JP2905945B2 - Vero毒素遺伝子の型別検出方法およびそれに用いるプライマ− - Google Patents
Vero毒素遺伝子の型別検出方法およびそれに用いるプライマ−Info
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- JP2905945B2 JP2905945B2 JP3087611A JP8761191A JP2905945B2 JP 2905945 B2 JP2905945 B2 JP 2905945B2 JP 3087611 A JP3087611 A JP 3087611A JP 8761191 A JP8761191 A JP 8761191A JP 2905945 B2 JP2905945 B2 JP 2905945B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PCR(DNA増幅)
法によるVero毒素遺伝子の型別検出方法およびそれに用
いるプライマ−に関する。
法によるVero毒素遺伝子の型別検出方法およびそれに用
いるプライマ−に関する。
【0002】
【従来の技術】Vero毒素産生性大腸菌(Verotoxin-produ
cing Escherichia coli, VTEC)による出血性大腸炎や溶
血性尿毒症症侯群の報告例は、我が国においても年々増
加の傾向にある。下痢と腹痛を伴う症状から短期間で溶
血性尿毒症症侯群を続発し、死亡する例も報告されてお
り、VTECの迅速な検出・同定法の確立が急務とされてい
る。
cing Escherichia coli, VTEC)による出血性大腸炎や溶
血性尿毒症症侯群の報告例は、我が国においても年々増
加の傾向にある。下痢と腹痛を伴う症状から短期間で溶
血性尿毒症症侯群を続発し、死亡する例も報告されてお
り、VTECの迅速な検出・同定法の確立が急務とされてい
る。
【0003】本菌感染において重要な病原的役割を果た
すと考えられているVero毒素(VT)は、現在までに少なく
とも5種類が報告されている。すなわち、志賀赤痢菌の
産生する志賀毒素と分子構造が全く同一のVT1、生物学
的性状はVT1と類似しているが免疫学的物理化学的性状
が全く異なるVT2、VT2と一部共通抗原性を有する豚浮腫
病由来の大腸菌が産生するVT2vp、VT2と一部共通抗原性
を有し溶血性尿毒症症侯群患者由来の大腸菌の産生する
VT2vha、VT2vhbの5種類である。
すと考えられているVero毒素(VT)は、現在までに少なく
とも5種類が報告されている。すなわち、志賀赤痢菌の
産生する志賀毒素と分子構造が全く同一のVT1、生物学
的性状はVT1と類似しているが免疫学的物理化学的性状
が全く異なるVT2、VT2と一部共通抗原性を有する豚浮腫
病由来の大腸菌が産生するVT2vp、VT2と一部共通抗原性
を有し溶血性尿毒症症侯群患者由来の大腸菌の産生する
VT2vha、VT2vhbの5種類である。
【0004】この5種類のVTのDNA配列は、以下の通
り、既に報告されている(図1および図2参照)。 VT1: Microbial Pathogenesis 1987, 2: 147-153 J. Bacteriol., Sept. 1987, p. 4313-4319, Vol. 169,
No. 9 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 84,pp. 4364-4368,
July 1987 Microbial Pathogenesis 1988, 5: 357-369 VT2: FEMS Microbiology Letters 44 (1987) 109-114
(配列番号:1) VT2vp: Microbial Pathogenesis 1988,5: 419-426 J. Bacteriol., Sept. 1988, p. 4223-4230, Vol. 170,
No. 9 VT2vha、VT2vhb: Microbial Pathogenesis 1990, 8: 47
-60
り、既に報告されている(図1および図2参照)。 VT1: Microbial Pathogenesis 1987, 2: 147-153 J. Bacteriol., Sept. 1987, p. 4313-4319, Vol. 169,
No. 9 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 84,pp. 4364-4368,
July 1987 Microbial Pathogenesis 1988, 5: 357-369 VT2: FEMS Microbiology Letters 44 (1987) 109-114
(配列番号:1) VT2vp: Microbial Pathogenesis 1988,5: 419-426 J. Bacteriol., Sept. 1988, p. 4223-4230, Vol. 170,
No. 9 VT2vha、VT2vhb: Microbial Pathogenesis 1990, 8: 47
-60
