JP2902716B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2902716B2
JP2902716B2 JP9016790A JP9016790A JP2902716B2 JP 2902716 B2 JP2902716 B2 JP 2902716B2 JP 9016790 A JP9016790 A JP 9016790A JP 9016790 A JP9016790 A JP 9016790A JP 2902716 B2 JP2902716 B2 JP 2902716B2
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輝夫 細川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はホットフロースタンピング成形などの熱成形
に好適な樹脂組成物に関する。さらにくわしくは、ホッ
トフロースタンピング成形などの熱成形により、射出成
形によって得られたと同様な表面外観を有する成形品を
製造することが可能であるのみならず、剛性が極めてす
ぐれており、しかも軽量である樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
現在、プロピレン系重合体(ポリプロピレン樹脂)
は、種々の機械的特性がすぐれているのみならず、成形
加工性も良好であり、しかも化学的に比較的に安定なた
め、ホットフロースタンピング成形、真空成形などの成
形法によって各種自動車部品に広く成形されている。し
かし、ホットフロースタンピング成形法によって製造す
るさい、金型に溶融材料を充填する場合に金型と樹脂と
の間の温度差によって冷却ムラが発生し、その結果製品
価値を落し、機能材しか使われていないのが現状であ
る。このため、射出成形法によって得られる成形品に匹
敵するような表面外観を有するものは今までに得られて
いなかった。
さらに、ポリプロピレン樹脂は前記のごとく成形加工
性が良好であり、種々の機械的特性がすぐれているが、
機械的特性のうち剛性(曲げ弾性率)についてはバンパ
ーなどの自動車部品に利用するさい、かならずしも満足
すべきものではない。そのためにエチレン−プロピレン
ブロツク共重合体およびエチレン−プロピレン共重合ゴ
ムにさらに充填剤を配合することにより、曲げ弾性率を
向上することが提案されている(たとえば、特開昭58−
111846号、同57−73034号、同57−159841号、同63−434
2号)。
さらに、出願人はバンパーに好適な組成物として
(A)プロピレン単独重合体および/またはプロピレン
−エチレンランダム共重合体、(B)エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、(C)エチレン−プロピレン共
重合体ならびに(D)タルクからなるプロピレン系重合
体組成物について以前に提案した(特願平1−203898
号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記のバンパー用組成物については、
いずれも衝撃強度が良好であり、とりわけ低温(たとえ
ば、0〜−40℃)における衝撃強度はずぐれている。し
かも、出願人が以前に提案した発明では、ウレタン塗料
の密着性は良好であり、耐ガソホール性についてもすぐ
れている。しかし、剛性についてはかならずしも満足し
得る程度のものではない(すなわち、曲げ弾性率が低
い)。
さらに溶融材料をホットフロースタンピング成形法に
よって成形するさいの該材料の改良にあたり、ポリプロ
ピレン系樹脂が結晶性材料のため、金型上で溶融したポ
リプロピレン系樹脂が固化するさいに冷却ムラを抑制す
る方法として下記のような三つの方法が考えられる。
(1)結晶化速度を遅らせる方法 (2)結晶化度を低くする (3)結晶化が始まるまでの誘導時間を遅くする 以上の方法のうち、結晶化速度を遅らせる方法につい
ては、溶融する材料であるポリプロピレン樹脂の冷却を
遅くすることを意味しており、成形サイクルが長くなる
ので経済的でない。また、結晶化度を低くすることは、
材料の機械的強度を低下させ、機能そのものの価値と用
途を狭くするために得策でない。
以上のことから、本発明は前記の三つの方法のうち、
結晶化が始まるまでの誘導時間を遅くする(誘導時間を
長くする)ばかりでなく、とりわけ軽量であり、かつ剛
性が極めてすぐれている材料を得ることを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明に従えば、これらの課題は (A)30℃の温度においてキシレン可溶分が多くとも、
5.0%であるプロピレン単独重合体、 (B)30℃の温度においてキシレン不溶分が多くとも5.
