JP2910955B2 - 混濁物分離装置 - Google Patents

混濁物分離装置

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JP2910955B2 JP7380192A JP7380192A JP2910955B2 JP 2910955 B2 JP2910955 B2 JP 2910955B2 JP 7380192 A JP7380192 A JP 7380192A JP 7380192 A JP7380192 A JP 7380192A JP 2910955 B2 JP2910955 B2 JP 2910955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気液混その渦流を利用
した混濁物分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体(気体または液体)から、該流体に含
まれる異相成分(例えば、固体粒子)を分離する分離装置
の1つであるサイクロンは、従来より知られている(例
えば、実開昭63−152656号公報参照)。そし
て、サイクロンにおいては、一般に、円筒部と円錐部と
からなる外筒に原液が接線方向に供給され、外筒内に生
じる旋回流による遠心力によって、混濁物が外筒(円錐
部)の下端部に集められ、下端出口から混濁物含有率の
高い濃厚液が排出される一方、外筒(円筒部)の上端部に
配置された内筒から清澄液が排出されるようになってい
る。かかるサイクロンは、構造が簡素かつコンパクトで
あり、とくには駆動機構を要しないといった利点があ
る。
【0003】そして、サイクロンにおいては、その分離
効率は、実質的に、液体の旋回流速度及び旋回流径すな
わち遠心力の強さと、流体と異相成分との間の比重差と
によって支配される。なお、分離効率が、サイクロンの
形状、例えば外筒径、内筒径等によっても左右されるの
はもちろんである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるサイ
クロンは、混濁物を含む液体を、混濁物含有率の高い濃
厚液と、混濁物を実質的に含まない清澄液とに分離する
ためにも用いられ、かかるサイクロンは液体サイクロン
(湿式サイクロン)と呼ばれる。しかしながら、かかる液
体サイクロンにおいては、気体サイクロンの場合とは違
って、液体の旋回流速度をそれほど大きくすることがで
きないので、それほど強い遠心力は得られない。また、
液体と混濁物との間の比重差は概して小さく、とくに混
濁物が有機物である場合には、比重差が非常に小さくな
る。このため、液体サイクロンにおいては、分離効率が
比較的低く、実用レベルでは気体サイクロンほどは普及
していないのが現状である。
【0005】これを改善すべく、原液に圧搾空気を圧入
し、この圧搾空気によって遠心力を高め、分離効率を高
めるようにした液体サイクロンが提案されている(特開
昭57−24652号公報参照)。すなわち、液体中に
気体を分散させるとそのみかけ上の粘度が低くなるの
で、その分旋回流速度が高められ、遠心力が増加するわ
けである。しかしながら、かかる圧搾空気の圧入による
遠心力の増加はそれほど大きくないので、液体サイクロ
ンの分離効率が十分に高められるまでには至っていな
い。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、混濁物の分離効率を十分に
高めることができる、簡素でかつコンパクトな混濁物分
離装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、混濁物を含む原液を、混濁物含有率
の高い濃厚液と混濁物含有率の低い清澄液とに分離する
混濁物分離装置であって、(a)原液を供給する原液供給
通路と、(b)原液供給通路内の原液に気体を分散させて
注入する気体注入手段と、(c)原液供給通路から流入し
た原液を旋回させて径方向の静圧差を生じさせ、該静圧
差によって原液中の気体粒子を中心部に移動させ、該中
心部に気液混相渦流を生じさせ、該気液混相渦流により
混濁物を渦流軸線方向の一端側に集中させて原液を濃厚
