JP2899179B2 - 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置 - Google Patents

本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置

Info

Publication number
JP2899179B2
JP2899179B2 JP23285492A JP23285492A JP2899179B2 JP 2899179 B2 JP2899179 B2 JP 2899179B2 JP 23285492 A JP23285492 A JP 23285492A JP 23285492 A JP23285492 A JP 23285492A JP 2899179 B2 JP2899179 B2 JP 2899179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embroidery
data
needle
axis
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23285492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05192467A (ja
Inventor
晃 奥野
浩彦 松本
弘英 ▲くつわ▼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON DENPA KK filed Critical NIPPON DENPA KK
Priority to JP23285492A priority Critical patent/JP2899179B2/ja
Publication of JPH05192467A publication Critical patent/JPH05192467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2899179B2 publication Critical patent/JP2899179B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば本縫いミシン等
の刺繍機で刺繍柄を実現するためのステッチデータを作
成するのに用いて好適な本縫い刺繍機用のステッチデー
タ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、刺繍用の下糸が配置される基台
と、該基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で
上糸側の刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッド
と、該ヘッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に
設けられ、駆動源により該基台上でX軸およびY軸方向
に駆動される移動枠とを備え、該移動枠上に展張した状
態で保持した刺繍布にステッチデータに基づいた刺繍柄
を実現する構成としてなる本縫いミシン等の本縫い刺繍
機は知られている。
【0003】そして、この種の本縫いミシンを駆動制御
するためのステッチデータは図12に示す柄作成機を用
いて通常作成される。
【0004】図において、1は柄作成機としてのタブレ
ットを示し、該タブレット1は、作画エリア2A上に刺
繍原図としてのドラフト3が貼り付けられたボード2
と、作画エリア2Aに隣接して該ボード2上に設けられ
たステッチ条件選択手段としてのメニューシート4と、
ボード2上のドラフト3から該ドラフト3の輪郭を読み
取る読み取り手段としてのカーソル5とから大略構成さ
れ、該カーソル5にはドラフト3の輪郭を読み取る場合
に選択的に押下される複数の押ボタン(図示せず)が設
けられている。
【0005】ここで、タブレット1を用いてドラフト3
に対応したステッチデータを作成する場合には、まずド
ラフト3の輪郭線3A,3B等をカーソル5で読み取
る。そして、メニューシート4で縫目模様をジグザグ模
様として選択すると共に、糸密度、縫い目の最大長等を
選択することにより、図13に例示するようにステッチ
データを作成する(ただし、本縫いミシンのステッチデ
ータには図13中の振り幅W0 、回転角θ0 〜θk およ
び針中心N1 〜Nk に該当するデータは存在しな
い。)。
【0006】即ち、図12に示す刺繍柄の開始点N0 を
カーソル5により指定し、ボード2上のドラフトの座標
を図13のA−B座標とした場合に、開始点N0 を原点
(0,0)としたX−Y座標が設定される。そして、こ
の開始点N0 に続く針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,
…Sk をそれぞれX−Y座標上で指定することにより、
ドラフト3の輪郭に対応したジグザグ模様をなすステッ
チデータを作成し、テープパンチャ等を用いてテープ
(図示せず)上にパンチングデータとして記憶させるよ
うにしている。
【0007】かくして、このパンチングデータとしての
ステッチデータに基づき前記本縫いミシンを駆動制御す
る場合には、まずパンチングデータをテープリーダ(図
示せず)で読み取る。そして、この読み取ったデータに
基づいて前記移動枠をX軸,Y軸方向に移動させ、刺繍
針を開始点N0 から針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3,
…Sk へと順次運針させることにより、前記ドラフト3
の輪郭に対応したジグザグ模様をなす刺繍柄を刺繍布に
実現させる。
【0008】一方、刺繍用の下糸が配置される基台と、
該基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸
側の刺繍針を上,下に往復動させ、かつ所要の振り幅で
揺動させる刺繍機のヘッドと、該ヘッドの下側に位置し
て前記基台上に移動可能に設けられ、駆動源により該基
台上でx軸方向およびy軸方向に駆動される移動枠と、
該移動枠内で刺繍布を展張した状態で保持し、該移動枠
に設けた回転源により、該移動枠内で刺繍布と共に回転
される回転枠とから構成してなる回転付ジグザグミシン
(以下、他の従来技術という)は、例えば特開昭63−
