JP2894551B2 - 油溶性の燐窒素含有添加剤 - Google Patents

油溶性の燐窒素含有添加剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、以前に1995年3月31日付
けで提出した出願連続番号08/422,407(現在
米国特許第)の一部継続出願である。
【0002】
【技術分野】本発明は、潤滑粘度を有する油に入れる多
機能添加剤として用いるに有用で金属を含まない新規な
燐窒素含有組成物に関する。
【0003】
【背景】数多くのギアオイルが市場で入手可能である
が、制限された滑り(limited slip)また
は強化ポジトラクション(enhanced posi
traction)性能を更に向上させることが求めら
れている。
【0004】特定のギアおよびベアリングに高い圧力が
かかると潤滑膜が崩壊する結果として向かい合う金属表
面が互いに接触し得ることが知られている。このように
金属が接触すると、結果として、かき傷が生じ、焼き付
きが起こり、過剰な摩耗が生じ、効率が失われ、最終的
に機械装置の破損がもたらされる。加うるに、油膜にそ
のような高い圧力がかかると内部熱の上昇が生じるが、
これは、油膜の破壊を通して金属が接触する結果として
起こる如何なる摩擦でも増大し得る。その結果として、
相互作用する金属表面間に高い機械的圧力が発生する可
能性がある機械装置では、高い潤滑性と高い膜強度、即
ち極圧特性(extreme pressure pr
operties)の両方を有する潤滑剤を用いる必要
がある。
【0005】不幸なことには、このような2つの要求は
しばしば互いに相いれない。即ち、高い膜強度を有する
添加剤は必ずしも良好な潤滑性、即ち「油性」を示さ
ず、実際、摩擦が高くなって油膜が加熱される可能性が
ある。逆に、良好な潤滑性、即ち「油性」を示す添加剤
は必ずしも良好な極圧特性を示さず、実際、個々の極圧
添加剤成分が示す作用を隠蔽するか或は妨害し得る。
【0006】リミテッド・スリップ・アクスル(lim
ited slip axles)またはディファレン
シャル(differentials)は、より大きな
駆動力を車のホイールに伝達して、より良好な牽引力を
そのホイールに持たせる機械装置である。そのような機
械装置は、それら自身に固有で特殊な潤滑問題を有す
る。荷重下で回転させてい間に起こる圧力と力の相互作
用により、しばしば、ノイズ(しばしば「チャタリング
(chatter)」と呼ばれる)が生じ、そして車の
振動、即ちシャダ(shudder)が起こる。リミテ
ッド・スリップ・アクスルまたはディファレンシャルを
適切に機能させるには、とりわけ、高い潤滑性と高い膜
強度、即ち極圧特性の両方を有する潤滑剤を用いる必要
があるが、しばしば、このような要求は上述したように
互いに相いれない。
【0007】このような「チャタリング」問題を克服し
ようとする従来技術の試みは、一般に、摩擦低下剤(f
riction−reducing agents)ま
たは油性剤(oiliness agents)を研究
してそれらを基礎の潤滑剤に添加して利用することを伴
っていた。そのようなアプローチでは、その潤滑剤で利
用されている添加剤成分が与える極圧性、抗摩耗性、錆
および腐食保護性に加えて酸化安定性の間の均衡を悪化
させないようにする必要があった。制限された滑り特性
と抗摩耗/極圧特性の両方を潤滑油組成物(この中に添
加剤組成物を入れる)に与える能力を有する添加剤組成
物を提供することができれば、本技術分野における非常
に望ましい進展になるであろう。このような添加剤が得
られれば、「チャタリング」問題をなくすか或は少なく
とも最小限にしかつ抗摩耗/極圧特性に貢献する潤滑剤
を調合することが可能になると同時に、通常の摩擦低下
用添加剤を潤滑剤に入れる使用でもたらされていた複雑
さを回避することが可能になるであろう。そのような多
機能的添加剤は、本技術分野で見られるとしても、ほと
んどない。
【0008】米国特許第3,197,405号および
3,197,496号には、ホスホロチオ酸のヒドロキ
シ置換トリエステルと特別な無機燐試薬を反応させた後
その生成物をアミンで中和すると生じる燐窒素含有生成
物の広範な記述が含まれている。このような生成物は殺
虫剤、腐食抑制剤、防錆剤、抗摩耗剤として用いるに有
用であることが示されており、特に潤滑組成物の腐食抑
制添加剤および極圧添加剤として有効であることが示さ
れている。上記特許に従い、そのヒドロキシで置換され
ているホスホロチオ酸トリエステルは種々の方法で製造
可能であり、その方法には、O,O−ジヒドロカルビル
ホスホロジチオ酸とエポキシドまたはグリコールを反応
させることが含まれる。好適なエポキシド類は、炭素原
子数が約8未満の脂肪族エポキシド類およびスチレンオ
キサイド類である。挙げられている他の非環状脂肪族エ
ポキシド類は1,2−オクテンオキサイド、ドデセンオ
キサイドおよびオクタデセンオキサイドである。
【0009】米国特許第4,435,338号には、
O,O−ジアルキルジチオホスフェートと二官能、三官
能または四官能のエポキシド化合物を反応させると生じ
る生成物が記述されている。
【0010】
【発明】本発明では、とりわけ、制限された滑り特性を
示し卓越した有用性を示す新規な多機能添加剤を提供す
る。より詳細には、(i)O,O−ジヒドロカルビルホ
スホロジチオ酸を、分子中に炭素原子を20から約30
個の範囲で有するモノエポキシドもしくはモノエポキシ
ド混合物または植物油エポキシド[これはエポキシ化大
豆油、メチルエポキシソイエート(soyate)、ブ
チルエポキシソイエート、オクチルエポキシソイエー
