JP2891808B2 - 半導体素子の連続的製造装置及び製造方法 - Google Patents

半導体素子の連続的製造装置及び製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積の半導体素子の
連続的製造装置及び製造方法に係わり、特に光起電力素
子等の積層薄膜素子を帯状基体上に連続的に形成する装
及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に光起電力素子等に用いる
半導体素子を連続的に形成する方法として、各々の半導
体素子の層形成用の独立した成膜室を設け、該成膜室に
て各々の半導体層の形成を行なう方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、米国特許第4,400,409号
明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to
Roll)方式を採用した連続プラズマCVD法が開示
されている。この方法によれば、複数のグロー放電領域
を設け、所望の幅で十分に長い帯状の基板を、基板が前
記グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配置し、
前記グロー放電領域において必要とされる導電型の半導
体層を堆積しつつ、前記基板をその長手方向に連続的に
搬送せしめることによって、半導体接合を有する素子を
連続形成することができるとされている。
【0004】なお、該明細書において、各半導体層形成
時に用いる成膜ガスやドーパントガスが他のグロー放電
領域へ拡散、混入するのを防止するために、ガスゲート
を設けている。具体的には、前記各グロー放電領域をス
リット状の分離通路によって分離し、さらに該分離通路
に例えば、Ar、H2 等の分離用ガスの流れを形成させ
る。または、分離通路に排気手段を設けて隣り合う成膜
室から流れ込むガスを排気する手段が採用されている。
【0005】しかしながら、各成膜室で成膜に好適な圧
力が異なり、各成膜室間での圧力差が生じる場合には、
ガスゲートでのガス分離能力が低下し成膜ガスの混入が
生じやすくなる。これに対し、従来は隣り合う成膜室の
圧力を合わせて圧力差を生じないようにしたり、ドーピ
ング層成膜室の圧力を低く設定し、ドーパントガスが他
の成膜室へ拡散混入するのを防止したり、あるいは自重
で垂れ下がる帯状基板の形状に合わせて成膜室を配置
し、ガスゲート部分での帯状基板の浮きやがたつきを抑
え、スリットを狭く長くしてコンダクタンスを下げるな
どして対応していた。
【0006】したがって、ガスゲートでガスの混入を防
ぐには、ガスゲートのスリット部分のコンダクタンスを
下げればよく、スリット部分のコンダクタンスはスリッ
ト部分の長さとスリット高さの逆数の自乗に比例して下
がる。スリット高さを狭めてコンダクタンスを下げよう
とする場合、帯状基板を搬送する際、どうしても帯状基
板が、振動したり、波打ったりする。そのため、帯状基
板の膜堆積面をゲートの壁面に接触させずに搬送するに
はスリット高さが、約3mm以上は必要であり、従って
スリット高さを狭くすることには限界がある。
【0007】また、スリット部分を長くしてコンダクタ
ンスを下げようとする場合、長さの一乗に比例してしか
コンダクタンスは下がらないので、ガスゲートが非常に
長くなり、装置が長大化してしまう。
【0008】コンダクタンスを下げる以外にガスの混入
・拡散を防止する方法としては、スリット部分から成膜
室に流す分離用ガスの流量を増やす、あるいは成膜室か
らスリット部分に流入するガスを排気する量を増やす方
法が考えられるが、巨大な排気装置が必要になり、装置
の巨大化と装置への投資額の増加を招く要因の一つとな
っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来のロール・ツー・ロール方式による半導体素子の連
続的製造装置及び製造方法の問題点を解決した半導体素
子の連続的製造装置及び製造方法を提供する事にある。
即ち、ガスゲートを長大にあるいは排気装置を巨大にす
ることなく、隣り合う成膜室のガスの混入・拡散を防ぐ
ことにより、成膜に適した圧力が異なる複数の成膜室を
一連のロール・ツー・ロール方式の装置に組み入れるこ
