JP2901348B2 - イオン浸透療法用改良型電極 - Google Patents

イオン浸透療法用改良型電極

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JP2901348B2 JP6522495A JP52249594A JP2901348B2 JP 2901348 B2 JP2901348 B2 JP 2901348B2 JP 6522495 A JP6522495 A JP 6522495A JP 52249594 A JP52249594 A JP 52249594A JP 2901348 B2 JP2901348 B2 JP 2901348B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.技術分野 本発明はイオン浸透療法用電極、特にイオン浸透療法
により薬物を投与するために使用する電極に関連したも
のである。好ましい態様は乾燥した形で包装され使用直
前に水和させる形の電極を記述したものであるが、水和
した形で提供された電極と共に本発明装置を利用するこ
とも可能である。
2.背景 イオン浸透療法はイオン化薬物を電位存在下で皮膚を
通して配送する方法である。これは通常、薬物を輸送す
る部位の皮膚と接触するようにイオン化薬物溶液を含む
電極を置いて行う。第1の電極の付近の皮膚上に第2の
電極を置き、皮膚を電流が通過するのに十分な量の電圧
をかけ、これにより電極間の電気回路を完成させる。電
流が流れると第2の電極の影響を受けてイオン化薬物分
子は皮膚を通して移動する。イオン浸透療法は、非侵襲
的に薬物投与をする方法でありながら、薬物の経口投与
に伴う多くの問題を回避できるという利点を持つ。
イオン浸透療法は、局所性炎症、腱炎、滑液包炎、関
節炎、手根管症候群の局所的治療用にデキサメタゾンリ
ン酸ナトリウムを投与するために最も一般的に使用され
る。また局所麻酔用の塩酸リドカインの投与にも頻繁に
用いられる。
イオン浸透療法による薬物投与は臨床的に重要な利点
を持つため、他の薬物の投与にもイオン浸透療法を使用
するための努力が払われており、イオン浸透療法が選択
される適用の数は増加すると予測される。
一般的な電極デザインの1つのタイプは薬物溶液を導
入する区画あるいは嚢の付属した伝導性のエレメントを
用いたものである。通常、嚢の1つの壁は透過性のバリ
アでできており、溶液を収容しながらも薬物イオンが通
過できるようになっている。そのような電極の例は米国
特許第番号4,250,878、4.419,902、4,477,971に見られ
る。
嚢タイプのデザインにはいくつかの問題点がある。例
えば、透過性のバリアを用いるためにその下の皮膚を完
全に湿潤化することができない。このため比較的電気抵
抗の高い部分が生じる。さらに、薬物が直接皮膚に接し
ているようなデザインの電極と比較して、透過性膜を通
した拡散速度のために薬物の配送速度が低下する。
嚢タイプのデザインには、使用中に嚢から薬物溶液が
漏れるのを防止する必要があるという問題もある。この
ために薬物溶液を嚢に導入する際に密封した方法を使用
する必要があるため、このタイプの電極の価格が上昇す
る。
嚢タイプのデザインには成形可能性の欠如という問題
もある。皮膚の湿り方が不均一になるという問題がこれ
によりさらに悪化し、薬物の配送が不均一になる。成形
可能性の欠如のため電流が不均一に与えられることにな
り、皮膚への刺激や熱傷の発生率も増加する。
電極のデザインの第2のタイプは嚢を使用せずにイオ
ン化薬物を収容するためのゲル剤の付属した伝導性のエ
レメントを使用したものである。このような生体用電極
の例は米国特許番号4,383,529、4,474,570、4,747,819
に見られる。通常、このようなゲルタイプの電極は製造
時にイオン化薬物をゲルに取り込ませる。このためこの
タイプの電極の貯蔵と輸送が困難になり、さらに薬物の
分解が進み過ぎる前に使用しなくてはならないため、貯
蔵寿命が短くなる。均一に水和させるためには長時間か
かるため、使用時にゲルを水和させようとしても通常は
失敗する。完全に水和する前に使用すると電流が不均一
に分散し、上述のように皮膚への刺激や熱傷を招く恐れ
がある。嚢タイプのデザイン同様、ゲルタイプの電極を
使用してもその下の皮膚が完全に湿らないため、既述の
ような問題が生じる。
第3のタイプの電極デザインは、1991年1月23日出願
の「水和可能な生体用電極」(“Hydratable Bioelectr
ode")という名称の共特許出願中の米国特許出願番号07
/645,028と、1989年7月21日出願、1992年2月11日登録
の米国特許番号5,087,242で開示された。上記共特許出
願と登録済み特許の本文は参考文献として添付されてい
る。第3のタイプの電極は通常水和可エレメントが付属
した伝導性エレメントを使用したものである。同時特許
出願と登録済み特許に記述されているように、水和可エ
レメントは通常架橋ポリエチレンオキシド(PEO)のよ
うな乾燥した架橋ヒドロゲルのシートが積み重なって形
成されている。
嚢タイプのデザインやゲルタイプのデザインからは大
幅に改善されたものの、架橋ヒドロゲル電極にもいくつ
かの重大な欠点がある。例えば、水和によりブロックさ
れる前に溶液が隣り合ったシートの端から中央部に浸透
する必要があるため、架橋ヒドロゲルを用いた水和可エ
レメントの寸法は限られている。すなわち、おそらく水
