JP2908570B2 - 外付けレンズおよび画像投射装置 - Google Patents
外付けレンズおよび画像投射装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定の画像を拡大投射す
る投射光学系と組み合わされて使用され、拡大投射され
た画像に生じた歪みを補正する外付けレンズおよび画像
投射装置に関する。
る投射光学系と組み合わされて使用され、拡大投射され
た画像に生じた歪みを補正する外付けレンズおよび画像
投射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大画面表示とする要求は大きなも
のとなっている。この、大画面表示を実現するための一
つの手段としては図7に示すような投射表示型デイスプ
レイがある。画像フイルムや透過型液晶パネル等の表示
パネル702上に表示される画像は、照明光学系701
にて発生する照明光によって照明され、投射光学系70
3によってスクリーン704上に拡大されて投射され
る。
のとなっている。この、大画面表示を実現するための一
つの手段としては図7に示すような投射表示型デイスプ
レイがある。画像フイルムや透過型液晶パネル等の表示
パネル702上に表示される画像は、照明光学系701
にて発生する照明光によって照明され、投射光学系70
3によってスクリーン704上に拡大されて投射され
る。
【0003】図7に示すように、投射光学系703の出
射光がスクリーン704のスクリーン面に対して垂直に
投射されない場合には、スクリーン704の上部と下部
に表示される映像光の投射距離が異なるものとなり、投
射された映像光には台形状の歪みが生じてしまう。
射光がスクリーン704のスクリーン面に対して垂直に
投射されない場合には、スクリーン704の上部と下部
に表示される映像光の投射距離が異なるものとなり、投
射された映像光には台形状の歪みが生じてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】投射光学系からの投射
光がスクリーン面に対して垂直に投射されない場合に
は、投射画像に歪みが生じてしまうという問題点があ
る。
光がスクリーン面に対して垂直に投射されない場合に
は、投射画像に歪みが生じてしまうという問題点があ
る。
【0005】本発明は投射光学系と組み合わされて用い
られ、投射画像に生じた歪みを補正することのできる外
付けレンズを実現することを目的とする。
られ、投射画像に生じた歪みを補正することのできる外
付けレンズを実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の外付けレンズ
は、投射光学系に取り付けられる外付けレンズであっ
て、凸レンズと凹レンズを有し、前記凸レンズと前記凹
レンズの少なくとも一方を前記投射光学系の光軸に対し
て該光軸に直交する方向へ偏心させることにより投射さ
れる画像の歪みを補正することを特徴とする。この場
合、前記凸レンズと前記凹レンズで生じる収差を補正す
るレンズを有することとしてもよい。また、前記投射光
学系の焦点距離をF、前記外付けレンズの焦点距離をf
とする時、f>100Fを満たすととしてもよい。ま
た、前記凸レンズと前記凹レンズは屈折力の絶対値が互
いにほぼ等しいこととしてもよい。また、前記凸レンズ
と前記凹レンズの双方が偏心可能であるとしてもよい。
また、前記凸レンズと前記凹レンズを互いに逆方向に偏
心させることとしてもよい。また、前記投射光学系の光
出射側に取り付けられることとしてもよい。また、前記
投射光学系側から前記凹レンズ、前記凸レンズの順に配
置されているとしてもよい。さらに、前記画像(光)の
スクリーンへの入射角度を検出する検出手段と、該検出
手段の検出結果に応じて前記レンズを動かすことにより
前記レンズを偏心させる手段とを有することとしてもよ
い。
は、投射光学系に取り付けられる外付けレンズであっ
て、凸レンズと凹レンズを有し、前記凸レンズと前記凹
レンズの少なくとも一方を前記投射光学系の光軸に対し
て該光軸に直交する方向へ偏心させることにより投射さ
れる画像の歪みを補正することを特徴とする。この場
合、前記凸レンズと前記凹レンズで生じる収差を補正す
るレンズを有することとしてもよい。また、前記投射光
学系の焦点距離をF、前記外付けレンズの焦点距離をf
