JP2907634B2 - ホームバスシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，家庭内に設置された端
末機器をホームバスに接続してホームバスコントローラ
により複数の端末機器を制御するホームバスシステムに
関する。

【０００２】

【従来の技術】ホームバスシステムは，家庭内の各種機
器相互間で使われる情報信号を家庭内に設置した共用の
信号線路（ホームバス）に情報コンセントを通して送受
し，有効な機能を果たすようにしたものである。その概
念図を図６に示す。同図において，ホームバスコントロ
ーラ３０は，各端末機器との信号送受信，システムの制
御及び状況監視や表示の各機能，更に電話回線３８や放
送受信アンテナ３９等とのインタフェースなどの機能を
有し，本システムの中心的役割を果たす機器である。ま
た，ホームバス３１は，前記ホームバスコントローラ３
０と各端末機器とを結ぶ共用の信号線路で，通常は同軸
ケーブルとツイストペアケーブルとで構成される。同軸
ケーブルは放送等の映像・オーディオ信号及びデータ信
号を相互に伝送する。また，ツイストペアケーブルは電
話，インターホン等の通信信号の他，制御信号，データ
信号の伝送用として用いられる。具体的な例を図６で示
せば，ホームバスコントローラ３０はホームバス３１を
通じて防犯センサ３４，ガス検知器３３や煙検知器，風
呂センサ等と接続したセキュリティ情報の監視，インタ
ーホン３７との送受信，電気錠４０の施錠・開錠などの
人の出入り情報の監視と制御，照明３７，エアコンディ
ショナ３６，テレビ３５の監視と制御，電話３６，パー
ソナルコンピュータ４１等の切り替えや電話回線３８と
の接続，セキュリティ情報の外部伝送等を行う。前記ホ
ームバスコントローラ３０による各端末機器の制御は，
各端末機器個別の制御の他，就寝時や外出時にはセキュ
リティ関係や電話等の通信関係など常時動作させるもの
を除いて，照明，テレビ等を一括して停止させるパター
ン制御を行うことができる。また，端末機器側の制御ス
イッチで個別に制御することも可能で，この場合は端末
機器側の操作信号をホームバスコントローラ３０で受信
して，ホームバスコントローラ３０の制御信号により端
末機器が制御され，ホームバスコントローラ３０に動作
表示がなされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
るホームバスシステムにおいては，ホームバスコントロ
ーラの制御により停止している端末機器であっても，端
末機器側の操作スイッチで動作オンに操作することがで
きる。通常状態においては，前記操作方式により正常な
動作制御がなされるが，異常事態発生時に前記操作方式
が不測の事態を招く恐れがある。具体的な事例でもっ
て，これを説明する。例えば，ガス漏れの発生に気付い
た使用者が，換気しようと端末機器である換気扇を端末
機器側操作部により動作させた場合，開閉接点，モータ
整流子などで火花が生じたときに，ガス爆発を起こす危
険性が多分にある。ガス漏れのあるときに電気機器を動
作させないことは常識であるが，使用者の不注意により
前記のように換気扇等を動作させてしまうことがある。
ホームバスシステムにガス漏れ検知等のセキュリティ機
能が備わっている場合には，前記のような場合にホーム
バスコントローラがガス漏れ検知して，各端末機器の動
作をオフ制御にしていたとしても，従来システムでは端
末機器側での操作によっても動作オンにさせ得るため，
使用者の不注意により動作させてはならない端末機器を
動作させてしまったことから最悪の事態を招きかねない
問題点があった。本発明は上記問題点に鑑み創案された
もので，ホームバスコントローラがガス漏れを検知した
ときには，ホームバスコントローラの制御を端末機器側
の制御に優先させ，換気扇の端末機器側での操作を禁止
させ得る手段を設けたホームバスシステムを提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用する手段は，家庭内に配置されたガス検
知器と換気扇とを含む複数の端末機器をホームバスを介
して全端末機器を集中制御するホームバスコントローラ
に接続すると共に，各端末機器毎に端末機器側操作部を
設けてホームバスに接続し，該端末機器側操作部からの
操作信号により前記ホームバスコントローラを介して各
端末機器を制御するように構成されたホームバスシステ
ムにおいて，前記ガス検知器によりガス漏れが検知され
た場合に，前記換気扇の端末機器側操作部からの操作を
禁止するホームバスコントローラ制御優先の設定を行う
優先設定制御手段と，前記換気扇に不用意な操作を防止
するよう配設され，前記優先設定制御手段によるホーム
バスコントローラ制御優先の設定を解除するホームバス
コントローラ制御優先解除手段とを具備してなることを
特徴とするホームバスシステムとして構成される。ま
た、上記構成において，ホームバスコントローラ制御優
先の設定がなされたとき，ホームバスコントローラ制御
優先の設定を表示する表示手段を換気扇の端末機器側操
作部に設けたホームバスシステムとして構成することも
できる。

