JP2896333B2 - 微細気泡形成装置 - Google Patents
微細気泡形成装置Info
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- JP2896333B2 JP2896333B2 JP33030395A JP33030395A JP2896333B2 JP 2896333 B2 JP2896333 B2 JP 2896333B2 JP 33030395 A JP33030395 A JP 33030395A JP 33030395 A JP33030395 A JP 33030395A JP 2896333 B2 JP2896333 B2 JP 2896333B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曝気装置などで微
細気泡を形成するための微細気泡形成装置に関する。
細気泡を形成するための微細気泡形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、汚水に空気を送り込んで酸素を
効率良く汚水に溶解させるには、送り込む気泡を小さく
して接触面積を大きくしたり、あるいは、接触時間を長
くすることが効果的である。これに関し、例えば、特公
平2−32957号公報に記載の曝気装置が開示されて
いる。すなわち、この曝気装置は、軸流ポンプのインペ
ラーの直下に空気を供給する環状の散気管を設け、この
散気管の内周面から吐出された空気をインペラーが起こ
した水流でせん断し、微細気泡を形成するものである。
効率良く汚水に溶解させるには、送り込む気泡を小さく
して接触面積を大きくしたり、あるいは、接触時間を長
くすることが効果的である。これに関し、例えば、特公
平2−32957号公報に記載の曝気装置が開示されて
いる。すなわち、この曝気装置は、軸流ポンプのインペ
ラーの直下に空気を供給する環状の散気管を設け、この
散気管の内周面から吐出された空気をインペラーが起こ
した水流でせん断し、微細気泡を形成するものである。
【0003】ところで、図9(a)に示すように吐出孔
4を介して水流の中に供給された空気5は引き伸ばされ
た後、端部がくびれて気泡6を形成する。このため、こ
の伸びを短くするほど、つまり、より大きな剪断力を与
えるほど、空気5は細く短かくなり、これから形成され
る気泡6が小径化することは周知である。また、表面張
力に対して相対的に剪断力を大きくする手段として、
(1)水流の流速を速くする、(2)空気の供給量を少
なくする、(3)空気の吐出孔を小さくすることが知ら
れている。これらの手段を施した際の効果を図7,図8
に示す。なお、図7,図8は、いずれも図9(b)に示
す断面円形の散気管7を使用するとともに、この散気管
7の前縁Xを基準とし、これから45度離れた位置に空
気の吐出孔8を穿設した。
4を介して水流の中に供給された空気5は引き伸ばされ
た後、端部がくびれて気泡6を形成する。このため、こ
の伸びを短くするほど、つまり、より大きな剪断力を与
えるほど、空気5は細く短かくなり、これから形成され
る気泡6が小径化することは周知である。また、表面張
力に対して相対的に剪断力を大きくする手段として、
(1)水流の流速を速くする、(2)空気の供給量を少
なくする、(3)空気の吐出孔を小さくすることが知ら
れている。これらの手段を施した際の効果を図7,図8
に示す。なお、図7,図8は、いずれも図9(b)に示
す断面円形の散気管7を使用するとともに、この散気管
7の前縁Xを基準とし、これから45度離れた位置に空
気の吐出孔8を穿設した。
【0004】一方、図9(b)およびこれを部分的に拡
大した図9(c)に示すように、水流の中に散気管7を
配置した場合、散気管7の廻りには境界層と乱流域とが
形成され、前記境界層は下流ほど層厚が厚いことが知ら
れている。
大した図9(c)に示すように、水流の中に散気管7を
配置した場合、散気管7の廻りには境界層と乱流域とが
形成され、前記境界層は下流ほど層厚が厚いことが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前述の曝気装
置についてみてみると、インペラの直下に配設された環
状の散気管の内周面には、境界層が形成され、前記散気
管に設けた吐出孔から供給された空気は前記境界層で引
き伸ばされ、乱流域で大きな剪断力を受け気泡を形成す
