JP2897575B2 - インクジェットプリンタ用ホットメルトインク - Google Patents

インクジェットプリンタ用ホットメルトインク

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JP2897575B2
JP2897575B2 JP1870893A JP1870893A JP2897575B2 JP 2897575 B2 JP2897575 B2 JP 2897575B2 JP 1870893 A JP1870893 A JP 1870893A JP 1870893 A JP1870893 A JP 1870893A JP 2897575 B2 JP2897575 B2 JP 2897575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タ用ホットメルトインクに関するものであり、さらに詳
細には、常温では固体として存在し、プリンティングを
行う際に常温よりも高い温度で加熱溶融してから使用す
るインクジェットプリンタ用ホットメルトインクに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタは印刷技
術において、無騒音,高速,高品位,およびカラー等の
多くの利点を有しているが、ノズルから噴出されるイン
ク液滴を直接記録紙上に付着させて記録を行っているた
め、記録紙の種類によって印字品質や印刷乾燥時間に影
響が生じ、質の悪い紙に対して記録を行うと著しく印字
品質が低下することがあった。
【0003】そこで、このような欠点を解決する手段と
して、室温より高い温度に融点を持つホットメルトタイ
プのインクを使用することにより、記録紙の種類に関わ
らず、均一なドット径にて印刷を行うことができるもの
が知られている。また、これに用いられるインク組成物
としては、米国特許第4390369号明細書及び特開
昭58ー108271号公報に開示される天然ワックス
を含有するインク、特開昭59−22973号公報に開
示されるステアリン酸を含有するインク、特開昭61−
83268号公報に開示されるC20〜C24の酸またはア
ルコールを含み、更にこれらと融点が相対的に高いケト
ンを含有するインク等の、色材として染料を用いたもの
が提案されている。更に、米国特許第4659383号
明細書及び特公平2−18710号公報には、65℃よ
り高い融点を有するワックスまたはC18〜C24の脂肪
酸、もしくはアルコールに固体顔料を分散させたホット
メルトインクが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のインクジェットプリンタ用ホットメルト
インクは、含有される色材として染料を用いた場合に
は、その染料の溶解度の善し悪し等の問題により、使用
できる染料が限定され、また、長時間の加熱、或いは繰
り返しの加熱冷却に対して必ずしも安定した状態を保持
することができず、更には耐光堅牢性にも問題を有して
いた。また、色材として顔料を用いた場合には、耐光堅
牢性は優れるものの、顔料の分散性、分散安定性が十分
とは言えず、加熱状態での保存安定性も良好とは言い難
かった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、色材の分散性、分散安定性に優
れ、且つインク自体の耐熱安定性、耐光堅牢性に優れた
ホットメルトインクを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインクジェットプリンタ用ホットメルトイン
クは、溶解性パラメ−タの値(SP値)が9.50以下
で、且つ炭素数分布の標準偏差(SD値)が3.3以下
であって、更にはインク全体の重量に占める重量比が5
0%以上の常温固体ワックスと、その常温固体ワックス
と相溶し、且つ前記溶解性パラメータの値が9.01以
上で前記常温固体ワックスよりも大きい値を有する高極
性有機物質と、前記常温固体ワックス、或いは有機物質
の少なくとも一方と相溶し、且つ重量平均分子量が50
0以上の高分子材料と、色材としての顔料とを含有して
いる。
【0007】
【作用】上記の構成を有する本発明のインクジェットプ
リンタ用ホットメルトインクが含有する常温固体ワック
スは、顔料の分散媒であると同時に、常温で固体であ
り、熱エネルギーによって溶融し、融点以上の温度にお
いてインク吐出可能な粘度を有する液体となり、インク
噴出温度において、熱的に安定に存在する。
【0008】ここにおいて、前記常温固体ワックスは、
JIS規格のK2235に規定された融点試験法によっ
て測定した融点が60℃以上であることが望ましく、さ
らに望ましくは65℃以上であって、最も望ましくは7
0℃以上である。
【0009】また、前記常温固体ワックスの極性を表す
方法として、SP値(Solbility Param
eter)を用いることが望ましい。一般的に、SP値
が小さければ極性も小さく、SP値が大きければ極性も
大きい。この方法において、前記常温固体ワックスのS
