JP2892212B2 - エレベータ走行試験装置 - Google Patents

エレベータ走行試験装置

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JP2892212B2
JP2892212B2 JP4099589A JP9958992A JP2892212B2 JP 2892212 B2 JP2892212 B2 JP 2892212B2 JP 4099589 A JP4099589 A JP 4099589A JP 9958992 A JP9958992 A JP 9958992A JP 2892212 B2 JP2892212 B2 JP 2892212B2
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正志 首藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの主にかご
の走行試験を行うのに利用するエレベータ走行試験装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベータのかごは、その上下
部の左右にローラガイドと呼ばれる案内装置をそれぞれ
有し、この上下左右の案内装置を構成する3個ずつのガ
イドローラを、昇降路内に配置された左右のガイドレー
ルに転接摺合させて上下に案内走行せしめられる。
【0003】左右のガイドレールには、エレベータ昇降
路を設けた建物の変形や、かごが通過する時に受ける荷
重などによりたわみが発生する。このガイドレールのた
わみの分布は必ずしも明確ではないが、ガイドレールを
建物に固定するブラケットの取付ピッチごとに大きなた
わみが発生するなど、たわみ分布には周期的な傾向があ
る。このガイドレールのたわみ量が大きくなると、かご
の走行中の振動が大きくなり、乗客に不快感を与える。
【0004】また、一般にエレベータのかごの走行中の
振動は、走行速度が速くなるにつれ増加する傾向にあ
る。しかも、最近では建築物の高層化が進み、エレベー
タにも一層の高速化が求められて来ており、エレベータ
の高速化を達成するためには、前述したガイドレールの
たわみに関係なくエレベータ走行中のかごの振動を制御
して、乗り心地の優れたエレベータを開発する必要があ
る。
【0005】こうした乗り心地の良い優れたエレベータ
を開発するには、エレベータ走行中の振動現象を把握
し、更に開発したエレベータの走行性能を実験により検
証するする必要がある。
【0006】ここで、従来のエレベータ走行試験は、エ
レベータ専用の実験建物を建築し、この実験建物内部に
ガイドレールを上下に長く付設した昇降路を構成して、
この昇降路ないの左右のガイドレールにかごを案内させ
がら上下に走行させることで試験を行ってきた。
【0007】図7(a)は従来のエレベータ走行実験建
物1の一例を概略的に示したものである。この実験建物
1の内部にはエレベータが走行する昇降路2を設け、こ
の昇降路2内の左右部にそれぞれガイドレール3a、3
bを上下全長に亘り垂直に付設している。この左右のガ
イドレール3a、3bは、上下方向に所定の間隔Lを存
してブラケット4により実験建物1に固定することで、
その左右のガイドレール3a、3bを互いにブラケット
4による支持位置で一定の距離Bを保って対向するよう
に配置している。
【0008】こうした実験建物1の昇降路2の図示しな
い上部機械室に巻上機等の駆動装置を設置し、これに巻
き掛けた巻上ロープ5を介してエレベータのかご6を昇
降路2内に吊持し、このかご6のかご枠7の上下部の左
右にそれぞれ設けられている案内装置8の3個ずつのガ
イドローラ8a,8b,8c(図7(b)参照)を左右
のガイドレール3a,3bに三方から挟み込むように転
接摺合させて案内せしめる。この状態でかご6を巻上駆
動装置により上下に所定の走行速度パターンで実験走行
させて、かご6の振動等の各種試験データを取ってい
る。
【0009】この実験中に、左右のガイドレール3a,
3bには、実験建物1の変形や、かご6が通過する時に
受ける荷重などにより、ブラケット4で支持している間
隔Lの中間付近に大きなたわみが生じると考えられる。
