JP2908209B2 - 移動端末装置及びこれを用いた移動体衛星通信システム - Google Patents

移動端末装置及びこれを用いた移動体衛星通信システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動端末装置及びこれを
用いた移動体衛星通信システムに関し、特に都市部を主
に移動する車両等に搭載され、移動に伴ないビル等の障
害物により見通しの良否(通信の可・不可)が変動する
静止型の通信衛星を通して相手先との間でメッセージ情
報や音声情報等のディジタル双方向無線通信を行う移動
端末装置と、これを用いた移動体衛星通信システムとに
関する。
【0002】
【従来の技術】移動体衛星通信システムの中で最も歴史
が長く多数の実績を持つインマルサットでは、従来の海
上サービスに加えて陸上での使用が可能なインマルサッ
ト―M方式のサービスを開始した。このシステムでは音
声は4.8kbpsの速度でディジタル化されている。
【0003】一方、近年米国を中心に我が国でも使われ
つつある定型文をコード化して伝送するメッセージサー
ビスを提供する陸上移動体衛星通信システムがある。こ
のシステムはKuバンド(14/12GHz)固定通信
用衛星を使用しているが、その通信速度は例えば55b
psと低速であり、ファクシミリや音声は扱っていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】音声通信の可能なイン
マルサットは国際的な通信サービスであるのでそのシス
テムは世界的なネットワークであり、システム使用料金
も非常に高価である。また、船舶用が主であり、陸上サ
ービスは単に可搬できるというものである。すなわち、
移動端末装置(移動局)を持ち運んだ先で固定して使用
できるといったものであり、走行する車両からは使用で
きない。走行する車両からメッセージ通信の可能な、K
uバンド固定通信用衛星を使用したシステムも実現して
いるが、これらの従来技術では高層ビルの建並ぶ都市内
ではシャドウイング(通信衛星の見通し不可)により使
用できない区間があるという共通の欠点がある。
【0005】したがって本発明の目的は、都市内のビル
の密集地域のような通信衛星に対するシャドウイングが
頻繁に発生する地域における移動体衛星通信システムの
稼働率の向上を可能とする移動端末装置を提供するとと
もに、この移動端末装置を用いてメッセージ通信および
音声通信の両方を全国的な広域に亘って経済的にサービ
ス可能とする移動体衛星通信システムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の移動端末装置
は;陸上の移動体に搭載され、前記移動体の移動に伴い
固定障害物により見通しの良否が変動する静止型の通信
衛星を通して相手先とディジタル双方向無線通信を行う
移動端末装置において;前記通信衛星との間で電波信号
によりディジタルデータの送受信を行う無線送受信手段
と;マンマシンインタフェースを有し前記ディジタルデ
ータと入出力情報との相互変換を行う入出力手段と;前
記移動体の移動範囲内の前記通信衛星との通信が可能な
位置および不可能な位置を示す見通し地図情報をあらか
じめ設定した見通し地図データベースと;無線位置測定
システムからの信号に基づき前記移動体の現在位置を検
出する位置検出手段と;前記移動体の移動方向および速
度を検出する移動検出手段と;前記位置検出手段および
前記移動検出手段の検出出力に基づいて前記見通し地図
データベースを参照し移動に従って前記通信衛星との通
信が可能となる開始時刻および持続時間を示す通信可能
時間帯を予測する通信可能予測手段と;前記入出力手段
より入力されディジタルデータ化された前記相手先へ送
信すべき情報を一時蓄積する送信情報蓄積手段と;前記
通信可能予測手段により予測された前記通信可能時間帯
において前記送信情報蓄積手段に蓄積されたディジタル
データを順次読出し前記無線送受信手段を介して前記通
信衛星へ送信する送信制御手段とを備えている。
【0007】本発明の他の移動端末装置は;陸上の移動
体に搭載され、前記移動体の移動に伴い固定障害物によ
り見通しの良否が変動する静止型の通信衛星を通して相
手先とディジタル双方向無線通信を行う移動端末装置に
おいて;前記移動体の移動方向前方部に設けられ前記通
信衛星からの電波信号を受信する第1のアンテナと、前
記移動体の移動方向後方部に設けられ前記通信衛星との
間で電波信号を送受信する第2のアンテナと、前記第1
のアンテナで受信した前記通信衛星からの電波信号の電
界強度を検出する電界強度検出手段とを有し、前記通信
衛星との間で電波信号によりディジタルデータの送受信
を行う無線送受信手段と;マンマシンインタフェースを
有し前記ディジタルデータと入出力情報との相互変換を
行う入出力手段と;前記移動体の移動方向および速度を
検出する移動検出手段と;前記電界強度検出手段および
前記移動検出手段の検出出力に基づいて前記第2のアン
テナによる前記通信衛星との通信が可能となる開始時刻
および持続時間を示す通信可能時間帯を予測する通信可
能予測手段と;前記入出力手段より入力されディジタル
データ化された前記相手先へ送信すべき情報を一時蓄積
する送信情報蓄積手段と;前記通信可能予測手段により
予測された前記通信可能時間帯において前記送信情報蓄
積手段に蓄積されたディジタルデータを順次読出し前記
無線送受信手段を介して前記通信衛星へ送信する送信制
御手段とを備えている。
【0008】また、上記移動端末装置の各々において、
前記送信制御手段が、前記移動体の移動に伴い変動する
前記通信衛星に対する前記通信可能時間帯を統計処理し
て算出した所定の許容待ち時間以内に所定の通信可能確
率が得られる単位通信時間をあらかじめ設定し、前記通
信衛星への送信ディジタルデータを前記単位通信時間で
送信可能なパケット単位に分割して送信および再送制御
を行う構成とすることができる。
【0009】あるいはまた、上記移動端末装置の各々に
おいて、前記入出力手段が、音声を入力しアナログ信号
に変換する音声入力手段と、前記音声入力手段からのア
ナログ信号を所定の符号化則に則りディジタル信号に変
換する符号化手段と、ディジタル信号を前記所定の符号
化則に則りアナログ信号に逆変換する復号化手段と、前
記復号化手段からのアナログ信号を音声に変換し出力す
る音声出力手段と、文字,数字および記号データを入力
するキー入力手段と、文字,数字および記号データを可
視表示する表示手段とを有し、音声情報および定型文を
コード化したメッセージ情報の通信を可能とする構成と
することができる。さらに、前記符号化手段が前記所定
の符号化則として、前記通信衛星との無線回線上のビッ
トレートと同一のビットレートの第1の符号化則および
これより通話品質は劣るがビットレートの低い第2の符
号化則を有し;前記送信制御手段が、前記通信可能予測
手段により予測された前記通信可能時間帯内に前記第1
の符号化則に則りディジタルデータ化された音声情報が
送信可能か判定し、送信可能な場合は前記符号化手段に
対し前記第1の符号化則を指定し、送信不可能な場合は
前記第2の符号化則を指定し、いずれの符号化則が選択
されたか示す符号化則選択情報とともに、前記符号化手
段により変換され前記送信情報蓄積手段に蓄積された音
声情報のディジタルデータを選択された符号化則にかか
わらず常に前記第1の符号化則のビットレートと同一の
ビットレートで前記通信衛星に送信する構成とすること
ができる。さらに、前記無線送受信手段が受信したディ
ジタルデータのビットレートを変換する手段を有し;前
記復号化手段が前記所定の符号化則として、前記第1の
符号化則および前記第2の符号化則を有し;前記送信制
御手段により前記符号化手段の符号化則として前記第2
の符号化則が選択された場合に、前記相手先により前記
第2の符号化則に則りディジタルデータ化され前記第1
の符号化則のビットレートと同一のビットレートで変調
された電波信号を前記通信衛星から受信すると、前記無
線送受信手段が復調したディジタルデータのビットレー
トを前記第2の符号化則のビットレートに変換し、前記
復号化手段が前記第2の符号化則に則り前記ディジタル
データのアナログ化を行う構成とすることができる。
【0010】あるいはまた、上記移動端末装置の各々に
おいて、前記無線送受信手段が前記通信衛星からの電波
信号の電界強度を検出する電界強度検出手段を有し;前