とする時、f>100Fを満たすととしてもよい。ま
た、前記凸レンズと前記凹レンズは屈折力の絶対値が互
いにほぼ等しいこととしてもよい。また、前記凸レンズ
と前記凹レンズの双方が偏心可能であるとしてもよい。
また、前記凸レンズと前記凹レンズを互いに逆方向に偏
心させることとしてもよい。また、前記投射光学系の光
出射側に取り付けられることとしてもよい。また、前記
投射光学系側から前記凹レンズ、前記凸レンズの順に配
置されているとしてもよい。さらに、前記画像(光)の
スクリーンへの入射角度を検出する検出手段と、該検出
手段の検出結果に応じて前記レンズを動かすことにより
前記レンズを偏心させる手段とを有することとしてもよ
い。
【0007】本発明の画像投射装置は、上記のように構
成された外付けレンズを投射光学系に取り付けたことを
特徴とする。
成された外付けレンズを投射光学系に取り付けたことを
特徴とする。
【0008】また、投射光学系より投射される画像の歪
みを補正する補正光学系を有する画像投射装置におい
て、前記補正光学系が凸レンズおよび凹レンズを有し、
前記凸レンズと凹レンズの少なくとも一方を前記投射光
学系の光軸に対して該光軸に直交する方向へ偏心させる
ことにより画像の歪みを補正することを特徴とする。こ
の場合、前記凸レンズと前記凹レンズの双方を偏心させ
ることとしてもよい。また、前記凸レンズと前記凹レン
ズを互いに逆方向に偏心させることとしてもよい。ま
た、前記補正光学系は前記凸レンズと前記凹レンズで生
じる収差を補正するレンズを有することとしてもよい。
また、前記投射光学系の焦点距離をF、前記補正光学系
の焦点距離をfとする時、f>100Fを満たすことし
てもよい。また、前記補正光学系が前記投射光学系の光
出射側にあるとしてもよい。また、前記凸レンズと前記
凹レンズは屈折力の絶対値が互いにほぼ等しいとしても
よい。また、前記投射光学系側から前記凹レンズ、前記
凸レンズの順に配置されていることとしてもよい。ま
た、前記画像(光)のスクリーンへの入射角度を検出す
る検出手段と、該検出手段の検出結果に応じて前記レン
ズを動かすことにより前記レンズを偏心させる手段とを
有するとしてもよい。さらに、前記補正光学系は前記投
射光学系に対して外付けされた光学系であるとしてもよ
い。
みを補正する補正光学系を有する画像投射装置におい
て、前記補正光学系が凸レンズおよび凹レンズを有し、
前記凸レンズと凹レンズの少なくとも一方を前記投射光
学系の光軸に対して該光軸に直交する方向へ偏心させる
ことにより画像の歪みを補正することを特徴とする。こ
の場合、前記凸レンズと前記凹レンズの双方を偏心させ
ることとしてもよい。また、前記凸レンズと前記凹レン
ズを互いに逆方向に偏心させることとしてもよい。ま
た、前記補正光学系は前記凸レンズと前記凹レンズで生
じる収差を補正するレンズを有することとしてもよい。
また、前記投射光学系の焦点距離をF、前記補正光学系
の焦点距離をfとする時、f>100Fを満たすことし
てもよい。また、前記補正光学系が前記投射光学系の光
出射側にあるとしてもよい。また、前記凸レンズと前記
凹レンズは屈折力の絶対値が互いにほぼ等しいとしても
よい。また、前記投射光学系側から前記凹レンズ、前記
凸レンズの順に配置されていることとしてもよい。ま
た、前記画像(光)のスクリーンへの入射角度を検出す
る検出手段と、該検出手段の検出結果に応じて前記レン
ズを動かすことにより前記レンズを偏心させる手段とを
有するとしてもよい。さらに、前記補正光学系は前記投
射光学系に対して外付けされた光学系であるとしてもよ
い。
【0009】
【作用】投射光学系からの拡大投射光がスクリーンに対
して角度をもって入射してしまい、拡大画像に歪みが生
じた場合においても、補正光学系の偏心量を調整手段に
よって調節することにより、歪みを除去することができ
る。
して角度をもって入射してしまい、拡大画像に歪みが生
じた場合においても、補正光学系の偏心量を調整手段に
よって調節することにより、歪みを除去することができ
る。
【0010】入射角度検出手段および駆動手段を設けた
場合には補正光学系による偏心量を自動的に最適なもの
とすることが可能となる。
場合には補正光学系による偏心量を自動的に最適なもの