203188号公報等で知られている。
【0009】この種の回転付ジグザグミシンでは、刺繍
機のヘッドにより刺繍針を所要の振り幅で揺動させつつ
上,下に往復動させるときに、移動枠をx軸,y軸方向
に駆動すると共に、該移動枠内で刺繍布を回転枠と共に
回転させるようにしているから、刺繍針の振り幅に応じ
たジグザグ模様に回転を加えた刺繍柄を前記刺繍布上に
実現でき、複雑な刺繍柄を比較的短時間で作成できると
いう利点がある。
【0010】そして、この種の回転付ジグザグミシンに
は、移動枠のx軸,y軸方向の移動量を検出する位置検
出手段と、移動枠に対する回転枠の回転角を検出する回
転角検出手段と、刺繍針の振り幅を検出する振り幅検出
手段とが設けられ、前記刺繍柄を繰り返し再現するのに
先立って、通常「例示学習」方式といわれているティー
チング作業が行われる。
【0011】即ち、このティーチング作業時には、熟練
者であるオペレータが移動枠および回転枠を手動で移
動、回転させながら、往復動する刺繍針の振り幅を調整
することにより、所望の刺繍柄を作成するときに、前記
検出手段からそれぞれの信号を読み込んで移動枠の位
置、回転枠の回転角および刺繍針の振り幅等を記憶し、
この記憶したデータに基づいて前記駆動源や回転源等を
作動させて、熟練者と同様の刺繍柄を繰り返し再現させ
るようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による本縫いミシンでは、図12に示すタブレッ
ト1を用いて移動枠のX軸,Y軸方向移動量からなるス
テッチデータを作成する必要があるため、図13に示す
如くジグザグ模様に回転を加えた刺繍柄等のステッチデ
ータを作成するのに比較的手間がかかり、ステッチデー
タの作成に労力と時間を費やすという問題がある。
【0013】一方、他の従来技術による回転付ジグザグ
ミシンでは、移動枠をx軸,y軸方向に移動させつつ、
該移動枠内で刺繍布を回転枠と共に回転させるようにし
ているから、刺繍針の振り幅に応じたジグザグ模様に回
転を加えた刺繍柄を、例えば図12に示すドラフト3の
如き回転付ジグザグ模様を刺繍布上に短時間で再現でき
るという利点がある。
【0014】しかし、この場合には、熟練者であるオペ
レータがティーチング作業により、いわゆるティーチン
グデータを作成し、このデータに基づいて移動枠、回転
枠および刺繍針を駆動するものであるから、ティーチン
グ作業による刺繍柄を単純に再現することは可能である
ものの、このティーチングデータを前記本縫いミシン用
のステッチデータとして利用できないという問題があ
る。
【0015】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はティーチング作業で作成したデ
ータを変換することにより、本縫いミシン等の移動枠を
X軸,Y軸方向に移動させるためのステッチデータを自
動的に作成でき、データの作成を短時間で行いうるよう
にした本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置を提供
することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、刺繍用の下糸が配置される基台と、該
基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側
の刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッドと、該
ヘッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に設けら
れ、駆動源により該基台上でX軸およびY軸方向に駆動
される移動枠とを備え、該移動枠上に展張した状態で保
持した刺繍布にステッチデータに基づいた刺繍柄を実現
する本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置に適用さ
れる。 そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴
は、回転枠に展張した状態で保持した刺繍布を手動で回
転させつつx軸,y軸方向に移動させ、刺繍針を所望の
振り幅で駆動することにより、前記刺繍布に所望の刺繍
柄を作成するティーチング用刺繍機と、該ティーチング
用刺繍機に設けられ、前記刺繍布のx軸,y軸方向移動
(Δx,Δy)、回転角(θ)および前記刺繍針の振
り幅(W)からなる前記刺繍柄に対応したティーチング
データC(Δx,Δy,θ−θ0 ,W)(但し、θ0 は
初期回転角)前記刺繍針の針中心に対する前記回転
枠の枠中心のデータとして作成するティーチングデータ
作成手段と、該ティーチングデータ作成手段で作成した
ティーチングデータC(Δx,Δy,θ−θ0 ,W)
前記X軸,Y軸方向移動量(ΔX,ΔY)、回転角
(θ)および前記刺繍針の振り幅(W)を含む前記回転
枠の枠中心に対する刺繍針の針中心のデータN(ΔX,
ΔY,θ,W)に変換する第1のデータ変換手段と、該
第1のデータ変換手段で変換した針中心のデータN(Δ
X,ΔY,θ,W)前記X軸,Y軸方向移動量(Δ
X,ΔY)、回転角(θ)および前記刺繍針の振り幅
(W)に基づき前記移動枠のX軸,Y軸方向移動量(Δ
X,ΔY)からなるステッチデータS(ΔX,ΔY)
変換する第2のデータ変換手段と、該第2のデータ変換
手段で変換したステッチデータS(ΔX,ΔY)を記憶
するデータ記憶手段とから構成したことにある。
【0017】
【作用】上記構成により、ティーチング用刺繍機で作成
したティーチングデータC(Δx,Δy,θ−θ0 ,
W)を、タブレット等の柄作成機で作成したデータと同
様に移動枠のX軸,Y軸方向移動量からなるステッチデ
ータS(ΔX,ΔY)に変換でき、変換したステッチ
ータS(ΔX,ΔY)をフロッピーディスク等の記憶媒
体を介して本縫い刺繍機用のステッチデータとして使用
できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づき説明する。
【0019】図において、10はティーチング用刺繍機
としてのティーチング専用刺繍機、11は該刺繍機10
の本体を構成する基台を示し、該基台11は複数の脚部
12,12,…と、該各脚部12上に設けられた支持板
13とからなり、該支持板13の中央部には後述する刺
