JP2893441B2 - 折り畳み式コンテナ - Google Patents

折り畳み式コンテナ

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JP2893441B2
JP2893441B2 JP12719596A JP12719596A JP2893441B2 JP 2893441 B2 JP2893441 B2 JP 2893441B2 JP 12719596 A JP12719596 A JP 12719596A JP 12719596 A JP12719596 A JP 12719596A JP 2893441 B2 JP2893441 B2 JP 2893441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料,部品等の物
品の輸送に使用されるコンテナ、詳しくは、底枠の4辺
に内側に折畳み可能に立設した側板を有する折畳み式コ
ンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンテナとして、実願平
4−91686号公報に掲載された技術が知られてい
る。このコンテナは、図13に示すように一対の一体側
板62と一対の分割側板63とを四角形の底枠61の対
向する2辺に夫々折り畳み可能に立設し、上面が開いた
四角箱状に構成されている。一体側板62は一枚板から
構成され、分割側板63は上板63aと下板63bとを
連結金具64で折り畳み可能に連結して構成されてい
る。そして、上段連結金具65,下段連結金具66によ
り一体側板62を分割側板63の側面に接合する状態で
連結して、コンテナが組立られるようになっている。折
り畳みに際しては、まず上段連結金具65を外して、上
板63aを外側へ倒して、続いて下段連結金具66を外
して分割側板63を内側に倒す。そして一体側板62を
分割側板63の上に重ねる。こうすることで、比較的コ
ンパクトな形態でコンテナを回送することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例のコ
ンテナによると、立設時のコンテナの高さが一定に固定
されているため、輸送される物品によってコンテナの容
量を充分満たすものでない場合には隙間が多く、効率の
良い輸送ができなかったり、図14に示すように、折り
畳み時に対向する側板同士も重なり合うため、折り畳み
時の全体の容積を大きく減らすことができなかったりし
た。そこで、本発明は輸送する物品に対応しコンテナの
高さが調節可能で、折り畳み時に対向する側板同士が重
なり合うことの無い折り畳み式コンテナを提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る折り畳み式
コンテナは上記課題を解決するため、四角形底枠の4隅
にコーナ金具を設け、前記底枠の対向する辺に一対の分
割側板と一対のスライド側板とをそれぞれ前記コーナ金
具に軸着して立設し、その軸着部を中心に前記底枠内に
各側板を折り畳み可能としたコンテナであって、前記分
割側板は昇降可能にコーナ金具に軸着される下板と、下
板に重なるよう折り畳み可能な上板とから成り、前記ス
ライド側板は固定板と固定板の上側にスライド移動可能
なスライド板とから成り、前記下板と固定板との間に下
板を掛止させる下段連結金具を設けると共に、前記上板
とスライド板との間に上板を掛止させる上段連結金具を
設け、更にスライド板を上側にスライドした際に、スラ
イド板を固定するロック機構を設けたことを特徴とす
る。
【0005】また、前記ロック機構が、半円板形状のカ
ムと、連結棒でカムに連結された操作レバーと、固定板
に設けたカムを係止する係止部とから成り、係止部でカ
ムが係止されスライド板はロックし、レバー操作により
カムが回転しロック解除可能に構成される。
【0006】さらに、前記分割側板の下板下辺に、スカ
ート板を上下摺動自在に垂下し設けると良い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施例を図面に基づいて説明する。図1は折り畳み式コン
テナの外観を示す図で、本実施例のコンテナは、四角形
の底枠1の一方の相対向する辺にスライド側板2,2と
他方の相対向する辺に夫々分割側板3,3を内側に折り
畳み可能に立設して、上面が開いた四角箱状に構成され
ている。スライド側板2は上側のスライド板2aと下側
の固定板2bから構成され、スライド板2aは上下にス
ライド可能で、上端と下端でロックされ、レバー12の
操作によりロックを解除可能となっている。分割側板3
は上板3aと下板3bとを連結金具4で上板3aを折り