和によりヒドロゲルのシートが崩壊し、それ以上内部が
水和されるのをブロックするため、寸法が約5センチ以
上のものは不完全な水和を招く。さらに、乾燥状態では
架橋ヒドロゲルのシートの積み重ねは比較的堅く、基本
的に平面である。以上の2点から、電極の寸法、形状、
および使用法が制限されてしまう。
また架橋ヒドロゲルシートの積み重ねの調製時にも製
造に関する問題がある。例えば、シートの積み重ねを結
び付けるために製造工程や費用が増加する。さらに、隣
り合ったシートの端の部分は水和時に溶液が侵入するた
めに開いている必要があるため、水和可エレメントを伝
導性エレメントに接着する様式にも制限がある。
発明の概要 ここに例示し大まかに記述した発明のとおり、イオン
浸透療法用改良型電極は以下のものから好都合に構成さ
れる。すなわち、電流源から電流を受け取るための伝導
性エレメント;イオン浸透療法用のイオン化薬物溶液を
受け取るための多数の網状物を持つ網状エレメントで、
網状物は水和時に粘性が高くなる親水性ポリマーを含ん
でいるかそれが添加されているもの;および網状エレメ
ントを伝導性エレメントに固定し、水和後に伝導性エレ
メントに電流が与えられた時に網状エレメントを通して
電流が大体均一に分配されるための手段である。本発明
の改良型電極は、イオン浸透療法において薬物を持たな
い第2の電極としても使用可能である。
現在の好ましい態様は、網状エレメントとして連続気
泡ポリウレタン発泡体、親水性ポリマーとして高分子の
ポリエチレンオキシドを利用し、さらに水和速度を改善
するために界面活性剤のTween20を含んでいる。これら
の材料で形成された網状エレメントは湿潤状態でも乾燥
状態でも柔軟で成形可能であるため、本発明に従って構
成すると様々な形状や寸法の電極が可能である。
図面の簡単な説明 添付の図面は本発明を実施するために現在意図されて
いる最良の形態である。
図1は本発明に従った現在の好ましい電極の透視図で
ある。
図2は図1の直線2−2に添った断面図である。
図3は包装エレメントを伴う図1の電極の分解組立図
である。
図4は走査電子顕微鏡写真で、本発明の実施に有用な
代表的な網状エレメントを示している。
図5は走査電子顕微鏡写真で、図4の網状エレメント
に本発明と共に使用するヒドロゲルが詰め込まれた様子
を示している。
好ましい態様の詳細な説明 本発明は主にイオン浸透療法による薬物配送に使用す
る改良型電極を記述したものである。そのような改良型
電極は、従来からのイオン浸透療法用電流源から電流を
受け取るための伝導性エレメントと、薬物配送のための
貯蔵所の働きをする親水性ポリマーを含む多数の網状物
を持つ網状エレメントを持つ。網状エレメントを伝導性
エレメントに固定し、電流が与えられた際にその電流を
網状エレメントに通してほぼ均一に分配するための手段
も含んでいる。
ここで使用する「網状」という言葉は、網状エレメン
トが繊維あるいは他の網状物構造のネットワークを含ん
でおり、3次元の多孔性形状を取るということを意味す
る。「網状物」という言葉は、イオン化薬物溶液を受け
取るための多数の小孔を形成する繊維あるいは他の網状
物に言及する際に用いる。多数の網状物が網状エレメン
トを形成する。
本発明の装置 図1と2は、通常のイオン浸透療法に有用な本発明に
従った電極の現在の好ましい形態を示している。ここで
は伸びた平面の網状エレメント20がほぼ同一の広がりを
持つ伝導性エレメント22と密接に接触しているところが
描かれている。ただし、伝導性エレメントが使用中に皮
膚と直接接触する可能性を減じるため、伝導性エレメン
トの端は網状エレメントの端まで達しないのが望ましい
(図1参照)。
網状エレメントの作製には、ポリウレタン発泡体、PV
A発泡体、Hypol発泡体、あるいはマット状レーヨンのよ
うな繊維状のマットあるいは織物といった様々な網状材
料が使用できる。特に好ましい材料は、長さ1インチ当
り約100の小孔(100ppi)を持つ連続気泡ポリウレタン
発泡体である。そのような材料は様々な販売元から市販
されており、例えばFoamex,Inc.が販売しているSIFZ Fe
lted form#2という名称の発泡体、Great Westernが販
売している堅さ2のポリウレタン発泡体であるCrest Fe
lted S−90Zがある。図4は15KVの走査電子顕微鏡で撮
影されたポリウレタン発泡体Crest Felted S−90Zの試
料の40倍の顕微鏡写真である。本発明を実施する際に網
状エレメントとして使用するために適していることが既
知の他の有用な材料には、Time Release Scienceが製造
し、Truly Magic Products Inc.が販売している微小気
泡親水性ポリウレタン、Pippey Corpが販売しているPVA
発泡体E−1あるいはE−2、Hampshire Chemical In
c.が生産している発泡体Hypol(202、2000あるいは300
0)、Foamex Foam Inc.が製造している親水性発泡体Acq
uellがある。
特定の材料を網状エレメントに使用することを検討す
る際には、いくつかの条件が考えられる。網状エレメン
トは非刺激性かつ非中毒性で抽出可能な刺激物がなく、
比較的一貫した小孔サイズを持ち、比較的柔らかく成形
可能で、ほぼ一貫した厚さと密度を持ち(波、こぶ、起
伏がほとんどない)、さらに水性のイオン化成分をほと
んど持たないものであるべきである。網状エレメントと
して使用するために適した材料の他の特性に関しては、