繍針16用の挿通穴(図示せず)が長円形状に形成され
ている。そして、この挿通穴の下側には下糸用のボビン
(図示せず)等が配設され、この下糸は刺繍針16側の
上糸とからむようにして上糸を緊張状態に保持する。
【0020】14は支持板13上に設けられた刺繍機の
ヘッドを示し、該ヘッド14は前記下糸側と対向する位
置で針軸15を介して上糸側の刺繍針16を上,下に往
復動させると共に、該刺繍針16を図3に示す如く針軸
15の支点15Aを中心にして左右方向(x軸方向)に
振り幅Wをもって揺動させるようになっている。
【0021】17は基台11の支持板13上に移動可能
に設けられた移動枠を示し、該移動枠17は図2に示す
如く略長方形の板状に形成され、その内側には後述の回
転枠20が回転可能に配設されている。そして、該移動
枠17の下面側には支持板13上を転動するボール等の
転動子(図示せず)が設けられ、該移動枠17は各転動
子を介して支持板13上を円滑に移動するようになって
いる。ここで、該移動枠17は平行リンク機構を有した
ガイドアーム19により、支持板13上で左,右方向
(x軸方向)および前後方向(y軸方向)に案内され、
このx軸方向およびy軸方向にのみ移動可能となってい
る。
【0022】20は移動枠17内に回転可能に配設され
た回転枠を示し、該回転枠20は円形のリングとして形
成され、移動枠17内で軸受(図示せず)等を介して円
滑に回転されるようになっている。そして、該回転枠2
0内には円形のリングからなる刺繍枠(図示せず)によ
り刺繍布21が展張した状態で保持され、該刺繍布21
は回転枠20の枠中心Cを中心として回転枠20と共に
回転される。
【0023】22は基台11の支持板13から後方へと
張出して該支持板13に固定されたタブレットを示し、
該タブレット22はカーソル23のカーソル中心23A
を検出することにより、移動枠17の移動量をx軸方向
およびy軸方向の位置として検出する。ここで、カーソ
ル23はカーソルアーム24の先端に設けられ、該カー
ソルアーム24の基端は移動枠17の後端側に固着され
ている。そして、オペレータが移動枠17を手動でx
軸,y軸方向に移動させると、カーソル23はこれに追
従してx軸,y軸方向にタブレット22上で移動するか
ら、該タブレット22はカーソル23のカーソル中心2
3Aを移動枠17のx軸,y軸方向の位置として検出
し、その検出信号は後述の制御ユニット41に入力され
る。
【0024】25は回転枠20に隣接して移動枠17上
に設けられた回転角検出手段としての回転センサを示
し、該回転センサ25はオペレータが回転枠20を手動
で回転させるときに、移動枠17に対する回転枠20の
回転角θを検出し、その検出信号は制御ユニット41へ
入力される。
【0025】26は支持板13の下面側に設けられた制
御レバーを示し、該制御レバー26はオペレータが膝頭
等で該レバー26を矢示D方向に押動することにより、
この押動量に応じて図3に示す刺繍針16の振り幅Wを
可変に制御する。そして、該刺繍針16の振り幅Wはヘ
ッド14の背面側に設けた振り幅検出手段としての振り
幅センサ27により検出され(図2参照)、その検出信
号は制御ユニット41へ入力される。
【0026】28は基台11の下端側に設けられた速度
制御ペダルを示し、該制御ペダル28はオペレータによ
って踏み込み操作され、その踏み込み量に応じて主軸モ
ータ(図示せず)の回転速度を制御する。そして、ヘッ
ド14の刺繍針16は針軸15と共にこの主軸モータの
回転速度に応じて上下方向に往復動するから、制御ペダ
ル28の踏み込み量に応じて刺繍柄の作成速度が制御さ
れる。29は支持板13の下側に位置して制御ユニット
41の前面側に設けられたスイッチボックスを示し、該
スイッチボックス29にはメインの電源スイッチ29
A、前記主軸モータの始動スイッチ29B、停止スイッ
チ29Cおよび始動スイッチ29Bの投入時に点灯する
ランプ29D等が設けられている。
【0027】30は支持板13上に設けられた制御パネ
ルを示し、該制御パネル30には図4に示す如く、ティ
ーチング作業等の開始時に押下されるスタートボタン3
1と、刺繍糸(上糸)の糸替え時等に押下されるストッ
プボタン32と、前記刺繍柄の作成速度を高速、低速の
二段階に切換える速度切換ボタン33と、刺繍柄の作成
終了時に押下されるエンドボタン34と、刺繍糸(上
糸)の色替え時に手動で回転されることにより、刺繍糸
の色選択を指令する色替えツマミ35と、該色替えツマ
ミ35による色選択後に押下され、色設定を行う設定ボ
タン36と、後述のフロッピーディスク装置44等への
書き込み指令を出力する指令ボタン37等とが設けられ
ている。
【0028】また、制御パネル30には右上側の角隅部
に位置してオリジンスイッチ38が設けられ、該オリジ
ンスイッチ38は制御パネル30の前面よりも奥の方に
配設され、オペレータが誤操作するのを防止するように
なっている。そして、該オリジンスイッチ38はティー
チング作業に先立って、タブレット22上の原点位置を
決定するときに、例えばドライバー等の工具先端で押下
され、この原点位置を制御ユニット41に記憶させる。
また、39は電源スイッチ29Aの投入等により点灯す
る電源ランプを示している。
【0029】40は制御パネル30の上側に設けられた
ディスプレイを示し、該ディスプレイ40はティーチン
グ作業によるティーチングデータを後述の如く変換演算
することにより作成したステッチデータ等を表示し、オ
ペレータ等にデータを確認させるようにしている。この
場合、該ディスプレイ40は図1に例示するように丸枠
表示、ステッチ情報のファンクションX,YまたはΔ
X,ΔYの表示およびステッチ数の表示等を行ない、フ
ロッピーディスク装置44やパンチング装置45等に出
力するときには出力途中の位置を画面上に+(トンボマ
ーク)等で表示する。
【0030】41は支持板13の下側で基台11の左側
面等に設けられるティーチングデータ作成手段としての
制御ユニットを示し、該制御ユニット41はマイクロコ
ンピュータ等によって構成され、その入力側は図5に示
す如くタブレット22,回転センサ25,振り幅センサ
27,速度制御ペダル28,スイッチボックス29およ
び制御パネル30等に接続され、出力側は前記主軸モー
タおよび後述の第1変換演算部42等に接続されてい
る。そして、該制御ユニット41はタブレット22,回