ト、エポキシ化アマニ油、メチルエポキシリンシデート
(linseedate)、ブチルエポキシリンシデー
トおよびオクチルエポキシリンシデートから成る群から
選択される]と反応させ、(ii)その生成物を五酸化
燐と反応させることでアシッドホスフェート(acid
phosphate)中間体を生じさせ、そして(i
ii)その中間体の少なくとも主要部分を少なくとも1
種のアミンで中和する、ことでヒドロキシ置換ホスホロ
チオエートを生じさせることにより、制限された滑り特
性を示すことに加えて抗摩耗/極圧および腐食抑制特性
を示す生成物を製造する。上記O,O−ジヒドロカルビ
ルホスホロジチオ酸が有するヒドロカルビル基の少なく
とも50モル%は、アセチレン不飽和を持たない非環状
の第二ヒドロカルビル基であり、そして上記ヒドロカル
ビル基の残り(もしあれば)は、アセチレン不飽和を持
たない非環状の第一ヒドロカルビル基である。好適に
は、このヒドロカルビル基の本質的に全部(例えばそれ
らの少なくとも98%)を、アセチレン不飽和を持たな
い非環状の第二ヒドロカルビル基にする。簡単に言え
ば、第一ヒドロカルビル基の含有量を低くすればするほ
ど良好になる。従って、上記第一段階の反応では、商業
的実用性の適度な範囲内において、実質的に純粋な第二
アルコール類から生じさせたO,O−ジヒドロカルビル
ホスホロジチオ酸を用いるべきである。
【0011】本発明の生成物を1,2−エポキシドから
生じさせる場合、好適な組成物を、主に、式:
【0012】
【化2】
【0013】[式中、Rは、炭素原子を18から約28
個有する少なくとも1種のアルキル基、好適にはアルキ
ル基の混合物で、好ましくは炭素原子を18から約22
個有するアルキル基の混合物であり、各R’は、独立し
て、炭素原子を3から18個有していてアセチレン不飽
和を持たない非環状の第二ヒドロカルビル基であり、A
mineは、独立して、プロトン化した第一級もしくは
第二級アミンであり、nは1−2であり、mは1−2で
あり、そしてnとmの合計は3以下である]で表される
油溶性の燐窒素含有組成物で構成させる。典型的には、
この生成物に、更に、上記式(I)で表される組成物の
異性体形態、即ち式:
【0014】
【化3】
【0015】[式中、R、R’、Amine、nおよび
mはこの上で定義した通りである]で表される異性体形
態を少量(即ち50モル%未満の量)含める。
【0016】ジチオ酸部分による置換がエポキシド鎖の
1−炭素上に起こるか或は2−炭素上に起こるかを決定
する場合に分析の不確かさがある程度存在することは理
解されるであろう。従って、本発明の好適な生成物は、
更に、この上に記述した如き式IIで表される組成物も
包含しまた少量の式Iと一緒に式IIで表される組成物
を主要量で含む組成物も包含する。
【0017】本発明の好適な組成物は、(i)式
【0018】
【化4】
【0019】[式中、各R’はこの上で定義した通りで
ある]で表されるジヒドロカルビルホスホロジチオ酸
を、分子中に炭素原子を20から約30個有する少なく
とも1種の1,2−アルキレンオキサイドと反応させる
ことでジヒドロカルビルモノ−(ヒドロキシアルキル)
ホスホロジチオエートを生じさせ、(ii)そのトリエ
ステルを五酸化燐と反応させることで式:
【0020】
【化5】
【0021】[式中、R、R’およびnはこの上で定義
した通りである]で表される置換アシッドホスフェート
を生じさせ、そして(iii)この置換アシッドホスフ
ェートの少なくとも実質的な部分を少なくとも1種の第
一級もしくは第二級アミンで中和することで調製可能で
ある。上記アシッドホスフェート(IV)は、典型的
に、アシッドホスフェートの異性体形態、即ち式:
【0022】
【化6】
【0023】[式中、R、R’およびnはこの上で定義
した通りである]で表される異性体形態を少量伴う可能
性がある。再び、この上で考察したように、ジチオ酸部
分による置換がエポキシド鎖の1−炭素上に起こるか或
は2−炭素上に起こるかを決定する場合に分析の不確か
さがある程度存在することは理解されるであろう。この
上に記述した調製で式(V)で表される置換アシッドホ
スフェートを製造しようとする場合、それに伴って式
(IV)で表される置換アシッドホスフェートが少量生
じる可能性がある。
【0024】エポキシ化大豆油、メチルエポキシソイエ
ート、ブチルエポキシソイエート、オクチルエポキシソ
イエート、エポキシ化アマニ油、メチルエポキシリンシ
デート、ブチルエポキシリンシデートおよびオクチルエ
ポキシリンシデートから成る群から選択される植物油エ
ポキシドも、この上の1,2−エポキシで示したのと同
じように、ホスホロジチオ酸と一緒に同様な反応を起こ
し、そして更に、五酸化燐と反応する。複数の部位(ジ
−、トリ−およびそれ以上のエポキシドを包含)を伴う
ことから、そのような生成物を簡単な構造式で示すのは
有効でない。本発明に好適な植物油エポキシドはエポキ
シ化大豆油およびメチルエポキシソイエートである。
【0025】通常、五硫化燐を適当なアルコール、即ち
分子中に炭素原子を3から18個有していてアセチレン
不飽和を持たない非環状で一価の第二アルコールと反応
させることにより、ジヒドロカルビルホスホロジチオ酸
の調製を達成する。このようなアルコール類の例には、
2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノー
ル、3−ペンタノール、そしてオクタデカノール類に至
る(これを包含する)高級第二アルカノール同族体、並
びにオレフィン系不飽和を有する類似第二アルコール
類、例えば3−ブテノール−2、3−ペンテノール−
2、4−ペンテノール−2、そして炭素原子を1分子当