る。そこで、前述の曝気装置において供給された空気に
対して大きな剪断力を付与するために前述の(1),
(2),(3)の手段を適用した場合、(1)水流の流
速を上げると、剪断力は大きくなるが気泡が汚水中に滞
留する時間(汚水と気泡との接触時間)が短かくなり、
気泡を小さくした効果がなくなる。しかも、流速を上げ
るために大型のポンプが必要となり、装置全体が大型化
し、エネルギー効率が低下する。また、(2)空気の供
給量は汚水の処理量から必要量が決まるので、その必要
量より少なくすることはできない。さらに、(3)空気
の吐出孔を小さくすると、頻繁に目詰まりを起こす。よ
って、前述の曝気装置で目詰まりを起こさず、所定の滞
留時間を確保するようにすると、気泡径は4〜6mm程
度にするのが限界であり、これより小径の気泡を得るの
は困難であった。
置についてみてみると、インペラの直下に配設された環
状の散気管の内周面には、境界層が形成され、前記散気
管に設けた吐出孔から供給された空気は前記境界層で引
き伸ばされ、乱流域で大きな剪断力を受け気泡を形成す
る。そこで、前述の曝気装置において供給された空気に
対して大きな剪断力を付与するために前述の(1),
(2),(3)の手段を適用した場合、(1)水流の流
速を上げると、剪断力は大きくなるが気泡が汚水中に滞
留する時間(汚水と気泡との接触時間)が短かくなり、
気泡を小さくした効果がなくなる。しかも、流速を上げ
るために大型のポンプが必要となり、装置全体が大型化
し、エネルギー効率が低下する。また、(2)空気の供
給量は汚水の処理量から必要量が決まるので、その必要
量より少なくすることはできない。さらに、(3)空気
の吐出孔を小さくすると、頻繁に目詰まりを起こす。よ
って、前述の曝気装置で目詰まりを起こさず、所定の滞
留時間を確保するようにすると、気泡径は4〜6mm程
度にするのが限界であり、これより小径の気泡を得るの
は困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するためになされたもので、散気管の廻りに形成さ
れる境界層は、前記のように散気管の場所によって厚さ
が異なることに着目し、空気の吐出孔を境界層の薄い部
分に設けることにより、従来の曝気装置と同程度の流速
あるいは吐出孔の大きさで従来の気泡(直径4〜6m
m)より小径の気泡(直径1.5〜3mm)を得るよう
にしたものである。
解決するためになされたもので、散気管の廻りに形成さ
れる境界層は、前記のように散気管の場所によって厚さ
が異なることに着目し、空気の吐出孔を境界層の薄い部
分に設けることにより、従来の曝気装置と同程度の流速
あるいは吐出孔の大きさで従来の気泡(直径4〜6m
m)より小径の気泡(直径1.5〜3mm)を得るよう
にしたものである。
【0007】すなわち、本発明にかかる微細気泡装置
は、水中に配設したポンプからの吐出水流を囲むケーシ
ングの中に断面円形または断面流線形の複数の散気管
を、該散気管と前記吐出水流とが直交し、隣り合う散気
管相互間の流速を増大させる間隔で、かつ、前記散気管
が互いに平行となるよう並設固定するとともに、前記散
気管の外周面のうち、前記吐出水流の上流側に気体の吐
出孔を穿設したものである。
は、水中に配設したポンプからの吐出水流を囲むケーシ
ングの中に断面円形または断面流線形の複数の散気管
を、該散気管と前記吐出水流とが直交し、隣り合う散気
管相互間の流速を増大させる間隔で、かつ、前記散気管
が互いに平行となるよう並設固定するとともに、前記散
気管の外周面のうち、前記吐出水流の上流側に気体の吐
出孔を穿設したものである。
【0008】
【作用】本発明は、散気管の廻りに形成される境界層の
うち、この境界層の薄い部分に気体の吐出孔を設けたの
で、供給された気体が乱流域に到達しやすくなり、剪断
力の弱い境界層での気体の伸び(境界層での滞在時間)
が短くなる。しかも、複数本の散気管を、隣り合う散気
管相互間の流速を増大させる間隔でケーシング内に互い
に平行となるよう並設固定することにより、吐出水流の
剪断力が増大する。特に、散気管の断面を流線形とする
ことにより、散気管後方での渦の発生を防止できる。
うち、この境界層の薄い部分に気体の吐出孔を設けたの
で、供給された気体が乱流域に到達しやすくなり、剪断
力の弱い境界層での気体の伸び(境界層での滞在時間)