液と清澄液とに分離する混濁物分離部と、(d)混濁物分
離部内の濃厚液を排出する濃厚液排出通路と、(e)混濁
物分離部内の清澄液を排出する清澄液排出通路とが設け
られていることを特徴とする混濁物分離装置を提供す
る。
【0008】第2の発明は、第1の発明にかかる混濁物
分離装置において、(a)混濁物分離部が、大径の外筒部
材と、該外筒部材内に略同軸状に配置される小径の内筒
部材とで構成されていて、(b)内筒部材の第1の端面
が、外筒部材の対向する端面とは離間するように形成さ
れていて、上記第1の端面に内筒部材内空間部と外筒部
材内空間部とを連通させる連通部が形成され、かつ内筒
部材の第2の端面に清澄液排出通路が接続され、(c)外
筒部材の周面に、原液供給通路が外筒部材周方向を指向
して接続され、かつ内筒部材の上記第1の端面と対向す
る外筒部材の端面に、濃厚液排出通路が接続されている
ことを特徴とする混濁物分離装置を提供する。
【0009】第3の発明は、第2の発明にかかる混濁物
分離装置において、内筒部材の第1の端面が平板状に形
成されていて、その略中心部に連通部が設けられている
ことを特徴とする混濁物分離装置を提供する。
【0010】第4の発明は、第2の発明にかかる混濁物
分離装置において、内筒部材の第1の端面が外方に膨出
するテーパ状に形成されていて、その頂部に連通部が設
けられていることを特徴とする混濁物分離装置を提供す
る。
【0011】第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる混濁物分離装置において、内筒部材の第
1の端面に、連通部を囲みつつ外方に突出する円管部材
が設けられていることを特徴とする混濁物分離装置を提
供する。
【0012】第6の発明は、第2〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる混濁物分離装置において、内筒部材の第
1の端面に、連通部を囲みつつ内方に突出する円管部材
が設けられていることを特徴とする混濁物分離装置を提
供する。
【0013】第7の発明は、原液と気体とを接触させ、
気液間で物質移動を行わせる気液接触装置であって、
(a)原液を供給する原液供給通路と、(b)原液供給通路内
の原液に所定の気体を分散させて注入する気体注入手段
と、(c)原液供給通路から流入した原液を旋回させて径
方向の静圧差を生じさせ、該静圧差によって原液中の気
体粒子を中心部に移動させ、該中心部に気液混相渦流を
生じさせ、該気液混相渦流によって気液間の物質移動速
度を高める気液接触部と、(d)気液接触後の気体及び液
体を排出する気液排出通路とが設けられていることを特
徴とする気液接触装置を提供する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1〜図3に示すように、混濁物分離装置S1は、基本
的には、液体と非溶解性の混濁物とが混合されてなるス
ラリ状の原液を、エアを分散させて注入した上で、原液
供給通路1を通して混濁物分離部2に供給し、この混濁
物分離部2で、混濁物をほとんど含まない清澄液と、混
濁物含有率の高い濃厚液(スラッジ)とに分離し、清澄液
を清澄液排出通路3を通して排出する一方、濃厚液を上
側濃厚液排出通路4と横側濃厚液排出通路5とを通して
排出するようになっている。そして、原液供給速度は第
1バルブ6によって調節され、清澄液排出速度は第2バ
ルブ7によって調節され、上側濃厚液排出通路4と横側
濃厚液排出通路5とからの濃厚液排出速度は、夫々、第
3バルブ8と第4バルブ9とによって調節されるように
なっている。なお、後で説明するように、上側濃厚液排
出通路4からは、エアと混濁物中の比重ないし粒径の小
さい成分とが排出され、横側濃厚液排出通路5からは混
濁物中の比重ないし粒径の大きい成分が排出されるよう
になっている。
【0015】以下、混濁物分離装置S1の各部の具体的
な構造を説明する。原液供給通路1には、エジェクタ1
1が介設され、このエジェクタ11には、その負圧によ
ってエア供給通路12からエアが吸い込まれるようにな
っている。なお、エア流量はエア調節バルブ13によっ
