JP2911272B2 - アモルファスシリコン太陽電池とその製造方法 - Google Patents

アモルファスシリコン太陽電池とその製造方法

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JP2911272B2
JP2911272B2 JP3274146A JP27414691A JP2911272B2 JP 2911272 B2 JP2911272 B2 JP 2911272B2 JP 3274146 A JP3274146 A JP 3274146A JP 27414691 A JP27414691 A JP 27414691A JP 2911272 B2 JP2911272 B2 JP 2911272B2
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孝之 水村
謙司 沢田
直樹 小嶋
康義 川西
正敏 大月
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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アモルファスシリコ
ン太陽電池に関し、特に透孔性のあるシースルー型、あ
るいは集積型のアモルファスシリコン太陽電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコン太陽電池は、基板
の上に、透明電極、アモルファスシリコン層、裏面電極
を積層して製造される。裏面電極には、主として、膜厚
が0.3〜1μm程度であるアルミニウムの真空蒸着膜
が使用される。この構造の太陽電池は、1個のセルの電
圧が1ボルト以下である。複数のセルを直列に接続して
所定の電圧とすることができる。複数のセルを直列に接
続するために、集積型太陽電池が開発されている。この
太陽電池は、パターニングプロセスを用いて、透明電
極、アモルファスシリコン(以下、a−Siと記載す
る)層、裏面電極を形成している。パターニングする方
法として、ウェットエッチングによる方法と、レーザー
パターニング方式とがある。ウェットエッチングによる
方法は、レーザーパターニング方式に比較して、低コス
トで大量処理できる特長がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】裏面電極がアルミニウ
ムであるアモルファス太陽電池は、ウェットエッチング
によってパターニングできない欠点がある。それは、ア
ルミニウム製の裏面電極が、a−Si層をエッチングす
るNaOH等のアルカリ溶液で腐食することが理由であ
る。裏面電極に耐アルカリ性の金属を使用することによ
って、この欠点を解消することができる。耐アルカリ性
の金属には、CuやAgがある。CuやAg等の金属
は、光線の反射率が高く、a−Si層を透過した光を反
射して太陽電池のIsc(短絡電流)とPmax(最大
出力)を向上できる効果もある。しかしながら、これ等
の金属は、a−Si層との密着力が弱いために工業的に
使用できない欠点がある。
【0004】この発明は、さらにこの欠点を解決するこ
とを目的に開発されたもので、この発明の重要な目的
は、ウェットエッチングによって安価に能率よく大量生
産でき、しかも、裏面電極をa−Si層に強固に密着で
きるアモルファスシリコン太陽電池を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のアモルファス
シリコン太陽電池は、前述の目的を達成するために、下
記の構成を備えている。すなわち、この発明のアモルフ
ァスシリコン太陽電池は、透明基板1上に、透明電極2
とa−Si層3と金属薄膜層4および裏面電極5を順々
に重ねて積層している。金属薄膜層4は、a−Si層3
と裏面電極5の双方に密着力が強金属、例えばTiと
W等が使用される。裏面電極5は耐アルカリ性で光反射
率の高い金属、例えば、AgやCuが使用されている。
裏面電極5、金属薄膜層4およびa−Si層3は、ウェ
ットエッチングによって、透孔6または切り溝7が設け
られている。
【0006】また、この発明のアモルファスシリコン太
陽電池の製造方法は、透明基板1上に、透明電極2と、
a−Si層3と、a−Si層3と裏面電極5の双方に密
着力が強金属薄膜層4と、耐アルカリ性の金属である
裏面電極5とを順々に重ねて積層する工程と、前記裏面
電極5と金属薄膜層4とをウェットエッチングする工程
と、前記a−Si層表面をフッ素化合物水溶液で前処理
した後、アルカリ水溶液でウェットエッチングすること
によりa−Si層3を貫通して透孔6または切り溝7を
設ける工程とを有するものである。
【0007】
【作用】この発明のアモルファスシリコン太陽電池は、
裏面電極5に耐アルカリ性の金属を使用し、金属薄膜層