即ちガイドレールを建物に固定するブラケット4の取付
ピッチごとに大きなたわみが発生するなど、たわみ分布
には周期的な傾向がある。このガイドレール3a,3b
のたわみ状況を図7(a)にオーバーに示している。こ
の図7(a)には左右のガイドレール3a、3bが互い
に対抗する左右方向(レールゲージ方向)にたわみδ生
じている状況を示したが、これと直角方向(前後方向)
にも同様なたわみε(図示せず)が発生すると考えられ
る。こうした左右ガイドレール3a,3bのたわみによ
りかご6が走行中にいかなる振動を起こすかデータを取
って、この試験結果から、さらなる乗り心地の良いエレ
ベータの開発を進めるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の専用のエレベータ走行実験建物1を建築してエレベ
ータ走行試験を行う場合、この昇降路2内で試験が可能
なエレベータの走行速度は該昇降路2の長さ(ガイドレ
ール3a,3bの上下長さ)により制限されることにな
る。
【0011】例えば、最近の高速エレベータの如く、か
ご6の定常走行速度Vを400m/分(6.7m/se
c)、加速・減速時の加速度aを0.1G(0.98m
/sec2 )、定常走行試験時間T2を10secと設
定すると、試験に必要な昇降路2の長さは以下のように
なる。まず、かご6の加速時の定常走行速度Vになるま
での必要時間T1は、 T1=V/a =6.7/0.98 =6.8(sec) …(1) この加速時の走行距離、即ち加速時に必要な昇降路2の
長さS1は、 S1=(a・T12 )/2 =(0.98×6.82 )/2 =22.7(m) …(2) 次に、定常走行速度試験時間T2に必要な昇降路2の長
さS2は、前記定常走行速度がVであるから、 S2=V・T2 =6.7×10 =67.0(m) 更に、減速時に必要な昇降路2の長さS3は、 S3=S1=22.7(m) …(3) したがって、走行試験に最低必要な昇降路2の長さS
は、 S=S1+S2+S3 =22.7+67.0+22.7 =112.4(m) (4)
【0012】このように、高速で走行するエレベータの
走行実験を行うには、長大な昇降路2を持つ非常に高層
の実験建物が必要で、これを建築するには膨大な費用と
時間がかかり非常に不経済である。また、たとえ建築で
きたとしても、昇降路2の途中における定常走行速度試
験を行える時間帯には、相変わらず制限があり、振動現
象をじくり観察する時間的余裕をとることができない。
【0013】つまり、近年の高層ビルにおけるエレベー
タの一層の高速化に伴い、エレベータの高速走行実験の
必要性が高まっているにもかかわらず、前述のような専
用の実験建物1を建築することによっては対応できない
状況にあり、また、これに代わる方法が現実にはみわた
らないのが実情である。
【0014】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、エレベータの任意の走行
速度による走行試験を、手軽に安価に実現できるエレベ
ータ走行試験装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のエレベータ走行
試験装置は、前記目的を達成するために、エレベータの
かごを吊持する状態で収容する空間を持つ装置本体にそ
れぞれ左右一対の回転体を同期して回転駆動可能に設置
すると共に、これら各回転体の周囲に亘り且つ該回転体
と一体に回転する模擬ガイドレールを構成し、これら模
擬ガイドレールに前記かごの案内装置を摺合させて回転
体を回転駆動することでエレベータの走行試験を行う構
成としたことを特徴とする。
【0016】
【作用】前記構成のエレベータ走行試験装置であれば、
装置本体内にエレベータのかごを吊持し、このかごの案
内装置を、該装置本体の左右の回転体の周囲に亘る模擬
ガイドレールの一部分に摺合させることで、かごを案内
保持し、この状態で左右の回転体をモータ等の駆動装置
により速度制御しながら同期して回転させれば、それと
一体に各模擬ガイドレールが回転し、これらの模擬ガイ
ドレールの回転により、これらと摺合している前記かご
の各案内装置との間に該模擬ガイドレールの周速度に応
じた相対変位が生じ、そのかごは上下動しないが、その