て調節される。このエジェクタ11で、エアが細かく分
散されて原液中に注入される。
【0016】混濁物分離部2には、下方に狭まる略円錐
形の外筒部材15と、該外筒部材15内に配置され下方
に狭まる略円錐形の内筒部材16とが設けられている。
ここで、内筒部材16の上端部16aは、外筒部材15
の上端部15aとは所定の間隔をあけて配置されてい
る。そして、内筒部材16の上端部16aは、外方に若
干膨出する鈍い円錐状に形成され、その頂部には、内筒
部材16内の空間部と外筒部材15内の空間部(但し、
内筒部材外部)とを連通させる連通穴17が形成されて
いる。また、内筒部材16の底部は外筒部材15の底部
に接合され、内筒部材16は下端部では、外筒部材15
と仕切られている。そして、外筒部材15の内周面に
は、原液供給通路1がほぼ外筒部材周方向を指向するよ
うにして開口している。このため、原液供給通路1から
外筒部材15内に流入した原液は、外筒部材15内に旋
回流を生成する。
【0017】内筒部材16の下端部には下側パイプ18
が接続され、この下側パイプ18の他端は清澄液排出通
路3に接続されている。そして、下側パイプ18の下端
部近傍には、支持部材19によって支持された気液混相
渦流係止部材20が設けられている。この気液混相渦流
係止部材20は、後で説明する気液混相渦流が、これよ
り下流側に侵入するのを防止するために設けられてい
る。
【0018】外筒部材15の上端部15aには、上側パ
イプ21が接続され、この上側パイプ21の上端部には
上側から下方に向かって上側濃厚液排出通路4が差し込
まれている。このため、上側パイプ21は、その上端部
近傍では2重管構造となっている。また、上側パイプ2
1の上端部近傍において、上側パイプ21の内周面に
は、横側濃厚液排出通路5がほぼ上側パイプ部材周方向
を指向するようにして開口している。
【0019】図4に、上記の混濁物分離装置S1とは基
本的には同一構成であるが、以下の点で若干構成が異な
る第2の混濁物分離装置S2を示す。すなわち、図4に
示すように、混濁物分離装置S2では、外筒部材15'
と内筒部材16'とが略円柱形に形成されている。ま
た、内筒部材16'の上端部16'aに、連通穴17を囲
むようにして内筒部材16'の内側(下方)に突出する円
管部材24が設けられている。かかる円管部材24は混
濁物の分離効率を高める機能を有する。なお、円管部材
24を、外方(上方)に突出させてもよい。さらに、横側
濃厚液排出通路5とこれを開閉するバルブ9とが2組設
けられ、上側パイプ21の上端部付近での渦流を強める
ようになっている。また、外筒部材15'の周面に予備
通路25が接続され、この予備通路25の他端はフラン
ジ26で閉止されている。なお、図1〜図4に示す両混
濁物分離装置S1,S2は、縦置きに配置されている
が、これらを横置きにしてもよい。
【0020】以下、図4に示す混濁物分離装置S2を例
にとって、その機能ないし作用を説明する。外筒部材1
5'ないし内筒部材16'内での液体の流れ特性は、図5
(a),(b),(c)の通りである。図5(a),(b),(c)から明らか
なとおり、エアを伴って原液供給通路1から外筒部材1
5'内に流入した原液は、外筒部材15'内に旋回流を生
成する。
【0021】図8に示すように、かかる旋回流は、中心
部付近(r0〜r1)では旋回流速が旋回半径にほぼ比例する
コア部を形成し、該コア部の外側(r1〜r2)では、旋回流
速が旋回半径にほぼ反比例する準自由渦部を形成する。
このため、外筒部材15'内には、遠心力分布G(r)が形
成され、かかる遠心力分布によってな静圧分布P(r)が
形成される。なお、上下方向の静圧分布は、図9に示す
とおりであり、A〜C間の静圧がとくに低くなってい
る。一般に径方向の静圧分布は、遠心力分布を積分する
ことによって求められる。すなわち、静圧Pと遠心力G
の間には、次の式1のような関係が成立する。
【数1】 dP/dr=ρ・d(r・G)/dr………………………………式1 ρ……液体密度 r………半径 この静圧分布においては、静圧が、周縁部(r2)で最も高
くなり、中心部(r0)に向かって急速に低下している。こ
のため、外筒部材15'内の液体中のエア粒子には、か
