JP2898693B2 - プレコート鋼板の製造方法 - Google Patents

プレコート鋼板の製造方法

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正之 植竹
浩治 森
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、顔料濃度の低い塗膜表層を高架橋密度にし
て、耐薬品性、耐溶剤性および耐疵付き性を付与したプ
レコート鋼板の製造方法に関する。
(従来技術) 近年、塗装部材の製造は、公害や製造コストの観点か
ら、自家塗装を中止して、プレコート鋼板を用いて加工
する方法が採用されている。このプレコート鋼板の一般
的なものは、鋼板にリン酸塩処理やクロメート処理のよ
うな塗装前処理を施して、下塗り塗装および上塗り塗装
を施したものであるが、上塗り塗料としては、熱硬化型
樹脂塗料を塗装し、それを加熱焼付けている。
このプレコート鋼板の色調は、淡彩色のものが多い
が、近年は、意匠性の面から黒色や紺色のような濃彩色
にまで使用するようになってきている。
ところで、プレコート鋼板を部材に加工する場合、ベ
ンダー加工やプレス加工を伴うので、塗膜としては、耐
疵付き性に優れていることが必要で、また、加工後部材
に付着した汚れを薬品や溶剤で除去したりするので、耐
薬品性、耐溶剤性を有していなければならない。
しかし、塗膜色調が濃彩色のものは、顔料濃度が樹脂
100重量部当り2〜10重量部と淡彩色の15〜40重量部に
比べて少ないため、塗膜の耐薬品性、耐溶剤性および耐
疵付きき性が劣り、製品によっては使用できない場合が
あった。
そこで、これらの欠点を改良するために、従来より種
々の対策を講じている。その代表的な方法が(1)塗料
中の硬化剤を増量したり、体質顔料や触媒を少量添加す
る方法応、(2)熱硬化塗料に電子線硬化型のモノマー
または樹脂を添加して、電子線照射で塗膜を半硬化状態
で加工し、その後加熱して完全硬化させる方法、(3)
塗膜の上に耐薬品性、耐溶剤性に優れた高架橋密度の放
射線硬化塗膜をさらに設ける方法である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、(1)の方法は、三次元架橋反応が促
進されるため、塗膜の加工性が著しく低下してしまう。
また、塗料の品質設計は、色調に関係なく樹脂と硬化剤
の配合比を一定にして、色調により塗膜性能に差が生じ
ないようにしているので、色調により硬化剤の配合量を
変化させると、塗膜性能が設計のものと異なってしま
う。さらに、体質顔料や触媒の添加は、色調や光沢に与
える影響が大きいので、少量の添加でもそれらを変化さ
せてしまう。
(2)の方法の熱硬化塗料に電子線硬化型モノマーを
添加する方法は、例えば、特公昭35−17694号公報、特
開昭48−640号公報に開示されているような方法、すな
わち、ポリ塩化ビニル樹脂組成物にエチレン性結合を2
以上有するモノマーを添加し、樹脂と架橋反応させる方
法を塗料に応用する方法である。しかし、これらの方法
は、成形温度が120〜150℃と比較的低い熱可塑性樹脂の
シートやチューブなどに使用する組成物を対象とするも
のであり、加熱焼付け温度が200〜250℃であるプレコー
ト鋼板の製造に適用すると、モノマーが揮発して減量
し、耐薬品性や耐溶剤性などを改善できない。一方、熱
硬化塗料に電子線硬化型樹脂を添加する方法は、特公昭
62−20908号、同62−20909号、同62−20910号の公報に
みられる方法であるが、この方法の場合、塗膜が半硬化
の粘着状態であるため、加工時に保護フィルムを表面に
貼付けなければ、加工疵が発生してしまう。また、塗膜
が粘着状態でないものでも半硬化であるため、加工後の
脱脂により塗膜の一部が溶解し、塗膜外観が変化してし
まう。
(3)の方法は、特開昭63−137778号、特開平1−11
137号、同1−36639号、同1−135568号および同1−23
0644号などの公報に示された方法であるが、この方法の
場合、塗膜樹脂が熱可塑型であれば、モノマーが塗膜表
層に浸透するので、電子線でグラフト重合させ、高架橋
塗膜を熱硬化型塗膜の上に形成できる。しかし、塗膜樹
脂が熱硬化型の場合、モノマーを塗膜表層に浸透させる
