JP2900924B2 - 脱穀装置 - Google Patents

脱穀装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、脱穀装置に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】従来の脱穀装置には、例えば、実開昭5
5−162533号公報、特開昭61−12213号公
報、実願昭51−29031号(実開昭52−1222
57号)のマイクロフィルムに開示されているように、
脱穀室の側壁体を傾倒回動可能に構成したものがある。
この構成により、側壁体を傾倒回動させれば、脱穀室の
側部が開放され、この開放部から、脱穀室の下部に張設
する脱穀網の引き出し等、作業者による脱穀装置内部の
点検・清掃が可能な状態となる。 【0003】また、実願昭56−182692号(実開
昭58−85937号)のマイクロフィルムに開示され
ているように、脱穀胴の外周に沿う脱穀網の一部と脱穀
の側壁体とを一体的に外側方へ傾倒回動可能に構成し
たものがある。この構成により、側壁体を外側方へ傾倒
回動させれば、脱穀室の側面の一部を開放し、脱穀室内
部の点検・清掃を行うことができる。 【0004】尚、実公昭57−19951号公報には、
脱穀胴の下降回転側に臨む脱穀網を外側方へ取外し可能
とした技術が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、実願昭
56−182692号(実開昭58−85937号)の
マイクロフィルムに開示されているような脱穀装置にお
いては、側壁体を外側方へ傾倒回動させることにより、
脱穀室の側面の一部を開放し、脱穀室内部の点検・清掃
をある程度行うことができる。 【0006】しかしながら、この脱穀装置は、所謂、上
扱ぎ式の脱穀装置であり、脱穀胴の上昇回転側に臨む脱
穀網と脱穀室の側壁体とを一体的に外側方へ傾倒回動
能に構成したものである。従って、脱穀作業中に、脱穀
胴の駆動回転によって脱穀室内を連れ回される穀粒や藁
屑等によって、脱穀胴の上昇回転側には、特にこの側に
臨む脱穀網の下周部を外側方へ連れ出そうとする力が作
用し、これによって、この脱穀網を外側方へ押し出そう
とする力が生じる。 【0007】このため、脱穀室の側面を閉塞状態に回動
固定する構成において、その強度が不十分なものであっ
た場合、脱穀室本体側と側壁体との間に隙間が生じて、
穀粒や藁屑等が脱穀室から外部へ漏れ出してしまう。ま
た、側壁体を閉塞状態に回動固定する構成において、そ
の強度を上げるには、構造の複雑化や重量の増大を伴っ
てしまい、非合理的である。 【0008】また、上述の従来技術においては、側壁体
を、その下端部側を中心として上端部側を外側方へ傾倒
回動させる構成であるため、側壁体を傾倒回動させた場
合、脱穀室の側部は開放されるものの、この回動開放し
た側壁体が脱穀装置本体と作業者との間に残存し、作業
者はこの側壁体と脱穀装置本体との間に立ち入ることが
できないため脱穀室に近付きにくく、脱穀室内部の点検
・清掃を容易に行なうことができない。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述の如き
課題を解決するために、次のような技術的手段を講じ
る。即ち、脱穀室2に脱穀胴1を駆動回転自在に内装
し、該脱穀胴1の外周に沿う脱穀網3を周方向に分離可
能に設け、前記脱穀胴1の下降回転側に臨む脱穀網3と
前記脱穀室2の側壁体Fとを一体的に外側方へ回動開放
可能に軸支して設け、該脱穀網3と側壁体Fとの回動開
放により、前記脱穀胴1の下降回転側側面を開放すると
共に、該回動開放状態にある側壁体Fと脱穀装置5本体
との間に作業者が立ち入ることのできる作業空間Lが形
成されるよう構成したことを特徴とする脱穀装置とした
ものである。 【0010】この構成により、脱穀室2に供給された穀
稈は、脱穀室2に駆動回転自在に内装された脱穀胴1と
この外周に沿う脱穀網3とによって脱粒処理され、脱穀
網3の目合いから漏下した穀粒や小さな藁屑等は、下方
の選別装置に引き継がれて選別処理される。そして、こ
のような脱穀作業中に、脱穀室2内に詰まり等の支障を
生じた場合や、作業が終了した後には、脱穀室2内等の
点検・清掃を行う。 【0011】このような際に、側壁体Fを外側方へ回動
開放させれば、脱穀網3が周方向に分離されて側壁体F
と一体的に外側方へ開放される。これによって、脱穀胴
1の側方が開放され、この脱穀網3と脱穀胴1とが対面
していた部分の詰まりの除去等の点検・清掃を行なうこ
とができるようになる。そして、作業者は、この回動開
放状態にある側壁体Fと脱穀装置5本体との間に形成さ
れた作業空間Lに立ち入ることが可能であり、脱穀室2
に近付いて該脱穀室2内の点検・清掃等の作業を容易に
行なうことができることとなる。 【0012】また、このように回動開放可能に構成され