かごがあたかも左右の模擬ガイドレールに案内させなが
ら上下に走行しているかのような状況を作り出すことが
できる。これで回転体の回転速度を変化させることで、
任意の走行速度によるエレベータかごの走行試験が実現
できるようになり、長大な昇降路を持つ専用の高層実験
建物を建築しなくても、加速・減速走行は勿論のこと定
常走行速度での長時間の試験ができて、各種試験データ
を取るのに有効となる。
【0017】なお、前記模擬ガイドレールを、回転中に
かごの案内装置に左右方向並びに前後方向に変位を与え
る構成とすれば、図7に示したように周期的な分布でた
わみを生じるガイドレールに沿って実験走行したと同等
の試験が簡単にできるようになる。
【0018】
【実施例】以下本発明のエレベータ走行試験装置の一実
施例を図1乃至図4により説明する。なお、図中エレベ
ータのかご6及びこの上下部の左右の各ローラガイドと
称される案内装置8の3個ずつのガイドローラ8a,8
b,8cは図7及び図8に示したものと変わりがないの
で同一符号を付して説明の簡略化を図る。
【0019】まず、図1は一部省略したエレベータ試験
装置の全体構成図で、図中11はエレベータ試験装置本
体を示す。この装置本体11は、エレベータのかご6を
吊持する状態で収容する空間を内部に持ち、且つそのか
ご6及び後述する各種機器類を固定支持するために十分
な剛性を持つ縦横フレーム部材12を前後・左右・上下
方向に配して強固に枠組みした背の低い方形やぐら構造
である。この装置本体11の下端四隅にはフランジ13
a付き脚部13が設けられて工場等の実験建屋の床上に
立設固定される。この装置本体11内空間の定位置にそ
の上梁12aからロープ(図示省略)によりかご6が懸
垂状態に吊持される。
【0020】この装置本体11内の上端寄り部と下端寄
り部とに、左右一対ずつの軸受14(左側図示省略)を
介し支承することで上下一対の回転軸15が水平に横架
する状態で回転自在に設けられている。この上下の回転
軸15は前記装置本体1内に吊持されたかご6の上下部
の左右相互の案内装置8,8の中心部と同じ高さで後方
に平行に離間した位置関係にある。
【0021】この上下部の回転軸15にそれぞれ左右一
対の回転体16が該回転軸15と一体に回転するように
取付けられている。これら上下左右の回転体16は各々
の中心部を回転軸15に嵌着した全て同径大の円板形状
のものである。この左右の回転体16はこの周囲前側部
分が前記かご6の左右案内装置8,8より僅かではある
が外側に来る配置とされている。
【0022】こうした上下部の左右の円板状の回転体1
6の各内面側の周囲に円環状に亘り且つ該回転体16と
一体に回転する模擬ガイドレール17が設けられてい
る。これら模擬ガイドレール17は図2及び図3に示す
如く断面L字形のリング部材を回転体16内面にほぼ同
心円的に固定することで内側に突出する状態に構成され
ている。これら上下部の左右模擬ガイドレール17の各
々の円周方向途中一カ所(前側部分)に前記かご6の上
下部の左右各案内装置8の3個ずつのガイドローラ8
a,8b,8cが三方から挟み込むように転接摺合して
案内せしめられるようになっている。
【0023】これら上下部の左右の模擬ガイドレール1
7付き回転体16を同期して正逆回転駆動するための駆
動装置として、図1に示す如く、装置本体11の下端側
右フレーム部材12上に可逆モータ21が設置され、こ
のモータ回転出力軸の小プーリ(図示せず)と前記下部
回転軸15の一端(右端)部に設けた大プーリ22との
間にタイミングベルト23が巻き掛けられていると共
に、この上下部の両回転軸15の他端部に互いに同径の
小プーリ24a,24bが取付けられ、この間にタイミ
ングベルト25が巻き掛けられている。これで可逆モー
タ21の正逆回転により上下部の左右各回転体16が模
擬ガイドレール17と共に全て同期して同方向に同速度
で回転駆動されるようになっている。
【0024】また、上下部の左右の回転体16のそれぞ
れの上側近傍のフレーム部材12にはブレーキ26(下
部左側図示省略)が設置され、この各ブレーキ装置26
の可動ブレーキシュー26aが円板状の回転体16の上
側周縁部を図2に示す如く挟圧して、ディスクブレーキ