0%であり、かつプロピレンの共重合割合が25〜75重量
%であるエチレン−プロピレンランダム共重合体、 (C)エチレンの共重合割合が1.0〜10重量%であるプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、 (D)プロピレンの共重合割合が15〜40重量%であり、
かつメルトインデックス〔JIS K7210にしたがい、第1
表の条件が14で測定、以下「MFR」と云う〕が0.01〜10g
/10分であり、差動走査熱量計で測定した融解ピークが8
0℃以上であり、X線で測定した結晶化度が3%以上で
あり、しかもゲルパーミエーションクロマトグラフィー
で測定した分子量分布の指標である重量平均分子量/数
平均分子量が4以上であるエチレン−プロピレン共重合
体 ならびに (E)充填剤 からなる組成物であり、組成物中の充填剤の組成割合は
9.0〜20重量%であり、プロピレン単独重合体およびエ
チレン−プロピレンランダム共重合体の合計量中に占め
るエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は
5.0〜30重量%であり、これらの重合体の総和のMFRは2.
0〜100g/10分であり、「プロピレン単独重合体、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体およびエチレン−プロピレン共重合
体」〔以下「全重合体」と云う〕の合計量中に占めるプ
ロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体の総和の組成割合は40〜80重量%であり、か
つ全重合体の合計量中に占めるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の組成割合は25重量%未満であるが、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体1重量部に対する
プロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体の組成割合はそれらの合計量として2.5重
量部を超えるが、多くとも9.0重量部であり、しかも全
重合体中に占めるエチレン−プロピレン共重合体の組成
割合は少なくとも5.0重量%であるが、エチレン−プロ
ピレン共重合体およびエチレン−プロピレンランダム共
重合体の組成割合はそれらの合計量として多くとも40重
量%である樹脂組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)プロピレン単独重合体 本発明において使われるプロピレン単独重合体は30℃
の温度においてキシレンに可溶する成分を多くとも5.0
重量%(好ましくは、3.0重量%以下)を含有するもの
である。また、該重合体のMFRは一般には2.0〜100g/10
分であり、5.0〜100g/10分のものが望ましく、とりわけ
5.0〜80g/10分のものが好適である。MFRが下限未満のプ
ロピレン単独重合体を用いると、混練性がよくなく、さ
らに組成物の成形性もよくない。一方、上限を超えたも
のは、組成物の耐衝撃性がよくない。
(B)エチレン−プロピレンランダム共重合体また、本
発明において用いられるエチレン−プロピレンランダム
共重合体のプロピレンの共重合割合は25〜75重量%であ
り、30〜70重量%が好ましく、特に30から60重量%が好
適である。プロピレンの共重合割合が25重量%未満のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を使用すると、組
成物の耐衝撃性がよくない。一方、プロピレンの共重合
割合が75重量%を超えたエチレン−プロピレンランダム
共重合体は、製造が困難であり、かりに得られたとして
も組成物の剛性の点で問題がある。
該エチレン−プロピレンランダム共重合体は30℃の温
度においてキシレンに不溶な成分を多くとも5.0重量%
(好ましくは、4.5重量%以下)含有するものである。
以上のプロピレン単独重合体およびエチレン−プロピ
レンランダム共重合体をそれぞれ単独重合および共重合
によって製造し、本発明の組成物を製造するさいに後記
の組成割合で混合してもよく、またあらかじめプロピレ
ン単独重合体を製造し、重合体および重合体の製造に使
用した触媒系の存在下でエチレンとプロピレンとを同じ
重合器または別の重合器で共重合させるいわゆるブロツ
ク共重合によって製造してもよい。
以上のいずれの場合でも、プロピレン単独重合体およ
びエチレン−プロピレンランダム共重合体の総和のMFR
は2.0〜100g/10分であり、5.0〜100g/10分が望ましく、
とりわけ5.0〜80g/10分が好適である。プロピレン単独
重合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の
合計量のMFRが2.0g/10分未満では、混練性および組成物
の成形性がよくない。一方、200g/10分を超えると、組
成物の機械的特性、とりわけ耐衝撃性がよくない。