ことが困難であるため、高架橋塗膜を形成できない。
本発明は、以上の点に鑑み、顔料濃度が低くても耐薬
品性、耐溶剤性および耐疵付き性の優れたプレコート鋼
板の製造方法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、熱硬化型樹脂塗料を表面に塗布して、加熱
焼付けすることによりプレコート鋼板を製造する際、塗
料として、(メタ)アクリロイル基を3個以上有するモ
ノマーを塗料樹脂100重量部当り5〜15重量部添加した
ものを用いるか、またはこのモノマー添加塗料を用い
て、加熱焼付け後電子線照射することによりプレコート
鋼板の塗膜を耐薬品性、耐溶剤性および耐疵付き性の優
れたものにした。
(作用) 本発明の塗料は、熱硬化型樹脂塗料であるので、鋼板
に塗装し、加熱焼付けすると、塗膜は硬化する。しか
し、塗料中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する
モノマーを添加してあると、モノマーが焼付け初期の温
度で塗膜表層に大部分が浸出し、表層がモノマー濃度の
高い塗膜となる。この表層に浸出したモノマーおよび塗
膜内部に残存したモノマーの一部は、加熱焼付け中に塗
料成分と反応し、塗膜を硬化させるが、硬化剤を増量さ
せた程硬化させず、かつ、塗膜中にはモノマーが残存し
ているので、塗膜加工性はモノマー未添加のものとあま
り変わらない。以上のようにして硬化した塗膜は、機械
加工に十分耐える程度に硬化しているので、保護フィル
ムなどを貼付けなくても機械加工することができる。
加熱焼付け後の塗膜に電子線を照射すると、モノマー
と硬化剤とが樹脂と橋架け反応を起こし、塗膜を硬化さ
せるが、塗膜中のモノマー濃度は、表層が高く、内部が
低くなっているので、塗膜の極く表層が高架橋状態にな
り、耐薬品性、耐溶剤性および耐疵付き性に優れた塗膜
となる。この塗膜は、極表層だけが高架橋状態になった
ものであるから、加工性は良好である。
モノマーとしては、沸点が180℃以上で、180℃付近で
は熱重合を起こさないもの、例えば、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートなどが好ましい。モノマーの沸点が180℃
未満であると、焼付け時に表層部分のものが揮発すると
ともに、硬化剤との反応前にモノマー同志が重合し、表
層への浸出も少なくなり、表層部分の架橋密度が小さく
なる。モノマーの代わりにオリゴマー、例えば、分子量
1000以上のものを使用することは、表層の架橋密度が小
さくなり、加工性は良好になるものの、耐溶剤性が劣っ
てしまう。
モノマーの添加量は、塗料樹脂100重量部当り5重量
部未満であると、塗膜硬化反応が不十分となり、15重量
部より多いと、光沢が上昇し、耐溶剤性も劣ってくるの
で、5〜15重量部にするのが好ましい。
塗膜の硬化は、電子線照射前にモノマーを表層に浸出
させなければならないので、まず加熱焼付けを先に行
い、その後電子線照射を実施する。電子線照射を先に実
施すると、モノマーが塗膜内に均一分布した状態で架橋
反応してしまうため、塗膜高度が大きくなり、加工性が
低下してしまう。
プレコート鋼板製造に使用する熱硬化型樹脂塗料の加
熱焼付け条件は、多くの場合、最高到達板温190〜230
℃、焼付け時間45〜90秒であるが、この条件で加熱焼付
けすれば、モノマーは塗膜表層に浸出するので、特別な
条件を必要としない。電子線照射は、線量1〜5Mradで
行う。1Mrad未満であると硬化が不十分であり、5Mradよ
り多くすると、色調が変化してしまう場合がある。
本発明でモノマーを添加する熱硬化型樹脂塗料は、従
来よりプレコート鋼板製造に使用している塗料で十分で
ある。多くの場合、飽和ポリエステル塗料が使用されて
いるが、飽和ポリエステル樹脂としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの
多価アルコールと無水フタル酸、イソフタル酸、無水マ
レイン酸、フマル酸などの多塩基酸とをエステル化反応
させたものでもよい。また、塗料中に配合する硬化剤と
しては、アミノ樹脂を使用しているが、この樹脂がメチ
ル化メラミン、n−ブチル化メラミン、イソブチル化メ
