JP2896993B2 - 坐 剤 - Google Patents

坐 剤

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JP2896993B2
JP2896993B2 JP8193447A JP19344796A JP2896993B2 JP 2896993 B2 JP2896993 B2 JP 2896993B2 JP 8193447 A JP8193447 A JP 8193447A JP 19344796 A JP19344796 A JP 19344796A JP 2896993 B2 JP2896993 B2 JP 2896993B2
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buprenorphine
polyethylene glycol
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勇 坂本
公明 碇
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JUTOKU YAKUHIN KOGYO KK
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JUTOKU YAKUHIN KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非麻薬性の強力鎮痛薬と
して知られるブプレノルフィン(Buprenorph
ine)を有効成分として含有する低刺激性でかつ吸収
性に優れる坐剤に関する.
【0002】
【従来の技術】ブプレノルフィンは下式で示されるN−
シクロプロピルメチル−7α−〔(S)−ヒドロキシ−
1,2,2−トリメチルプロピル〕−6,14−エンド
−エタノ−6,7,8,14−テトラヒドロノルオリパ
ビンなる化合物であり,オピオイド受容体に作用する拮
抗性鎮痛薬として知られている.
【0003】
【化1】
【0004】現在,わが国では癌が死亡の最も高い原因
となっており,ターミナルケアにおける疼痛対策の重要
性が指摘されている.一方WHOにおいては1986年
に癌疼痛治療指針を発表し,癌患者を痛みから解放する
ことを呼びかけており,この中で疼痛治療の基本的手段
は鎮痛薬であり,効力の強さによって段階的に鎮痛剤を
投与することとしている.すなわち第一段階として非オ
ピオイド鎮痛薬,第二段階として弱オピオイド鎮痛薬,
第三段階として強オピオイド鎮痛薬である.又,その投
与は経口あるいは経直腸投与などの簡便な投与経路が望
ましく,注射は第三者の手を借りねばならず,副作用も
多くなるのでやむを得ないときにのみ行うとしている.
【0005】本発明の有効成分であるブプレノルフィン
はモルヒネの代替品としてリストアップされている非麻
薬の強力鎮痛薬であり,従来より注射剤として術後疼
痛,癌性疼痛,麻酔補助などに臨床使用されてきた.し
かし,特に癌性疼痛などの慢性疼痛に対する場合のよう
に,使用が長期にわたる患者などでは,頻繁な投与や注
射時には痛みが伴い,しかも在宅治療が出来ない欠点が
ある.そこで舌下錠,坐剤が製剤化され,上記のような
欠点が改善されてきた.
【0006】しかし,舌下錠の場合,その崩壊には数分
を要し,このため溶出した薬物を唾液とともに飲み込む
恐れがある.そうなると,本来肝臓による初回通過効果
を避け得る投与法であるにもかかわらず,経口投与した
場合と同様に薬物の大部分が肝臓により代謝を受け,目
的の血中濃度が得られず充分な薬効が期待できない.
【0007】また坐剤も,舌下錠と同様に肝臓での初回
通過効果を避けることが出来る投与剤型である.しか
し,坐剤においては,坐剤用油性基剤を用いた場合,ブ
プレノルフィン自身が脂溶性の高い薬物であるため,主
薬の放出が不十分であり,その結果として有効成分の腸
管からの吸収が十分に行われず,満足すべき鎮痛効果が
得られない.またポリエチレングリコールのような通常
の水性基剤を使用した場合にも,十分な吸収および効果
が得られない.
【0008】この点を改善した技術として,特公平4−
75889号において坐薬用組成物が開示されており,
平均分子量200〜20000のポリエチレングリコー
ル70〜95重量%およびプロピレングリコール30〜
5重量%からなる混合基剤を用いて製したブプレノルフ
ィン坐剤は直腸刺激性が低く,かつ直腸からの吸収性に
優れるとしている.