以下に記述された議論でさらに詳しく評価する。様々な
網状材料が使用に適していることが分かるだろうが、簡
略にするため以下の議論では主に網状エレメントとして
連続気泡ポリウレタン発泡体を使用したものを扱う。
連続気泡ポリウレタン発泡体のような網状材料は、通
常の状態ではイオン化薬物溶液の貯蔵所として使用する
には適さないことが判明している。しかし、網状物に適
切な親水性材料を詰めるあるいは添加することにより、
本発明に従った網状エレメントとしての使用に適するよ
うにできることが発見された。そのような親水性材料と
して現在好ましいとされているのは、Union Carbideが
製造しているPolyox NF凝固剤グレードのような高分子
量のポリエチレンオキシド(PEO)である。単純化、簡
略化のため、以下の議論では主に網状エレメントの調製
にPEOを使用した場合を扱う。ただし、この議論は高分
子ポリビニルアルコール、PVA、ポリ−N−ビニルピロ
リドンをはじめとする置換ピロリドン、PVP、ポリ−N
−イソプロピルアクリルアミドのようなポリアクリルア
ミド、PAAm、NIPPAm、ポリヒドロキシエチルメタクリレ
ート、PHEMAあるいは親水性置換HEMAs、アガロースのよ
うな多糖類、ヒドロキシセルロース、HEC、ヒドロキシ
エチルメチルセルロース、HPMC、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシエチルセルロース、HPC、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、デキストラン、化工デ
ンプン、改質コラーゲン、キサンタンガム、改質天然ゴ
ム、ポリアクリル酸のような部分中和した高分子電解
質、ポリイミド、およびアルギン酸塩のような他の親水
性材料を使用した場合にも当てはめることができること
を理解されたい。状況によっては上述のコポリマーの混
合物も使用に適しているかも知れない。しかし、好まし
いポリマーは、PEO、PVP、PAAm、HECのような非イオン
性あるいは非電解質の親水性ポリマーあるいはコポリマ
ーである。これは、これらの材料にはイオン浸透療法に
より投与する薬物と電荷のキャリアとして競合するよう
なイオン化可能な成分が多数含まれていないためであ
る。
高分子凝固剤グレードのPolyox PEOは通常500から700
万ダルトンの分子量を持ち、高度な直線性を持つ。非中
毒性かつ比較的不活性で、非中毒性の分解産物を生成す
る。分子量が大きく直線性が高いため、水和PEOは粘性
が高く非常に粘着性がある。このような性質のため、網
状材料の網状物に入るとPEOは網状物の小孔から簡単に
搾り出されなくなるが、可変性は保つため、PEOを含ん
だ網状エレメントは皮膚の凹部や毛嚢周辺のような皮膚
の微細な特徴に合わせて成形できる。
比較的小さな小孔を持つ網状エレメントを選択する
と、水和時に網状物からPEOが失われることを防止する
役に立つという利点がある。網状物からPEOが失われる
と気泡で置換される可能性があり、網状エレメントの横
方向への電流の分配が妨げられてしまう。また、小さな
小孔を使用すると水和が迅速に進むが、これは恐らく毛
管作用による吸い上げのためだと思われる。
比較的小さな小孔を用いると、かなりの圧力がかけら
れたときでも網状物から親水性ポリマーが流出するのを
抑制することにもなる。この有利な特性によって、この
ような特徴を持つ電極は短時間の間かなり圧縮されても
耐えられることになる。
さらに、多くの小孔を使用すると、親水性ポリマーが
沈着する表面積が非常に大きくなる。この表面積と体積
の比が高いと、乾燥ポリマーの水和速度が大きく上昇す
る。
長さ1インチ当り約100という小孔密度に対応する小
孔サイズが現時点では好ましいが、使用する親水性材料
の粘性、電極に予測される圧縮度等のような要因によ
り、他の小孔サイズが適切なこともあるだろう。大部分
の親水性ポリマーでは、長さ1インチ当り60から150の
範囲の小孔を持つ小孔サイズが最も適している。
使用時まで水和していない形で電極を保存する場合
は、網状エレメントに加える前にPEOに非イオン性界面
活性剤Tween20(ICI Americaが販売)溶液を添加するの
が有用であることが判明した。Tween20のような界面活
性剤は水和時に湿潤化速度を上昇することが分かった。
簡略化のため、以下の議論では主にTween20の使用を扱
うが、界面活性剤が望まれる場合にTween20の代わりに
他の界面活性剤を使用することもできることを理解され
たい。他の有用な界面活性剤の例は、Neodol 91−6(S
hell Chemical Co.製造の非イオン性の第1級アルコー
ルエトキシレート)、Tergitol 15−S−7(Union Car
bide製造の非イオン性の第2級アルコールエトキシレー
ト)、BASF製造のPluronic Poloxamer F68あるいはF12
7、Duponol CあるいはDuponol XL(Dupont Chemical Co
rp.製造の陰イオンラウリル硫酸塩)がある。少量のイ
オン性成分は構わないが、界面活性剤はほぼ非イオン性
であることが望ましい。
現在好ましいPEOとTween20の比はPEOが1に対してTwe
en20が1.15である。100ppiの連続気泡ポリウレタン発泡
体に添加するPEOとTween20の混合物は、網状エレメント
の総乾燥重量の約32%に相当することが望ましい。しか