とのできる生産性の高い半導体素子の連続的製造装置
び製造方法を提供する事を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体素子
連続的製造装置は、帯状基体をその長手方向に連続的
に搬送させながらスリット状の分離通路を有するガスゲ
ートで接続された第1及び第2の成膜室を通過させ、前
記帯状基体上に半導体素子用の積層薄膜を連続的に形成
する装置において、 前記分離通路内に分離用ガスを導入
するために用いる分離用ガス導入管を、分離用ガス導入
口が該分離通路内に開口するように設け、 前記分離用ガ
ス導入口から導入され、前記第1の成膜室側の開口に排
出される前記分離用ガスの流れが、前記分離通路内の前
記分離用ガスの主流になるように、該分離通路内の高さ
を前記帯状基体の搬送方向に沿って連続的あるいは非連
続的に異ならしめ、前記分離用ガス導入口から前記第1
の成膜室側の前記分離通路の開口に至る第1の通路部分
のコンダクタンスを、該分離用ガス導入口から前記第2
の成膜室側の該分離通路の開口に至る第2の通路部分の
コンダクタンスより、大きくしたことを特徴とする。
た、本発明に係る半導体素子の製造方法は、上記構成か
らなる半導体素子の連続的製造装置を用いて、上記帯状
基体上に上記積層薄膜を形成する工程を有することを特
徴とする。
【0011】
【作用】即ち、本発明に係る半導体素子の連続的製造装
及び製造方法によれば、分離用ガス導入口から第1の
成膜室に至る第1の通路部分のコンダクタンスを第2の
通路部分より大きくすることによって、第1の通路部分
を流れるガス流を主流とすることができる。このよう
に、ガスゲートからの分離用ガスの主流方向を制御する
ことによって、ドーパントガス等のように他の成膜室で
の成膜に極めて悪影響を及ぼすガスの混入拡散を最小限
にし、小流量の分離用ガスで、高いガス分離性能を有す
、半導体素子の連続的製造装置及び製造方法の提供が
可能となる。
【0012】さらには、成膜に好適な圧力領域の異なる
成膜室間のガスの混入・拡散を最小限にすることが出来
る。
【0013】
【実施態様例】以下に本発明の実施態様例及び構成を図
を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明による半導体素子の連続的
製造装置の1例を示す模式図である。図1において、1
01,102、103はマイクロ波プラズマCVD法に
よる成膜室、104,105は帯状基体の供給室及び巻
き取り室である。それぞれの成膜室は、ガスゲート10
6によって接続されている。107は帯状基体であり、
供給室から巻き取り室に搬送されるまでに3つの成膜室
を通過して、その表面に、三層の機能性堆積膜、例えば
PIN構造の太陽電池用半導体膜が形成される。
【0015】101〜103の各成膜室には基体を加熱
する加熱ヒーター108、不図示のガス供給手段から供
給される成膜ガスを成膜室に導入するガス導入管10
9、不図示の排気手段により成膜室を排気する排気管1
10、成膜室内の成膜ガスにエネルギーを与えて放電を
生起するマイクロ波電力を供給する導波管111が設け
られ、マイクロ波CVD法による膜堆積がそれぞれ行な
われる。ガスゲート106には分離用ガス導入管112
から分離用ガスが導入され、スリット状の分離通路内の
スリット高が帯状基体の長手方向に対して分離ガス導入
口を中心に一方側が他方側よりも大きくなるように設定
し、分離ガスの流れがコンダクタンスの大きな側、即ち
スリット高が大きい側に主流を形成し、隣合う成膜室間
の成膜ガスの混入拡散をを阻止するものである。114
は圧力計、115及び116は供給室及び巻き取り室の
排気を行う排気管である。
【0016】本発明による半導体素子の連続的製造装置
の別の例を図2に示す。図2に示した装置は、基本的に
は図1に示した装置に直列に更に6個の成膜室と6個の
ガスゲートを加えたものであり、図中201〜206で
示したものは、図1における101〜106に対応して
いる。
【0017】本装置では、自重により垂れ下がる帯状基
体の形状に合わせてそれぞれの成膜室が配置されてお
り、成膜室内で帯状基体が水平になるように成膜室の出
入口付近に帯状基体を裏面から支持する回転自在の支持
ローラー207を設けている。208〜213は201
