JP2903172B2 - ヘリポート用給油設備 - Google Patents

ヘリポート用給油設備

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高層ビルなどの建物の屋上のヘリポートに
設置する給油設備に関する。
〔従来の技術〕
近年、都市部では超高層のインテリジェントビルや高
層マンションなどが林立し、これら高層ビルの災害対策
が問題になっている。
また、高層ビルの屋上の有効利用としてヘリポートを
設け、ヘリコプターを新運輸手段として活用することも
検討されている。
前記高層ビル火災などの非常事態時の避難対策とし
て、かかる高層ビルの屋上のヘリポートにヘリコプター
を離発着させて空からの緊急救助や屋上から消防隊を送
り込むようにすることもできる。
ところでヘリコプターへの給油設備は屋上のヘリポー
トとは別の離れた地上の基地に設置してあり、ヘリコプ
ターはここで待機し、また給油を受ける。
そして、この地上のヘリポートは多数のヘリコプター
をまとめて待機させ、給油する所であり、比較的大きな
敷地を要するものであることから、広い土地を確保しや
すい郊外に設けられることが多い。
〔発明が解決しようとする課題〕 このため、都市部の高層ビルなどで火災が発生した場
合、地上のヘリポートから火災現場にまで到着するのに
時間を要し、緊急性が要求される避難対策として充分な
ものとはいえなかった。
また、都市部の高層ビル屋上のヘリポートに待機して
いても給油を受けるにはそのためにわざわざ離れた地上
のヘリポートにまで行かねばならず、時間を要し、消防
業務など緊急を要する業務にたずさわるヘリコプターに
とってはその緊急性が阻害されることにもなっている。
又、一般ヘリコプターの場合でも、遠隔地の地上迄給
油に行かねばならず、時間的、経済的ロスも大きい。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、都市部
での火災などの災害発生時にヘリコプターを利用して緊
急救助する場合に、直ちに災害発生現場にヘリコプター
を到着させることができ、災害対策としてヘリコプター
による救助などを実効性のあるものにできると同時に経
済的ロスも解消でき、しかも安全性も充分に確保できる
ヘリポート用給油設備を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を達成するため、ヘリポートとした
建物の屋上にタンクとこのタンクに接続する給油設備を
設置し、地下または地上の貯油タンクと前記屋上のタン
クとを送油配管で連結するとともに、途中に弁を有する
自然流下による非常時の油戻し用の配管で連結すること
を要旨とするものである。
〔作用〕
本発明によれば、ヘリポートとした建物の屋上に待機
中のヘリコプターは、該ヘリポートに設置の給油設備に
よりその場で給油を受けられるので、遠くのヘリポート
まで給油のために行く必要がなく、緊急時や火災などの
災害発生時に給油をうけて直ぐに出動できる。また貯油
タンクは地下または地上に設置するので、屋上のヘリポ
ートにはその他給油に必要な設備のみが設置されること
となって屋上のスペースを有効に利用でき、建物に大き
な荷重が加わることもない。
また、当該給油設備を配設した建物で火災などの災害
が発生したときは、屋上のタンク内の油を地下または地
上の貯油タンクに油戻し用の配管を介して戻すことがで
き、しかもこの油の戻しは自然流下により行うので安全
である。
〔実施例〕
以下、図面について本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明のヘリポート用給油設備の実施例を示
す一部切欠いた正面図で、図中1は高層ビルなどの建物
を示し、該建物1の屋上2をヘリポート3としてある。
このヘリポート3に給油設備として例えば容量200l程
度のタンク4を設置し、該タンク4内にはタンク内の油
の液位の下降位置で閉じる常開のフロートスイッチ5aと
液位の上昇位置で開く常閉のフロートスイッチ5bを設け
た。図中6はエアーベントを示す。
そして、このタンク4に並べて他の給油設備を納める
ハウジング7を立設し、該ハウジング7内に一端をタン
ク4に開口した給油管8を導き、該給油管8に給油モー
ター9を連結した給油ポンプ10及び流量計11を設け、給
油管8の先端に給油ノズル12を取付けた給油ホース13を
連結する。また、給油モーター9は正転時、タンクの油
を送液し、逆転時、給油管8、給油ホース13内の油をタ
ンク4に戻す。図中14はハウジング7に取付けた給油ス
イッチを示す。
他方、地上または地下に比較的大型の貯油タンク15を
設置し、該貯油タンク15と前記屋上2に設置のタンク4
の上部とを送油用の配管16で連結し、該配管16中の下方
位置に貯油タンク15からタンク4への送油用の送油ポン
プ17及びこれに連結する送油モーター18を設け、これら
送油ポンプ17、送油モーター18をポンプ室19内に収め
た。
また、屋上のタンク4の下部と貯油タンク15とを油戻
し用の配管20で連結し、該油戻し用の配管20の上部はこ
れを分岐してオーバーフロー管21としこのオーバーフロ
ー管21をタンク4の上部に開口し、配管16の下部は送油
ポンプ17の吐出側で油戻し用の配管20に連通する。
そして、給油ホース13の給油ノズル12近傍位置と、油
戻し用の配管20のタンク4からの出口近傍位置と、油戻
し用の配管20と配管16との連通個所とにそれぞれソレノ
イドなどによる電磁弁22a,22b,22cを設けた。
