JP2910026B2 - 切換開閉器 - Google Patents

切換開閉器

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JP2910026B2 JP6242283A JP24228394A JP2910026B2 JP 2910026 B2 JP2910026 B2 JP 2910026B2 JP 6242283 A JP6242283 A JP 6242283A JP 24228394 A JP24228394 A JP 24228394A JP 2910026 B2 JP2910026 B2 JP 2910026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常用電源と予備電源とを
切換える切換開閉器に関し、特に配電線の短絡事故時に
おける短時間電流・短絡投入電流特性及び遮断特性の改
良を行なうと共にシステム全体をコンパクト化した切換
開閉器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の切換開閉器として実公昭
40−17149号公報、特公昭61−42370号公
報、特公昭61−1857号公報とに開示されるものが
ある。これらに示される従来の切換開閉器を図5ないし
図7に示す。図5は従来の切換開閉器における接触子の
詳細構成図、図6は従来の切換開閉器における接触子の
動作態様図、図7は従来の安全保護システムの概略構成
図を示す。
【0003】一般的に、配電線の短絡事故時において
は、切換開閉器が投入状態のときに負荷側に事故が発生
して短絡電流(過大電流)が短時間通電される場合と、
切換開閉器が開放状態のときに負荷側に短絡事故が発生
してこの事故回路を投入する場合がある。このような短
絡電流(過大電流)通電時においては、接触子が通電電
流の電磁力により反跳し、場合により接点の溶着又は開
閉器の爆発等が発生することがある。
【0004】この短絡事故時に対応したものとして、前
記図5(A)、(B)、(C)において従来の切換開閉
器は、固定接触子101に磁性体103を固定すると共
に、可動接触子102に磁性体104を固定し、前記固
定接触子101に可動接触子102を接続させた状態で
各磁性体103、104の間に間隙Gが形成され、過電
流通電時には前記接続状態において固定接触子101及
び可動接触子102に流れる電流Iにより磁性体10
3、104内に磁束Mを発生させて磁束Mの吸引力によ
り固定接触子101に可動接触子102を密接接合させ
る構成である。
【0005】次に、前記構成に基づく従来の切換開閉器
の遮断動作について説明する。同図(A)に示すように
固定接触子101と可動接触子102とは接合状態にあ
る。この状態から同図(B)のような遮断状態に移行す
る場合には、アークAが発生すると共に、磁束φが可動
接触子102の磁性体104には到達せず、中間の空中
を通ることにより磁気閉回路を形成している。この状態
の側面図を同図(C)において示す。同図において電流
Iが作る磁束の分布は磁性体103によりその近傍のみ
は極度に透磁率が高いため、磁束密度が増加する。した
がってアーク電流により発生する磁束φ1及びφ2(φ1
=−φ2)に磁性体により局部的に発生する磁束φ3が重
畳される。
【0006】 したがって、固定接触部のアーク点の左
右においては|φ1+φ3|−|φ2|>0で表される磁
束密度の不平衡が発生するためアークAに対して磁束密
度の希薄な方向へ電磁力が働く。この効果は可動接触子
102側には発生しない。実験的に観察すると、この電
磁力のために、固定接触子102のアーク点がP方向へ
急速に移動すると共に残留イオンも同時に同方向へ移動
されるので、アーク柱が細く、且つアーク長が長くなり
遮断に極めて有効である。
【0007】図6(A)において従来の切換開閉器は、
電源(図示を省略)側に接続される2つの固定接触子2
20、230の間を負荷(図示を省略)側に接続される
1つの可動接触子210が図示矢印B、C方向に揺動
し、いずれかの固定接触子220、230に可動接触子
210を接続する構成である。この構成に基づいて従来
の切換開閉器は可動接触子210をいずれかの固定接触
子220(又は230)に揺動させて接続し、この接続
された固定接触子220(又は230)と可動接触子2
10とを介して電源側から負荷側へ電源を供給する。こ