【０００５】

【作用】本発明によれば，ホームバスコントローラから
ガス検知器と換気扇とを含む全端末機器を集中制御する
ことができると共に，各端末機器毎に設けられた端末機
器側操作部によって各端末機器側の操作によって個別に
制御できるように構成され，更に，ホームバスコントロ
ーラの制御が優先するホームバスコントローラ制御優先
の設定手段を設けて，これを随時動作させ得るように構
成されているので，ガス検知器からの信号に基づいてホ
ームバスコントローラがガス漏れを検知したときには，
換気扇の端末機器側の制御操作を禁止させることができ
る。このホームバスコントローラ制御優先の設定手段を
動作させることにより，例えば，ガス漏れ時に火花発生
の可能性のある換気扇を不注意により動作させてしまっ
たことによるガス爆発という最悪の事態発生を防止する
ことができる。上記ホームバスコントローラ制御優先の
設定手段が動作したとき，動作禁止の設定が適用された
換気扇には端末機器側での操作ができないことを表示さ
せることができる。

【０００６】

【実施例】以下，添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し，本発明の理解に供する。尚，以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって，本発明
の技術的範囲を限定するものではない。ここに，図１は
本実施例に係るホームバスシステムの構成を示すブロッ
ク回路図，図２は実施例に係る端末機器のオン／オフ制
御の構成を示すブロック回路図，図３は実施例に係るホ
ームバスコントローラ制御優先の設定手段の動作手順を
示すフローチャート，図４は端末機器の一例である換気
扇の斜視図，図５はホームバスコントローラ制御優先の
実施態様の構成を示すブロック回路図である。図１にお
いて，家庭内に敷設されたホームバス１は同軸ケーブル
とツイストペアケーブルとからなる情報伝送線路で，そ
の一端にホームバスコントローラ（ＨＢＣ）２が接続さ
れており，また，要所に情報コンセント３が配置され，
該情報コンセント３にインタフェースユニット（ＩＦ
Ｕ）９を介して各端末機器Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３──が接続
される。更に，ホームバス１には煙センサ，防犯セン
サ，ガス漏れセンサ等のセキュリティセンサ４，温度セ
ンサ，湿度センサ等の環境センサ５が接続され，検知情
報をホームバスコントローラ２に伝送している。ホーム
バスコントローラ２は各端末機器Ｔのオン／オフ制御を
行う他，状況監視を実行して環境条件あるいは外部入信
情報に基づく制御を行うと共に，各端末機器Ｔからの入
信情報に基づく制御を行う。また，セキュリティセンサ
４からの異常情報に対しては警報，通報等を実行する。
更には，ネットワークターミネーション（ＮＴ）とのイ
ンタフェースなどの機能をもった本システムの中心的役
割を果たしている。ＮＴ１はテレビやラジオ放送用アン
テナに相当する。ＮＴ２は双方向通信のネットワーク
で，通常ＣＡＴＶの終端装置である。ＮＴ３は公衆網終
端装置で，通常は電話回線に接続されるものである。上
記のように構成されるホームバスシステムにおいて，家
電機器，住設機器の自動化や監視制御などを行うハウス
コントロールを行うことができる。例えば，使用してい
ない部屋の照明，空調などをホームバスコントローラ２
から遠隔制御により消すなどのオフ制御，あるいは所定
時間前から空調を動作させて使用時刻には快適温度にす
るオン制御，環境条件に合わせてガス，電気，太陽熱等
のエネルギー源の切り替えや省エネルギー運転をする制
御，煙センサ，防犯センサ，漏電センサ等による防犯，
防災のための制御などである。