4には、a−Si層3と裏面電極5の双方に密着力の強
い金属を使用している。この構造の太陽電池は、裏面電
極5と金属薄膜層4とをエッチングし、その後、a−S
i層3をエッチングするときに、裏面電極5の側縁がa
−Si層3をエッチングするアルカリ水溶液に腐食され
ることがない。
【0008】また、この発明のアモルファスシリコン太
陽電池は、裏面電極5を金属薄膜層4を介してa−Si
層3に積層している。このため、裏面電極5には、a−
Si層3に対する密着特性が要求されない。そこで、a
−Si層3に密着できないが、光の反射率に優れたAg
やCu等の金属を裏面電極5に使用することができる。
また、裏面電極5をa−Si層3に密着する金属薄膜層
4は、薄い膜であるために透明度が高く、裏面電極5で
光を効率よく反射し、IscとPmaxを向上できる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。但し、以下に示す実施例は、この発明の技術思
想を具体化するためのアモルファスシリコン太陽電池を
例示するものであって、この発明の太陽電池は、構成部
品の材質、形状、構造、配置、製造工程を下記のものに
特定するものでない。この発明の太陽電池は、特許請求
の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0010】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲」、および「課題を解決する為
の手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特
許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定す
るものでは決してない。
【0011】[実施例1]図1に示すシースルーのアモ
ルファスシリコン太陽電池は、ガラス基板等の透明基板
1に、透明電極2と、a−Si層3と、金属薄膜層4
と、裏面電極5とを積層している。この太陽電池は、下
記のようにして製造する。 (1) 透明基板1の表面に、スプレー法、CVD法、真
空蒸着、イオンプレーティング法、スパッタ法等の方法
で、ITOやSnO2等の透明電極2を設ける。 (2) 透明電極2の表面に、a−Si層3と、金属薄膜
層4と、裏面電極5とを積層して設ける。
【0012】金属薄膜層4と裏面電極5とはスパッタ法
で成膜した。金属薄膜層4は、Wの薄膜とし、膜厚を1
2オングストロームとした。裏面電極5は膜厚2000
オングストロームのCuとした。裏面電極5の表面に
は、2000オングストロームのTi層9を設ける。
【0013】このTi層は、Cuより成る裏面電極5の
腐食を防止するためのもので、耐候性の向上に寄与す
る。 (3) その後、図1に示すように、裏面電極5と金属薄
膜層4とa−Si層3とに多数の透孔6を設けて、入射
光の一部を透過させるシースルー太陽電池とするため
に、所望のパターンのレジスト膜8を塗布する。 (4) フッ硝酸を使用して、Ti層9の一部を、ウェッ
トエッチングして除去する。 (5) 塩化第2鉄溶液を使用して、Cuの裏面電極5の
一部をウェットエッチングして除去する。 (6) フェロシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(II)
酸カリウム、K4[Fe(CN)6])の溶液を使用し
て、Wである金属薄膜層4をウェットエッチングする。 (7) NaOH等のアルカリ溶液を使用して、a−Si
層3の一部をウェットエッチングする。
【0014】以上の工程で試作した太陽電池の電気的測
定をした結果を1に示している。
【0015】また、表1において、剥離試験は、別に試
作した太陽電池で測定した。この太陽電池は、透明基板
の表面に透明電極を設け、この透明電極の表面に、1c
m角の大きさで、a−Si層、金属薄膜層、裏面電極を
積層したものを使用した。剥離試験は、(1)と(2)の工
程で試作した透孔を開口する以前のものを使用した。剥
離試験に透孔のない太陽電池を使用したのは、透孔によ
って裏面電極の密着性がほとんど低下しないからであ
る。さらに、剥離試験は、1cm角の裏面電極の表面に
セロテープ(登録商標)を接着し、これを剥がして裏面
電極が剥離されるかどうかを測定した。
【0016】また、この表において、実施例1の太陽電
池が、従来品に比べていかに優れた特長を有するかを明
確にするために、金属薄膜層を介在させることなく、ス
パッタ法によってCuの裏面電極をa−Si層に積層し
たものも試作した。また、抵抗加熱法でa−Si層に裏
面電極を積層したものも試作して、比較した。
【0017】
【表1】
【0018】この表に示すように、実施例1で得られた
アモルファスシリコン太陽電池は、裏面電極にCuを使
用するにもかかわらず、a−Si層からの剥離が極減さ