ラミンでもよい。飽和ポリエステル塗料の場合の好まし
い配合例を次に掲げる。
飽和ポリエスエル樹脂 100重量部 アミノ樹脂 10〜30重量部 顔料 2〜10重量部 希釈剤 50〜200重量部 モノマー 5〜15重量部 塗膜厚は、プレコート鋼板の用途に応じて種々変更可
能であるが、通常、5〜25μmにする。
塗装原板としては、亜鉛やアルミニウムめっき鋼板が
一般に使用されているが、用途によっては普通鋼板板、
ステンレス鋼板、ティンフリーめっき鋼板などの鋼板類
も使用できる。
鋼板への塗料塗装は、塗装前にプレコート鋼板の場
合、化成処理、下塗り塗装を施しているが、用途によっ
ては、これらの一方または両方を省略して塗装してもよ
い。塗料中にモノマーを添加しても、化成処理や下塗り
塗料を変更する必要がなく、例えば、化成処理は、リン
酸塩処理、クロメート処理など従来一般に使用されてい
るもので十分であり、また、下塗り塗料もエポキシ系樹
脂塗料、ポリエステル系樹脂塗料などで十分である。
(実施例) 板厚0.4mmの電気亜鉛めっき鋼板(付着量20g/m2、片
面)に脱脂、塗布型クロメート処理(Cr付着量60mg/
m2)を施した後、ポリエステル系下塗り塗料を乾燥塗膜
厚で5μmとなるように塗装して、加熱焼付けし、引続
いてその上に表1に示す組成の上塗り塗料に(メタ)ア
クリロイル基を3個以上有するモノマーを添加したもの
を塗布して、210℃で60秒間加熱焼付けした。その後一
部はこの加熱焼付けしたままで性能試験に供したが、大
部分は加熱焼付け後電子線を照射した。表2に性能試験
結果を示す。
なお、性能試験は、次の方法で行った。
(1)塗膜硬化度 塗膜表面をキシレン含浸綿で荷重1.5Kgかけた状態で
往復運動させながらこすり、下塗り塗膜の露出するまで
の回数を数えた。
(2)塗膜硬度 JIS G 3312に準じて鉛筆硬度を測定した。
(3)塗膜光沢 JIS K 5400に準じて測定した。
(4)塗膜変色 大気雰囲気中において180℃で2時間加熱して、色調
を目視観察し、下記基準で評価した。
◎ 変化なし ○ 僅かに色調変化 △ 黄変化 × 黒変化 (5)塗膜加工性 塗膜屈曲性をJIS K 5400に準じて評価した。
(6)耐薬品性、耐溶剤性 JIS K 5400に準じて実施し、下記基準で評価した。
◎ 変化なし ○ 小フクレ1〜2点 △ 塗膜全面に縮み発生 × 塗膜剥離 また、第1図に実施例8と比較例1との塗膜深さ方向
の架橋状態をXPSを用いて調査した結果を示す。なお、
第1図で横軸の塗膜深さ5μのものは、塗膜をサンドペ
ーパーで研摩して露出させた。
第1図において、O(酸素)は添加モノマーTMPTMAに
由来するものであり、N(窒素)は硬化剤のメラミン樹
脂に由来するものである。
なお、塗膜における全N量については、酸素、窒素分
析装置により測定したが、実施例、比較例とも同一レベ
ルであった。
(発明の効果) 以上のごとく、本発明によれば、塗膜顔料濃度の低い
プレコート鋼板でも、加工性を損なうことなく耐薬品
性、耐溶剤性および耐疵付き性を改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で本発明法により製造したプレコート
鋼板と従来法で製造したプレコート鋼板の塗膜深さ方向
の架橋状態をXPSを用いて調査したグラフを示すもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 7/14,7/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化型樹脂塗料を表面に塗布して、加熱
    焼付けすることによりプレコート鋼板を製造する際、塗
    料として、(メタ)アクリロイル基を3個以上有するモ
    ノマーを塗料樹脂100重量部当り5〜15重量部添加した
    ものを用いることを特徴とするプレコート鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】第1項での加熱焼付け後、電子線を1〜5M
    rad照射することを特徴とするプレコート鋼板の製造方
    法。
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