転センサ25および振り幅センサ27等からの信号に基
づき後述のティーチングデータ作成処理等を行なう。
【0031】42は制御ユニット41に付設された第1
のデータ変換手段としての第1変換演算部、43は該第
1変換演算部42と共に制御ユニット41に付設された
第2のデータ変換手段としての第2変換演算部を示し、
該変換演算部42,43は制御ユニット41と共にマイ
クロコンピュータ等によって構成され、制御ユニット4
1との間で図5に示す如くデータを入,出力させるよう
になっている。また、第2変換演算部43はディスプレ
イ40、データ記憶手段としてのフロッピーディスク装
置44およびテープパンチャ等のパンチング装置45等
に接続され、ディスプレイ40およびフロッピーディス
ク装置44との間でデータを入,出力させる。そして、
第1,第2変換演算部42,43は制御ユニット41で
作成したティーチングデータを後述の如くステッチデー
変換演算し、このステッチデータをディスプレイ4
0で表示させると共に、フロッピーディスク装置44ま
たはパンチング装置45でフロッピーディスクまたはテ
ープ(図示せず)に記憶させる。
【0032】次に図11中、46は本縫い刺繍機として
の本縫いミシンを示し、該本縫いミシン46は従来技術
で述べた本縫いミシンとほぼ同様に、マイクロコンピュ
ータ等からなるミシン制御部47を備えているものの、
該ミシン制御部47はその入力側がキーボード48,フ
ロッピーディスク装置49,テープリーダ50および編
集機51等に接続されている。また、該ミシン制御部4
7は出力側が、本縫いミシン46のヘッドで刺繍針(い
ずれも図示せず)を往復動させるための主軸モータ5
2、本縫いミシン46の移動枠(図示せず)をX軸,Y
軸方向に移動させるためのX軸モータ53,Y軸モータ
54、および表示器55等に接続されている。
【0033】そして、ミシン制御部47はフロッピーデ
ィスクまたはテープ等に記憶された前記ステッチデータ
をフロッピーディスク装置49またはテープリーダ50
等から読み込み、読み込んだステッチデータに基づき主
軸モータ52,X軸モータ53およびY軸モータ54等
を駆動制御することにより、移動枠に展張した状態で保
持した刺繍布上で刺繍針を運針させつつ、ステッチデー
タに対応した刺繍柄を実現させる。また、このステッチ
データを編集機51に読み取らせることにより、ステッ
チデータを拡大、縮小または適宜に変形させて編集し直
すことも可能であり、編集後のステッチデータを表示器
55で表示させて確認しつつ、所望の刺繍柄を刺繍布上
で実現させることができる。
【0034】本実施例による本縫いミシン46用のステ
ッチデータ作成装置は上述の如き構成を有するもので、
次にその動作について説明する。
【0035】まず、ティーチング専用刺繍機10を用い
てティーチングデータを作成する場合には、図1,図2
に例示する如く、回転枠20の枠中心C上にヘッド14
から垂下する刺繍針16を芯出し治具(図示せず)等を
使用して配置させ、この状態で制御パネル30のオリジ
ンスイッチ38を操作することにより、タブレット22
上でカーソル23のカーソル中心23Aが置かれた位置
をx−y座標に関する原点位置(0,0)として初期設
定する。そして、この初期設定の完了後に、刺繍針16
に上糸を通し、熟練者であるオペレータが刺繍布21上
に所望の刺繍柄を作成することにより下記のようにティ
ーチング作業を行なう。
【0036】この場合、前述した図12、図13に示す
ドラフト3の輪郭に対応したジグザグ模様をなす刺繍柄
を例に挙げ、図6ないし図8を参照して説明する。な
お、図7中ではティーチング作業時に針落ち点S0 ,S
1 ,S2 ,S3 の順番で刺繍針16を運針させるとき
に、オペレータが回転枠20を矢印の順でそれぞれ枠移
動させた状態を個別に例示している。
【0037】まず、前記原点位置(0,0)では開始点
N0 の位置にある回転枠20の枠中心Cを枠中心C0 の
位置まで移動させるべく、移動枠17を回転枠20と共
にx軸方向に図7中の移動量x0 だけ平行移動させる。
この状態では刺繍針16は開始点N0 の位置にある。そ
して、振り幅W0 で刺繍針16を揺動させると、刺繍針
16は開始点N0 から振り幅W0 /2なる針落ち点S0
で運針を開始し、このときの回転角θは零であるから、
このときの枠中心C0 を、
【0038】
【数1】C0 (x0 ,0,0,W0 ) として制御ユニット41の記憶エリア41Aに記憶させ
る。
【0039】次に、刺繍針16が針中心N1 の位置に合
うように移動枠17を回転枠20と共に移動させ、回転
枠20を回転角θ=θ1 ′だけ回転して枠中心Cを図7
中の枠中心C1 に配置し、振り幅W1 に設定すると、刺
繍針16は針中心N1 から実際には振り幅W1 /2なる
針落ち点S1 で運針され、このときの針中心N1 に対す
る枠中心C1 の座標位置はx−y座標上で(x1 ,y1
)となり、回転角θはθ1 ′となっているから、枠中
心C1 を、
【0040】
【数2】C1 (Δx1 ,Δy1 ,θ1 ′,W1 ) ただし、Δx1 =x1 −x0 Δy1 =y1 −0 として記憶エリア41Aに記憶させる。
【0041】その後同様にして、刺繍針16が針中心N
2 ,N3 の位置に合うように移動枠17を回転枠20と
共に図7の矢印の順で移動させ、回転枠20を矢示E方
向に回転角θ=θ2 ′,θ3 ′だけ順次回転して枠中心
Cを図7中の枠中心C2 ,C3 に配置し、それぞれ振り
幅W2 ,W3 に設定することにより、針中心N2 ,N3
に対する枠中心C2 ,C3 を、
【0042】
【数3】C2 (Δx2 ,Δy2 ,θ2 ′,W2 ) ただし、Δx2 =x2 −x1 Δy2 =y2 −y1 C3 (Δx3 ,Δy3 ,θ3 ′,W3 ) ただし、Δx3 =x3 −x2 Δy3 =y3 −y2 として記憶エリア41Aに記憶させる。
【0043】また、図8に示す如く刺繍針16が針中心
Nk の位置に合うように回転枠20をx軸、y軸方向に
枠移動させつつ、矢示E方向に回転角θ=θk ′だけ回
転させて枠中心Cを枠中心Ck に配置し、振り幅Wk と
することにより、針中心Nkに対する枠中心Ck を、
【0044】
【数4】Ck (Δxk ,Δyk ,θk ′,Wk ) ただし、Δxk =xk −xk-1 Δyk =yk −yk-1 として記憶エリア41Aに記憶させる。
