JP2910021B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ、プリン
タ、複写機として適用される画像形成装置に係り、特に
開放可能に構成した装置側壁上に給紙部を設けた画像形
成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より複写機やファクシミリの原稿や
転写紙、若しくはプリンタの記録紙等（以下シート材と
いう）を１枚づつ自動給送する給送機構として、所定サ
イズのシート材を積載収納したカセットを装置本体側に
装着し、装置本体側の給紙ローラ等の給送手段より、１
枚づつ給送するカセット給紙方式と、装置本体内の積載
台上に直接積載したシート材を給送手段により、１枚づ
つ給送する積載台給紙方式とが存在し、後者の方式は任
意のサイズのシート材を数十枚単位で直接積載台上に載
置すればよいため簡便且つ汎用的であり、この為パーソ
ナルユースの低コストの画像形成装置に多く用いられて
いる。

【０００３】一方前記いずれの給紙方式も給紙部が装置
本体側壁より大きく突設する構成を取るために、装置全
体としての小型化を図るのが困難であったが、近年カセ
ット給紙方式において給紙カセットを装置本体の底面側
に配する構成を取っているが、前記積載台方式では装置
本体と一体化しているために、前記構成を取るのが中々
困難である。そこで前記給紙台を１枚単位の手差し給紙
を行なう手差し給紙機構の様に装置本体の側壁上に取り
付け、該側壁を開閉可能に構成することにより、非プリ
ント時において前記側壁と共に、給紙台を装置本体側に
収納しようとする試みがなされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記積載
台方式は、積載台の先側の給紙ローラと接する部位の給
紙方向下流側にフリクションパッドを設け、そして該フ
リクションパッド、給紙ローラ及び転写紙先端の摩擦力
の三者の関係で一枚づつの給紙を可能とするために、前
記の様に積載台が開閉する機構では給紙ローラとの接触
圧を精度よく維持しにくい。又前記積載台と側壁間には
バネその他の部材が介在しているために、これを薄肉且
つ省スペースで装置本体内に収納するのは中々困難であ
る。

【０００５】更にフリクションパッドも所定の接触圧を
維持して給紙ローラ側に圧接可能に構成するために、そ
の圧接機構及び回動支点を装置本体側に設けねばならな
いが、給紙部端側の而も給紙ローラの狭い空間に側壁の
開閉用軸部とフリクションパッドの回動機構の両者を設
けることは中々困難であるのみならず、特にフリクショ
ンパッドの接触位置と回動支点間距離が短いと、給紙ロ
ーラの僅かな偏心や組立誤差等で前記接触圧が変動し、
重送の恐れがある。

【０００６】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
前記積載台を装置側壁側に取り付け、非プリント時に装
置本体側に収納可能に構成した場合においても、省スペ
ースで収納可能に構成しつつ而も前記装置側壁の積載台
と給紙ローラとの安定的な接触圧の維持を図った画像形
成装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的
は前記側壁を開閉可能にした場合においても給紙ローラ
下方の狭空間内に効果的に側壁の開閉用軸部とフリクシ
ョンパッドの回動機構の両者を配設し得ると共に、フリ
クションパッドの接触位置と回動支点間距離を極力長く
取れ、これにより開閉可能な側壁上に積載台を設けた場
合でも重送の恐れを大きく低減できる画像形成装置を提
供することにある。

【０００７】

【発明が解決しようとする手段】請求項１記載の発明
は、転写紙と接する給紙ローラの周面上にフリクション
パッドを圧接させ、１枚づつの給紙を行なう画像形成装
置において、給紙端側に設けた支軸を中心に装置側壁を
開放可能に構成し、該側壁上に多数枚の転写紙が積載可
能な積載台部を設けると共に、前記フリクションパッド
の回動支点を前記側壁の支軸と一致させたことを特徴と
するものである。

【０００８】請求項２記載の発明は、装置側壁を給紙端
側に設けた支軸を中心に開放可能に構成してなる画像形
成装置において、前記給紙部を給紙ローラ側に弾性力を
付勢する弾性部材と、前記給紙部を給紙ローラに対し接
離方向に揺動させる支点とを、前記支軸より側壁開放端
側に沿って側壁上に順次配置し、前記給紙部上に多数枚
の転写紙を積載可能に構成すると共に、前記側壁と対面
する装置本体側に前記給紙部を押圧する押圧部材を設
け、前記側壁閉塞時に前記給紙部が押圧部材に押圧され
ながら弾性力に抗して側壁側に畳み込まれて収納可能に
構成した事を特徴とするものである。