畳み可能に連結し、スライド側板2の側面に接合する構
成とし、分割側板の上板3aとスライド側板のスライド
板2aとの間には上段連結金具5が設けられ、下板3b
と固定板2bとの間には下段連結金具6が設けられてい
る。
【0008】底枠1には、スケータ7とフォーク挿入部
8とコーナ金具9とが設けられている。スライド側板
2、分割側板3は、それぞれフレーム10の内側にプラ
スチックダンボール11を張り付けて形成されている。
分割側板3の下部には側板を立設後、隙間の発生を防止
するためのスカート板13を設け、スライド側板2下部
には会社名等を表示する表示板14が設けられている。
【0009】図2は、図1のA部の底枠1に対するスラ
イド側板2の取付構造を示すものである。底枠1のコー
ナ金具9には上下に長い傾斜溝15が形成され、スライ
ド側板2の固定板2bの下端には軸孔16が穿設されて
いる。傾斜溝15及び軸孔16にはリベットからなる軸
17が挿通され、ワッシャ18を介して割りピン19に
より抜け止めされている。コーナ金具9の上端には切欠
20が形成され、固定板2bには切欠20に掛止される
掛止凸部21が設けてある。そしてスライド側板2は底
枠1に対し、昇降自在な軸17により内側に折り畳み可
能に立設されると共に、掛止凸部21によって起立位置
に保持されるようになっている。
【0010】図3は、図1のA部の底枠1に対する分割
側板3の取付構造を示すものである。コーナ金具9の内
側には、軸受け金具22がネジ23をワッシャ24を介
してネジ穴25に締め付け固定されている。軸受け金具
22には上下に長い軸受部26が形成され、ここに分割
側板3の下面に溶接した軸27が昇降及び回動可能に嵌
入されている。これにより分割側板3は底枠1に対し、
軸27を支点に昇降自在及び内側に折り畳み可能に立設
されている。
【0011】図4は、図1のB部の分割側板3の連結金
具4を示すもので、下板3bには上下に長い軸受け部2
8を形成する側面コ字状の軸受け片29が溶接され、上
板3aには軸受け部28に昇降及び回動可能に挿入され
るU字型ピン30が溶接されている。これにより、上板
3aは下板3bに対して昇降自在及び外側に折り畳み可
能に連結されている。
【0012】図5は図1のC部の下段連結金具6を示す
もので、固定板2bの左右のフレーム10bの内側には
掛止板33が溶接され、内側から中央にかけ横方向に溝
部34を形成し、中央付近には掛止部31を設けてあ
る。下板3bの側面には溝部34を通り掛止部31に掛
止される掛止ピン32が溶接されている。これにより、
下段連結金具6は、下板3bを落し込んでスライド側板
2に連結し、下板3bを持ち上げてスライド側板2から
解離できるように構成されている。
【0013】図6は図1のD部の上段連結金具5を示す
もので、スライド側板2側に設けた掛止板38と分割側
板3側に設けた掛止ピン36から構成されている。掛止
板38には、掛止ピン36を案内する溝部37と掛止部
39とが形成され、掛止ピン36は上板3aの側面に突
設されている。掛止板38は断面コ字状の鋼材で形成さ
れ、スライド板2a上端コーナ部に溶接されている。こ
れにより、上段連結金具5は、上板3aを落し込んでス
ライド側板2に連結し、上板3aを持ち上げてスライド
側板2から解離できるよう構成されている。但し、スラ
イド板2aを上方にスライドせずコンテナを使用する場
合は、掛止板39がピン36を掛止する位置に無いた
め、上板3aを固定できず上板3aを立設することはで
きない。
【0014】図7,図8はスライド板のロック機構を示
す。図7は斜視図、図8(a)はスライド板フレーム1
0aの側面図であり、(b)は図(a)のG部拡大図
で、カム部の側面図を示す。このロック機構はスライド
板2aを上下にスライドさせた場合に上端あるいは下端
でスライド板2aをロックするもので、カム41、ロッ
ク解除レバー12、レバーとカムを連結する連結棒44
から構成されている。レバー12以外はスライド板2a
の左右のフレーム10aに内蔵され、カム43はフレー
ム10aの下部に設けた軸42を中心に回動自在で、偏
心位置に設けた支持軸45に先端をL字状に形成した連
結棒44の一端が挿通されている。連結棒44の他端は
レバー12の一端に溶接され、このレバー12の他端は
スライド板2aの反対側の対称に設けられた連結棒4
4、カム43と連結し連動するようになっている。そし
て、スライド板2aのフレーム10aは、固定板2bの
フレーム10bに内接し上下動自在に支持されている。
そして、スライド板フレーム10a下部の内側にはカム
先端部41aが回転突出するための溝40を設けてあ
り、フレーム10bの内側下部には下端でカム41を係