【0009】
【発明が解決しようとする課題】プロピレングリコール
は医薬品や化粧品の原料として繁用されている成分であ
るが,該成分には皮膚や粘膜に対して若干の刺激性があ
るという報告もある(A.M.Kligman and
W.M.Woding:A Method of t
he Measurement and evalua
tion ofIrritants on Human
Skin, J.Inv.Derm.49(1)7
8).ところで坐剤における直腸刺激性は,主薬および
基剤の違いにより緩和されたり,逆に増加したりするこ
とはしばしばみられる.すなわち,主薬の刺激性に対す
る基剤の適合性は決して普遍性のあるものではなく,主
薬の性質によって異なる選択性の高いものであるといわ
れている.これらのことから,ブプレノルフィン坐剤に
おいても,さらに優れた基剤が存在する可能性が考えら
れた.
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは,こ
のブプレノルフィンを有効成分とした坐剤について,よ
り優れた基剤を得るべく鋭意探索研究を行った結果,平
均分子量200〜20000のポリエチレングリコール
類80〜97重量%とグリセリン類3〜20重量%から
なる混合基剤にブプレノルフィンを配合してなる坐剤
が,プロピレングリコールを用いて製したブプレノルフ
ィン坐剤よりもさらに低刺激性でかつ吸収性の良い坐剤
となることを見出した.
【0011】本発明で用いられるポリエチレングリコー
ル類およびグリセリン類は日本薬局方,日本薬局方外医
薬品規格及び医薬品添加物規格に収載されているマクロ
ゴール及び濃グリセリンが好ましく使用される.なお,
ポリエチレングリコールとしては平均分子量200〜2
0000,好ましくはマクロゴール400,1000及
び6000等の平均分子量が400〜6000のものが
挙げられる.これらは1種または2種以上を併用でき
る.
【0012】本発明において所存の目的を達成するため
には,基剤としてポリエチレングリコール類80〜97
重量%,グリセリン類3〜20重量%の割合で用いる.
なお,グリセリンは下剤として坐剤に用いられたり,5
0%以上の濃度で浣腸などに用いられているように,直
腸粘膜を刺激する性質を有している.しかしこのグリセ
リンを上記の割合で使用することにより,所望の目的が
達せられるのである.ただし,配合量が20重量%を超
えるとグリセリン自体の直腸粘膜刺激性があらわれるよ
うになり,しかも坐剤の硬度も低くなりすぎ実用的でな
くなる.一方3%よりも低いと期待される効果が得られ
ない.なお好ましくは,ポリエチレングリコール類90
〜97重量%,グリセリン類3〜10重量%が用いられ
る.かかる配合比にすることにより,低刺激性でかつ吸
収性のよい坐剤が得られたことは全く驚くべき事であ
る.
【0013】更に本発明は必要に応じて他の成分を添加
することもできる.他の成分としては通常使用される
水,界面活性剤,安定化剤,保存剤,着色剤,芳香剤,
分散剤,増粘剤,pH調節剤,湿潤剤,抗酸化剤,防腐
剤等が挙げられ,これらは日本薬局方等に収載されてい
るものが好ましい.なお,主薬であるブプレノルフィン
は,その薬学的に許容される酸付加塩の形,例えば塩酸
ブプレノルフィンとして配合可能であることはいうまで
もない.
【0014】
【実施例】以下例をあげて説明するが本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない.