し、ここに開示および請求する発明の概念から外れるこ
となく、PEOとTween20の比、および網状エレメントの乾
燥重量に対する最終的割合には、大きな変動が起こりえ
る。
網状エレメントの調製時には、網状物のかなりの部分
をPEOとTween20で被いつつ、小孔をブロックし水和速度
を遅くする傾向のある被膜あるいは薄層の形成を避ける
のが望ましい。図5は図4と類似した顕微鏡写真である
が、PEO/Tween20が十分加えられた網状物を示してい
る。
例として網状エレメント、親水性ポリマー、界面活性
剤の数種の組み合わせを検討した。表1は検討結果であ
る。
図1と2の網状エレメントの現在の好ましい寸法は約
2.5×4.5cmであり、これは大部分の代表的なイオン浸透
療法に適している。網状エレメントの現時点での好まし
い厚さは約2.5mmで、この厚さでは迅速に水和が進む一
方、理にかなった量の薬物溶液を保持し、伝導性エレメ
ントと皮膚の間の適切な物理的バリアとなり熱傷を避け
ることができる。しかしながら、従来のイオン浸透療法
用の電極デザインとは異なり、本発明に従う網状エレメ
ントは広範囲の形状および寸法で作製することができ
る。さらに、指関節、指、足指、肘のような平らではな
い表面の回りに置くために適した3次元パターンに簡単
に切断、縫合、接着、溶接することができる。乾燥時で
も望みの形状に成形できるため、その取扱いや製造は架
橋ヒドロゲルシートの積み重ねのような今まで使われて
いた従来の材料よりもはるかに簡単になる。これらの性
質のため1990年11月2日出願の共特許出願番号07/608,5
65、名称「指爪、足指爪等の感染の治療および予防装
置」(“Apparatus For Treating and Preventing Infe
ction of a Fingernail,Toenail,and the Like")中に
描かれている特殊な電極デザインを作製することが可能
になる。上記共出願は参考文献としてここに全体に添付
されている。
図3でさらに分かりやすく描かれているように、伝導
性エレメント22の本体22aには延長部材22bが付いている
という利点があり、この延長部材は電極から伸長し、22
c点におけるようにイオン浸透療法の電源(図には示さ
れていない)からのリード線に接続するように配置され
ている。適切な伝導性エレメントなら何でも使用可能で
あるが、現時点では銀を含む伝導性インクを柔軟なポリ
マー材料に塗り、電極が当てられる表面が大きく変化し
ても伝導性エレメントがそれに合わせて成形できるよう
にするのが望ましい。なるべくそのようなインクは図3
で最も分かりやすく描かれているようなパターンに塗
り、網状エレメントの表面を通過する電流密度を制御で
きるようにするのが良い。例えば図3ではインクのパタ
ーンは、その表面に多数の円形の空間があるように描か
れている。そのような空間は均一な電流密度を確立する
ために役立つよう、電極の端付近では小さく、中心付近
では大きくなるように作製することができる(図には特
に表示していない)。電流密度の適切な分配を制御ある
いは確立するために、他の空間形あるいはパターンも採
用することができることは理解されたい。
図1、2、3は網状エレメントおよび伝導性エレメン
トと共に接着性エレメント24を使用したところを示す。
接着性エレメント24は柔軟なポリマーシート26と接着性
の層28によって形成されるのが好ましい。図1と2に示
されている態様では、接着性エレメント24が網状エレメ
ントの端を越えて十分重なっているため、2つの機能を
果す:(1)網状エレメントを伝導性エレメントに固定
する手段となる。これにより水和し外部電流源から伝導
性エレメントに電流が与えられた時、電流はほぼ均一に
網状エレメントを通過して分配されることになる。
(2)電極が誤って移動したり外れたりしないように希
望する患者の部位に電極を固定する手段となる。図1と
3に最も分かりやすく描かれているように、延長部材22
bと接続点22cが露出するように、接着性エレメント24の
片側に切れ込み24aを付けると有用である。
さらに網状エレメントを水和するための手段を提供す
ると有利である。図3はこの機能を果す貯蔵所エレメン
ト30を使用したところを示す。貯蔵所エレメント30は接
着性エレメント24と同一の広がりを持つか僅かに大きく
なっているのが好ましい。接着性エレメントは貯蔵所エ
レメント30に直接固定することが可能で、後者は剥離ラ
イナーの機能を果す。トレイ部材32は網状エレメントを
収容する凹部を形成するために付けられており、薬物溶
液の水性溶液を収容するために余分なスペースが設けら
れている。アクセスポート24bは接着性エレメント24を
通って設けられており、水性溶液をトレイ部材32に導入
するためのものである。水性溶液が網状エレメントの下
側にむらなく広がるように、トレイ部材の基底部に複数
の隆起部34を付けることが可能である。
代表的使用法では、図1〜3の態様は使用時まで包装
されており、使用時に投与する薬物溶液をアクセスポー
ト24bからトレイ部材32に導入することにより網状エレ
メントの水和を開始する。通常約30秒の適切な時間を置
いてから電極を貯蔵所エレメント30から分離し薬物を投
与する患者(あるいは動物)組織の希望する部位に添付
する。水和後は網状エレメントの溶液相の含水量は非常
に高くなり(通常約96%以上)、非常にべとべとしたも
のになりそれが置かれた組織に合わせて成形できる。
通常「分散性」電極と呼ばれる第2の電極の付近の部