たり約18個以下の数で有する類似第二アルケノール類
が含まれる。このオレフィン系不飽和を有するアルコー
ル類は、オレフィン系二重結合を1から3個含んでいて
もよい。2種以上のアルカノール類から成る混合物も使
用可能である。同様に、オレフィン系不飽和アルコール
類の混合物に加えて、少なくとも1種の第二アルカノー
ル類とオレフィン系不飽和を有する少なくとも1種の第
二アルコールの混合物も使用可能である。この反応は、
五硫化燐1モル当たり4モルのアルコールを伴う。反応
温度は通常約50から約150℃の範囲である。アルコ
ール類の混合物を用いる場合、この混合物に第二アルコ
ール(類)を少なくとも50モル%含める限り、この混
合物に第一アルコール(類)を50モル%以下の量で存
在させてもよい。好適には、上記混合物に含める第一ア
ルコールの量を約30モル%以下にして第二アルコール
の量を少なくとも約70モル%にし、より好適には、こ
の混合物に含める第一アルコールの量を約10モル%以
下にして第二アルコールの量を少なくとも約90モル%
にする。実質的に純粋な第二アルコールを1種用いるか
或はそれらの混合物を用いるのが好適である。
【0026】最も好適な種類の第二アルコール類は、分
枝鎖を有する第二アルコール類、例えば4−メチル−2
−ペンタノール、4−メチル−2−ヘキサノール、5−
メチル−2−ヘキサノール、6−メチル−3−ヘプタノ
ール、5,7−ジメチル−3−オクタノールなど、およ
び類似第二アルケノール類である。炭素原子を約6から
約12個有していて分枝鎖を有する第二アルコール類が
特に好適である。メチル分枝が非常に望ましい。現在の
ところ、分枝アルコール類全部の中で4−メチル−2−
ペンタノールが最も好適である。
【0027】ジヒドロカルビルホスホロジチオ酸とモノ
エポキシドを反応させてジヒドロカルビルモノ−(ヒド
ロキシアルキル)ホスホロジチオエートを生じさせる反
応は発熱反応であり、従って通常、室温でか或は室温よ
り若干低い温度で反応を開始し、そして好適には約70
℃を越えないように反応を調節する。最も好適には、約
25から約50℃の範囲の温度で反応を実施する。ま
た、反応混合物を連続撹拌しながらジヒドロカルビルホ
スホロジチオ酸にモノエポキシド(アルキレンオキサイ
ド、好適には1,2−アルキレンオキサイド)を小分割
して添加するのも好適である。この反応が終了した後、
典型的には、この反応混合物を穏やかに撹拌しながら約
50℃に約1時間維持する。
【0028】続いて行うジヒドロカルビルヒドロキシア
ルキルトリエステルと五酸化燐との間の反応で置換アシ
ッドホスフェートを生じさせる場合も発熱反応を伴う。
従って、反応をもう一度ほぼ室温で開始させてもよく、
好適には約20から約60℃の範囲内の温度で反応を行
う。典型的には、1モルのP25当たり約2から約4モ
ルのトリエステル、好適には約3モルのトリエステルか
ら成る比率で反応体を用いる。好適には、上記反応体間
の密な接触を確保するようにこれらを撹拌しながら、P
25を分割してトリエステルに加える。反応が終了した
後、その反応混合物を穏やかに撹拌しながらこの混合物
を約50から60℃に約1時間維持するのが望ましい。
【0029】この置換アシッドホスフェートの中和は、
単に、選択した1種以上の第一級もしくは第二級モノア
ミン類と一緒に上記アシッドホスフェートを混合するこ
とで容易に達成される。典型的には、この反応を約20
℃および約60℃の温度で実施する。もう一度、約50
から約60℃の範囲の温度を1時間保持しながら上記反
応混合物を継続して撹拌するのが望ましい。
【0030】この中和段階で用いるに適切なアミン類の
中には、(a)アルキル基が炭素原子を1から約30個
有する第一アルキル基であるモノアルキルアミン類、例
えばメチルアミン、エチルアミン、1−プロピルアミ
ン、1−ブチルアミン、2−メチル−1−プロピルアミ
ン、1−ペンチルアミン、2−メチル−1−ブチルアミ
ン、3−メチル−1−ブチルアミン、2,2−ジメチル
−1−プロピルアミン、1−ヘキシルアミン、2−メチ
ル−1−ペンチルアミン、3−メチル−1−ペンチルア
ミン、4−メチル−1−ペンチルアミン、2,2−ジメ
チル−1−ブチルアミン、2,3−ジメチル−1−ブチ
ルアミン、3,3−ジメチル−1−ブチルアミン、2−
エチル−1−ブチルアミン、並びに第一アルキル基が炭
素原子を7から約30個有する同様な高級直鎖および分
枝鎖モノアルキルアミン同族体、(b)アルキル基が炭
素原子を3から約30個有する第二アルキル基であるモ
ノアルキルアミン類、例えば2−プロピルアミン、2−
ブチルアミン、2−ペンチルアミン、3−ペンチルアミ
ン、3−メチル−2−ブチルアミン、2−ヘキシルアミ
ン、3−ヘキシルアミン、3−メチル−2−ペンチルア
ミン、4−メチル−2−ペンチルアミン、2−メチル−
3−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブチルア
ミン、並びに第二アルキル基が炭素原子を7から約30
個有する同様な高級モノアルキルアミン同族体、(c)
アルキル基が炭素原子を4から約30個有する第三アル
キル基であるモノアルキルアミン類、例えば2−メチル
−2−プロピルアミン、2−メチル−2−ブチルアミ
ン、2−メチル−2−ペンチルアミン、3−メチル−3
−ペンチルアミン、2,3−ジメチル−2−ブチルアミ
ン、並びに第三アルキル基が炭素原子を7から約30個
有する同様な高級モノアルキルアミン同族体、(d)エ
チレン不飽和を有する非環状のモノヒドロカルビル第一
級、第二級および第三級アミン類、例えばアリルアミ
ン、ブテニルアミン類、ペンテニルアミン類、ヘキセニ