P値は9.50以下であることが望ましく、さらに望ま
しくは9.00以下であって、最も望ましくは8.50
以下である。
【0010】また、前記常温固体ワックスの分子量分布
状態を表す方法としては、示差屈折計を検出器に用いた
ゲル浸透クロマトグラフィ−、もしくは熱伝導度計を検
出器とした昇温ガスクロマトグラフィ−の測定結果より
計算して得られる炭素数分布の標準偏差(SD値)を用
いることが望ましい。一般的に、SD値が0ならば、そ
の物質は単分散であり、SD値が大きいほどその物質の
分子量分布は広くブロ−ドであると判断できる。この方
法において、前記常温固体ワックスの炭素数分布の標準
偏差の値は3.3以下であることが望ましく、さらに望
ましくは3.2以下であって、最も望ましくは3.1以
下である。
【0011】前述の各種の値が望ましい理由は、前記常
温固体ワックスのSP値が9.51以上になったり、S
D値が3.3を越えてしまうと、低分子量成分の顕著な
増加に起因する加熱保存時の蒸発が無視できなくなった
り、熱的に不安定となるなど、長時間加熱によって著し
い劣化が起きてしまうことによる。
【0012】また、本発明に用いられる前記常温固体ワ
ックスとしては、例えば石油ワックス、望ましくはパラ
フィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックス
や、鉱物系ワックス、望ましくはオゾケライトまたはセ
レシンや、合成炭化水素、望ましくはフィッシャ−トロ
プシュワックスまたはポリエチレンワックスや、ケト
ン、望ましくはステアロンまたはラウロンや、高級脂肪
酸、望ましくはベヘン酸,ステアリン酸,パルミチン酸
またはミリスチン酸や、高級アルコ−ル、望ましくはス
テアリルアルコ−ルまたはベヘニルアルコ−ルや、エス
テル、望ましくはステアリン酸メチルまたはステアリン
酸オクタデシルや、変性ワックス、望ましくはパラフィ
ンワックス誘導体等が挙げられる。また、これらのワッ
クスは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いて
もよい。
【0013】また、本発明に用いられる有機物質は、必
ずしも常温で固体である必要はなく、前記常温固体ワッ
クスよりも相対的に極性が大きく、該常温固体ワックス
と相溶し、顔料の分散を容易にする働きをする。ここ
で、該有機物質のSP値は、9.01以上であることが
望ましい。もし、該有機物質のSP値が9.00以下で
あるなら、顔料分散能力が不十分となってしまう可能性
がある。
【0014】該有機物質としては、例えば、石油ワック
ス、望ましくはペトロラクタムや、植物系ワックス、望
ましくはキャンデリラワックス,カルナウバワックス,
ライスワックス,木ロウまたはホホバ油や、ホホバ固体
ロウや、動物系ワックス、望ましくはミツロウ,ラノリ
ンまたは鯨ロウや、鉱物系ワックス、望ましくはモンタ
ンワックスや、水素化ワックス、望ましくは硬化ヒマシ
油または硬化ヒマシ油誘導体や、変性ワックス、望まし
くはモンタンワックス誘導体,パラフィンワックス誘導
体,マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエ
チレンワックス誘導体や、高級脂肪酸、望ましくはベヘ
ン酸,ステアリン酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,ラ
ウリン酸またはオレイン酸や、高級アルコ−ル、望まし
くはステアリルアルコ−ルまたはベヘニルアルコ−ル
や、ヒドロキシステアリン酸、望ましくは12−ヒドロ
キシステアリン酸または12−ヒドロキシステアリン酸
誘導体や、脂肪酸アミド、望ましくはラウリン酸アミ
ド,ステアリン酸アミド,オレイン酸アミド,エルカ酸
アミド,リシノ−ル酸アミド,12−ヒドロキシステア
リン酸アミド,特殊脂肪酸アミドまたはN−置換脂肪酸
アミドや、アミン、望ましくはドデシルアミン,テトラ
デシルアミンまたはオクタデシルアミンや、エステル、
望ましくはステアリン酸メチル,ステアリン酸オクタデ
シル,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エ
ステル,プロピレングリコ−ル脂肪酸エステル,エチレ
ングリコ−ル脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレン
脂肪酸エステルや、重合ワックス、望ましくはα−オレ
フィン無水マレイン酸共重合体ワックス等が挙げられ
る。また、上記の有機物質は、単独で用いてもよいし、
2種以上混合して用いてもよい。
【0015】また、本発明に用いられる高分子材料は、
前記常温固体ワックス及び前記有機物質よりも相対的に
分子量が大きく、該常温固体ワックス、或いは該有機物
質の少なくとも一方と相溶し、立体障害効果によって顔
料の分散を安定化している。該高分子材料の分子量につ
いては、示差屈折計を検出器としたゲル浸透クロマトグ
ラフィ−、もしくは熱伝導度計を検出器とした昇温ガス
クロマトグラフィ−により分子量分別分析を行い、その