とすることが可能となる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0012】図1は本発明の第1の実施例の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【0013】表示パネル102は照明光学系101によ
って照明され、その透過画像は投射光学系である投射レ
ンズ103によって拡大されて図示しないスクリーンに
投射される。これらの照明光学系101、表示パネル1
02、投射レンズ103は円筒系の投射光学系収容部1
11内に順に設けられている。
って照明され、その透過画像は投射光学系である投射レ
ンズ103によって拡大されて図示しないスクリーンに
投射される。これらの照明光学系101、表示パネル1
02、投射レンズ103は円筒系の投射光学系収容部1
11内に順に設けられている。
【0014】投射光学系収容部111は、出射端近傍の
螺合部104にて補正光学系収容部105と螺合する。
補正光学系収容部105の内部には、2つのレンズホル
ダ107、109によりそれぞれ保持された補正光学系
を構成する凹レンズ106、凸レンズ108と、各レン
ズホルダ107、109を移動させて凹レンズ106、
凸レンズ108のそれぞれを内蔵されたエアシリンダや
モータ等の不図示のアクチュエータを介して所定方向
(図面上下方向)に独立に移動させる調整手段110が
設けられている。
螺合部104にて補正光学系収容部105と螺合する。
補正光学系収容部105の内部には、2つのレンズホル
ダ107、109によりそれぞれ保持された補正光学系
を構成する凹レンズ106、凸レンズ108と、各レン
ズホルダ107、109を移動させて凹レンズ106、
凸レンズ108のそれぞれを内蔵されたエアシリンダや
モータ等の不図示のアクチュエータを介して所定方向
(図面上下方向)に独立に移動させる調整手段110が
設けられている。
【0015】本実施例は投射レンズ103からスクリー
ンに向けて出射される拡大投射光を補正光学系収容部1
05内に収容された各レンズ(補正光学系)によって平
行偏心させることにより、故意に偏心歪曲収差を発生さ
せて台形歪みを補正するものである。
ンに向けて出射される拡大投射光を補正光学系収容部1
05内に収容された各レンズ(補正光学系)によって平
行偏心させることにより、故意に偏心歪曲収差を発生さ
せて台形歪みを補正するものである。
【0016】外付け補正光学系全体の焦点距離はできる
だけ大きなものであることが好ましい。これは、投射レ
ンズ103と補正光学系との合成焦点距離が、補正光学
系を装着する前の投射光学系のみの焦点距離とをほぼ等
しいものとすることにより、投射機器のピント合わせ等
の調整量を増加させることなく、また、従来用いていた
各投射光学系をそのまま使用できるものとするためであ
る。
だけ大きなものであることが好ましい。これは、投射レ
ンズ103と補正光学系との合成焦点距離が、補正光学
系を装着する前の投射光学系のみの焦点距離とをほぼ等
しいものとすることにより、投射機器のピント合わせ等
の調整量を増加させることなく、また、従来用いていた
各投射光学系をそのまま使用できるものとするためであ
る。
【0017】実際に製造されるレンズの最大焦点距離は
104 mm程度であり、一般的な投射機器の焦点距離は
数百mm程度である。本実施例の補正光学系および投射
レンズ103も上記のように構成されており、補正光学
系は投射レンズ103の102倍程度の焦点距離を有し
ており、補正光学系の焦点距離fは、投射レンズの焦点
距離Fに対して、f>102Fを満たすことが好まし
い。
104 mm程度であり、一般的な投射機器の焦点距離は
数百mm程度である。本実施例の補正光学系および投射
レンズ103も上記のように構成されており、補正光学
系は投射レンズ103の102倍程度の焦点距離を有し
ており、補正光学系の焦点距離fは、投射レンズの焦点
距離Fに対して、f>102Fを満たすことが好まし
い。
【0018】本実施例に使用される凹レンズ106と凸
レンズ108は、屈折力の絶対値がほぼ等しいもので、
これらを組み合わせることにより、全体の焦点距離が大
きな補正レンズ系を構成させている。
レンズ108は、屈折力の絶対値がほぼ等しいもので、
これらを組み合わせることにより、全体の焦点距離が大
きな補正レンズ系を構成させている。
【0019】次に、上記補正レンズ系によって生じさせ
る偏心歪曲収差について図2を参照して説明する。
