JP2891759B2 - 艶評価方法及び装置 - Google Patents

艶評価方法及び装置

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JP2891759B2 JP2224754A JP22475490A JP2891759B2 JP 2891759 B2 JP2891759 B2 JP 2891759B2 JP 2224754 A JP2224754 A JP 2224754A JP 22475490 A JP22475490 A JP 22475490A JP 2891759 B2 JP2891759 B2 JP 2891759B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、物体の艶の程度例えば頭髪の艶を評価する
艶評価方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
頭髪艶が良好となることは、頭髪用化粧料の使用者が
望む大きな要素であり、頭髪用化粧料の研究者が製品の
効果が有用性を評価していく上で重要な要素である。日
本人女性119名に対する調査でも髪の健康状態を判断す
る時に頭髪の艶を最も重視していることが分かった。
従来より、頭髪のつや測定には、頭髪から採取した単
繊維毛の正反射強度と散乱反射強度の対比値をゴニフォ
トメータ(Goniphotometer)で求める方法{以下、ゴニ
オメータ法(Goniphotometry)}が一般的に利用されて
きた。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、頭髪は多数の繊維の集合体であるため、単
繊維毛の測定結果は必ずしも頭髪の真のつやの状態を反
映しない。また視覚による物質つやの観察は、明部領域
とその周辺の暗部領域の比較で評価されると考えられて
いる。しかし、ゴニオメータ法でこのような測定はなし
えない。
そのため、ゴニオメータ法と視覚評価結果との不一致
がしばしば発生する。
しかしながら、ゴニオメータ法に代替し得る視覚と一
致性の高い頭髪の艶測定法は未だ見られないのが現状で
ある。
他方、視覚に代替する方法として、テレビカメラと画
像処理装置を用い入力映像を解析する測定法の開発が近
年種々の分野で進められている。この画像処理法は、現
在主に物体や生体組織の形状あるいはパターン評価に広
く利用されようとしている手法である。しかし、頭髪の
艶測定への応用は未だ進められていない。
そこで今回、視覚と一致性の高い頭髪の艶の機器測定
法確立を目的として、カラー画像処理法の開発を試み
た。
さらに、本法を用いて頭髪の艶に影響する頭髪状態の
変化やヘアケア製品の有用性についても検索した。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、以下の構
成を備えた艶評価方法及び装置である。
本発明は、光源からの光を試料に照射して、画像入力
手段で試料の明部領域と暗部領域とを同時または別個に
撮像し、明部領域の輝度と暗部領域の輝度とを求め、両
者の比または差をもって艶の良否を現す艶値とする艶評
価方法において、前記画像入力手段がRGB信号を出力す
るカラーテレビカメラであり、前記明部領域の輝度は、
前記カラーテレビカメラからの明部領域のRGB信号のう
ちB信号による画像の輝度であり、前記暗部領域の輝度
は、前記カラーテレビカメラからの暗部領域のRGB信号
のうちR信号による画像の輝度であることを特徴とす
る。
また、本発明は、試料から反射した光を捕らえる画像
入力手段と、画像入力手段で捕らえた試料の画像信号を
処理して試料の明部領域の輝度と暗部領域の輝度とを演
算する画像処理手段と、明部領域の輝度と暗部領域の輝
度との比または差を演算する艶値演算手段とを備えた艶
評価装置において、前記画像処理手段は、画像入力手段
で捕らえた試料の画像を映し出すテレビモニタと、この
テレビモニタ上で採取すべき明部領域と暗部領域を設定
する範囲設定手段とを有することを特徴とする。