結果から得られる重量平均分子量が、望ましくは500
以上500000以下であって、さらに望ましくは60
0以上400000以下であって、最も望ましくは70
0以上300000以下である。これは、平均分子量が
500未満であると立体障害効果が薄れ、結果として分
散安定化の効果が薄れてしまう。
【0016】該高分子材料としては、油溶性樹脂が望ま
しい。該油溶性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹
脂、望ましくはポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂
またはポリイソブチレン樹脂や、ビニル系樹脂、望まし
くはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合樹脂,酢酸ビニル樹脂またはエチレン−
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂や、アクリル系樹脂、望ま
しくはメタクリル酸エステル樹脂,ポリアクリル酸エス
テル樹脂,エチレン−エチルアクリレ−ト共重合樹脂ま
たはエチレン−メタクリル酸共重合樹脂や、フェノ−ル
樹脂や、ポリウレタン樹脂や、ポリアミド樹脂や、ポリ
エステル樹脂や、ケトン樹脂や、アルキド樹脂や、ロジ
ン系樹脂や、水素添加ロジン樹脂や、石油樹脂や、水素
添加石油樹脂や、マレイン酸樹脂や、ブチラ−ル樹脂
や、クロマン−インデン樹脂や、テルペン樹脂や、水素
添加テルペン樹脂等が挙げられる。また、これらの高分
子材料は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用
いてもよい。
【0017】さらに本発明に用いられる顔料は、前記常
温固体ワックスと前記有機物質と前記高分子材料からな
る混合物中に微分散状態で存在し、色材としての性能を
有している。
【0018】ここで、前記顔料については特に制限はな
く、有機顔料、無機顔料のうち、任意のものを選べばよ
い。但し、本発明の効果が顕著に現れるのは、有機顔料
では、キナクリドン系有機顔料、アゾレ−キ系有機顔
料、イソインドリノン系有機顔料、ジスアゾ系有機顔
料、またはフタロシアニン系有機顔料の場合である。ま
た、無機顔料では、カ−ボンブラックでの効果が特に顕
著である。また、これらの顔料は、単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよいし、色調製のために
染料を加えてもよい。
【0019】尚、本発明のインクジェットプリンタ用ホ
ットメルトインクには上記の4つの基本成分(常温固体
ワックス、有機物質、高分子材料、顔料)が必須であ
り、どの要素が欠けても本発明の効果は得られない。
【0020】また、上記4つの基本成分の組成重量比に
ついては、以下のような範囲であることが望まれる。ま
ず、前記常温固体ワックスは、重量比で50〜99%が
望ましく、さらに望ましくは50〜96%であって、最
も望ましくは60〜90%である。この理由は、該常温
固体ワックスが50%未満となると、インクとして基本
的に必要な常温で固体であるという条件が満足されなく
なったり、耐熱安定性が十分でなくなってしまう等の問
題を生じるためである。
【0021】また、前記有機物質は、0.1〜48%が
望ましく、さらに望ましくは1〜45%であって、最も
望ましくは3〜40%である。また、前記高分子材料
は、0.1〜48%が望ましく、さらに望ましくは1〜
45%であって、最も望ましくは3〜40%である。ま
た、前記顔料は、0.1〜20%が望ましく、さらに望
ましくは0.5〜10%であって、最も望ましくは1〜
8%である。
【0022】また、本発明のインクジェットプリンタ用
ホットメルトインクは以下のような方法で調製すること
ができる。
【0023】まず始めに、前記有機物質と顔料、もしく
は、該有機物質と該高分子材料と該顔料、もしくは、該
常温固体ワックスと該有機物質と該高分子材料と該顔料
を混合し、該混合物を溶融液体状態にして3本ロ−ルミ
ル、アトライタ−、ボ−ルミル、コロイドミル等の分散
機を用いて、顔料を微細粒子に分散させて分散物を得
る。その後、最終インク組成に合わせて、該顔料以外の
不足成分を加熱した該分散物中に混合して組成物を得
る。最後に、該組成物を加熱液体状態で、10μm以下
のメッシュフィルタ−を通して濾過し、最終的なインク
を得る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について説
明する。
【0025】実施例1 実施例1のホットメルトインクに含有される常温固体ワ
ックスは、ステアリン酸(ルナックS−90、花王社
製、SP値=9.12、SD値<3.0)であり、有機
物質は、ポリエチレンワックス誘導体(POWAX H
−10、日本石油社製SP値>9.2)であり、高分子
材料は、ロジン樹脂(ス−パ−エステルA−75、荒川
化学社製、Mw=970)であり、顔料は、カーボンブ
