JP2900018B2 - 研磨体の製造方法 - Google Patents
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Description
り、特に平坦な周面を有する円柱形研磨体の製造方法に
関する。
を被研磨体へ押し付けて被研磨体の表面を研磨する加工
は従来から行なわれている。このような研磨体を用い
て、コンパクトディスク或いはレーザーディスク等のよ
うにレーザー光により再生可能な記録媒体としての光デ
ィスクの表面を研磨することも従来から知られている。
スクの読取り面を研磨する装置の従来例を示す。図示し
ない駆動源に連結された駆動軸6により円柱形の研磨体
7を回転させ、その周面7aでコンパクトディスク1の
読取り面を研磨している。この場合、研磨体7は図9に
示すように布等の研磨体素材8を打ち抜いて環状の研磨
体素材9に切断し、これを複数積層して構成されるもの
である。この環状の研磨体素材9の円形切断面9aが研
磨体7の周面7aを形成する。なお、9bは研磨体7の
駆動軸6を通すための穴である。
略的に示した断面図である。図において、コンパクトデ
ィスク1は合成樹脂製の光透過層2を有する。この光透
過層2の下面にはディジタル情報が小さな凹部(ピッ
ト)5として記録されている。このピット5はコンパク
トディスクの場合、上方から見てらせん状に配列され
る。光透過層2の下面に、例えばアルミニウム等からな
る光反射層3が蒸着等によって形成され、さらにその下
面に支持層4が形成されている。支持層4の下面は、例
えばコンパクトディスク1に記録された音楽のタイトル
等を表示したレーベル面となり、この面の反対側の面が
読取り面となる。
受光素子を有し、発光素子によって光透過層2へ向けて
発光されたレーザー光が光反射層3で反射され、受光素
子で読み取られる。このような光ディスクでは、光透過
層2の読取り面に傷が付くと、その傷の深さや位置によ
って再生不可能となることがある。このため図8に示し
たような研磨体7により、光透過層2の読取り面を研磨
して傷を除去している。
て、糸の形態を経てその糸を縦横に織加工した通常の布
を用いているため、研磨中に研磨体7の周面7aにケバ
(糸屑)が発生する。このケバが光ディスクの表面に傷
を付けてしまう。円形のバフを積層して円柱形の研磨体
とする場合も研磨中に研磨体7の周面7aに毛玉が発生
し、この毛玉が光ディスクの表面に傷を付ける。
の表面に細かな傷が残り、このため、肉眼で見ると光デ
ィスクの表面が光沢面とはならず、霜が付着したような
状態となる。このような状態になると、たとえ再生時に
音飛びや再生不能等のトラブルが発生しなくても外見上
美しくない。
ば研磨後のコンパクトディスク1表面が美しい光沢面と
なることを見いだした(平成6年9月29日出願の特願
平6−259180号参照)。不織布は糸の形態を経ず
に、繊維ウェブを機械的、化学的或いは熱的に処理して
接着剤や繊維自身の融着力で接合して製造される布であ
るため、研磨体7の外周面7aから糸屑(ケバ)が発生
しない。従って、研磨後のコンパクトディスク1の読取
り面は美しい光沢面となる。
剛性に乏しいため、円形の切断加工の際に容易に変形し
図11に示すように切断面9aが傾斜する。
を積層する際に円柱形状の周面に凹凸等が形成され平坦
でなくなる場合がある。例えば積層する際に各研磨体素
材9の中心位置がずれた場合に生じる図12(a)に示
すような凹凸や、円柱形の両端から圧力を加えたときに
研磨体素材9が変形して生じる図12(b)に示すよう
な凹凸等が形成される場合である。
の周面は図12及び図13に示すように段部7bが形成
され、このような研磨体7で研磨をしたコンパクトディ
スク1の読取り面は段部7bに対応した傷が残ってしま
う。
積層して円柱形とした研磨体の周面に形成された凹凸を