れ、しかも、IscとPmaxも金属薄膜層のない従来
品と同等であった。
【0019】[実施例2]金属薄膜層4を、WからTi
とし、金属薄膜層4の膜厚を12〜300オングストロ
ームとし、金属薄膜層4をフッ硝酸でエッチングする以
外実施例1と同様にして、シースルーのアモルファスシ
リコン太陽電池を試作した。試作した太陽電池の特性を
表2に示している。
【0020】
【表2】
【0021】この表に示すように、実施例2で作製した
太陽電池は、裏面電極の剥離を皆無に出来ると共に、I
scとPmaxも金属薄膜層のない従来品と同等の優れ
た特性を示した。
【0022】[実施例3]図2は、集積型の太陽電池を
示している。この太陽電池は、下記の工程で製造され
る。 (1) 透明基板1であるガラス基板の表面に、透明電極
2をパターニングする。 (2) 透明電極2の所定の位置にAgペースト10を印
刷する。 (3) 全面にa−Si層3を形成する。 (4) a−Si層3の全面に、金属薄膜層4を介して裏
面電極5を積層する。
【0023】金属薄膜層4にはTiまたはWを使用す
る。裏面電極5にはAgを使用する。裏面電極5の表面
にはTi層9を設ける。 (5) レーザー溶着によって、裏面電極5をAgペース
ト10部分に接続する。 (6) その後、図2に示すように、裏面電極5と金属薄
膜層4とa−Si層3とに切り溝7を設けて集積型の太
陽電池とするために、熱可塑性樹脂のレジスト膜8を所
望のパターンに塗布する。 (7) フッ硝酸を使用して、Ti層9をエッチングす
る。 (8) 硝酸を用いて、Agである裏面電極5をウェット
エッチングする。 (9) 金属薄膜層4をウェットエッチングする。Wの金
属薄膜層4は、フェロシアン化カリウム(K4[Fe
(CN)6]ヘキサシアノ鉄(II)カリウム)を使用す
る。Tiの金属薄膜層4は、フッ硝酸を使用してウェッ
トエッチングする。
【0024】この工程で得られた集積型の太陽電池は、
表3に示す特性を示した。ただし、この表において、剥
離試験は実施例1と同じようにして測定した。すなわ
ち、剥離試験は、特別に試作した太陽電池を使用して試
験した。この太陽電池は、金属薄膜層の表面に密着した
透明電極に、1cm角の大きさでa−Si層と金属薄膜
層と裏面電極とを積層したもので、切り溝を設けないも
のを使用した。さらに、表3において太陽電池のVoc
とPmaxとは、1セルに換算して表示している。
【0025】
【表3】
【0026】この表に示すように、実施例3で得られた
アモルファスシリコン太陽電池は、裏面電極にAgを使
用して、a−Si層からの剥離を少なくすることができ
た。特に、金属薄膜層にWを使用したものは、Tiの金
属薄膜層よりも剥離特性が優れていた。さらに、この工
程で得られた太陽電池は、IscとPmaxとも優れた
特性を示した。
【0027】[実施例4]図3に、本発明の他の実施例
を示す。シースルーのアモルファスシリコン太陽電池
は、ガラス基板等の透明基板1に、透明電極2と、a−
Si層3と、金属薄膜層4と、裏面電極5とを積層して
いる。この太陽電池は、下記のようにして製造する。 (1) 透明基板1であるガラス基板の表面に、透明電極
2をパターニングする。 (2) 透明電極2の所定の位置にAgペースト10を印
刷する。 (3) 全面にa−Si層3を形成する。 (4) a−Si層3の全面に、金属薄膜層4を介して裏
面電極5を積層する。
【0028】金属薄膜層4は、Tiの薄膜とし、膜厚を
30オングストロームとした。裏面電極5は膜厚100
0オングストロームのCuとした。裏面電極5の表面に
は、500オングストロームのTi層9を設ける。
【0029】このTi層は、Cuより成る裏面電極5の
腐食防止するためのもので、耐候性の向上に寄与する。 (5) レーザー溶着によって、裏面電極5をAgペース
ト10部分に接続する。 (6) その後、図3に示すように、裏面電極5と金属薄
膜層4とa−Si層3とに切り溝7を設けて集積型の太
陽電池とするために、熱可塑性樹脂のレジスト膜8を所
望のパターンに塗布する。 (7) フッ硝酸を使用して、Ti層9をエッチングす
る。 (8) 塩化第2鉄(FeCl2)溶液を使用して、Cu
である裏面電極5をウェットエッチングする。 (9) フッ硝酸を使用して、Tiである金属薄膜層4の
エッチングとa−Si層3の表面処理を行う。 (10) NaOH等のアルカリ溶液を使用して、a−Si
層3をウェットエッチングする。 (11) 塩化第2鉄(FeCl2)溶液でCuである裏面
電極5を追加エッチングする。
【0030】ここで、裏面電極5を追加エッチングする
のは、a−Si層3のエッチングにより、裏面電極5と
a−Si層3との結合界面がアンダーカットされ裏面電
極5が露出するので、この裏面電極5と透明電極2とが
接触して短絡しないようにするためである。この追加エ