ラック(MA−7、三菱化成社製)である。
【0026】そして、実施例1に用いたインクの組成は
以下に示すとおりである。
【0027】 ルナックS−90 73重量部 POWAX H−10 22重量部 ス−パ−エステルA−75 3重量部 MA−7 2重量部 上記ホットメルトインクは、図1に示すような手順で製
造することができる。まず始めに、ポリエチレンワック
ス誘導体2(60重量部)とカ−ボンブラック4(40
重量部)を100℃の加熱下で混合する。そして、井上
製作所製の温度制御3本ロ−ルミルであるサイボンロ−
ラ−10を使用し、該混合物5を75℃の加熱条件下で
3回パスすることによって分散を行う。
【0028】次に、該分散物6(5重量部)を120℃
で加熱溶融し、これにステアリン酸1を73重量部、ポ
リエチレンワックス誘導体2を19重量部、ロジン樹脂
3を3重量部加えて、撹半混合する。
【0029】そして、調製された該組成物7を120℃
に熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、
その上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これをニコン
社製顕微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行
った結果、ほとんど粒子は確認できず、従って、カ−ボ
ンブラック4はそのほとんどが1μm以下の粒子径に微
分散しており、顔料分散性は良好であることが確認され
た。
【0030】次に該組成物7を東洋濾紙社製加熱濾過装
置にて1μmのメッシュフィルタ−9を使用して濾過を
行い、最終的なホットメルトインク8を得た。
【0031】以上のようにして得られた実施例1の該ホ
ットメルトインク8は、インクジェットプリンタ用ホッ
トメルトインクとして使用可能である。そして該ホット
メルトインク8は、常温で黒色固体であって、68℃以
上の温度で溶融液体化し、ブルックフィ−ルド社製粘度
計”LVTD−2+サ−モゼルシステム”にて粘度を測
定したところ125℃で32cpであった。
【0032】実施例2 実施例2のホットメルトインクに含有される常温固体ワ
ックスは、パラフィンワックス(HNP−10、日本精
蝋社製,SP値<8.0、SD値=3.1)であり、有
機物質は、ステアリン酸アミド(脂肪酸アマイドS、花
王社製,SP値=9.86)であり、高分子材料は、エ
チレン−エチルアクリレ−ト共重合樹脂(A−701、
三井デュポンポリケミカル社製、Mw=220000)
であり、顔料はキナクリドン系顔料(HOSTAPERM PINK E
02 TONERGRADE、ヘキスト社製)である。
【0033】そして、実施例2に用いたインクの組成は
以下に示すとおりである。
【0034】 HNP−10 79重量部 脂肪酸アマイドS 10重量部 A−701 8重量部 HOSTAPERM PINK E02 3重量部 上記実施例2のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、脂肪酸アマイド
S70重量部とHOSTAPERM PINK E0230重量部を100
℃の加熱下で溶融混合し、該混合物を前述のサイボンロ
−ラ−を用い、85℃の加熱条件下で4パスすることに
より分散を行う。
【0035】次に、該分散物10重量部を120℃で加
熱溶融し、これにHNP−10を79重量部と、脂肪酸
アマイドSを3重量部と、A−701を8重量部とを加
えて撹半混合する。
【0036】調製された該組成物を120℃に熱したス
ライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、その上にカ
バ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕微鏡”X
F−UNR”にて透過光による観察を行った結果、ほと
んど粒子は確認できず、従って、赤色系キナクリドン顔
料であるHOSTAPERM PINK E02はそのほとんどが1μm以
下の粒子径に微分散しており、顔料分散性は良好である
ことが確認された。
【0037】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0038】以上のようにして得られた実施例2の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能である。そして該ホットメ
ルトインクは、常温で赤色固体であって、77℃以上の
温度で溶融液体化し、前述の粘度計”LVTD−2+サ
−モゼルシステム”にて粘度を測定したところ125℃
で21cpであった。
【0039】実施例3 実施例3のホットメルトインクに含有される常温固体ワ
ックスは、ステアロン(カオ−ワックスT−1、花王社
製、SP値=8.76、SD値<3.0)であり、有機
物質は、オレイン酸(試薬、関東化学社製、SP値>
9.1)であり、高分子材料は、ロジン樹脂樹脂(ス−
パ−エステルA−75、荒川化学社製、Mw=970)