【0005】また、VT1遺伝子およびVT2遺伝子のそれぞ
れをPCR法により増幅したという報告が既になされてい
る。 VT1: The Journal of Infectious Diseases 1990;162:1
195-1198 VT2: Journal of Clinical Microbiology, Oct. 1990,
p. 2351-2353, Vol. 28, No. 10
れをPCR法により増幅したという報告が既になされてい
る。 VT1: The Journal of Infectious Diseases 1990;162:1
195-1198 VT2: Journal of Clinical Microbiology, Oct. 1990,
p. 2351-2353, Vol. 28, No. 10
【0006】このように、VT1遺伝子およびVT2遺伝子の
PCR法による増幅の報告はあるものの、これが特異的な
ものかどうかは不明である。また、それ以外のVT2vp、V
T2vha、VT2vhb遺伝子の増幅に関する報告は無い。
PCR法による増幅の報告はあるものの、これが特異的な
ものかどうかは不明である。また、それ以外のVT2vp、V
T2vha、VT2vhb遺伝子の増幅に関する報告は無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、VT1、VT
2、VT2vp、VT2vha、およびVT2vhb遺伝子を型別に検出す
る方法は未だ報告されておらず、これらの型別検出方
法、およびこれらを型別にPCR法で特異的に増幅しうる
プライマ−が待望されていた。
2、VT2vp、VT2vha、およびVT2vhb遺伝子を型別に検出す
る方法は未だ報告されておらず、これらの型別検出方
法、およびこれらを型別にPCR法で特異的に増幅しうる
プライマ−が待望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、PCR法によっ
て、VT1、VT2、VT2vp、およびVT2vh遺伝子のいずれか1
つのみを特異的に検出し得るプライマ−を提供する。本
明細書中、「VT2vh遺伝子」とは、VTvha遺伝子およびVTvh
b遺伝子の両方を意味する。従って、「VT2vh遺伝子を特
異的に検出しうるプライマ−」は、VTvha遺伝子およびVT
vhb遺伝子の両方を増幅しうるプライマ−を意味する。
て、VT1、VT2、VT2vp、およびVT2vh遺伝子のいずれか1
つのみを特異的に検出し得るプライマ−を提供する。本
明細書中、「VT2vh遺伝子」とは、VTvha遺伝子およびVTvh
b遺伝子の両方を意味する。従って、「VT2vh遺伝子を特
異的に検出しうるプライマ−」は、VTvha遺伝子およびVT
vhb遺伝子の両方を増幅しうるプライマ−を意味する。
【0009】本発明のプライマ−は、VT1、VT2、VT2v
p、およびVT2vh遺伝子のいずれか1つとのみ同一であ
り、他の3つとは異なる塩基配列を有するものである。
VT2vh遺伝子と同一の塩基配列を有するということは、V
Tvha遺伝子およびVTvhb遺伝子の塩基配列が異なる部分
については、いずれか一方と同一であることを意味す
る。本発明のプライマ−の鎖長は15〜40塩基であ
り、これはPCR法に用いられるプライマ−の通常の長さ
である。
p、およびVT2vh遺伝子のいずれか1つとのみ同一であ
り、他の3つとは異なる塩基配列を有するものである。
VT2vh遺伝子と同一の塩基配列を有するということは、V
Tvha遺伝子およびVTvhb遺伝子の塩基配列が異なる部分
については、いずれか一方と同一であることを意味す
る。本発明のプライマ−の鎖長は15〜40塩基であ
り、これはPCR法に用いられるプライマ−の通常の長さ
である。
【0010】具体的には、5つの遺伝子の配列を比較し
て(図1および図2参照)、それぞれに特異的な領域を
検索し、図3に示す領域から本発明のプライマ−がデザ
インされた。
て(図1および図2参照)、それぞれに特異的な領域を
検索し、図3に示す領域から本発明のプライマ−がデザ
インされた。
【0011】すなわち、VT1遺伝子のみを特異的に検出
しうるプライマ−としては、 5’GCAGTTCGTGGCAAGAGCG 3’および5’GCGTCGCCAGCGCAC
TTG 3’ が例示される。
しうるプライマ−としては、 5’GCAGTTCGTGGCAAGAGCG 3’および5’GCGTCGCCAGCGCAC
TTG 3’ が例示される。
【0012】VT2遺伝子のみを特異的に検出しうるプラ
イマ−としては、 5’AATTTATATGTGGCAGGGTTC 3’および5’CTTCACTGTAAAT
GTGTCATC 3’ が例示される。
イマ−としては、 5’AATTTATATGTGGCAGGGTTC 3’および5’CTTCACTGTAAAT
GTGTCATC 3’ が例示される。
【0013】VT2vp遺伝子のみを特異的に検出しうるプ
ライマ−としては、 5’AAGCCTTACGGTTCAGGCAA 3’および5’CAGTTAAACTTCAC
CTGGGC 3’ が例示される。