記送信制御手段が、前記電界強度検出手段の出力に基づ
き前記通信衛星からの信号のSN比があらかじめ決めら
れた基準値よりも低下したことを検出すると、前記送信
情報蓄積手段からのディジタルデータの読出しビットレ
ートを低下させ、読出しビットレートの低下を示す情報
とともに前記通信衛星に送信する構成とすることができ
る。さらに、受信した無線搬送波信号の帯域を狭めSN
比を向上させる狭帯域フィルタと、受信したディジタル
データのビットレートを変換する手段とを有し;前記送
信制御手段により前記読出しビットレートの低下が行わ
れた場合に、前記相手先によりビットレートの低下が行
われたディジタルデータにより変調された電波信号を前
記通信衛星から受信すると、前記狭帯域フィルタを通し
て前記ディジタルデータを復調しビットレートを復旧さ
せる構成とすることができる。
【0011】本発明の移動体衛星通信システムは;静止
軌道上で静止している通信衛星と;移動に伴い固定障害
物により前記通信衛星に対する見通しの良否が変動する
地域を移動する上記構成の移動端末装置と;前記通信衛
星を常時見通し、前記通信衛星を通して前記移動端末装
置との間でディジタルデータ化された情報の双方向無線
通信を行う固定局とを備え;前記移動端末装置が、入力
情報をディジタルデータ化し蓄積するとともに、移動に
伴う前記通信衛星の見通しの変動に応じた通信可能時間
帯を予測し、予測した前記通信可能時間帯において蓄積
した情報を前記通信衛星を介して前記固定局に順次送信
する。
【0012】また、上記移動体衛星通信システムにおい
て;前記移動端末装置および前記固定局の各々が、前記
移動端末装置の移動に伴い変動する前記通信衛星に対す
る前記通信可能時間帯を統計処理して算出した所定の許
容待ち時間以内に所定の通信可能確率が得られる単位通
信時間をあらかじめ設定し、前記通信衛星を通した相手
先への送信ディジタルデータを前記単位通信時間で送信
可能なパケット単位に分割して送信制御および送信不達
時の再送制御を行う構成とすることができる。
【0013】あるいはまた、上記移動体衛星通信システ
ムにおいて;前記移動端末装置および前記固定局の各々
が、前記通信衛星との無線回線上のビットレートと同一
のビットレートの第1の符号化則およびこれより通話品
質は劣るがビットレートの低い第2の符号化則のうちい
ずれか選択された符号化則に則り音声情報のアナログ信
号とディジタルデータとの間の符号化および復号化の相
互変換を行う手段と、前記ディジタルデータのビットレ
ートを変換する手段とを有し;前記移動端末装置が前記
通信可能時間帯内に前記第1の符号化則に則りディジタ
ルデータ化された音声情報が送信可能か判定するととも
に判定結果を前記固定局に通知し、送信不可能な場合に
前記移動端末装置および前記固定局の各々が前記第2の
符号化則に則って符号化されたディジタルデータを前記
第1の符号化則のビットレートに変換し通信所要時間を
短縮して送信し受信側で前記第2の符号化則のビットレ
ートに戻して復号化する構成とすることができる。
【0014】あるいはまた、上記移動体衛星通信システ
ムにおいて;前記移動端末装置および前記固定局の各々
が、前記通信衛星との無線回線上の無線搬送波信号の帯
域を狭めSN比を向上させる狭帯域フィルタと、ディジ
タルデータのビットレートを変換する手段とを有し;前
記移動端末装置が前記通信衛星からの電波信号の電界強
度が所定レベル以下であるか判定するとともに判定結果
を前記固定局に通知し、所定レベル以下の場合に前記移
動端末装置および前記固定局の各々が前記ディジタルデ
ータの前記無線回線上のビットレートを低下させて送信
し受信側で前記狭帯域フィルタを通してSN比を向上さ
せてからビットレートを復旧する構成とすることができ
る。
【0015】また、上記各構成の移動体衛星通信システ
ムにおいて;前記固定局が、ユーザごとに設けられ情報
の入出力を行う複数のユーザ端局と、公衆網を通して前
記複数のユーザ端局と接続され前記通信衛星との間で電
波信号によりディジタルデータ化された情報の送受信を
行う基地局とで構成され;前記通信衛星と前記公衆網と
に接続し、前記基地局を通した前記ユーザ端局,前記ユ
ーザ端局の通信相手先である前記移動端末装置,および
前記通信衛星相互間の通信回線の管理,制御を行う網管
理局を備えることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0017】図1は本発明の一実施例のシステム構成図
であり、複数のユーザが貨物輸送用のトラック等の車両
の運行管理をそれぞれ行う運輸業務用情報通信システム
に適用した例を示す。図1において本実施例の移動体衛
星通信システムは、広域のサービスエリア全域をカバー
し電波信号によりディジタルデータ化されたメッセージ
や音声等の通信情報の中継を行う静止型の通信衛星20
と、通信衛星20に対する見通し障害の発生する都市部
や山間部を含む長中距離を走行するユーザA,B,C,
D所有の車両に移動端末装置をそれぞれ搭載した移動局
11,12,13,14と、通信衛星20に対する見通
しが常時確保された基地局30,31,32,33,3
4と、隣接する基地局30を介してシステム全体の通信
回線(チャンネル)を管理,制御する網管理局40と、
ユーザ端局として機能しユーザA,B,C,D各々が自
社の車両の行先・貨物集配指示等の運行管理をそれぞれ
行う運行管理センター51,52,53,54と、各基
地局,網管理局,および各運行管理センター間を接続し
通信情報を転送する公衆網60とを備えている。この公
衆網60としては、アナログ信号を伝送する電話網で
も、ディジタル信号を伝送するデータ網でもどちらでも
利用可能である。なお、ユーザDは自社専用の基地局3
4を有しており、公衆網60を介さずに直接運行管理セ
ンター54と接続している。また通常の場合、運行管理
センター51〜53はそれぞれ接続される基地局30〜
33があらかじめ指定されている。ここでは原則として
公衆網60における通信費が最安価になるように基地局
を選定しており、運行管理センター51,52,53の
各々に対し基地局31,32,33の各々が指定されて
いるものとする。これら基地局30〜33には他のユー
ザの運行管理センター(図示せず)を公衆網60経由で
接続しそれぞれ共同利用することが可能である。また、
各ユーザは移動局を1つだけではなく複数設けることが
できる。
【0018】図2は本発明の移動端末装置の一実施例を
示すブロック構成図であり、図1の実施例の移動局11
〜14に用いられる。図2において本実施例の移動端末
装置100は、車両の進行方向前方部に取付けられ通信
衛星20を追尾しKuバンド(14/12GHz)の電
波信号を受信する第1のアンテナ110と、アンテナ1
10を通して通信衛星20からのKuバンドの信号を受
信する第1の受信部111と、受信部111で受信した
信号の電界強度を検出する第1の電界強度検出回路11
2と、車両の進行方向後方部に取付けられ通信衛星20
を追尾しKuバンドの電波信号を送受信する第2のアン
テナ120と、アンテナ120を通して通信衛星20か
らのKuバンドの信号を受信する第2の受信部121
と、受信部121で受信した信号の電界強度を検出する
第2の電界強度検出回路122と、受信部121で受信
したベースバンドの信号(ディジタルデータ)を一時蓄
積する受信バッファメモリ123と、図示していないG
PS衛星からの位置計測のための電波信号をアンテナ1
30を通して受信するGPS受信機131と、GPS受
信機131の受信信号に基づき車両の現在位置の計算を
行う位置計算回路132と、車両の走行する道路並びに
周辺の建物,丘陵等の道路環境に関する地図のデータと
このデータ(位置および高さ)に対応した電界強度検出
回路112(または122)による通信衛星20からの
電波の受信電界強度データ(見通し情報)とを併せて記
憶した地図・シャドウイング・データベース133と、
車両の走行速度および速度変化を検出するジャイロスコ
ープ等を用いた速度・加速度センサー138と、車両の
走行方向を検出する磁気コンパス等を用いた方位センサ
ー139と、送信信号(ディジタルデータ)を一時蓄積
する送信バッファメモリ140と、送信バッファメモリ
140からのベースバンドの信号をKuバンドの信号と
しアンテナ120から送信させる送信部141と、第1
および第2の受信部111,121と送信部141とに
おける受信・送信周波数を決定するための周波数シンセ