【０００７】本実施例における各端末機器Ｔのオン／オ
フ制御は，図２に示すように各端末機器Ｔの電源のオン
／オフをホームバス１を通じてホームバスコントローラ
２から制御する。例えば，端末機器Ｔ１が照明機器であ
るとき，該照明機器を点灯させるためホームバスコント
ローラ２に備えられた操作部で端末機器Ｔ１オンの操作
をすると，その操作信号はホームバス１を通じて伝送さ
れ，リレー８を動作させて端末機器Ｔ１である照明機器
を点灯させる。一方，端末機器Ｔ側でオン／オフを操作
するには，上例照明機器の場合では，該照明機器の操作
部１０（該照明機器が設置された部屋の壁スイッチ等）
を操作すれば，その操作信号はホームバス１からホーム
バスコントローラ２に伝送され，ホームバスコントロー
ラ２からリレー８を動作させて照明機器が点滅される。
通常状態においては，上記のように端末機器Ｔの制御を
ホームバスコントローラ２と各端末機器Ｔとの，どちら
側からでも制御できることが必要であるが，本実施例ホ
ームバスシステムにおいては，ホームバスコントローラ
２がガス漏れ等を検知したような場合には，端末機器Ｔ
が動作することによる接点火花の発生等によりガス爆発
の危険を回避するために，端末機器Ｔのオン／オフ制御
を端末機器Ｔ側で操作できないようにするホームバスコ
ントローラ制御優先の設定手段が設けられている。ホー
ムバスコントローラ２は，ガス漏れセンサによるガス漏
れ，漏電センサによる漏電等を検知したような異常事態
発生時には，ホームバスコントローラ制御優先設定手段
を動作させる。このとき，予め優先設定に指定された端
末機器Ｔでは，端末機器側操作部による操作ができない
ように制御される。即ち，ホームバスコントローラ２に
具備された制御回路に予めホームバスコントローラ制御
優先の設定を行う条件設定をして，この条件に該当する
事態発生時には，予め優先設定に指定した端末機器Ｔの
端末機器側操作部の動作を禁止する制御を行う。図３は
ホームバスコントローラ２の制御部が行うホームバスコ
ントローラ制御優先の設定動作の手順を示すもので，ス
テップ１でガス漏れ等のホームバスコントローラ（ＨＢ
Ｃ）制御優先の設定を行う対象となるセンサ入力の有無
を常時監視する。ＨＢＣ制御優先の設定条件に該当する
センサ入力があったときには，ＨＢＣ制御優先動作がオ
ンに判断されて，端末機器側操作部からの制御信号入力
を禁止する（ステップ２）。このとき，同時に端末機器
側操作部に操作禁止信号を送信して端末機器側操作部に
端末機器側操作禁止の表示をすることができる（ステッ
プ３）。ステップ１によるＨＢＣ制御優先の設定条件の
監視が異常事態の解消を判断したときには，ＨＢＣ制御
優先動作のオン／オフ判断ステップでオフに判断される
ので，端末機器側操作の禁止を解除し（ステップ５），
端末機器側操作禁止の表示をオフにして通常状態に復旧
する（ステップ６）。

