JP2904090B2 - 単一電子素子 - Google Patents

単一電子素子

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JP2904090B2
JP2904090B2 JP219096A JP219096A JP2904090B2 JP 2904090 B2 JP2904090 B2 JP 2904090B2 JP 219096 A JP219096 A JP 219096A JP 219096 A JP219096 A JP 219096A JP 2904090 B2 JP2904090 B2 JP 2904090B2
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久雄 川浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単一電子素子に係
り、特に電子1個の移動により動作する単一電子素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より高温動作可能で、制御された微
細構造を持つ単一電子素子が知られている(Y.Takahash
i et.al,IEDM Technical Digest,p.938,1994)。図6は
この文献に記載された従来の単一電子素子の一例の構成
図を示し、同図(a)は上面図、同図(b)は図6
(a)のA−A’線断面図である。
【0003】同図(a)及び(b)に示すように、この
従来の単一電子素子を製造するには、まず、半導体基板
605の上に絶縁膜604が形成され、更にその上に単
結晶のシリコン膜が形成された、厚さ30nmのSOI
基板を用いて、ソース601とドレイン603を公知の
方法で形成後、これらソース601及びドレイン603
と、ソース601とドレイン603間の長さ50nm、
幅30nmの細線をプラズマエッチングを用いて加工し
た後に熱酸化を行う。この熱酸化は細線中央部に対し細
線端の幅を細くするためと、後に形成するゲート602
と細線との間でのショートを防止するために行う。
【0004】この熱酸化によりソース601とドレイン
603間の細線部中央は、図6(a)、(b)に606
で示すように熱酸化時の体積膨張に伴うストレスのた
め、酸化速度が小さく、細線は中央が幅方向及び厚さ方
向にそれぞれ膨らんだ形状となる。その後、公知の方法
により絶縁膜604を介してゲート602が形成され
る。
【0005】この構造において、ゲート602に電圧を
印加して細線に反転層を誘起する場合、細線中央部60
6に比べ細線端の方が酸化膜厚が厚いため、しきい値電
圧が大きくなる。また細線中央部606に比べ細線瑞の
方が細線幅が細くピンチオフしやすい。このため、細線
端は電位バリアとして働き、細線中央部606に量子ド
ットが形成されることとなる。この量子ドットのサイズ
は数十nm程度と小さいため、静電エネルギーは比較的
大きく、室温においてもクーロン振動が観測される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の単一電子
素子では、熱酸化に伴うストレスを利用して細線中央部
606に対し細線端の幅を細くすることで、この領域に
電位バリアを形成していた。しかしながら、この領域は
数10nm以上の広がりを持ち電位バリア幅が広いた
め、バリア高さが低くないとバリア中のトンネリングが
不可能であった。このため、電荷の量子ドット中への閉
じこめが不完全となり、高温におけるデバイス動作が困
難になってしまうという問題があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
高温動作及び微細化可能な単一電子素子を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の単一電子素子
は、上記の目的を達成するため、第1の絶縁体層上に半
導体層が存在し、半導体層を披覆するように第2の絶縁
体層が存在し、第2の絶縁体層上にゲートが形成される
と共に、半導体層にドレイン及びソースが形成されてい
る単一電子素子において、半導体層が中央部に複数個所
のV溝を有する細線状に加工され、そのV溝部分におい
て細線の幅及び厚さのうち少なくとも一方が周辺部分よ
りも小さくなっている構造としたものである。
【0009】ここで、前記V溝は細線を切断しないよう
に、又は切断するように形成されている。また、細線は
不純物濃度が高く縮退しており、V溝によって細線が切
断される構造であってもよい。
【0010】本発明では、細線状に加工された半導体層
のV溝部分において細線の幅及び厚さのうち少なくとも
一方が周辺部分よりも小さくされているため、V溝頂点
部に幅が狭くエネルギー障壁の大きなトンネルバリアを
形成でき、また、量子ドットとトンネルバリアを挟んだ
細線部分との対向面積を小さくできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)図1は本発明になる単一電子素子
の第1の実施の形態の構成図で、同図(a)は上面図、
同図(b)は同図(a)のA−A’線断面図を示す。半
導体基板101上に絶縁膜102が形成された、厚さ数
nm〜数100nm程度のSOI基板を加工して得られ
