JP2899687B2 - 水中移動装置 - Google Patents

水中移動装置

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JP2899687B2
JP2899687B2 JP32341896A JP32341896A JP2899687B2 JP 2899687 B2 JP2899687 B2 JP 2899687B2 JP 32341896 A JP32341896 A JP 32341896A JP 32341896 A JP32341896 A JP 32341896A JP 2899687 B2 JP2899687 B2 JP 2899687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中での調査や測
量等において、調査や測量のための機器を搭載して水中
を移動する水中移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、港湾工事における測量、例えば防
波堤の捨て石マウンドの施工後の形状を計測する出来形
測量では、水中スタッフ法、重錘法等が用いられて
いた。また一般に海底の状況を調査するには無人潜水
機法や、事例は少ないが水中ロボット法等が用いられ
ていた。
【0003】水中スタッフ法は、図10に示すように、
潜水士P1が海底Fや捨て石マウントMの測量箇所に潜
水して水中でスタッフ(箱尺)Sを支持し、水上に出た
スタッフSの目盛を既設の防波堤B等の固定位置上の計
測員P4が水準測量機等により読み取り、同時に、計測
員P2とP3が、スタッフSの直上位置と水準測量機の
間の距離をテープT等により計測する方法である。この
水中スタッフ法では、捨て石マウンドM上の点を何箇所
か選択して計測することになり、捨て石マウンドMの形
状を連続的に計測することはできないが、潜水士P1が
捨て石マウンドMを直接確認しつつスタッフSを支持す
るため、測定値の精度が高い、という利点があった。
【0004】また、重錘法は、図11に示すように、既
設の防波堤B等を利用して防波堤法線C1や基礎工中心
線C2を画定し、これに基づいて測深区域Z2を設定
し、測深間隔D1の測深線上において、アンカーワイヤ
ーW1〜W4により固定された固定船A1,A2の間に
シージングワイヤーW5を張り渡し、シージングワイヤ
ーW5に沿って測量船Lを航行させ、シージングワイヤ
ーW5の測深間隔D2ごとに測量船Lから重錘をロープ
により水底におろし、水面からの深さをロープの目盛に
より読み取る方法である。
【0005】また、無人潜水機法は、図示はしないが、
エンジンやモーター等の駆動源により駆動されるスクリ
ュー等の推進手段を備え、有線誘導等の遠隔操作により
水上から制御されるROV(Remotely Ope
rated Vehicle)と呼ばれる自航式の無人
潜水機を用い、水中テレビカメラ等により目的とする水
底箇所を視認して調査を行う方法である。
【0006】また、水中ロボット法は、図示はしない
が、駆動源により駆動される脚等の歩行手段を備え、有
線方式等の遠隔操作により水上から制御され、水中テレ
ビカメラ等により目的とする水底箇所を視認して調査を
行う方法である。
【0007】上記した重錘法、無人潜水機法、及び水中
ロボット法の場合は、水中スタッフ法と異なり潜水作業
が不要であり、水上からの作業のみによって測量あるい
は調査を行うことが可能である、という利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の水中測量法においては、以下のような問題点が
あった。
【0009】水中スタッフ法と重錘法では、多くの計測
作業員や作業船等を必要とし、作業が大掛かりとなり、
作業効率も悪かった。
【0010】また、無人潜水機法では、スクリュー用の
大きな推進力が得難く、所定の測線に沿って確実に移動
することは困難であった。また、推進力が小さいため、
調査地点の潮流の速度が2ノット程度になると、潜水機
の操縦がほとんど不可能になる。また、操縦は、潜水機
に取り付けたテレビカメラからの映像を見ながら行われ
るが、水中に濁りがあると水中での視認が困難となり、
操縦ができなくなる。しかも、潜水機の船体等が水底の
堆積泥等に接触したり、スクリューが底泥を撹拌する
と、水中に多大な濁りが発生する。したがって、無人潜
水機の操縦には、細心の注意が必要とされ、きわめて煩
雑であった。
【0011】また、水中ロボット法では、スクリュー推
進ではなく歩行により水底を移動するため、移動速度が
遅く、測量区域が広い場合には、他の方法に比べ長い期
間がかかる、という問題があった。また、水底を移動す
るため、底泥を乱すことは避けられず、水中に濁りを発
生させ、視認用のテレビカメラの視界を悪化させて操縦
をさまたげる、という点は無人潜水機法と同様であっ
た。
【0012】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、確
実で大きな推進力を有し、水中に濁りを発生させずに移
動可能な水中移動装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載した発明は、一端が水底に固定され
た少なくとも3本のワイヤー(4a,4b,4c等)
と、移動体(1)上に配置されるとともに前記ワイヤー
(4a,4b,4c等)の他端を個々に巻き取り可能な
ワイヤー巻取手段(2a,2b,2c等)と、位置が既
知である基準位置に関する基準位置情報を有し水面上に
配置される浮体(20)と、前記浮体(20)と前記移
動体(1)との相対関係に関する相対位置情報を測定
し、前記基準位置情報と合わせることにより前記移動体
(1)の水中位置を把握する位置把握手段(22,1
3,7B、又は14,7C)と、前記移動体(1)上に
配置されるとともに、前記移動体(1)の水中位置に基
づき前記ワイヤー(4a,4b,4c等)の個々の巻取
長さを制御するワイヤー長制御手段(6B、又は6C)
を備え、水中を移動することを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の水中移動装置において、前記相対位置情報は、超音
波により測定されることを特徴とする。
【0015】また、請求項3記載の発明は、請求項
載の水中移動装置において、前記浮体(20)と前記移
動体(1)とを機械的に連結する連結手段(30、又は
33,34、又は36)を有し、前記相対位置情報は、
前記移動体(1)に対する前記連結手段(30、又は3
3,34、又は36)の方位角及び傾斜角を含むことを
特徴とする。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項1な
いし請求項3のうちのいずれか1項に記載の水中移動装
置において、前記基準位置情報は、地球の上空軌道上を
周回する複数個の人工衛星から発信される電波に基づき
地球上の受信位置の3次元座標を検出する測位システム
により与えられることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は、本発明の第1実施形態である水中
移動装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1
に示す水中移動装置のさらに詳細な構成を示す側断面図
である。図に示すように、この水中移動装置101は、
移動体1と、ウィンチ2a〜2dと、アンカー3a〜3
dと、ワイヤー4a〜4dと、フローター5a〜5d
と、位置制御部6Aと、位置計測部7Aと、方位計8
と、水準計9と、音響測深機10と、水中テレビカメラ
11と、バッテリー(蓄電池)12を備えて構成されて
いる。
【0019】移動体1は、鋼等の金属材料からなり、厚
さの薄い函体状に形成されている。この移動体1上に
は、上記したウィンチ2a〜2dと、ワイヤー4a〜4
dと、フローター5a〜5dと、位置制御部6Aと、位
置計測部7Aと、方位計8と、水準計9と、音響測深機
10と、水中テレビカメラ11と、バッテリー12が搭
載されており、函体内部の空間等を利用して接続されて
いる。
【0020】4つのアンカー3a,3b,3c,3d
は、重量の大きなブロック状部材、又は水底に係止可能
な錨等の手段を有し、測深測量を行うべき区域の外側と
なる水底Fの4箇所に、支援船(図示せず)から下ろさ
れて固定される。この際、アンカー3a〜3dの位置、
すなわち経度や緯度等の平面位置は、平面測量やGPS
等により求め、アンカーの深度は、水中へ吊り降ろした
ワイヤーの長さにより計測する。
【0021】GPSとは、Global Positi
oning Systemの略語であり、人工衛星を利
用した測位システムである。地球の上空約20,200
キロメートルの軌道上には、1周約12時間で周回する
24個のナブスター(NAVSTAR)と呼ばれる人工
衛星が配置されており、この人工衛星からの電波には、
測位情報と絶体時間情報が含まれている。専用のGPS
アンテナによってこの電波を受信し、専用のGPS受信
機によって検波を行えば、GPS受信機の地球上におけ
る3次元の座標位置データ、すなわち、経度や緯度等の
平面位置データと標高データが、ディジタルデータとし
て検出できる。GPSのうち、RTK(Real Ti
me Kinematic)方式と呼ばれるものは、G
PS受信機側が移動中であっても、2〜3cm程度の高
い精度が得られるので、本実施形態においては、このR
TK方式を採用するのが望ましい。
【0022】上記のアンカー3a〜3dは、水中に、位
置の既知な杭等の固定点がある場合には、それらの固定
点をアンカーとして利用してもよい。
【0023】上記のアンカー3a〜3dには、4本のワ
イヤー4a,4b,4c,4dの一端が固定される。4
機のウィンチ2a,2b,2c,2dは、移動体1の4
つの隅角部付近に配置され、ワイヤー4a〜4dの端部
のうちアンカー3a〜3dに固定された端部とは逆側の
端部が装着されて巻き取られるドラムと、このドラムを
駆動するモーター等の駆動源(図示せず)を有してい
る。このウィンチの駆動源は、後述する位置制御部6A
に接続されており、位置制御部6Aの制御を受ける。ま
た、ワイヤー4a〜4dに張力がかかっていないと、後
述するワイヤー長計測が正確に行えないので、各ウィン
チ2a〜2dには、各ワイヤー4a〜4dの張力を検出
する荷重計(図示せず)が設けられている。上記のウィ
ンチ2a〜2dは、ワイヤー巻取手段に相当している。
【0024】4つのフローター5a,5b,5c,5d
は、移動体1の4つの隅角部付近に配置され、空気を貯
留するタンクと、このタンクに空気を送り込んだりタン
クから空気を排出するための空気ポンプと、空気ポンプ
を駆動するモーター等の駆動源(図示せず)を有してい
る。この空気ポンプの駆動源は、後述する位置制御部6
Aに接続されており、位置制御部6Aの制御を受ける。
【0025】位置制御部6Aは、移動体1上、又は函体
の内部に設けられ、マイクロコンピュータ等によって構
成されている。マイクロコンピュータは、演算や制御を
統括するCPU(Central Processin
g Unit:中央演算装置,図示せず)と、CPUの
制御プログラム等を記憶するROM(Read Onl
y Memory:読出し専用メモリ,図示せず)と、
CPUへのデータやCPUの演算した結果等を一時記憶
するRAM(Random Access Memor
y:随時書込み読出しメモリ,図示せず)と、外部機器
との接続のための入出力インターフェイス(図示せず)
等を有している。
【0026】位置制御部6Aは、上述したウィンチ2a
〜2dの駆動源及びフローター5a〜5dの空気ポンプ
用駆動源に接続される。また、位置制御部6Aは、この
ほか、後述する位置計測部7Aと、支援船(図示せず)
の制御装置にも接続される。
【0027】位置計測部7Aは、移動体1上、又は函体
の内部に設けられ、位置制御部6Aと同様にマイクロコ
ンピュータ等によって構成されている。位置制御部7A
は、位置制御部6Aに接続されるとともに、後述する方
位計8と、水準計9と、音響測深機10と、支援船(図
示せず)の位置測定装置にも接続される。
【0028】方位計8は、移動体1上、又は函体の内部
に設けられ、位置計測部7Aに接続されている。この方
位計8は、磁針や磁気センサ等を有して構成され、移動
体1の方位を計測し、データを位置計測部7Aに出力す
る。
【0029】水準計9は、移動体1上、又は函体の内部
に設けられ、位置計測部7Aに接続されている。この水
準計9は、変位センサ等によって構成され、移動体1の
水平面からの傾斜を検出し、データを位置計測部7Aに
出力する。
【0030】音響測深機10は、移動体1の下面に設け
られ、位置計測部7Aに接続されている。この音響測深
機10は、超音波を走査しながら発射し目的物からの反
射波により目的物の方向と距離を検出する装置であり、
移動体1の下面から水底Fまでの深さを検出し、データ
を位置計測部7Aに出力する。
【0031】水中テレビカメラ11は、移動体1の下面
に設けられ、支援船(図示せず)に接続されている。こ
の水中テレビカメラ11は、駆動機構(図示せず)を有
しており、移動体の下方の周囲を約360゜の方向に回
転可能で、かつ俯角は約180゜の方向に回転可能とな
っている。これにより、移動体1の下方、特に水底Fの
映像を撮影することができるようになっている。
【0032】上記のような構成により、位置計測部7A
は、予め測量され把握された各アンカー3a〜3dの位
置データを基準位置データとし、位置制御部6Aから送
られてくるウィンチ2a〜2dからのワイヤー4a〜4
dの巻き出し長さによって、移動体1の現在位置を把握
する。また、方位計8と、水準計9と、音響測深機10
からのデータにより、方位位置の検証、水平からの傾斜
の検証、及び水底の深度の測定も行う。この結果把握さ
れた移動体の現在位置データは、位置制御部6Aへ出力
される。また、音響測深機10による各測点での水深デ
ータは、位置計測部7A内のRAM(図示せず)等に記
憶されるほか、リアルタイムで支援船(図示せず)へも
送られる。
【0033】上記のような構成により、位置制御部6A
は、位置計測部7Aからの位置データに基づいて自己の
現在位置を把握し、内部のROM等に格納された制御プ
ログラムに基づき、移動体1が所定の測深線上を移動す
るように、ウィンチ2a〜2dのうちのいずれかを巻き
取らせるとともに巻き出させて各ワイヤー4a〜4dの
長さを調整して移動体1を所定の方向へ移動させ、かつ
フローター5a〜5dの空気ポンプのうちいずれかを供
給側又は排出側に作動させることにより各タンク内の空
気量を調整して移動体1の水平バランスを取ることがで
きる。これにより、移動体1は、水平方向及び垂直方向
に所定の量だけ移動することができる。
【0034】上記の移動時に、移動後に再度検証計算を
行い、目的位置の計算上の座標位置と実測値との間に誤
差がある場合には、その誤差をフィートバックさせ、何
回かの試行によって誤差を解消するように制御してもよ
い。
【0035】上記のワイヤー巻取時には、位置制御部6
Aは、各ウィンチ2a〜2dの荷重計(図示せず)の計
測値を監視し、張力が零になった場合には、いったんウ
ィンチを巻き取ることにより張力を付与する。
【0036】上記した水中移動装置101の各部の動作
用の電源は、移動体1に搭載されたバッテリー12によ
って供給してもよいし、支援船(図示せず)から電源ケ
ーブル等によって供給してもよい。また、位置制御部6
Aによる制御についても、位置制御部6Aと支援船とを
ケーブル等で接続し、支援船から行うようにしてもよ
い。
【0037】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。図3は、本発明の第2実施形態である水中移動装
置の全体構成を示す側面図である。図に示すように、こ
の水中移動装置102は、移動体1と、ウィンチ2a〜
2dと、アンカー3a〜3dと、ワイヤー4a〜4d
と、フローター5a〜5dと、位置制御部6Bと、位置
計測部7Bと、超音波位置測定装置13と、浮体20を
備えて構成されている。移動体1は、図示はしないが、
方位計8と、水準計9と、音響測深機10と、水中テレ
ビカメラ11と、バッテリー(蓄電池)12を有してい
る。また、浮体20は、GPS受信機21と超音波位置
測定装置22を有している。
【0038】この第2形態の水中移動装置102の構成
要素のうち、第1実施形態の水中移動装置101と異な
る構成要素は、位置制御部6Bと、位置計測部7Bと、
超音波位置測定装置13と、浮体20である。
【0039】移動体1上の超音波位置測定装置13と、
浮体20上の超音波位置測定装置22は、超音波を用い
て目的物の方向と距離を検出するものであり、浮体20
上の超音波位置測定装置22が超音波を走査しながら発
射し、移動体1上の超音波位置測定装置13からの反射
波により、浮体20上の超音波位置測定装置22が移動
体1の方向と距離を検出する。
【0040】超音波により位置を測定する場合には、水
中での超音波伝播速度を求める必要がある。海水の場合
には、水温と塩分濃度の値を測定し所定の算出式から求
める方法と、距離が既知な2点の間で実測し超音波速度
を逆算する方法がある。前者の方法を採用する場合に
は、移動体1と浮体20の双方の位置測定装置13,2
2に水温センサ(図示せず)と塩分濃度センサ(図示せ
ず)を設けておき、両者の値の平均値により超音波速度
を求める。
【0041】また、GPS受信機21は、上記したGP
Sの測位システムにより、浮体20の次元位置を計測
する。この浮体20の次元位置データと、浮体20と
移動体1との相対位置(あるいは距離及び方向)のデー
タは、上記の超音波位置測定装置22,13に超音波に
よる通信機能を持たせ、浮体20側から移動体1側へ送
信するようにしてもよい。この場合には、超音波位置測
定装置13を位置計測部7Bに接続し、浮体位置データ
と相対位置(あるいは距離及び方向)データが位置計測
部7Bに送られるように構成する。また、上記の位置デ
ータと相対位置(あるいは距離及び方向)データは、有
線方式又は無線方式の通信システムにより浮体1から支
援船(図示せず)に送られ、支援船から移動体1へ転送
されてもよい。
【0042】移動体1の位置計測部7Bは、浮体の
元位置データと、浮体と移動体との相対位置(あるいは
距離及び方向)データから、移動体1の正確な位置を算
出する。この移動体位置データは、位置制御部6Bに送
られ、位置制御部6Bは、この移動体位置データに基づ
き、第1実施形態の場合と同様にして移動体1を移動さ
せる。上記において、位置制御部6Bは、ワイヤー長制
御手段に相当している。また、位置計測部7Bと超音波
位置測定装置22及び13は、位置把握手段に相当して
いる。また、支援船に位置データ等を送り、支援船から
移動体の位置制御を行う場合には、支援船の計測装置が
位置把握手段に相当し、支援船の制御装置がワイヤー長
制御手段に相当する。また、GPSによって与えられる
浮体の次元位置データは基準位置情報に相当し、超音
波により計測される浮体と移動体との間の相対位置(あ
るいは距離及び方向)データは相対位置情報に相当して
いる。
【0043】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。図4は、本発明の第3実施形態である水中移動装
置の全体構成を示す側面図である。図に示すように、こ
の水中移動装置103は、移動体1と、ウィンチ2a〜
2dと、アンカー3a〜3dと、ワイヤー4a〜4d
と、フローター5a〜5dと、位置制御部6Cと、位置
計測部7Cと、方位・傾斜計14と、浮体20と、連結
棒30と、ジョイント部31及び32を備えて構成され
ている。移動体1は、図示はしないが、方位計8と、水
準計9と、音響測深機10と、水中テレビカメラ11
と、バッテリー(蓄電池)12を有している。
【0044】この第3形態の水中移動装置103の構成
要素のうち、第1実施形態の水中移動装置101と異な
る構成要素は、位置制御部6Cと、位置計測部7Cと、
方位・傾斜計14と、浮体20と、連結棒30と、ジョ
イント部31及び32である。
【0045】この第3実施形態は、第2実施形態におけ
る超音波式の相対位置測定システムのかわりに、機械式
の相対位置測定システムを採用したものである。超音波
を用いるシステムは、装置が高価である点、及び使用す
る箇所での水中の超音波速度を正確に計測しなければな
らない点を改善する。GPS受信機21は、第2実施形
態の場合と同様の構成と作用を有している。
【0046】この第3実施形態の場合は、図4に示すよ
うに、浮体20と移動体1は、長さが既知な直線状の連
結棒30により連結されている。この連結棒30は、所
定の強度を有するとともに軽量な部材で構成されてお
り、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等の材料
を中空棒状に形成することによって構成されている。こ
の連結棒30は、連結手段に相当している。また、連結
棒30の両端には、ユニバーサルジョイント状のジョイ
ント部31,32が設けられ、ジョイント部31,32
を介して移動体1及び浮体20に接続している。また、
連結棒30の長さは、水底Fまでの深さよりも大きく設
定される。このため、移動体1は、浮体20の下方で自
在な位置を取ることができる。
【0047】方位・傾斜計14は、移動体1に対する連
結棒30の方位角度と傾斜角度を計測する。方位・傾斜
計14は、位置計測部7Cに接続されている。これによ
り、位置計測部7Cは、浮体20と移動体1との相対位
置(あるいは距離及び方向)のデータを算出する。一
方、GPS受信機21も位置計測部7Cに接続されてい
るので、浮体20の位置データも位置計測部7Cに送ら
れる。また、上記の位置データと相対位置(あるいは距
離及び方向)データは、有線方式又は無線方式の通信シ
ステムにより浮体1から支援船(図示せず)に送られ、
支援船から移動体1へ転送されてもよい。
【0048】移動体1の位置計測部7Cは、浮体の位置
データと、浮体と移動体との相対位置(あるいは距離及
び方向)データから、移動体1の正確な位置を算出す
る。この移動体位置データは、位置制御部6Cに送ら
れ、位置制御部6Cは、この移動体位置データに基づ
き、第1実施形態の場合と同様にして移動体1を移動さ
せる。上記において、位置制御部6Cは、ワイヤー長制
御手段に相当している。また、位置計測部7Cと方位・
傾斜計14は、位置把握手段に相当している。また、支
援船に位置データ等を送り、支援船から移動体の位置制
御を行う場合には、支援船の計測装置が位置把握手段に
相当し、支援船の制御装置がワイヤー長制御手段に相当
する。また、GPSによって与えられる浮体の次元位
置データは基準位置情報に相当し、方位・傾斜計14に
より計測される浮体と移動体との間の相対位置(あるい
は距離及び方向)データは相対位置情報に相当してい
る。
【0049】第3実施形態は、上記以外の形態も可能で
ある。例えば、図5に示すように、1本の連結棒30の
かわりに、長さが既知な2本の連結棒33,34と、新
たなジョイント部35を設けて構成してもよい。このよ
うに構成することにより、水深がさらに深くなっても対
応することができる。
【0050】図5に示す形態の場合は、連結棒33と3
4が、ジョイント部35に対して対称に曲がるように構
成しておけば、方位・順斜計14により連結棒34の下
端の角度を計測することにより、浮体20と移動体1と
の相対位置(あるいは距離及び方向)のデータを算出す
ることができる。あるいは、ジョイント部35にも図示
しない方位・傾斜計を配置することにより、これらの計
測値を合わせることにより、浮体20と移動体1との相
対位置(あるいは距離及び方向)のデータを算出するこ
とができる。上記の連結棒33,34は、連結手段に相
当している。
【0051】第3実施形態は、さらに他の形態も可能で
ある。例えば、図6に示すように、浮体を除去し、長さ
が既知な1本の連結棒36の一端にGPS受信機21を
配置し、連結棒36にフローター37a,37bを設け
て、連結棒36がつねに水上に突出するように維持して
もよい。このように構成することにより、さらに簡易な
構成で第3実施形態を実現することができる。上記の連
結棒36は、連結手段に相当している。
【0052】上記のような構成により、本発明によれ
ば、例えば、図7(A)に示すような測深区域Z1内
で、移動体1を矢印で示すような測線に沿って移動さ
せ、適宜の位置で測深を行わせることができる。図7
(B)は、水中の捨て石マウンドM上の海面を、移動体
1を矢印で示すような測線に沿って移動させ、適宜の位
置で測深を行わせているものである。これらの移動制御
は、移動体1に搭載された位置制御部6A〜6C内に格
納されたプログラムによって自動的に行われるようにし
てもよいし、水上の支援船(図示せず)と移動体とをケ
ーブル等で接続し、支援船上から制御するようにしても
よい。この結果、図8に示すような測深データを得るこ
とができる。また、この際、移動体1の下面の水中テレ
ビカメラ11により、捨て石Rの施工の出来形状を、図
9に示すように観察することも可能である。
【0053】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0054】例えば、上記各実施形態においては、海中
を移動する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、河中、湖中等の移動に用いてもよく、
一般に水中の移動であればよい。
【0055】また、上記各実施形態においては、ワイヤ
ーが4本の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、ワイヤーは少なくとも3本であれば移
動体の位置が1点に定まるため、一般には3本以上であ
れば何本であってもよい。ただし、水中測深区域は、あ
る所定の方向の測線と、それに垂直な方向の測線とが縦
横に交差して区画されることが多く、上記実施形態のよ
うにワイヤー数を4本とすると、略碁盤目状の測線上を
容易に移動することができ、実用的観点からは利点が多
い、と考えられる。
【0056】また、上記各実施形態においては、浮体2
0上の超音波位置測定装置22が超音波を走査しながら
発射し、移動体1上の超音波位置測定装置13からの反
射波により、浮体20上の超音波位置測定装置22が移
動体1の方向と距離を検出する場合を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれには限定されず、上記とは逆に、移
動体1上の超音波位置測定装置13が超音波を走査しな
がら発射し、浮体20上の超音波位置測定装置22から
の反射波により、移動体1上の超音波位置測定装置13
が浮体20の方向と距離等の相対位置を検出するように
してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準位置情報を有する水面上の浮体(20)と移動体
(1)との相対位置を測定し、基準位置情報と合わせて
把握した移動体(1)の水中位置に基づき、一端が水底
に固定された少なくとも3本のワイヤー(4a,4b,
4c等)を移動体(1)において個々に巻き取るととも
にワイヤー(4a,4b,4c等)の巻取長さを制御し
水中を移動させるようにしたので、確実で大きな推進力
を有し、水中に濁りを発生させずに移動可能な水中移動
装置が提供でき、水中測量等の調査・計測に好適であ
る。また、この水中移動装置は、潜水士を必要とせず、
船上からの簡易な作業のみによって水中調査等を行うこ
とができる。また、潮流が存在する箇所においても、迅
速かつ正確に移動を行うことができる。また、構造が簡
素であり、経済的である。また、水中での調査だけでな
く、水中での施工にも利用することができる、という利
点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である水中移動装置の全
体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す水中移動装置のさらに詳細な構成を
示す側断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態である水中移動装置の全
体構成を示す側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態である水中移動装置の全
体構成を示す側面図である。
【図5】本発明の第3実施形態の変化例である水中移動
装置の全体構成を示す側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態の他の変化例である水中
移動装置の全体構成を示す側面図である。
【図7】本発明に係る水中移動装置による水中測量の方
法を説明する図である。
【図8】本発明に係る水中移動装置による水中測量の結
果を説明する図である。
【図9】本発明に係る水中移動装置による水中撮影画像
を示す図である。
【図10】従来の水中測量の方法を示す図(1)であ
る。
【図11】従来の水中測量の方法を示す図(2)であ
る。
【符号の説明】
1 移動体 2a〜2d ウィンチ 3a〜3d アンカー 4a〜4d ワイヤー 5a〜5d フローター 6A〜6C 位置制御部 7A〜7C 位置計測部 8 方位計 9 水準計 10 音響測深機 11 水中テレビカメラ 12 バッテリー 13 超音波位置測定装置 14 方位・傾斜計 20 浮体 21 GPS受信機 22 超音波位置測定装置 30 連結棒 31,32 ジョイント部 33,34 連結棒 35 ジョイント部 36 連結棒 37a,37b フローター 101,102,103A〜103C 水中移動装置 A1,A2 固定船 B 防波堤 C1 防波堤法線 C2 基礎工中心線 D1,D2 測深間隔 F 水底 L 測量船 M 捨て石マウンド P1 潜水士 P2〜P4 計測員 R 捨て石 S スタッフ T テープ W1〜W4 アンカーワイヤー W5 シージングワイヤー Z1,Z2 測深区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 19/08 B63B 35/00 B63H 15/00 G01S 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が水底に固定された少なくとも3本
    のワイヤー(4a,4b,4c等)と、 移動体(1)上に配置されるとともに前記ワイヤー(4
    a,4b,4c等)の他端を個々に巻き取り可能なワイ
    ヤー巻取手段(2a,2b,2c等)と、位置が既知である基準位置に関する基準位置情報を有し
    水面上に配置される浮体(20)と、 前記浮体(20)と前記移動体(1)との相対関係に関
    する相対位置情報を測定し、前記基準位置情報と合わせ
    ることにより前記移動体(1)の水中位置を把握する位
    置把握手段(22,13,7B、又は14,7C)と、 前記移動体(1)上に配置されるとともに、前記移動体
    (1)の水中位置に基づき前記ワイヤー(4a,4b,
    4c等)の個々の巻取長さを制御するワイヤー長制御手
    (6B、又は6C)を備え、 水中を移動することを特徴とする水中移動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水中移動装置において、前記相対位置情報は、超音波により測定される ことを特
    徴とする水中移動装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載の水中移動装置において、前記浮体(20)と前記移動体(1)とを機械的に連結
    する連結手段(30、又は33,34、又は36)を有
    し、前記相対位置情報は、前記移動体(1)に対する前
    記連結手段(30、又は33,34、又は36)の方位
    角及び傾斜角を含む ことを特徴とする水中移動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の水中移動装置において、前記基準位置情報は、地球の上空軌道上を周回する複数
    個の人工衛星から発信される電波に基づき地球上の受信
    位置の3次元座標を検出する測位システムによ り与えら
    れる ことを特徴とする水中移動装置。
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