が短くなる。しかも、複数本の散気管を、隣り合う散気
管相互間の流速を増大させる間隔でケーシング内に互い
に平行となるよう並設固定することにより、吐出水流の
剪断力が増大する。特に、散気管の断面を流線形とする
ことにより、散気管後方での渦の発生を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施の形態
を図1および図2の添付図面に従って説明する。図1に
示すように、本実施形態にかかる曝気装置10は、汚水
2を溜めた曝気槽1の底面に設置され、空気供給ホース
3を介して供給された空気から微細気泡を形成し、好気
状態を維持するものである。
を図1および図2の添付図面に従って説明する。図1に
示すように、本実施形態にかかる曝気装置10は、汚水
2を溜めた曝気槽1の底面に設置され、空気供給ホース
3を介して供給された空気から微細気泡を形成し、好気
状態を維持するものである。
【0010】前記曝気装置10は、水中に配設され、図
2(a)に示すように、モータ11に連結されたインペ
ラー12を回転させて水流を起こす軸流ポンプ13と、
この軸流ポンプ13が起こした水流の下流側に配置され
るケーシング15とで構成されている。なお、水中に水
流を起こすための手段としては、前記軸流ポンプ13に
限らず、例えば、他の渦巻ポンプ等のポンプであっても
よく、必ずしも水平方向に配置する必要はなく、その軸
心が上下方向となるように配置してもよい。また、曝気
装置の設置位置も曝気槽の底部である必要はなく、任意
の深さに設けて良い。
2(a)に示すように、モータ11に連結されたインペ
ラー12を回転させて水流を起こす軸流ポンプ13と、
この軸流ポンプ13が起こした水流の下流側に配置され
るケーシング15とで構成されている。なお、水中に水
流を起こすための手段としては、前記軸流ポンプ13に
限らず、例えば、他の渦巻ポンプ等のポンプであっても
よく、必ずしも水平方向に配置する必要はなく、その軸
心が上下方向となるように配置してもよい。また、曝気
装置の設置位置も曝気槽の底部である必要はなく、任意
の深さに設けて良い。
【0011】ノズルボックス14は、図2(b)に示す
ように、ケーシング15内に前記軸流ポンプ13の吐出
水流と直交するように所定の間隔で並設した複数本の散
気管16を空気供給管17に接続したものである。そし
て、空気供給ホース3から送られてきた空気を、前記空
気供給管17を介して散気管16に供給し、この散気管
16の吐出孔18から空気を吐出させる(図3)。な
お、前記ケーシング15は軸流ポンプ13の起こした水
流を同一方向に流れさせるものである。
ように、ケーシング15内に前記軸流ポンプ13の吐出
水流と直交するように所定の間隔で並設した複数本の散
気管16を空気供給管17に接続したものである。そし
て、空気供給ホース3から送られてきた空気を、前記空
気供給管17を介して散気管16に供給し、この散気管
16の吐出孔18から空気を吐出させる(図3)。な
お、前記ケーシング15は軸流ポンプ13の起こした水
流を同一方向に流れさせるものである。
【0012】さらに、前記散気管16は断面円形に限ら
ず、例えば、断面流線形,断面楕円形であってもよい
が、空気の吐出孔18は、境界層が形成される表面のう
ち、境界層の厚さが薄い部分、すなわち、散気管16の
上流側の面に設ける必要がある。この領域外に吐出孔1
8を設けると、境界層が厚くなり、この境界層内で供給
された空気が長く伸ばされ、境界層内に長時間滞溜する
ため、所望の微細気泡が得られず、気泡径が大きくなる
からである。なお、散気管16の上流側の面において吐
出孔18を設ける位置,ピッチ,直径,個数を必要に応
じて適宜選択できることは勿論である。
ず、例えば、断面流線形,断面楕円形であってもよい
が、空気の吐出孔18は、境界層が形成される表面のう
ち、境界層の厚さが薄い部分、すなわち、散気管16の
上流側の面に設ける必要がある。この領域外に吐出孔1
8を設けると、境界層が厚くなり、この境界層内で供給
された空気が長く伸ばされ、境界層内に長時間滞溜する
ため、所望の微細気泡が得られず、気泡径が大きくなる
からである。なお、散気管16の上流側の面において吐
出孔18を設ける位置,ピッチ,直径,個数を必要に応
じて適宜選択できることは勿論である。
【0013】並設する散気管16相互の間隔は、例え
ば、散気管16が断面円形である場合、その直径の0.