位に固定され、両方の電極を電源に接続する。その後通
常の方法でイオン浸透療法を実施する。分散性電極には
通常Karayaゲル電極が用いられるが、本発明の電極を分
散性電極に使用することもできる。
代替法として、製造過程でPEOおよびTween20と共に網
状エレメント全体に薬物を分散させることも可能であ
る。この場合、水和は薬物をさらに添加することなく水
あるいは適切な電解質溶液を用いて行う。あるいは、1
つの薬物を網状部材に添加しておき、別の薬物を水和溶
液に加えることによって、早く混合し過ぎると交差反応
する可能性のある薬物を混合することもできる。別の代
替法として、製造時に適切な薬物溶液で網状エレメント
を水和しておき、水和状態で網状エレメントと共に電極
を包装することにより、ユーザーによる処理不要の即使
用可能な製品にすることもできる。この場合でも、アク
セスポート24bのみ削除すれば図3の態様は当てはま
る。アクセスポート24bは不要で、削除しなければ網状
エレメントの乾燥を招くためである。使用法あるいは構
造上の他の変形体は本開示に照合すれば明らかになるだ
ろう。
PEOを網状物に添加する際に考慮すべき点 本発明装置の利点の1つが親水性ポリマーが網状エレ
メントの小孔から搾り出されない点にあるという事実を
考慮すると、まず第1にポリマーをどのように網状物に
添加するかという疑問が生じるだろう。実際、本発明の
代表的な装置に伴って使用される網状材料は小孔サイズ
が小さくかなりの厚みがあるため、網状物に粘性の高い
親水性ポリマーを添加する際にかなりの障害になる。手
短に述べると、解決法はポリマーが網状物中に浸入しそ
の後溶媒の除去のために網状物を乾燥するために十分流
動性になるような適切な溶媒を使用するところにある。
以下の議論では常に有用な製品を得るために管理しなく
てはならない主な問題を論じている。
本発明に従って電極を作製する際に、網状材料、親水
性ポリマー、界面活性剤の様々な性質が、適切な組み合
わせとそれに用いる適切な製造方法の選択に重要な影響
を与え得る。
例えば、湿潤化の網状材料への影響と溶媒に対する耐
性を考慮しなくてはならない。網状材料の中には、ポリ
マー溶液を網状物に接着させるために疎水性溶媒あるい
は界面活性剤混合物を使用する必要があるような疎水性
の表面を持つものもある。溶媒に露出すると溶解したり
脆くなったりする材料もある。
湿潤化すると大部分の網状材料は少なくともある程度
膨張するが、これは有益なことである。膨張すると小孔
が拡大し、そのため粘性の高いポリマー/界面活性剤溶
液が簡単に浸入できるようになるため、ポリマーと界面
活性剤を網状材料に入れ込む過程に役立つからである。
しかし、膨張し過ぎるとポリマーと界面活性剤の添加後
網状エレメントを乾燥する際に、大きさの安定性の損失
を招く恐れがある。例えば、フェルト発泡体(熱および
圧力で圧縮したもの)は過剰な膨張を起こすと不可逆的
に「脱フェルト」を起こす恐れがある。
ポリマー添加網状エレメントを製造する際には溶媒の
使用が重要である、というのは、溶媒のために過剰に粘
性の高いポリマーが速やかに小孔に浸入することが可能
になるからである。しかしながら、溶媒の使用によりポ
リマーおよび網状材料の取扱いに問題を生じる可能性が
ある。
例えば、高分子量の非イオン性ポリマーを扱う際に
は、溶媒とポリマーを混合するという単純な作業が困難
になる場合がある。さらに、ポリマーの剪断を避け浸潤
時の凝集を予防するためには、混合時に注意が必要であ
る。1つの有用な方法は、ポリマーを非溶媒にあらかじ
め分散しておき、これを混合可能な最終溶媒に添加する
というものである。別の方法は、低温での溶解度は非常
に低いが高温での溶解度が高い溶媒中に低温でポリマー
を分散しておき、その後温度を上昇させて分散したポリ
マーを溶解するというものである。さらに別の方法は、
市販の計量ミキサーを使用し、適切な溶媒の計量した部
分に少量のポリマーを重量により連続的に添加するとい
うものである。
網状エレメントの網状物へのポリマー溶液の添加は、
溶液が網状物表面を浸潤化する能力とポリマー溶液の粘
弾性の影響を直接受ける。溶媒と界面活性剤を適切に選
択することにより浸潤性と粘弾性を改善することができ
る。
引き続く乾燥過程で安定なポリマーを選択すると有利
である。ポリマーは乾燥するに連れ収縮する傾向がある
ため、これが乾燥した網状エレメントの大きさの安定性
に影響する恐れがある。ポリマーの種類、ポリマーの分
子量、添加物、および量を注意深く選択することにより
この問題を大幅に抑制することができる。
前述の要因の中には選択した溶媒系の影響を受けるも
のがあるだろう。溶媒系の選択は使用する混合方法に大
きく依存する。これは溶媒に混合過程の適切な段階でポ
リマーを溶解しなくてはならず、さらに効率良く添加す
るために貢献する粘性を持つ必要があるからである。
同率のポリマーを持つ異なる溶媒を使用すると、粘性
が劇的に異なる溶液が生成する可能性がある。例えば、
トリクロロエタン中の1.3%の凝固剤グレードのPolyox
PEOの粘性は約500cpsであるが、10%イソプロピルアル
コール/水中の1.3%Polyoxの粘性は約5000cpsである。
結論 前述の議論により、本発明が従来のデザインから大き
く改善されたものであることは明らかである。これによ
り、乾燥電極が使用時に水和する場合には速やかで均一
な水和する能力を保持しながら、薬物を投与する組織の
輪郭に合わせて成形した電極の製造が可能になる。指や