止する係止辺47、上部には上端でカム41を係止する
係止孔46を設けてある。
【0015】次に、ロック機構の作用を説明する。スラ
イド板2aが下端にあるとき、カムは偏心位置に接続さ
れた連結棒44の重みにより軸42を中心に回転し、カ
ムの先端部41aが係止辺47下部からフレーム10b
の外側に現われる。カムの先端部41aはスライド板2
aが上方にスライドしようとした場合、係止辺47と係
合し、先端部41aは下方に回転しようとするが、支持
軸45に挿通された連結棒44がカム41の回転を阻止
し、ロックされる。
【0016】次に、レバー12を上方に引く操作をする
と、連結されている支持棒44の作用でカム41が軸4
2を中心に回動し、先端部41aが下方向に回転し、カ
ム41の先端部41aがフレーム10a内に入り込み、
ロックが解除されスライド板2aは上方にスライド可能
となる。スライド板10aを上端までスライドさせレバ
ー12の操作を解除する、すなわちレバー12から手を
離すと、下端でのロック時同様、係止孔46からカム4
1の先端41aがフレーム10bの外側に現われ、上方
に対してはカム41と係止孔46の上辺が係止し、下方
に対してはカム41と係止孔46の下辺が係止し、いず
れの方向もロックされる。従って、下端及び上端でスラ
イド板2aは確実にロックされ、レバー12を操作する
ことでロックを解除することができる。このように、簡
易な操作でロックあるいは解除できるので、側板の高さ
の切替えが容易であり、また振動等によりスライド板2
aが下がった外れたりすることが無く安全である。
【0017】図9は図1のE部の上板3aの掛止部51
を示すもので、上板3aを折り畳んだ状態で使用する場
合に、振動等により不要な動作をしないよう上板3aを
固定するためのものであり、L字状の金属製掛止片52
を下板3b側面に溶接し形成してある。この掛止片52
は上板3aを折り畳んだとき、上端コーナ部が掛止され
る位置にある。
【0018】図10は図1のF部のスカート板13の取
付け構造を示すものである。スカート板13には上下に
長い縦溝57が形成され、下板3bの下辺には金属製保
持板55が溶接され、軸孔56が設けてある。縦溝57
及び軸穴56には丸リベット53がワッシャ54を介し
てスカート板13を上下動自在に取付けてある。これに
より分割側板3を持ち上げ伸長立設し、分割側板3の下
部に隙間が発生しても、スカート板13が分割側板3に
垂下した状態となり、常にその隙間を覆うことができ、
内容物が飛び出したりすることが無い。また、折り畳み
時に分割側板3を下げるとスカート板13が下板3bと
重なる作用をするため、外見上分割側板は縮んだ形とな
り、対向する分割側板3と重なるのを防ぐことができ
る。
【0019】次に、上記のように構成したコンテナの作
用を使用方法と合わせて説明する。折り畳みに際し分割
側板3をスライド側板2より先に倒す。すなわち、図1
の組立状態において、まず、上板3aを把持して分割側
板を持ち上げる。すると図6においてピン36が掛止部
39から解離し、上段連結金具5が外れ、上板3aを外
側に倒し畳むことができる。上板3aを畳んだ後、下板
3bを把持し持ち上げる。すると図5においてピン32
が掛止部31から解離し下段連結金具6が外れる。尚、
上板3aを先に折り畳まず、上段連結金具5及び下段連
結金具6を一挙に外すこともできる。
【0020】次に図11に示すように、上板3aを下板
3bに重ねるようにして折り畳み、2枚の分割側板3を
内側へ倒す。続いてスライド側板2を倒す。まず、図8
において、レバー12を持ち上げカム41を回転させて
ロックを解除する。ロックを解除した後、スライド板2
aを下端までスライドさせ再びロックし、固定板2bを
把持して持ち上げ、図2において掛止凸部21を切欠2
0から解離した後、スライド側板2を軸17を支点に内
側へ倒し、図12に示すように、2枚のスライド側板2
を分割側板の上に重ねる。このとき、軸17は傾斜溝1
5に沿って内側に移動するので、スライド側板2がコー
ナ金具9に干渉するおそれは無い。
【0021】組立に際しては、前記とは逆に、スライド
側板2を起こし、スライド板2aを上端までスライドし
た後、上板3a及び下板3bを伸長して分割側板3を起
こし、分割側板3を落し込んで下段連結金具5及び上段
連結金具6によりスライド側板2に連結する。尚、スラ
イド板2aを上げずに使用する場合は、下板3bのみ落
し込み、下段連結金具5で連結するだけで、上板3aは
上端縁を上板掛止部51で固定しておけば良い。
【0022】このようすることで、分割側板3、スライ
ド側板2の順序に簡単な操作で折り畳み、逆に組立るこ