3倍以上、1.5倍以下であることが好ましい。また、
散気管16が断面流線形である場合も、その最大翼厚の
0.3倍以上、1.5倍以下であることが好ましい。
0.3倍未満であると、散気管と散気管との間が狭くな
りすぎて圧力損失が大きくなり、流速も上がりにくくな
るからであり、1.5倍を越えると、流速が遅くなって
気泡径が大きくなるからである。
ば、散気管16が断面円形である場合、その直径の0.
3倍以上、1.5倍以下であることが好ましい。また、
散気管16が断面流線形である場合も、その最大翼厚の
0.3倍以上、1.5倍以下であることが好ましい。
0.3倍未満であると、散気管と散気管との間が狭くな
りすぎて圧力損失が大きくなり、流速も上がりにくくな
るからであり、1.5倍を越えると、流速が遅くなって
気泡径が大きくなるからである。
【0014】
【実施例】次に、本発明にかかる曝気装置について微細
気泡を形成できる最適条件を知るため、以下のような実
験を行った。なお、図3(a)に示すように、散気管1
6が断面円形である場合、吐出孔18を設ける位置は前
縁Aを基準とし、これから22.5度、45度、67.
5度、90度、135度、および、180度離れた位置
をそれぞれB、C、D、E、FおよびGとした。また、
図3(b)に示すように、散気管16が断面流線形であ
る場合、吐出孔18を設ける位置は前縁Aを基準とし、
これから約45度離れた位置をBとし、さらに離れた位
置を順次C、Dとした。
気泡を形成できる最適条件を知るため、以下のような実
験を行った。なお、図3(a)に示すように、散気管1
6が断面円形である場合、吐出孔18を設ける位置は前
縁Aを基準とし、これから22.5度、45度、67.
5度、90度、135度、および、180度離れた位置
をそれぞれB、C、D、E、FおよびGとした。また、
図3(b)に示すように、散気管16が断面流線形であ
る場合、吐出孔18を設ける位置は前縁Aを基準とし、
これから約45度離れた位置をBとし、さらに離れた位
置を順次C、Dとした。
【0015】(実施例1) 本実施例は、断面円形の散気管にて微細気泡を形成でき
る吐出孔の最適な位置を見い出すために行った実験であ
り、外径17mm,内径13mm,長さ210mmの散
気管を使用した。そして、この散気管に直径0.5mm
の吐出孔をピッチ4mmで合計26個設けた。ついで、
空気量を毎分2リットル、水の流速1m/sとし、吐出
孔の位置をA,B,C,D,E,F,Gと変えて生じた
気泡の直径を測定し、その平均直径から気泡の体積を求
めた。実験結果を図4に示す。
る吐出孔の最適な位置を見い出すために行った実験であ
り、外径17mm,内径13mm,長さ210mmの散
気管を使用した。そして、この散気管に直径0.5mm
の吐出孔をピッチ4mmで合計26個設けた。ついで、
空気量を毎分2リットル、水の流速1m/sとし、吐出
孔の位置をA,B,C,D,E,F,Gと変えて生じた
気泡の直径を測定し、その平均直径から気泡の体積を求
めた。実験結果を図4に示す。