かる静圧分布ないし静圧落差ΔPによって、中心部に向
かう非常に強い浮力が作用する。
【0022】したがって、図6に示すように、外筒部材
15'内において、エア粒子は旋回しつつ急速に中心部
に移動し、外筒部材15'の中心部には、液体とエアと
が異相で激しく渦巻く渦流、いわゆる気液混相渦流T
2(トルネード)が発生する。この気液混相渦流T2は、激
しく旋回しつつ上側パイプ21内を上昇し、上側濃厚液
排出通路4内に達する。ここにおいて、液体中に浮遊し
ている混濁物は、気液混相渦流T2とともに上側パイプ
21内を旋回しつつ上昇する。そして、混濁物中の比重
ないし粒径の大きい成分は、強い遠心力を受けるので上
側パイプ21の周縁側に多く集まり、比重ないし粒径の
小さい成分はそれほど強い遠心力を受けないので上側パ
イプ21の中心部付近に多く集まる。したがって、上側
濃厚液排出通路4からは、エアと比重ないし粒径の小さ
い成分とを含む濃厚液が排出され、横側濃厚液排出通路
5からは、比重ないし粒径の大きい成分を含む濃厚液が
排出される。
【0023】内筒部材16'内の液体は、前記したとお
り、下側パイプ18と清澄液排出通路3とを介して排出
される。したがって、外筒部材15'内(但し、内筒部材
外)の液体の一部は、連通穴17を介して内筒部材16'
内へ流入する。このとき、静圧落差ΔPによって中心部
付近に集まっているエア粒子は、急激に内筒部材16'
内に入り込み、かかるエア粒子によって、内筒部材1
6'内にも気液混相渦流T1が生成される。この気液混相
渦流T1は、液体の下方への流れにのって、下側パイプ
18内に入り込む。しかしながら、下側パイプ18の下
端部付近には気液混相渦流係止部材20が設けられてい
るので、気液混相渦流T1はここより下流側には入り込
まない。
【0024】図7に拡大して示すように、気液混相渦流
1が形成される際には、まず内筒部材16'の外周部に
押し付けられている、エア粒子を多く含む液体層33中
のエア粒子32が多量に連通穴17を通って内筒部材1
6'内へ入り込む。このとき、連通穴17よりやや下側
の領域には、エア粒子32が密集した層が形成される。
そして、このエア粒子32が密集した層は、混濁物粒子
31の内筒部材16'内への侵入を妨げる。すなわち、
混濁物粒子31に対してフィルタ作用を及ぼす。このた
め、内筒部材16'には混濁物が入り込まず、清澄液排
出通路4からは、ほとんど混濁物を含まない清澄液が排
出される。このような簡素な構成で、原液供給通路1か
ら混濁物分離部2に供給された原液が、非常に高い分離
効率で、ほとんど混濁物を含まない清澄液と、エアと比
重ないし粒径の小さい混濁物成分とを含む濃厚液と、比
重ないし粒径の大きい混濁物成分を含む濃厚液とに分離
される。
【0025】ところで、かかる混濁物分離装置において
は、外筒部材15,15'内で静圧落差ΔPによってエア
粒子が中心部に移動する際、静圧の低下によってエア粒
子が急膨張するので、気液が激しく接触し、かつ気液接
触面積が非常に大きくなる。また、気液混相渦流内でも
気液が激しく接触する。
【0026】したがって、図10に示すように、下側パ
イプ以下の部分を設けず、あるいは清澄液排出通路のバ
ルブを完全に閉止すれば、混濁物を分離することはでき
ないが、気液を激しく接触させることはできる。なお、
この場合の、径方向の遠心力分布及び静圧分布は、図1
1のとおりである。そこで、図10に示す装置は、これ
を気液接触装置として用いることができる。例えば、所
定の液体X1に溶解度の高い(ヘンリー定数の小さい)気
体Y1を効果的に吸収させることができる。この場合
は、原液供給通路1に液体X1を通し、エジェクタ11
に気体Y1を供給すれば、外筒部材15内ないし上側パ
イプ21内で、気液が激しく接触し、気体Y1が効果的
に液体X1に吸収される。また、溶解度の小さい(ヘン
リー定数の大きい)気体Y2を含む液体X2から、気体
Y2を効果的に除去することができる。この場合は、原
液供給通路1に液体X2を通し、エジェクタ11に所定
のイナートガスを供給すれば、外筒部材15ないし上側
パイプ21内で、液体X2中の気体Y2がイナートガス
中に効果的に放散される。