であり、顔料はフタロシアニン系顔料(HELIOGEN BLUE
K6911D、BASF社製)である。
【0040】そして、実施例3に用いたインクの組成は
以下に示すとおりである。
【0041】 カオ−ワックスT−1 90重量部 オレイン酸 5重量部 ス−パ−エステルA−75 3重量部 HELIOGEN BLUE K6911D 2重量部 上記実施例3のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、オレイン酸5重
量部とHELIOGEN BLUE K6911D2重量部を常温で混合し、
該混合物を前述のサイボンロ−ラ−を用い、常温下で3
パスすることにより分散を行う。
【0042】次に、該分散物7重量部を120℃で加熱
溶融し、これにカオ−ワックスT−1を90重量部と、
ス−パ−エステルA−75を3重量部とを加えて撹半混
合する。
【0043】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、ほとんど粒子は確認できず、従って、青色系フタロ
シアニン顔料であるHELIOGEN BLUE K6911Dはそのほとん
どが1μm以下の粒子径に微分散しており、顔料分散性
は良好であることが確認された。
【0044】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0045】以上のようにして得られた実施例3の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能である。そして該ホットメ
ルトインクは、常温で青色固体であって、80℃以上の
温度で溶融液体化し、前述の粘度計”LVTD−2+サ
−モゼルシステム”にて粘度を測定したところ125℃
で29cpであった。
【0046】実施例4 実施例4のホットメルトインクに含有される常温固体ワ
ックスは、パラフィンワックス(HNP−10、日本精
蝋社製)であり、有機物質は、ポリエチレンワックス誘
導体(POWAX H−10、日本石油社製)であり、
高分子材料は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EV
A210、三井デュポンポリケミカル社製、Mw=65
000)であり、顔料はイソインドリノン系顔料(PALI
OTOL YELLOW D1155、BASF社製)である。
【0047】そして、実施例4に用いたインクの組成は
以下に示すとおりである。
【0048】 HNP−10 82重量部 POWAX H−10 10重量部 EVA210 5重量部 PALIOTOL YELLOW D1155 3重量部 上記実施例4のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、HNP−10を
40重量部とPOWAXを20重量部とEVA210を
10重量部とPALIOTOL YELLOW D1155を30重量部を1
00℃の加熱下で溶融混合し、該混合物を前述のサイボ
ンロ−ラ−を用い、75℃加熱条件下で3パスすること
により分散を行う。
【0049】次に、該分散物10重量部を120℃で加
熱溶融し、これにHNP−10を78重量部と、POW
AXを8重量部と、EVA210を4重量部とを加えて
撹半混合する。
【0050】調製された該組成物を120℃に熱したス
ライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、その上にカ
バ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕微鏡”X
F−UNR”にて透過光による観察を行った結果、ほと
んど粒子は確認できず、従って、黄色系イソインドリノ
ン顔料であるPALIOTOL YELLOW D1155はそのほとんどが
1μm以下の粒子径に微分散しており、顔料分散性は良
好であることが確認された。
【0051】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0052】以上のようにして得られた実施例4の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能である。そして該ホットメ
ルトインクは、常温で黄色固体であって、75℃以上の
温度で溶融液体化し、前述の粘度計”LVTD−2+サ
−モゼルシステム”にて粘度を測定したところ125℃
で16cpであった。
【0053】比較例1 比較例1におけるインク組成は以下に示すとおりであ
る。
【0054】 HNP−10 93重量部 (パラフィンワックス) EVA210 5重量部 (エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂) 三井デュポンポリケミカル社製 MA−7 (カ−ボンブラック) 2重量部 上記比較例1のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、HNP−10を
60重量部とMA−100を40重量部を100℃の加