る偏心歪曲収差について図2を参照して説明する。
【0020】図2は斜め投影によって台形歪みが生じる
ことを説明するための図である。
ことを説明するための図である。
【0021】表示パネル102上に形成された画像(図
2中の矢印)は投射レンズ103によってスクリーン2
04上に角度θで斜め投影される。このような配置での
物体と像の関係はあおり撮影等で生じるものとしてよく
知られている。表示パネル102から投射レンズ103
の物体側主点までの距離をl1,投射レンズ103の像
側主点からスクリーン204までの距離をl2とし、ス
クリーン204の原点を投射レンズ103の光軸とスク
リーン204との交点とする。図2に示したようにθの
傾きを観察できる断面で考えた時、スクリーン204の
高さHでの投影倍率βは β=(l2+H sinθ)/l1 =β0+(sinθ/l1)H・・・(1) となることが近軸の計算により容易に求められる。ここ
で、β0はスクリーンの原点での投影倍率を示してい
る。(1)式より、スクリーン204上での投影倍率β
はスクリーン204の上下方向の高さHに関してリニア
な関数となっていることが分かる。この関数はあおり特
有のものであり、θを0とすれば倍率βは常にβ0と等
しくなる。
2中の矢印)は投射レンズ103によってスクリーン2
04上に角度θで斜め投影される。このような配置での
物体と像の関係はあおり撮影等で生じるものとしてよく
知られている。表示パネル102から投射レンズ103
の物体側主点までの距離をl1,投射レンズ103の像
側主点からスクリーン204までの距離をl2とし、ス
クリーン204の原点を投射レンズ103の光軸とスク
リーン204との交点とする。図2に示したようにθの
傾きを観察できる断面で考えた時、スクリーン204の
高さHでの投影倍率βは β=(l2+H sinθ)/l1 =β0+(sinθ/l1)H・・・(1) となることが近軸の計算により容易に求められる。ここ
で、β0はスクリーンの原点での投影倍率を示してい
る。(1)式より、スクリーン204上での投影倍率β
はスクリーン204の上下方向の高さHに関してリニア
な関数となっていることが分かる。この関数はあおり特
有のものであり、θを0とすれば倍率βは常にβ0と等
しくなる。
【0022】本発明で取り扱うθ≠0の場合のβとHの
関係を図3(a)に示す。Hが正の所では中心より倍率が
大きくなり、Hが負の場合には倍率はその逆となる。こ
の結果、表示パネルに正方形の画像を入力した場合、ス
クリーン上に形成される画像は、図3(b)の実線に示さ
れるように台形状に歪んだ形となる。図中破線で示した
のは歪みのないときの画像である。
関係を図3(a)に示す。Hが正の所では中心より倍率が
大きくなり、Hが負の場合には倍率はその逆となる。こ
の結果、表示パネルに正方形の画像を入力した場合、ス
クリーン上に形成される画像は、図3(b)の実線に示さ
れるように台形状に歪んだ形となる。図中破線で示した
のは歪みのないときの画像である。
【0023】このように光学系自体の配置から生じた台
形歪みを補正するためには、図3(b)の矢印に示す方向
に歪曲収差を発生指せれば良く、図3(c)に示すような
歪曲収差dを発生させれば良い。
形歪みを補正するためには、図3(b)の矢印に示す方向
に歪曲収差を発生指せれば良く、図3(c)に示すような
歪曲収差dを発生させれば良い。
【0024】このような歪曲収差dは光軸に関して対称
な形ではないため、通常の共軸系では発生できない種類
のものである。本実施例では凹レンズ106、凸レンズ
108を調整手段110によって移動させることによ
り、投射レンズ103の出射光軸を偏心させる歪曲収差
dを発生させている。
な形ではないため、通常の共軸系では発生できない種類
のものである。本実施例では凹レンズ106、凸レンズ
108を調整手段110によって移動させることによ
り、投射レンズ103の出射光軸を偏心させる歪曲収差
dを発生させている。
【0025】図4は図1に示した光学系によって行われ
る平行偏心により偏心歪曲収差を生じさせる状態を示す
ものである。
る平行偏心により偏心歪曲収差を生じさせる状態を示す
ものである。
【0026】投射レンズ103とスクリーンとの間には
補正光学系が装着されるが、この補正光学系を調整手段
110によって図4に示すように上下方向にEだけずら
して平行偏心させる。このとき発生する偏心歪曲収差d