る、幅数nm〜数100nm、長さ数nm〜数μmのシ
リコン細線100の端部に、n+拡散層からなるソース
106及びドレイン107が存在し、更に細線100上
に厚さ数nm〜数100nmの絶縁膜104を介して、
ゲート108が存在する。
【0012】また、ゲート108はソース106及びド
レイン107とオーバーラップしている。細線100の
中央部上面には幅、深さ共に数nm〜数100nmのV
溝105が、数nm〜数100nm程度の間隔を置いて
2つ形成されている。また、V溝105によって細線1
00は切断されない構造を持つ。
【0013】以上の構造は以下に示す製造方法によって
実現できる。まず、図1(b)に示すように、半導体基
板101上に絶縁膜102が形成され、更にその上に厚
さが数nm〜数100nm、ボロン濃度が1014〜10
18cm-3、面方位(100)の上部シリコン層をもつS
OI基板を用意する。次に、このSOI基板の上記上部
シリコン層を酸化し、厚さ数nm〜数10nmのシリコ
ン酸化膜を形成する。
【0014】次に、シリコン酸化膜上に電子線描画用ポ
ジ型レジストを塗布し、電子線照射を行うことにより幅
数nm〜数100nm、長さ幅数nm〜数100nmの
パターンを、数nm〜数100nmの間隔を置いて2本
描画する。ただし細線方向は(110)方向に正確に一
致させる必要がある。このポジ型レジストをマスクとし
て、反応性イオンエッチング(RIE)により上部シリ
コン層上のシリコン酸化膜を除去してから、ポジ型レジ
ストの除去を行う。
【0015】しかる後に、ヒドラジンを用いてポジ型レ
ジストでマスクされていたシリコン酸化膜をマスクとし
て、上部シリコン層(半導体基板103)のエッチング
を行う。ヒドラジンは異方性エッチャントであり、(1
00)面及び(110)面のエッチング速度が(11
1)面に対して著しく大きいため、(111)面を側面
とする図1に105で示すV溝構造が形成される。V溝
105の頂点の角度は70度に固定されるので、電子線
描画幅を調節することにより、V溝105の頂点が上部
シリコン層(半導体基板103)の下部に達しないよう
にすることが可能である。
【0016】次に、上部シリコン層(半導体基板10
3)上のシリコン酸化膜をHFで除去してから、上部シ
リコン層上にネガ型電子線用レジストを塗布して電子線
照射を行うことにより、幅数nm〜数100nm、長さ
数nm〜数μmのレジストパターンをV溝構造と直交す
るように形成する。
【0017】次に、このレジストパターンをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層(半導体基板103)
の加工を行い、シリコン細線を形成する。この後シリコ
ン細線を数nm〜数10nm熱酸化し、シリコン細線全
体をシリコン酸化膜(絶縁膜104)で被覆する。ただ
し酸化量を調節することにより、V溝形成部でシリコン
細線が切断されないようにしなければならない。
【0018】次に、レジストを塗布し、細線中央部のみ
レジストを残すように電子線または光リソグラフィーに
よりパターニングを行う。この後レジストをマスクとし
て、リン(P)または砒素(As)のn型不純物のイオ
ン注入を行い、細線端部にn+型領域を形成し、ソース
106及びドレイン107とする。続いて、900°C
〜1100°Cの温度で10〜60分間、窒素(N2
雰囲気中でアニールすることにより、ソース106及び
ドレイン107中の注入されたイオンの活性化を行う。
この後アルミニウム(Al)を100〜1000nm程
度蒸着し、電子線または光リソグラフィーによりレジス
トのパターニングを行い、この後RIEによりアルミニ
ウムを加工し、ゲート108を形成する。
【0019】次に、この第1の実施の形態におけるデバ
イス動作について述べる。ゲート108に正電圧を印加
していくと、シリコン細線100表面に反転層が誘起さ
れるが、V溝105部分では細線の厚さが小さいためピ
ンチオフし、電位障壁が形成される。V溝105は隣接
して2つ形成されているため、V溝105間の微小領域
中の反転層は電位障壁に挟まれた量子ドット構造とな
る。
【0020】異方性エッチングを用いて形成したV溝1
05先端部の構造はシャープであり、この領域に形成さ
れる電位バリア幅は小さいため、ソース106から供給
された電子が量子ドット構造へトンネリングが可能にな
る。また量子ドット中に注入された電子は、同様にして
ドレイン107側へトンネリングすることが可能とな
る。さらに量子ドットが十分に小さく、このチャージン
グエネルギーが測定温度の熱エネルギーよりも十分に大
きい場合、クーロンブロッケイド現象が観測可能とな
る。
【0021】この第1の実施の形態のデバイス構造で
は、ゲート108の電圧により量子ドットの電位を変調
できるため、ソース106からドレイン107への単一
の電子の流れを制御可能な単一電子トランジスタ構造が
実現される。
【0022】(第2の実施の形態)図2は本発明になる
単一電子素子の第2の実施の形態の構成図で、同図
(a)は上面図、同図(b)は同図(a)のA−A’線
断面図を示す。半導体基板201上に絶縁膜202が形
成された、厚さ数nm〜数100nm程度のSOI基板
を加工して得られる、幅数nm〜数100nm、長さ数