除去して平坦な周面を得ることを目的としてなされたも
のである。
を打ち抜き・積層して研磨体としたものであっても、凹
凸のない平坦な周面を得ることを目的としてなされたも
のである。
に本発明によれば、円形の研磨体素材を複数積層して円
柱形状の研磨体を製造する方法において、円柱形状に積
層した研磨体素材へ液体を浸漬させる工程と、液体を凍
らせる工程と、研磨体素材を回転させて工具によりその
周面を平坦に削り取る工程とを有することを特徴とする
研磨体の製造方法が提供される。
を複数積層して円柱形状の研磨体を製造する方法におい
て、円柱形状に積層した研磨体素材を回転させ、その周
面へ液体を高速度で噴出してその周面を平坦に削り取る
ことを特徴とする研磨体の製造方法が提供される。
円柱形状にした後、図4に示すように研磨体素材9へ液
体14を浸漬させる。その結果、図1に示すように研磨
体素材9の周面部へ液体14が浸透する。その後冷却し
て液体14を凍らせることによって研磨体素材の周面部
の硬度を確保する。最後に図5に示すように研磨体素材
9を回転させて工具15により円柱形の研磨体7の周面
を削りとる。
して円柱形状にした後、図7に示すように研磨体7を回
転させ、高速のウォータージェットを研磨体の周面に向
けて噴射させることによって円柱形の研磨体7の周面を
削りとる。
製造方法の一実施例を説明する。図2及び図3は研磨体
素材9を積層して一体化する工程を示す斜視図である。
9を複数枚積層して円柱形状にする。11,12は合成
樹脂製あるいは金属製の側板であり、それぞれ貫通孔1
1a,12aを形成されている。複数枚の研磨体素材9
の両側面から側板11,12を当て、貫通孔11a,1
2a及び研磨体素材9の穴9bへアルミニウム等の金属
製の円筒部材13を貫通させる。
9を圧縮した状態で図3に示すように円筒部材13の両
端を側板11,12へかしめ固定することにより、研磨
体素材9、側板11,12及び円筒部材13を一体とし
て研磨体7を構成する。
く際にその切断面9aに傾斜が生じている場合を想定し
ているが、これには限らず例えば、積層する際に円柱形
状の周面に図12(a)及び図12(b)に示すような
凹凸が形成されたものであれば本実施例により平坦にす
ることができる。なお、図12(a)は積層する際に各
研磨体素材9の中心位置がずれた場合に生じる凹凸を示
し、図12(b)は側板11,12へ圧力を加えたとき
に研磨体素材9が変形して生じる凹凸等を示す。
非常に変形しやすい素材である場合に限定されず、糸を
縦横に織加工した通常の布を用いた研磨体素材9等であ
っても本発明を適用可能である。
4内に浸漬して液体14を研磨体素材9へ浸透させる。
この液体14は例えば水のように冷却により容易に固体
となるものであることが好ましい。図4では容器10内
に液体14を満たし、この容器10内に研磨体7を入れ
る例を示しているがこれに限らず液体14を研磨体素材
9内に浸透できる方法であればどのような方法であって
もよいことは勿論である。
ための断面図であり、図において液体14の浸透深さを
d1,d2、研磨体素材9の最大径をL、最少径をMで示
している。研磨体素材9が例えば綿の不織布である場合
は短時間で比較的容易に浸透し、図1(a)に示すよう
に研磨体素材9の最少径Mを越えて液体14を浸透させ
ることは容易である。一方、例えばアクリル等のように
液体が容易に浸透しない場合は図1(b)に示すように
最大径L側において最少径Mを越えて液体14を浸透さ
せることができない場合がある。
させた研磨体7を、液体14が固化するまで冷却する。
この結果、研磨体素材9の液体14が浸透している部分
は硬化する。
軸挿入穴7cへ駆動軸6を挿通し、図示しない駆動源に
より研磨体7を回転させ工具15により周面7aを旋削
加工する。このとき、研磨体7の周面7a近傍は切削に