【0045】即ち、ティーチング作業において刺繍針1
6の振り幅Wが零の状態では、刺繍針16が開始点N0
の位置にあり、その後この刺繍針16の位置に針中心N
1 ,N2 ,N3 ,…Nk を順次配置するときには、回転
枠20を回転角θ=θ1 ′,θ2 ′,θ3 ′,…θk ′
だけ順次矢示E方向に回転させつつ、移動枠17をx
軸,y軸方向に移動させるようになるから、刺繍針16
を針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,…Sk で運針させ
るときには、回転枠20の枠中心C0 ,C1 ,C2 ,C
3 ,…Ck は図6中に示す如く順次移動されるのであ
り、このときに針中心N、即ち図6中の開始点N0 から
観た枠中心C0,C1 ,C2 ,C3 ,…Ckのデータとし
て前記数1〜4の如く順次作成され、記憶エリア41A
に記憶されたものが針中心Nに対する枠中心Cのティー
チングデータC(Δx,Δy,θ′,W)となる。
【0046】しかし、このティーチングデータC(Δ
x,Δy,θ′,W)は図6中に示す通り、x−y座標
の原点となる開始点N0 から観た枠中心C0,C1 ,C2
,C3,…Ck のデータであり、回転角θ′および振り
幅Wを含んでいるから、このデータに基づいて本縫いミ
シン46を作動させることはできない。
【0047】そこで、本発明者等はこのティーチングデ
ータC(Δx,Δy,θ′,W)、即ち針中心N(開始
点N0 )に対する枠中心C0,C1 ,C2 ,C3 ,…Ck
のデータを、枠中心C0,C1 ,C2 ,C3 ,…Ck か
ら開始点N0 を含む針中心N1 ,N2 ,N3 ,…Nk を
観たデータ、即ちX′−Y′座標上での枠中心C(図6
中の枠中心C0 )に対する開始点N0 を含む針中心N1
,N2 ,N3 ,…Nk のデータとして変換し、その後
本縫いミシン46の移動枠をX軸,Y軸方向に移動させ
るためのステッチデータに変換するようにしたものであ
る。
【0048】この場合、X′−Y′座標の原点となる枠
中心C、例えば図8中の枠中心Ckに対する針中心Nk
のX′−Y′座標データ(Xk ′,Yk ′)は、枠中心
CkをCk (xk ,yk ,θk ′,Wk )としてデータ
表示すると、図9に示す如く点Ck ,E,Fがなす直角
三角形、点F,G,Nk がなす直角三角形、点Nk ,
P,Qがなす直角三角形および点Q,R,Ck がなす直
角三角形はそれぞれ相似関係にあり、回転角θk ′の三
角関数を用いることにより、
【0049】
【数5】Xk ′=xk cosθk ′−yk sinθk ′ Yk ′=xk sinθk ′+yk cosθk ′ として求めることができるから、この数5に基づき針中
心Nk のX′−Y′座標上でのデータは、
【0050】
【数6】Ck (xk ,yk ,θk ′,Wk )→Nk (X
k ′,Yk ′,θk ′,Wk ) として変換演算される。
【0051】そして、これと同様に針中心Nk-1 のX′
−Y′座標上でのデータも、
【0052】
【数7】Ck-1 (xk-1 ,yk-1 ,θk-1 ′,Wk-1 )
→Nk-1 (Xk-1 ′,Yk-1 ′,θk-1 ′,Wk-1 ) として変換演算されるので、針中心Nk は枠中心Ck の
データから、
【0053】
【数8】Ck (Δxk ,Δyk ,θk ′,Wk )→Nk
(ΔXk ′,ΔYk ′,θk ′,Wk ) ただし、ΔXk ′=Xk ′−Xk-1 ′ ΔYk ′=Yk ′−Yk-1 ′ として変換演算される。なお、k=1,2,3,…として針中心
N1 ,N2 ,N3 ,…についても同様に変換演算され
る。
【0054】また、図6に示す針落ち点S0 ,S1 ,S
2 ,S3 ,…Sk からなるジグザグ模様は図13に示
すX−Y座標を回転角θ0 (初期回転角)だけ回転させ
たX″−Y″座標上で前記移動量x0 に該当する寸法分
だけX″軸、即ち図6中のX′軸に沿って平行移動させ
たジグザグ模様と同一であり、前記回転角θ1 ′,θ2
′,θ3 ′,…θk ′は図13に示す回転角θ0 ,
θ1 ,θ2 ,θ3 ,…θk に対して、
【0055】
【数9】 θ1 ′=θ1 −θ0 θ2 ′=θ2 −θ0 θ3 ′=θ3 −θ0 θk ′=θk −θ0 なる関係にあるから、前記数1〜4等からなるティーチ
ングデータC(Δx,Δy,θ′,W)、即ちティーチ
ングデータC(Δx,Δy,θ−θ0 ,W)を、前記数
8,9に基づき、
【0056】
【数10】 C(Δx,Δy,θ′,W)→N(ΔX,ΔY,θ,
W) として後述の数11,12,14等からなる枠中心Cに
対する針中心NのデータN(ΔX,ΔY,θ,W)に第
1変換演算部42で変換演算を行なう。
【0057】これにより、刺繍柄の開始点N0 は図13
に示す如くX−Y座標の原点(0,0)に設定され、こ
の開始点N0 に対して針落ち点S0 は振り幅W0 /2を
有し、回転角θ0 となっているから、開始点N0 を、
【0058】
【数11】N0 (0,0,θ0 ,W0 ) として変換演算により設定できる。
【0059】また、針中心N1 に対して振り幅W1 /2
をもった第1の針落ち点S1 は回転角θ1 となり、この
針中心N1 のX,Y座標を(X1 ,Y1 )とすると、針
中心N1 は、
【0060】
【数12】N1 (X1 ,Y1 ,θ1 ,W1 ) として変換演算により設定される。
【0061】そして、第2の針落ち点S2 は針中心N2
に対して振り幅W2 /2、回転角θ2 となり、第3の針
落ち点S3 は針中心N3 に対して振り幅W3 /2、回転
角θ3 となるから、針中心N2 ,N3 のX,Y座標を
(X2 ,Y2 ),(X3 ,Y3)とすると、針中心N1
から針中心N2 ,N3 へのX軸,Y軸方向での移動量Δ
X2 ,ΔY2 、ΔX3 ,ΔY3 は、
【0062】
【数13】ΔX2 =X2 −X1 , ΔY2 =Y2 −Y1 ΔX3 =X3 −X2 , ΔY3 =Y3 −Y2 となり、針中心N2 ,N3 は、
【0063】
【数14】N2 (ΔX2 ,ΔY2 ,θ2 ,W2 ) N3 (ΔX3 ,ΔY3 ,θ3 ,W3 ) として変換演算により設定される。
【0064】次に、前記数11〜14の如く変換演算さ
れた針中心のデータN(ΔX,ΔY,θ,W)を第2変
換演算部43で、本縫いミシン46の移動枠をX軸,Y
軸方向に移動させるためのステッチデータS(ΔX,Δ