的に該回転体16及び模擬ガイドレール17の制動を行
うようになっている。
【0025】なお、図4は前記駆動装置の可逆モータ2
1とブレーキ26の制御系統図であり、フレーム12の
外部適当箇所に設置される制御装置30からモータ制御
線31とブレーキ制御線32が可逆モータ21とブレー
キ26とに接続され、制御装置30からの各種走行信号
により可逆モータ21が正転・逆転したり、信号に応じ
た任意の回転速度で回転するようになっていると共に、
ブレーキ制御信号によりブレーキ26が作動するように
なっている。
【0026】また、前記上下部の左右の模擬ガイドレー
ル17は、回転中にかご6の上下部の左右の案内装置8
に左右方向(回転軸線方向)の変位を与えるべく、図2
及び図3に示す如く、まず回転体16の内側面に対する
該模擬ガイドレール17(断面L字形のリング部材)の
結合部のほぼ半周に亘る区域にスペーサ30a,30
b,30c,30d,30eが相互に間隔を存して介挿
されている。これらのうち中間のスペーサ30cが厚さ
δで最も肉厚とされ、それから両側のスペーサ30b,
30d、更に両側のスペーサ30a,30eに行くに従
って漸次薄肉となっている。これで模擬ガイドレール1
7は円板状の回転体16の内側面に対し、ある部分では
完全に密着し、そこから最も肉厚なスペーサ30cが介
挿する部分に行くに従って漸次なめらかに内側(回転体
16の内側面から離れる方向)に変位せしめられてい
る。すなわち、模擬ガイドレール17はこの円周上で回
転軸15の軸線方向(レールゲージ方向)の出入り寸法
が円筒カムの如く漸次滑らかに変位せしめられている。
その出入り最大変位差はδ寸法である。
【0027】また、上下部の左右の模擬ガイドレール1
7は、回転中にかご6の上下部の左右の案内装置8に前
後方向(回転軸線と直交する方向)の変位を与えるべ
く、図3に示す如く、回転軸15の回転中心線Oに対し
この模擬ガイドレール17の中心O′がε/2寸法だけ
偏心するように回転体16に取り付けられている。
【0028】しかして、前述の構成のエレベータ走行試
験制御装置を用いてエレベータかご6の走行実験を行う
には、まず、装置本体11内にエレベータのかご6を吊
持し、このかご6の上下部の左右の各案内装置8の3個
ずつのガイドローラ8a,8b,8cを装置本体11内
の上下部の左右の環状をなす模擬ガイドレール17の円
周方向途中一カ所(前側部分)に三方から挟み込むよう
に転接摺合させて、かご6を前後左右に案内保持する。
【0029】この状態で制御装置30から所要の走行パ
ターンに対応した信号を出力して、駆動装置の可逆モー
タ21を回転させる。この可逆モータ21の回転駆動に
よりタイミングベルト23と大プーリ22を介し下部の
回転軸15が回転すると同時に、小プーリ24a,24
b及びタイミングベルト25を介して上部の回転軸15
も同方向に同速度で回転する。これで上下部の左右の回
転体16と共に模擬ガイドレール17が全て同期して同
方向に同速度で回転するようになる。
【0030】これら模擬ガイドレール17の回転によ
り、これらと転接摺合している前記各案内装置8の3個
ずつのガイドローラ8a,8b,8cとの間に該模擬ガ
イドレール17の周速度に応じた相対変位が生じ、かご
6は上下動しないが、そのかご6があたかも上下左右の
模擬ガイドレール17に案内させながら上下に走行して
いるかのような状況を作り出すようになる。
【0031】この時の模擬ガイドレール17の周速度が
エレベータかご6の走行速度に対応すると共に、その模
擬ガイドレール17の正逆回転方向がかご6の上下走行
方向に対応することになり、可逆モータ21は制御装置
30からの信号により任意の回転速度で回転できると共
に、回転方向を正逆選択できるので、その可逆モータ2
1の回転制御によりかご6の上昇と下降との両方の場合
の各種走行速度パターンに対応した走行試験を実施する
ことが可能となる。しかも模擬ガイドレール17が無端
環状形でエンドレスに回転してかご6の案内を続けるの
で、長大な昇降路を持つ専用の高層実験建物を建築しな
くても、かご6の加速・減速走行は勿論のこと定常走行
速度での長時間の試験ができて、各種試験データを取る
のに有効となる。
【0032】また、前記上下部の左右の模擬ガイドレー