の電源供給状態において負荷側で地絡事故等が生じた場
合には、前記可動接触子210を中央の中立位置に揺動
させて電源側の電路から事故が生じた負荷側の切離しを
行なう。
【0008】また、図6(B)において従来の切換開閉
器は、電源(図示を省略)側に接続される2つの固定接
触子220、230と、この2つの固定接触子220、
230の間に配設され、負荷側に接続される1つの負荷
側固定接触子240と、前記固定接触子220及び負荷
側固定接触子240と固定接触子230及び負荷側固定
接触子240のいずれかを接続する可動接触子250と
を備える構成である。この構成に基づいて従来の切換開
閉器は可動接触子250を図示矢印Dに示すように略く
字状に移動させ、固定接触子220及び負荷側固定接触
子240に可動接触子250を架設して接続する。ま
た、図示矢印Eに示すように略く字状に可動接触子25
0を移動させて固定接触子230及び負荷側固定接触子
240に架設して接続する。
【0009】図7において従来の切換開閉器を用いた安
全保護システムは、常用電源側の電路301と予備電源
側の電路302とを切換える常用予備電源自動切換開閉
器303と、この常用予備電源自動切換開閉器303と
負荷側との間に接続される地絡保護付開閉器304と、
この地絡保護付開閉器304にトランス305を介して
接続されるSOG(Storage Overcurrent Ground;過電
流蓄勢トリップ付き地絡トリップ形)制御装置306と
を備える構成である。
【0010】前記構成に基づく従来の安全保護システム
は常用予備電源自動切換開閉器303が常用電源側で停
電事故が生じた場合に予備電源側に切り換える。また、
地絡保護付開閉器304が負荷側での地絡事故を検出し
た場合は即時に遮断動作を行なうが、負荷側での過電流
事故を検出した場合は現在状態(投入状態)を維持す
る。そして、電源側の変電所の過負荷遮断器が遮断動作
して、無電圧となった後、開閉器は開放動作をする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の切換開閉器は以
上のように構成されていたので、配電線の短絡事故時に
おいて、例えば図5に記載の切換開閉器にあっては常用
電源、予備電源及び中立位置の切換えるような構成は開
示されていない。また、図6(A)に記載の切換開閉器
にあっては、過大電流通電回路での両面接触子の閉成時
に反跳躍現象が大きく、また十分な遮断距離がとれず2
つの固定接触子間に混触を生じるという課題を有する。
また図6(B)に記載の切換開閉器にあっては、略く字
形状の移動動作を行なうことから機械的な構成が複雑と
なり、接触不良・誤動作等による確実な開閉動作ができ
ないという課題を有する。
【0012】さらに、図7に記載の切換開閉器にあって
は、常用予備電源自動切換開閉器303、地絡保護付開
閉器304が各々別体として接続されていることから、
システム全体として取付コストが上昇し、システム全体
が大型化して装柱が複雑化すると共に工事作業性が悪化
するという課題を有していた。本発明は前記課題を解消
するためになされたもので、過大電流通電及び投入時の
反跳現象を抑制して開閉動作を確実に行なうと共に遮断
特性を改良し、且つシステム全体をコンパクト化した切
換開閉器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る切換開閉
器は、常用電源に接続される常用固定接触子と、予備電
源に接続される予備固定接触子と、前記常用・予備の各
固定接触子の間に位置する中立位置の間の支点を中心と
して台金アームを回動させて常用又は予備の各固定接触
子との間で切換えて負荷側に接続する可動接触子とを筐
体内に収納して構成される切換開閉器において、前記常
用及び予備の各固定接触子は略コ字形状の磁性体を備
え、当該磁性体内に固定接点を配設し、前記可動接触子
は常用及び予備の各固定接触子の固定接点に対向する台
金アームの両側に可動接触点を配設し、前記各可動接点
を凹溝内に収納する断面略H字形状の磁性体を台金アー
ムに装着するものである。
【0014】 また、本発明は必要に応じて、可動接触
子の支点を中心として常用固定接触子及び予備固定接触
子に略対称な位置に配設され、前記負荷側に接続され
略コ字形状の磁性体内に固定接点を配設される一対の負
荷側固定接触子を備え、前記可動接触子は支点を中心と
