JP2900379B2 - プリンタの紙送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はプリンタの紙送り装置に関する。

［従来の技術］ 従来のプリンタの紙送り装置においては、第２図なら
びに第３図に示すように、例えばプラテン１等の印字ヘ
ッド走査方向と平行な面を有する紙送り経路構成体に記
録紙を沿わせ、印字ヘッド７近傍での記録紙の姿勢を制
御するために、プリンタベース８に掛けられた加圧体９
が発生するばね力により、プラテン１等の紙送り経路構
成体に記録紙を押圧する板状の紙ガイド板２が設けられ
ていた。

また、近年の記録紙の多様化にともない、紙厚、紙
幅、紙種によらず押圧面上で紙ガイド板は記録紙に対し
片当たりせず、常に均一で適正な押圧力を発生すること
を目的として、紙ガイド板自身の弾性を利用した方法も
多く用いられてきた。

この場合、適正な押圧力を得るためには、ステンレス
製の薄板材や、プラスチックフィルム等が、紙ガイド板
の材料として用いられていた。

しかし、従来の紙送り装置において、前述のように板
状の弾性体を紙ガイド板として用いた場合、紙送り経路
に曲げ弾性の高い記録紙が通過すること、紙送り経路内
での紙詰まり、あるいは人為的な外力等により、押圧方
向とは反対側に過剰な変位が与えられた際に、紙ガイド
板２は弾性変形領域を越えてしまい、それ以降、押圧面
上で均一に記録紙を押圧することが不可能になる問題が
あった。

［発明が解決しようとする課題及び目的］ 本発明は従来のこのような課題を解決するものであっ
て、その目的とするところは、紙ガイド板に、押圧方向
とは反対方向に過剰な外力が働いても、紙ガイドには、
折れ、ならびに曲がり等の塑性変形が生じることを防止
するとともに、常に均一で適切な押圧力を発生する紙送
り装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明によるプリンタにおける紙送り装置は、基体フ
レームに架設した紙送り経路構成体に記録紙を密接させ
るよう付勢する紙ガイド板を、印字ヘッドの搬送方向上
流側に配設したプリンタの紙送り装置において、前記ガ
イド板の記録紙に対する押圧面の背面に、該紙ガイド板
の弾性変形領域内での変形を許容する間隔をおいて、前
記紙ガイド板の変形を抑制する規制板を添設したもので
ある。

［作用］ 上記のように構成されたプリンタの紙送り装置におい
て、曲げ剛性の高い記録紙の通紙、紙送り経路内での紙
詰まり、あるいは人為的な外力により紙ガイド板に、記
録紙押圧方向とは反対方向に過剰な外力が働くと、紙ガ
イド板は、紙ガイド板あるいは加圧体の変位が塑性変形
に至る前に紙ガイド板規制体に当接する結果、当接以降
に働く外力を紙ガイド規制板が受けることとなる。

したがって、紙ガイド板には、折れ、ならびに曲がり
等の塑性変形は生じないので、常に均一な押圧力で記録
紙をプラテン等の紙送り経路構成体に沿わせることがで
きる。

［実施例］ 以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の一実施例である。

まず、第１図に示すように、印字ヘッド７の走査方向
をプラテン１の長手方向に対して略平行にするととも
に、プラテン１に対向して印字ヘッド７を配設し、もっ
て記録書込み位置とした上、プラテン１の外周面と紙案
内板３のプラテン１に対向する面とのなす間隙を用紙搬
送経路とする。

また、上記記録書込位置の用紙搬送経路上流側におい
て、紙ガイド板２を、そのプラテン１に対向する面の先
端縁をプラテン１に対し押圧するよう保持しつつ、印字
ヘッド７と、紙案内３の用紙搬送方向下流側の先端と
が、なす空隙の間に配設される。なお、紙ガイド板２
は、ばね用ステンレス鋼板（板厚0.1〜0.2mm）からな
り、プラテン１を押圧するに充分なしなやかさを備えて
いる。

一方、紙ガイド板２の背面、すなわちプラテン１から
紙ガイド板４が離間する方向側の面には、充分な剛性を
有する剛体からなる紙ガイド板支持体４が配設されると
ともに、紙ガイド板支持体４の先端を、紙ガイド板２の
先端縁より、その側面に沿って退避させた上、印字ヘッ
ド７の走査方向にわたり、紙ガイド板支持板４のａ部に
紙ガイド板２を固着保持した状態で、この紙ガイド板支
持体４は、プリンタサイドフレーム５にねじ締結され固
定される。したがって、プラテン１ならびにプラテン１
に巻回される記録紙６は、紙ガイド板２のたわみにより
発生する押圧力ｆを均一に受けることになる。

つぎに、紙ガイド板支持体４は、紙ガイド板２のプラ
テン１に対する押圧面の背面部と当接することにより、
紙ガイド板２の規制体を兼ねている。また、前述のよう
に、紙ガイド２の先端は紙ガイド板支持体４の先端より
もプラテン１に向かって突出し、さらに紙ガイド板支持
体４の先端を、紙ガイド板２が塑性変形に至らない範囲
内で当接し得る場所に設定されている。

さて、記録紙６が用紙搬送経路に挿入され、その搬送
が紙詰まりを起こさず正常に行われている時には、紙ガ
イド板支持体４は、紙ガイド板２のたわみ変位動作に干
渉しないよう間隙を保持する一方で、記録紙６が何らか
の原因により、紙詰まりとなる事態が発生した時には、
用紙搬送経路内に詰まった記録紙６を排除しようとして
無理な外力を紙ガイド板２に加えるとしても、紙ガイド
板２の折れ、曲がり等の塑性変形を引き起こすことを防
止させ、その結果、紙ガイド板２に再使用に耐えないほ
どの損傷を与える事態を回避することができる。

また、ここでは鋼板に曲げ加工したものを紙ガイド支
持板として用いているので、その製造も簡単になるとと
もに、また、前記のように紙ガイド規制板をも兼ねるの
で、部品点数も削減することができる。

［発明の効果］ 以上、説明したように本発明によれば、紙ガイド板の
プラテン押圧面の背面部に規制体を取り付けたことによ
り、万一、無理な外力が紙ガイド板に働く事態となって
も、紙ガイド板に塑性変形を与えることを防止するの
で、再使用に耐えないほどの損傷を紙ガイド板が受ける
事態を回避する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を説明する印字装置の概略
横断面図である。第２図〜第３図は、従来の紙ガイド板
部を示す概略横断面図である。 １……プラテン ２……紙ガイド板 ３……紙案内 ４……紙ガイド支持板 ５……プリンタサイドフレーム ６……記録紙 ７……印字ヘッド ８……プリンタベースフレーム ９……紙ガイド板ばね

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基体フレームに架設した紙送り経路構成体
   に記録紙を密接させるよう付勢する紙ガイド板を、印字
   ヘッドの搬送方向上流側に配設したプリンタの紙送り装
   置において、 前記ガイド板の記録紙に対する押圧面の背面に、該紙ガ
   イド板の弾性変形領域内での変形を許容する間隔をおい
   て、前記紙ガイド板の変形を抑制する規制版を添設した
   ことを特徴とするプリンタの紙送り装置。