ライマ−としては、 5’AAGCCTTACGGTTCAGGCAA 3’および5’CAGTTAAACTTCAC
CTGGGC 3’ が例示される。
【0014】VT2vh遺伝子のみを特異的に検出しうるプ
ライマ−としては、 5’GAAATATCGACTCCTCTTGAG 3’および5’GTATTCTTTCCCG
GCCACT 3’ が例示される。
ライマ−としては、 5’GAAATATCGACTCCTCTTGAG 3’および5’GTATTCTTTCCCG
GCCACT 3’ が例示される。
【0015】これらのプライマ−に対する相補鎖も、も
ちろん本発明のプライマ−として用いることができる。
また、これらのプライマ−を数塩基短縮またはかなり延
長しても、15〜40塩基にわたり、各遺伝子に対して
特異的なものとなることは図1および図2から明らかで
あり、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。
ちろん本発明のプライマ−として用いることができる。
また、これらのプライマ−を数塩基短縮またはかなり延
長しても、15〜40塩基にわたり、各遺伝子に対して
特異的なものとなることは図1および図2から明らかで
あり、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。
【0016】通常、PCR法に用いるプライマ−は、15
塩基以上であると、所望の特異性が得られる。従って、
本発明のプライマ−も15塩基以上であることが望まし
く、上記の配列のうち、少なくとも連続した15塩基ま
たはその相補鎖を有するプライマ−も本発明に包含され
る。
塩基以上であると、所望の特異性が得られる。従って、
本発明のプライマ−も15塩基以上であることが望まし
く、上記の配列のうち、少なくとも連続した15塩基ま
たはその相補鎖を有するプライマ−も本発明に包含され
る。
【0017】本発明のプライマ−は、PCR法によるVT遺
伝子の型別検出用プライマ−として用いられるだけでな
く、VT遺伝子の型別検出用プロ−ブとして用いることも
できる。従って、本発明のプライマ−と同一の塩基配列
を有するオリゴヌクレオチドは、その用途に限定され
ず、すべて本発明に包含される。
伝子の型別検出用プライマ−として用いられるだけでな
く、VT遺伝子の型別検出用プロ−ブとして用いることも
できる。従って、本発明のプライマ−と同一の塩基配列
を有するオリゴヌクレオチドは、その用途に限定され
ず、すべて本発明に包含される。
【0018】本発明のプライマ−を用いるPCR法によるV
T遺伝子の型別検出は、通常の方法で行なえばよい。例
えば、被検菌を溶菌させたのち、Taq DNAポリメラ−ゼ
を加え、変性(94℃、1分)→アニ−リング(62℃、1.5
分)→合成(72℃、1.5分)の反応を約30回繰り返し、
増幅したDNA断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により検出すればよい。用いるプライマ−は、センス/
アンチセンスの2種のうち、両方が特異性の高いもので
ある必要はなく、一方のみでもよい。
T遺伝子の型別検出は、通常の方法で行なえばよい。例
えば、被検菌を溶菌させたのち、Taq DNAポリメラ−ゼ
を加え、変性(94℃、1分)→アニ−リング(62℃、1.5
分)→合成(72℃、1.5分)の反応を約30回繰り返し、
増幅したDNA断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により検出すればよい。用いるプライマ−は、センス/
アンチセンスの2種のうち、両方が特異性の高いもので
ある必要はなく、一方のみでもよい。
【0019】
【実施例】プライマ−:それぞれのVTをコ−ドする遺伝
子の塩基配列を比較して(図1および図2参照)、それ
ぞれに特異的な領域を検索し、図3に示す領域から、以
下の配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
子の塩基配列を比較して(図1および図2参照)、それ
ぞれに特異的な領域を検索し、図3に示す領域から、以
下の配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
【0020】VT1用: センスプライマ−:5’GCAGTTCGTGGCAAGAGCG 3’ (配列
番号:2) アンチセンスプライマ−:5’GCGTCGCCAGCGCACTTG3’
(配列番号:3)
番号:2) アンチセンスプライマ−:5’GCGTCGCCAGCGCACTTG3’
(配列番号:3)
【0021】VT2用: センスプライマ−:5’AATTTATATGTGGCAGGGTTC 3’ (配
列番号:4) アンチセンスプライマ−:5’CTTCACTGTAAATGTGTCATC
3’ (配列番号:5)
列番号:4) アンチセンスプライマ−:5’CTTCACTGTAAATGTGTCATC
3’ (配列番号:5)
【0022】VT2vp用: センスプライマ−:5’AAGCCTTACGGTTCAGGCAA3’ (配列
番号:6) アンチセンスプライマ−:5’CAGTTAAACTTCACCTGGGC
