平面内に示さ
れており、一対のビームA′,B′はもう一対のビームAB
に対して90度だけオフセットされている。そして一対の
ビームA′,B′の中心はもう一対のビームABの中心に対
して下方に片寄っており、このことがビームABとA′
B′に各々対応する測定ゾーンMとM′を区別するとと
もに、これらの測定ゾーンから生ずる光を干渉させるこ
となく隣接する2つの光検出器上に集める。ビームA′
B′の位置とビームABとの位置とが90度だけ異なってい
ることを考慮すると、第6図には示されていないが第1
図の軸XXに対応する測定軸はゾーンMに関しては第1図
に示すように垂直であり、又ゾーンM′に関しては図の
平面に対して垂直である。第6図及び第7図に示す装置
は2つの測定軸が90度を成している。相対速度ベクトル
の最大変位が90度よりも小さい場合は、他の装置が更に
そうであるように飛行機の縦軸が上記測定軸間の角度の
2等分線に平行である条件の下で、測定軸間の角度は上
記最大変位値まで減少させることができる。第6図で分
離されている光検出器8,8′は同一のサポートによって
支えられている。
本発明は上記具体例に限定されるものではなく、速度
ベクトルの座標が平面内になく、空間内にある場合にも
適用することができる。この場合は測定軸が静止してい
る少なくとも3台の風速計と、測定軸が回転又は振動す
る少なくとも2台の風速計とが必要である。3個の静止
している測定軸の場合の装置は例えば、お互に類似して
いる測定ゾーンを有している第1図乃至第2図に示され
ている風速計に結合される第4図又は第6図乃至第7図
に示す装置から成っており、これらの2つのユニットは
例えば90度の角度を成している。又、例えば第1図乃至
第2図に示す風速計と第5図に示す装置とを90度の角度
を成すように結合し、お互いに類似した測定ゾーンを有
するようにしても良い。
更に、本発明による装置の構成要素は上述の装置の構
成要素と異なるようにできる。したがってビーム分離器
又は分離器は、上記具体例においてはミラーから作られ
ているが光学ファイバを用いることもできる。
又、絞りや、エミッションレンズとリシービングレン
ズとの間に設けられる光フィルタを使用しないことも可
能である。
光検出器の出力信号を処理する電気回路を結合するこ
とにより本発明の装置は航行体上で航行体の相対速度を
測定する装置となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による装置に用いられる風速計を示す
図、第2図は第1図に示す装置の側面図、第3図は第1
図及び第2図に示す風速計の測定ゾーンを示す図、第4
図乃至第6図は各々本発明による装置の他の実施例を示
す図、第7図は第6図に示す他の実施例における光路の
位置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01P 5/00 G01C 21/10 G01S 9/62 G01P 3/36

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輻射エネルギビームを放射する輻射エネル
    ギ放射源、少なくとも干渉縞と測定軸を有する測定ゾー
    ン内に輻射エネルギビームを形成する測定ゾーン形成手
    段、前記測定ゾーンから反射された光を受信し、この光
    に応じた電気信号を発生する光検出器、およびこの光検
    出器と前記測定ゾーンの間に延びている光路上に設けら
    れて、前記輻射エネルギ放射源からの輻射エネルギビー
    ムの放射周波数に通過帯域を有する光学フィルタを備え
    た、航行体上に設けられた少なくとも1つのフリンジレ
    ーザ風速計と、 前記光検出器が少なくとも2つの異なる方向に向かって
    前記測定ゾーンから反射された光を表わす電気信号を発
    生するように前記少なくとも1つのフリンジレーザ風速
    計の測定ゾーンの測定軸を、前記少なくとも2つの異な
    る方向に方向付ける方向付け手段と、 を備え、 前記測定ゾーン形成手段は、前記輻射エネルギビームを
    前記測定ゾーンに向かう少なくとも2つのビームに分離
    するビーム分離器を有し、前記方向付け手段は、前記ビ
    ーム分離器と前記測定軸との間に延びている軸のまわり
    に前記ビーム分離器を回転させる回転支持部を有してい
    ることを特徴とする、周囲流体に対する航行体の相対速
    度を表わす信号を得るための装置。
  2. 【請求項2】前記回転支持部は前記ビーム分離器を連続
    的に回転運動するように駆動することを特徴とする請求
    項1記載の装置。
  3. 【請求項3】前記回転支持部は前記ビーム分離器を振動
    運動させるように駆動することを特徴とする請求項1記
    載の装置。
  4. 【請求項4】前記振動運動は振り子型であることを特徴
    とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】前記振動運動は2端点間を急いで通過し、
    前記2端点で所定時間停止することを特徴とする請求項
    3記載の装置。
  6. 【請求項6】前記少なくとも1つのフリンジレーザ風速
    計は、輻射エネルギ源としての共通のレーザダイオード
    と、測定ゾーン形成手段としての4つのビームを出力す
    るビーム分離器と、2個の異なる光検出器とを有する2
    連の風速計を有していることを特徴とする請求項1記載
    の装置。
  7. 【請求項7】nを正の整数としたとき、航行体上に設け
    られたn個のフリンジレーザ風速計を有し、各風速計
    は、 輻射エネルギビームを放射する輻射エネルギ放射源と、 ビーム分離器を有し、干渉縞と測定軸を有する測定ゾー
    ン内に輻射エネルギビームを形成する測定ゾーン形成手
    段と、 前記測定ゾーンから反射された光を受信し、この光に応
    じた電気信号を発生する光検出器と、 この光検出器と前記測定ゾーンの間に延びている光路上
    に設けられて前記輻射エネルギ源からの輻射エネルギビ
    ームの放射周波数に通過帯域を有する光学フィルタと、 前記測定ゾーンと前記ビーム分離器との間に延びている
    軸のまわりに前記ビーム分離器を回転させる回転支持部
    を有する方向付け手段と、 を備え、 前記n個の風速計の測定ゾーンの測定軸は少なくとも2
    つの方向に延びていることを特徴とする、周囲流体に対
    する航行体の相対速度を表わす信号を得るための装置。
  8. 【請求項8】前記回転支持部は前記ビーム分離器を連続
    的に回転することを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】前記回転支持部は前記ビーム分離器が振動
    運動するように駆動することを特徴とする請求項7記載
    の装置。
  10. 【請求項10】前記振動運動は振り子型であることを特
    徴とする請求項9記載の装置。
  11. 【請求項11】前記振動運動は2端点間を急いで通過
    し、前記2端点で所定時間停止することを特徴とする請
    求項9記載の装置。
  12. 【請求項12】nは少なくとも2であり、前記n個の風
    速計の2個は2連の風速計を構成し、この2連の風速計
    は、輻射エネルギ源として共通のレーザダイオードと、
    測定ゾーン形成手段としての4つのビームを出力するビ
    ーム分離器と、2個の異なる光検出器とを有することを
    特徴とする請求項7記載の装置。
JP2156581A 1989-06-30 1990-06-14 周囲流体に対する航行体の相対速度を表わす信号を航行体上で得る装置 Expired - Lifetime JP2911551B2 (ja)

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