は3次の項まで考慮するとd=−(E/2)(tanω)2
{3(VE1)−(VE2)}・・(2)で表される。こ
こで、 tanω=H/f であり、fは投射レンズ全系での焦点距離である。
(2)式に含まれているVE1およびVE2は補正光学系
の平行偏心歪曲係数で VE1=(hφVq−aVp)−(hφBq−aBp) VE2=hφPq−aPp ここでφは凹レンズ106の屈折力、Vp、Bp、Ppはそ
れぞれ凹レンズ106の3次の歪曲、非点収差係数およ
びペッツバール和である。また、Vq、Bq、Pqはそれ
ぞれ凹レンズ106よりスクリーン側の光学系の3次の
歪曲、非点収差係数およびペッツバール和、hとaは近
軸物体光線の補正光学系への入射高および入射角、hと
aは近軸瞳光線の補正光学系への入射高および入射角を
示している。 補正光学系を偏心させたときの歪曲収差
は上記のような手順で計算されるため、図3(b)のよ
うな補正を行うには(1)式のβ/β0−1とdの符号
が逆になるように補正光学系を平行偏心させればよく、 D=−β/β0+1・・・(4) とすれば3次までの領域で台形歪みを補正することがで
きる。補正光学系の平行偏心量Eは(1)から(4)式
より求めることができる。図3(b)に示したような補
正をおこなうのには、凹レンズ(106)を下方向に移
動させるか、凸レンズ(108)を上方向に移動させる
ことにより所定の量の偏心が生じる。この場合凹レンズ
および凸レンズをそれぞれ逆方向に移動させると、各レ
ンズの移動量は少なくなる。
補正光学系が装着されるが、この補正光学系を調整手段
110によって図4に示すように上下方向にEだけずら
して平行偏心させる。このとき発生する偏心歪曲収差d
は3次の項まで考慮するとd=−(E/2)(tanω)2
{3(VE1)−(VE2)}・・(2)で表される。こ
こで、 tanω=H/f であり、fは投射レンズ全系での焦点距離である。
(2)式に含まれているVE1およびVE2は補正光学系
の平行偏心歪曲係数で VE1=(hφVq−aVp)−(hφBq−aBp) VE2=hφPq−aPp ここでφは凹レンズ106の屈折力、Vp、Bp、Ppはそ
れぞれ凹レンズ106の3次の歪曲、非点収差係数およ
びペッツバール和である。また、Vq、Bq、Pqはそれ
ぞれ凹レンズ106よりスクリーン側の光学系の3次の
歪曲、非点収差係数およびペッツバール和、hとaは近
軸物体光線の補正光学系への入射高および入射角、hと
aは近軸瞳光線の補正光学系への入射高および入射角を
示している。 補正光学系を偏心させたときの歪曲収差
は上記のような手順で計算されるため、図3(b)のよ
うな補正を行うには(1)式のβ/β0−1とdの符号
が逆になるように補正光学系を平行偏心させればよく、 D=−β/β0+1・・・(4) とすれば3次までの領域で台形歪みを補正することがで
きる。補正光学系の平行偏心量Eは(1)から(4)式
より求めることができる。図3(b)に示したような補
正をおこなうのには、凹レンズ(106)を下方向に移
動させるか、凸レンズ(108)を上方向に移動させる
ことにより所定の量の偏心が生じる。この場合凹レンズ
および凸レンズをそれぞれ逆方向に移動させると、各レ
ンズの移動量は少なくなる。
【0027】図5は本発明の第2の実施例の構成を示す
図である。
図である。
【0028】本実施例は投射光学系収容部111と組み
合わされる補正光学系収容部に、収差補正レンズ501
を設け、補正光学系収容部505としたものである。補
正光学系収容部505は、ねじ502によって投射光学
系収容部111に取り付けられている。この他の構成は
第1の実施例と同様であるため、同一番号を付して説明
は省略する。
合わされる補正光学系収容部に、収差補正レンズ501
を設け、補正光学系収容部505としたものである。補
正光学系収容部505は、ねじ502によって投射光学
系収容部111に取り付けられている。この他の構成は
第1の実施例と同様であるため、同一番号を付して説明
は省略する。
【0029】収差補正レンズ501は、凹レンズ10
6,凸レンズ108で発生する偏心歪曲以外の収差補正
および補正光学系全体のパワー調整を目的として設置す
る。本実施例のものにおいては、収差補正レンズ501
によって、投射光学系および補正光学系と独立に収差補
正を行うことができるため、各光学系の設計が容易なも