〜203と同様のマイクロ波CVD法による成膜室であ
る。本装置によれば、マイクロ波プラズマ法により基体
状に9層からなる堆積膜、例えば,PIN/PIN/P
IN構造のトリプル型太陽電池用の半導体層が形成でき
る。
【0018】次に本発明のガスゲートを説明する。本発
明のガスゲートは、ガスゲートのスリット状の分離通路
のスリット高が場所によって異なるように設定される。
従って、分離通路内でのコンダクタンスを変えることに
よりガスゲートの分離ガス導入管から導入する分離用ガ
スの流れを制御し、ガスゲートにより連通した成膜室の
相互のガスの混入拡散を最小限にすることができる。ガ
スゲートのスリット高の変化は帯状基板の長手方向に対
し、分離ガス導入管口を中心として、例えば非対称であ
ればよく、例えば図3に示したものがあげられる。
【0019】図3は、本発明の製造装置のガスゲートの
一例を示す模式図である。スリット状の分離通路301
内のスリット高が帯状基板の長手方向に対して分離ガス
導入口307を中心に一方側が他方側の2倍になるよう
に設定している。帯状基体304は裏面側よりマグネッ
ト305の磁力により開口断面調節部材306に支持さ
れる。
【0020】本発明における開口断面調節部材として
は、成膜に適した温度に加熱された帯状基体と長時間接
触しても熱変形や摩耗の少ないものとしてアルミナ等の
セラミックス、石英等のガラス、或は、これらの複合材
等が挙げられる。また、開口断面調節部材の形状として
は、表面は基本的には平面形状であるが、基体裏面のガ
スの流れを安定化するために基体長手方向に溝を設けて
もよい。
【0021】基体と開口断面調節部材との密着性を高
め、基体に少々の波打ちや反りがあっても基体が、開口
断面調節部材から浮き上がりにくくするにはSUS43
0製鋼等の強磁性体の帯状基体を使用することが効果的
である。
【0022】マグネットの材質としては、使用時の温度
に耐えて磁力を十分に維持できること、使用時の温度上
昇によるガスの発生が少ないことなどを満足するものを
選択することが望ましく、例えば希土類強磁性体サマリ
ウムコバルトなどが挙げられる。
【0023】図4は、図3に示す本発明の装置のガスゲ
ートの断面図、図5は、図3に示す本発明の装置のガス
ゲートにおいて、スリット状の分離通路501内に回転
自在のローラー508の円筒の表面が開口断面調節部材
506から僅かに出るように配置している一例を示す模
式図である。
【0024】本発明におけるローラーは円筒形状が好ま
しく、ガスゲートのスリット状の分離通路の帯状基体の
裏面側に、その回転軸が帯状基体の搬送方向と垂直かつ
ガスゲート壁面とほぼ水平になる向きに、ローラー表面
がガスゲート壁面から僅かに(0.1〜5mm程度)出
る位置に配置するとよい。スリット状の分離通路の間隙
は通常1〜10mm程度である。
【0025】ローラーは、帯状基体を支持し、搬送を円
滑にしうる数だけ備えることが好ましい。従って、基体
の大きさ、重量、材質、及びガスゲートの構造等により
適宜設定するが、通常、搬送方向に5〜50列/m程度
配置すればよい。ローラーの径は特に規定されないが、
通常、5〜50mm程度でよい。図6は図5に示す本発
明装置のガスゲートの断面図である。
【0026】分離用ガスとしては、H2、He、Arな
どのガスが挙げられる。分離用ガスとしてのガス分離機
能だけを考えるならば、衝突断面積が大きく平均自由行
程の小さなガスが望ましい。前記のガスの中では、成膜
室内でのグロー放電への影響を無視できる場合にArが
最適である。成膜室内で形成される半導体薄膜中に含ま
れるH2の量が多い場合にはH2が最適である。また、成
膜室内でのグロー放電および成膜室内で形成される半導
体薄膜の双方に影響を与えたくない場合にはHeが最適
である。
【0027】次に、本発明の半導体素子連続装置のガス
ゲートの分離機能の性能評価の実験を行なったので、そ
の説明を行なう。
【0028】(実験例1)図9は、本発明で使用したガ
スゲートのガス分離性能を試験する試験装置の模式図で
ある。第1成膜室901および第2成膜室902はそれ
ぞれ図1に示した成膜室と同様の構成のものであり、各
成膜室901,902の内部には、各ガス導入口90
3,904からそれぞれ成膜ガスが導入され、各成膜ガ
スは各排気口905,906から排出される。各成膜室