nm〜数μmのシリコン細線200の端部に、n+拡散
層からなるソース206及びドレイン207が存在し、
細線上に厚さ数nm〜数100nmの絶縁膜204を介
して、ゲート208が存在する。
【0023】また、ゲート208はソース206及びド
レイン207とオーバーラップしている。細線中央部上
面及び側面には幅、深さ共に数nm〜数100nmのV
溝205が、数nm〜数100nm程度の間隔を置いて
2つ形成されている。また、V溝205によって細線は
切断されない構造を持つ。
【0024】以上の構造は以下に示す製造方法によって
実現できる。まず、図2(b)に示すように、半導体基
板201上に絶縁膜202が形成され、更にその上に厚
さが数nm〜数100nm、ボロン濃度が1014〜10
18cm-3、面方位(100)の上部シリコン層をもつS
OI基板を用意する。次に、このSOI基板の上記上部
シリコン層上に電子線描画用ネガ型レジストを塗布し、
電子線照射を行うことにより幅数nm〜数100nm、
長さ幅数nm〜数100nmのレジストパターンを(1
10)方向に形成する。
【0025】次に、このネガ型レジストパターンをマス
クとして、RIEにより上部シリコン層(半導体基板2
03)の加工を行い、シリコン細線200を形成する。
次に上部シリコン層を酸化し、厚さ数nm〜数10nm
のシリコン酸化膜を形成する。シリコン酸化膜上に電子
線描画用ポジ型レジストを塗布し、電子線照射を行うこ
とにより幅数nm〜数100nm、長さ幅数nm〜数1
00nmのパターンを、数nm〜数100nmの間隔を
置いて2本描画する。ただし、長さ方向はシリコン細線
200と直交する方向に一致させる。次に、このポジ型
レジストをマスクとして、RIEにより上部シリコン層
上面及び側面のシリコン酸化膜を除去してから、ポジ型
レジストの除去を行う。
【0026】しかる後に、ヒドラジンを用いてポジ型レ
ジストでマスクされていたシリコン酸化膜をマスクとし
て、上部シリコン層(半導体基板203)上面及び側面
のエッチングを行う。ヒドラジンは異方性エッチャント
であり、(100)面及び(110)面のエッチング速
度が(111)面に対して著しく大きいため、(11
1)面を側面とする図2に205で示すV溝構造が形成
される。V溝205の頂点の角度は70度に固定される
ので、電子線描画幅を調節することにより、V溝205
により上部シリコン層(半導体基板203)の下部で細
線が切断されないようにすることが可能である。
【0027】この後シリコン細線200を数nm〜数1
0nm熱酸化し、シリコン細線全体をシリコン酸化膜
(絶縁膜204)で被覆する。ただし酸化量を調節する
ことにより、V溝形成部でシリコン細線が切断されない
ようにしなければならない。
【0028】次に、レジストを塗布し、細線中央部のみ
レジストを残すように電子線または光リソグラフィーに
よりパターニングを行う。この後レジストをマスクとし
て、リンまたは砒素のイオン注入を行い、細線端部にn
+型領域を形成し、ソース206及びドレイン207と
する。続いて、900°C〜1100°Cの温度で10
〜60分間、窒素(N2)雰囲気中でアニールすること
により、ソース206及びドレイン207中の注入され
たイオンの活性化を行う。この後アルミニウムを100
〜1000nm程度蒸着し、電子線または光リソグラフ
ィーによりレジストのパターニングを行い、この後RI
Eによりアルミニウムを加工し、ゲート208を形成す
る。
【0029】次に、この第2の実施の形態におけるデバ
イス動作について述べる。ゲート208に正電圧を印加
していくと、シリコン細線200の表面に反転層が誘起
されるが、V溝205の部分では細線の厚さが小さいた
めピンチオフし、電位の障壁が形成される。V溝205
は隣接して2つ形成されているため、V溝205間の微
小領域中の反転層は、電位障壁に挟まれた量子ドット構
造となる。
【0030】異方性エッチングを用いて形成したV溝2
05先端部の構造は十分にシャープであり、この領域に
形成される電位バリア幅は十分に小さいため、ソース2
06から供給された電子は量子ドット構造が可能にな
る。また量子ドット中に注入された電子は、同様にドレ
イン207側へトンネリングすることが可能になる。さ
らに量子ドットが十分に小さく、このチャージングエネ
ルギーが測定温度の熱エネルギーよりも十分に大きい場
合、クーロンブロッケイド現象が観測可能となる。
【0031】この第2の実施の形態のデバイス構造で
は、ゲート208の電圧により量子ドットの電位を変調
できるため、ソース206からドレイン207への単一
の電子の流れを制御可能な単一電子トランジスタ構造が
実現される。更に、この第2の実施の形態においては、
量子ドットとトンネルバリアを挟んだ対向面積が、第1
の実施の形態に比べ小さいため、チャージングエネルギ
ーが大きく、より高温でのデバイス動作が可能になると
いう特長がある。
【0032】(第3の実施の形態)図3は本発明になる
単一電子素子の第3の実施の形態の断面図を示す。半導
体基板301上に絶縁膜302が形成された、厚さ数n
m〜数100nm程度のSOI基板を加工して得られ
る、幅数nm〜数100nm、長さ数nm〜数μmのシ
リコン細線端部に、n+拡散層からなるソース306及
びドレイン307が存在し、細線上に厚さ数nm〜数1