して両方に延出する台金アームの略対称な位置に可動接
点及び磁性体を各々配設し、前記支点を中心に一方に回
転して常用固定接触子と一方の負荷側固定接触子とに接
続すると共に、前記支点を中心として他方に回転して予
備固定接触子と他方の負荷側固定接触子とに接続するも
のである。
【0015】さらに、本発明は必要に応じて、各接触子
に接続される電路の通電状態を検出する過電流継電器、
零相変流器又は零相蓄電器を適宜選択的に組合せて配設
し、各検出結果に基づいて負荷側における地路事故又は
過電流事故を検出して前記可動接触子を中立位置に回動
して切離し、前記地絡事故又は過電流事故が復旧した後
に常用又は予備のいずれかの固定接触子へ可動接触子を
切換えるものである。
【0016】
【作用】 本発明においては、常用及び予備の各固定接
触子の固定接点を略コ字形状の磁性体に配設し、この
用及び予備の各固定接触子とこの中間位置との3つの位
置を可動接触子が台金アームの中心を支点として回動移
動して選択的に接続し、この可動接触子の台金アーム端
に配設された可動接点を断面略H字形状の凹内に収
納する磁性体が台金アームに装着されることにより、
定接触子及び可動接触子間の電流又は遮断時に生じるア
ークに基づく磁気を固定接触子の略コ字形状の磁性体と
可動接触子の断面略H字形状の磁性体とで形成される磁
気回路に通すことができることとなり、過電流投入及び
過電流通電時における反跳防止と遮断時に生じるアーク
の磁気吹き消し作用を向上させること等で、投入動作及
び遮断動作を円滑且つ確実に行なう。
【0017】また、本発明においては、この台金アーム
の支点を中心とし可動接触子の台金アームの支点を中心
に両方に延出させて形成し、常用及び予備の各固定接触
子に対称な位置に一対の負荷側固定接触子を配設し、こ
の負荷側固定接触子の固定接点を略コ字形状の磁性体内
に配設するようにしたので、台金アームの回転により常
用及び予備側の各固定接触子を各々接続でき、また略コ
字形状の磁性体と断面略H字形状の磁性体とで磁気回路
を形成することとなり、遮断時における各接触子間の間
隔を大きくして遮断特性を向上させると共に、反跳を確
実に抑制でき、磁気吹き消し作用を向上させることがで
きる。さらに、本発明においては常用及び予備の各固定
接触子、負荷側接触子の近傍に過電流継電器、零相変流
器、零相蓄電器を各々配設するようしたので、電路保護
のシステムをコンパクトな開閉器で構成できることとな
り、装柱の簡略化と共に取付け工事の作業性を向上させ
る。
【0018】
【実施例】
(本発明の一実施例)以下、本発明の一実施例を図1及
び図2に基づいて説明する。この図1は本実施例に係る
切換開閉器の平面図、図2は図1に記載の実施例におけ
る可動接触子の要部拡大図である。
【0019】前記各図において本実施例に係る切換開閉
器は、本体ケーシング7の側壁に取付けられて外部の常
用電源(図示を省略)に接続される常用電源側ブッシン
グ2cに取付けられた常用固定接触子2と、前記本体ケ
ーシング7の側壁に取付けられて外部の予備電源(図示
を省略)に接続される予備電源側ブッシング3cに取付
けられた予備固定接触子3と、前記本体ケーシング7の
側壁における常用及び予備の各電源側ブッシング2c、
3cに対向する対称位置に取付けられ、需要家の構内等
の負荷側に接続される2つの負荷側ブッシング4c及び
支持台5cに取付けられた負荷側固定接触子4、5と、
前記本体ケーシング7の略中央部を支点15bとして回
動自在に支持され、この支点15bの両側に延出する台
金アーム10の両端部の各表裏面に4つの可動接点13
a・13b、14a・14bを配設した可動接触子1と
を備える構成である。
【0020】前記可動接触子1は可動接点13a・13
b、14a・14bを略断面H字状の凹部内に収納し、
前記台金アーム10の端部に装着される磁性体11、1
2と、図示矢印F(G)、H(I)の各方向に回動して
前記可動接点13a、13b、14a、14bを常用固
定接触子2、予備固定接触子3又は2つの負荷側固定接
触子4、5に対して接続・遮断動作を行なう台金アーム
10と、この台金アーム10の中央部分をボルト15a
により固着し、支点15bを中心に回動する支持杆15
とを備える構成である。この支持杆15は、図示紙面垂
直方向に延在し、この延在する長手方向に所定間隔をお
いて三相交流R・S・T(3相4線式の場合は中性線を
含む)に各々対応する3つ(3相4線式の場合は4つ)