【0016】図4から明らかなように、前縁Aから約9
0度離れた位置Eまでの間に吐出孔を設ければ、ほぼ最
小の気泡を得られることが判明した。
0度離れた位置Eまでの間に吐出孔を設ければ、ほぼ最
小の気泡を得られることが判明した。
【0017】(実施例2) 本実施例は、断面流線形の散気管にて微細気泡を形成で
きる吐出孔の最適な位置を見い出すために行った実験で
あり、翼弦長さ24mm,最大翼厚12mm,長さ21
0mmの散気管を使用した。そして、この散気管に直径
0.5mmの吐出孔をピッチ4mmで合計26個設け
た。ついで、空気量を毎分10リットル、水の流速1m
/sとし、その平均直径から気泡の体積を求めた。実験
結果を図5に示す。図5から明らかなように、前縁Aか
ら位置Cまでの間に吐出孔を設ければ、ほぼ最小の気泡
を得られることが判明した。
きる吐出孔の最適な位置を見い出すために行った実験で
あり、翼弦長さ24mm,最大翼厚12mm,長さ21
0mmの散気管を使用した。そして、この散気管に直径
0.5mmの吐出孔をピッチ4mmで合計26個設け
た。ついで、空気量を毎分10リットル、水の流速1m
/sとし、その平均直径から気泡の体積を求めた。実験
結果を図5に示す。図5から明らかなように、前縁Aか
ら位置Cまでの間に吐出孔を設ければ、ほぼ最小の気泡
を得られることが判明した。
【0018】(実施例3) 本実施例は、散気管の間隔と水の流速との関係から微細
気泡を形成できる最適条件を知るために行った実験であ
り、実施例2の散気管と同一外形寸法を有する断面流線
形の散気管を使用した。そして、この散気管に直径0.
5mmの吐出孔を位置Bにピッチ4mmで合計26個設
けた。ついで、散気管相互の間隔を、散気管の最大翼厚
寸法の1.5倍、1.0倍、0.66倍、0.33倍と
した場合、および、相互に接触させた場合につき、空気
量を毎分10リットルとし、水の流速を0m/sから1
m/sまで変化させて生じた気泡の直径を測定し、その
平均直径から気泡の体積を求めた。実験結果を図6に示
す。
気泡を形成できる最適条件を知るために行った実験であ
り、実施例2の散気管と同一外形寸法を有する断面流線
形の散気管を使用した。そして、この散気管に直径0.
5mmの吐出孔を位置Bにピッチ4mmで合計26個設
けた。ついで、散気管相互の間隔を、散気管の最大翼厚
寸法の1.5倍、1.0倍、0.66倍、0.33倍と
した場合、および、相互に接触させた場合につき、空気
量を毎分10リットルとし、水の流速を0m/sから1
m/sまで変化させて生じた気泡の直径を測定し、その
平均直径から気泡の体積を求めた。実験結果を図6に示
す。
【0019】図6から明らかなように、水の流速が早け
れば早いほど、気泡が小さくなることが判明した。ま
た、散気管相互の間隔が、散気管の最大翼厚寸法の0.
66倍である場合に気泡が最も小さくなることがわかっ
た。
れば早いほど、気泡が小さくなることが判明した。ま
た、散気管相互の間隔が、散気管の最大翼厚寸法の0.