のとなる。
6,凸レンズ108で発生する偏心歪曲以外の収差補正
および補正光学系全体のパワー調整を目的として設置す
る。本実施例のものにおいては、収差補正レンズ501
によって、投射光学系および補正光学系と独立に収差補
正を行うことができるため、各光学系の設計が容易なも
のとなる。
【0030】図6は本発明の第3の実施例の構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【0031】本実施例の補正光学系収容部605は第1
および第2の実施例に示したものと同様の補正光学系、
調整手段110を有するもので、この他に投影光のスク
リーンへの入射角度を検出するための入射角度検出手段
601と該入射角度検出手段601の検出結果に基いて
調整手段110を駆動し、適正な偏心歪曲収差を発生さ
せる駆動手段602とを備えている。上記のような構成
としたことにより、偏心歪曲収差の調整が自動的に行わ
れるものとすることができ、調整の手間を省くことがで
きた。入射角度検出手段としては、3個のレーザ測距系
を備え、これらの各計測値からスクリーンへの入射角度
を算出するものを用いた。測距系としてはこの他に超音
波等を用いたものが考えられ、これを用いても当然良
い。
および第2の実施例に示したものと同様の補正光学系、
調整手段110を有するもので、この他に投影光のスク
リーンへの入射角度を検出するための入射角度検出手段
601と該入射角度検出手段601の検出結果に基いて
調整手段110を駆動し、適正な偏心歪曲収差を発生さ
せる駆動手段602とを備えている。上記のような構成
としたことにより、偏心歪曲収差の調整が自動的に行わ
れるものとすることができ、調整の手間を省くことがで
きた。入射角度検出手段としては、3個のレーザ測距系
を備え、これらの各計測値からスクリーンへの入射角度
を算出するものを用いた。測距系としてはこの他に超音
波等を用いたものが考えられ、これを用いても当然良
い。
【0032】以上説明した各実施例において、補正光学
系は投射光学系の外部に外付けされるものとしたが、あ
らたに光学系を設計する場合等には投射光学系の内部
や、投射光学系と表示パネルの間に補正光学系を組み込
んでもよい。また、補正光学系は凹レンズと凸レンズと
の2枚のレンズから構成されるものとして説明したが、
この他のレンズを組み合せるものとしても良い。この場
合にも調整手段は各レンズを独立に駆動するものとす
る。さらに、調整手段は図5に示した第3の実施例のよ
うに補正光学系以外に収差補正レンズが組み合わされる
ものの場合には、これを駆動するものとしても当然良
い。なお、各実施例のように、投射光学系とスクリーン
の間に補正光学系を設けた場合には、補正光学系の偏心
量が小さくても補正の効果を大きなものとすることがで
きる。これは投射光学系の瞳から離れたところでは軸外
光の主光線は光軸から離れるが、このような光線は歪曲
に強く影響を及ぼすためである。
系は投射光学系の外部に外付けされるものとしたが、あ
らたに光学系を設計する場合等には投射光学系の内部
や、投射光学系と表示パネルの間に補正光学系を組み込
んでもよい。また、補正光学系は凹レンズと凸レンズと
の2枚のレンズから構成されるものとして説明したが、
この他のレンズを組み合せるものとしても良い。この場
合にも調整手段は各レンズを独立に駆動するものとす
る。さらに、調整手段は図5に示した第3の実施例のよ
うに補正光学系以外に収差補正レンズが組み合わされる
ものの場合には、これを駆動するものとしても当然良
い。なお、各実施例のように、投射光学系とスクリーン
の間に補正光学系を設けた場合には、補正光学系の偏心
量が小さくても補正の効果を大きなものとすることがで
きる。これは投射光学系の瞳から離れたところでは軸外
光の主光線は光軸から離れるが、このような光線は歪曲
に強く影響を及ぼすためである。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0034】請求項1に記載のものにおいては、補正光
学系の偏心量を調整して投射光学系からの投射光に偏心
歪曲収差を発生させることにより、投射光学系とスクリ
ーンとの配置から発生する台形歪みを除去することがで
きる効果がある。
学系の偏心量を調整して投射光学系からの投射光に偏心
歪曲収差を発生させることにより、投射光学系とスクリ