適する硬度となっているため、容易に除去可能である。
図1(a)に示したように充分である場合は旋削加工の
際に研磨体素材9の最少径Mを越えて切断しても研磨体
7の周面7a近傍が変形せず確実に切削され、平坦に仕
上がるため、前述の浸透工程、冷却工程及び旋削工程は
それぞれ一度で済む。
透が充分でない場合は切断量が液体14の浸透深さd2
を越えた時、工具15から受ける圧力のため研磨体7の
周面7a近傍が変形するので平坦に仕上がらない。従っ
て、平坦な面を得るために浸透工程、冷却工程及び旋削
工程を複数回繰り返す。
により研磨体素材9の凹凸或いは段部7bがなくなるま
で周面7aを旋削加工する。次に本発明による研磨体の
製造方法の他の実施例を説明する。
な方法で円形の研磨体素材9を複数積層して円柱形状に
一体化して研磨体7を構成する。
軸挿入穴7cへ図示しない駆動源の駆動軸6を挿通す
る。また、ウォータージェット噴射装置16の噴出孔1
6aを研磨体7の周面7aへ向けて配置する。図示しな
い駆動源により研磨体7を回転させ、ウォータージェッ
ト噴射装置16から高速・高圧の液体17を噴射する。
液体17の衝突により研磨体7の周面7aは削り取られ
て平坦になる。このようにウォータージェット噴射装置
16を用いることにより、変形しやすいために工具を用
いる切断加工では平坦に加工不可能な研磨体素材9であ
っても容易に平坦な周面7aを得ることができる。
状の周面に凹凸が形成され平坦でないものであれば適用
可能であること、研磨体素材9が糸を縦横に織加工した
通常の布を用いた研磨体素材9等であっても適用可能で
あることは第1の実施例と同様である。
基づいて説明したが、本発明はこの実施例には限定され
ず種々変形可能である。
漬させた後冷却して液体を凍らせることによって研磨体
素材の周面部の硬度を確保することができる。従って、
柔らかいために通常の工具を用いての切断加工では滑ら
かな周面を得ることができないような研磨体素材であっ
ても確実に平坦な周面を得ることができる。
せ、高速のウォータージェットを研磨体の周面に向けて
噴射させることにより、柔らかいために通常の工具を用
いての切断加工では滑らかな周面を得ることができない
ような研磨体素材であっても確実に平坦な周面を得るこ
とができる。
浸透する状態を示す図であり、(a)は液体が浸透しや
すい研磨体素材の場合を示し、(b)は液体が浸透しに
くい研磨体素材の場合を示す。
数枚積層して円柱形状にする工程を示す斜視図である。
円筒部材を一体として研磨体を構成する工程を示す斜視
図である。
漬して液体を研磨体素材へ浸透させる工程を示す側面図
である。
具により周面を旋削加工する工程を示す斜視図である。
トを用いて研磨体の周面を加工する工程を示す斜視図で
ある。
示す斜視図である。
切断する状態を示す斜視図である。
た断面図である。
(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図であり、(a)は積層する際に各研磨体素材の中心位
置がずれた場合に生じる凹凸を示し、(b)は側板へ圧
力を加えたときに研磨体素材が変形して生じ凹凸等を示
す。
である。
噴射装置 16a 噴出孔 17 液体
Claims (2)
- 【請求項1】円形の研磨体素材を複数積層して円柱形状
の研磨体とする工程と、 前記円柱形状の研摩体へ液体を浸漬させる工程と、 液体を凍らせる工程と、 円柱形状の研磨体を回転させて工具によりその周面を平
坦に削り取る工程とを有することを特徴とする研磨体の
製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法において、前記研
摩体素材は不織布または通常の布であることを特徴とす
る研摩体の製造方法。
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