00nmの絶縁膜304を介して、ゲート308が存在
する。
【0033】また、ゲート308はソース306及びド
レイン307とオーバーラップしている。細線中央部上
面及び側面には幅、深さ共に数nm〜数100nmのV
溝305が、数nm〜数100nm程度の間隔を置いて
2つ形成されている。また、細線はV溝305によって
切断されている構造を持つ。
【0034】以上の構造は以下に示す製造方法によって
実現できる。まず、半導体基板301上に絶縁膜302
が形成され、更にその上に厚さが数nm〜数100n
m、ボロン濃度が1014〜1018cm-3、面方位(10
0)の上部シリコン層をもつSOI基板を用意する。次
に、このSOI基板の上記上部シリコン層を酸化し、厚
さ数nm〜数100nmのシリコン酸化膜を形成する。
続いて、シリコン酸化膜上に電子線描画用ポジ型レジス
トを塗布し、電子線照射を行うことにより幅数nm〜数
100nm、長さ幅数nm〜数100nmのパターン
を、数nm〜数100nmの間隔を置いて2本描画す
る。ただし細線方向は(110)方向に正確に一致させ
る必要がある。
【0035】次に、上記ポジ型レジストをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層上のシリコン酸化膜を
除去してから、ポジ型レジストの除去を行う。しかる後
に、ヒドラジンを用いてシリコン酸化膜をマスクとし
て、上部シリコン層のエッチングを行う。ヒドラジンは
異方性エッチャントであり、(100)面及び(11
0)面のエッチング速度が(111)面に対して著しく
大きいため、(111)面を側面とするV字溝構造が形
成される。V溝の頂点の角度は70度に固定されるの
で、電子線描画幅を調節することにより、上部シリコン
層下部の切断幅を調節することが可能である。
【0036】次に、上部シリコン層(半導体基板30
3)上のシリコン酸化膜をHFで除去してから、上部シ
リコン層上にネガ型電子線用レジストを塗布して電子線
照射を行うことにより、幅数nm〜数100nm、長さ
数nm〜数μmのレジストパターンをV溝構造と直交す
るように形成する。
【0037】次に、このレジストパターンをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層(半導体基板303)
の加工を行い、シリコン細線を形成する。この後シリコ
ン細線を数nm〜数10nm熱酸化し、シリコン細線全
体をシリコン酸化膜(絶縁膜304)で被覆する。ただ
し酸化量を調節することにより、V溝形成部でシリコン
細線が切断されるようにしなければならない。
【0038】次に、レジストを塗布し、細線中央部のみ
レジストを残すように電子線または光リソグラフィーに
よりパターニングを行う。この後レジストをマスクとし
て、リンまたは砒素のイオン注入を行い、細線端部にn
+型領域を形成し、ソース306及びドレイン307と
する。続いて、900°C〜1100°Cの温度で10
〜60分間、窒素(N2)雰囲気中でアニールすること
により、ソース306及びドレイン307中の注入され
たイオンの活性化を行う。この後アルミニウム(Al)
を100〜1000nm程度蒸着し、電子線または光リ
ソグラフィーによりレジストのパターニングを行い、こ
の後RIEによりアルミニウムを加工し、ゲート308
を形成する。
【0039】次に、この第3の実施の形態におけるデバ
イス動作について述べる。ゲート308に正電圧を印加
していくと、シリコン細線表面に反転層が誘起される
が、反転層は2つのV溝305で完全に切断される。2
つのV溝305間の反転層領域はシリコン酸化膜に挟ま
れ、量子ドット構造を形成する。
【0040】上部シリコン層下部の切断長が小さく、シ
リコン酸化膜で形成される電位バリア幅が十分に小さい
場合、ソース306から供給された電子は量子ドット構
造へトンネリングが可能になる。また量子ドット中に注
入された電子は、同様にドレイン307側へトンネリン
グすることが可能になる。さらに量子ドットが十分に小
さく、このチャージングエネルギーが測定温度の熱エネ
ルギーよりも十分に大きい場合、クーロンブロッケイド
現象が観測可能となる。
【0041】この第3の実施の形態のデバイス構造で
は、ゲート308の電圧により量子ドットの電位を変調
できるため、ソース306からドレイン307への単一
の電子の流れを御御可能な単一電子トランジスタ構造が
実現される。更に、この第3の実施の形態においては、
細線がV溝305により完全に分離されることから、ト
ンネル障壁の高さが高く、量子ドット中のキャリア閉じ
こめが完全になり、第1の実施の形態に比べより高温で
の動作が期待される。
【0042】(第4の実施の形態)図4は本発明になる
単一電子素子の第4の実施の形態の断面図を示す。半導
体基板401上に絶縁膜402が形成された、厚さ数n
m〜数100nm程度で、電気的に縮退したSOI基板
を加工して得られる、幅数nm〜数100nm、長さ数
nm〜数μmのシリコン細線端部に、n+ 拡散層からな
るソース406及びドレイン407が存在し、該細線上
に厚さ数nm〜数100nmの絶縁膜404を介して、
ゲート408が存在する。
【0043】また、ゲート408はソース406及びド
レイン407とオーバーラップしている。細線中央部上