の台金アーム10が取付けられる構成である。
【0021】前記常用電源側ブッシング2c及び予備電
源側ブッシング3cには、本体ケーシング7の内側壁近
傍に過電流継電器2a、3aが装着され、この過電流継
電器2a、3aにより電路に流れる過電流を検出する。
前記2つの負荷側固定接触子4、5は、導電線5aによ
り接続されて電気的に一体化している。この負荷側ブッ
シング4cには、本体ケーシング7の内側近傍に零相変
流器4aが装着され、この零相変流器4aにより地絡
(事故)電流(零相電流)を検出する。
【0022】また、前記本体ケーシング7の内側壁には
零相蓄電器6が配設され、この零相蓄電器6と前記負荷
側固定接触子5とを導電線6aで接続する。なお、本実
施例では過電流継電器2a、3aを常用電源側ブッシン
グ2c及び予備電源側ブッシング3cとで2セット装着
するようにしたが、この代用として過電流継電器を1セ
ット負荷側ブッシング4cへ零相変流器4aと併設する
こともできる。
【0023】なお、過電流継電器の1セットは主回路の
R、T相(又は、U、W相)又は、R、S、T相(又
は、U、V、W相)のいずれかを選択し得る。このよう
に電源側ブッシング2c、3c及び負荷側ブッシング4
c、支持台5cを備える本体ケーシング7に過電流継電
器2a、3a、零相変電器4a及び零相畜電器6を各々
収納配設するようにしたので、常用予備電源自動切換開
閉器と、地絡保護付開閉器を一体化できることとなり、
装置全体をコンパクト化できる。
【0024】なお、前記本体ケーシング7は、断面略正
八角形の枠体で形成され、この八角形の各八辺の平面部
分に各電源側ブッシング2c、3c、負荷側ブッシング
4c及び支持台5cを安定的に取付ける構成である。な
お、この本体ケーシングは、正8角形の断面形状以外
に、他の多角形又は円形の断面形状で構成することもで
きる。次に、前記構成に基づく本実施例に係る切換開閉
器の動作について図3を参照して説明する。この図3
(A)、(B)は各接触子の投入状態及び遮断へ移行す
る状態の動作説明図である。
【0025】まず、操作部(図示を省略)の操作により
支持杆15を支点15bを中心に回転させて台金アーム
10を図示矢印F及び矢印G方向に移動させる。この移
動により図3(A)に示すように回転アーム10の可動
接点13aを常用固定接触子2の常用接点21に接続さ
せると共に、回転アーム10の可動接点14aを負荷側
固定接触子5の負荷接点51に接続させる。ここで、本
発明の磁性体を構成しないもので、且つ通常の通電電流
では問題なく投入及び連続通電できる接触圧力を有する
構成(図示せず)において、過大電流回路の閉成時及び
閉成状態での過大電流通電時では接点の反跳現象が起こ
り、接点溶着・他の不具合等が発生することがある。
【0026】しかし、本発明の前記記載の磁性体を構成
するものにおいては、過大電流通電時に接点の反跳力を
上回る該電流での磁束発生により、磁性体間での電磁吸
引力のため接点の反跳現象を防止できることになる。本
実施例では図3(A)に示すような磁気回路に磁束φa
が発生し、磁性体11、12と補助磁性体21a、51
aと吸引接合して接触の反跳現象を防止できることとな
る。通常の電流供給状態において構内負荷側で地絡事故
が発生すると、この地絡事故により流れる地絡(事故)
電流(零相電流)を零相流器4aが検出する。この検出
結果に基づいて支持杆15を支点15bを中心に回転さ
せて台金アーム10を矢印H及び矢印I方向に移動させ
て図1に示す中立位置の遮断状態とする。
【0027】また、遮断状態に移行する中間の状態には
図3(B)のように常用接点21、(又は51)と可動
接点13a、(又は14a)との間にアークAが発生す
る。この常用接点21、(又は51)と可動接点13
a、(又は14a)との間隔が拡大すると、アークAに
より可動接触子1内にアーク電流が可動接点13a(又
は14a)に流れてこの電流による磁束φbは磁気抵抗
により略H字形の磁性体11(又は12)の平行な両側
の一部分と固定接点21(又は51)側の空間部分とか
らなる磁気閉回路を通ることとなる。この空間部分が前
記磁気閉回路中において大きな磁気抵抗となり、この大
きな磁気抵抗で磁束φbを急速に減衰させる。このよう
に遮断時において磁束φbを減衰させることにより常用
(又は予備)及び負荷側の各固定接触子2(又は3)、
5(又は4)に対する吸引力を小さくし、遮断動作を円