Y)に変換演算する処理について説明する。
【0065】即ち、前記数10により変換演算された開
始点N0 、針中心N1 ,N2 ,N3,…と針落ち点S0
,S1 ,S2 ,S3 ,…との関係は図10のように例
示される。
【0066】ここで、針落ち点S0 は開始点N0 に対し
て振り幅W0 /2、回転角θ0 なる関係にあるから、X
−Y座標上で原点(0,0)にある開始点N0 に対して
針落ち点S0 は、
【0067】
【数15】X=−W0 /2cosθ0 Y= W0 /2sinθ0 となる。また、針落ち点S1 は針中心N1 に対して振り
幅W1 /2、回転角θ1なる関係にあるから、X−Y座
標上で(X1 ,Y1 )なる針中心N1 に対して針落ち点
S1 は、
【0068】
【数16】X=X1 +W1 /2cosθ1 Y=Y1 −W1 /2sinθ1 となる。
【0069】そして、X−Y座標上で(Xk ,Yk )な
る任意の針中心Nk に対する針落ち点Sk は、
【0070】
【数17】X=Xk ±Wk /2cosθk Y=Yk ±Wk /2sinθk となり、+(プラス),−(マイナス)の極性は針落ち
点Sk の振り幅Wの方向に基づき決定される。また、本
縫いミシン46の移動枠をX軸,Y軸方向に移動させる
ためのステッチデータS(ΔX,ΔY)は、
【0071】
【数18】 ΔX=Xk ±Wk /2cosθk −Xk-1 ±Wk-1 /2cosθk-1 ΔY=Yk ±Wk /2sinθk −Yk-1 ±Wk-1 /2sinθk-1 として針落ち点Sk ,Sk-1 間のX軸,Y軸方向におけ
る差分を演算することにより求めることができる。
【0072】これにより、第1変換演算部42で変換演
算した針中心のデータN(ΔX,ΔY,θ,W)を第2
変換演算部43で前記数17,18に基づき針落ち点S
k 等のステッチデータS(ΔX,ΔY)に、
【0073】
【数19】 N(ΔX,ΔY,θ,W)→S(ΔX,ΔY) として変換演算することができる。そして、変換演算し
たステッチデータS(ΔX,ΔY)は図5に示すディス
プレイ40上で表示されると共に、フロッピーディスク
装置44またはパンチング装置45でフロッピーディス
クまたはテープに、例えば刺繍柄の作成速度信号、スト
ップ信号、刺繍糸の色選択信号およびX軸,Y軸方向の
極性等を含むファンクションデータと、X軸方向の移動
量データと、Y軸方向の移動量データとからなる3バイ
トデータとして書き込まれる。
【0074】かくして、テープまたはフロッピーディス
ク等に書き込まれた針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,
…のステッチデータS(ΔX,ΔY)は本縫いミシン4
6(図11参照)のミシン制御部47にテープリーダ5
0またはフロッピーディスク装置49等を介して読み込
まれる。そして、ミシン制御部47は読み込んだステッ
チデータS(ΔX,ΔY)に基づき、主軸モータ52,
X軸モータ53,Y軸モータ54等を駆動制御し、刺繍
針を上,下に往復動させると共に、移動枠をX軸,Y軸
方向に移動量ΔX,ΔYだけ移動させることにより、図
6に例示した針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,…Sk
等からなるジグザグ模様と同様の刺繍柄を繰り返し再現
できる。
【0075】ここで、図6に示す枠中心C0,C1 ,C2
,C3 ,…Ck のデータから針落ち点S0 ,S1 ,S2
,S3 ,…Sk のデータ、即ちティーチングデータC
(Δx,Δy,θ,W)をステッチデータS(ΔX,Δ
Y)に変換演算して刺繍を実現するが、この場合、開始
点N0 は(0,0)となり、開始点N0 から枠中心C0
までの前記移動量x0 はティーチング時の値に制限され
るものではなく、この移動量x0 なる値を本縫いミシン
46側で刺繍開始前に任意に設定すれば、同様の刺繍柄
を再現できる。
【0076】また、ステッチデータS(ΔX,ΔY)を
編集機51に読み取らせ、刺繍柄を拡大、縮小または変
形させたりして編集し直すことも可能であり、編集後の
データは表示器55で表示して確認できると共に、この
データに基づき本縫いミシン46を作動させて編集後の
刺繍柄を刺繍布上で再現させることができる。この場
合、編集機51に替えて、ステッチデータS(ΔX,Δ
Y)専用の編集装置を別途用意し、この編集装置でステ
ッチデータを本縫いミシン46に読み込ませる前に、拡
大、縮小または変形等の編集作業を行なうようにしても
よい。
【0077】従って、本実施例によれば、ティーチング
専用刺繍機10を用いてティーチングデータC(Δx,
Δy,θ′,W)を針中心に対する枠中心のデータとし
て作成し、このティーチングデータC(Δx,Δy,
θ′,W)を枠中心に対する針中心のデータN(ΔX,
ΔY,θ,W)に第1変換演算部42で変換演算し、さ
らにこれを第2変換演算部43でステッチデータS(Δ
X,ΔY)として変換演算した後に、このステッチデー
タS(ΔX,ΔY)をフロッピーディスク装置44また
はパンチング装置45等でフロッピーディスクまたはテ
ープ等に記憶させるようにしたから、従来技術で述べた
図12に示す柄作成機としてのタブレット1等を使用す
ることなく、ステッチデータS(ΔX,ΔY)を短時間
で容易に作成でき、本縫いミシン46によりこのステッ
チデータに基づく刺繍柄を高品質に再現できる。
【0078】また、このステッチデータを編集機51等
に読み込ませることにより、刺繍柄の拡大、縮小または
変形等を容易に行なうことができる上に、このステッチ
データを別途のタブレット1等で作成したステッチデー
タと組合せて付加価値の高い刺繍柄を作成することも可
能となる。
【0079】特に、刺繍柄の拡大、縮小を振り幅Wの拡
大、縮小により行う場合には、前述の如く開始点N0 を
含む針中心N1 ,N2 ,…Nk のデータに回転角θ0 ,
θ1,θ2 ,…θk および振り幅W0 ,W1 ,W2 ,…
Wk が与えられているから、これらの振り幅W0 ,W1
,W2 ,…Wk の値に拡大率または縮小率を乗算し
て、前記数15〜数18の変換演算を行うことにより、
振り幅Wが拡大、縮小された本縫いミシン46用のステ
ッチデータS(ΔX,ΔY)を簡単に作成することがで