【０００９】

【作用】請求項１記載の発明によればフリクションパッ
ドと、積載台が設けられた側壁の回動支点が共通して形
成され、そして積載台は側壁側に、又パッドの回動機構
は給紙ローラ側にと相反する方向に延在する構成をとる
為に、給紙ローラ下方の狭い空間に両回動機構を設ける
ことが容易であり、而もフリクションパッド支軸を給紙
端側の装置側壁に最も近接した位置に設けることが出
来、従って該パッド支軸とフリクションパッドの接触位
置間の回動距離を最も長く取ることが出来る。そして前
記回動距離を長くする事が出来る事は、給紙ローラの僅
かな偏心や組立誤差等が発生しても前記接触圧の変動が
抑制され、重送の恐れを解消できる。

【００１０】次に請求項２記載の発明の作用を説明す
る。前記した様に多数枚の転写紙が積載される積載部を
装置側壁上に設けた技術は存在せず、本発明において始
めて成し得たものである。そして本発明は前記積載台の
支軸を給紙ローラから最も遠ざかった側壁自由端側に配
設されているために、前記積載台の側壁基端側に位置す
る給紙ローラとの接触位置から回動支点までの回動距離
を最も長くすることが出来、従って給紙ローラの僅かな
偏心や組立誤差等が発生して給紙ローラとの接触圧を精
度よく維持出来る。そして更に本発明は前記側壁と対面
する装置本体側に前記積載台を押圧する押圧部材を設け
た為に、前記側壁閉塞時に前記積載台が押圧部材に押圧
されながら弾性力に抗して側壁側に畳み込まれて収納さ
せる事が出来る。この結果前記積載台と側壁間にはバネ
その他の部材が介在していても、これを押圧させて薄肉
化させた状態で装置本体内に自動的に収納される。

【００１１】

【実施例】以下、図面に基いて本発明の実施例を例示的
に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている
構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に
特定的な記載がない限りは、この発明の範囲を、それの
みに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎないも
のである。図１乃至図３は本発明の実施例にかかるＬＥ
Ｄプリンタの給紙部側の構成を示し、図１はその側壁を
開放した状態、図２は閉塞した状態を夫々示す断面図、
図３は側壁上に取り付けられる積載台廻りを示す分解斜
視図である。

【００１２】本実施例は、装置の筐体１の一部をなす側
壁３を下端に設けた支点３ａを中心として起伏可能に構
成し、僅かな上方傾斜角度をもって略水平に倒伏させた
時点で位置規制可能に構成するとともに該側壁３上面に
積載台２を配設し、側壁３倒伏時にコイルバネ４のバネ
力により積載台２の先端が記録紙を介して給紙ローラ５
に圧接され、一方側壁３起立時に前記積載台２が転写ロ
ーラ１６を支持するユニット枠１１の後壁１１ａの一部
に押圧されてコイルバネ４のバネ力に抗して給紙トレイ
２がきっちり収納可能に構成する。そして前記給紙ロー
ラ５より上面排紙部９側に向けほぼ垂直方向に転写紙搬
送路１０を形成する。

【００１３】そして該搬送路１０の記録紙搬送方向に沿
って順にフリクションパッド部材１２、紙検知センサ１
４、転写ローラ１６と感光体ドラム１７、定着ローラ１
８、排紙ローラ１９を配設すると共に、感光体ドラム１
７の下側に現像スリーブ２０ａを具えた現像ユニット２
０、及びその側方にＬＥＤユニット１３を配置する。積
載台２はカバー部材２１を介して装置側壁３上面に取付
けられており、コイルバネ４及び圧接プレート２２を介
して給紙ローラ５側に弾性力を付勢させている。

【００１４】その構成を図３に基づいて説明する。カバ
ー部材２１は方形の底板の給紙ローラ５側を除く三辺に
縁壁２ａを囲繞させ、該縁壁２ａ／２ａの左右に対面す
る部位に、給紙ローラ５側より順次、支軸３ａを介して
側壁３に軸支させるための軸孔２１１、圧接プレート２
２を軸２２ａを介して揺動自在に軸支する軸孔２１２、
及び積載台２を軸２ａを介して揺動自在に軸支する長穴
２１３を穿孔すると共に、底板２１４にコイルバネ４が
貫装される二つの穴２１５が穿孔されている。圧接プレ
ート２２は、前記カバー部材２１に軸支された軸２２ａ
よりコイルスプリング４側にコの字状に屈曲させて形成
され、下面側にコイルスプリング４が受圧可能に構成す
ると共に、その上面側に複数の波板２２２を取付け、前
記積載台２を軸２ａを中心に給紙ローラ５側に弾性力を
付勢可能に構成する。積載台２は給紙ローラ５と接する
先端部位にパッド２ｂを、又中央部位に幅方向に延在す
る帯状スリット穴２ｄを設け、該帯状スリット穴２ｄに
沿って平行に位置規制板２ｃを摺動可能に取付ける。又
該積載台２は、後端側に１８０°折畳可能な案内ガイド
２４を軸支する。フリクションパッド部材１２は、カバ
ー部材２１を支持する側壁３の軸に、段差状にアーム部
材１２１を延設し、前記給紙ローラ５周面と接する積載
台２先端より更に下流側の給紙ローラ５周面に該アーム
部材１２１先側が接触するように構成すると共に、該先
側上面にフリクションパッド１２ａを貼着する。そして
前記フリクションパッド１２ａ取付け部位の背面側にコ
イルスプリング２４を介装し、前記パッド１２ａを給紙
ローラ５側に圧接する。