面には幅、深さ共に数nm〜数100nmのV溝405
が、数nm〜数100nm程度の間隔を置いて2つ形成
されている。また、細線はV溝405によって切断され
ている構造を持つ。
【0044】以上の構造は以下に示す製造方法によって
実現できる。まず、半導体基板401上に絶縁膜402
が形成され、更にその上に厚さが数nm〜数100n
m、ボロン濃度が1019〜1020cm-3、面方位(10
0)の上部シリコン層をもつSOI基板を用意する。次
に、このSOI基板の上記上部シリコン層を酸化し、厚
さ数nm〜数100nmのシリコン酸化膜を形成する。
続いて、シリコン酸化膜上に電子線描画用ポジ型レジス
トを塗布し、電子線照射を行うことにより幅数nm〜数
100nm、長さ幅数nm〜数100nmのパターン
を、数nm〜数100nmの間隔を置いて2本描画す
る。ただし細線方向は(110)方向に正確に一致させ
る必要がある。
【0045】次に、上記ポジ型レジストをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層上のシリコン酸化膜を
除去してから、ポジ型レジストの除去を行う。しかる後
に、ヒドラジンを用いてシリコン酸化膜をマスクとし
て、上部シリコン層のエッチングを行う。ヒドラジンは
異方性エッチャントであり、(100)面及び(11
0)面のエッチング速度が(111)面に対して著しく
大きいため、(111)面を側面とする、図4に405
で示すV字溝構造が形成される。V溝405の頂点の角
度は70度に固定されるので、電子線描画幅を調節する
ことにより、上部シリコン層下部の切断幅を調節するこ
とが可能である。
【0046】次に、上部シリコン層(半導体基板40
3)上のシリコン酸化膜をHFで除去してから、上部シ
リコン層上にネガ型電子線用レジストを塗布して電子線
照射を行うことにより、幅数nm〜数100nm、長さ
数nm〜数μmのレジストパターンをV溝構造と直交す
るように形成する。
【0047】次に、このレジストパターンをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層(半導体基板403)
の加工を行い、シリコン細線を形成する。この後シリコ
ン細線を数nm〜数10nm熱酸化し、シリコン細線全
体をシリコン酸化膜(絶縁膜404)で被覆する。ただ
し酸化量を調節することにより、V溝形成部でシリコン
細線が切断されるようにしなければならない。
【0048】次に、レジストを塗布し、細線中央部のみ
レジストを残すように電子線または光リソグラフィーに
よりパターニングを行う。この後レジストをマスクとし
て、リンまたは砒素のイオン注入を行い、細線端部にn
+型領域を形成し、ソース406及びドレイン407と
する。続いて、900°C〜1100°Cの温度で10
〜60分間、N2雰囲気中でアニールすることにより、
ソース406及びドレイン407中の注入されたイオン
の活性化を行う。この後アルミニウムを100〜100
0nm程度蒸着し、電子線または光リソグラフィーによ
りレジストのパターニングを行い、この後RIEにより
アルミニウムを加工し、ゲート408を形成する。
【0049】次に、この第4の実施の形態におけるデバ
イス動作について述べる。この実施の形態のシリコン細
線は縮退した半導体から形成されているため、ゲート4
08に電圧を印加しない状態でもキャリア密度が十分に
大きく、導電性をもつ。従って、この実施の形態は、前
記した第1、第2、第3の実施の形態と異なり、ゲート
電圧により細線表面に反転層を誘起する必要がないた
め、正負両方のゲート電圧で動作が可能である利点を持
つ。
【0050】また、この実施の形態では、細線は2つの
V溝405で完全に切断されているため、2つのV溝4
05間の細線領域はシリコン酸化膜に挟まれ、量子ドッ
ト構造を形成する。また上部シリコン層下部の切断長が
小さく、シリコン酸化膜で形成される電位バリア幅が十
分に小さい場合、ソース406から供給された電子は量
子ドット構造にトンネリングする事が可能になる。
【0051】また量子ドット中に注入された電子は、同
様にドレイン407側へのトンネリングが可能になる。
さらに量子ドットが十分に小さく、このチャージングエ
ネルギーが測定温度の熱エネルギーよりも十分に大きい
場合、クーロンブロッケイド現象が観測可能となる。
【0052】よって、この第4の実施の形態のデバイス
構造では、ゲート408の電圧により量子ドットの電位
を変調できるため、ソース406からドレイン407へ
の単一の電子の流れを制御可能な単一電子トランジスタ
構造が実現される。
【0053】(第5の実施の形態)図5は本発明になる
単一電子素子の第2の実施の形態の構成図で、同図
(a)は上面図、同図(b)は同図(a)のA−A’線
断面図を示す。半導体基板501上に絶縁膜502が形
成された、厚さ数nm〜数100nm程度のSOI基板
を加工して得られる、幅数nm〜数100nm、長さ数
nm〜数μmのシリコン細線500の端部に、n+拡散
層からなるソース506及びドレイン507が存在し、
細線上に厚さ数nm〜数100nmの絶縁膜504を介
して、ゲート508が存在する。
【0054】また、ゲート508はソース506及びド
レイン507とオーバーラップしている。細線中央部上
面及び側面には幅、深さ共に数nm〜数100nmのV
