JP2902721B2 - ポリエチレン組成物およびそれを用いた積層成形方法 - Google Patents

ポリエチレン組成物およびそれを用いた積層成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温高速成形や薄肉成形に適すると共に、
ラミネートする際のネックイン性およびホットタック性
が改良され、かつ低温ヒートシール性にすぐれた押出ラ
ミネート用として有用なポリエチレン組成物およびこの
ポリエチレン組成物を用いて押出ラミネート加工を行な
う積層成形方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より、各種樹脂フィルム、アルミニウム箔、セロ
ファン、紙等の基材に、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のエチレン系樹脂を押出ラミネートし
てヒートシール性、防湿性等を付与することが行われて
おり、それらラミネート物は主に包装用資材として、特
に食品包装用資材として多量に使用されている。
しかし、エチレン系樹脂を押出ラミネートしたラミネ
ート物は、以下に述べるような問題点を有している。
ポリエチレンは、非極性樹脂であることから基材への
接着性能が本質的に劣るため、ダイから押出された溶融
薄膜がダイと圧着ロールとの空間(いわゆるエアーギャ
ップ)内で空気との接触によりその表面が酸化される樹
脂温度、約310℃以上で押出ラミネートがなされる。
しかし、310℃以上の高温度では、基材との接着性能
は向上するが、同時にポリエチレンの熱分解(劣化)に
よる低分子量揮発性成分や酸化劣化による低分子アルデ
ヒド、酸、アルコール、不飽和化合物等の生成により、
成形時に多量の発煙による作業環境の悪化やラミネート
物のヒートシール性や臭気その他の品質の低下をもたら
すという欠点を有している。
この解決策として、その酸化された非接着面に、酸化
を受けない程度の温度で押出した樹脂をさらにラミネー
トする、いわゆるタンデム型押出ラミネートおよび共押
出ラミネートも行われている。しかしながら、これらの
方法は、工程が複雑となるほか、タンデム型押出におい
てはラミネート層が厚くなって不経済であり、また、共
押出においては、基材側の高温押出樹脂とそれの被覆層
となる低温押出樹脂との温度差を保つことが困難であ
り、必ずしも満足できる解決策とはなっていない。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合は、押出樹脂温
度を280℃以上にすると押出機またはダイ内で分解を起
こして酢酸臭が強くなったり気泡を生じたりすることか
ら、樹脂温度を280℃以下、好ましくは260℃以下で押出
す必要がある。しかし、このような低温度では基材との
接着強度が実用できる程には達しないので、基材に予め
ポリエチレンを310℃以上の温度で押出ラミネートして
おき、そのポリエチレン面にエチレン−酢酸ビニル共重
合体を前述の温度で押出ラミネートするという方法が採
られている。従って、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
場合においても、ポリエチレンにおけると同様の、工程
の複雑さ、経済的不利等の問題を有する。
一方、特開昭57−157724号公報には、エチレン系樹脂
を150〜290℃の低温で押出してオゾン処理し、該処理面
をアンカーコート処理された基材に圧着ラミネートする
方法が開示されている。このように成形温度を下げる
と、発煙や臭いは軽減され、発煙や臭いの問題は解決で
きる。しかし、成形温度を下げると、一般に成形速度を
速くできず、また肉厚を薄くできないなど生産性および
経済性の面での大きな問題を残している。
一般に、エチレン系樹脂において、メルトフローレー