【0027】また、図10に示す装置は、外筒部材15
内で急激な静圧変化が生じるので、滅菌機能を有する。
したがって、この装置を用いれば、所定の液体を無薬注
滅菌することができる。なお、この場合、エジェクタ1
1にオゾンを供給し、あるいは外筒部材15内の液体に
紫外線を照射し、または超音波をあてれば滅菌効果を高
めることができる。さらに、図10に示す装置は、その
高い気液接触性を利用して、アルコール燃料等へのエア
の分散(燃焼性)の促進、気液反応系に対する触媒作用の
促進、凝集反応の促進、気液系の熱交換作用の促進等を
図るために用いることができる。
【0028】以下、本願発明者らが、本発明にかかる混
濁物分離装置の好ましい構成、好ましい操作条件等を知
るために行った各種実験結果を説明する。 (1)実験1 図12(a)〜(f)、図13(g)〜(l)および図14(m)〜(p)
は、次の実験条件で、内筒部材の位置、大きさ、連通穴
径等の好ましい構成を知るために行った実験の結果であ
る。 <実験条件> 混濁物分離部……大型円錐形 混濁物……………のこくず(3mmふるいアンダ、比重約
1.2) 液体………………水 原液供給圧………2K なお、ここにおいて評価Aは分離効果・大を意味し、評
価Bは分離効果・中を意味し、評価Cは分離効果・小を
意味する。なお、これはその他の実験においても同様で
ある。この実験1からは、概ね次のようなことがわかる (a)内筒部材の上端部は、平板形または外方へ膨出する
山形が好ましい。 (b)内筒部材の上端部位置が高すぎるのは好ましくな
い。 (c)内筒部材が大きすぎるのは好ましくない。 (d)連通穴が大きすぎるのは好ましくない。
【0029】(2)実験2 図15〜図17は、実験1と同様の条件で、内筒部材の
上端部の好ましい構成を知るために行った実験の結果で
ある。なお、ここで評価の数字は、100を満点とする
評価点数である。この実験2からは、概ね次のようなこ
とがわかる (a)内筒部材の上端部が内方(下方)に膨出するのは好ま
しくない。 (b)内筒部材の連通穴まわりに円管部材を設けるのが好
ましい。
【0030】(3)実験3 図18〜図19は、実験1と同様の条件で、ただし原液
供給圧を3Kとして、内筒部材の上端部の好ましい構成
と上側パイプの好ましい形状とを知るために行った実験
の結果である。なお、ここで評価の数字は、100を満
点とする評価点数である。また、表1は、この実験3の
実験条件および実験結果をさらに詳細に示している。な
お、表1におけるアイテム1〜6は、夫々図18(a)〜
(f)に対応し、アイテム7〜12は、夫々図19(a)〜
(f)に対応する。
【表1】 この実験3からは、概ね次のようなことがわかる。 (a)清澄水の引き抜き量は、原液供給量の40〜50%
が可能である。 (b)上側パイプの上部形状は、円筒型の方がテーパ型よ
りやや好ましい。
【0031】(4)実験4 図20〜図22は、次の実験条件で、内筒部材の好まし
い構成を知るために行った実験の結果である。 <実験条件> 混濁物分離部……大型円筒形 混濁物……………のこくず(3mmふるいアンダ、比重約
1.2) 液体………………水 原液供給圧………3K なお、ここで評価の数字は清澄液(下出口)のSS濃度(m
g/l)である。また、表2は、この実験4の実験条件及
び実験結果をさらに詳細に示している。なお、表2にお
けるアイテム1〜3は夫々図20(a)〜(c)に対応し、ア
イテム4〜6は夫々図21(a)〜(c)に対応し、アイテム
7〜9は夫々図22(a)〜(c)に対応する。
【表2】 この実験4からは、概ね次のようなことがわかる (a)内筒部材は小さいほうが好ましい。 (b)連通穴径が20mmを超えるのは好ましくない。 (c)清澄水の引き抜き量が、原液供給量の50%を超え
ても分離効果が低下せず、円錐型の場合より安定性が高
い。
【0032】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、混濁物分離
部内に生じる静圧差に起因する浮力によって中心部に移
動するエア粒子と、液体とからなる気液混相渦流によっ
て、原液中の混濁物が濃厚液排出通路に排出され、かつ