ルアミン類、ヘプテニルアミン類、オクテニルアミン
類、並びにアルケニル基が炭素原子を9から約30個有
しそしてエチレン二重結合を1から3個含む同様な高級
同族体および類似物、(e)アルキル基が第一、第二お
よび/または第三アルキル基であるジアルキルアミン
類、例えばジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイ
ソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルア
ミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチ
ルアミン、並びに各々が炭素原子を約30個以下の数で
含む直鎖および/または分枝鎖アルキルを有する類似化
合物、(f)エチレン不飽和を有する非環状のジヒドロ
カルビル第一級、第二級および第三級アミン類、例えば
ジアリルアミン、ブチルオクテニルアミン、エチルオレ
イルアミン、ジオレイルアミン、並びに各々が炭素原子
を約30個以下の数で含みそしてエチレン二重結合を1
から3個含むエチレン系不飽和基を2個有する類似化合
物、或はそのようなエチレン不飽和基を1つ持ちそして
そのような炭素原子数が約30以下の第一、第二または
第三アルキル基を1つ持つ類似化合物がある。このよう
な種々のアミン類の混合物も使用可能である。市販アミ
ン類、例えばステアリルアミン、オレイルアミン、第三
アルキルを有する第一級アミン類の混合物、例えばPr
imene 81RアミンおよびPrimene JM
−Tアミン(Rohm & Haas Compan
y)などが好適である。
【0031】本発明の一般的な面で本発明を制限するこ
とを意図しない下記の実施例を用いて本発明の組成物お
よびそれの合成を例示する。
【0032】
【実施例】実施例1 撹拌機を取り付けた300mLの反応フラスコにO,O
−ビス(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジチオ酸
(59.7g、0.2モル)を入れる。連続撹拌しなが
ら、炭素原子を1分子当たり20から24個有する1,
2−アルキレンオキサイドの市販混合物(VIKOLO
X 20−24)を0.2モル滴下し、そして温度が4
5℃に到達した時点で、温度を45から50℃に維持す
るように混合物を冷却する。滴下が終了した時点で、こ
の反応混合物を1時間撹拌する。
【0033】第二段階の反応では、五酸化燐(9.4
g、0.066モル)を6等分して各々約10分の間隔
で加える。この添加中、反応混合物を連続撹拌しそして
この混合物を冷却して50から55℃に維持する。添加
が終了した時点で、この反応混合物を撹拌しながら上記
温度範囲に1時間保持する。
【0034】第三段階の反応では、第二段階の反応生成
物を50から55℃の温度に保持しながらこれにオレイ
ルアミン(Armeen OL)(55.6g、0.2
モル)を滴下することで中和を行う。アミンの添加が終
了した時点で、この反応混合物を50から55℃で1時
間撹拌する。その結果として生じた生成物が本発明の組
成物である。
【0035】実施例2 オレイルアミンの代わりにC12-15第三アルキル第一級
アミン混合物(Primene 81R)を0.2モル
用いる以外は実施例1の手順を繰り返す。その結果とし
て生じた生成物が本発明の組成物である。
【0036】実施例3 用いるアミンが1−オクタデシルアミンと2−オクタデ
シルアミンの等モル混合物である以外は実施例1の手順
を繰り返すことで本発明の組成物を生じさせる。
【0037】実施例4 オレイルアミンの代わりにオクチルアミン(0.2モ
ル)を用いる以外は実施例1を繰り返すことにより、本
発明の別の組成物を得る。
【0038】実施例5 O,O−ビス(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジ
チオ酸の代わりにO,O−ビス(2−ヘキシル)ホスホ
ロジチオ酸を0.2モル用いて実施例1−4各々を繰り
返す。その結果として生じた最終生成物が本発明の組成
物を構成する。
【0039】実施例6 O,O−ビス(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジ
チオ酸の代わりにO,O−ビス(5−メチル−3−ヘキ
シル)ホスホロジチオ酸を0.2モル用いて実施例1−
4各々を繰り返す。その結果として生じた最終生成物が
本発明の組成物を構成する。
【0040】実施例7 第一段階の反応におけるエポキシドとして炭素原子を1
分子当たり24から28個有する1,2−アルキレンオ
キサイドの市販混合物(VIKOLOX 24−28)
を75.7g(0.2モル)用いる以外は実施例1の手
順を繰り返す。その結果として生じた最終生成物が本発
明の組成物である。このようにして生じさせた生成物は
燐を5.14%および硫黄を6.38%含有しそしてそ
れの平均分子量は約1365であることを確認した。
【0041】実施例8 第一段階で用いたO,O−ジヒドロカルビルホスホロジ
チオ酸が4−メチル−2−ペンタノールと2−プロパノ
ールの等モル混合物から生じさせた混合ジ−第二アルキ
ルホスホロジチオ酸である以外は実施例7の手順を繰り
返す。従って、第一段階の反応における仕込みは、5
7.5g(0.2モル)の上記混合ジ−第二アルキルホ
スホロジチオ酸と75.7gのVIKOLOX 24−
28エポキシドである。このようにして生じさせた生成
物は燐を5.19%および硫黄を6.45%含有しそし
てそれの平均分子量は約1350であることを確認し
た。
【0042】実施例9 撹拌機を取り付けた500mLの反応フラスコにO,O