溝505が、数nm〜数100nm程度の間隔を置いて
3つ形成されている。また、V溝205によって細線は
切断されない構造を持つ。
【0055】以上の構造は以下に示す製造方法によって
実現できる。まず、図5(b)に示すように、半導体基
板501上に絶縁膜502が形成され、更にその上に厚
さが数nm〜数100nm、ボロン濃度が1014〜10
18cm-3、面方位(100)の上部シリコン層をもつS
OI基板を用意する。次に、このSOI基板の上記上部
シリコン層を酸化し、厚さ数nm〜数100nmのシリ
コン酸化膜を形成する。
【0056】次に、このシリコン酸化膜上に電子線描画
用ポジ型レジストを塗布し、電子線照射を行うことによ
り幅数nm〜数100nm、長さ幅数nm〜数100n
mのパターンを、数nm〜数100nmの間隔を置いて
3本描画する。ただし、細線方向は(110)方向に正
確に一致させる必要がある。次に、このポジ型レジスト
をマスクとして、RIEにより上部シリコン層上のシリ
コン酸化膜を除去してから、ポジ型レジストの除去を行
う。
【0057】しかる後に、ヒドラジンを用いてポジ型レ
ジストでマスクされていたシリコン酸化膜をマスクとし
て、上部シリコン層(半導体基板503)のエッチング
を行う。ヒドラジンは異方性エッチャントであり、(1
00)面及び(110)面のエッチング速度が(11
1)面に対して著しく大きいため、(111)面を側面
とする図5に505で示すV溝構造が形成される。V溝
505の頂点の角度は70度に固定されるので、電子線
描画幅を調節することにより、V溝505の頂点が上部
シリコン層(半導体基板503)の下部に達しないよう
にすることが可能である。
【0058】次に、上部シリコン層(半導体基板50
3)上のシリコン酸化膜をHFで除去してから、上部シ
リコン層上にネガ型電子線用レジストを塗布して電子線
照射を行うことにより、幅数nm〜数100nm、長さ
数nm〜数μmのレジストパターンをV溝構造と直交す
るように形成する。
【0059】次に、このレジストパターンをマスクとし
て、RIEにより上部シリコン層(半導体基板503)
の加工を行い、シリコン細線を形成する。この後シリコ
ン細線を数nm〜数10nm熱酸化し、シリコン細線全
体をシリコン酸化膜(絶縁膜504)で被覆する。ただ
し酸化量を調節することにより、V溝形成部でシリコン
細線が切断されないようにしなければならない。
【0060】次に、レジストを塗布し、細線中央部のみ
レジストを残すように電子線または光リソグラフィーに
よりパターニングを行う。この後レジストをマスクとし
て、リンまたは砒素のイオン注入を行い、細線端部にn
+型領域を形成し、ソース506及びドレイン507と
する。続いて、900°C〜1100°Cの温度で10
〜60分間、N2雰囲気中でアニールすることにより、
ソース506及びドレイン507中の注入されたイオン
の活性化を行う。この後アルミニウムを100〜100
0nm程度蒸着し、電子線または光リソグラフィーによ
りレジストのパターニングを行い、この後RIEにより
アルミニウムを加工し、ゲート508を形成する。
【0061】次に、この第5の実施の形態におけるデバ
イス動作について述べる。ゲート508に正電圧を印可
していくと、シリコン細線表面に反転層が誘起される
が、V溝505部分では細線の厚さが小さいためピンチ
オフし、電位の障壁が形成される。V溝505は隣接し
て3つ形成されているため、V溝505間の2つの微小
領域中の反転層は電位障壁に挟まれた量子ドット構造と
なる。
【0062】この実施の形態の異方性エッチングを用い
て形成したV溝505先端部の構造は十分にシャープで
あり、この領域に形成される電位バリア幅は十分に小さ
いため、ソース506から供給された電子が量子ドット
構造へトンネリングが可能になる。また量子ドット中に
注入された電子は、同様にしてドレイン507側へトン
ネリングすることが可能となる。さらに量子ドットが十
分に小さく、このチャージングエネルギーが測定温度の
熱エネルギーよりも十分に大きい場合、クーロンブロッ
ケイド現象が観測可能となる。
【0063】よって、この第5の実施の形態のデバイス
構造では、ゲート508の電圧により量子ドットの電位
を変調できるため、ソース506からドレイン507へ
の単一の電子の流れを制御可能な単一電子トランジスタ
構造が実現される。更に、この実施の形態では、量子ド
ットが直列に2個接続されているため、コ・トンネリン
グ(co−tunneling)が抑制され、ゲート電
圧によって電流のより明瞭なオン・オフが実現できる。
同様にして、複数の量子ドットを直列に配置した構造も
実現できる。
【0064】
【実施例】次に、各実施の形態の実施例について説明す
る。図1に示した第1の実施の形態の素子作製に当た
り、厚さ50nm、ボロン濃度1015cm-3の上部シリ
コン層を持つSOI基板を用いた。電子線リソグラフィ
ー及びヒドラジンを用いて、幅20nm、長さ1μmの
2本のV溝構造を20nmの間隔で上部シリコン層表面
に形成した。この後電子線リソグラフィー及びRIEに
より、上部シリコン層を加工し、帽20nm、長さ1μ
mの細線パターンを形成した。この後細線を10nm酸
化することで絶縁膜104の形成を行った。またソース