滑に実行できることとなる。また、この遮断動作時にお
けるアークAの磁気吹き消し作用については前記図5
(C)に記載するように磁束密度のバランスを崩すこと
により、この磁束密度の小さな方向へ電磁力が作用して
アーク柱を細く且つ長くすることにより遮断特性を向上
させている。
【0028】このように支持杆15を支点として両側に
延出する台金アーム10を回動させて、この支点15b
を中心として対称な位置に配設された常用固定接触子2
と負荷側固定接触子5(又は、予備固定接触子3と負荷
側固定接触子4)とに各々接続するようにしたので、各
々の間隔の総和で遮断間隔を形成できることとなり、よ
り確実な遮断(中立)状態とすることができると共に、
システム全体をコンパクト化できる。また、前記地絡事
故の場合に遮断動作を行なうのに対して前記過電流継電
器2a(又は、3a)が電路に流れる短絡事故に基づく
過大電流を検出した場合には図示を省略するSOG制御
装置は現在の状態を維持(ロック)して遮断動作を行な
わない。そして、短絡事故に基づく過大電流通電時は、
変電所等の過負荷遮断器が遮断動作して無電圧となった
後、本切換開閉器が開放する。
【0029】前記遮断又は開放動作が完了して中立状態
となると中立(無電圧)状態を維持し、地絡又は短絡等
の事故点が復旧された後に常用または予備のいずれかの
固定接触子2、3へ可動接触子1を回動させて接続する
ことになる。なお、常用又は予備の各電源が正常である
場合には常用電源への接続を優先して行なうこととな
る。
【0030】(本発明の他の実施例)図4は本発明に係
る切換開閉器の平面図を示す。同図において本実施例に
係る切換開閉器は、本体ケーシング7の略中央部に配設
される支持杆15の支点を支点15bとして回動自在に
支持され、この支点15bの片側に延出する台金アーム
10の端部に対称に2つの可動接点13a、13bを配
設した可動接触子1と、この可動接触子1の支点15b
を中心として対称な、本体ケーシング7の側壁に配設さ
れる常用・予備電源側ブッシング2c、3c及びこれに
配設接続される常用及び予備の各固定接触子2、3と、
前記可動接触子1に導電線で接続され、本体ケーシング
7の側壁に配設される負荷側ブッシング4cと、この負
荷側ブッシング4cに導電線6aで接続され、本体ケー
シング7の内側壁に配設される零相蓄電器6とを備える
構成である。
【0031】前記構成に基づく本実施例においては図1
に記載する実施例の場合と同様に支持杆15を回動させ
ることにより、台金アーム10を図示矢印J(又はK)
方向に揺動させて常用又は予備のいずれかの固定接触子
2、3へ接続させる。この接続状態において地絡事故が
生じた場合には零相変流器4aが地絡(事故)電流を検
出し、この検出結果に基づいて前記支持杆15を回動さ
せて遮断動作を実行する。この遮断状態の後の事故復旧
後、常用又は予備のいずれかの電源に接続することとな
る。
【0032】また、短絡事故に基づく過大電流を検出し
た場合には、前記本発明の一実施例と同様の動作である
ため説明を省略する。なお、前記各実施例においては可
動接触子1の磁性体11を断面H形に一体形成する構成
としたが、略コ字形状の2つの磁性体を組合わせ、外側
に各々形成された各凹構内に可動接点を収納配設する構
成とすることもできる。
【0033】
【発明の効果】 以上のように本発明においては、常用
及び予備の各固定接触子の固定接点を略コ字形状の磁性
体に配設し、この常用及び予備の各固定接触子とこの中
間位置との3つの位置を可動接触子が台金アームの中心
を支点として回動移動して選択的に接続し、この可動接
触子の台金アーム端部に配設された可動接点を断面略H
字形状の凹内に収納する磁性体が台金アームに装着さ
れることにより、固定接触子及び可動接触子間の電流又
は遮断時に生じるアークに基づく磁気を固定接触子の略
コ字形状の磁性体と可動接触子の断面略H字形状の磁性
体とで形成される磁気回路に通すことができることとな
り、過電流投入及び過電流通電時における反跳防止と遮
断時に生じるアークの磁気吹き消し作用を向上させるこ
と等で、投入動作及び遮断動作を円滑且つ確実に行なう
という効果を奏する。また、本発明においては、この台
金アームの支点を中心とし可動接触子の台金アームの支
点を中心に両方に延出させて形成し、常用及び予備の各
固定接触子に対称な位置に一対の負荷側固定接触子を配
し、この負荷側固定接触子の固定接点を略コ字形状の