901,902は、ガスゲート907により連通され、
ガスゲート907には2個のガス導入口908a,90
8bから分離用ガスが供給される。ガスゲート907と
して図10に示した従来のガスゲートおよび図3に示し
た本発明装置のガスゲートをそれぞれ変換して装着でき
るようになっている。
【0029】901、902の各成膜室には、基体を加
熱する加熱ヒーター910、成膜ガスにエネルギーを与
えて放電を生起するマイクロ波電力を供給する導波管9
11が設けられている。913は圧力計である。
【0030】実験は次のように行なった。幅30cm、
厚さ0.2mmのSUS430基体909をガスゲート
を貫通して、成膜室901および902の所定の位置に
設置する。次に各室の真空チャンバをそれぞれの排気管
905、906で充分に排気した後、引き続き排気しな
がら各成膜室へガス導入管903および904からそれ
ぞれの成膜ガスを導入し圧力計913を確認しつつ排気
量を調節して各成膜室を所定の圧力に調整した。ガスゲ
ート907のスリットには、分離用ガス導入管908か
ら分離ガスとしてH2を200sccm流しておいた。
【0031】ヒーター910で帯状基体909の裏面か
ら所定の温度で加熱しマイクロ波導波管911、912
からマイクロ波電力を導入して、各成膜室内にグロー放
電を生起し、第1成膜室901ではi型アモルファスシ
リコン膜を、第2成膜室902では、p型アモルファス
シリコン膜を作製した。作製条件を表1に示す。
【0032】
【表1】 得られたI型アモルファスシリコン膜の不純物分布を二
次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定し、p層
のB分子のi層への混入量をガスゲートのタイプおよび
各成膜室の圧力別にSi量に対する比として評価した結
果を表2に示す。尚、ガスゲートのタイプとして図3に
示した本発明装置のガスゲートの場合、分離用ガス導入
管よりも基体長手方向に対して成膜室901側のスリッ
ト高を狭くしたものをAタイプ、成膜室902側を狭く
したものをBタイプとした。また、図10に示した従来
のガスゲートをCタイプとした。
【0033】表2より、本発明装置のガスゲートはi層
成膜用の成膜室の圧力がドープ層成膜室よりも低い場合
に特に高い性能を有することを確認することができた。
【0034】
【表2】 (実験例2)ガスゲートに流す分離用ガスとしてH2
500sccmとした以外は、実験例1と同様の方法に
より、本発明で使用したガスゲートのガス分離機能の性
能試験を行った。
【0035】得られたi型アモルファスシリコン膜の不
純物分布をSIMSを用いて測定し、p層のB原子のi
層への混入量をガスゲートのタイプおよび各成膜室の圧
力別にSi量に対する比として評価した結果を表3に示
す。尚、ガスゲートのタイプとして表す記号A,B,C
はそれぞれ実験例1の場合と同じである。
【0036】表3より、本発明装置のガスゲートはi型
層成膜用の成膜室の圧力がドープ層成膜用の成膜室の圧
力よりも低い場合に特に性能が高いことが確認できた。
【0037】
【表3】 (実験例3)ガスゲートを図5に示すローラータイプの
ものとした以外は、実験例1と同様の方法により本発明
で使用したガスゲートのガス分離機能の性能試験を行っ
た。得られたi型アモルファスシリコン膜の不純物分布
をSIMSを用いて測定し、p層のB原子のi層への混
入量をガスゲートのタイプおよび各成膜室の圧力別にS
i量に対する比として評価した結果を表4に示す。尚、
ガスゲートのタイプとして表す記号A,Bはそれぞれ実
験例1の場合と同じである。
【0038】表4より、本発明装置のガスゲートはi層
成膜用の成膜の圧力がドープ層成膜用の成膜室の圧力よ
りも低い場合に特に性能が高いことが確認でき、ガスゲ
ートの性能は図3に示すスライドタイプのものと、図5
に示すローラータイプのものとではほぼ同等であること
がわかった。
【0039】
【表4】
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何等限定される
ものではない。
【0041】(実施例1)図1に示した本発明の製造装
置により、以下に示す操作によって帯状基体上にPIN
型アモルファスシリコン太陽電池を形成した。
【0042】先ず、幅30cm、長さ50m、厚さ0.