また、これらの重合体の総和中のエチレンの含有量は
モノマー単位として、3.0〜30重量%であり、3.0〜25重
量%が好ましく、特に、5.0〜25重量%が好適である。
これらの重合体の総和中のエチレンの含有量がモノマー
単位として3.0重量%未満では、組成物の耐衝撃性の点
で問題がある。一方、30重量%を超えると、組成物の剛
性の点で問題がある。
(C)プロピレン−エチレンランダム共重合体さらに、
本発明のプロピレン−エチレンランダム共重合体のエチ
レンの共重合割合は1.0〜10重量%であり、1.5〜8.0重
量%が望ましく、とりわけ2.0〜7.0重量%が好適であ
る。エチレンの共重合割合が1.0重量%未満のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体を用いると、耐衝撃性が
良好な組成物を得ることができない。一方、10重量%を
超えるならば、耐熱性が低下するために好ましくない。
また、該プロピレン−エチレンランダム共重合体のMF
Rは前記のプロピレン単独重合体の場合と同じ理由によ
って2.0〜100g/10分であり、3.0〜80g/10分が好まし
く、特に5.0〜70g/10分が好適である。
(D)エチレン−プロピレン共重合体 また、本発明において使われるエチレン−プロピレン
共重合体のプロピレンの共重合割合は15〜40重量%であ
り、18〜40重量%が好ましく、特に20〜38重量%が好適
である。プロピレンの共重合割合が15重量%未満である
エチレン−プロピレン共重合体を用いると、得られる組
成物の耐衝撃性の改良効果が乏しい。一方、40重量%を
超えたエチレン−プロピレン共重合体を使用すると、得
られる組成物の耐衝撃性の改良効果はよいが、その他の
機械的特性(たとえば、剛性)がよくない。
また、該エチレン−プロピレン共重合体のMFRは0.01
〜10g/10分であり、0.02〜10g/10分が望ましく、とりわ
け0.05〜8.0g/10分が好適である。MFRが0.01g/10分未満
のエチレン−プロピレン共重合体を使うならば、得られ
る組成物の加工性がよくない。
一方、10g/10分を超えたエチレン−プロピレン共重合
体を用いると、得られる組成物の耐衝撃性の改良効果が
よくない。
該エチレン−プロピレン共重合体のムーニー粘度(ML
1+4,100℃)は通常10〜150であり、10〜130が好まし
く、特に10〜120が好適である。ムーニー粘度が10未満
のエチレン−プロピレン共重合体を使用すれば、成形性
は向上するが、衝撃性の改良効果が低いばかりでなく、
成形物のゲートカット時などに層剥離が発生する場合も
あり、トラブルの原因となることがある。一方、150を
超えたエチレン−プロピレン共重合体を使うならば、混
練時の分散が困難になるのみならず、たとえ均一な組成
物が得られたとしても、成形物の表面にフローマーク、
ウエルドラインなどの目立ちが激しくなり、外観の良好
な成形物が得られない。
なお、該エチレン−プロピレン共重合体は、通常差動
走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter,DS
C)で測定した融解ピークが80℃以上であり、かつX線
で測定した結晶化度が3%以上である。融解ピークは80
〜125℃が好ましく、特に85〜125℃が好適である。前記
融解ピークが80℃未満では得られる組成物の剛性および
引張強度がよくない。また、該エチレン−プロピレン共
重合体はX線で測定した結晶化度が3%以上であり、3
〜30%が望ましく、とりわけ3〜25%が好適である。こ
の結晶化度3%未満のエチレン−プロピレン共重合体を
使用すると、剛性および引張強度がよくない。一方、30
%を超えたものを用いると、耐衝撃性がよくない。
さらに、該エチレン−プロピレン共重合体はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分
子量分布の指標である重量平均分子量(w)/数平均
分子量(n)は4以上であり、4〜8が好ましい。
w/nが4未満のエチレン−プロピレン共重合体を使用
するならば、得られる組成物の加工性がよくない。
(E)充填剤 本発明において用いられる充填剤は一般に合成樹脂お
よびゴムの分野において広く使われているものである。
これらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸素およ
び水と反応しない無機化合物であり、混練時および成形
時において分解しないものが好んで用いられる。該無機
充填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケ
ル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジル
コニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタンな
どの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、