3’ (配列番号:7)
番号:6) アンチセンスプライマ−:5’CAGTTAAACTTCACCTGGGC
3’ (配列番号:7)
【0023】VT2vh用: センスプライマ−:5’GAAATATCGACTCCTCTTGAG 3’ (配
列番号:8) アンチセンスプライマ−:5’GTATTCTTTCCCGGCCACT 3’
(配列番号:9)
列番号:8) アンチセンスプライマ−:5’GTATTCTTTCCCGGCCACT 3’
(配列番号:9)
【0024】使用菌株:各VTの陽性コントロ−ルとし
て、VT1、VT2、VT2vha、VT2vhbについては、クロ−ニン
グ株を、VT2vpについては、オリゴプロ−ブでVT2vp以外
のVTは保持していないことを確認した菌株を用いた。試
験菌株は、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、ミャン
マなどの患者および家畜から分離された56株のVTECであ
る。
て、VT1、VT2、VT2vha、VT2vhbについては、クロ−ニン
グ株を、VT2vpについては、オリゴプロ−ブでVT2vp以外
のVTは保持していないことを確認した菌株を用いた。試
験菌株は、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、ミャン
マなどの患者および家畜から分離された56株のVTECであ
る。
【0025】PCR:DNAの増幅反応は、10 mM Tris-HCl
(pH8.5)、50 mM KCl、1.5 mM MgCl2、0.01%(W/V) ゼラ
チン、200 μM各dNTP、および1 μM各 プライマ−を含
む溶液に、被検菌の培養液1μlを加えた反応溶液100μl
を94℃、5分間で溶菌させた後、Taq DNAポリメラ−ゼ2.
5単位を加え、変性(94℃、1分)→アニ−リング(62℃、
1.5分)→合成(72℃、1.5分)の反応を30回繰り返
した。増幅したDNA断片は、6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法により検出した。
(pH8.5)、50 mM KCl、1.5 mM MgCl2、0.01%(W/V) ゼラ
チン、200 μM各dNTP、および1 μM各 プライマ−を含
む溶液に、被検菌の培養液1μlを加えた反応溶液100μl
を94℃、5分間で溶菌させた後、Taq DNAポリメラ−ゼ2.
5単位を加え、変性(94℃、1分)→アニ−リング(62℃、
1.5分)→合成(72℃、1.5分)の反応を30回繰り返
した。増幅したDNA断片は、6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法により検出した。
【0026】結果:各VT遺伝子に特異的なプライマ−と
陽性コントロ−ル株を用いてPCRを行なった結果、それ
ぞれに特異的なDNA断片のみが増幅された(VT1:503bp、V
T2:806bp、VT2vp:670bp、VT2vh:980bp、図4および図5
参照)。VT2vhを産生する菌株は、99%の相同性を持つ2種
のVT2vhオペロン(vtx2vha、vtx2vhb)を持つが、両者を
特異的に検出する事は不可能であったので、両オペロン
からそれぞれ1ケ所ずつプライマ−用の配列を選出し、
両オペロンを同時に検出した。増幅したDNA断片が目的
の断片であることは、制限酵素での消化により、計算値
と一致するDNA断片に分離することで確認した。その結
果、それぞれのプライマ−を用いるPCRが、各遺伝子に
対して特異的なものであることが確認された。
陽性コントロ−ル株を用いてPCRを行なった結果、それ
ぞれに特異的なDNA断片のみが増幅された(VT1:503bp、V
T2:806bp、VT2vp:670bp、VT2vh:980bp、図4および図5
参照)。VT2vhを産生する菌株は、99%の相同性を持つ2種
のVT2vhオペロン(vtx2vha、vtx2vhb)を持つが、両者を
特異的に検出する事は不可能であったので、両オペロン
からそれぞれ1ケ所ずつプライマ−用の配列を選出し、
両オペロンを同時に検出した。増幅したDNA断片が目的
の断片であることは、制限酵素での消化により、計算値
と一致するDNA断片に分離することで確認した。その結
果、それぞれのプライマ−を用いるPCRが、各遺伝子に
対して特異的なものであることが確認された。
【0027】患者および家畜由来の56株のVTECについて
PCR法で調べた結果、VT1、VT2、VT2vp、VT2vhそれぞれ
単独で陽性を示したものが9、4、12、及び3株であっ
た。VT1とVT2、VT1とVT2vhの両方で陽性を示したもの
が、それぞれ10および2株であった。いずれのプライマ
−でもDNAの増幅が認められどれとも反応しなかったも
のが16株存在した。bead-ELISA法およびDNAプロ−ブ法
の結果と比較したところ、これらの方法では陽性であっ
たにもかかわらず、PCR法で陰性を示した菌株が存在し
た。またPCR法もしくは、DNAプロ−ブで陰性であったに
もかかわらず、VT2vhに特異的なbead-ELISA法で陽性を