き、例えば針落ち点S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,…Sk 間
の絶対値(即ち、針落ち点S0 ,S1 間、針落ち点S1
,S2 間、…針落ち点Sk-1 ,Sk 間の離間寸法)を
それぞれ求めた後に、振り幅中心(例えば針中心)の進
行方向および角度を算定して、針落ち点S0 ,S1 ,S
2 ,S3 ,…Sk を移動させたりする面倒な演算作業の
必要がなくなる。また、柄全体の拡大、縮小、回転、移
動等を複合させたりする場合でも、これと同様に本縫い
ミシン46用のステッチデータS(ΔX,ΔY)を簡単
に作成することができる。
【0080】さらに、ティーチング専用刺繍機10は移
動枠17および回転枠20に駆動源や回転源等を設ける
ことなく、これらを手動で操作するようにしているか
ら、移動枠17および回転枠20を軽量化でき、オペレ
ータは軽い操作でティーチング作業をスムーズに行なう
ことができる。そして、移動枠17のx軸,y軸方向移
動量をタブレット22を用いて高精度に検出でき、ティ
ーチング作業による刺繍柄の品質を向上できると共に、
その後に本縫いミシン46等を用いて再現させる刺繍柄
の品質も高めることができる。
【0081】さらにまた、ディスプレイ40等にマウス
(図示せず)を接続すれば、表示した刺繍柄の位置を移
動したり、拡大、縮小して刺繍柄の修正を行なうことも
可能である。また、制御ユニット41から変換演算後の
ステッチデータS(ΔX,ΔY)を他の本縫いミシン4
6等に通信回線等でデータ転送することも可能である。
【0082】なお、前記実施例では、ティーチングデー
タC(Δx,Δy,θ′,W)を数5〜数10の演算式
に基づき第1変換演算部42で針中心のデータN(Δ
X,ΔY,θ,W)に変換演算するものとして述べた
が、例えばCk (xk ,yk ,θk ′,Wk )としてデ
ータ表示される枠中心Ck のx−y座標データ(xk ,
yk )は実際には、
【0083】
【数20】 として求められるものであり、針中心のデータN(Δ
X,ΔY,θ,W)のうち、例えば針中心NkのX−Y
座標での差分値データ(ΔXk,ΔYk)はこの数20
および前記数5〜数10の演算式に基づいて、
【0084】
【数21】 ΔXk =Xk −(X0 +ΔX1 +ΔX2 +…+ΔXk-1 ) ΔYk =Yk −(Y0 +ΔY1 +ΔY2 +…+ΔYk-1 ) ただし、Y0 =0 として求められ、前記数10の三角関数を用いた演算で
小数点二桁以降の値を四捨五入したときの累積誤差が出
来るかぎり小さくなるように演算を行うのがよい。ま
た、前記数15〜数19に基づいて演算されるステッチ
データS(ΔX,ΔY)についても同様である。
【0085】また、前記実施例では、ティーチング専用
刺繍機10によりティーチング作業を行なうものとして
述べたが、本発明はこれに限らず、従来からティーチン
グ作業に使用されている回転付ジグザグミシン等をティ
ーチング用刺繍機として用いてもよい。
【0086】さらに、前記実施例では、ステッチデータ
S(ΔX,ΔY)をフロッピーディスク装置44等のデ
ータ記憶手段でフロッピーディスクに記憶させるものと
して述べたが、これに替えて、ハードディスク装置等の
種々のデータ記憶手段を採用するようにしてもよいこと
は勿論である。
【0087】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、ティ
ーチング用刺繍機で作成したティーチングデータC(Δ
x,Δy,θ−θ0 ,W)を回転枠の枠中心に対する針
中心のデータN(ΔX,ΔY,θ,W)に変換した後
に、これを本縫い刺繍機用のステッチデータS(ΔX,
ΔY)に変換して記憶させる構成としたから、柄作成機
等を使用することなく、ステッチデータS(ΔX,Δ
Y)を短時間で容易に作成でき、このステッチデータ
(ΔX,ΔY)に基づく刺繍柄を本縫い刺繍機等で高品
質に再現できる上に、刺繍柄の拡大、縮小等の編集作業
を容易に行なうことができ、編集後の刺繍柄を繰り返し
再現できる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるティーチング専用刺繍機
を示す正面図である。
【図2】ヘッドの一部を破断して示す図1の拡大平面図
である。
【図3】針軸および刺繍針の振り幅を示す説明図であ
る。
【図4】図1に示す制御パネルの拡大図である。
【図5】実施例によるステッチデータ作成装置を示す制
御ブロック図である。
【図6】ティーチングによる刺繍柄の作成状態を示す枠
中心および針中心等の説明図である。
【図7】ティーチングにより刺繍柄を作成するときに針
中心に対して回転枠および枠中心を順次移動させる状態
を示す説明図である。
【図8】ティーチングにより刺繍柄を作成した状態を示
す枠中心および針中心等の説明図である。
【図9】枠中心に対する針中心の関係を示す説明図であ
る。
【図10】X−Y座標上での針中心と針落ち点との関係
を示す説明図である。
【図11】本縫いミシンを示す制御ブロック図である。
【図12】従来技術によるタブレットを示す正面図であ
る。
【図13】図12に示すドラフトの一部を拡大して示す
針中心および針落ち点等の説明図である。
【符号の説明】
10 ティーチング専用刺繍機 11 基台 14 ヘッド 16 刺繍針 17 移動枠 20 回転枠 21 刺繍布 22 タブレット 25 回転センサ 26 制御レバー 27 振り幅センサ 41 制御ユニット(ティーチングデータ作成手段) 42 第1変換演算部(第1のデータ変換手段) 43 第2変換演算部(第2のデータ変換手段) 44 フロッピーディスク装置(データ記憶手段) 45 パンチング装置(データ記憶手段) 46 本縫いミシン N0 開始点 N1 ,N2 ,N3 ,Nk 針中心 S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,Sk 針落ち点 C0 ,C1 ,C2 ,C3 ,Ck 枠中心 θ 回転角 W 振り幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 1/00 - 97/12 D05C 1/00 - 17/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍用の下糸が配置される基台と、該基