66倍である場合に気泡が最も小さくなることがわかっ
た。
【0020】以上の実施例から、散気管の前面、すなわ
ち境界層内の前縁あるいは前縁から少し離れた境界層の
薄い領域内に吐出孔を設け、特に、散気管が断面流線形
である場合に、散気管相互の間隔が散気管の最大翼厚寸
法よりも若干狭い場合に微細気泡が得られることがわか
った。
ち境界層内の前縁あるいは前縁から少し離れた境界層の
薄い領域内に吐出孔を設け、特に、散気管が断面流線形
である場合に、散気管相互の間隔が散気管の最大翼厚寸
法よりも若干狭い場合に微細気泡が得られることがわか
った。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の微細気泡形成装置によれば、散気管の廻りに形成され
る境界層のうち、その薄い部分、つまり、ポンプからの
吐出水流の上流側に面する散気管の外周面に気体の吐出
孔を設けてある。このため、水中に供給された気体は、
剪断力の弱い境界層での滞在時間が短くなり、剪断力の
大きい乱流域へ短時間で到達する。この結果、境界層に
おける気体の移動量(気体の伸び)が短くなり、微細な
気泡が得られる。また、複数本の散気管を、隣り合う散
気管相互間の流速を増大させる間隔でケーシング内に互
いに平行となるよう並設固定することにより、ポンプを
大型化することなく散気管間の流速を上げて剪断力を増
加させているため、気泡径をより一層小さくできるとい
う効果がある。なお、散気管の断面形状を流線形にし、
散気管背面での渦の発生を防止するようにすれば、気泡
同志が衝突して合体し、気泡径が大きくなることを防止
することができる。
の微細気泡形成装置によれば、散気管の廻りに形成され
る境界層のうち、その薄い部分、つまり、ポンプからの
吐出水流の上流側に面する散気管の外周面に気体の吐出
孔を設けてある。このため、水中に供給された気体は、
剪断力の弱い境界層での滞在時間が短くなり、剪断力の
大きい乱流域へ短時間で到達する。この結果、境界層に
おける気体の移動量(気体の伸び)が短くなり、微細な
気泡が得られる。また、複数本の散気管を、隣り合う散
気管相互間の流速を増大させる間隔でケーシング内に互
いに平行となるよう並設固定することにより、ポンプを
大型化することなく散気管間の流速を上げて剪断力を増
加させているため、気泡径をより一層小さくできるとい
う効果がある。なお、散気管の断面形状を流線形にし、
散気管背面での渦の発生を防止するようにすれば、気泡
同志が衝突して合体し、気泡径が大きくなることを防止
することができる。
【図1】 本発明にかかる微細気泡形成装置を備えた曝
気装置の使用状態を示す断面図である。
気装置の使用状態を示す断面図である。
【図2】 本発明にかかる微細気泡形成装置を示し、図
(a)は正面図、図(b)はノズルボックスの側面図で
ある。
(a)は正面図、図(b)はノズルボックスの側面図で
ある。
【図3】 本発明の微細気泡形成装置の散気管を示し、
図(a)は断面円形の散気管の断面図、図(b)は断面
流線形の散気管の断面図である。
図(a)は断面円形の散気管の断面図、図(b)は断面
流線形の散気管の断面図である。
【図4】 本発明にかかる実施例1の実験結果を示すグ
ラフ図である。
ラフ図である。
【図5】 本発明にかかる実施例2の実験結果を示すグ
ラフ図である。
ラフ図である。
【図6】 本発明にかかる実施例3の実験結果を示すグ
ラフ図である。
ラフ図である。
【図7】 空気量と水の流速との関係を示すグラフ図で
ある。
ある。
【図8】 吐出孔径と供給空気量との関係を示すグラフ
図である。
図である。
【図9】 気泡が形成されるメカニズムを説明するため
の説明図であり、図(a)はノズルから空気を吐出した
場合の説明図、図(b)は散気管に水流が衝突した場合
に境界層が形成される場合を示す説明図、図(c)は図
(b)の部分拡大図である。
の説明図であり、図(a)はノズルから空気を吐出した
場合の説明図、図(b)は散気管に水流が衝突した場合
に境界層が形成される場合を示す説明図、図(c)は図
(b)の部分拡大図である。
10…曝気装置、11…モータ、12…インペラー、1
3…軸流ポンプ、14…ノズルボックス、15…ケーシ
ング、16…散気管、18…吐出孔。
3…軸流ポンプ、14…ノズルボックス、15…ケーシ
ング、16…散気管、18…吐出孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 明 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (72)発明者 西田 和善 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 水中に配設したポンプからの吐出水流を
囲むケーシングの中に断面円形または断面流線形の複数
の散気管を、該散気管と前記吐出水流とが直交し、隣り
合う散気管相互間の流速を増大させる間隔で、かつ、前
記散気管が互いに平行となるよう並設固定するととも
に、前記散気管の外周面のうち、前記吐出水流の上流側
に気体の吐出孔を穿設したことを特徴とする微細気泡形
成装置。
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JP33030395A JP2896333B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 微細気泡形成装置 |
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ID=18231141
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JP33030395A Expired - Fee Related JP2896333B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 微細気泡形成装置 |
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-
1995
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Patent Citations (3)
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JPH09168792A (ja) | 1997-06-30 |
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