ル17は、各々の円周上で回転軸15の軸線方向(レー
ルゲージ方向)の出入り寸法が円筒カムの如く漸次滑ら
かに変化せしめられ、その出入り最大変位差がδ寸法と
なっているので、これらの回転中にはかご6の上下部の
左右の案内装置8に左右方向(レールゲージ方向)に周
期的に変位を与えるようになり、図7に示したように周
期的な分布でたわみδを生じる垂直なガイドレールに沿
って実験走行したときの状況と同等の試験が模擬的にで
きるようになる。
【0033】更に、前記上下部の左右の模擬ガイドレー
ル17は、各々回転軸15の回転中心線Oに対しこの模
擬ガイドレール17の中心O′がε/2寸法だけ偏心す
るように回転体16に取り付けられているので、これら
の回転中にはかご6の上下部の左右の案内装置8に前後
方向(レールゲージ方向と直交する方向)に周期的に変
位を与えるようになり、図7(a)に示したように周期
的な分布で前後方向にたわみεを生じる垂直なガイドレ
ールに沿って実験走行したときの状況と同等の試験が模
擬的にできるようになる。
【0034】ここで、現実のエレベータかごの走行時、
該かごの上下の案内装置が垂直なガイドレールの最大た
わみδ,ε部分を通過する時期にずれがあることから、
これに見合うようにするには、上下部の模擬ガイドレー
ル17,17相互に回転位相差を予めもたらせて回転駆
動せしめれば良い。
【0035】また、模擬ガイドレール17の円周長さ
を、図7(a)のブラケット4の取付け間隔Lと等しく
すれば、エレベータかご6がブラケット4を通過するた
びに受ける周期的なガイドレールのたわみを与える試験
が可能となる。
【0036】更には、模擬ガイドレール17の円周長さ
を、図7(a)の垂直なガイドレール1本の単位長さと
等しくすれば、エレベータかご6がガイドレール1本を
通過するたびに受ける周期的なガイドレールのたわみを
与える試験も可能となる。
【0037】更にまた、模擬ガイドレール17の回転体
16への接合部のスペーサ30a〜30eの厚みを変化
させれば、レールゲージ方向のガイドレールのたわみ量
を任意に設定した試験が可能となると共に、模擬ガイド
レール17の回転軸15に対する偏心量ε/2を変化さ
せれば、前後方向のガイドレールのたわみ量を任意に設
定した試験も可能となる。
【0038】なお、制御装置30からブレーキ制御信号
をブレーキ26に出力させれば、そのブレーキ26が作
動して各回転体16の回転を制動停止することができ、
前述のかご走行試験中に緊急事態が発生した場合、速や
かに回転体16を停止せしめて安全を確保できるように
なる。
【0039】以上述べたように、本実施例によれば、エ
レベータかご6のガイドレールに沿った上下走行状態を
模擬した試験が可能となり、しかもその際、従来は不可
能であった非常に高速な走行試験や、任意の走行パター
ンの試験や、ガイドレールのレールゲージ方向と前後方
向のたわみ量を任意し設定した試験が簡単に行い得るよ
うになる。また、回転体16の模擬ガイドレール17が
回転を継続する間は、時間的制約がないため、長時間の
定常走行速度試験が可能になるばかりか、極めて長い昇
降路を走行する状態も模擬できる。
【0040】なお、前記実施例では、模擬ガイドレール
17にレールゲージ方向のたわみ変位を持たせるため
に、スペーサ30a〜30eを介挿したが、その代わり
に図示しないが取付けボルトとジャッキボルトを併用し
て模擬ガイドレール17を回転体16に取り付けること
で同様のたわみ変位を持たせるようにしても良い。
【0041】図5は本発明の他の実施例を示すもので、
ここでは予め出入り高さに円周方向で変化を持たせた状
態に成形した模擬ガイドレール37を円板状の回転体1
6の内側面に直接取り付けてなる構成である。つまり模
擬ガイドレール37は回転体16の内側面と垂直方向の
突出高さがある部分ではhと小さく、ここから円周方向
に180°進んだ部分ではh+δと大きくなるよう加工
されている。このように構成することでも前記実施例と
同様の作用効果が得られる上に、前述のスペーサ等が不
要となる。
【0042】図6は本発明の更に異なる他の実施例を示
すもので、ここでは円板状の回転体46の周囲部をその
まま模擬ガイドレール47とした構成で、言わば回転体