足指のような体の部分に適した特別な形状を含め広範囲
の形状や寸法を許す。高度の水和、成形可能性、および
べとべとした性質のために、非常に効率が高くなり、電
極によって誘導される皮膚の部位による電流の不均衡な
分配を最小限に抑えられる。さらに、連続気泡発泡体や
他の網状材料の価格は比較的低廉で、取扱は簡単なた
め、本発明はかなり低いコストで比較的簡単に製造でき
るイオン浸透療法用電極の製造を提供する。
本発明に従った電極の作製に関し現時点で考えられる
最良の様式を開示したが、本発明はその精神や本質的特
性から逸脱することなく他の特定の形式で実施すること
も可能であることが確認されるだろう。記述された態様
は、全ての点で説明のみを意図するもので、限定するも
のではない。発明の範囲は前述の記述ではなく添付の請
求の範囲により示される。請求の範囲と同等の範囲と意
味内での変更は請求の範囲内と認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペテレンズ,トーマス・ジェイ アメリカ合衆国ユタ州84108,ソルト・ レイク・シティ,ブライン・アベニュー 2520 (72)発明者 ホルト,クレイ・エイチ アメリカ合衆国ユタ州84065,リヴァー トン,ウエスト・11880・サウス 2515 (72)発明者 フェルマン,ウィリアム・エフ アメリカ合衆国ユタ州84120,ウエス ト・ヴァレー・シティ,エスケセン・ド ライブ 3230 (56)参考文献 米国特許5087241(US,A) 米国特許4878892(US,A) 米国特許4722726(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/30

Claims (40)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン化薬物溶液をイオン浸透により配送
    するための整合性のある電極であって、下記の要素: 電流源から送られた電流を受け取るための伝導性エレメ
    ント; 前記伝導性エレメントと接触している網状エレメントで
    あって、前記網状エレメントは、網状構造と前記網状構
    造によって形成された多数の小孔を有していて、前記多
    数の小孔はある平均の小孔サイズと実質的に均一な小孔
    サイズを有している;および、 前記網状エレメントの全体にわたって前記多数の小孔内
    に存在する実質的に乾燥していて脱水された親水性ポリ
    マー; 以上の要素を含み、 前記多数の小孔内の前記脱水された親水性ポリマーは、
    水和した後に、前記多数の小孔の全体にわたって実質的
    に均一に水和していて、また前記多数の小孔内に実質的
    に保持されているときに小孔内で流動するための十分な
    流動性と凝集性と粘性を有することで特徴づけられ、 また、前記平均の小孔サイズは、前記網状エレメントが
    水を吸収して前記小孔内で前記親水性ポリマーが水和し
    たときに前記多数の小孔内での前記親水性ポリマーの保
    持性を高めて、また前記親水性ポリマーの迅速な水和に
    寄与するサイズであり、 さらに、前記電極は、前記網状エレメントを前記伝導性
    エレメントに固定するための要素を含み、この要素によ
    って、前記網状エレメントが水を吸収しまた電流源から
    前記伝導性エレメントへ電流が送られたときに、電流が
    前記網状エレメントの全体に実質的に均一に分布し、 これによって、前記整合性のある電極が皮膚表面に電流
    を供給して、前記整合性のある電極に接触している皮膚
    表面内で異なる皮膚の部位において極微の電極誘発性の
    不均一な電流分布を生じさせ、それによってイオン化薬
    物溶液が皮膚表面に配送される、 以上によって特徴づけられる電極。
  2. 【請求項2】前記多数の小孔内に前記網状エレメントの
    全体にわたって存在する前記脱水された親水性ポリマー
    は実質的に乾燥していて、そのため薬物投与に使用する
    前に水和させる必要がある、請求の範囲第1項に記載の
    電極。
  3. 【請求項3】前記網状エレメントの全体にわたって前記
    多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマー
    を再水和するための手段をさらに有する、請求の範囲第
    2項に記載の電極。
  4. 【請求項4】前記網状エレメントの全体にわたって前記
    多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマー
    を水和するために、電極を使用する前に薬物の溶液が用
    いられる、請求の範囲第2項に記載の電極。
  5. 【請求項5】前記脱水された親水性ポリマーが水和され
    る前に、イオンの薬物が前記網状エレメント中に分散さ
    れる、請求の範囲第2項に記載の電極。
  6. 【請求項6】前記網状エレメントの全体にわたって前記
    多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマー
    がイオンの薬物溶液で実質的に水和され、そのため前記
    電極は使用する前に水和される必要がない、請求の範囲
    第1項に記載の電極。
  7. 【請求項7】前記網状エレメントが連続気泡ポリウレタ
    ン発泡体である、請求の範囲第1項に記載の電極。