【０００８】図４は本ホームバスシステムの端末機器と
して適用させるために設計された換気扇の一例で，本換
気扇１１は端末機器側操作部を機器内に具備しており，
通常はプルスイッチ１３を操作することにより，その操
作は端末機器側操作部からホームバス１を通じてホーム
バスコントローラ２に入力され，ホームバスコントロー
ラ２の制御信号により端末機器側操作部内に装置したリ
レーのオン動作により換気扇１１が動作する。ガス漏れ
等の異常事態の発生時には，ホームバスコントローラ２
の制御によりホームバスコントローラ制御優先の設定が
なされ，その設定は換気扇１１に使用禁止の表示灯１４
に示される。このときには，プルスイッチ１３を操作し
ても換気扇１１は動作しないので，ガス漏れが発生して
いるときに換気扇１１を動作させたことにより生じる可
能性のある火花発生がガス爆発を引き起こす最悪の事態
が防止される。この換気扇１１にはホームバスコントロ
ーラ制御優先の設定を端末機器側で解除することができ
る解除スイッチ１５が設けられている。解除スイッチ１
５はホームバスコントローラ２が故障したような場合に
対処するためのもので，不用意な操作を防止するよう，
容易に操作できない位置，例えば機器ケース内に配置す
る。本換気扇１１においては，通常は換気扇が容易に手
の届かない位置に配置されるものとして機器表面に配置
している。上記構成においては，ホームバスコントロー
ラ制御優先の設定により換気扇１１の端末機器側操作部
からの操作信号の受信をホームバスコントローラ２で禁
止することにより行っているが，図５に示すように，端
末機器Ｔ側に操作禁止の制御部を配置して行うこともで
きる。この場合には，ホームバスコントローラ制御優先
の設定を行うホームバスコントローラ２は，優先設定信
号を優先設定対象となる各端末機器Ｔに送信する。図５
は上記換気扇１１に適用した端末機器側操作部の構成例
で，ホームバスコントローラ２からホームバス１を通じ
て伝送されてきたホームバスコントローラ制御優先の設
定信号を受信したときには，優先設定制御部１２は使用
禁止の表示灯１４を点灯させると共に，操作スイッチで
あるプルスイッチ１３による操作入力を受け付けない動
作を行う。

【０００９】

【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば，ホー
ムバスコントローラからガス検知器と換気扇とを含む全
端末機器を集中制御することができると共に，各端末機
器毎に設けられた端末機器側操作部によって各端末機器
側の操作によって個別に制御できるように構成され，更
に，ホームバスコントローラの制御が優先するホームバ
スコントローラ制御優先の設定手段を設けて，これを随
時動作させ得るように構成されているので，ガス検知器
からの信号に基づいてホームバスコントローラがガス漏
れを検知したときには，換気扇の端末機器側の制御操作
を禁止させることができる。このホームバスコントロー
ラ制御優先の設定手段を動作させることにより，ガス漏
れ時に火花発生の可能性のある端末機器を不注意により
動作させてしまったことによるガス爆発という最悪の事
態発生を防止することができる。上記ホームバスコント
ローラ制御優先の設定手段が動作したとき，動作禁止の
設定が適用された換気扇には端末機器側での操作ができ
ないことを表示させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例に係るホームバスシステムの
構成を示すブロック回路図。

【図２】 実施例に係る端末機器のオン／オフ制御の構
成を示すブロック回路図。

【図３】 実施例に係るホームバスコントローラの制御
優先設定の動作手順を示すフローチャート。

【図４】 実施例に係る端末機器の一例である換気扇の
斜視図。

【図５】 実施例に係るホームバスコントローラ制御優
先設定の実施態様の構成を示すブロック回路図。

【図６】 ホームバスシステムの概要を示す概念図

【符号の説明】

１──ホームバス ２──ホームバスコントローラ １０──端末機器側操作部 Ｔ──端末機器

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家庭内に配置されたガス検知器と換気扇
   とを含む複数の端末機器をホームバスを介して全端末機
   器を集中制御するホームバスコントローラに接続すると
   共に，各端末機器毎に端末機器側操作部を設けてホーム
   バスに接続し，該端末機器側操作部からの操作信号によ
   り前記ホームバスコントローラを介して各端末機器を制
   御するように構成されたホームバスシステムにおいて，前記ガス検知器によりガス漏れが検知された場合に，前
   記換気扇の端末機器側操作部からの操作を禁止する ホー
   ムバスコントローラ制御優先の設定を行う優先設定制御
   手段と， 前記換気扇に不用意な操作を防止するよう配設され，前
   記優先設定制御手段によるホームバスコントローラ制御
   優先の設定を解除するホームバスコントローラ制御優先
   解除手段とを具備してなる ことを特徴とするホームバス
   システム。
2. 【請求項２】 上記ホームバスコントローラ制御優先の
   設定がなされたとき，ホームバスコントローラ制御優先
   の設定を表示する表示手段を前記換気扇の端末機器側操
   作部に設けた請求項１記載のホームバスシステム。