46と模擬ガイドレール47とが一体構造のものであ
る。この場合、回転軸15を前後方向(レールゲージ方
向と直角方向)に向けて設置することで、円板状回転体
46をレールゲージ方向と平行な鉛直面に配置するよう
になす。これでその回転体46の外周部である模擬ガイ
ドレール47にかごの案内装置8の3個のガイドローラ
8a,8b,8cが三方から挟み込むように転接摺合す
るようになる。
【0043】また、この図6の場合、模擬ガイドレール
47にレールゲージ方向のたわみ変位δを持たせるため
に、回転軸15に対し回転体46を回転軸15の回転中
心線Oからδ/2だけ偏心させて取り付けている。一
方、模擬ガイドレール47にレールゲージ方向と直交す
る方向(前後方向)のたわみ変位εを持たせるために、
該円板状の回転体46の一部は回転軸15に対し直角に
延出するが、他の部分では傾斜して延出するように、波
打ち円板形状とされている。これでも前記実施例と同様
の作用効果が得られるようになる上に、構成の簡素化が
図れる。
【0044】以上の説明では、模擬ガイドレールにレー
ルゲージ方向変位δと前後方向変位εを人為的に与える
場合についても述べたが、それらを与える必要のない場
合はδ=0或いはε=0となる右ガイドレールを構成し
ておけばよい。
【0045】また、前記実施例においてはエレベータの
かご6の走行試験について述べたが、本発明の走行試験
装置であればつり合いおもりの走行試験にも同様にして
利用できる。
【0046】
【発明の効果】本発明のエレベータ走行試験装置は、前
述の如く構成したので、エレベータの任意の走行速度に
よる走行試験を、手軽に安価に実現でき、従来では不可
能であった非常に高速での走行試験が可能になるばかり
か、その設備費も非常に安価にでき、エレベータシステ
ムの開発期間や開発コストの低減などに大きく貢献でき
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータ走行試験装置の一実施例を
示す一部省略した全体の概略構成図。
【図2】同上実施例の回転体及び模擬ガイドレールと案
内装置の関係を示す正面図。
【図3】同上断面図。
【図4】同上実施例の制御系統図。
【図5】本発明のエレベータ走行試験装置の他の実施例
を示す回転体及び模擬ガイドレールの断面図。
【図6】本発明のエレベータ走行試験装置の更に異なる
他の実施例を示す模擬ガイドレール一体型回転体の断面
図。
【図7】(a)は従来のエレベータ走行実験建物の概略
構成図、(b)はそのガイドレールと案内装置との関係
を示す断面図である。
【符号の説明】
6…エレベータのかご、8…案内装置、11…装置本
体、16,47、…回転体、17,37,47…模擬ガ
イドレール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高石 茂 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (56)参考文献 特開 昭64−39512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66B 5/00 B66B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータのかごを吊持する状態で収容
    する空間を持つ装置本体にそれぞれ左右一対の回転体を
    同期して回転駆動可能に設置すると共に、これら各回転
    体の周囲に亘り且つ該回転体と一体に回転する模擬ガイ
    ドレールを構成し、これら模擬ガイドレールに前記かご
    の案内装置を摺合させて回転体を回転駆動することでエ
    レベータの走行試験を行う構成としたことを特徴とする
    エレベータ走行試験装置。
  2. 【請求項2】 模擬ガイドレールは、回転中にかごの案
    内装置に左右方向並びに前後方向に変位を与える構成と
    されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ
    走行試験装置。
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