熱下で混合し、該混合物を前述のサイボンロ−ラ−を用
い、78℃の加熱条件下で3回パスすることにより分散
を行う。
【0055】次に、該分散物5重量部を120℃に加熱
し、これにHNP−10を90重量部と、EVA210
を5重量部とを加えて撹半混合する。
【0056】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、顔料であるMA−100はそのほとんどが1μm以
上の大粒子で存在しており、従って、比較例1の組成で
は顔料が充分に分散しないことが確認された。
【0057】以上のようにして得られた比較例1の該ホ
ットメルトインクは、本発明の有機物質が欠けているた
め、顔料の分散が不十分となり、インクジェットプリン
タ用ホットメルトインクとして使用不可能である。
【0058】比較例2 比較例2に用いたインクの組成は以下に示すとおりであ
る。
【0059】 ルナックS−90 97重量部 HOSTAPREM PINK E02 3重量部 上記比較例2のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、ルナックS−9
0を70重量部とHOSTAPREM PINK E02を30重量部を1
00℃の加熱下で混合し、該混合物を前述のサイボンロ
−ラ−を用い、75℃の加熱条件下で3回パスすること
により分散を行う。
【0060】次に、該分散物10重量部を120℃に加
熱し、これにルナックS−90を90重量部を加えて撹
半混合する。
【0061】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、顔料であるHOSTAPREM PINK E02はそのほとんどが1
μm以上の大粒子で存在しており、従って、比較例2の
組成では顔料が充分に分散しないことが確認された。
【0062】以上のようにして得られた比較例2の該ホ
ットメルトインクは、本発明の有機物質及び高分子材料
が欠けているため、顔料の分散が不十分となり、インク
ジェットプリンタ用ホットメルトインクとして使用不可
能である。
【0063】比較例3 比較例3に用いたインクの組成は以下に示すとおりであ
る。
【0064】 カオ−ワックスT−1 93重量部 (ステアロン 花王社製) オレイン酸 5重量部 (試薬 関東化学社製) HELIOGEN BLUE K6911D 2重量部 (フタロシアニン系顔料) 上記比較例3のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、オレイン酸60
重量部とHELIOGEN BLUE K6911D40重量部を常温下で混
合し、該混合物を前述のサイボンロ−ラ−を用い、常温
下で3回パスすることにより分散を行う。
【0065】次に、該分散物5重量部を120℃に加熱
し、これにカオ−ワックスT−1を93重量部と、オレ
イン酸を2重量部とを加えて撹半混合する。
【0066】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、ほとんど粒子は確認できず、顔料であるHELIOGEN B
LUE K6911Dのほとんどが1μm以下の粒子径に微分散し
ており、顔料分散性は良好であることが確認された。
【0067】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0068】以上のようにして得られた比較例3の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能であるが、本発明の高分子
材料が欠けているため、分散安定性が劣り、長期にわた
る加熱液体状態の使用に対しては、印字色の変化、プリ
ントヘッドオリフィス目詰まり、インク物性変化等さま
ざまな問題を引き起こす。
【0069】比較例4 比較例4におけるインク組成は以下に示すとおりであ
る。
【0070】 HNP−10 32重量部 POWAX H−10 63重量部 ス−パ−エステルA−75 3重量部 PALIOTOL YELLOW D1155 2重量部 上記比較例4のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず最初に、POWAX60
重量部とPALIOTOL YELLOW D1155 40重量部を100℃
の加熱下で混合し、該混合物を前述のサイボンロ−ラ−
を用い、75℃の加熱条件下で3パスの分散を行う。
【0071】次に、該分散物5重量部を120℃に加熱
し、これにPOWAX60重量部とHNP−10を32
重量部とス−パ−エステルA−75を3重量部加えて撹
半混合する。
【0072】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、ほとんど粒子は確認できず、顔料であるPALIOTOL Y
ELLOW D1155のほとんどが1μm以下の粒子径に微分散
しており、顔料分散性は良好であることが確認された。