サイザー150と、受信部121および送信部141間
でアンテナ120を共用するための送受共用器151
と、プログラム制御のマイクロコンピュータを有し装置
全体を制御し各種データおよび信号の処理を行う制御部
160と、トーン信号を発生するトーン信号発生回路1
61と、音声信号のディジタル・アナログ変換を行う音
声デコーダ170と、トーン信号発生回路161および
音声デコーダ170からの信号を合成するトーン合成回
路171と、音声信号のアナログ・ディジタル変換を行
う音声エンコーダ172と、スピーカ181,マイクロ
ホン182,表示装置183およびキーボード184を
有し使用者(車両運転者等)とのマンマシンインタフェ
ースをとり音声情報およびメッセージ情報を入出力する
入出力部180と、ファクシミリ信号を送受信するファ
クシミリ端末190とを備えている。なお、ユーザの都
合によりファクシミリ端末190は設けなくてもよい。
【0019】図3は図1の実施例の基地局、網管理局、
運行管理センターの各々の詳細構成および相互間の接続
を示す図である。
【0020】各基地局30〜34は、Kuバンド無線送
受信設備についてはすべて同一の構成であり、通信衛星
20との間でアンテナ310を通して信号の送受信を行
う衛星回線送受信装置320と、バッファメモリ340
を有し運行管理センターおよび通信衛星20(移動局)
間の送受信信号の蓄積,変換処理を行う信号処理装置3
30とを備えているが、公衆網60とのインタフェース
をとり運行管理センターとの間の発着信制御を行う公衆
網インタフェース装置350については網管理局40や
運行管理センターと同一の場所に併設される場合(基地
局30,34)には設けなくてもよい。
【0021】網管理局40は、公衆網60とのインタフ
ェースをとり運行管理センターとの間の発着信制御を行
う公衆網インタフェース装置410と、併設された基地
局30の衛星回線送受信装置320,信号処理装置33
0と接続され通信衛星20の無線通信回線上におけるす
べての移動局11〜14のチャンネル使用状況を正確に
把握して空きチャンネルを移動局11〜14および基地
局30〜34に指示し移動局11〜14および運行管理
センター51〜54間の通信の発呼接続制御,着呼接続
制御,終話制御を行うとともに、呼課金情報を課金記録
装置430に記録する衛星回線制御装置420とを備え
ている。
【0022】各運行管理センター51〜54はユーザ端
局として基本的な装置構成はすべて同一であるが、ユー
ザの必要に応じて端末の種類を変更することができる。
図3においては、ユーザAの運行管理センター51にお
けるユーザ端局装置500の構成を示している。このユ
ーザ端局装置500は、公衆網60とのインタフェース
をとり発着信制御を行う公衆網インタフェース装置51
0と、パソコン等のデータ通信端末530と、電話端末
540と、ファクシミリ端末550と、音声信号のアナ
ログ・ディジタル相互変換を行うエンコーダ・デコーダ
を有し、公衆網インタフェース装置510を通してこれ
ら端末(530〜550)と網管理局40および基地局
30〜33との間の通信を制御する通信制御部520と
を備えている。なお、ユーザDの運行管理センター54
は、公衆網インタフェース装置510を設けなくてもよ
く、通信制御部520と自社専用の基地局34の信号処
理装置330とが直接接続されている。
【0023】次に図1から図3まで参照して動作を説明
する。なお、移動局―通信衛星―基地局間の無線回線の
構成および制御方法は、適切な周知の技術で実現するこ
とができるので詳細な説明は省略する各ユーザA〜Dは
それぞれ自社の運行管理センター51〜54で都市内や
都市間を移動する自社車両(移動局11〜14)の貨物
の集荷,配送を管理しており、ユーザ端局装置500を
用いて車両に搭載された移動端末装置100との間で通
信を行い、運転者や作業者に作業指示を出したり、逆に
作業報告を受けとる。通信する情報は定型文が多いので
コード化したメッセージを主体とするが、より詳細な情
報を連絡する場合、あるいは緊急に音声連絡する必要が
生じた場合は音声にても通信する。
【0024】各移動局11〜14はあらかじめ地図・シ
ャドウイング・データベース133にどの地点でシャド
ウイング(ビル影等による通信衛星20の見通し不良=
通信不能)が生じるか否かの見通し地図情報を記憶して
おく。この見通し地図情報としては、他の車両により作
成されたデータや自己の車両による自己学習データを使
用する。自己学習データは次のようにして得られる。車
両の走行に従い、移動端末装置100は、GPS受信機
131で受信したGPS衛星からの信号に基づき位置計
算回路132により自己の現在位置を算出し(GPS衛
星を用いた位置測定技術は周知であり詳細説明は省
略)、制御部160でこの現在位置情報を速度・加速度
センサー138および方位センサー139の出力に基づ
き順次補完するとともに、第1のアンテナ110を通し
て受信部111で受信した通信衛星20からの無線電波
(制御チャンネル)の電界強度を電界強度検出回路11
2により順次検出する。一方、地図・シャドウイング・
データベース133はあらかじめ車両の走行範囲の地図
情報を持っている。制御部160は、地図・シャドウイ
ング・データベース133に対し、位置計算回路132
からの現在位置情報に対応する地図情報上の地点ごとに
電界強度検出回路112からの通信衛星20との通信が
可能か否かを示す受信電界強度データ(見通し情報)を
付加し見通し地図情報として記憶させる。これによる学
習効果としてどこでシャドウイングが生起するかのマッ
ピングができる。このように受信系を2つ備えているこ
とにより、第1のアンテナ110,受信部111,およ
び電界強度検出回路112を用いて地図・シャドウイン
グ・データベース133のデータ(見通し地図情報)を
作成しながら、第2のアンテナ120,受信部121,
および送信部141を用いて通信衛星20との間で通信
情報の送受信を行うことができる。なお、通信衛星20
からの無線電波の電界強度の検出は第2のアンテナ12
0,受信部121,および電界強度検出回路122によ
ることも可能であり、第1の受信系の障害時の代替手段
となる。また逆に、第2の受信系の障害時に第1の受信
系により通信衛星20との通信を代替することができ
る。
【0025】また、各移動局11〜14は2つのアンテ
ナ110,120の間隔を適切に設定することにより、
車両走行に従う電界強度の変化、すなわち通信衛星20
に対する見通しの変化の先読みができる。制御部160
は、速度・加速度センサー138および方位センサー1
39の出力から車両の走行速度ベクトルを算出し、アン
テナ110,120間の距離に応じて以後のどの時刻か
らどのくらいの時間、通信可能な見通し窓(通信可能時
間帯)があるか予測する。例えば、移動局10の車両を
長尺の貨物トラックとすると、車両前方部の第1のアン
テナ110および車両後方部の第2のアンテナ120間
の距離を約6m以上とすることができるので、時速40
kmの走行時でも通信衛星20との電波信号の送受信に
0.5秒以上の時間差を確保できる。したがって、移動
局10がビル街を走行し通信衛星20に対する見通しの
良否が頻繁に変化する際、電界強度検出回路112の検
出結果を参照し前方部の第1のアンテナ110における
通信衛星20に対する見通しが良状態から不良状態に変
化しても、0.5秒以内の通信ならば、後方の第2のア
ンテナ120を用いて通信することができる。なお、こ
のように2つのアンテナ110,120を用いて通信衛
星20に対する見通しの変化の先読みを行うことによ
り、後に説明する地図・シャドウイング・データベース
133を用いた通信可能時間帯の予測精度を高めること
ができる。
【0026】まず、移動局から発呼する場合の本システ
ムの動作を、ユーザAにおいて、移動局11から運行管
理センター51へ発呼する場合を例に説明する。
【0027】移動局11は、制御用のフォワードリンク
チャンネル(網管理局40―基地局30―通信衛星20
―移動局11)での通信チャンネル指示に従って、使用
すべきチャンネルを選択し、当該チャンネルで通信路を
設定し、そのリターンリンク(移動局11―通信衛星2
0―基地局31―公衆網60―運行管理センター51)
で通信情報を送る。そして通信用のフォワードリンクチ
ャンネル(運行管理センター51―公衆網60―基地局
31―通信衛星20―移動局11)で運行管理センター