【００１５】かかる実施例によればフリクションパッド
部材１２と、カバー部材２１を介して積載台２が取付け
られた側壁３の回動支点３ａが共通して形成される事に
なり、そして積載台２はカバー部材２１を介して側壁３
上面に沿って延設され、又フリクションパッド部材１２
の回動アーム部材１２１は給紙ローラ５側に延設し、互
いに相反する方向に延在する構成をとる為に、給紙ロー
ラ５下方の狭い空間に両回動機構を設けることが容易で
あり、而もフリクションパッド部材１２のアーム部材１
２１の支軸３ａを給紙端側の装置側壁３に最も近接した
位置に設けることが出来、従って該パッド支軸３ａとフ
リクションパッド１２ａの接触位置間の回動距離を最も
長く取ることが出来る。又本実施例によれば、前記側壁
３を下端に設けた支点３ａを中心として略水平に倒伏さ
せる事により、側壁３上に設けたコイルバネ４がカバー
部材２１を介して前記積載台２裏面を付勢し而も前記積
載台２の支軸は給紙ローラ５から最も遠ざかった側壁３
自由端側にカバー部材２１を介して配設されているため
に、前記積載台２の側壁３基端側に位置する給紙ローラ
５との接触位置から回動支点３ａまでの回動距離を側壁
３長さと同等程度に長くすることが出来、従って給紙ロ
ーラ５の僅かな偏心や組立誤差等が発生して給紙ローラ
５との接触圧を精度よく維持出来る。

【００１６】そして更に本実施例においては非プリント
時に前記案内ガイド２４を積載台２上面側に１８０°折
畳させた後、該側壁３を起立させることにより装置本体
側に設けた転写ローラ１６のユニット枠１１の後壁１１
ａが前記積載台２を押圧しながらコイルバネ４の弾性力
に抗してカバー部材２１と共に側壁３側に畳み込まれて
きっちり収納させる事が出来る。

【００１７】

【発明の効果】以上説明した如く請求項１記載の発明に
よれば、前記側壁を開閉可能にした場合においても給紙
ローラ下方の狭空間内に効果的に側壁の開閉用軸部とフ
リクションパッドの回動機構の両者を配設し得ると共
に、フリクションパッドの接触位置と回動支点間距離を
極力長く取れ、これにより開閉可能な側壁上に積載台を
設けた場合でも重送の恐れを大きく低減できる。又請求
項２記載の発明によれば、前記積載台を装置側壁３側に
取り付け、非プリント時に装置本体側に収納可能に構成
した場合においても、省スペースで収納可能に構成しつ
つ而も前記装置側壁の積載台と給紙ローラとの安定的な
接触圧の維持を図る事が出来る。等の種々の著効を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の他の実施例に係る画像形成装置の給紙
側の構成図を示し、前壁を開放した状態を示す。

【図２】図１の前壁を閉じた状態を示す。

【図３】図１の給紙機構の概略分解斜視図を示す。

【符号の説明】

５ 給紙ローラ １２ フリクションパッド部材 ３ａ 支軸（フリクションパッド及び積載台の揺動支
点） ３ 装置側壁 ２ 積載台（給紙部） ４ 弾性部材 １１ａ 押圧部材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写紙と接する給紙ローラの周面上にフ
   リクションパッドを圧接させ、１枚づつの給紙を行なう
   画像形成装置において、 給紙端側に設けた支軸を中心に装置側壁を開放可能に構
   成し、該側壁上に多数枚の転写紙が積載可能な積載台部
   を設けると共に、前記フリクションパッドの回動支点を
   前記側壁の支軸と一致させたことを特徴とする画像形成
   装置
2. 【請求項２】 給紙端側に設けた支軸を中心に装置側壁
   を開放可能に構成し、該側壁上に一又は複数枚の転写紙
   が積載可能な給紙部を形成してなる画像形成装置におい
   て、 前記給紙部を給紙ローラ側に弾性力を付勢する弾性部材
   と、及び前記給紙部を給紙ローラに対し接離方向に揺動
   させる支点とを、前記支軸より側壁開放端側に沿って側
   壁上に順次配置し、前記給紙部上に多数枚の転写紙を載
   積可能に構成すると共に、 前記側壁と対面する装置本体側に前記給紙部を押圧する
   押圧部材を設け、 前記側壁閉塞時に前記給紙部が押圧部材に押圧されなが
   ら弾性力に抗して側壁側に畳み込まれて収納可能に構成
   した事を特徴とする画像形成装置