炭酸塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならび
にこれらの混合物に大別される。該無機充填剤の代表例
は特願昭59−8535号明細書に記載されている。これらの
無機充填剤のうち、粉末状のものはその径が30μm以下
(好適には10μm以下)のものが好ましい。また繊維状
のものでは、径が1〜500μm(好適には1〜300μm)
であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のものが
望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm以下(好
適には10μm以下)のものが好ましい。これらの無機充
填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよび粉
末状のものが好適である。好適な無機充填剤としては、
タルク、マイカ、シリカ、ガラス繊維、グラファイトな
どがあげられる。
また、有機充填剤としては木粉、有機繊維、わら、も
みがら、ピーナッツのからなどがあげられる。
木粉は通常12メッシュパスのものであり、特に45メッ
シュパス以下の平均粒径を有するものが好ましい。な
お、この木粉の木の種類は特に限定されるものではな
い。
また有機繊維は、羊毛などの動物繊維、綿、ジュー
ド、パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロ
ン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊
維などの合成繊維である。該有機繊維の長さおよび平均
径は最終的に得られる組成物の用途、混合条件などによ
って異なるから、一概に規定することができないが、一
般的には平均径の範囲が3〜500μm、平均の長さが0.1
〜6mmであるものが適当である。
そのほか、わらについては混合性の点から、有機繊維
と同様な平均径および長さを有するように裁断されて使
用される。
また、もみがら、ピーナッツのからは前記の木粉のよ
うに破砕されて用いられる。
(F)組成割合 本発明の組成物において、プロピレン単独重合体およ
びエチレン−プロピレンランダム共重合体の合計量中に
占めるエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割
合は5.0〜30重量%であり、5.0〜25重量%が好ましく、
7.0〜25重量%が好適である。プロピレン単独重合体お
よびエチレン−プロピレンランダム共重合体の合計量中
に占めるエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成
割合が5.0重量%未満では、得られる組成物の耐衝撃性
がよくない、一方、30重量%を超えると、組成物の剛性
が低下する。
また、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重
合体およびエチレン−プロピレン共重合体(すなわち、
全重合体)中に占めるプロピレン単独重合体およびエチ
レン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は40〜80
重量%であり、45〜80重量%が望ましく、とりわけ45〜
75重量%が好適である。全重合体中に占めるプロピレン
単独重合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合
体の組成割合が40重量%未満では、得られる組成物の耐
衝撃性がよくない。一方、80重量%を超えると、組成物
の剛性が低下するために成形品の機械的強度の低下を招
く。
さらに、全重合体中に占めるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の組成割合は25重量%未満であり、5.0
重量%以上であるが、25重量%未満が好ましく、7.5重
量%以上であるが、25重量%未満が好適である。全重合
体中に占めるプロピレン−エチレンランダム共重合体の
共重合割合が5.0重量%未満では、得られる組成物の結
晶化が始まるまでの誘導時間を満足するように遅らせる
ことができない。一方、25重量%を超えると、得られる
剛性が低い。
また、プロピレン−エチレンランダム共重合体1重量
部に対するプロピレン単独重合体およびエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体の組成割合はそれらの合計量と
して2.5重量部を超えるが、多くとも9.0重量部であり、
2.5〜8.5重量部が望ましく、とりわけ2.8〜8.0重量部が
好適である。プロピレン−エチレンランダム共重合体1
重量部に対するプロピレン単独重合体およびエチレン−
プロピレンランダム共重合体の組成割合が合計量として
2.5重量部未満では、核開始時間が短く、外観が悪くな
る上に、剛性の低下が認められる。一方9.0重量部を超
えると、耐衝撃性の低下が著しく、高温におけるクリー
プ強度が低下する。