51からの通信情報を受ける。通信衛星20を介した無
線通信のためのチャンネル構成は例えば次のようなもの
である。
【0028】移動局数(5万台)の加入者に見合った充
分なチャンネル数、例えば200チャンネル分を収容す
るFDMA・SCPC(Frequency Divi
sion Multiple Access・Sing
le Channel Per Carrier)方式
では、10KHz間隔、12,200,000+n×1
0KHz(n=1,2,…,200)のフォワードリン
ク用の200波の無線搬送波と、14,200,000
+n×10KHzのリターンリンク用の200波の無線
搬送波とを使用する。そして、第1のチャンネルとして
は“n=1”の12,200,010KHz(フォワー
ドリンク用)と14,200,010KHz(リターン
リンク用)とを使う。同様に第2チャンネルには“n=
2”、第3チャンネルには“n=3”の組合わせを通話
チャンネルとして使用する。そのうちの特定チャンネル
は制御チャンネルとして、待合わせ時,着信制御時,発
呼制御時に使用する。移動局11〜14および基地局3
1〜34は、制御チャンネルを通じて網管理局40から
指定された“n=m”のチャンネルを用いて、各々のベ
ースバンド信号の無線搬送波をQPSK(Quadra
tuare Phase Shift Keying)
変調して各アンテナから送信し、また、相手からの無線
搬送波を受信し復調する。
【0029】なお、チャンネル構成の他の方式として、
フォワードリンク用にTDM(Time Divisi
on Multiplex)方式、リターンリンク用に
TDMA(Time Division Multip
le Access)方式を使用することができる。さ
らに他の方式として、電波干渉に強いCDMA(Cod
e Divisione Multiple Acce
ss)方式を使用することができる。
【0030】移動局11(移動端末装置100)では、
制御部160が、位置計算回路132,速度・加速度セ
ンサー138,および方位センサー139の各出力から
現在位置の認識および今後の時間経過に伴う移動先位置
の予測を行い、地図・シャドウイング・データベース1
33を参照して地図情報上のそれらの位置に対応する見
通し情報から通信衛星20との通信が可能となる開始時
刻および持続時間を示す通信可能時間帯を予測するとと
もに、この予測情報を入出力部180の表示装置183
に表示する。このとき、通信衛星20との通信が可能と
なる場所を示す通信可能地帯の情報も同時に表示するこ
とができる。
【0031】なお、通信可能時間帯の予測にあたって、
前に説明したように、車両前方部の第1のアンテナ11
0を用いて車両後方部の第2のアンテナ120の通信衛
星20に対する見通しの先読みを行い、地図・シャドウ
イング・データベース133を参照して得た通信可能時
間帯の予測精度を高めることができる。また、車両の移
動速度が低速ならば、地図・シャドウイング・データベ
ース133を用いずに第1のアンテナ110を用いた先
読みだけで通信可能時間帯を予測することができる。
【0032】車両運転者等の利用者は、表示装置183
の表示内容を目視により確認して送信すべき情報が一定
の待ち時間以内に送信完了することができるか判定し、
できる場合はキーボード184を操作して所望のメッセ
ージ情報のコードをキー入力するか、プレストーク用の
ボタンを押してからマイクロホン182により音声情報
を入力する。あるいは、ファクシミリ端末190を操作
しファクシミリ情報を入力する。一定の待ち時間以内に
送信完了することができないと判定した場合は、できる
ようになる場所まで移動してから上記操作を行う。この
とき、表示装置183に通信可能地帯が表示されていれ
ば、どの方向へどのくらい移動すればよいか直ちに知る
ことができる。
【0033】マイクロホン182に入力された音声情報
はアナログ信号に変換され、音声エンコーダ172によ
り情報量の圧縮を受け通常時は4.8kbpsのビット
レート(コーデック速度)を有するディジタルデータ
(以下データ)に変換される。ところで、運輸業務用無
線通信の場合、ユーザの要求する通信トラフィックとし
ては、音声通信の平均保留時間が30秒、1時間当りの
平均最繁時通信回数が3回以下程度である。したがっ
て、音声通信を行う場合は約30秒間持続する通信可能
時間帯(見通し窓)があればほとんどの要求を満足させ
ることができる。通常の場合、通信内容は定型的であ
り、30秒間程度の音声情報(144,000ビット=
18,000バイト)は400バイト以下のメッセージ
情報で代行させることができる。この場合、通信衛星2
0に対する通信情報量(トランスポンダ占有時間)が1
/45以下となり、高額なトランスポンダの使用効率が
その分だけ高められることになるとともに、見通し窓が
狭くても通信可能となる。また、メッセージ通信の場合
は、通信衛星20との無線回線上の信号伝送速度をより
低速にすることができ、300bpsとすると、400
バイトでも約11秒で伝送することができる。本例にお
いては、音声データの伝送速度は4.8kbps、メッ
セージその他のデータの伝送速度は300bpsとす
る。
【0034】制御部160は、音声エンコーダ172,
キーボード184,あるいはファクシミリ端末190か
らの送信データの他に、速度・加速度センサー138,
方位センサー139,位置計算回路132,または図示
していない各種センサー(例えば運搬荷物の重量を測定
する重量センサー)等からの運行管理センター51で必
要とされるデータを送信バッファメモリ140に順次格
納する。また、制御部160には、都市部内等の所定走
行範囲ごとの通信可能時間帯を統計処理して算出した所
定の許容待ち時間以内に所定の通信可能確率が得られる
単位通信時間の値があらかじめ設定されている。制御部
160は、予測した通信可能時間帯の開始時刻になると
その持続時間以内に送信バッファメモリ140に蓄積し
た情報種別ごとのデータが通信衛星20へ送信完了でき
るか判定し、可能ならば送信部141へ送信許可信号を
出力し送信バッファメモリ140からのデータ読出しを
指示する。その通信可能時間帯内で送信完了することが
不可能ならば、以降の所定時間以内に散在する複数の通
信可能時間帯に亘って上記単位通信時間対応にデータを
分割し送信を複数回行うことによって送信完了すること
ができるか判定し、可能ならば単位通信時間の値を含め
て送信許可信号を送信部141へ出力する。なお、この
単位通信時間の値はあらかじめ送信部141へ通知して
おくようにすることができる。制御部160は、データ
分割しても所定時間以内に送信完了することができない
と判定した場合は、送信不能の旨を表示装置183に表
示しトーン信号発生回路161によるトーン音をスピー
カ181から出力して利用者に報知する。
【0035】送信部141は、送信許可信号を受信する
と送信バッファメモリ140から当該情報のデータを順
次読出し、誤り訂正用信号を付加し運行管理センター5
1宛ての1つのパケットとして情報種別に応じた伝送速
度で無線搬送波を変調し通信衛星20へ送信する。この
とき単位通信時間が指定されていると、この単位通信時
間以内で送信可能なパケット長となるように送信バッフ
ァメモリ140内のデータを情報種別対応の一定バイト
数ごとに分割して読出し、それぞれパケット化して通信
衛星20へ送信する(例えば単位通信時間が1秒とする
と、音声情報の場合約600バイト、メッセージ情報の
場合は約30バイト)。なお、音声情報のデータ分割送
信が行われても受信側のバッファメモリにより再結合す
ることにより、疑似的なリアルタイムの音声通信を行う
ことができる。一方、通信可能と予測した時間内に送信
部141から通信衛星20へ送信したデータが正常に相
手先の基地局31まで転送できたか否かの判定は、通信
衛星20経由の基地局31からのパケット単位の応答を
受信部121および制御部160を通して確認すること
により行われる。応答がない場合は、送信部141は当
該パケットを再送する。このため送信部141は、途中
破棄したパケットデータの頭から再送できるように、送
信バッファメモリ140内の読出し済みデータのうち送
信相手先による正常受信が確認でき送信完了としたパケ
ット相当部分のみ消去する。
【0036】この送信動作中に電界強度検出回路112
がシャドウイングを検出すると、制御部160は送信許
可信号の出力を停止し、送信部141は送信バッファメ