ッチングで裏面電極5の露出部分をエッチングする。
【0031】この工程で得られたアモルファスシリコン
太陽電池のシースルー開口部の断面図を図3に示す。上
記工程(9)でa−Si層の表面をフッ硝酸溶液で前処理
するのは、次の工程(10)でNaOHによるa−Si層の
エッチングをより確実に行うためである。つまり、あら
かじめa−Si層の表面をフッ硝酸で前処理していない
とa−Si層の表面に酸化物等の被膜が形成され、Na
OH溶液でのエッチングができなくなるからである。
【0032】[実験1]ここで、フッ硝酸による前処理
の実験を行った。下記のようにしてサンプル基板を作製
した。 (1) 透明基板1であるガラス基板の表面に、透明電極
2をパターニングする。 (2) 全面にa−Si層3を形成する。a−Si層3の
膜厚は3500オングストロームとした。 (3) a−Si層3の全面に、裏面電極5を積層する。
裏面電極5は膜厚1000オングストロームのCuとし
た。
【0033】上記の工程によりサンプル基板を2種類作
製して、塩化第2鉄溶液によって裏面電極5のCuをエ
ッチングした後、a−Si層3表面をフッ硝酸によって
前処理したものをサンプルA、前処理をしなかったもの
をサンプルBとして、次にa−Si層3をNaOH溶液
でエッチングした。
【0034】このサンプルA,Bの膜厚をそれぞれ数個
所測定し、その結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】a−Si層3の膜厚は、ガラス基板1及び
透明電極2の厚みが判っているのでNaOH溶液による
エッチング後のサンプル基板の厚みを測定することによ
ってa−Si層3の厚みは判る。
【0037】表4より、フッ硝酸による前処理を行った
サンプルAの場合、測定個所の基板の厚みは全て一定で
あり、a−Si層3は均一にエッチングされている。し
かし、前処理を行わなかったサンプルBの場合、基板の
厚みは300オングストロームから2800オングスト
ロームの範囲でバラツキが生じている。したがって、サ
ンプル基板Bは、均一にエッチングできていないことが
判る。
【0038】以上の結果より、フッ硝酸によるa−Si
層3の表面処理を行ってからa−Si層3をエッチング
するとバラツキのない均一なエッチングができる。
【0039】ここで、前処理と同じフッ硝酸溶液を用い
て、a−Si層をエッチングすることも考えられるが、
前処理で用いられるフッ硝酸溶液の濃度は数%であり、
このフッ硝酸溶液でa−Si層のエッチングを行うには
濃度が低いために、a−Si層を完全にエッチングする
には長時間を要する。そこで、フッ硝酸の濃度を数十%
に高くしてa−Si層のエッチングを行うと、時間は短
くなるが高濃度のフッ硝酸溶液を用いるためにガラス基
板を腐食してしまうという弊害が生じる。したがって、
a−Si層のエッチングにフッ硝酸を使用することはで
きない。
【0040】実施例4ではフッ硝酸でa−Si層3の表
面処理をしたが、フッ酸(HF)、フッ化ホウ素酸(H
BF4)等のフッ素化合物水溶液であれば同様の効果が
ある。
【0041】[実施例5]実施例4の製造工程におい
て、(4)の裏面電極5の表面に500オングストローム
のNi層9′を形成し、(11)で塩化第2鉄溶液で裏面電
極5であるCuとその表面にあるNi層9′を追加エッ
チングする以外は同様の方法でアモルファスシリコン太
陽電池を作製する。
【0042】[実施例6]実施例4の製造工程におい
て、(4)の裏面電極5の表面に500オングストローム
のNiCu層9″を形成し、(11)で塩化第2鉄溶液で裏
面電極5であるCuとその表面にあるNiCu層9″を
追加エッチングする以外は同様の方法でアモルファスシ
リコン太陽電池を作製する。
【0043】実施例4では、金属薄膜層4のTiと裏面
電極5のCuの表面に形成する層9のTiと、材料が共
通化することができるために、スパッタ法によって成膜
する場合、3層膜にもかかわらず、ターゲットがTiと
Cuの2個ですむために安価に製造することができる。
【0044】実施例5では、裏面電極5のCuとその表
面に形成するNi層9′とを追加エッチングするとき
に、塩化第2鉄(FeCl2)溶液で両方ともエッチン
グできるために、Ni層9′が裏面電極5のCuの上で
せり出した形(オーバーハング状態)で残ってNi層
9′と透明電極2とが接触して短絡不良となる確率を極
減することができる。
【0045】実施例6では、裏面電極の表面にNiCu
層9″を形成した。スパッタ法で成膜する場合、強磁性
体を成膜するにはマグネットを強力なものにする必要が
あるため装置が高価なものとなる。また、強磁性体のタ
ーゲットの使用効率は非磁性体材料と比較して悪い。こ
れらの欠点を解消するため実施例6では、非磁性体材料
のNiCu合金を用いて成膜した。このNiCu層は塩