  8. 【請求項8】前記網状エレメントの形が実質的に長方形
    である、請求の範囲第1項に記載の電極。
  9. 【請求項9】前記網状エレメントの厚さが約2.5mmであ
    る、請求の範囲第1項に記載の電極。
  10. 【請求項10】前記網状エレメントの前記多数の小孔の
    平均のサイズが、長さ1インチ当り約60孔〜約150孔の
    範囲である、請求の範囲第1項に記載の電極。
  11. 【請求項11】前記網状エレメントの前記多数の小孔の
    平均のサイズが、長さ1インチ当たり約100孔である、
    請求の範囲第1項に記載の電極。
  12. 【請求項12】前記脱水された親水性ポリマーが高分子
    量のポリエチレンオキシドである、請求の範囲第1項に
    記載の電極。
  13. 【請求項13】前記網状エレメントの前記網状構造によ
    って形成された前記多数の小孔に添加された界面活性剤
    をさらに含む、請求の範囲第12項に記載の電極。
  14. 【請求項14】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約10〜約20%の範囲の量を構成し
    ていて、前記界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重
    量の約10〜約25%の範囲の量を構成している、請求の範
    囲第13項に記載の電極。
  15. 【請求項15】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約15%の量を構成していて、前記
    界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重量の約17%の
    量を構成している、請求の範囲第13項に記載の電極。
  16. 【請求項16】前記伝導性エレメントが、可撓性のポリ
    マー材料の上に伝導性のパターンを有するものである、
    請求の範囲第1項に記載の電極。
  17. 【請求項17】イオン化薬物溶液をイオン浸透により配
    送するための整合性のある電極であって、下記の要素: 電流源から送られた電流を受け取るための伝導性エレメ
    ント; 前記伝導性エレメントと接触している網状エレメントで
    あって、前記網状エレメントは、網状構造と前記網状構
    造によって形成された多数の小孔を有していて、前記網
    状エレメントは連続気泡ポリウレタンから形成されてい
    て厚さが約2.5mmであり、前記多数の小孔はある平均の
    小孔サイズと実質的に均一な小孔サイズを有している;
    および、 前記網状エレメントの全体にわたって前記多数の小孔内
    に存在する実質的に乾燥していて脱水された親水性ポリ
    マー; 以上の要素を含み、 前記多数の小孔内の前記脱水された親水性ポリマーは、
    水和した後に、前記多数の小孔の全体にわたって実質的
    に均一に水和していて、また前記多数の小孔内に実質的
    に保持されているときに小孔内で流動するための十分な
    流動性と凝集性と粘性を有することで特徴づけられ、 また、前記平均の小孔サイズは、前記網状エレメントが
    水を吸収して前記小孔内で前記親水性ポリマーが水和し
    たときに前記多数の小孔内での前記親水性ポリマーの保
    持性を高めて、また前記親水性ポリマーの迅速な水和に
    寄与するサイズであり、 さらに、前記電極は、前記網状エレメントを前記伝導性
    エレメントに固定するための要素を含み、この要素によ
    って、前記網状エレメントが水を吸収しまた電流源から
    前記伝導性エレメントへ電流が送られたときに、電流が
    前記網状エレメントの全体に実質的に均一に分布し、 これによって、前記整合性のある電極が皮膚表面に電流
    を供給して、前記整合性のある電極に接触している皮膚
    表面内で異なる皮膚の部位において極微の電極誘発性の
    不均一な電流分布を生じさせ、それによってイオン化薬
    物溶液が皮膚表面に配送される、 以上によって特徴づけられる電極。
  18. 【請求項18】前記網状エレメントの全体にわたって前
    記多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマ
    ーを水和するために、電極を使用する前に薬物の溶液が
    用いられる、請求の範囲第17項に記載の電極。
  19. 【請求項19】前記網状エレメントの全体にわたって前
    記多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマ
    ーを再水和するための手段をさらに有する、請求の範囲
    第17項に記載の電極。
  20. 【請求項20】前記網状エレメントの全体にわたって前
    記多数の小孔内に存在する前記脱水された親水性ポリマ
    ーを再水和するための前記手段は、前記網状エレメント
    と前記脱水された親水性ポリマーを水和するための溶液
    とを収容するための貯蔵エレメントを含む、請求の範囲
    第19項に記載の電極。
  21. 【請求項21】前記脱水された親水性ポリマーが水和さ
    れる前に、イオンの薬物が前記網状エレメントの中に分
    散される、請求の範囲第17項に記載の電極。
  22. 【請求項22】前記網状エレメントの前記多数の小孔の