中心部に移動したエアのフィルタ効果によって、混濁物
の清澄液排出通路への侵入が防止されるので、簡素な構
成で、分離効率を高めることができる。
【0033】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、外筒部材内
に強い静圧落差が生じるので、簡素な構成で分離効率を
一層高めることができる。
【0034】第3の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、内筒部材の
第1の端面が平板状に形成されるので、気液混相渦流に
よる混濁物分離性と、エア粒子のフィルタ効果とが一層
高められる。
【0035】第4の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、内筒部材の
第1の端面が外方に膨出するテーパ状に形成されるの
で、気液混相渦流による混濁物分離性と、エア粒子のフ
ィルタ効果とが一層高められる。
【0036】第5の発明によれば、基本的には第2〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、外方に突出する円管部材によって、気液混
相渦流による混濁物分離性と、エア粒子のフィルタ効果
とが一層高められる。
【0037】第6の発明によれば、基本的には第2〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、内方に突出する円管部材によって、気液混
相渦流による混濁物分離性と、エア粒子のフィルタ効果
とが一層高められる。
【0038】第7の発明によれば、気液接触部内に生じ
る静圧差に起因する浮力によってエア粒子が中心部に移
動する際、静圧の低下によって急膨張するので、気液間
の物質移動が促進される。また、気液混相渦流内で気液
が激しく接触するので、気液間の物質移動がさらに促進
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 混濁物分離装置の一部断面立面説明図であ
る。
【図2】 図1に示す混濁物分離装置の上側パイプ上端
部位置における平面断面説明図である。
【図3】 図1に示す混濁物分離装置の下側パイプ下端
部位置における平面断面説明図である。
【図4】 もう1つの好ましい混濁物分離装置の一部断
面立面説明図である。
【図5】 (a)〜(c)は混濁物分離部内での液体の流動状
態を示す図である。
【図6】 混濁物分離部内でのエアの動きと気液混相渦
流の状態とを示す図である。
【図7】 図6の連通穴まわりを拡大して示した図であ
る。
【図8】 遠心力及び静圧の径方向の分布特性を示す図
である。
【図9】 静圧の上下方向の分布特性を示す図である。
【図10】 気液接触装置の模式図である。
【図11】 遠心力及び静圧分布の径方向の分布特性を
示す図である。
【図12】 (a)〜(f)は、混濁物分離部の好ましい構成
を知るために行った実験結果を示す図である。
【図13】 (g)〜(l)は、混濁物分離部の好ましい構成
を知るために行った実験結果を示す図である。
【図14】 (m)〜(p)は、混濁物分離部の好ましい構成
を知るために行った実験結果を示す図である。
【図15】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【図16】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【図17】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【図18】 内筒部材及び上側パイプの好ましい構成を
知るために行った実験結果を示す図である。
【図19】 内筒部材及び上側パイプの好ましい構成を
知るために行った実験結果を示す図である。
【図20】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【図21】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【図22】 内筒部材の好ましい構成を知るために行っ