化第2鉄(FeCl2)溶液でもエッチングできるた
め、裏面電極5と共通のエッチング液で同時にエッチン
グすることができる。
【0046】NiCu合金におけるNiとCuの割合
は、腐食性を考えてNi量が多いほうが好ましいが、こ
の合金の磁気変態が表れるまでならどんな割合でも実施
例6と同様な効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】この発明のアモルファスシリコン太陽電
池は、金属薄膜層を介して裏面電極をa−Si層に密着
し、さらに、金属薄膜層にはa−Si層と裏面電極の双
方に密着力が強い金属を使用し、また、裏面電極には耐
アルカリ性の金属を使用し、この状態に積層したa−S
i層と金属薄膜層と裏面電極とをウェットエッチングに
よって透孔または切り溝を設けている。したがって、こ
の発明のアモルファスシリコン太陽電池は、ウェットエ
ッチングによって、シースルー太陽電池、または集積型
太陽電池を安価に能率よく多量生産できる特長を実現す
る。ウェットエッチングによって透孔または切り溝を能
率よく安価に処理できるのは、裏面電極に耐アルカリ性
の金属を使用して、a−Si層をエッチングする溶液
面電極の側縁がエッチングされるのを防止できること
が理由である。
【0048】また、a−Si層の表面をフッ硝酸であら
かじめ処理することにより、次に行うNaOH溶液での
a−Si層のエッチングがスムーズにでき、a−Si層
のエッチングによる不均一性を解消することができる。
【0049】さらに、この発明のアモルファスシリコン
太陽電池は、このことに加えて、裏面電極にAgやCu
等の光の反射率に優れた金属を使用してこれをa−Si
層に確実に密着できる。また、a−Si層と裏面電極と
の間に介在する金属薄膜層を極めて薄くすることによっ
て、この薄膜での光の吸収を極減することができる。こ
のため、a−Si層を透過した光を裏面電極で効率よく
反射することができ、入射光線をa−Si層に高効率に
照射して太陽電池にとって大切な、IscやPmaxを
向上することができる。
【0050】すなわち、この発明のアモルファスシリコ
ン太陽電池は、簡単に能率よく安価に多量生産できるに
もかかわらず、優れた電気特性を実現する理想的な特長
を備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシースルーアモルファスシリコン太
陽電池の一例を示す断面図
【図2】この発明の集積型アモルファスシリコン太陽電
池の一例を示す断面図
【図3】この発明のシースルーアモルファスシリコン太
陽電池の一例を示す断面図
【符号の説明】
1・・・透明基板 2・・・透明電極 3・・・a−Si層 4・・・金属薄膜層 5・・・裏面電極 6・・・透孔 7・・・切り溝 8・・・レジスト膜 9・・・Ti層 9′・・Ni層 9″・・NiCu層 10・・・Agペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 康義 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 大月 正敏 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−194370(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板(1)上に、透明電極(2)とアモル
    ファスシリコン層(3)と金属薄膜層(4)および裏面電極
    (5)を順々に重ねて積層しており、 前記金属薄膜層(4)が、アモルファスシリコン層(3)と裏
    面電極(5)の双方に密着力が強金属で、裏面電極(5)は
    耐アルカリ性の金属であり、ウェットエッチングによっ
    て前記裏面電極(5)、金属薄膜層(4)およびアモルファス
    シリコン層(3)を貫通して透孔(6)または切り溝(7)を設
    けてなるアモルファスシリコン太陽電池。
  2. 【請求項2】 透明基板(1)上に、透明電極(2)と、アモ
    ルファスシリコン層(3)と、アモルファスシリコン層(3)
    と裏面電極(5)の双方に密着力が強金属薄膜層(4)と、
    耐アルカリ性の金属である裏面電極(5)とを順々に重ね
    て積層する工程と、 前記裏面電極(5)と金属薄膜層(4)とをウェットエッチン
    グする工程と、 前記アモルファスシリコン層表面をフッ素化合物水溶液
    で前処理した後、アルカリ水溶液でウェットエッチング
    することによりアモルファスシリコン層(3)を貫通して
    透孔(6)または切り溝(7)を設ける工程とを有するアモル
    ファスシリコン太陽電池の製造方法。
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