示した菌株が存在した。したがって、この菌株は4種の
VTと異なる新しいVero毒素を産生していると考えられ
た。
PCR法で調べた結果、VT1、VT2、VT2vp、VT2vhそれぞれ
単独で陽性を示したものが9、4、12、及び3株であっ
た。VT1とVT2、VT1とVT2vhの両方で陽性を示したもの
が、それぞれ10および2株であった。いずれのプライマ
−でもDNAの増幅が認められどれとも反応しなかったも
のが16株存在した。bead-ELISA法およびDNAプロ−ブ法
の結果と比較したところ、これらの方法では陽性であっ
たにもかかわらず、PCR法で陰性を示した菌株が存在し
た。またPCR法もしくは、DNAプロ−ブで陰性であったに
もかかわらず、VT2vhに特異的なbead-ELISA法で陽性を
示した菌株が存在した。したがって、この菌株は4種の
VTと異なる新しいVero毒素を産生していると考えられ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明のプライマ−を用いるVT遺伝子の
型別検出方法によると、VT1、VT2、VT2vp、VT2vh遺伝子
のそれぞれを特異的に検出することが可能であり、VTEC
の迅速で詳細な型別検出が可能になる。
型別検出方法によると、VT1、VT2、VT2vp、VT2vh遺伝子
のそれぞれを特異的に検出することが可能であり、VTEC
の迅速で詳細な型別検出が可能になる。
【0029】配列番号:1 配列の長さ:1241 配列の型:核酸 配列 ATGAAGTGTA TATTATTTAA ATGGGTACTG TGCCTGTTAC TGGGTTTTTC TTCGGTATCC 60 TATTCCCGGG AGTTTACGAT AGACTTTTCG ACCCAACAAA GTTATGTCTC TTCGTTAAAT 120 AGTATACGGA CAGAGATATC GACCCCTCTT GAACATATAT CTCAGGGGAC CACATCGGTG 180 TCTGTTATTA ACCACACCCC ACCGGGCAGT TATTTTGCTG TGGATATACG AGGGCTTGAT 240 GTCTATCAGG CGCGTTTTGA CCATCTTCGT CTGATTATTG AGCAAAATAA TTTATATGTG 300 GCCGGGTTCG TTAATACGGC AACAAATACT TTCTACCGTT TTTCAGATTT TACACATATA 360 TCAGTGCCCG GTGTGACAAC GGTTTCCATG ACAACGGACA GCAGTTATAC CACTCTGCAA 420 CGTGTCGCAG CGCTGGAACG TTCCGGAATG CAAATCAGTC GTCACTCACT GGTTTCATCA 480 TATCTGGCGT TAATGGAGTT CAGTGGTAAT ACAATGACCA GAGATGCATC CAGAGCAGTT 540 CTGCGTTTTG TCACTGTCAC AGCAGAAGCC TTACGCTTCA GGCAGATACA GAGAGAATTT 600 CGTCAGGCAC TGTCTGAAAC TGCTCCTGTG TATACGATGA CGCCGGGAGA CGTGGACCTC 660 ACTCTGAACT GGGGGCGAAT CAGCAATGTG CTTCCGGAGT ATCGGGGAGA GGATGGTGTC 720 AGAGTGGGGA GAATATCCTT TAATAATATA TCAGCGATAC TGGGGACTGT GGCCGTTATA 780 CTGAATTGCC ATCATCAGGG GGCGCGTTCT GTTCGCGCCG TGAATGAAGA GAGTCAACCA 840 GAATGTCAGA TAACTGGCGA CAGGCCTGTT ATAAAAATAA ACAATACATT ATGGGAAAGT 900 AATACAGCTG CAGCGTTTCT GAACAGAAAG TCACAGTTTT TATATACAAC GGGTAAATAA 960 AGGAGTTAAG CATGAAGAAG ATGTTTATGG CGGTTTTATT TGCATTAGCT TCTGTTAATG 1020 CAATGGCGGC GGATTGTGCT AAAGGTAAAA TTGAGTTTTC CAAGTATAAT GAGGATGACA 1080 CATTTACAGT GAAGGTTGAC GGGAAAGAAT ACTGGACCAG TCGCTGGAAT CTGCAACCGT 1140 TACTGCAAAG TGCTCAGTTG ACAGGAATGA CTGTCACAAT CAAATCCAGT ACCTGTGAAT 1200 CAGGCTCCGG ATTTGCTGAA GTGCAGTTTA ATAATGACTG A 1241
【0030】配列番号:2 配列の長さ:19 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列 GCAGTTCGTG GCAAGAGCG 19