【0073】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0074】以上のようにして得られた比較例4の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能であるが、常温固体ワック
スの含有量が重量比で50%未満であるため、インク自
体の熱安定性に劣り、長期にわたる加熱液体状態の使用
に対しては、印字色の変化、インク物性変化等さまざま
な問題を引き起こす。
【0075】比較例5 比較例5におけるインク組成は以下に示すとおりであ
る。
【0076】 パラコ−ル5000 83重量部 (パラフィンワックス誘導体、日本精蝋社製、 SP値=9.2、S.D.>3.3) 脂肪酸アマイドS 10重量部 EVA210 5重量部 MA−7 2重量部 上記比較例5のホットメルトインクは以下のような方法
で調製することができる。まず始めに、脂肪酸アマイド
S(60重量部)とMA−7(40重量部)を100℃
の加熱下で混合し、該混合物を前述のサイボンロ−ラ−
を用い、85℃の加熱条件下で3回パスすることにより
分散を行う。
【0077】次に、該分散物5重量部を120℃に加熱
し、これにパラコ−ル5000を83重量部と脂肪酸ア
マイドSを7重量部とEVA210を5重量部加えて撹
半混合する。
【0078】そして、調製された該組成物を120℃に
熱したスライドグラス上に2〜3滴のせて溶融させ、そ
の上にカバ−グラスをおいて軽く押え、これを前述の顕
微鏡”XF−UNR”にて透過光による観察を行った結
果、ほとんど粒子は確認できず、顔料であるMA−7の
ほとんどが1μm以下の粒子径に微分散しており、顔料
分散性は良好であることが確認された。
【0079】次に該組成物を東洋濾紙社製加熱濾過装置
にて1μmのメッシュフィルタ−を使用して濾過を行
い、最終的なホットメルトインクを得た。
【0080】以上のようにして得られた比較例5の該ホ
ットメルトインクは、インクジェットプリンタ用ホット
メルトインクとして使用可能であるが、常温固体ワック
スのSD値が3.5を越えているため、低分子量成分が
多く、従ってインク自体の熱安定性に劣り、長期にわた
る加熱液体状態の使用に対しては、印字色の変化、イン
ク物性変化等さまざまな問題を引き起こす。
【0081】以上に示した実施例1〜4及び比較例3〜
5のホットメルトインクの顔料分散安定性を以下のよう
な方法によって調べた。
【0082】図2に示すように125℃の加熱条件下
で、サンプルインク21をガラス容器22中に注ぎ、こ
れに窒素ガス23を充填し、密栓して125℃で30日
間の保存を行い、保存前と保存後上澄みの該サンプルイ
ンク21の125℃での密度をアントンパ−ル社製密度
計システム”DMA48”にて測定する。この結果、保
存前と保存後のサンプルインクの密度差が小さいほど分
散安定性は良好であると判断できる。もし、保存後のサ
ンプルインクの密度が保存前に比べて小さく、その差が
大きくなっているほど分散安定性は劣っていると判断で
きる。また、この保存試験によって生じるサンプルイン
クの粘度の差も、分散安定性判断の目安となるので、前
述の粘度計”LVTD−2+サ−モゼルシステム”にて
保存前、保存後の125℃における粘度を測定する。こ
の結果、保存前と保存後の粘度の差が小さいほど、分散
安定性は優れていると判断できる。
【0083】ここで、上記の保存試験について、最初に
以下のようなブランクテストを行った。
【0084】実施例1〜4及び比較例3〜5のインク組
成から顔料のみ取り除いた組成物を調製し、この6種の
ブランク組成物について、前記の保存試験を行った。そ
の結果、密度は、どのブランク組成物に関しても±0.
2%以内の変化であって、粘度については、すべてのブ
ランク組成物に関して±1.5%以内の変化であった。
【0085】次に、実施例1〜4及び比較例4、5のホ
ットメルトインクに関して、前記の保存試験を行ったと
ころ、どの実施例のインクにおいても、保存前に対する
保存後の密度変化は−0.4%以内であった。また、粘
度に関しては、どの実施例においても保存後の保存前に
対する粘度変化は±4%以内であった。
【0086】以上の結果より、前記の顔料分散安定性試
験は、顔料の分散状態変化を検知していて、且つ、その
影響は非常に小さいことがわかる。従って、実施例1〜
4及び比較例4、5のホットメルトインクは、十分な顔
料分散安定性を有していると言うことができる。
【0087】これに対し、比較例3のホットメルトイン
クに関して、前記の保存試験を行ったところ、保存前に
対する保存後の密度は、−2%以上の変化を示し、一
方、保存前に対する保存後の粘度は、+8%以上の変化
を示した。
【0088】従って、比較例3のホットメルトインク
は、前記実施例1〜4及び比較例4、5のホットメルト
インクと比較して、顔料の分散安定性がかなり劣ってい
ることがわかる。
【0089】次に、実施例1〜4及び比較例4、5のホ
ットメルトインクについて、インク自体の耐熱安定性を
以下のような方法によって調べた。
【0090】図2に示した場合と同じように、125℃