ーンとの配置から発生する台形歪みを除去することがで
きる効果がある。
【0035】請求項2に記載のものにおいては、台形歪
みを除去するための偏心量を自動的に最適なものとする
ことができ、常に歪みのない良好な画像とすることがで
きる効果がある。
みを除去するための偏心量を自動的に最適なものとする
ことができ、常に歪みのない良好な画像とすることがで
きる効果がある。
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】斜め投影のよって台形歪みが生じることを説明
するための図である。
するための図である。
【図3】(a)は高さHと投影倍率βの関係を示す図、
(b)は歪みが生じた投影画像の形状を示す図、(c)
は台形歪みを補正するための歪曲収差dを示す図であ
る。
(b)は歪みが生じた投影画像の形状を示す図、(c)
は台形歪みを補正するための歪曲収差dを示す図であ
る。
【図4】偏心歪曲収差を生じさせる補正光学系を示す図
である。
である。
【図5】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図7】従来例の構成を示す図である。
101 照明光学系 102 表示パネル 103 投射レンズ 104 螺合部 105,503,605 補正光学系収容部 106 凹レンズ 107,109 レンズホルダ 108 凸レンズ 110 調整手段 111 投射光学系収容部 204 スクリーン 501 収差補正レンズ 502 ねじ 601 入射角度検出手段 602 駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 27/18 G03B 21/00
Claims (20)
- 【請求項1】 投射光学系に取り付けられる外付けレン
ズであって、凸レンズと凹レンズを有し、前記凸レンズ
と前記凹レンズの少なくとも一方を前記投射光学系の光
軸に対して該光軸に直交する方向へ偏心させることによ
り投射される画像の歪みを補正することを特徴とする外
付けレンズ。 - 【請求項2】 前記凸レンズと前記凹レンズで生じる収
差を補正するレンズを有することを特徴とする請求項1
に記載の外付けレンズ。 - 【請求項3】 前記投射光学系の焦点距離をF、前記外
付けレンズの焦点距離をfとする時、f>100Fを満
たすことを特徴とする請求項1に記載の外付けレンズ。 - 【請求項4】 前記凸レンズと前記凹レンズは屈折力の
絶対値が互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項1に
記載の外付けレンズ。 - 【請求項5】 前記凸レンズと前記凹レンズの双方が偏
心可能であること特徴とする請求項1に記載の外付けレ
ンズ。 - 【請求項6】 前記凸レンズと前記凹レンズを互いに逆
方向に偏心させることを特徴とする請求項5に記載の外
付けレンズ。 - 【請求項7】 前記投射光学系の光出射側に取り付けら
れることを特徴とする請求項1に記載の外付けレンズ。 - 【請求項8】 前記投射光学系側から前記凹レンズ、前
記凸レンズの順に配置されていることを特徴とする請求
項1に記載の外付けレンズ。 - 【請求項9】 前記画像(光)のスクリーンへの入射角
度を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に応じ
て前記レンズを動かすことにより前記レンズを偏心させ
る手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の外
付けレンズ。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかの外
付けレンズを投射光学系に取り付けたことを特徴とする
画像投射装置。 - 【請求項11】 投射光学系より投射される画像の歪み
を補正する補正光学系を有する画像投射装置において、 前記補正光学系が凸レンズおよび凹レンズを有し、 前記凸レンズと前記凹レンズの少なくとも一方を前記投
射光学系の光軸に対し て該光軸に直交する方向へ偏心さ
せることにより画像の歪みを補正することを特徴とする
画像投射装置。 - 【請求項12】 前記凸レンズと前記凹レンズの双方を
偏心させることを特徴とする請求項11に記載の画像投
射装置。 - 【請求項13】 前記凸レンズと前記凹レンズを互いに