た側壁体Fでありながら、閉塞した際には、この側壁体
Fと一体の脱穀網3が、脱穀胴1の下降回転側に臨むた
め、脱穀胴1の駆動回転によって脱穀室2内を連れ回さ
れる穀粒や藁屑等によって、この脱穀網3を外側方へ押
し出そうとする力はあまり作用しない。従って、脱穀室
2本体側と側壁体Fとの間に隙間が生じ、穀粒や藁屑等
が外部へ漏れ出すような不具合を、簡単な構造で抑えら
れるようになる。 【0013】 【発明の効果】以上のように、この発明においては、
穀室2に脱穀胴1を駆動回転自在に内装し、該脱穀胴1
の外周に沿う脱穀網3を周方向に分離可能に設け、前記
脱穀胴1の下降回転側に臨む脱穀網3と前記脱穀室2の
側壁体Fとを一体的に外側方へ回動開放可能に軸支して
設け、該脱穀網3と側壁体Fとの回動開放により、前記
脱穀胴1の下降回転側側面を開放すると共に、該回動開
放状態にある側壁体Fと脱穀装置5本体との間に作業者
が立ち入ることのできる作業空間Lが形成されるよう構
成したことを特徴とする脱穀装置としたので、側壁体F
回動開放させることによって、脱穀網3をも共に開放
させて脱穀胴1の側方を開放し、脱穀室2内の点検・清
掃を行なえる構造を、簡単な構造で合理的に実現するこ
とができ。 【0014】また、作業者が、回動開放状態にある側壁
体Fと脱穀装置5本体との間に形成された作業空間Lに
立ち入り、より脱穀室2に近付いて作業ができるため、
該脱穀室2内の点検・清掃等の作業を容易に行なえ、こ
の作業効率を向上させることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】なお、図例において、脱穀装置5
は、機体上部に脱穀胴1を前後方向に軸架内装する脱穀
室2を形成し、この脱穀室2下方には、脱穀された脱穀
物を受けて移送しながら選別漏下すべく処理胴6を軸架
内装する選別処理室7を設け、この選別処理室7から漏
下する脱穀物を受けて移送する搬送ベルト8、この搬送
ベルト8で搬送される脱穀物を穀粒と二番物とに分離選
別する選別網9等を設けて、穀粒と二番物等とに分離選
別する脱穀装置5を構成している。 【0016】脱穀室2に軸架内装された脱穀胴1は、前
壁10に設けられた供給口11から供給される穀稈を移
送しながら脱穀処理すべく外周に扱歯12を配設すると
共に、板状の螺旋13を巻付けて構成している。選別処
理室7は、脱穀室2下方に位置して、脱穀胴1の軸方向
に平行な処理胴6を選別幅方向に適宜間隔で並列に設
け、この処理胴6,6には板状の螺旋14を巻付けて、
脱穀胴1の回転と同方向に回転させている。 【0017】また、この処理胴6,6の間隔部には、逆
U字状の仕切板15を設け、この仕切板15の下端縁に
は、各処理胴6,6の螺旋14,14の回転軌跡に沿っ
て一定間隙を有して下方に位置する選別網16を連設し
て張設し、この処理胴6,6で脱穀処理された穀物を選
別漏下する。前記脱穀室2は、供給された穀稈を脱穀処
理する前半部17と、脱穀済排わら及び排塵物を移送処
理する後半部18とに分けるように、脱穀胴1の軸方向
適宜位置に縦棧及び横棧にて枠組された後機枠19を設
け、前記前壁10の左右外側には、縦棧及び横棧にて枠
組された前機枠20を設けている。この前機枠20と後
機枠19との間における脱穀室2の前半部17には、脱
穀胴1の螺旋13の回転軌跡に沿って一定間隙を有する
ように下方に配置されていて、且つ、左右に分離自在の
脱穀網3と、前記選別処理室7の処理胴6,6の螺旋1
4の回転軌跡に沿って一定間隙を有して下方に配置され
ていて、且つ、前記選別網16,16に対して左右に分
離自在の選別網21,21とを、側枠4と一体的にして
横方向へ開放すべく構成している。 【0018】前記側枠4は左右対称で、前記前機枠20
と後機枠19との間に亘って設け、この側枠4の前機枠
20側と後機枠19側との対向部分には、上棧22,中
棧23,下棧24を設けて正面視E字状の枠桁を形成し
て、この前後の中棧23,23間に亘って、上部に前記
脱穀網3を張設し、また、下棧24,24間に亘って前
記選別網21を張設して、側枠4の上端部を前記前機枠
20と後機枠19との上部で軸支して、各々外方上方へ
回動自在に構成している。25は該側枠4の外側に設け
たカバ−である。 【0019】側枠4とカバ−25とから側壁体Fが形成
され、この側壁体Fを外側方へ回動開放させると、脱穀
装置5本体と側壁体Fとの間に横方向の作業用間隔部L
が形成される。26は、前記脱穀室2後半部19におけ
る脱穀胴1の螺旋13の回転軌跡に沿って一定間隙を有
するように下方に張設された脱穀網26で、この脱穀網
26は、前端側を前記脱穀網3に連接し、後端部には脱
穀室2内を移送された脱穀済排わら及び排塵物を排出す
る排出口27を設けている。 【0020】前記選別処理室7における選別網16,2
1の後端部で且つ脱穀網26の下方には、この選別処理