トを大きくすれば290℃以下の低温度での高速成形が可
能であることは知られている。しかし、メルトフローレ
ートが大きくなるとヒートシール強度やホットタック性
が小さくなるという問題点を有する。また、ラミネート
成形においては、上記の高速成形性、ヒートシール性お
よびホットタック性などの性質と共に成形時のネックイ
ン特性に優れることが要求される。ネックインとは、ス
リットダイから押出された樹脂のクビレのことである
が、これが大きいと両端の部分の厚みが厚くなり、製品
として使える部分が狭くなって、樹脂の損失が大きいば
かりでなく、同一の幅の製品を得るのに大きなダイを必
要とするなどのデメリットが大きい。工業的には、ネッ
クインが小さいばかりでなく、成形温度や成形速度が変
ってもネックイン変化の小さいことが要求される。
高速成形性に優れる樹脂はネックインが大きく、また
ネックインが小さく、成形速度や成形温度によりネック
インの変化の小さい樹脂は高速成形性に劣ることが一般
によく知られているが、従来よりこれらの特性のバラン
スのよい樹脂の開発が強く求められてきており、近年可
成り特性の改良されたバランスのよい樹脂が市販されて
いる。
しかし、これらの樹脂であってもメルトフローレート
が11g/10分以下では290℃以下の低温での高速成形性や
薄肉成形性は著しく悪くなってしまうというのが実状で
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記のような従来技術に伴なう問題
点を解決し、低温成形により臭いや発煙がなく、しかも
高速成形、薄肉成形が可能で、ネックイン特性、ヒート
シール特性、ホットタック性に優れたポリエチレン組成
物およびこのポリエチレン組成物を用いた積層成形方法
を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によって、上記目的を達成しうるポリエチレン
組成物およびこの組成物を用いた積層成形方法が提供さ
れる。
すなわち、本発明は、 (1) メルトフローレートが1〜20g/10分、密度が0.
918〜0.922g/cm3であるポリエチレン(A)とメルトフ
ローレートが3〜15g/10分、密度が0.914〜0.919g/cm3
のポリエチレン(B)からなる組成物であって、 (i) 光散乱法によって測定した重量平均分子量がポ
リエチレン(A)と同一である直鎖状低密度ポリエチレ
ンの極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(A)の極限
粘度〔η〕の割合〔η〕l/〔η〕=gηは0.55〜0.90
であり、 (ii)光散乱法によって測定した重量平均分子量がポリ
エチレン(B)と同一である直鎖状低密度ポリエチレン
の極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(B)の極限
粘度〔η〕の割合〔η〕n/〔η〕=gηは0.15〜0.
45であり、 (iii)ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混
合比は40対60〜90対10であり、 (iv)組成物のメルトフローレートが2〜10g/10分であ
る、 ことを特徴とするポリエチレン組成物に関する。
また、本発明は、前記ポリエチレン組成物を用いて、
基材の少なくとも一表面に押出ラミネート加工を行なう
ことを特徴とする積層成形方法に関する。
以下、本発明に係るポリエチレン組成物およびこのポ
リエチレン組成物を用いた積層成形方法について、具体
的に説明する。
まず、本発明に係るポリエチレン組成物について説明
する。
本発明に係るポリエチレン組成物を構成するポリエチ
レン(A)およびポリエチレン(B)は、いわゆる高圧
法ポリエチレンである。
1000〜3500気圧の高圧下でパーオキサイドなどの遊離