また、火災センサー23をポンプ室19内、及び建物1内
の適当な個所に設け、感震センサー24を屋上2に設置の
ハウジング7内に設ける。
第2図〜第4図は給油制御の回路図を示し、第2図に
示すように給油スイッチ14に接続されるリレーR1の接点
R1′をモーター9の正転回路に接続する。また、火災セ
ンサー23と感震センサー24に接続されるリレーR2の接点
R2′,R2″を給油モーター9の逆転回路に接続する。
また前記リレーR2の接点R2′は並列接続される電磁弁
22a,22b,22cに接続される。
さらに、常開のフロートスイッチ5aと常閉のフロート
スイッチ5bとリレーR3とが直列接続され、リレーR3の接
点R3′がフロートスイッチ5aに並列接続されるとともに
第4図に示すように、接点R3″が送油モーター18に接続
されて該送油モーター18の駆動回路が形成される。
以上のようにして第5図に示すように高層ビルの建物
1毎に屋上2に給油設備を、地下に貯油タンク15を設置
し、両者を配管16で連結して、屋上2のヘリポート3に
はヘリコプター25を待機させておく。
次に使用法及び動作について説明すると、屋上のヘリ
コプター25に給油するには、給油ノズル12を燃料タンク
に挿入して給油スイッチ14をオンすれば、リレーR1に通
電され、該リレーR1の接点R1′が閉じ給油モーター9に
通電されてこれが正転駆動する。これにより給油ポンプ
10が正転駆動して屋上2のタンク4内の燃料油が給油管
8、給油ホース13を介して給油ノズル12からヘリコプタ
ー25の燃料タンクに給油される。
給油が終了し給油スイッチ14をオフすれば、給油モー
ター9、給油ポンプ10が停止する。
給油によりタンク4内の液位が下降し、液面が下方の
フロートスイッチ5a以下になると該フロートスイッチ5a
が閉じリレーR3に通電され、その接点R3′,R3″が閉じ
る。その結果、自己保持されかつ送油モーター18に通電
されてこれが駆動し送油ポンプ17が駆動し、地下の貯油
タンク15から配管16を介して屋上2のタンク4へと燃料
油が送られる。
これによりタンク4内に燃料油が補充され、タンク4
内の液位が上昇して液面が上方のフロートスイッチ5bに
達すると、該フロートスイッチ5bが開いてリレーR3への
通電が断たれ、その接点R3′,R3″がオフし自己保持解
除となり送油モーター18への通電が断たれて送油モータ
ー18及び送油ポンプ17が停止し、送油が終了する。な
お、フロートスイッチ5bの故障により液面が上方のフロ
ートスイッチ5b以上に上昇した場合は、オバーフロー管
21から油戻し用の配管20を通ってタンク4内の燃料油が
貯油タンク15へと戻される。
建物1に火災が発生し、または地震が発生し、火災セ
ンサー23または感震センサー24がこれを検知するとリレ
ーR2に通電され、その接点R2′,R2″が閉じる。その結
果、電磁弁22aが開いて給油ホース13及びこれに連結す
る給油管8が大気と連通し、そして給油モーター9に通
電されて、逆転駆動する。これにより給油ポンプ10が逆
転駆動して給油ホース13、給油管8内の油をタンク4に
戻す。また、電磁弁22bが開いてタンク4と油戻し用の
配管20とが連通し、さらに電磁弁22cが開いて油戻し用
の配管20と配管16とが連通する。
これにより、タンク4内の燃料油及び配管16内にある
燃料油が自然流下により地下の貯油タンク15内に戻され
る。
そして、建物1に災害が発生した場合は、他の建物1
のヘリポート3のヘリコプター25が直ちに災害が発生し
ている近隣の建物1へと出動することが出来る。
なお、給油ポンプ10を逆転すれば給油ホース13内は陰
圧となるので、電磁弁22aを逆止弁に代えても給油ホー
ス13内の油を戻すことができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明のヘリポート用給油設備は、
都市部での高層ビルの火災発生時などに近隣のビルから
直ちに給油を受けたヘリコプターを救援のために出動さ
せることができ、ヘリコプターを利用する緊急避難対策
を実効性あるものにできるし、かつ、経済効果も大きな
ものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のヘリポート用給油設備の実施例を示す
一部切欠いた正面図、第2図〜第4図は給油設備の制御
回路図、第5図は設置例を示す説明図である。 1……建物、2……屋上 3……ヘリポート、4……タンク 5a,5b……フロートスイッチ 6……エアーベント、7……ハウジング 8……給油管、9……給油モーター 10……給油ポンプ、11……流量計 12……給油ノズル、13……給油ホース 14……給油スイッチ、15……貯油タンク 16……配管、17……送油ポンプ 18……送油モーター、19……ポンプ室 20……油戻し用の配管、21……オーバーフロー管 22a,22b,22c……電磁弁、23……火災センサー 24……感震センサー、25……ヘリコプター

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘリポートとした建物の屋上にタンクとこ
    のタンクに接続する給油設備を設置し、地下または地上
    の貯油タンクと前記屋上のタンクとを送油配管で連結す
    るとともに、途中に弁を有する自然流下による非常時の
    油戻し用の配管で連結することを特徴としたヘリポート
    用給油設備。
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