室7内を移送された二番物を排出する二番物排出口28
を設けている。前記搬送ベルト8は、選別処理室7の選
別網16,21の前端側下方で、且つ、左右側壁に回転
自在に軸承されていて、回転数を高低に変速可能に設け
られた回転ロ−ラ29と、選別網16,21の前後方向
ほぼ中間部で左右側壁に軸支された回転ロ−ラ30との
間に、掛け回わされていて、選別網16,21から選別
漏下する脱穀物を受けて、後方へ搬送すべく設けてい
る。 【0021】前記選別網9は、搬送ベルト8から搬送さ
れる脱穀物並びに選別処理室7から漏下する脱穀物を受
けて、揺動移送すべく前端部を、搬送ベルト8の後端下
側に臨ませて、回転ロ−ラ30の両端面にこの回転ロ−
ラ30の軸芯に対して偏芯する同位相位置に、揺動ア−
ム31,31の一端側を枢支し、他端側を選別網9の前
端部に取付けて、やや斜め上方向に向けて、その後端部
を一番受樋32の終端部近傍に位置させて、この後端部
は左右側壁に揺動可能に軸支している。 【0022】この選別網9の揺動構成により、揺動選別
装置Sが形成される。33は、搬送ベルト8の下側に設
けられた唐箕で、選別網9の下側に形成される選別風路
34に連通して、選別網9で選別された穀粒を風選する
ための選別風を吹き上げるように設置している。選別風
路34の底部には、選別された穀粒を移送する一番螺旋
35を有する一番受樋32、その後方には二番螺旋36
を有する二番受樋37が、それぞれ配設されている。 【0023】次に、作用を説明する。供給口11から脱
穀室2に供給された穀稈は、脱穀室2内を脱穀胴1の回
転によって移送されながら脱穀され、脱穀室2の前半部
17で脱穀された穀粒及び一部のわら屑、穂切れ等は、
脱穀網3より漏下して、下方の選別処理室7内に並列に
設けられた処理胴6,6の螺旋14,14上に落下し、
この螺旋14,14の回転作用によって後方へ移送され
て、移送される間に穀粒,穂切れ等と選別網16,21
との間に生ずる摩擦によって、穂切れ等に脱粒作用が働
くと共に、選別網16,21によって穀粒と二番物とに
分離選別され、選別された二番物は螺旋14,14によ
って更に移送されて、二番物排出口28より下方の二番
受樋37に落入する。 【0024】また、分離選別された穀粒は、搬送ベルト
8及び選別網9上に落下し、搬送ベルト8上に落下した
穀粒は、搬送ベルト8の回転によって選別網9上に引継
がれて、選別網9の揺動作用によって後側に向かって移
送されながら、選別風路34の唐箕33による選別風と
相俟って選別され、選別された穀粒は下方の一番受樋3
2に流入して、機外に搬出される。また、選別網9より
落下しない穀物は、二番物としてこの選別網9の後端よ
り二番受樋37内に落入する。 【0025】また、脱穀室2の選別網3より漏下しない
脱穀物及び脱穀済排わら等は、後半部18側に移送され
ながら脱穀作用を受けて脱穀され、脱穀された脱穀物
は、脱穀網26によって二番物と排わら及びわら屑等の
排塵物とに選別されて、この選別された排わら及びわら
屑は、更に、脱穀胴1によって移送されて、排出口27
から機外に排出される。 【0026】また、選別された二番物は、脱穀網26よ
り漏下して選別処理室7で選別された二番物と共に二番
受樋37に落入し、前記選別網9後端部から落入する二
番物と合流して二番受樋37に回収されて、二番螺旋に
よって横移送されて脱穀選別が行われる。この脱穀選別
作業時、または、作業終了後に、脱穀室2及び選別処理
室7内を点検清掃する場合には、側枠4を外方上方へ回
動させることによって、脱穀室2の脱穀網3と選別処理
室7の選別網21が左右に分離して、側枠4と一体的に
側方へ開放されて、脱穀胴1及び処理胴6,6の周囲が
開放状態となり、脱穀室2,選別処理室7及び脱穀網
3,選別網16,21の点検清掃が容易となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態における側断面図。 【図2】本発明の実施の形態における正断面図。 【符号の説明】 1 脱穀胴 2 脱穀室 3 脱穀網 脱穀装置 F 側壁体 作業空間

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.脱穀室2に脱穀胴1を駆動回転自在に内装し、該脱
    穀胴1の外周に沿う脱穀網3を周方向に分離可能に設
    け、前記脱穀胴1の下降回転側に臨む脱穀網3と前記脱
    穀室2の側壁体Fとを一体的に外側方へ回動開放可能に
    軸支して設け、該脱穀網3と側壁体Fとの回動開放によ
    り、前記脱穀胴1の下降回転側側面を開放すると共に、
    該回動開放状態にある側壁体Fと脱穀装置5本体との間
    に作業者が立ち入ることのできる作業空間Lが形成され
    るよう構成したことを特徴とする脱穀装置。
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