2mmのSUS430BA製基体107を、供給室10
4から巻き出され、101〜103の三つの成膜室を通
過して、巻き取り室105で巻き取られるようにセット
した。尚、各成膜室間をガスゲートのスリット高さは広
い方を6mm、狭い方を3mmとし、スリット部分の長
さは40cmとした。
【0043】次に各成膜室内をそれぞれの排気管110
で十分に排気した後、引続き排気しながら各成膜室へガ
ス導入管109から、ぞれぞれの成膜ガスを導入し、圧
力計116を確認しつつ排気量を調節して各成膜室を所
定の圧力に調整した。ガスゲート106のスリットには
分離用ガスとしてH2 を上下のガス導入管112から各
300sccm導入した。
【0044】ヒーター108で帯状基体107の裏面か
ら所定の温度で加熱し、マイクロ波導波管111からマ
イクロ波電力を導入して各成膜室内にグロー放電を生起
し、帯状基体を一定速度で搬送して帯状基体上にn、
i、p型のアモルファスシリコン膜を連続的に形成し
た。各成膜室での作製条件を表5に示す。
【0045】
【表5】 本発明の装置を用い上記方法で得られたアモルファスシ
リコン膜を堆積した帯状基体をロール・ツー・ロール装
置から取り出し、10cm×10cmの大きさに切り離
し、シングルチャンバーの真空蒸着装置に入れ、真空蒸
着法により表6に示す条件でITO透明導電膜を積層
し、図7の模式断面図に示す太陽電池を作製した。図7
において、701は基体、702はn型層、703はi
型層、704はp型層、705はITO透明導電膜であ
る。
【0046】
【表6】 得られた太陽電池は、各成膜室をゲートで完全に分離す
る三室分離型の堆積膜形成装置で作製した太陽電池と同
等の、良好な光電変換効率を示し、膜厚方向の不純物分
布を二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定し
たところn層のP原子、p層のB原子のi層への混入は
認められず、成膜の圧力領域の大きく異なる隣り合う成
膜室の成膜ガスがガスゲートにより完全に分離されてい
ることが確認できた。
【0047】また、ロール・ツー・ロール装置から取り
出した時、帯状基体のアモルファスシリコン膜堆積面に
は擦れ傷は全くなく、作製した太陽電池に傷による欠陥
は全く認められないかった。
【0048】さらに50mの帯状基体の成膜の間、一度
も基体搬送系の調整を行なわなかったが、帯状基体に伸
びやしわは発生せず、堆積膜の剥離による素子の不良は
認められなかった。
【0049】(実施例2)図2に示した本発明による装
置を用い、以下のようにして帯状基体上にn、i、pの
アモルファスシリコン層を連続的に形成した。
【0050】先ず、幅30cm、長さ100m、厚さ
0.15mmの表面を鏡面研磨した帯状ステンレス基体
を、供給室204から巻き出され、ガスゲート206で
接続された201、202、203、208、209、
210、211、212、213の9つの成膜室を通過
して、巻き取り室205で巻き取られるようにセットし
た。尚、各成膜空間を接続するガスゲートのスリット高
は広い方を6mm、狭い方を3mmとし、スリットの長
さは40cmとした。ガスゲートには分離用ガスとして
2を上下のガス導入管206から各300sccm導
入した。
【0051】成膜室201〜203、208〜210、
211〜213と3組のPIN用成膜室を通過させるこ
とにより、表7に示す条件で帯状基体状に3組のn,
i,p型アモルファスシリコン膜を連続的に形成し、最
後に巻き取り室205にて帯状基体をロール状に巻き取
った。
【0052】
【表7】 以上のようにして9層の堆積膜を積層した帯状基体をロ
ール・ツー・ロール装置から取りだし、実施例1と同様
にしてITO透明導電膜を蒸着した。10cmx10c
mの大きさに切り離し、図8の模式断面図に示す層構成
の太陽電池を作製した。図8において、801は基体、
802、805、808はn型層、803、806、8
09はi型層、804、807、810はp型層、81
1はITO透明導電膜である。
【0053】得られた太陽電池は、9室の成膜室をゲー
トで完全に分離する装置を用いそれぞれの成膜室内で本
実施例と同じ作製条件で別々に堆積して作製した太陽電
池と同等の、良好な光電変換効率を示した。また、膜厚
方向の不純物分布をSIMSを用いて測定したところ、
n層のP原子のi層及びp層への、またp層のB原子の
i層及びn層への混入は認められず、ガスゲートにより
隣合う成膜室の成膜ガスが完全に分離されていることが
確認できた。
【0054】また、ロール・ツー・ロール装置から取り