−ビス(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジチオ酸
(119.4g)を入れる。連続撹拌しながら、市販メ
チルエポキシソイエート(VIKOFLEX 701
0)を90.2g滴下し、そして温度が45℃に到達し
た時点で、温度を45から50℃に維持するように混合
物を冷却する。滴下が終了した時点で、この反応混合物
を1時間撹拌する。
【0043】第二段階の反応では、五酸化燐(18.8
g)を6等分して各々約10分の間隔で加える。この添
加中、反応混合物を連続撹拌しそしてこの混合物を冷却
して50から55℃に維持する。添加が終了した時点
で、この反応混合物を撹拌しながら上記温度範囲に1時
間保持する。
【0044】第三段階の反応では、第二段階の反応生成
物を50から55℃の温度に保持しながらこれにオレイ
ルアミン(Armeen OL)(111.2g)を滴
下することで中和を行う。アミンの添加が終了した時点
で、この反応混合物を50から55℃で1時間撹拌す
る。その結果として生じた生成物が本発明の組成物であ
る。
【0045】実施例10 撹拌機を取り付けた500mLの反応フラスコにO,O
−ビス(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジチオ酸
(119.4g)を入れる。連続撹拌しながら、市販エ
ポキシ化大豆油(VIKOFLEX 7070)を8
7.6g滴下し、そして温度が45℃に到達した時点
で、温度を45から50℃に維持するように混合物を冷
却する。滴下が終了した時点で、この反応混合物を1時
間撹拌する。
【0046】第二段階の反応では、五酸化燐(18.8
g)を6等分して各々約10分の間隔で加える。この添
加中、反応混合物を連続撹拌しそしてこの混合物を冷却
して50から55℃に維持する。添加が終了した時点
で、この反応混合物を撹拌しながら上記温度範囲に1時
間保持する。
【0047】第三段階の反応では、第二段階の反応生成
物を50から55℃の温度に保持しながらこれにオレイ
ルアミン(Armeen OL)(111.2g)を滴
下することで中和を行う。アミンの添加が終了した時点
で、この反応混合物を50から55℃で1時間撹拌す
る。その結果として生じた生成物が本発明の組成物であ
る。
【0048】ベンチ試験を用いると共に、Southw
est Research Instituteが実施
している如きGeneral Motors Corp
orationの「Big Wheel−Little
Wheel」試験手順を用いて、本発明の組成物が示
す優れた制限滑り特性を立証した。詳細には、実施例1
の如く製造した生成物を1.91重量パーセント含有さ
せた潤滑剤調合物を室温においてLVFAリミテッドス
リップベンチテスト(limited slip be
nch test)で実験した。比較の目的で、(1)
オイルA、即ち市販の自動車用ギアオイルパッケージを
推奨用量レベルで含有させた潤滑油、(2)オイルB、
即ちオイルA潤滑組成物に市販のリミテッドスリップト
ップトリート(limited slip top t
reat)添加剤を推奨用量レベルで加えた組成物、お
よび(3)オイルC、即ち合格するGeneral M
otorsのリミテッドスリップ基準オイル調合物に、
同じ試験条件下で同じ試験ベンチテスト手順を受けさせ
た。この試験の結果を表1に要約し、そこに示す平均パ
ーセント改良率は、General Motors C
orporationが不合格の試験標準として用いて
いる不合格基準オイルが同じ試験で示す性能と比較した
時の改良率である。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果は統計学的に有意な結果である
ことが分かるであろう。
【0051】General Motors Corp
orationのリミテッドスリップBig Whee
l−Little Wheel試験を用いて、比較試験
を車で実施した。この試験では、オイルD、即ち市販の
プレミアムギア添加剤パッケージをそれの推奨用量レベ
ル(7重量%)で含有させたベースオイルを対照として
用いた。別の対照(オイルE)は、制限された滑り特性
を与えるように市販のリミテッドスリップトップトリー
ト(2重量%)で処理された市販のギア添加剤パッケー
ジ(6.5重量%)と一緒に調合したベースオイルの別
サンプルであった。本発明の潤滑剤は、実施例1と同様
に製造した生成物をリミテッドスリップ成分として含有
するパッケージを6.44重量%用いて処理した潤滑剤
であった。仕上げ潤滑剤に入っている上記リミテッドス
リップ成分量は1.91重量パーセントであった。その
結果を表2に要約する。
【0052】
【表2】
【0053】本発明の生成物が有する別の際だった特徴
は、硫黄源としての硫化オレフィンと一緒に調合する
と、L−42試験の「ショック−バンプ(shock−
bump)」条件下、L−33試験の錆/腐食条件下、
およびL−37試験の高温酸化条件下において、優れた
性能を示す点である。このように、実施例1と同様に製
造した本発明の生成物を1.338重量%含有させそし
て硫黄を硫化イソブチレン(HiTEC 313添加
剤;Ethyl Petroleum Additiv
es,Inc.)として2重量%含有させた調合80W
90ギアオイル(オイルF)、および本発明の生成物の
添加レベルを高くして2.294%にした別の同じギア
オイル調合物(オイルG)は、表3に要約するL−42
試験結果を与えた。
【0054】
【表3】
【0055】表4に4つのL−33試験の結果を要約す
るが、ここでは、2つの調合オイル(オイルHおよび
I)に市販防錆剤(Vaporal)を含有させそして