    台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側の
    刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッドと、該ヘ
    ッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に設けら
    れ、駆動源により該基台上でX軸およびY軸方向に駆動
    される移動枠とを備え、該移動枠上に展張した状態で保
    持した刺繍布にステッチデータに基づいた刺繍柄を実現
    する本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置であっ
    転枠に展張した状態で保持した刺繍布を手動で回転さ
    せつつx軸,y軸方向に移動させ、刺繍針を所望の振り
    幅で駆動することにより、前記刺繍布に所望の刺繍柄を
    作成するティーチング用刺繍機と ティーチング用刺繍機に設けられ、前記刺繍布のx
    軸,y軸方向移動量(Δx,Δy)、回転角(θ)およ
    び前記刺繍針の振り幅(W)からなる前記刺繍柄に対応
    したティーチングデータC(Δx,Δy,θ−θ0 ,
    W)(但し、θ0 は初期回転角)前記刺繍針の針中
    心に対する前記回転枠の枠中心のデータとして作成する
    ティーチングデータ作成手段と ティーチングデータ作成手段で作成したティーチング
    データC(Δx,Δy,θ−θ0 ,W)前記X軸,
    Y軸方向移動量(ΔX,ΔY)、回転角(θ)および前
    記刺繍針の振り幅(W)を含む前記回転枠の枠中心に対
    する刺繍針の針中心のデータN(ΔX,ΔY,θ,W)
    に変換する第1のデータ変換手段と 第1のデータ変換手段で変換した針中心のデータ
    (ΔX,ΔY,θ,W)前記X軸,Y軸方向移動量
    (ΔX,ΔY)、回転角(θ)および前記刺繍針の振り
    (W)に基づき前記移動枠のX軸,Y軸方向移動量
    (ΔX,ΔY)からなるステッチデータS(ΔX,Δ
    Y)に変換する第2のデータ変換手段と 第2のデータ変換手段で変換したステッチデータ
    (ΔX,ΔY)を記憶するデータ記憶手段とから構成し
    たことを特徴とする本縫い刺繍機用のステッチデータ作
    成装置。
JP23285492A 1991-08-12 1992-08-07 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置 Expired - Lifetime JP2899179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23285492A JP2899179B2 (ja) 1991-08-12 1992-08-07 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22648791 1991-08-12
JP3-226487 1991-08-12
JP23285492A JP2899179B2 (ja) 1991-08-12 1992-08-07 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05192467A JPH05192467A (ja) 1993-08-03
JP2899179B2 true JP2899179B2 (ja) 1999-06-02

Family

ID=26527184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23285492A Expired - Lifetime JP2899179B2 (ja) 1991-08-12 1992-08-07 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2899179B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007244463A (ja) 2006-03-14 2007-09-27 Brother Ind Ltd ミシンの布保持枠移送装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05192467A (ja) 1993-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3769602B2 (ja) アップリケの切断データ及び刺繍データの作成装置
JP2883429B2 (ja) ミシンの縫製データ作成装置
JP4123576B2 (ja) 刺繍データ処理装置及び刺繍データ処理プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体
JP2899179B2 (ja) 本縫い刺繍機用のステッチデータ作成装置
JP2899178B2 (ja) ステッチデータ作成装置
JP3002568B2 (ja) ティーチング用刺繍機
JP2899185B2 (ja) 回転付きジグザグ刺繍機
JP2748154B2 (ja) ミシンの刺しゅう模様入力装置
JP3345614B2 (ja) アップリケの刺繍データ作成方法
JPS63105787A (ja) ミシン
JP2747675B2 (ja) 回転付きジグザグ刺繍機
JP2918186B2 (ja) 刺繍機用データ作成装置
US5775241A (en) Sewing machine
JPS61253092A (ja) 刺しゆう機
JPH03193089A (ja) 刺しゅう用ミシン
US6263256B1 (en) Embroidery pattern display apparatus
JP2650250B2 (ja) 自動ミシン
JP3525680B2 (ja) 自動ミシン
JP3878223B2 (ja) アップリケ用布片の輪郭データ作成方法
JP3769794B2 (ja) 縫製データ処理装置及びミシン
JP3345613B2 (ja) アップリケの刺繍構造及び刺繍データ作成方法
JP2935914B2 (ja) 縁形成ミシン
JPH02133648A (ja) 自動刺繍機
JPH0258170A (ja) 機能選択方法
JP3325976B2 (ja) 回転付きジグザグ刺繍機用データ変更装置