【0015】(実施例1) 濃グリセリン 3g ポリエチレングリコール400 12g ポリエチレングリコール1500 40g ポリエチレングリコール6000 45g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 上記濃グリセリン及びポリエチレングリコール400を
混合した後,主剤塩酸ブプレノルフィンの原末を加えて
攪拌混合し,別に加温溶融して混合攪拌しておいたポリ
エチレングリコール1500及びポリエチレングリコー
ル6000と混合させた後,常法により成形固化せしめ
ることにより1個あたり1500mg(ブプレノルフィ
ン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0016】(実施例2) 濃グリセリン 10g ポリエチレングリコール400 5g ポリエチレングリコール1500 45g ポリエチレングリコール6000 40g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0017】(実施例3) 濃グリセリン 20g ポリエチレングリコール1000 30g ポリエチレングリコール4000 20g ポリエチレングリコール6000 30g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0018】(実施例4) 濃グリセリン 5g ポリエチレングリコール1000 15g ポリエチレングリコール1500 45g ポリエチレングリコール6000 34.7g DL−α−トコフェロール 0.3g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0019】(実施例5) 濃グリセリン 5g ポリエチレングリコール1000 15g ポリエチレングリコール1500 45g ポリエチレングリコール6000 34.5g ジブチルヒドロキシトルエン 0.5g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0020】(実施例6) 濃グリセリン 15g ポリエチレングリコール1500 30g ポリエチレングリコール6000 44.7g パラオキシ安息香酸メチル 0.2g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g 精製水 10g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0021】(比較例1) ポリエチレングリコール400 15g ポリエチレングリコール1500 40g ポリエチレングリコール6000 45g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0022】(比較例2) 濃グリセリン 30g ポリエチレングリコール1500 10g ポリエチレングリコール6000 60g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0023】(比較例3) ポリエチレングリコール400 10g ポリエチレングリコール1500 30g ポリエチレングリコール4000 20g ポリエチレングリコール6000 29.7g パラオキシ安息香酸メチル 0.2g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g 精製水 10g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0024】(比較例4) ポリエチレングリコール1500 20g ポリエチレングリコール6000 20g ウィテップゾ−ルH−15 40g (脂肪酸トリグリセリド;Dynamit Novel
社製) ウィテップゾ−ルH−35 15g ニッコ−ルTO−10M 5g (ポリソルベート80;日光ケミカルズ社製) 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0025】(比較例5) プロピレングリコ−ル 20g ポリエチレングリコール400 5g ポリエチレングリコール1500 45g ポリエチレングリコール6000 40g 塩酸ブプレノルフィン 28.8mg 実施例1と同様にして製し,1個あたり1500mg
(ブプレノルフィン量0.4mg)の坐剤を得た.
【0026】
【表1】
【0027】(試験例1) 直腸粘膜刺激性試験 上記実施例1,2,3及び4,並びに比較例1,2,4
及び5の組成比よりなる小型坐剤(1個あたり200m
g:ブプレノルフィン量;0.05mg)をWista
r系雄性ラット(体重;200g前後)10匹ずつに直
腸投与し,投与3時間後に解剖して直腸粘膜の肉眼及び
光学的観察を行い,佐藤らの判定基準(表2)に従い,
試験製剤の直腸粘膜に対する刺激性の評価を行い比較検
討した.また,対照として,市販のインドメタシン坐剤
についても同様に試験した.表3にその結果を示す.
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果から明らかなように,本発明の
坐剤は比較例または市販のインドメタシン坐剤よりも低
刺激性であることがわかる.
【0031】(試験例2) 家兎における吸収性試験 前記実験例1,3及び4,並びに比較例1,3,4及び
5の坐剤をJW系雄性家兎(体重;2.5〜3.0k
g)4羽ずつに直腸投与し,投与15,30,60,1
20及び180分後に耳介静脈より採血した後,血漿中
のブプレノルフィンをHPLC−ECD法により定量
し,直腸における吸収性を比較検討した.その結果を図
1に示す.
【0032】
【0033】図1の結果より,本発明の坐剤のブプレノ
ルフィン血漿中濃度は同一条件で投与された比較例の坐
剤に比べ,著しく高く,従って直腸粘膜からの吸収率が
高く,優れた生体内利用率をもたらすことが理解され
る.
【0034】
【発明の効果】かかる配合比にすることにより,グリセ
リン自体の直腸粘膜刺激性があらわれることなく,従来
よりも低刺激性でかつ吸収性のよいブプレノルフィンの
坐剤が得られる.
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の坐剤及び比較例の坐剤を家兎に直腸
投与後の血漿中ブプレノルフィン濃度の経時推移を示す
ものである.

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレングリコール類80〜97重量
    %およびグリセリン類3〜20重量%からなる混合基剤
    にブプレノルフィンを有効成分として配合していること
    を特徴とする坐剤
JP8193447A 1996-07-23 1996-07-23 坐 剤 Expired - Lifetime JP2896993B2 (ja)

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