2つの調合オイル(オイルJおよびK)には通常の防錆
剤も腐食抑制剤も含有させなかった。オイルH、Iおよ
びJには、実施例1と同様に製造した生成物を1.33
8重量%含有させる一方、オイルKには上記生成物を
2.294上記含有させた。オイルHおよびK中の硫黄
レベルは2重量%であり、そしてオイルIおよびJ中の
硫黄レベルは1.2重量%であった。オイルJに入れた
硫黄含有成分はジ−t−ドデシルジスルフィドである一
方、オイルH、IおよびKに入れた硫黄含有成分は硫化
イソブチレン(HiTEC 313添加剤)であった。
【0056】
【表4】
【0057】本発明の生成物は防錆特性を示すばかりで
なく、通常の防錆剤を全く含有させなかったオイルJお
よびKでも、合格する結果を達成することに関しては有
意に有効であることが表4から分かるであろう。
【0058】表5に要約した高温L−37の結果も、再
び、実施例1と同様に製造した本発明の生成物を特に硫
化オレフィン、例えば硫化イソブチレンなどを硫黄含有
成分として一緒に用いて調合すると優れた性能が得られ
ることを示している。また、表5に示す結果は、この生
成物の製造で用いるエポキシドの鎖の長さが有意で重要
であることも示している。詳細には、オイルMおよびO
には、実施例1と同様に製造した本発明の生成物を含有
させる一方、オイルLおよびNには、プロピレンオキサ
イドをエポキシドとして用いる以外は実施例1と同様に
製造した本発明でない比較生成物を含有させた。重量を
基準にして、オイルLおよびMの全燐含有量は700p
pmである一方、オイルNおよびOの全燐含有量は12
00ppmであった。エポキシドが異なりそして本発明
の生成物と比較生成物の比率が異なる(上記の如き全燐
レベルに到達させる目的で)以外は、上記4つのオイル
は組成の点で同じであった。各オイルに硫化イソブチレ
ン(HiTEC 313添加剤)を3.5重量%および
同じ燐ホウ素含有分散剤を1.0重量%含有させた。従
って、この試験では、個々の生成物、即ちエポキシド以
外は同じ材料を用いて同じ方法で製造した本発明の生成
物と比較生成物が示す相対的有効性に焦点を当てた。
【0059】
【表5】
【0060】表5における結果は数値等級が低ければ低
いほど良好である。本発明の生成物(オイルMおよび
O)は合格結果を与えた。比較生成物(オイルLおよび
N)は合格結果を与えなかった。
【0061】LVFA試験でもまた本発明の生成物の方
が上記比較生成物に比較して明らかに優れていることが
示された。この試験では、下記の4組成物の間で低速摩
擦(low velocity friction)特
性の比較を行った。
【0062】1)低速摩擦性能が望まれている場合のリ
ミテッドスリップアクスル使用に適するように特に調合
されていて商業的に用いられる標準潤滑剤(オイル
P); 2)添加剤パッケージを添加していない80W90ベー
スオイル(オイルQ); 3)上記比較生成物(これの合成でプロピレンオキサイ
ドを用いた)として燐を1000ppm(重量)含有さ
せた2)のベースオイル(オイルR);および 4)実施例1と同様に製造した生成物として燐を100
0ppm(重量)含有させた2)のベースオイル(オイ
ルS)。
【0063】その試験結果を表6に要約し、この表にお
いて、負の改良は、勿論、比較の基礎として用いた市販
調合物(オイルP)よりも試験オイル組成物の効果が低
いことを意味する。
【0064】
【表6】
【0065】以下の表7に要約する高温L−37結果
は、実施例9(オイルT)および10(オイルU)と同
様に製造した本発明の生成物を特に硫化オレフィン、例
えば硫化イソブチレンなどを硫黄含有成分として一緒に
用いて調合すると優れた性能が得られることを示してい
る。重量を基準にして、オイルTおよびUの全燐含有量
は1000ppmであった。オイルTおよびU各々に硫
化イソブチレン(HiTEC 313添加剤)を3.5
重量%および同じ燐ホウ素含有分散剤を1.0重量%含
有させた。シーケンス2−ピニオン−ギアドライブサイ
ドおよびリング−ギアドライブサイドの状態(試験が終
了した後)、即ちギアの歯の表面状態(ピニオンギア/
リングギア)に関する結果を示す。
【0066】
【表7】
【0067】本発明の生成物であるオイルTおよびUは
L−37シーケンス2試験で優秀合格結果を示した。
【0068】従って、本発明に従い、本明細書の上に記
述した種類の燐窒素含有組成物と潤滑粘度の油を含む潤
滑油組成物を本発明の追加的態様として提供する。これ
らの比率は、結果として得られる組成物が添加剤濃縮物
であり得るように潤滑油が少量である比率から、結果と
して得られる組成物が潤滑組成物、例えばギアオイル、
トランスミッション用流体、クランクケース用潤滑剤、
作動油、金属加工油などであり得るように潤滑油が主要
量である比率に至る範囲であってもよい。従って、これ
らの相対的比率は幅広い範囲内で多様であり、本発明の
燐窒素含有生成物の量が0.05重量%の如き少量から
99.95重量%の如き多量であってもよい。
【0069】本発明の別の態様は、リミテッド・スリッ
プ・アクスルまたはディファレンシャルが備わっている
車においてリミテッド・スリップ・アクスルまたはディ
ファレンシャルのノイズを抑制する方法であり、この方
法は、潤滑油を主要量で含有しそして本発明の燐窒素含
有組成物を少量含有する潤滑油組成物で上記アクスルを
滑らかにすることを含む。リミテッド・スリップ・アク
スルまたはディファレンシャルの運転で上記潤滑組成物
を供給すると、その車のポジトラクション性能が向上す
る。この使用で仕上げした完全調合潤滑油中の本添加剤
量は、典型的に、該潤滑油中の燐の量が約100から約