磁性体内に配設するようにしたので、台金アームの回転
により常用及び予備側の各固定接触子を各々接続でき
また略コ字形状の磁性体と断面略H字形状の磁性体とで
磁気回路を形成することとなり、遮断時における各接触
子間の間隔を大きくして遮断特性を向上させると共に、
反跳を確実に抑制でき、磁気吹き消し作用を向上させる
ことができるという効果を有する。さらに、本発明にお
いては常用及び予備の各固定接触子、負荷側接触子の近
傍に過電流継電器、零相変流器、零相蓄電器を各々配設
するようしたので、電路保護のシステムをコンパクトな
開閉器で構成できることとなり、装柱の簡略化と共に取
付け工事の作業性を向上させるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る切換開閉器の平面図で
ある。
【図2】図1に記載の切換開閉器における可動接触子の
要部拡大図である。
【図3】図1に記載の切換開閉器における可動接触子の
開閉動作説明図である。
【図4】本発明の他の切換開閉器における可動接触子の
開閉動作説明図である。
【図5】従来の切換開閉器の可動接触子の開閉動作説明
図である。
【図6】従来の切換開閉器の可動接触子の開閉動作説明
図である。
【図7】従来の安全保護システムの概略回路構成図であ
る。
【符号の説明】
1 可動接触子 2 常用固定接触子 3 予備固定接触子 2a、3a 過電流継電器 2c 常用電源側ブッシング 3c 予備電源側ブッシング 4、5 負荷側固定接触子 4a 零相変流器 4c 負荷側ブッシング 5c 支持台 6 零相蓄電器 5a、6a 導電線 7 本体ケーシング 10 台金アーム 11、12 磁性体 13a、13b、14a、14b 可動接点 15 支持杆 15a ボルト 15b 支点 21 常用電源側固定接点 31 予備電源側固定接点 21a、51a 補助磁性体 41 予備負荷側固定接点 51 常用負荷側固定接点

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常用電源に接続される常用固定接触子
    と、予備電源に接続される予備固定接触子と、前記常用
    ・予備の各固定接触子の間に位置する中立位置の間の支
    点を中心として台金アームを回動させて常用又は予備の
    各固定接触子との間で切換えて負荷側に接続する可動接
    触子とを筐体内に収納して構成される切換開閉器におい
    て、前記常用及び予備の各固定接触子は略コ字形状の磁性体
    を備え、当該磁性体内に固定接点を配設し、 前記可動接触子は常用及び予備の各固定接触子の固定接
    点に対向する台金アームの両側に可動接点を配設し、前
    記各可動接点を凹内に収納する断面略H字形状の磁性
    体を台金アームに装着することを特徴とする切換開閉
    器。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の切換開閉器におい
    て、 前記可動接触子の支点を中心として常用固定接触子及び
    予備固定接触子に略対称な位置に配設され、前記負荷側
    に接続され、略コ字形状の磁性体内に固定接点を配設さ
    る一対の負荷側固定接触子を備え、 前記可動接触子は支点を中心として両方に延出する台金
    アームの略対称な位置に可動接点及び磁性体を各々配設
    し、前記支点を中心に一方に回転して常用固定接触子と
    一方の負荷側固定接触子とに接続すると共に、前記支点
    を中心として他方に回転して予備固定接触子と他方の負
    荷側固定接触子とに接続することを特徴とする切換開閉
    器。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の切換開閉器
    において、 前記各接触子に接続される電路の通電状態を検出する過
    電流継電器、零相変流器又は零相蓄電器を適宜選択的に
    組合せて配設し、各検出結果に基づいて負荷側における
    地路事故又は過電流事故を検出して前記可動接触子を中
    立位置に回動して切離し、前記地絡事故又は過電流事故
    が復旧した後に常用又は予備のいずれかの固定接触子へ
    可動接触子を切換えることを特徴とする切換開閉器。
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