JP2893253B2 - 歯科用インプラント及びその製造方法 - Google Patents
歯科用インプラント及びその製造方法Info
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ト及びその製造方法に関する。
Ti(チタン,チタン合金)が使用されている。その理
由として、骨と直接結合するオッセオインテグレ−ショ
ンという結合形態を持つためである。オッセオインテグ
レ−ションとは、骨とインプラント体の間に繊維性結合
組織がない状態をいい、他の材料ではこれが実現されず
に繊維性結合組織が介在するようになる。そのため最終
的にはインプラント全体を結合組織が覆うようになり、
動揺が始まり抜去しなければならなくなる。オッセオイ
ンテグレ−ションの効果をさらに増大させるため、その
表面性状を粗くすることが考えられる。その方法の一つ
としては、金属Tiのビ−ズをプラズマ照射し、表面積
を増やすと共に、顕微鏡レベルのインプラント表面を半
球形のTiとすることである。この技術は骨細胞との親
和性をも高めることができる。もう一つの方法はアルミ
ナの砥粒を用いたサンドブラスト法である。砥粒の大き
さが反映されたインプラント表面は表面積が増大すると
共に、凹部に骨が入りこむことでアンカ−効果が得られ
ることになる。
P)をコ−ティングしたインプラントが市販されてい
る。このようなインプラントは骨とHAPの間の結合形
態がバイオインテグレ−ションと呼ばれ、化学的に接着
するといわれており、オッセオインテグレ−ションより
も結合強度が高いといわれている。HAPのコ−ティン
グ方法はHAPの粉末をプラズマ溶射法などにより、イ
ンプラントの表面に付着させる技術で、その表面は粉末
の集合体であるため、微細な凹凸面となりアンカ−効果
をも有する。
ンプラントは次のような問題や課題がある。Tiのビ−
ズをプラズマ照射した表面を持つインプラントは、プラ
ズマ照射の行程が非常に高度で高価な技術であるため、
最終的なインプラントの価格がかなり高価になってしま
うということ。またアルミナ砥粒でサンドブラスト処理
された表面を持つインプラントは、安価に製造可能では
あるものの、付着したアルミナ砥粒の除去が困難で、最
終的には生体不活性なアルミナが残留してしまうといっ
た問題がある。
ントは、市販品として少ないのが現状である。その理由
として、HAPコ−ティングに高度の技術を要し高価な
ものになっていると共にHAPコ−ティング層の剥離に
よる骨結合の破壊があるために、最終的にはTi表面を
持つインプラントの方が優れているといわれている。
し適当な粗さをもつたオッセオインテグレ−ションを実
現できるインプラント表面に関し、種々の研究、実験を
行った。その結果、Ti表面を持つインプラントの良さ
と、HAPをコ−ティングしたインプラントの良さを加
味し、かつ簡単で安価な方法により、アルミナの生体不
活性な不純物を検出することなく、骨伝導能を持つリン
酸カルシウム粒子を含んだインプラントの表面を形成す
る処理法を見出した。
タン合金で形成した芯部材の表面に焼結した水酸アパタ
イトまたはリン酸三カルシウムあるいはこれらを適当な
割合で混合したもので形成した粒子でサンドブラスト処
理を施すようにしたものである。これによりアルミナ砥
粒でサンドブラストを行う時に、なかなか除去されない
微細な生体不活性粒子の問題を解決すると共に、骨伝導
能を持つリン酸カルシウム粒子をTiの表面に食い込ま
せることで植立初期の骨形成を促進させうる歯科用イン
プラントを提供する。
(1)は、チタンまたはチタン合金で形成され、顎骨
(2)に埋入される骨埋入部(3)と、歯肉(4)に位
置する歯肉貫通部(5)と、支台部(6)を備えてい
る。
結した水酸アパタイトまたはリン酸三カルシウムあるい
はこれらの混合したもので形成した粒径約0.08〜
1.0mmの大きさの充分な堅さを持つ粒子でサンドブ
ラスト処理(7)する。その処理後、洗浄,滅菌を行
う。
法と呼ばれる方法で、水酸化カルシウム懸濁液に、水酸
アパタイト等量となるようリン酸水溶液を加え合成した
非晶質リン酸カルシウムを、脱水、濾過、約120 ℃乾燥
後、ライカイ機により粉砕し、約800 ℃にて1Hr仮焼す
る。この時昇温、降温速度を約100 ℃/Hrとする。次に
この仮焼粉に約3wt%のポリビニルアルコ−ル水溶液を
同量加え、さらに約1wt%のトリエチレングリコ−ルを
加え、自動乳鉢にて良く混練する。これを乳鉢ごと約60
℃で乾燥し、さらに粉砕した後、#200メッシュのふるい
により分級し、ふるい下の粉末を成形粉とする。このよ
うにして得られた成形粉を約60〜80MPaで─軸成形し、
約1100℃の温度で焼結させる。最後に焼結された成形体
を荒粉砕し、分級により#40 〜80メッシュの粗粒を取り
出し、HAP焼結粒とする。
は、HAP焼結粒の場合とほぼ同じであるが、非晶質リ
ン酸カルシウムの合成の段階で、リン酸量をリン酸三カ
ルシウム等量となるよう加える。また目的の粒子の結晶
構造がβリン酸三カルシウムであるならば、例えば仮焼
温度を約750 ℃、焼結温度を約1000℃とする。αリン酸
三カルシウムの場合であれば、例えば仮焼温度を約1150
℃とし、焼結温度を約1230℃とする。
のサンドブラストに使用されるアルミナやガラスのグリ
ットに比べ軟らかいので、ブラスト圧を高めに設定する
と都合がよい。
子は、Ti表面に到達した際、非常に細かく破砕された
粒子が突き刺さる。この突き刺さった微細粒は、通常の
超音波洗浄では除去されず残留している。この細粒がア
ルミナの場合、生体内で生体不活性材料と認識され、オ
ッセオインテグレ−ションを阻害する。しかし本発明の
ように生体親和性が高く、骨に吸収される材料であるH
APやリン酸三カルシウムの場合は、骨伝導能を持つた
め、植立直後の骨形成に寄与し、オッセオインテグレ−
ションを助ける働きをする。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
たHAPの焼結体を粗粒に粉砕し、分級した #40〜80の
粒子をブラスト粒子とする。直径4mmの円柱状のTiイ
ンプラント芯部材(1)を100rpmで回転させ、約0.7Pa
のブラスト圧で骨埋入部(3) のブラスト処理を行う。
この場合、歯肉貫通部(5)より上部はマスキングし、
ブラスト粒子が当たらないようにしている。これにより
図1に示したような、骨に対し適当な表面粗さを持ち、
その表面にHAPを含んだ初期の骨伝導能を持つTi製
のインプラントが得られた。
れたαリン酸三カルシウム焼結体を粗粒に粉砕し、分級
した #40〜80の粒子をブラスト粒子とする。Tiのブレ
−ドインプラントの芯部材(1)の骨埋入部(3)に、
約0.7Paの圧でブラスト処理を行う。この場合、歯肉貫
通部(5)より上部はマスキングし、ブラスト粒子が当
たらないようにしている。これにより図2に示したよう