106及びドレイン107は、Asを20keVのエネ
ルギーで1E16cm-2注入し、900°CのN2雰囲
気中で30分間アニールすることで形成した。ゲート1
08には100nmの厚さのアルミニウムを用い、RI
Eにてパターニングを行った。
【0065】以上のようにして作製した単一電子素子に
おいて、ソース106・ドレイン107間に50mVの
電圧を印加した状態で、ゲート108に正電圧を印加し
ていくと周期的なドレイン電流の振動が観測された。こ
の振動は単一電子トンネリングに起因したものであり、
約10Kの温度まで明快に観測することができた。
【0066】次に、図2に示した第2の実施の形態の実
施例について説明する。第2の実施の形態の素子作製に
当たり、厚さ50nm、ボロン濃度1015cm-3の上部
シリコン層を持つSOI基板を用い、電子線リソグラフ
ィー及びRIEにより、上部シリコン層を加工し、幅2
0nm、長さ1μmの細線パターンを形成した。この後
電子線リソグラフィー及びヒドラジンを用いて、幅20
nm、長さ1μmの2本のV溝構造を20nmの間隔で
細線上面部及び側面部に形成した。この後細線を10n
m酸化することで絶縁膜204の形成を行った。またソ
ース206及びドレイン207は、Asを20keVの
エネルギーで1E16cm-2注入し、900°CのN2
雰囲気中で30分間アニールすることで形成した。ゲー
ト208には100nmの厚さのアルミニウムを用い、
RIEにてパターンニングを行った。
【0067】以上のようにして作製した単一電子素子に
おいて、ソース206・ドレイン207間に50mVの
電圧を印加した状態で、ゲート208に正電圧を印加し
ていくと、周期的なドレイン電流の振動が観測された。
この振動は単一電子トンネリングに起因したものであ
り、第1の実施の形態よりも動作温度の高い約25Kの
温度まで明瞭に観測することができた。
【0068】次に、図3に示した第3の実施の形態の実
施例について説明する。第3の実施の形態の素子作製に
当たり、厚さ10nm、ボロン濃度1015cm-3の上部
シリコン層を持つSOI基板を用いた。電子線リソグラ
フィー及びヒドラジンを用いて、幅20nm、長さ1μ
mの2本のV溝構造を20nmの間隔で上部シリコン層
表面に形成した。このV溝305は上部シリコン層底部
まで達し上部シリコン層下部には6nmのギャップが形
成される。
【0069】この後電子線リソグラフィー及びRIEに
より、上部シリコン層を加工し、幅20nm、長さ1μ
mの細線パターンを形成した。この後細線を10nm酸
化することで絶縁膜304の形成を行った。またソース
306及びドレイン307は、Asを20keVのエネ
ルギーで1E16cm-2注入し、900°CのN2雰囲
気中で30分間アニールすることで形成した。ゲート3
08には100nmの厚さのアルミニウムを用い、RI
Eにてパターニングを行った。
【0070】以上のようにして作製した第3の実施の形
態の単一電子素子において、ソース306・ドレイン3
07間に50mVの電圧を印加した状態で、ゲート30
8に正電圧を印加していくと周期的なドレイン電流の振
動が観測された。この振動は単一電子トンネリングに起
因したものであり、第1の実施の形態よりも動作温度の
高い約50Kの温度まで明瞭に観測することができた。
【0071】次に、図4に示した第4の実施の形態の実
施例について説明する。第4の実施の形態の素子作製に
当たり、厚さ10nm、ボロン濃度1019cm-3の上部
シリコン層を持つSOI基板を用いた。電子線リソグラ
フィー及びヒドラジンを用いて、幅20nm、長さ1μ
mの2本のV溝405を20nmの間隔で上部シリコン
層表面に形成した。このV溝405は上部シリコン層底
部まで達し上部シリコン層下部には6nmのギャップが
形成される。
【0072】この後電子線リソグラフィー及びRIEに
より、上部シリコン層を加工し、幅20nm、長さ1μ
mの細線パターンを形成した。この後細線を10nm酸
化することで絶縁膜404の形成を行った。またソース
406及びドレイン407は、Asを20keVのエネ
ルギーで1E16cm-2注入し、900°CのN2雰囲
気中で30分間アニールすることで形成した。ゲート4
08には100nmの厚さのアルミニウムを用い、RI
Eにてパターニングを行った。
【0073】以上のようにして作製した第4の実施の形
態の単一電子素子において、ソース406・ドレイン4
07間に50mVの電圧を印加した状態で、ゲート40
8に正または負の電圧を印加していくと周期的なドレイ
ン電流の振動が観測された。この振動は単一電子トンネ
リングに起因したものであり、第1の実施の形態よりも
動作温度の高い約50Kの温度まで明瞭に観測すること
ができた。
【0074】次に、図5に示した第5の実施の形態の実
施例について説明する。第5の実施の形態の素子作製に
当たり、厚さ50nm、ボロン濃度1015cm-3の上部
シリコン層を持つSOI基板を用いた。電子線リソグラ
フィー及びヒドラジンを用いて、幅20nm、長さ1μ
mの5本のV溝構造を20nmの間隔で上部シリコン層
表面に形成した。この後電子線リソグラフィー及びRI
Eにより、上部シリコン層を加工し、幅20nm、長さ
1μmの細線パターンを形成した。この後細線を10n
m酸化することで絶縁膜504の形成を行った。