た実験結果を示す図である。
【符号の説明】
S1,S2…混濁物分離装置 1…原液供給通路 2…混濁物分離部 3…清澄液排出通路 4…上側濃厚液排出通路 5…横側濃厚液排出通路 11…エジェクタ 12…エア供給通路 15…外筒部材 15a…上端部 16…内筒部材 16a…上端部 17…連通穴 24円管部材

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混濁物を含む原液を、混濁物含有率の高
    い濃厚液と混濁物含有率の低い清澄液とに分離する混濁
    物分離装置であって、 原液を供給する原液供給通路と、 原液供給通路内の原液に気体を分散させて注入する気体
    注入手段と、 原液供給通路から流入した原液を旋回させて径方向の静
    圧差を生じさせ、該静圧差によって原液中の気体粒子を
    中心部に移動させ、該中心部に気液混相渦流を生じさ
    せ、該気液混相渦流により混濁物を渦流軸線方向の一端
    側に集中させて原液を濃厚液と清澄液とに分離する混濁
    物分離部と、 混濁物分離部内の濃厚液を排出する濃厚液排出通路と、 混濁物分離部内の清澄液を排出する清澄液排出通路とが
    設けられていることを特徴とする混濁物分離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された混濁物分離装置に
    おいて、 混濁物分離部が、大径の外筒部材と、該外筒部材内に略
    同軸状に配置される小径の内筒部材とで構成されてい
    て、 内筒部材の第1の端面が、外筒部材の対向する端面とは
    離間するように形成されていて、上記第1の端面に内筒
    部材内空間部と外筒部材内空間部とを連通させる連通部
    が形成され、かつ内筒部材の第2の端面に清澄液排出通
    路が接続され、 外筒部材の周面に、原液供給通路が外筒部材周方向を指
    向して接続され、かつ内筒部材の上記第1の端面と対向
    する外筒部材の端面に、濃厚液排出通路が接続されてい
    ることを特徴とする混濁物分離装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された混濁物分離装置に
    おいて、 内筒部材の第1の端面が平板状に形成されていて、その
    略中心部に連通部が設けられていることを特徴とする混
    濁物分離装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された混濁物分離装置に
    おいて、 内筒部材の第1の端面が外方に膨出するテーパ状に形成
    されていて、その頂部に連通部が設けられていることを
    特徴とする混濁物分離装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
    載された混濁物分離装置において、 内筒部材の第1の端面に、連通部を囲みつつ外方に突出
    する円管部材が設けられていることを特徴とする混濁物
    分離装置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
    載された混濁物分離装置において、 内筒部材の第1の端面に、連通部を囲みつつ内方に突出
    する円管部材が設けられていることを特徴とする混濁物
    分離装置。
  7. 【請求項7】 原液と気体とを接触させ、気液間で物質
    移動を行わせる気液接触装置であって、 原液を供給する原液供給通路と、 原液供給通路内の原液に所定の気体を分散させて注入す
    る気体注入手段と、 原液供給通路から流入した原液を旋回させて径方向の静
    圧差を生じさせ、該静圧差によって原液中の気体粒子を
    中心部に移動させ、該中心部に気液混相渦流を生じさ
    せ、該気液混相渦流によって気液間の物質移動速度を高
    める気液接触部と、 気液接触後の気体及び液体を排出
    する気液排出通路とが設けられていることを特徴とする
    気液接触装置。
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