モリ140からのデータの読出しおよび通信衛星20へ
の送信を一時停止する。電界強度検出回路112による
シャドウイングの検出がなくなり再度通信可能状態にな
ると、制御部160は送信許可信号を再度出力し、送信
部141は送信バッファメモリ140からのデータ読出
しを再開し、いまだ通信衛星20における受信確認がさ
れていないパケットから送信を再開する。
【0037】都市部における通信可能時間,確率(場所
率)等の実態の一例として、最近の東京都市内の走行実
験結果(全行程200km、Lバンド(ETS―V)お
よびKバンド(BS―3b)使用)を以下に示す。(参
考文献:(イ)1993年電子情報通信学会秋季大会
(9月5日)講演論文集,B―163,鈴木他,「都市
内でのLバンド移動体衛星通信の待ち時間を考慮した稼
働率の評価」、(ロ)同上,B―179,吉本他,「都
市内でのKuバンド衛星移動受信実験結果」) (1)車両の平均移動速度を15km/hとして、所定
受信電力を確保できる見通し継続時間長1秒の窓は距離
長約4mに相当し、これ以上の見通しが継続する場所率
は約60%である。同様に、10秒(約40m),30
秒(約120m)以上の見通し窓の場所率はそれぞれ約
52%,約40%である。 (2)車両の平均移動速度を15km/hとして、10
秒(約40m)以上遮へい(シャドウイング)が継続す
る場所率は約30%である。同様に、30秒(約120
m),70秒(約290m)以上遮へいが継続する場所
率はそれぞれ約20%,10%以下である。 (3)見通し場所率は通信衛星の位置と車両の移動方向
とにより異る。東京からの方位角163度のETS―V
に対し、東西方向+−20度以内の道路においては約6
1%、南北方向+−20度以内の道路においては約90
%となる。方位角225度のBS―3bに対しては、東
西方向+−20度以内の道路においては約69%、南北
方向+−20度以内の道路においては約84%となる。 (4)通信を開始してから見通し窓に行き当たるまでに
待てる時間(最大許容待ち時間)を考慮すると通信可能
となる確率(場所率)が増加する。最大許容待ち時間を
考慮したパケットの時間長別通信可能場所率の概略値を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、時間長1秒のパケットなら70
秒待てば90%、5分待てばほぼ100%通信可能とな
り、時間長10秒のパケットでも5分待てば90%、1
5分待てばほぼ100%通信可能となることが分る。
【0040】次に、音声情報のディジタルデータ化時の
ビットレート(デコーダ速度)変更による通信可能性の
向上について説明する。音声エンコーダ172は、通常
使用するビットレート(デコーダ速度)4.8kbps
の第1の符号化則の他に、通話品質は劣ってもデータ
(ビット)量が半分ですむ2.4kbpsの第2の符号
化則を備えている。したがって、通話品質の劣化を覚悟
すれば、2.4kbpsで符号化したデータを一たん蓄
積し4.8kbpsで符号化したデータと同一の伝送速
度で通信衛星20との間で通信することにより通信所要
時間を半分に短縮し、通信可能の確率をその分だけ高め
ることができる。利用者が入出力部180を操作して符
号化則切替え許可を入力しておくことにより、所望の音
声通話時間(通常時、約30秒間)が確保できないこと
が予測される場合、制御部160は音声エンコーダ17
2を制御し2.4kbpsで符号化させ、送信バッファ
メモリ140に格納させる。送信部141は、送信バッ
ファメモリ140からのデータ読出しを通常時と同じ
4.8kbpsで行い、制御部160から送られた2.
4kbps符号化則で符号化されたことを示す情報とと
もにパケット化して送信する。なお、音声エンコーダ1
72のデコーダ速度を4.8kbpsのままとし、制御
部160により送信バッファメモリ140内のデータを
2.4kbpsフォーマットに加工するようにしても同
様の効果が得られる。
【0041】次に、送信バッファメモリ140のデータ
読出し時のビットレート変更による通信可能性の向上に
ついて説明する。ビル影によるシャドウイングがないと
きでも降雨等の影響により通信衛星20との間の電波信
号の電界強度が悪化しSN比が低下する。利用者が入出
力部180を操作して読出し速度低下許可を入力してお
くことにより、制御部160は、電界強度検出回路11
2(あるいは122)の出力により通信衛星20からの
受信信号のSN比があらかじめ定められた基準値よりも
低下していることを検出すると、読出し速度低下指示信
号を送信部141へ出力する。送信部141は、送信バ
ッファメモリ140からのデータ読出しのビットレート
を所定の比率(例えば1/2)分低下させ、ビットレー
ト低下比率を示す情報とともにパケット化して送信す
る。これにより通信所要時間は延びるが、通信衛星20
との間の無線回線上の無線搬送波の帯域はビットレート
低下比率に応じて狭くなり、SN比が向上して通信可能
の確率を高めることができる。特に、9.6kbpsや
6.6kbps等の高速なビットレートで伝送する無線
回線を使用する移動体衛星通信システムに用いた場合に
効果が顕著となる。
【0042】移動局11から送信された電波信号は、通
信衛星20で中継され網管理局40により指定された基
地局31のアンテナ310を通して衛星回線送受信装置
320で受信される。衛星回線送受信装置320は無線
搬送波信号の狭帯域フィルタを備えており、移動局11
からの受信信号中にビットレート低下比率を示す情報を
検出した場合は狭帯域フィルタを通してSN比を向上さ
せてから、ビットレートの低下がない場合は狭帯域フィ
ルタを通さずにディジタルデータに復調し信号処理装置
330へ出力する。信号処理装置330は、このデータ
を一たんバッファメモリ340に蓄積し複数パケットに
分割されていれば1つにまとめ、移動局11側のビット
レート低下比率に反比例した読出し速度でバッファメモ
リ340からデータを読出してビットレートを元に戻
す。また、信号処理装置330は、移動端末装置100
と同様の4.8kbpsの符号化則および2.4kbp
sの符号化則を有しディジタル信号およびアナログ信号
相互間の変換を行う音声デコーダおよび音声エンコーダ
(ともに図示せず)を備えており、移動局11からの受
信信号中に2.4kbps符号化則で符号化されたこと
を示す情報を検出した場合は2.4kbpsのビットレ
ートでバッファメモリ340からのデータ読出しおよび
復号化を行い、2.4kbpsでない場合は4.8kb
psのビットレートでバッファメモリ340からのデー
タ読出しおよび復号化を行う。信号処理装置330によ
り復元されたメッセージ情報,音声情報,あるいはファ
クシミリ情報等の各種信号は、公衆網インタフェース装
置350により公衆網60に適した信号形式(ディジタ
ル信号あるいはアナログ信号)に変換され公衆網60を
通して指定された宛先の運行管理センター51へ発信,
転送される。なお、公衆網60上における各ユーザ対応
の運行管理センター51〜53の加入者番号はあらかじ
め各基地局30〜33に登録されている。
【0043】運行管理センター51のユーザ端局装置5
00では、通信制御部520が公衆網インタフェース装
置510を通して基地局31からの各種信号を受信し、
情報種別に応じてデータ通信端末530,電話端末54
0,あるいはファクシミリ端末550のいずれかを選択
し出力させる。
【0044】一方、運行管理ンター51から移動局11
への情報伝達は上記と逆ルートで行われる。データ通信
端末530,電話端末540,あるいはファクシミリ端
末550への入力情報に応じた信号が公衆網60を通し
て基地局31へ転送され、ディジタルデータ化されてバ
ッファメモリ340に一時蓄積される。このとき、音声
情報の符号化は通常の場合4.8kbps符号化則を用
い、移動局11からの受信信号が2.4kbps符号化
則で符号化されていた場合は2.4kbps符号化則を
用いる。信号処理装置330は衛星回線送受信装置32
0を制御し、バッファメモリ340から順次データを読
出しパケット化して無線搬送波を変調し通信衛星20へ
送出する。なお、単位通信時間が指定されている場合
は、データの読出しを所定バイト単位に分割し複数のパ
ケットとする。また、移動局11からの受信信号がビッ
トレート低下処理されていた場合はバッファメモリ34
0からの読出しビットレートを低下させる。移動局11