の加熱条件下で、サンプルインク21をガラス容器22
中に注ぎ、栓をせずに125℃で30日間の保存を行
い、保存前と保存後の該サンプルインク21の125℃
での粘度を前記粘度計にて測定する。
【0091】この結果、実施例1〜4のいづれのホット
メルトインクも、粘度変化は+10%以内であった。こ
れに対し、比較例4、5のホットメルトインクは、+1
5%以上の粘度変化を示した。これらの結果より、実施
例1〜4のホットメルトインクのインク自体の耐熱性が
優れているのに対して、比較例4、5の耐熱性はかなり
劣っていることがわかる。
【0092】以上に示した実施例1〜4及び比較例1〜
5について顔料の分散性、分散安定性、インク自体の耐
熱安定性をまとめると表1のようになる。
【0093】
【表1】
【0094】このように、本発明の実施例によれば、顔
料の分散性、分散安定性及びインク自体の耐熱安定性に
優れ、結果として着色力、耐候堅牢性に優れ、長時間の
使用によっても顔料の凝集、沈降、インク劣化等に起因
する問題を起こさないホットメルトインクを得ることが
できる。
【0095】これに対し、本発明の4つの基本成分(常
温固体ワックス、有機物質、高分子材料、顔料)のう
ち、常温固体ワックスが欠けたり、その含有量が重量比
で50%未満であると、常温で固体であって熱で溶融し
て液体となるというホットメルトインクとしての基本的
な特性が満足されなくなったり、インク自体の耐熱安定
性が劣る等の問題が発生する。また、有機物質が欠ける
と、顔料の分散が不十分となり、インクとして必要な色
がでなかったり、インクジェットヘッドに目詰まりを発
生したりするといった問題が発生する。また、高分子材
料が欠けると、顔料分散安定性が劣るため、経時的に不
安定となる問題が発生する。更には、該顔料が欠ける
と、インクの高着色力、耐候堅牢性が達成されなくなっ
てしまう。
【0096】尚、本発明のインクジェットプリンタ用ホ
ットメルトインクは、上述したような実施例に限定され
るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において、
種々の変更を加えることができる。
【0097】例えば、本発明の4つの基本成分(常温固
体ワックス、有機物質、高分子材料、顔料)は、それぞ
れ1種類づつでなくてもよく、それぞれ2種以上を混合
して用いてもよい。また、該基本成分以外に以下に示す
ような添加剤を単独で、あるいは2種以上同時に加えて
もよい。該添加剤としては、例えば、色調整用の染料、
粘度調整剤、粘接着性付与剤、顔料分散剤、熱特性改質
剤、表面張力調整剤、光沢付与剤、硬度調整剤、結晶性
改質剤、可塑剤、表面摩擦性改質剤、透明性付与剤等が
挙げられる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したことから明かなように、本
発明のインクジェットプリンタ用ホットメルトインク
は、溶解性パラメ−タの値(SP値)が9.50以下
で、且つ炭素数分布の標準偏差(SD値)が3.3以下
であって、更にはインク全体の重量に占める重量比が5
0%以上の常温固体ワックスと、その常温固体ワックス
と相溶し、且つ前記溶解性パラメータの値が9.01以
上で前記常温固体ワックスよりも大きい値を有する高極
性有機物質と、前記常温固体ワックス、或いは有機物質
の少なくとも一方と相溶し、且つ重量平均分子量が50
0以上の高分子材料と、色材としての顔料とを含有して
いることにより、色材の分散性、分散安定性に優れ、且
つインク自体の耐熱安定性、耐光堅牢性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるインク製造方法を示す
説明図である。
【図2】本発明の実施例における加熱保存試験の方法を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 ステアリン酸 2 ポリエチレンワックス誘導体 3 ロジン樹脂 4 カ−ボンブラック

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温では固体として存在し、加熱溶融し
    て使用するインクジェットプリンタ用ホットメルトイン
    クにおいて、 溶解性パラメ−タの値(SP値)が9.50以下で、且
    つ炭素数分布の標準偏差(SD値)が3.3以下であっ
    て、更にはインク全体の重量に占める重量比が50%以
    上の常温固体ワックスと、 その常温固体ワックスと相溶し、且つ前記溶解性パラメ
    ータの値が9.01以上で前記常温固体ワックスよりも
    大きい値を有する高極性有機物質と、 前記常温固体ワックス、或いは有機物質の少なくとも一
    方と相溶し、且つ重量平均分子量が500以上の高分子
    材料と、 色材としての顔料とを含有したことを特徴とするインク
    ジェットプリンタ用ホットメルトインク。
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