さらに、全重合体中に占めるエチレン−プロピレン共
重合体の組成割合は少なくとも5.0重量%である。しか
し、40重量%を超えて配合すると、得られる組成物の成
形性が満足すべきものでない。これらのことから全重合
体中に占めるエチレン−プロピレン共重合体の組成割合
が5.0〜身35重量%が好ましく、特に5.0〜30重量%が好
適である。
また、全重合体中に占めるエチレン−プロピレン共重
合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の組
成割合は得られる組成物の合計量(総和)は耐熱性およ
び剛性の点からそれらの合計量として多くとも60重量%
である。しかし、全重合体中に占めるこれらの重合体の
組成割合がそれらの重合体の合計量として5.0重量%未
満では、核開始誘導期間が短く、冷却ムラが生じ易く、
外観が悪い。これらのことから全重合体中に占めるエチ
レン−プロピレン共重合体の組成割合がそれらの合計量
として5.0〜50重量%が望ましく、とりわけ10〜50重量
%が好適である。
さらに、全組成物中に占める充填剤の組成割合は9.0
〜20重量%であり、9.0〜18重量%が好ましく、特に10
〜18重量%が好適である。全組成物中に占める充填剤の
組成割合が9.0重量%未満では、得られる組成物の剛性
が低い。一方、20重量%を超えると、剛性は向上するけ
れども、密度も高くなる。しかも、耐衝撃性が悪くな
る。
(G)組成物の製造 本発明の組成物は全重合体および充填剤を均一に混合
することによって製造することができるけれども、ま
た、必要に応じて、オレフィン系重合体に一般に使われ
ている酸素、光または熱に対する安定剤、難燃化剤、加
工性改良剤、滑剤、帯電防止剤、および顔料のごとき添
加剤を添加してもよいことはもちろんのことである。
該組成物を得るには、タンブラー、リボンブレンダー
およびヘンシェルミキサーのごとき混合機を使ってドラ
イブレンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえ
ば、バンバリーミキサー)または連続式混練り機(たと
えば、押出機)を用いて混練りすることができるが、前
記したごとく、連続式混合機を使用して連続的に混練り
することもできる。また、これらの方法を併用する(た
とえば、ドライブレンドした後、連続的に混練りする)
ことによってさらに均一に混合することもできる。
(H)成形方法 以上のようにして得られる組成物をポリオレフィン系
樹脂の分野において一般に行われているホットフロース
タンピング成形などの熱成形や射出成形することによっ
て種々の成形物を製造することができる。
熱成形するさい、前記の各組成成分の種類およびその
組成割合によって異なるが、通常の成形温度は190〜250
℃である。また、射出成形する場合では、同様に一般に
は成形温度は200〜230℃である。
〔作用〕
本発明の樹脂組成物において、前記プロピレン単独重
合体とエチレン−プロピレン共重合体、あるいはこれら
の重合体と充填剤とからなる組成物に前記プロピレン−
エチレンランダム共重合体またはエチレン−プロピレン
共重合体をそれぞれ単独に配合したとしても、結晶開始
に至るまでの誘導期間、すなわち核開始時間(τ)を遅
くすることができる。しかしながら、それらの重合体の
うち、いずれかを配合した樹脂組成物はその他の機能に
おいて満足すべき結果を得ることができない。たとえ
ば、プロピレン−エチレンランダム共重合体のみを配合
した場合では、核開始時間を長くすることができるが、
低温における衝撃強度(耐寒衝撃強度)、すなわちアイ
ゾットインパクト値は低くなる。一方、エチレン−プロ
ピレン共重合体のみを添加した場合では、耐寒衝撃強度
は向上するたものの、耐熱変形および剛性の低下を招く
ために好ましくない。理由は不明であるが、これらのプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体とエチレン−プロ
ピレン共重合体を併用すると、それぞれ単独配合して核
開始時間を遅らせるよりも、より少ない配合量で効果的
に遅くすることができる。
これらのことから、結晶開始に至るまでの誘導期間、
すなわち核開始時間の測定は走査型示差熱分析計を用い
て等温結晶化を行ってそのさいの結晶開始に至までの誘
導時間の長い材料のスタンピング成形を行った場合、表
面外観の良好な結果が得られることがわかった。評価は
この誘導期間の時間を急冷したさいの温度でアウレニウ
スプロットをすると、金型に相当する温度での誘導期間
を推定することができる。そのさいの時間の長さによっ
て材料を判定することができる。
本発明の樹脂組成物の密度は0.96〜1.05であり、した
がって軽量である。さらに、曲げ弾性率(JIS K 7113に
したがって測定)は19,000〜28,000kg/cm2であり、剛性
が高い。これらのことから、比弾性率(曲げ弾性率/密
度)が比較的に高く、自動車の内装材として有望である
と考えられる。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