からのパケット単位の正常受信応答がなければ、当該パ
ケットを再送する。
【0045】移動局11は通信衛星20を通した基地局
31からの無線搬送波信号を狭帯域フィルタを内蔵する
受信部121で受信し、送信時に送信バッファメモリ1
40の読出しビットレート低下処理を行った場合は狭帯
域フィルタを通してSN比を向上させてから、行わなか
った場合は狭帯域フィルタを通さずにディジタルデータ
に復調し受信バッファメモリ123へ一たん蓄積し、複
数パケットに分割されていれば1つにまとめる。制御部
160は、送信時に送信バッファメモリ140の読出し
ビットレート低下処理を行った場合はその低下比率に反
比例した読出し速度で受信バッファメモリ123からデ
ータを読出してビットレートを元に戻し、情報種別に応
じて出力先を選択する。データが音声情報の場合は、音
声デコーダ170により送信時と同一の符号化則に基づ
き復号化(アナログ信号化)され入出力部180のスピ
ーカ181より音声として出力される。メッセージ情報
およびファクシミリ情報は、表示装置183およびファ
クシミリ端末190よりそれぞれ出力される。
【0046】なお、発呼,着呼,終話および各種警報等
の利用者への報知のためのトーン信号はトーン信号発生
回路161で作られトーン合成回路171により音声信
号と同一のスピーカ181に出力される。
【0047】網管理局40は、通信衛星20のチャンネ
ル上の通信を監視し移動局11あるいは基地局31(運
行管理センター51)のいずれかからの終話を検出する
と、当該通信チャンネルの使用終了信号を両者に送出
し、移動局11および基地局31は当該チャンネルの使
用を停止して制御チャンネルでの受信(待機)状態に戻
るとともに、網管理局40は割りあて用の空きチャンネ
ルリストに当該チャンネルを登録する。また、網管理局
40は必要な課金情報を課金記録装置430に記録して
おく。
【0048】次に、運行管理センター51から移動局1
1へ発呼する場合の動作を説明する。運行管理センター
51のユーザ端局装置500は公衆網60を通して網管
理局40へ発呼し、移動局11に対する発呼要求を行
う。網管理局40の衛星回線制御装置420は移動局1
1からの発呼のときと同様な方法で基地局31に対する
チャンネル制御を行うとともに、運行管理センター51
に対し基地局31への接続を指示する。運行管理センタ
ー51は公衆網60を通して基地局31へ発呼し直し、
接続後、通信信号を送出する。以後の動作は移動局11
からの発呼の場合と同様である。
【0049】以上説明したように、各ユーザの運行管理
センターの管理者と移動局の車両運転者等との間でメッ
セージ通信および音声通信を行うことができる。
【0050】なお、本実施例においては通信衛星20の
無線回線の搬送波周波数帯をKuバンド(14/12G
Hz)としたが、他の周波数帯を用いてもよい。また、
音声データ、メッセージデータの伝送ビットレートもそ
れぞれ4.8kbps、300bpsに限定せず他のビ
ットレートを用いることができる。また、現在位置を検
出するための無線位置測定システムとして、複数の衛星
から時刻および軌道データを含む電波信号を発信し高精
度測位が可能なNAVSTAR/GPS(naviga
tiaon satellite time and
ranging/global positionin
g system)システムを使用したが、それぞれ適
切な受信機および位置計算回路を備えることにより、地
上の複数のサインポストから位置信号電波を発信するA
VMシステム(automatic vehicle
monitoring system:車両位置等自動
表示システム)や、ロランC等の電波航法システムを使
用することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明の移動端末装置は、移動に伴い固
定障害物により見通しの良否が変動する静止型の通信衛
星との通信が可能となる開始時刻および持続時間を示す
通信可能時間帯を予測する通信可能予測手段として、位
置検出手段および移動検出手段による現在位置および今
後の時間経過に伴う移動先位置情報に基づいて見通し地
図データベースにあらかじめ設定された通信衛星との通
信可能・不可能な位置を示す見通し地図情報を参照し通
信可能時間帯を予測する第1の手段か、移動方向前方部
に設けられた第1のアンテナによる通信衛星からの受信
信号の電界強度検出による移動方向後方部に設けられた
第2のアンテナにおける通信可能時間帯の先読みを行う
第2の手段かのいずれか一方、あるいは両方を備え、デ
ィジタルデータ化されたメッセージや音声等の送信すべ
き情報を送信情報蓄積手段に一時蓄積しておき、通信可
能予測手段により予測された通信可能時間帯において送
信情報蓄積手段に蓄積されたディジタルデータを順次読
出し通信衛星を介して相手先へ送信するので、都市内の
ビルの密集地域のような通信衛星に対するシャドウイン
グが頻繁に発生する地域における移動体衛星通信システ
ムの稼働率(通信可能確率)を向上させることができ
る。なお、通信可能予測手段として上記第1の手段と第
2の手段とを併せ持つことにより相手先と情報通信を行
いながら地図データベースを自己学習により作成するこ
とができる。
【0052】また、本発明の移動端末装置は、移動に伴
い変動する通信可能時間帯を統計処理して算出した所定
の許容待ち時間以内に所定の通信可能確率が得られる単
位通信時間をあらかじめ設定しておき、送信ディジタル
データをこの単位通信時間で送信可能なパケット単位に
分割して送信および再送制御を行うことにより、通信可
能確率をより一層高めることができる。
【0053】また、本発明の移動端末装置は、音声信号
のアナログ・ディジタル変換を行う符号化手段が通常使
用されるビットレートの第1の符号化則およびこれより
通話品質は劣るがビットレートの低い第2の符号化則を
有し、予測された通信可能時間帯内に第1の符号化則に
よりディジタルデータ化された音声情報が送信不可能な
場合は第2の符号化則により音声情報をディジタルデー
タ化し送信情報蓄積手段からの読出しは第1の符号化則
のビットレートで行うことにより、通信所要時間を短縮
し通信可能確率をさらに高めることができる。さらに、
通信衛星からの受信側にバッファメモリ等のビットレー
トを変換する手段を備え、音声信号のディジタル・アナ
ログ変換を行う復号化手段にも上記第1の符号化則およ
び第2の符号化則を有することにより、相手先により第
2の符号化則によりディジタル化され第1の符号化則の
ビットレートで時間短縮されて送信されたデータを元の
ビットレートに戻し正常に音声変換することができ、相
手先からの通信可能確率を高めることができる。
【0054】また、本発明の移動端末装置は、通信衛星
からの電波信号の電界強度を検出する電界強度検出手段
を有し、通信衛星からの信号のSN比が基準値よりも低
下したことを検出すると、送信情報蓄積手段からのディ
ジタルデータの読出しビットレートを低下させて送信す
ることにより、通信衛星との無線回線上の無線搬送波信
号の帯域を狭めSN比を向上させて通信可能確率をさら
に高めることができる。さらに、受信側に狭帯域フィル
タと、バッファメモリ等のビットレートを変換する手段
とを有することにより、相手先によりビットレートの低
下したディジタルデータにより変調された無線搬送波を
狭帯域フィルタを通してSN比を向上させてから復調し
ビットレートを復旧させることができ、相手先からの通
信可能確率を高めることができる。
【0055】また、本発明の移動端末装置は、通信可能
予測手段が通信可能時間帯とともに通信衛星との通信が
可能となる場所を示す通信可能地帯を予測し、これら通
信可能時間帯および通信可能地帯の情報を入出力手段に
可視表示することにより、利用者が通信可能となる時間
および場所を容易に認識でき迅速に対応することが可能
となる。
【0056】本発明の移動体衛星通信システムは、上記
通信可能予測手段および送信情報蓄積手段を有する移動
端末装置と、通信衛星を常時見通し通信衛星を通して移
動端末装置との間でディジタルデータ化された情報の双
方向無線通信を行う固定局とを備えており、移動端末装
置がビルの密集する都市部等の固定障害物により通信衛
星に対する見通しの良否が頻繁に変動する地域を移動し
ながら固定局と通信する際に、ディジタルデータ化し蓄
積したメッセージや音声等の情報を予測した通信可能時
間帯において固定局へ順次送信するので、稼働率(通信