な、骨に対し適当な表面粗さを持ち、その表面にαリン
酸三カルシウムを含んだ初期の骨伝導能を持つTi製の
ブレ−ドインプラントが得られた。
れたHAPの焼結体と、同方法で合成され、約1230℃で
焼結されたαリン酸三カルシウム焼結体を、粗粒に粉砕
し均一に混合する。その後 #40〜80に分級し、HAPと
αリン酸三カルシウムの混合ブラスト粒子とする。直径
4mmの円柱状のTiインプラント芯部材(1)を100rpm
で回転させ、約0.7Paのブラスト圧で骨埋入部分のブラ
スト処理を行う。この場合も、歯肉貫通部より上部はマ
スキングし、ブラスト粒子が当たらないようにしてい
る。これにより骨に対し適当な表面粗さを持ち、その表
面にHAPとαリン酸三カルシウムを含んだ初期の骨伝
導能を持つTi製のインプラントが得られた。なお、上
記例において、HAPとリン酸三カルシウムはそれぞれ
焼結して粒子とし、これを適当な割合で混合して使用し
てもよい。
部材をチタンまたはチタン合金とし、その表面にHAP
等のリン酸カルシウム焼結粒子によりサンドブラスト処
理をしているので、生体活性な粒子を含んだ表面を持つ
インプラントを得ることができ、骨との結合を短期間で
強固に行うことができ、かつ治療期間を短縮することが
できると共にインプラントの動揺を防止することができ
る。しかもリン酸カルシウム焼結粒子が芯部材に突き刺
さった状態になるので、芯部材表面に安定して保持する
ことができる。更に上記方法によって経済的に得られ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 チタンまたはチタン合金で形成した芯部
材を有し、該芯部材の顎骨に埋入される部分の表面に焼
結した水酸アパタイトまたはリン酸三カルシウムあるい
はこれらを混合したもので形成した粒子で該粒子がその
表面に突き刺さる状態を有するようにサンドブラスト処
理した面を設けた歯科用インプラント。 - 【請求項2】 チタンまたはチタン合金で形成した芯部
材の顎骨に埋入される部分の表面に、焼結した水酸アパ
タイトまたはリン酸三カルシウムあるいはこれらを混合
したもので形成した粒子で該粒子がその表面に突き刺さ
る状態を有するようにサンドブラスト処理した歯科用イ
ンプラントの製造方法。
Priority Applications (9)
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---|---|---|---|
JP8276969A JP2893253B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 歯科用インプラント及びその製造方法 |
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US09/969,619 US20020128723A1 (en) | 1996-09-30 | 2001-10-04 | Implant with bioactive particles stuck and method of manufacturing the same |
US10/154,839 US20020143404A1 (en) | 1996-09-30 | 2002-05-28 | Implant with bioactive particles stuck and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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---|---|
JPH1099348A JPH1099348A (ja) | 1998-04-21 |
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Family
ID=17576943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8276969A Expired - Lifetime JP2893253B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 歯科用インプラント及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2893253B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019228713A1 (de) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | Zv3 - Zircon Vision Gmbh | Verfahren zum herstellen eines dentalimplantats, derart hergestelltes dentalimplantat und strahlmitte |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602004008313T2 (de) * | 2004-12-23 | 2008-05-08 | Plus Orthopedics Ag | Verfahren zum Oberfläche-Fertigbearbeiten von Knochenimplantaten |
JP5560074B2 (ja) | 2010-03-23 | 2014-07-23 | 京セラメディカル株式会社 | 生体インプラント用金属材料 |
KR101198694B1 (ko) | 2010-08-09 | 2012-11-12 | 세종대학교산학협력단 | 표면에 하이드록시 아파타이트가 석출된 다공성 임플란트 픽스쳐 및 그의 제조방법 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP8276969A patent/JP2893253B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019228713A1 (de) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | Zv3 - Zircon Vision Gmbh | Verfahren zum herstellen eines dentalimplantats, derart hergestelltes dentalimplantat und strahlmitte |
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JPH1099348A (ja) | 1998-04-21 |
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