とができる。そして、スライド板2aを上方にスライド
せず、上板3aは折り畳んだ状態で下板3bのみ立設し
た低い状態でもコンテナを使用することができ、2段階
に高さを替えてコンテナを使用することができる。ま
た、折り畳み時にはスライド側板2はスライド板2aを
下げることで縮ませることができ、分割側板3も折り畳
み且つ縮ませることができるため、対向する側パネル同
士が重なることが無く、折り畳み時の容積を充分小さく
することができる。
【0023】尚、本発明の折り畳み式コンテナは、その
主旨を逸脱しない範囲で各連結金具の形状並びに構成を
適宜変更することができるものである。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、対向する2対の側板のうち、一方の側板を上下にス
ライド可能に、また他方の側板を折り畳み可能に構成し
たので、2種類の高さでコンテナを使用することができ
る。そして、折り畳み時は分割側板を縮ませて折り畳む
ことができる為、対向する分割側板同士が重なることが
ない。また、カムを用いたロック機構によりスライド側
板を容易にロックあるいは解除することができるため、
立設後の高さの切替が簡単でしかも安全である。さら
に、分割側板下部にスカート板を設けたことで、コンテ
ナ立設後に分割側板下部に隙間が発生しても、スカート
板がその隙間を覆うため物品等がはみ出すことが無い、
等の優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示す折り畳み式コンテナ
の斜視図である。
【図2】 図1のA部のスライド側板側を詳細に示す斜
視図である。
【図3】 図1のA部の分割側板側を詳細に示す斜視図
である。
【図4】 図1のB部を詳細に示す断面図である。
【図5】 図1のC部を詳細に示す斜視図である。
【図6】 図1のD部を詳細に示す斜視図である。
【図7】 スライド板のロック機構を示す斜視図であ
る。
【図8】 図7の説明図で、(a)はスライド板フレー
ムの側面図、(b)は図(a)のG部のカム部拡大図で
ある。
【図9】 図1のE部を詳細に示す斜視図である。
【図10】 図1のF部を詳細に示す斜視図である。
【図11】 折り畳み順序を説明する概略斜視図であ
る。
【図12】 折り畳み形態を示す概略斜視図である。
【図13】 従来のコンテナを示す斜視図である。
【図14】 図13のコンテナの折り畳み形態を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1・・底枠、2・・スライド側板、2a・・スライド
板、2b・・固定板、3・・分割側板、3a・・上板、
3b・・下板、4・・連結金具、5・・上段連結金具、
6・・下段連結金具、9・・コーナ金具、10・・フレ
ーム、10a・・スライド板フレーム、10b・・固定
板フレーム、12・・レバー、13・・スカート板、1
7・・軸、27・・軸、31・・掛止部、36・・掛止
ピン、39・・係止部、41・・カム、44・・連結
棒、47・・係止辺。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四角形底枠の4隅にコーナ金具を設け、
    前記底枠の対向する辺に一対の分割側板と一対のスライ
    ド側板とをそれぞれ前記コーナ金具に軸着して立設し、
    その軸着部を中心に前記底枠内に各側板を折り畳み可能
    としたコンテナであって、 前記分割側板は昇降可能にコーナ金具に軸着される下板
    と、下板に重なるよう折り畳み可能な上板とから成り、
    前記スライド側板は固定板と固定板の上側にスライド移
    動可能なスライド板とから成り、 前記下板と固定板との間に下板を掛止させる下段連結金
    具を設けると共に、前記上板とスライド板との間に上板
    を掛止させる上段連結金具を設け、更にスライド板を上
    側にスライドした際に、スライド板を固定するロック機
    構を設けたことを特徴とする折り畳み式コンテナ。
  2. 【請求項2】 前記ロック機構が、半円板形状のカム
    と、連結棒でカムに連結された操作レバーと、固定板に
    設けたカムを係止する係止部とから成り、係止部でカム
    が係止されスライド板はロックし、レバー操作によりカ
    ムが回転しロック解除可能とした請求項1記載の折り畳
    み式コンテナ。
  3. 【請求項3】 前記分割側板の下板下辺に、スカート板
    を上下摺動自在に垂下し設けた請求項1又は2に記載の
    折り畳み式コンテナ。
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