可能確率)を高め移動端末装置の移動中使用可能な地域
を拡大し、メッセージ通信および音声通信の両方を全国
的な広域に亘って経済的にサービスすることができる。
【0057】また、本発明の移動体衛星通信システム
は、移動端末装置および固定局の各々が、送信データを
あらかじめ設定した上記単位通信時間で送信可能なパケ
ット単位に分割して送信制御および送信不達時の再送制
御を行うことにより、相互の通信可能確率をより一層高
めることができる。
【0058】また、本発明の移動体衛星通信システム
は、移動端末装置が予測した通信可能時間帯内に音声情
報を上記第1の符号化則によりデータ化したのでは送信
不可能と判定した場合に判定結果を固定局に通知し、移
動端末装置および固定局の各々が上記第2の符号化則に
よりデータ化しそのビットレートを第1の符号化則のビ
ットレートに変換し通信所要時間を短縮して送信し、受
信側でビットレートを戻して復号することにより、相互
の通信可能確率をさらに高めることができる。
【0059】また、本発明の移動体衛星通信システム
は、移動端末装置が通信衛星からの電波信号の電界強度
が所定レベル以下であると判定した場合に判定結果を固
定局に通知し、移動端末装置および固定局の各々が無線
回線上のデータのビットレートを低下させて送信し、受
信側で狭帯域フィルタを通してSN比を向上させてから
ビットレートを復旧することにより、相互の通信可能確
率をさらに高めることができる。
【0060】さらに、本発明の移動体衛星通信システム
は、固定局がユーザごとに設けられ情報の入出力を行う
複数のユーザ端局と、公衆網を通して複数のユーザ端局
と接続され通信衛星との間で電波信号によりディジタル
データ化された情報の送受信を行う基地局とで構成さ
れ、通信衛星と公衆網とに接続し基地局を通したユーザ
端局,移動端末装置,および通信衛星相互間の通線回線
の管理,制御を行う網管理局を備えることにより、ユー
ザの基地局の経費負担を抑え、より一層の広域化,経済
化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の移動端末装置の一実施例を示すブロッ
ク構成図である。
【図3】図1の実施例の基地局、網管理局、運行管理セ
ンターの詳細構成および相互間の接続を示す図である。
【符号の説明】
11,12,13,14 移動局 20 通信衛星 30,31,…,34 基地局 40 網管理局 51,52,53,54 運行管理センター 60 公衆網 100 移動端末装置 110,120,130 アンテナ 111,121 受信部 112,122 電界強度検出回路 123 受信バッファメモリ 131 GPS受信機 132 位置計算回路 133 地図・シャドウイング・データベース 138 速度・加速度センサー 139 方位センサー 140 送信バッファメモリ 141 送信部 160 制御部 170 音声デコーダ 172 音声エンコーダ 180 入出力部 320 衛星回線送受信装置 330 信号処理装置 340 バッファメモリ 350,410,510 公衆網インタフェース装置 500 ユーザ端局装置
フロントページの続き (72)発明者 長谷 良裕 東京都小金井市貫井北町4−2−1 郵 政省通信総合研究所内 (72)発明者 井澤 一朗 東京都港区麻布台1−6−19 郵政省郵 政研究所内 (72)発明者 森田 英夫 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38 H04B 7/15

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陸上の移動体に搭載され、前記移動体の
    移動に伴い固定障害物により見通しの良否が変動する静
    止型の通信衛星を通して相手先とディジタル双方向無線
    通信を行う移動端末装置において、 前記通信衛星との間で電波信号によりディジタルデータ
    の送受信を行う無線送受信手段と、 マンマシンインタフェースを有し前記ディジタルデータ
    と入出力情報との相互変換を行う入出力手段と、 前記移動体の移動範囲内の前記通信衛星との通信が可能
    な位置および不可能な位置を示す見通し地図情報をあら
    かじめ設定した見通し地図データベースと、 無線位置測定システムからの信号に基づき前記移動体の
    現在位置を検出する位置検出手段と、 前記移動体の移動方向および速度を検出する移動検出手
    段と、 前記位置検出手段および前記移動検出手段の検出出力に
    基づいて前記見通し地図データベースを参照し移動に従
    って前記通信衛星との通信が可能となる開始時刻および
    持続時間を示す通信可能時間帯を予測する通信可能予測
    手段と、 前記入出力手段より入力されディジタルデータ化された
    前記相手先へ送信すべき情報を一時蓄積する送信情報蓄
    積手段と、 前記通信可能予測手段により予測された前記通信可能時
    間帯において前記送信情報蓄積手段に蓄積されたディジ
    タルデータを順次読出し前記無線送受信手段を介して前
    記通信衛星へ送信する送信制御手段と、 を備えることを特徴とする移動端末装置。
  2. 【請求項2】 陸上の移動体に搭載され、前記移動体の
    移動に伴い固定障害物により見通しの良否が変動する静
    止型の通信衛星を通して相手先とディジタル双方向無線
    通信を行う移動端末装置において、 前記移動体の移動方向前方部に設けられ前記通信衛星か
    らの電波信号を受信する第1のアンテナと、前記移動体
    の移動方向後方部に設けられ前記通信衛星との間で電波
    信号を送受信する第2のアンテナと、前記第1のアンテ
    ナで受信した前記通信衛星からの電波信号の電界強度を
    検出する電界強度検出手段とを有し、前記通信衛星との
    間で電波信号によりディジタルデータの送受信を行う無
    線送受信手段と、 マンマシンインタフェースを有し前記ディジタルデータ
    と入出力情報との相互変換を行う入出力手段と、 前記移動体の移動方向および速度を検出する移動検出手
    段と、 前記電界強度検出手段および前記移動検出手段の検出出
    力に基づいて前記第2のアンテナによる前記通信衛星と
    の通信が可能となる開始時刻および持続時間を示す通信
    可能時間帯を予測する通信可能予測手段と、 前記入出力手段より入力されディジタルデータ化された
    前記相手先へ送信すべき情報を一時蓄積する送信情報蓄
    積手段と、 前記通信可能予測手段により予測された前記通信可能時
    間帯において前記送信情報蓄積手段に蓄積されたディジ
    タルデータを順次読出し前記無線送受信手段を介して前
    記通信衛星へ送信する送信制御手段と、 を備えることを特徴とする移動端末装置。
  3. 【請求項3】 前記送信制御手段が、前記移動体の移動
    に伴い変動する前記通信衛星に対する前記通信可能時間
    帯を統計処理して算出した所定の許容待ち時間以内に所
    定の通信可能確率が得られる単位通信時間をあらかじめ
    設定し、前記通信衛星への送信ディジタルデータを前記
    単位通信時間で送信可能なパケット単位に分割して送信
    および再送制御を行うことを特徴とする請求項1または
    2記載の移動端末装置。
  4. 【請求項4】 前記入出力手段が、音声を入力しアナロ
    グ信号に変換する音声入力手段と、前記音声入力手段か
    らのアナログ信号を所定の符号化則に則りディジタル信
    号に変換する符号化手段と、ディジタル信号を前記所定
    の符号化則に則りアナログ信号に逆変換する復号化手段
    と、前記復号化手段からのアナログ信号を音声に変換し
    出力する音声出力手段と、文字,数字および記号データ
    を入力するキー入力手段と、文字,数字および記号デー
    タを可視表示する表示手段とを有し、音声情報および定
    型文をコード化したメッセージ情報の通信を可能とする
    ことを特徴とする請求項1または2記載の移動端末装
    置。
  5. 【請求項5】 前記符号化手段が前記所定の符号化則と
    して、前記通信衛星との無線回線上のビットレートと同
    一のビットレートの第1の符号化則およびこれより通話
    品質は劣るがビットレートの低い第2の符号化則を有