出した時、帯状基体の膜堆積面及び裏面には擦れ傷は全
くなく、作製した太陽電池に傷による欠陥は全く認めら
れなかった。
【0055】さらに100mの帯状基体の成膜の間、一
度も基体の搬送系の調整を行なわなかったが、帯状基体
に伸びやしわは発生せず、堆積膜の剥離による素子の欠
陥は認められなかった。
【0056】(実施例3)ガスゲートを図5ローラータ
イプのものとした以外は実施例1と同様の方法により図
7に示すような太陽電池を作製した。
【0057】得られた太陽電池は、各成膜室をゲートで
完全に分離する三室分離型の堆積膜形成装置で作製した
太陽電池と同等の、良好な光電変換効率を示した。ま
た、膜厚方向の不純物分布をSIMSを用いて測定した
ことろ、n層のP原子、p層のB原子のi層への混入は
認められず、ガスゲートにより燐合う成膜室の成膜ガス
が完全に分離されていることが確認できた。
【0058】また、ロール・ツー・ロール装置から取り
出した時、作製した太陽電池に傷による不良は全く認め
られなった。
【0059】さらに50m帯状基体の成膜の間、一度も
基体搬送系の調整を行なわなかったが、帯状基体に変形
やしわは発生せず、堆積膜の剥離による素子の欠陥は認
められなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体素子の連続的製造装置及び製造方法によれば、ガスゲ
ートを長大にあるいはスリット幅を極端に狭べることな
しに、成膜に適した圧力の異なる成膜室のガスの相互混
入を防ぐことができ、その結果生産性の高い半導体素子
の連続的製造装置及び製造方法を提供することが可能と
なる。
【0061】また、本発明によればガスゲートに流す分
離用のガスの主流方向を制御できるため分離用ガスの流
量を減少することが可能でありしたがって、成膜室での
排気装置を巨大にする必要がないので、装置への投資額
を押えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子の連続的製造装置の一例を
示す概略図である。
【図2】本発明の半導体素子の連続的製造装置の別の例
を示す概略図である。
【図3】本発明におけるガスゲートの構造の一例を示す
概略図である。
【図4】図3に示すガスゲートの断面図である。(a)
はA−A´断面図、(b)はB−B´断面図、(c)は
C−C´断面図である。
【図5】本発明におけるガスゲートの構造の別の例を示
す概略図である。
【図6】図5に示すガスゲートの断面図である。(a)
はA−A´断面図、(b)はB−B´断面図、(c)は
C−C´断面図である。
【図7】本発明の実施例1で作製した太陽電池の層構成
を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施例2で作製した太陽電池の層構成
を示す概略断面図である。
【図9】本発明におけるガスゲート及び従来のガスゲー
トの性能の評価を行なうための試験装置の概略図であ
る。
【図10】従来のガスゲートの構造を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
101,102,103,201,202,203,2
08,209,210,211,212,213,90
1,902 成膜室、 104,204 帯状基体の供給室、 105,205 帯状基体の巻き取り室、 106,206,907 ガスゲート、 107,304,404,504,701,801,9
09,1004 帯状基体、 108,910 加熱ヒーター、 109,903,904 ガス導入管、 110,115,905,906 排気管、 111,911,912 マイクロ波導波管、 112,307,407,507,607,908,1
007 分離用ガス導入管、 114,913 圧力計、 207 支持ローラー、 301,401,501,601,1001 スリット
状分離通路、 305,405,505,605,1005 マグネッ
ト、 306,406,506,606,1006 断面開口
調節部材、 508,608 ローラー、 702,802,805,808 n型層、 703,803,806,809 i型層、 704,804,807,810 p型層、 705,811 透明導電層、 802 光反射層、 901,902 真空容器、 909 質量分析器。