基発生剤の存在下で重合させて得られるエチレン系重合
体(以下、LDPEと呼ぶこともある)は、数10気圧の低圧
でZiegler触媒等を用いて配位アニオン重合させて得ら
れるエチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンの
共重合体(以下、L−LDPEと呼ぶこともある)とは異な
り、長鎖分岐の存在することが知られている。LDPEのこ
の長鎖分岐の存在は、溶融時の粘弾性において、長鎖分
岐のないL−LDPEと比較して著しく異なった性質、特に
弾性的な性質を示すことが知られている。そのために、
LDPEのインフレーション成形時の成膜安定性やラミネー
ト成形時のネックイン特性に優れることも知られてい
る。しかし、そのために逆に延伸性においては、L−LD
PEの方が勝ることが知られている。
高圧法LDPEは、一般にオートクレーブまたはチューブ
ラーリアクターで製造されるが、いずれのリアクターを
用いても得られるLDPEは長鎖分岐を有する。長鎖分岐の
程度は、重合時の圧力や重合時の温度により異なる。
長鎖分岐の数や長さは、短鎖分枝のように13C−NMRを
用いても正確に定量化することはできない。長鎖分岐の
程度または指数は、希薄溶液の光散乱法より求めた同一
分子量の長鎖分岐を有するポリエチレンと長鎖分岐のな
い直鎖状のポリエチレンの極限粘度の割合gη(=
〔η〕b/〔η〕)により表わされる。ここで〔η〕
は長鎖分岐を有するポリエチレンの極限粘度、〔η〕
は長鎖分岐を有するポリエチレンと同一の分子量を有す
る直鎖状のポリエチレンの極限粘度である。
極限粘度〔η〕b,〔η〕は、130℃のテトラリンの
希薄溶液から、濃度ゼロへ外挿した点の(ηsp/C)
C→0で求めた。
本発明者らは、長鎖分岐指数とメルトフローレート
(JIS K−6760に準拠して測定、以下MFRと略称する)に
着目し、いろいろな条件で試作し、低温高速成形性、薄
肉成形性、ヒートシール性、ホットタック性、ネックイ
ン特性について詳細に検討したところ、極限粘度の割合
ηが0.55〜0.90と大きなポリエチレンは、MFRが1〜3
g/10分程度の通常のラミネートグレードより小さくて
も、低温での高速成形性、薄肉成形性に優れ、ヒートシ
ール性やホットタック性にも優れるが、ネックイン特性
に若干劣ることが分った。一方、極限粘度の割合gη
0.15〜0.45と小さい場合には、MFRが11g/10分以下では
低温高速成形性が悪く、290℃以下の低温度で250m/分以
上の高速成形性を得るためにはMFRが15g/10分以上が必
要であった。しかし、MFRが15g/10分以上では低温高速
成形性は得られるが、ネックインは大きく、ヒートシー
ル強度やホットタック性に劣るという欠点があった。
これら極限粘度の割合gηの大きく異なるポリエチレ
ンを組合わせることにより、両者の有利な特性を生かす
ことを検討した結果、 (1) メルトフローレートが1〜20g/10分、密度が0.
918〜0.922g/cm3であるポリエチレン(A)とメルトフ
ローレートが3〜15g/10分、密度が0.914〜0.919g/cm3
のポリエチレン(B)からなる組成物であって、 (i) 光散乱法によって測定した重量平均分子量がポ
リエチレン(A)と同一である直鎖状低密度ポリエチレ
ンの極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(A)の極限
粘度〔η〕の割合〔η〕l/〔η〕=gηは0.55〜0.90
であり、 (ii)光散乱法によって測定した重量平均分子量がポリ
エチレン(B)と同一である直鎖状低密度ポリエチレン
の極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(B)の極限
粘度〔η〕の割合〔η〕n/〔η〕=gηは0.15〜0.
45であり、 (iii)ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混
合比は40対60〜90対10であり、 (iv)組成物のメルトフローレートが2〜10g/10分であ
る、ポリエチレン組成物が、290℃以下の低温におい
て、200m/分以上の高速成形ができるばかりでなく、10
〜15μの薄肉成形性に優れ、ヒートシール強度、ホット
タック性、ネックイン特性に優れることを見い出した。
本発明において用いられるポリエチレン(A)の極限
粘度の割合gηは、0.55〜0.90であり、より好適には、
0.65〜0.90である。ポリエチレン(A)の極限粘度の割
合gηが0.55未満では、低温高速成形性に劣るのでは好
ましくない。ポリエチレン(A)の極限粘度の割合gη
は、幾ら大きくてもよいが高圧法では0.90以上のものは
実質的に得るのは難しい。
ポリエチレン(A)のMFRは、1〜20g/10分であり、
好ましくは3.5〜15g/10分である。ポリエチレン(A)
のMFRが1g/10分未満では、低温高速成形性と薄肉成形性
に劣り、またMFRが20g/10分を超えるとヒートシール強
度、ネックイン特性のバランスをとることが困難であ
る。
ポリエチレン(A)の密度は、0.918〜0.922g/cm3
ある。ポリエチレン(A)の密度が上記範囲を外れる
と、gηとMFRの値がそれぞれgη=0.55〜0.90、MFR=
1〜20g/10分の範囲外となり、本発明の効果が発現され
ない。
また、本発明において用いられるポリエチレン(B)
の極限粘度の割合gηは0.15〜0.45であり、好ましくは
0.15〜0.35である。極限粘度の割合gηが0.15未満のポ
リエチレン(B)は、実質的に製造が困難である。ま
た、極限粘度の割合gηが0.45を超えると、ネックイン
特性に劣る欠点を有する。
ポリエチレン(B)のMFRは、3〜15g/10分であり、
好ましくは4〜11g/10分である。ポリエチレン(B)の
MFRが3g/10分未満では、低温高速成形法、薄肉成形性に
劣る欠点を有する。また、ポリエチレン(B)のMFRが1
5g/10分を越えた場合は、低温高速成形性は極めて良好
であるが、ネックイン特性に劣るという難点を有する。
ポリエチレン(B)の密度は、0.914〜0.919g/cm3
ある。ポリエチレン(B)の密度が上記範囲を外れる
と、gηとMFRの値がそれぞれgη=0.15〜0.45、MFR=
3〜15g/10分の範囲外となり、本発明の効果が発現され
ない。
ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)を製造する
方法としては、オートクレーブ法およびチューブラー法
のいずれでもよい。
ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混合比
(重量)は、40対60〜90対10であり、好ましくは50対50
〜80対20である。ポリエチレン(A)の混合比が40未満
では、ドローダウン性に劣り、ポリエチレン(A)の混
合比が90を超える場合には、充分満足できるネックイン
特性が得られない。
ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)との混合方
法としては、溶融状態で通常の押出機、混練機を用い、
通常の条件で混合混練する方法が採用される。
以上のようにして得られるポリエチレン組成物のMFR
は、2〜10g/10分であり、好ましくは3〜9.5g/10分で
ある。ポリエチレン組成物のMFRが2g/10分未満では、低
温高速成形性、薄肉成形性が充分満足すべきものでな
く、一方ポリエチレン組成物のMFRが10g/10分を超える
場合には、ヒートシール強度やホットタック性が充分で
ない。
本発明のポリエチレン組成物には、必要に応じて安定
剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、充填剤、その他の添加剤
を配合してもよい。
次に、本発明に係る積層成形方法について説明する。
本発明に係る積層成形方法では、上述したポリエチレ
ン組成物を用いて、基材の少なくとも一表面に押出ラミ
ネート加工が行なわれる。
本発明において用いられる基材としては、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂フィ
ルムまたはシート、アルミニウム、鉄、銅、これらを主
成分とする合金等の金属箔または金属板、セロファン、
紙、布、不織布等が用いられ、必要に応じてこれら基材
の表面がコロナ処理、フレーム処理等がされていてもよ
い。
本発明の積層成形方法においては、基材の片面に一層
のポリエチレン組成物を押出ラミネートする場合のみな
らず、たとえば二種以上のポリエチレン組成物または基
材側をポリエチレン組成物とし、その外側に他の樹脂を
用いて、基材片面に二層以上を押出ラミネートする場
合、および基材両面にポリエチレン組成物を押出ラミネ
ートする場合等にも有効である。
また、上記のような積層成形方法において、基材とポ
リエチレン組成物の間に接着剤を介在させてもよい。
押出ラミネート加工する際の装置としては、通常のT
−ダイ方式の装置を用いることができる。ラミネート層
の厚さには特に制限はなく、適宜選択すればよい。
〔実 施 例〕
以下、実施例および比較例をあげて本発明をさらに詳
細に説明する。
なお、実施例および比較例の各物性値は、下記の方法
に準じて測定した。
(1) ドローダウン性 押出機:90mmφ、T−ダイ幅:75mm、スクリュー回転
数:100rpmに設定し、ラミネート物が膜切れする最高引
取速度。
(2) ネックイン 押出機:90mmφ、T−ダイ幅:750mm、スクリュー回転
数:100rpmに設定し、引取速度200m/分時の両耳ネックイ
ン、または200m/分に達しない場合はドローダウン性時
のネックイン。
(3) ヒートシール強度 片面ヒートシーラーを用い、圧力2kg/cm2、シール時
間1秒、シール幅5mm、シール温度140℃でヒートシール
したサンプルを温度23℃、湿度50%の恒温室において、
引張速度300mm/分で引張った時の強度。
実施例 1 (ポリエチレン(A)の製造) 10の撹拌機付きのオートクレーブで、重合開始触媒
としてアシル系パーオキサイド用い、1200kg/cm2の圧力
下で平均重合温度210℃でエチレンを重合した。得られ
たポリエチレンのMFRは7.3g/10分、密度は0.920g/cm3
重合平均分子量は13.5×104、極限粘度の割合gηは0.6
8であった。
(ポリエチレン(B)の製造) ポリエチレン(A)の製造で用いたオートクレーブ
で、重合開始触媒としてジターシャリ−ブチルパーオキ
サイドを用い、1650kg/cm2の圧力下で平均重合温度260
℃でエチレンを重合した。得られたポリエチレンのMFR
は7.0g/10分、密度は0.917g/cm3、重量平均分子量は50.
0×104、極限粘度の割合gηは0.21であった。
(ポリエチレン組成物の調整) ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)を70対30の
混合比率で30φの押出機で混合し、ポリエチレン組成物
を得た。得られたポリエチレン組成物のMFRは7.3g/10
分、密度は0.919g/cm3であった。
(ラミネート加工) ポリエチレン組成物を90φラミネーターを用い、スク
リュー回転数100rpm、0.7mm幅のスリットダイを用い、
ダイ幅750mm、ダイ直下の樹脂温度(成形温度)が250℃
で、予めイソシアネート系アンカーコート剤を用いて作
製しておいた、厚さ15μの延伸ナイロン6フィルムへ低
密度ポリエチレンを厚さが25μに押出コーティングした
積層フィルムの低密度ポリエチレン層側に押出ラミネー
トした。この時のドローダウン性(最高巻取り速度)、
ラミネート層の厚み、ネックインおよびヒートシール強
度を評価した。それらの結果を第2表に示した。
実施例2および比較例1〜3 ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混合比
率、樹脂温度、ラミネート厚みを第1表のように種々変
更させた以外は、実施例1と同様にしてラミネート物を
得た。評価結果を第2表に示した。
実施例3〜4および比較例4 MFRが3.0g/10分、密度が0.921g/cm3、重量平均分子量
が15.7×104、極限粘度の割合gηが0.85のポリエチレ
ン(A)とMFRが12g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平
均分子量が36×104、極限粘度の割合gηが0.23のポリ
エチレン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチ
レン(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第
1表のように種々変更させた以外は、実施例1と同様に
してラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
実施例5〜7および比較例5 MFRが11g/10分、密度が0.920g/cm3、重量平均分子量
が13×104、極限粘度の割合gηが0.77のポリエチレン
(A)とMFRが5g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平均分
子量が58×104、極限粘度の割合gηが0.18のポリエチ
レン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチレン
(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第1表
のように種々変更させた以外は、実施例1と同様にして
ラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
実施例8および比較例6 MFRが11g/10分、密度が0.920g/cm3、重量平均分子量
が13×104、極限粘度の割合gηが0.77のポリエチレン
(A)とMFRが7g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平均分
子量が50×104、極限粘度の割合gηが0.21のポリエチ
レン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチレン
(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第1表
のように種々変更させた以外は、実施例1と同様にして
ラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
実施例 9 MFRが15g/10分、密度が0.920g/cm3、重量平均分子量
が12×104、極限粘度の割合gηが0.75のポリエチレン
(A)とMFRが5g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平均分
子量が58×104、極限粘度の割合gηが0.21のポリエチ
レン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチレン
(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第1表
のように種々変更させた以外は、実施例1と同様にして
ラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
比較例 7 MFRが20g/10分、密度が0.919g/cm3、重量平均分子量
が11.5×104、極限粘度の割合gηが0.65のポリエチレ
ン(A)とMFRが5g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平均
分子量が58×104、極限粘度の割合gηが0.18のポリエ
チレン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチレ
ン(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第1
表のように種々変更させた以外は、実施例1と同様にし
てラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
比較例 8 MFRが20g/10分、密度が0.919g/cm3、重量平均分子量
が11.5×104、極限粘度の割合gηが0.65のポリエチレ
ン(A)とMFRが20g/10分、密度が0.917g/cm3、重量平
均分子量が38×104、極限粘度の割合gηが0.27のポリ
エチレン(B)を用い、ポリエチレン(A)とポリエチ
レン(B)の混合比率、樹脂温度、ラミネート厚みを第
1表のように種々変更させた以外は、実施例1と同様に
してラミネート物を得た。評価結果を第2表に示した。
第2表から明らかなように、本発明のポリエチレン組
成物を用いれば、ラミネート加工する場合、ラミネート
物のヒートシール強度が強く、ドローダウン性、ネック
イン性が改良されるが、ポリエチレン(A)のみを押出
ラミネートするとネックインが大きく(比較例1)、ポ
リエチレン組成物の混合比率が本発明の範囲外の場合は
ラミネート層の薄膜性に劣り(比較例2,3,4,5および
6)、ポリエチレン組成物のMFRが本発明の範囲外で
は、ネックインが大きくて押出ラミネート加工性に劣
り、ヒートシール強度にも欠ける(比較例7)、ポリエ
チレン(B)のみを押出ラミネートすると、ヒートシー
ル強度に劣る(比較例8)。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明のポリエチレン組成物は低
温高速成形性および薄肉成形性に優れており、このポリ
エチレン組成物を用いて基材に押出ラミネート加工した
場合、ネックイン性およびホットタック性が改良され、
かつヒートシール強度にも優れたラミネート物が得られ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 (56)参考文献 特開 昭55−97928(JP,A) 特表 昭58−501181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/06 B29C 47/00 - 47/96

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが1〜20g/10分、密度
    が0.918〜0.922g/cm3であるポリエチレン(A)とメル
    トフローレートが3〜15g/10分、密度が0.914〜0.919g/
    cm3のポリエチレン(B)からなる組成物であって、 (i) 光散乱法によって測定した重量平均分子量がポ
    リエチレン(A)と同一である直鎖状低密度ポリエチレ
    ンの極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(A)の極限
    粘度〔η〕の割合〔η〕l/〔η〕=gηは0.55〜0.90
    であり、 (ii)光散乱法によって測定した重量平均分子量がポリ
    エチレン(B)と同一である直鎖状低密度ポリエチレン
    の極限粘度〔η〕に対するポリエチレン(B)の極限
    粘度〔η〕の割合〔η〕n/〔η〕=gηは0.15〜0.
    45であり、 (iii)ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混
    合比は40対60〜90対10であり、 (iv)組成物のメルトフローレートが2〜10g/10分であ
    る、 ことを特徴とするポリエチレン組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載のポリエチレン組成物
    を用いて、基材の少なくとも一表面に押出ラミネート加
    工を行なうことを特徴とする積層成形方法。
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