    平均のサイズが、長さ1インチ当り約60孔〜約150孔の
    範囲である、請求の範囲第17項に記載の電極。
  23. 【請求項23】前記網状エレメントの前記多数の小孔の
    平均のサイズが、長さ1インチ当たり約100孔である、
    請求の範囲第17項に記載の電極。
  24. 【請求項24】前記脱水された親水性ポリマーが高分子
    量のポリエチレンオキシドである、請求の範囲第17項に
    記載の電極。
  25. 【請求項25】前記網状エレメントの前記網状構造によ
    って形成された前記多数の小孔に添加された界面活性剤
    をさらに含む、請求の範囲第25項に記載の電極。
  26. 【請求項26】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約10〜約20%の範囲の量を構成し
    ていて、前記界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重
    量の約10〜約25%の範囲の量を構成している、請求の範
    囲第26項に記載の電極。
  27. 【請求項27】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約15%の量を構成していて、前記
    界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重量の約17%の
    量を構成している、請求の範囲第26項に記載の電極。
  28. 【請求項28】前記伝導性エレメントが、可撓性のポリ
    マー材料の上に伝導性のパターンを有するものである、
    請求の範囲第17項に記載の電極。
  29. 【請求項29】イオン化薬物をイオン浸透により配送す
    るのに使用するための電極であって、下記の要素: 電流源から送られた電流を受け取るための伝導性エレメ
    ント;および、 網状構造と前記網状構造によって形成された多数の小孔
    を有していて、イオン浸透による配送を行うときにイオ
    ンの薬物溶液を収容するための網状エレメント; 以上の要素を含み、 前記網状エレメントは長さ1インチ当り約100の小孔を
    有する連続気泡ポリウレタン発泡体からなり、 前記網状エレメントの多数の前記網状構造には高分子量
    のポリエチレンオキシドと界面活性剤が添加されてい
    て、 さらに、前記電極は、前記網状エレメントを前記伝導性
    エレメントに固定するための要素を含み、この要素によ
    って、前記網状エレメントが水を吸収しまた電流源から
    前記伝導性エレメントへ電流が送られたときに、電流が
    前記網状エレメントの全体に実質的に均一に分布する、 以上によって、特徴づけられる電極。
  30. 【請求項30】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約10〜約20%の範囲の量を構成し
    ていて、前記界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重
    量の約10〜約25%の範囲の量を構成している、請求の範
    囲第30項に記載の電極。
  31. 【請求項31】前記ポリエチレンオキシドが前記網状エ
    レメントの乾燥重量の約15%の量を構成していて、前記
    界面活性剤が前記網状エレメントの乾燥重量の約17%の
    量を構成している、請求の範囲第30項に記載の電極。
  32. 【請求項32】前記網状エレメントを再水和するための
    手段をさらに有する、請求の範囲第30項に記載の電極。
  33. 【請求項33】前記網状エレメントの前記親水性ポリマ
    ーは実質的に乾燥していて、そのため薬物投与に使用す
    る前に水和させる必要がある、請求の範囲第30項に記載
    の電極。
  34. 【請求項34】前記網状エレメントを再水和するための
    前記手段は、前記網状エレメントとこの網状エレメント
    を水和するための容器とを溶液するための貯蔵エレメン
    トを含む、請求の範囲第33項に記載の電極。
  35. 【請求項35】前記網状エレメントを水和するために、
    電極を使用する前に薬物を含む溶液が用いられる、請求
    の範囲第34項に記載の電極。
  36. 【請求項36】イオンの形の薬物が前記乾燥した網状エ
    レメントの中に分散される、請求の範囲第34項に記載の
    電極。
  37. 【請求項37】前記網状エレメントの親水性ポリマーが
    イオンの薬物溶液で実質的に水和され、そのため前記電
    極は使用する前に水和される必要がない、請求の範囲第
    30項に記載の電極。
  38. 【請求項38】前記網状エレメントの厚さが約2.5mmで
    ある、請求の範囲第30項に記載の電極。
  39. 【請求項39】前記網状エレメントの前記小孔のサイズ
    が、長さ1インチ当り約60孔〜約150孔の範囲である、
    請求の範囲第30項に記載の電極。
  40. 【請求項40】前記伝導性エレメントは伝導性のパター
    ンを有していて、それによってエレメントの表面全体で
    均一な電流密度が確立される、請求の範囲第30項に記載
    の電極。
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