実施例および比較例において、核開始時間(τ)は前
記のごとく走査型示差熱量計を用いて等温結晶化に至る
までの時間を測定した。また、アイゾット衝撃強度はAS
TM D 256にしたがい、23℃においてノッチ付きで測定し
た。また、曲げ弾性率はASTM D 790にしたがって測定し
た。さらに、熱変形温度はASTM D 648にしたがい、荷重
が4.6kg/cm2(66psi)で測定した。
実施例および比較例において、第1図に平面図が示さ
れ、また第2図に側面図が示されるホットフロースタン
ピング成形機を用い、リアパーセルセルフ(投影面積2,
800cm2)を樹脂温度が200℃および成形圧力が50kg/cm2
の条件でホットフロースタンピング成形を行った。第1
図および第2図において、1は押圧機であり、1aはノズ
ルである。また、2は計量部であり、3はホッパーであ
る。さらに、4は移動テーブルであり、6はシリンダー
である。また7は油圧ポンプであり、8はプレス機であ
る。8aは該プレス機の下金型であり、8bは上金型であ
る。さらに、9は制御盤である。第1図に平面図および
第2図に側面図が示されるホットフロースタンピング成
形機において、ホッパー3に充填された樹脂組成物は押
出機1の計量部2で計量され、移動テーブル4を経て、
油圧ポンプ7で加圧され、シリンダー6を経て、ノズル
1aで押出され、プレス機8の下金型8aに一定量押出され
る。ここで押出された樹脂組成物はプレス機8の下金型
8aと上金型8bでプレスされる。なお、これらの操作は、
制御盤9によって温度、圧力などが制御される。
さらに、射出成形は前記ホットフロースタンピング成
形で成形したリアパーセルセフルとほぼ同じ程度の大き
さで形状は類似した金型を用い、型締め厚が1300トンの
規模の射出成形機を用い、金型温度が40℃であり、樹脂
温度が200℃の条件下で行った。
外観は前記の方法でホットフロースタンピング成形を
行い、得られたリアーセルセルフの外観をそれぞれ第3
表に射出成形と同じ程度で最良の“◎”、良好を
“○”、真空成形温度で光沢のないものを“△”、さら
に悪いものを“×”、冷却痕の目立つものを“××”と
して示した。
なお、実施例および比較例において、使用したプロピ
レン単独重合体およびエチレン−プロピレンランダム共
重合体はそれぞれ重合器中でチーグラー・ナッタ触媒を
用いて溶媒を使用しないでプロピレンの単独重合を行っ
た。ついで重合器中にエチレンを供給し、エチレンとプ
トピレンとの共重合体を行うことによって各混合物を製
造した。得られた混合物中のプロピレン単独重合体はい
ずれも30℃の温度においてキシレンに可溶分は0%であ
り、エチレン−プロピレンランダム共重合体はいずれも
30℃の温度においてキシレンに不溶分は0%であった。
得られた各混合物中のエチレン−プロピレンランダム共
重合体〔以下「B成分」と云う」の混合割合、プロピレ
ン単独重合体〔以下「A成分」と云う〕のMFRおよび全
混合物のMFRを第1表に示す。
また、プロピレン−エチレンランダム共重合体とし
て、エチレンの共重合割合が2.5重量%であり、MFRが50
g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体を
用いた。さらに、エチレン−プロピレン共重合体とし
て、プロピレンの共重合割合が38重量%であり、ムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)が42であり、かつMFRが2.5g/10
分であり、融点が105℃であり、しかも結晶化度が4%
であり、w/nが5.0であるエチレン−プロピレン共
重合体を使用した。また、タルクとして、平均粒径が2
μmであるタルクを使った。
実施例1〜7、比較例1〜7 第2表にそれぞれの混合割合が示されている混合物
〔なお、比較例7はMFRが50g/10分であるプロピレン単
独重合体(以下「PP」と云う)を使用〕、プロピレン−
エチレンランダム共重合体〔以下「C成分」と云う〕、
エチレン−プロピレン共重合体およびタルクをあらかじ
め5分間ヘンシェルミキサーを使ってドライブレンドを
行った。得られた各混合物を同方向の二軸のスクリュー
(径 45mm,長さ 30ピッチ)を有する押出機を用いて
樹脂温度が230℃で溶融混練を行った。得られた各組成
物(ペレット状)を走査型示差分析計を使用して等温結
晶化を求めた。該等温結晶化のクエンチング温度は先に
述べた如く、3点以上の温度において結晶開始までの誘
導時間を測定し、それらをクエンチング温度(絶対温
度)の逆数でアウレニウスプロットをとり、金型温度に
おける結晶開始までの誘導時間を算出する。なお、クエ
ンチング温度を115℃とした。
得られた各組成物を樹脂温度が230℃において射出成
形し、アイゾット衝撃強度および曲げ弾性率を測定する
ための試片を製造し、これらの物性を測定した。それら
の結果を第3表に示す。また、前記組成物の比重および
MFRを測定した。それらの結果を第3表に示す。さら
に、曲げ弾性率と比重から計算した比弾性率を第3表に
示す。
さらに、各組成物を前記の条件でホットフロースタン