逆方向に偏心させることを特徴とする請求項11に記載
の画像投射装置。 - 【請求項14】 前記補正光学系は前記凸レンズと前記
凹レンズで生じる収差を補正するレンズを有することを
特徴とする請求項11に記載の画像投射装置。 - 【請求項15】 前記投射光学系の焦点距離をF、前記
補正光学系の焦点距離をfとする時、f>100Fを満
たすことを特徴とする請求項11に記載の画像投射装
置。 - 【請求項16】 前記補正光学系が前記投射光学系の光
出射側にあることを特徴とする請求項11に記載の画像
投射装置。 - 【請求項17】 前記凸レンズと前記凹レンズは屈折力
の絶対値が互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項1
1に記載の画像投射装置。 - 【請求項18】 前記投射光学系側から前記凹レンズ、
前記凸レンズの順に配置されていることを特徴とする請
求項16に記載の画像投射装置。 - 【請求項19】 前記画像(光)のスクリーンへの入射
角度を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に応
じて前記レンズを動かすことにより前記レンズを偏心さ
せる手段とを有することを特徴とする請求項11に記載
の画像投射装置。 - 【請求項20】 前記補正光学系は前記投射光学系に対
して外付けされた光学系であることを特徴とする請求項
11に記載の画像投射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2409869A JP2908570B2 (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 外付けレンズおよび画像投射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2409869A JP2908570B2 (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 外付けレンズおよび画像投射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04214522A JPH04214522A (ja) | 1992-08-05 |
JP2908570B2 true JP2908570B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=18519137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2409869A Expired - Fee Related JP2908570B2 (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 外付けレンズおよび画像投射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2908570B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE20109394U1 (de) | 2001-06-06 | 2001-08-16 | Carl Zeiss Jena Gmbh, 07745 Jena | Projektionsanordnung |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58136011A (ja) * | 1982-02-08 | 1983-08-12 | Hitachi Ltd | 投写用レンズ |
JPS6118172A (ja) * | 1984-07-04 | 1986-01-27 | Sony Corp | 固体撮像装置 |
JPS63197926A (ja) * | 1987-02-12 | 1988-08-16 | Canon Inc | 光学装置 |
-
1990
- 1990-12-12 JP JP2409869A patent/JP2908570B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04214522A (ja) | 1992-08-05 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |