JP2899670B2 - 地下構造物用の開削工法 - Google Patents

地下構造物用の開削工法

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JP2899670B2 JP7241602A JP24160295A JP2899670B2 JP 2899670 B2 JP2899670 B2 JP 2899670B2 JP 7241602 A JP7241602 A JP 7241602A JP 24160295 A JP24160295 A JP 24160295A JP 2899670 B2 JP2899670 B2 JP 2899670B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下鉄や地下道等
の地下構造物の構築として行う一定幅でしかも一定方向
に長い場合の開削工事もしくは1スパンの狭い建築地下
工事の場合などで幅の比較的狭い開削工事などの地下構
造物用の開削工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一定幅での短い開削工事もしくは一定幅
で一定方向に長い開削工事においても、土留め壁を構築
し、支保工としての切ばりを架設することが行われ、か
かる開削工事における土留め架構の設計法では、図6に
示すように土留め壁1に作用する側圧を上部は切ばり2
で、下部は開削底3の地盤で支持される梁としての鉛直
方向のワンウエイに解析方法が採用されている。Aは開
削側、Bは背面側、αは軟弱層、βは硬質層である。実
線は切ばりオープンカット工法による曲げモーメント分
布を示すもので、Mo はこのような土留め工法による最
大曲げモーメントを示す。
【0003】軟弱地盤が深い場合、あるいは根切り深さ
が浅い場合には、土留め壁1は切ばり2をなるべく省略
した自立形式のようにできる限り軽微なものが望まし
い。図6における点線は一般的自立土留め工法における
曲げモーメント分布を示すもので、Mo ′はこのような
一般的自立山留め工法による最大曲げモーメントを示
す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自立形式の土
留め壁とするには変形が大きく、周辺地盤への影響など
を考慮するとかなり大がかりなものとなる。このため、
軟弱地盤が厚い場合でも、開削部分が比較的浅い場合に
は工事の邪魔になる切ばりの架設は省略し、山留め壁は
できるだけ断面の小さいもので対処することが求められ
る。また、開削底以深での山留め壁もできれば省略しコ
ストと工期の改善を計ることを求められている。
【0005】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、地下鉄や地下道等の地下構造物の構築として一定幅
でしかも一定方向に長い開削を行う場合や1スパンの狭
い建築地下工事の場合などで幅の比較的狭い開削工事な
どで、土留め壁として必要な壁厚は軟弱層が厚い場合な
ど地盤の悪さには左右されず、できるだけ断面の小さい
もので対処することができ、また、腹起こしや火打ち梁
などの施工難度の高い作業が不要となり、切ばりも段数
を減らして大型の重機による掘削工事を楽に行うことが
でき、合理性と経済性に富む地下構造物用の開削工法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、所定間隔おきに設置した壁杭で支持
する土留め壁を一定幅で並行に構築し、壁杭の前面に対
向面の壁杭に到達する開削底(根切り底)よりやや上方
の深さの溝を形成し、この溝底にジャッキを装着した鋼
材を配設し、ジャッキを設計軸力程度押し開き、壁杭を
押圧して、壁杭を通して土留め壁を背面地盤に押しつけ
てから土留め壁間を開削すること、第2に、地表近くに
は0段切ばりを設置し、これを道路面や作業床等の梁材
として利用することを要旨とするものである。
【0007】開削により発生する山留め壁の応力は前記
図6に示すように、軟弱層が深い場合には非常に大きな
曲げモーメントが作用し、土留め壁の剛性も大きなもの
が必要となる。請求項1記載の本発明によれば、土留め
壁に作用する側圧を壁杭が受けることにより土留め壁に
発生する曲げモーメントは主に水平方向に平面的に壁杭
位置を支持点とする連続梁あるいは単純梁のようにな
る。このため、土留め壁の必要深さは開削底より1〜2
m程度の位置に到達していれば十分である。
【0008】一方、壁杭はジャッキを装着した鋼材での
支点で固定される片持ち梁のようになり、硬質地盤での
挙動と同じである。従って、壁杭の設計は土留め壁によ
る側圧により生じる曲げモーメントが一般的な自立式オ
ープンカット工法での計算と同じように取り扱うことが
できる。
【0009】請求項2記載の本発明によれば、地表近く
には0段切ばりを設置し、これを道路面や作業床等の梁
材として利用することで、より施工の便宜を図ることが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について詳細に説明する。図1は本発明の地下構造物用
の開削工法の1実施形態を示す平面図、図2は同上縦断
側面図で、3は開削底、Aは開削側、Bは背面側、αは
軟弱層、βは硬質層である。
【0011】図中4は開削工事における土留め壁である
が、この土留め壁4は開削壁面を崩壊させないように支
持できる最低限度の長さを持つものとする。
【0012】そしてこのような土留め壁4を施工するに
際して、土留め壁4の施工と同時に、または先行して該
土留め壁4を支持する壁杭5を所定間隔おきに設置す
る。この壁杭5は硬質層βに到達する長さである必要は
ないが、その下端が土留め壁4よりも深いものである。
この壁杭5は場所打ちコンクリート杭工法で施工する場
合、プレボーリング方式でプレキャストコンクリート製
のものを設置する場合のいずれでもよい。
【0013】土留め壁4を支持する壁杭5は、T字形あ
るいは十字形や鉤形で左右に土留め壁4の係合部を突設
してなるもので、この係合部を土留め壁4の端部に重ね
合わせて係合させる。このように接続を重ね合わせで行
うには例えば重ね合わせることにより十分機能するため
に費用の安い工法、例えばプレボーリングでの自硬化性
泥水中に埋め込むようなものとする。
【0014】また、土留め壁はプレキャストコンクリー
トで施工する場合、地中連続壁で施工する場合、ソイル
セメントで改良された地盤をもって施工する場合等から
選択でき、ソイルセメントで改良された地盤をもって施
工する場合にはさらに内部にウエブを水平向きとする形
鋼をすだれ状に配置することにより必要とされるところ
まで強度を高めることも可能である。
【0015】なお、第2の実施形態として図3に示すよ
うに土留め壁4に対して該山留め壁4を支持する壁杭5
を連続壁により山留め壁4に一体的に構築するようにし
てもよい。この場合は山留め壁4と壁杭5とは一体的に
施工することになり、相互を接続させるため、水平筋の
ジョイント工法が必要となる。
【0016】このような所定間隔おきに設置した壁杭5
で支持する土留め壁4を開削しようとする幅で並行する
ように構築し、壁杭5の前面に対向面の壁杭5に到達す
る溝6を開削底3よりも多少浅くなる深さに到達するよ
うに形成する。
【0017】この溝6は開削しようとする部分を幅方向
に横切るものであるが、この溝6の底にジャッキ7を装
着した鋼材8をできるだけ水平に配設する。
【0018】図4にこのジャッキ7を装着した鋼材8の
詳細を示すと、鋼材8はH形鋼が利用でき、その相互の
突き合わせ部分にオイルジャッキによるジャッキ7を配
置する。このジャッキ7の外側には鋼材8の端部が挿入
する保護筒体9を設け、また、鋼材8の端部外周と保護
筒体9との内側との隙間は止水用パッキン10で止封す
る。このようにすれば、ジャッキ7のところにベントナ
イト液や地下水等の液が浸入することを防止できる。
【0019】また、壁杭5側に鋼材8の端部が挿入する
受け金物11を取り付け、この受け金物11の底部に球面台
座12を形成してこの部分に鋼材8の端部を当接させた。
該鋼材8の端部外周と受け金物11の内側との隙間にも止
水用パッキン10を配設する。
【0020】このようにして、ジャッキ7を設計軸力程
度押し開き、壁杭5を押圧して、壁杭5を通して土留め
壁4を背面地盤に押しつける。その後、土留め壁4間を
開削する。
【0021】図5にその様子を示すが、ジャッキ7を装
着した鋼材8はこのジャッキ7によりプレストレスを与
えられた先行1段切ばりとしての役割をなし、曲げモー
メントは実線太線で示すごときで単純梁のような分布と
なり、土留め壁4の変形はほとんど生じない。図5の点
線は一般的自立土留め工法による曲げモーメント分布を
示す。
【0022】開削終了後、図2に示すように床付け位置
には捨てコンクリート14を打設し、壁杭5の前面には溝
掘りしたRC(鉄筋コンクリート)切ばり15を打設して
前記鋼材8による先行切ばりのジャッキ7をゆるめてこ
れを解体する。その後、捨てコンクリート14上に基礎ス
ラブ、地中梁などの工事を行う。
【0023】また、地表近くには0段切ばり13を設置
し、これを道路面や作業床等の梁材として利用すること
もできる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明の地下構造物用
の開削工法は、地下鉄や地下道等の地下構造物の構築と
して一定幅でしかも一定方向に長い開削を行う場合や1
スパンの狭い建築地下工事の場合などで幅の比較的狭い
開削工事などで、土留め壁として必要な壁厚は軟弱層が
厚い場合など地盤の悪さには左右されず、できるだけ断
面の小さいもので対処することができ、また、腹起こし
や火打ち梁などの施工難度の高い作業が不要となり、切
ばりも段数を減らして大型の重機による掘削工事を楽に
行うことができ、合理性と経済性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下構造物用の開削工法の第1実施形
態を示す平面図である。
【図2】本発明の地下構造物用の開削工法の第1実施形
態を示す縦断側面図である。
【図3】本発明の地下構造物用の開削工法の第2実施形
態を示す部分平面図である。
【図4】ジャッキを装着した鋼材の詳細を示す横断平面
図である。
【図5】本発明の地下構造物用の開削工法での曲げモー
メント分布を示す説明図である。
【図6】従来例での曲げモーメント分布を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1…土留め壁 2…切ばり 3…開削底 4…土留め壁 5…壁杭 6…溝 7…ジャッキ 8…鋼材 9…保護筒体 10…止水用パッキン 11…受け金物 12…球面台座 13…0段切ばり 14…捨てコンクリート 15…RC切ばり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 29/04 E02D 29/00 E02D 17/04 E21D 10/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔おきに設置した壁杭で支持する
    土留め壁を並行するように構築し、壁杭の前面に対向面
    の壁杭に到達する溝を形成し、この溝底にジャッキを装
    着した鋼材を配設し、ジャッキを設計軸力程度押し開
    き、壁杭を押圧して、壁杭を通して土留め壁を背面地盤
    に押しつけてから土留め壁間を開削することを特徴とす
    る地下構造物用の開削工法。
  2. 【請求項2】 地表近くには0段切ばりを設置し、これ
    を道路面や作業床等の梁材として利用する請求項1記載
    の地下構造物用の開削工法。
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