    し、 前記送信制御手段が、前記通信可能予測手段により予測
    された前記通信可能時間帯内に前記第1の符号化則に則
    りディジタルデータ化された音声情報が送信可能か判定
    し、送信可能な場合は前記符号化手段に対し前記第1の
    符号化則を指定し、送信不可能な場合は前記第2の符号
    化則を指定し、いずれの符号化則が選択されたか示す符
    号化則選択情報とともに、前記符号化手段により変換さ
    れ前記送信情報蓄積手段に蓄積された音声情報のディジ
    タルデータを選択された符号化則にかかわらず常に前記
    第1の符号化則のビットレートと同一のビットレートで
    前記通信衛星に送信することを特徴とする請求項4記載
    の移動端末装置。
  6. 【請求項6】 前記無線送受信手段が受信したディジタ
    ルデータのビットレートを変換する手段を有し、 前記復号化手段が前記所定の符号化則として、前記第1
    の符号化則および前記第2の符号化則を有し、 前記送信制御手段により前記符号化手段の符号化則とし
    て前記第2の符号化則が選択された場合に、前記相手先
    により前記第2の符号化則に則りディジタルデータ化さ
    れ前記第1の符号化則のビットレートと同一のビットレ
    ートで変調された電波信号を前記通信衛星から受信する
    と、前記無線送受信手段が復調したディジタルデータの
    ビットレートを前記第2の符号化則のビットレートに変
    換し、前記復号化手段が前記第2の符号化則に則り前記
    ディジタルデータのアナログ化を行うことを特徴とする
    請求項5記載の移動端末装置。
  7. 【請求項7】 前記無線送受信手段が前記通信衛星から
    の電波信号の電界強度を検出する電界強度検出手段を有
    し、 前記送信制御手段が、前記電界強度検出手段の出力に基
    づき前記通信衛星からの信号のSN比があらかじめ決め
    られた基準値よりも低下したことを検出すると、前記送
    信情報蓄積手段からのディジタルデータの読出しビット
    レートを低下させ、読出しビットレートの低下を示す情
    報とともに前記通信衛星に送信することを特徴とする請
    求項1または2記載の移動端末装置。
  8. 【請求項8】 前記無線送受信手段が、受信した無線搬
    送波信号の帯域を狭めSN比を向上させる狭帯域フィル
    タと、受信したディジタルデータのビットレートを変換
    する手段とを有し、 前記送信制御手段により前記読出しビットレートの低下
    が行われた場合に、前記相手先によりビットレートの低
    下が行われたディジタルデータにより変調された電波信
    号を前記通信衛星から受信すると、前記狭帯域フィルタ
    を通して前記ディジタルデータを復調しビットレートを
    復旧させることを特徴とする請求項7記載の移動端末装
    置。
  9. 【請求項9】 前記通信可能予測手段が前記通信衛星と
    の通信が可能となる前記通信可能時間帯とともに、前記
    通信衛星との通信が可能となる場所を示す通信可能地帯
    を予測し、前記入出力手段が前記通信可能時間帯および
    前記通信可能地帯の情報を可視表示することを特徴とす
    る請求項1または2記載の移動端末装置。
  10. 【請求項10】 前記無線送受信手段が、前記移動体の
    移動方向前方部に設けられ前記通信衛星からの電波信号
    を受信する第1のアンテナと、前記移動体の移動方向後
    方部に設けられ前記通信衛星との間で電波信号を送受信
    する第2のアンテナと、前記第1のアンテナで受信した
    前記通信衛星からの電波信号の電界強度を検出する電界
    強度検出手段とを有し、 前記移動体の移動範囲内の地図情報を前記見通し地図デ
    ータベースにあらかじめ設定し、移動するに従って前記
    位置検出手段により検出された現在位置に対応する前記
    地図情報上の位置ごとに前記電界強度検出手段の検出出
    力に基づく前記通信衛星との通信が可能か否かを示す見
    通し情報を付加して前記見通し地図情報を作成し、前記
    通信衛星との情報送受信は前記第2のアンテナにより行
    うことを特徴とする請求項1記載の移動端末装置。
  11. 【請求項11】 静止軌道上で静止している通信衛星
    と、 移動に伴い固定障害物により前記通信衛星に対する見通
    しの良否が変動する地域を移動する請求項1または2記
    載の移動端末装置と、 前記通信衛星を常時見通し、前記通信衛星を通して前記
    移動端末装置との間でディジタルデータ化された情報の
    双方向無線通信を行う固定局と、 を備え、 前記移動端末装置が、入力情報をディジタルデータ化し
    蓄積するとともに、移動に伴う前記通信衛星の見通しの
    変動に応じた通信可能時間帯を予測し、予測した前記通
    信可能時間帯において蓄積した情報を前記通信衛星を介
    して前記固定局に順次送信することを特徴とする移動体
    衛星通信システム。
  12. 【請求項12】 前記移動端末装置および前記固定局の
    各々が、前記移動端末装置の移動に伴い変動する前記通
    信衛星に対する前記通信可能時間帯を統計処理して算出
    した所定の許容待ち時間以内に所定の通信可能確率が得
    られる単位通信時間をあらかじめ設定し、前記通信衛星
    を通した相手先への送信ディジタルデータを前記単位通
    信時間で送信可能なパケット単位に分割して送信制御お
    よび送信不達時の再送制御を行うことを特徴とする請求
    項11記載の移動体衛星通信システム。
  13. 【請求項13】 前記移動端末装置および前記固定局の
    各々が、前記通信衛星との無線回線上のビットレートと
    同一のビットレートの第1の符号化則およびこれより通
    話品質は劣るがビットレートの低い第2の符号化則のう
    ちいずれか選択された符号化則に則り音声情報のアナロ
    グ信号とディジタルデータとの間の符号化および復号化
    の相互変換を行う手段と、前記ディジタルデータのビッ
    トレートを変換する手段とを有し、 前記移動端末装置が前記通信可能時間帯内に前記第1の
    符号化則に則りディジタルデータ化された音声情報が送
    信可能か判定するとともに判定結果を前記固定局に通知
    し、送信不可能な場合に前記移動端末装置および前記固
    定局の各々が前記第2の符号化則に則って符号化された
    ディジタルデータを前記第1の符号化則のビットレート
    に変換し通信所要時間を短縮して送信し受信側で前記第
    2の符号化則のビットレートに戻して復号化することを
    特徴とする請求項11記載の移動体衛星通信システム。
  14. 【請求項14】 前記移動端末装置および前記固定局の
    各々が、前記通信衛星との無線回線上の無線搬送波信号
    の帯域を狭めSN比を向上させる狭帯域フィルタと、デ
    ィジタルデータのビットレートを変換する手段とを有
    し、 前記移動端末装置が前記通信衛星からの電波信号の電界
    強度が所定レベル以下であるか判定するとともに判定結
    果を前記固定局に通知し、所定レベル以下の場合に前記
    移動端末装置および前記固定局の各々が前記ディジタル
    データの前記無線回線上のビットレートを低下させて送
    信し受信側で前記狭帯域フィルタを通してSN比を向上
    させてからビットレートを復旧することを特徴とする請
    求項11記載の移動体衛星通信システム。
  15. 【請求項15】 前記固定局が、ユーザごとに設けられ
    情報の入出力を行う複数のユーザ端局と、公衆網を通し
    て前記複数のユーザ端局と接続され前記通信衛星との間
    で電波信号によりディジタルデータ化された情報の送受
    信を行う基地局とで構成され、 前記通信衛星と前記公衆網とに接続し、前記基地局を通
    した前記ユーザ端局,前記ユーザ端局の通信相手先であ
    る前記移動端末装置,および前記通信衛星相互間の通信
    回線の管理,制御を行う網管理局を備えたことを特徴と
    する請求項11,12,13または14記載の移動体衛
    星通信システム。
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