5000ppm(重量)になるに充分な範囲、好適には
500から1500ppmの範囲、最も好適には800
から1200ppm(燐)の範囲に入り、特に約100
0ppm(燐)になるような量である。
【0070】本発明の更に別の態様は、 a)硫黄が炭素またはさらなる硫黄に結合している油溶
性の硫黄含有抗摩耗/極圧剤と b)本明細書の上に記述した如き本発明の燐窒素含有生
成物、を含有させた添加剤組成物および潤滑油組成物を
提供することにある。
【0071】上記組成物は、極圧と抗摩耗特性が必要と
されている装置または機械装置、例えば車のドライブラ
イン、ギア、高荷重エンジンなどの運転で用いるに特に
有用である。この上に示した試験結果が示すように、こ
のような添加剤組み合わせ[特に硫黄成分が硫化オレフ
ィン、注目すべきは硫化を受けさせた分枝鎖オレフィ
ン、例えばジイソブチレンまたはトリイソブチレンであ
る時、詳細にはこの硫黄成分が硫化イソブチレンである
時]は非常に良好な性能を与える。意図する仕上げ潤滑
剤の個々の用途に適合させるように上記2成分の相対的
比率を変化させることができる。しかしながら、一般的
に言って、これらの比率を典型的には成分a)としての
硫黄と成分b)としての燐の重量比が約1:1から約2
0:1の範囲、より好適には約2:1から約10:1の
範囲に入るような比率にする。このように組み合わせた
添加剤を潤滑油組成物で用いる。再び、この潤滑油組成
物が、仕上げ潤滑剤の製造で用いられる濃縮物であるか
或はそれ自身が仕上げ潤滑剤組成物であるかに応じて、
成分a)+b)の組み合わせと油の間の相対的比率は幅
広い範囲内で多様であり、成分a)+b)の量が0.0
5重量%の如き少ない量から99.95重量%の如き多
い量に至る範囲であってもよい。
【0072】本発明は本発明の実施でかなりの変形を受
け易い。従って、本明細書の上に挙げた特定の例示で本
発明を制限することを意図しない。むしろ、添付請求の
範囲の精神および範囲内に入る主題事項およびそれの容
認される相当物を本発明に含めることを意図する。
【0073】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0074】1. 制限された滑り特性を示す油溶性の
燐窒素含有組成物であって、(i)(a)ヒドロカルビ
ル基の少なくとも50モル%がアセチレン不飽和を持た
ない非環状の第二ヒドロカルビル基でありそして該ヒド
ロカルビル基の残り(もしあれば)がアセチレン不飽和
を持たない非環状の第一ヒドロカルビル基であるO,O
−ジ−ヒドロカルビルホスホロジチオ酸と(b)エポキ
シ化大豆油、メチルエポキシソイエート、ブチルエポキ
シソイエート、オクチルエポキシソイエート、エポキシ
化アマニ油、メチルエポキシリンシデート、ブチルエポ
キシリンシデートおよびオクチルエポキシリンシデート
から成る群から選択される植物油エポキシドを反応させ
ることで生成物を生じさせ、(ii)上記生成物と五酸
化燐を反応させることでアシッドホスフェート中間体を
生じさせ、そして(iii)この中間体の少なくとも主
要部分を少なくとも1種のアミンで中和する、ことで生
じさせた組成物。
【0075】2. 上記O,O−ジ−ヒドロカルビルホ
スホロジチオ酸が有するヒドロカルビル基の本質的に全
部がアセチレン不飽和を持たない非環状の第二ヒドロカ
ルビル基である第1項記載の組成物。
【0076】3. 上記非環状の第二ヒドロカルビル基
が各々炭素原子を約6から約12個含む第2項記載の組
成物。
【0077】4. 上記O,O−ジ−ヒドロカルビルホ
スホロジチオ酸が本質的に4−メチル−2−ペンチルホ
スホロジチオ酸から成る第1項記載の組成物。
【0078】5. 上記植物油エポキシドがエポキシ化
大豆油またはメチルエポキシソイエートである第1項記
載の組成物。
【0079】6. 上記O,O−ジ−ヒドロカルビルホ
スホロジチオ酸が、4−メチル−2−ペンタノールと2
−プロパノールが本質的に等モルの混合物から生じさせ
た混合ジ第二アルキルホスホロジチオ酸から本質的に成
りそして上記植物油エポキシドがエポキシ化大豆油また
はメチルエポキシソイエートである第1項記載の組成
物。
【0080】7. 式:
【0081】
【化7】
【0082】[式中、Rは、炭素原子を18から約28
個有する1種以上のアルキル基であり、各R’は、独立
して、炭素原子を3から18個有していてアセチレン不
飽和を持たない非環状の第二ヒドロカルビル基であり、
Amineは、独立して、プロトン化した第一級もしく
は第二級アミンであり、nは1−2であり、mは1−2
であり、そしてnとmの合計は3以下である]で表され
る油溶性の燐窒素含有組成物。
【0083】8. 更に上記組成物の異性体形態を少量
含む第7項記載の組成物であって、上記異性体形態が
式:
【0084】
【化8】
【0085】[式中、Rは、炭素原子を18から約28
個有する1種以上のアルキル基であり、各R’は、独立
して、炭素原子を3から18個有していてアセチレン不
飽和を持たない非環状の第二ヒドロカルビル基であり、
Amineは、独立して、プロトン化した第一級もしく
は第二級アミンであり、nは1−2であり、mは1−2
であり、そしてnとmの合計は3以下である]で表され
る組成物。
【0086】9. 各R’が、炭素原子を約6から約1
2個有していてアセチレン不飽和を持たない非環状の第
二ヒドロカルビル基である第7項記載の組成物。
【0087】10. 各R’が、分枝鎖を有する第二ア
ルキル基である第7項記載の組成物。
【0088】11. 各R’が4−メチル−2−ペンチ
ル基であり、そしてRが、炭素原子を18から22個の
範囲で含むアルキル基の混合物である第7項記載の組成