【0075】またソース506及びドレイン507は、
Asを20keVのエネルギーで1E16cm-2注入
し、900°CのN2雰囲気中で30分間アニールする
ことで形成した。ゲート508には100nmの厚さの
アルミニウムを用い、RIEにてパターニングを行っ
た。
【0076】以上のようにして作製した第5の実施の形
態の単一電子素子において、ソース506・ドレイン5
07間に250mVの電圧を印加した状態で、ゲート5
08に正電圧を印加していくと周期的なドレイン電流の
振動が観測された。この実施例構造では量子ドットが直
列に接続され、コ・トンネリング(co−tunnel
ing)が抑制されるため、ドレイン電流の振動がより
明瞭になり、第1の実施の形態よりも動作温度の高い1
5Kまで動作確認ができた。
【0077】なお、本発明は以上の実施の形態及び実施
例に限定されるものではなく、以下に示す方法を用いて
も本発明の単一電子素子は実現可能である。例えば、S
OI基板の代わりにSOS基板、若しくは酸化膜上のポ
リシリコンをアニールすることにより単結晶化した基板
を用いてもよい。また、各実施の形態において上部シリ
コン層中のドーパントはp型不純物であるとしたが、n
型不純物でもよい。但しこの場合ソース、ドレイン及び
反転層の導電型はp型になる。
【0078】また、V溝構造の形成における異方性エッ
チャントとしてヒドラジン以外に、KOH、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、エチレンジアミ
ン、アンモニアなども利用できる。更に、各実施の形態
においては細線上部の酸化膜を熱酸化を用いて形成した
が、化学気相堆積(CVD)法でも形成可能である。ま
た、絶縁膜としては酸化膜以外に窒化膜を用いてもよ
い。ゲートの材料としてはアルミニウム以外に、ドーピ
ンクされたポリシリコンやタングステンなどの他のメタ
ル材料を用いてもよい。以上細線材料としてシリコンを
用いて説明したが、シリコン以外の材料たとえば化合物
半導体などを用いても本構造の実現は可能である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明の単一電子素
子では、V溝頂点部に幅が狭くエネルギー障壁の大きい
トンネルバリアを形成できるため、高温においてもキャ
リアを量子ドット中に閉じこめることが可能になる利点
を持つ。また量子ドットと、トンネルバリアを挟んだ細
線部分との対向面積が小さいため、量子ドットの静電容
量を小さくでき、デバイスの高温動作が可能になる利点
を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単一電子素子の第1の実施の形態の構
成図で、(a)は上面構造図、(b)は(a)のA−
A’線での断面構造図である。
【図2】本発明の単一電子素子の第2の実施の形態の構
成図で、(a)は上面構造図、(b)はA−A’線での
断面構造図である。
【図3】本発明の単一電子素子の第3の実施の形態の断
面構造図である。
【図4】本発明の単一電子素子の第4の実施の形態の断
面構造図である。
【図5】本発明の単一電子素子の第5の実施の形態の構
成図で、(a)は上面構造図、(b)は(a)のA−
A’での断面構造図である。
【図6】従来の単一電子素子の一例の構成図で、(a)
は上面構造図、(b)は(a)のA−A’線での断面構
造図である。
【符号の説明】
100、200、500 シリコン細線 101、201、301、401、501 半導体基板 102、104、202、204、302、304、4
02、404、502、504 絶縁膜 103、203、303、403、503 半導体基板 105、205、305、405、505 V溝 106、206、306、406、506 ソース 107、207、307、407、507 ドレイン 108、208、308、408、508 ゲート

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の絶縁体層上に半導体層が存在し、
    該半導体層を披覆するように第2の絶縁体層が存在し、
    該第2の絶縁体層上にゲートが形成されると共に、該半
    導体層にドレイン及びソースが形成されている単一電子
    素子において、 前記半導体層が中央部に複数個所のV溝を有する細線状
    に加工され、該V溝部分において前記細線の幅及び厚さ
    のうち少なくとも一方が周辺部分よりも小さくなってい
    ることを特徴とする単一電子素子。
  2. 【請求項2】 前記V溝は前記細線を切断しないように
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の単一電
    子素子。
  3. 【請求項3】 前記V溝は前記細線を切断するように形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の単一電子
    素子。
  4. 【請求項4】 前記細線は不純物濃度が高く縮退してお
    り、前記V溝によって該細線が切断されたことを特徴と
    する請求項1記載の単一電子素子。
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