フロントページの続き (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 酒井 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤岡 靖 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−63723(JP,A) 特開 昭57−162328(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状基体をその長手方向に連続的に搬送
    させながらスリット状の分離通路を有するガスゲートで
    接続された第1及び第2の成膜室を通過させ、前記帯状
    基体上に半導体素子用の積層薄膜を連続的に形成する装
    において、 前記分離通路内に分離用ガスを導入するために用いる分
    離用ガス導入管を、分離用ガス導入口が該分離通路内に
    開口するように設け、 前記分離用ガス導入口から導入され、前記第1の成膜室
    側の開口に排出される前記分離用ガスの流れが、前記分
    離通路内の前記分離用ガスの主流になるように、該 分離
    通路内の高さを前記帯状基体の搬送方向に沿って連続的
    あるいは非連続的に異ならしめ、前記分離用ガス導入口
    から前記第1の成膜室側の前記分離通路の開口に至る第
    1の通路部分のコンダクタンスを、該分離用ガス導入口
    から前記第2の成膜室側の該分離通路の開口に至る第2
    の通路部分のコンダクタンスより、大きくしたことを特
    徴とする半導体素子の連続的製造装置。
  2. 【請求項2】 前記分離用ガス導入口は、前記分離通路
    の前記帯状基体の裏面と対向する上面及び該分離通路の
    該帯状基体の表面と対向する下面の両方に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の連続
    的製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の通路部分にある前記下面の位
    置と、前記第2の通路部分にある前記下面の位置と、が
    それぞれの面の法線方向において異なる位置にあること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体素子の連続的製造
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の成膜室はp型又はn型の半導
    体薄膜を形成する成膜室であり、前記第2の成膜室はi
    型の半導体薄膜を形成する成膜室であることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体素子の連続的製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の成膜室の圧力が、前記第2の
    成膜室の圧力より高いことを特徴とする請求項4に記載
    の半導体素子の連続的製造装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の成膜室の圧力と前記第2の成
    膜室の圧力とが、互いに異なることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体素子の連続的製造装置。
  7. 【請求項7】 帯状基体をその長手方向に連続的に搬送
    させながらスリット状の分離通路を有するガスゲートで
    接続された第1及び第2の成膜室を通過させ、前記帯状
    基体上に半導体素子用の積層薄膜を連続的に形成する装
    置として、 前記分離通路内に分離用ガスを導入するために用いる分
    離用ガス導入管を、分離用ガス導入口が該分離通路内に
    開口するように設け、 前記分離用ガス導入口から導入され、前記第1の成膜室
    側の開口に排出される前記分離用ガスの流れが、前記分
    離通路内の前記分離用ガスの主流になるように、該分離
    通路内の高さを前記帯状基体の搬送方向に沿って連続的
    あるいは非連続的に異ならしめ、前記分離用ガス導入口
    から前記第1の成膜室側の前記分離通路の開口に至る第
    1の通路部分のコンダクタンスを、該分離用ガス導入口
    から前記第2の成膜室側の該分離通路の開口に至る第2
    の通路部分のコンダクタンスより、大きくした半導体素
    子の連続的製造装置を用いて、 前記帯状基体上に前記積層薄膜を形成する工程を有する
    ことを特徴とする半導体素子の製造方法。
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