物。
【0089】12. Amineがプロトン化した第一
アルキルアミンであるか或はエチレン二重結合を1から
3個有するプロトン化した第一アルケニルアミンである
第7項記載の組成物。
【0090】13. Amineが、プロトン化してい
て第三アルキルを有する第一級アミンである第7項記載
の組成物。
【0091】14. Amineがプロトン化したオレ
イルアミンである第7項記載の組成物。
【0092】15. 潤滑油組成物であって、潤滑粘度
を有する油と第1項の油溶性燐窒素含有組成物を含む潤
滑油組成物。
【0093】16. 潤滑油組成物であって、潤滑粘度
を有する油と第2項の油溶性燐窒素含有組成物を含む潤
滑油組成物。
【0094】17. 潤滑油組成物であって、潤滑粘度
を有する油と第5項の油溶性燐窒素含有組成物を含む潤
滑油組成物。
【0095】18. (a)硫黄が炭素またはさらなる
硫黄に結合している油溶性の硫黄含有抗摩耗/極圧剤と
(b)第1項の燐窒素含有組成物を成分a)としての硫
黄と成分b)としての燐の重量比が約1:1から約2
0:1の範囲に入るような比率で含む組成物。
【0096】19. (a)硫黄が炭素またはさらなる
硫黄に結合している油溶性の硫黄含有抗摩耗/極圧剤と
(b)第5項の燐窒素含有組成物を成分a)としての硫
黄と成分b)としての燐の重量比が約1:1から約2
0:1の範囲に入るような比率で含む組成物。
【0097】20. 上記抗摩耗/極圧剤が硫化イソブ
チレンである第18項記載の組成物。
【0098】21. 上記抗摩耗/極圧剤が硫化イソブ
チレンである第19項記載の組成物。
【0099】22. リミテッド・スリップ・アクスル
またはディファレンシャルが備わっている車においてリ
ミテッド・スリップ・アクスルまたはディファレンシャ
ルのノイズを抑制する方法であって、潤滑油を主要量で
含有しそして第1項の燐窒素含有組成物を少量含有する
潤滑油組成物で上記アクスルまたはディファレンシャル
を滑らかにすることを含む方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:04 70:00 (72)発明者 バスデバン・バラスブラマニアム アメリカ合衆国バージニア州23228リツ チモンド・パインハーストロード3001 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 137/08 - 137/10 C10M 159/12 C10N 30:06 C10N 30:12 C10N 40:04 C10N 70:00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制限された滑り特性を示す油溶性の燐窒
    素含有組成物であって、(i)(a)ヒドロカルビル基
    の少なくとも50モル%がアセチレン不飽和を持たない
    非環状の第二ヒドロカルビル基でありそして該ヒドロカ
    ルビル基の残りがアセチレン不飽和を持たない非環状の
    第一ヒドロカルビル基であるO,O−ジ−ヒドロカルビ
    ルホスホロジチオ酸と(b)エポキシ化大豆油、メチル
    エポキシソイエート、ブチルエポキシソイエート、オク
    チルエポキシソイエート、エポキシ化アマニ油、メチル
    エポキシリンシデート、ブチルエポキシリンシデートお
    よびオクチルエポキシリンシデートから成る群から選択
    される植物油エポキシドを反応させることで生成物を生
    じさせ、(ii)上記生成物と五酸化燐を反応させるこ
    とでアシッドホスフェート中間体を生じさせ、そして
    (iii)この中間体の少なくとも主要部分を少なくと
    も1種のアミンで中和する、ことで生じさせた、潤滑粘
    度を有する油に入れる多機能添加剤として用いるに有用
    組成物。
  2. 【請求項2】 式: 【化1】 [式中、Rは、炭素原子を18から約28個有する1種
    以上のアルキル基であり、各R’は、独立して、炭素原
    子を3から18個有していてアセチレン不飽和を持たな
    い非環状の第二ヒドロカルビル基であり、Amine
    は、独立して、プロトン化した第一級もしくは第二級ア
    ミンであり、nは1−2であり、mは1−2であり、そ
    してnとmの合計は3以下である]で表される油溶性の
    潤滑粘度を有する油に入れる多機能添加剤として用いる
    に有用な燐窒素含有組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑油組成物であって、潤滑粘度を有す
    る油と請求項1の油溶性燐窒素含有組成物を含む潤滑油
    組成物。
  4. 【請求項4】 (a)硫黄が炭素またはさらなる硫黄に
    結合している油溶性の硫黄含有抗摩耗/極圧剤と(b)
    第1項の燐窒素含有組成物を成分a)としての硫黄と成
    分b)としての燐の重量比が約1:1から約20:1の
    範囲に入るような比率で含む、潤滑粘度を有する油に入
    れる多機能添加剤として用いるに有用な組成物。
  5. 【請求項5】 リミテッド・スリップ・アクスルまたは
    ディファレンシャルが備わっている車においてリミテッ
    ド・スリップ・アクスルまたはディファレンシャルのノ
    イズを抑制する方法であって、潤滑油を主要量で含有し
    そして請求項1の燐窒素含有組成物を少量含有する潤滑
    油組成物で上記アクスルまたはディファレンシャルを滑
    らかにすることを含む方法。
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