ピング成形を行い、前記のリアパーセルセルフを成形し
た。それらの外観を第3表に示す。
比較例7の結果から、エチレン−プロピレンランダム
共重合体を配合しない場合では、耐衝撃性(耐寒衝撃性
も含めて)が低いことが明らかである。
〔発明の効果〕 本発明の樹脂組成物は射出成形することができること
はもちろんのこと、ホットフロースタンピング成形も可
能であり、その得られる成形物も含めて下記のごとき効
果を発揮することができる。
(1)ホットフロースタンピング成形によってニット、
ポリ塩化ビニル樹脂のレザー、モケットなどの表皮と一
体成形し、表皮と貼り合せるさい、表皮と樹脂組成物と
の貼り合せた側と直接金型に接触冷却されている側とで
は、冷却速度の差が比較的に小さいため、得られる製品
のソリの発生が少ない。
(2)比重が小さく、部品の軽量化に適している。
(3)ホットフロースタンピング成形したとしても、射
出成形の場合と同様に得られる成形物に冷却痕がなく、
その表面がほぼ同じ程度である。
(4)耐寒衝撃強度が良好である。
(5)剛性(曲げ弾性率)がすぐれている。
(6)耐熱性が良好である。
(7)成形性がすぐれている。
本発明の樹脂組成物は射出成形、ホットフロースタン
ピング成形などによって多方面に利用することができ
る。代表的な用途として、トランクトリム、ドアートリ
ム、ピラー、リアパーセルシェルフ、インストルーメン
トパネルのシェルフ、インストルーメントパネルセステ
ィー、アームレストなどの自動車の内部部品があげられ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例および比較例においてホットフロースタ
ンピング成形するさいの装置の平面図であり、第2図は
該装置の側面図である。 1…押出機、1a…ノズル 2…計量部、3…ホッパー 4…移動テーブル、6…シリンダー 7…油圧ポンプ、8…プレス機 8a…下金型、8b…上金型 9…制御盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/04 - 23/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)30℃の温度においてキシレン可溶分
    が多くとも5.0%であるプロピレン単独重合体、 (B)30℃の温度においてキシレン不溶分が多くとも5.
    0%であり、かつプロピレンの共重合割合が25〜75重量
    %であるエチレン−プロピレンランダム共重合体、 (C)エチレンの共重合割合が1.0〜10重量%であるプ
    ロピレン−エチレンランダム共重合体、 (D)プロピレンの共重合割合が15〜40重量%であり、
    かつメルトインデックスが0.01〜10g/10分であり、差動
    走査熱量計で測定した融解ピークが80℃以上であり、X
    線で測定した結晶化度が3%以上であり、しかもゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量分
    布の指標である重量平均分子量/数平均分子量が4以上
    であるエチレン−プロピレン共重合体ならびに (E)充填剤 からなる組成物であり、組成物中の充填剤の組成割合は
    9.0〜20重量%であり、プロピレン単独重合体およびエ
    チレン−プロピレンランダム共重合体の合計量中に占め
    るエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は
    5.0〜30重量%であり、これらの重合体の総和のメルト
    インデックスは2.0〜100g/10分であり、プロピレン単独
    重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロ
    ピレン−エチレンランダム共重合体およびエチレン−プ
    ロピレン共重合体からなる全重合体の合計量中に占める
    プロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンラン
    ダム共重合体の総和の組成割合は40〜80重量%であり、
    かつ全重合体の合計量中に占めるプロピレン−エチレン
    ランダム共重合体の組成割合は25重量%未満であるが、
    プロピレン−エチレンランダム共重合体1重量部に対す
    るプロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンラ
    ンダム共重合体の組成割合はそれらの合計量として2.5
    重量部を超えるが、多くとも9.0重量部であり、しかも
    全重合体中に占めるエチレン−プロピレン共重合体の組
    成割合は少なくとも5.0重量%であるが、エチレン−プ
    ロピレン共重合体およびエチレン−プロピレンランダム
    共重合体の組成割合はそれらの合計量として多くとも40
    重量%である樹脂組成物。
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