【0031】配列番号:3 配列の長さ:18 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列 GCGTCGCCAG CGCACTTG 18
【0032】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列 AATTTATATG TGGCAGGGTT C 21
【0033】配列番号:5 配列の長さ:21 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列 CTTCACTGTA AATGTGTCAT C 21
【0034】配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列 AAGCCTTACG GTTCAGGCAA 20
【0035】配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列 CAGTTAAACT TCACCTGGGC 20
【0036】配列番号:8 配列の長さ:21 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列 GAAATATCGA CTCCTCTTGA G 21
【0037】配列番号:9 配列の長さ:19 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列 GTATTCTTTC CCGGCCACT 19
【図1】VT1、VT2、VT2vp、VT2vha、およびVT2vhb遺伝
子の配列を比較した図である。「-」はVT2遺伝子の配列と
同一であることを示し、「+」は欠失を示す。四角で囲っ
た部分は、プライマ−の設計に選択された部分である。
子の配列を比較した図である。「-」はVT2遺伝子の配列と
同一であることを示し、「+」は欠失を示す。四角で囲っ
た部分は、プライマ−の設計に選択された部分である。
【図2】VT1、VT2、VT2vp、VT2vha、およびVT2vhb遺伝
子の配列を比較した図であり、図1の続きである。「-」
はVT2遺伝子の配列と同一であることを示し、「+」は欠失
を示す。四角で囲った部分は、プライマ−の設計に選択
された部分である。
子の配列を比較した図であり、図1の続きである。「-」
はVT2遺伝子の配列と同一であることを示し、「+」は欠失
を示す。四角で囲った部分は、プライマ−の設計に選択
された部分である。
【図3】本発明のプライマ−がデザインされた領域示
す。
す。
【図4】本発明の方法により増幅したDNA断片を、6%ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法により検出した結果を
示す図である。
リアクリルアミドゲル電気泳動法により検出した結果を
示す図である。
【図5】本発明の方法により増幅したDNA断片を、6%ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法により検出した結果を
示す図であり、図4の続きである。
リアクリルアミドゲル電気泳動法により検出した結果を
示す図であり、図4の続きである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX)
Claims (5)
- 【請求項1】塩基配列: 5’GCAGTTCGTGGCAAGAGCG 3’または5’GCGTCGCCAGCGCACTTG 3’ のうち、少なくとも連続した15塩基またはその相補鎖
を有し、VT1遺伝子のみを特異的に検出しうるプライマ
−。 - 【請求項2】塩基配列: 5’AATTTATATGTGGCAGGGTTC 3’または5’CTTCACTGTAAATGTGTCATC 3’ のうち、少なくとも連続した15塩基またはその相補鎖
を有し、VT2遺伝子のみを特異的に検出しうるプライマ
−。 - 【請求項3】塩基配列: 5’AAGCCTTACGGTTCAGGCAA 3’または5’CAGTTAAACTTCACCTGGGC 3’ のうち、少なくとも連続した15塩基またはその相補鎖
を有し、VT2vp遺伝子のみを特異的に検出しうるプライ
マ−。 - 【請求項4】塩基配列: 5’GAAATATCGACTCCTCTTGAG 3’または5’GTATTCTTTCCCGGCCACT 3’ のうち、少なくとも連続した15塩基またはその相補鎖
を有し、VT2vh遺伝子のみを特異的に検出しうるプライ
マ−。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のプライマ
−を用いることを特徴とする、PCR法によるVero毒素遺
伝子の型別検出方法。
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JP3087611A JP2905945B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | Vero毒素遺伝子の型別検出方法およびそれに用いるプライマ− |
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