〔作用〕
前記光源から光を試料にあて、画像入力手段で試料を
撮像する。
画像入力手段からの画像信号は画像処理手段に入力さ
れ、ここで、明部領域の輝度と暗部領域の輝度とが導か
れる。
これら輝度データは艶値演算手段に送られ、両者の比
が算出され、艶値とされる。
本発明の艶値測定方法は、頭髪の艶測定に好適である
が、その他、肌や爪などの生体系、更に車の塗装面や繊
維なぞの艶測定にも応用できる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図のブロック図に示したように、実施例の装置
は、毛髪試料(S)に斜め上方から光を照射する光源1
と、この光源1からの光で照らされた毛髪試料(S)を
撮影する画像入力手段2としてのカラーテレビカメラ
と、このカラーテレビカメラ2で捕らえた試料(S)の
画像信号を受けて試料(S)の明部領域(H)の平均輝
度と暗部領域(D)の平均輝度とを演算する画像処理手
段3と、この画像処理手段3に接続され、明部領域
(H)の平均輝度と暗部領域(D)の平均輝度との比を
演算する艶値演算手段6としてのパーソナルコンピュー
タと、パーソナルコンピュータ6に接続された出力手段
としてのプリンタ7とを備えている。そして、前記画像
処理手段3は前記輝度を演算するカラーイメージアナラ
イザ3aと、このカラーイメージアナライザ3aに接続され
前記カラーテレビカメラ2で捕らえた試料(S)の画像
を映し出すカラーテレビモニタ4と、前記画像処理手段
3に接続されこのカラーテレビモニタ4上で採取すべき
明部領域(H)と暗部領域(D)の範囲をそれぞれ設定
する範囲設定手段5としてのデジタイザとを有してい
る。
ここで、前記光源1はJIS標準A光源としてタングス
テンランプを使用する。
光源1の位置は試料(S)の斜め上方、角度にして約
30度上方に配置し、試料(S)の表面照度が1500ルック
スとなる位置とする。表面照度は250〜3000ルックスの
範囲であればよい。
また、画像入力手段としては、カラーテレビカメラの
他、モノクロテレビカメラ、CCDカメラ、イメージディ
セクターなども使用できる。
画像処理手段3としては、カラーテレビモニタとデジ
タイザとを有するカラーイメジーアナライザ(株式会社
柏木研究所製 商品名nexus6400)を使用した。これ
はカラーテレビカメラで捕らえた試料(S)の画像信号
をリアルタイムでRGBの3原色信号に分解し、RGB信号の
それぞれの濃度値を256段階の輝度尺度で表示する装置
である。
また、前記カラーテレビモニタでは、カラーテレビカ
メラで捕らえた試料(S)の画像をRGB信号毎に、ある
いは、RGB信号が混じりあったカラー画像でリアルタイ
ムで映し出すことができる。
前記デジタイザは、カラーテレビモニタ上で、カラー
テレビモニタの横方向をX軸、縦方向をY軸とした座標
上で、例えば、マウスなどを使用して任意のX座標位
置、Y座標位置を指定することで、指定した任意の範囲
の画像を切り取ることができる。従って、操作性が向上
する。
切り取られた画像は、イメージメモリに取り込まれ、
前記画像処理手段3によりその範囲の平均輝度、すなわ
ち、画像のRGB信号の濃度値を出す。
ここでは、このデジタイザを用い、前記カラーテレビ
モニタ上で採取すべき明部領域(H)と暗部領域(D)
の範囲をそれぞれ指定し、画像処理手段3で明部領域
(H)のRGB信号の濃度値と、暗部領域(D)のRGB信号
の濃度値とを出す。
頭髪の艶値を演算する艶値演算手段としてのパーソナ
ルコンピュータでは、画像処理手段3で出した明部領域
(H)のRGB信号の濃度値(h)と、暗部領域(D)のR
GB信号の濃度値(d)とを受けて、両者の比(h/d)ま
たは差(h−d)を算出する。
ここでは、カラーテレビモニタ上に、R・G・Bの各
信号それぞれの画像を映し出し、明部領域(H)、暗部
領域(D)をそれぞれ切り出し、明部領域(H)のR信
号、G信号、B信号それぞれの濃度値(Rh,Gh,Bh)と、
暗部領域(D)のR信号、G信号、B信号それぞれの濃
度値(Rd,Gd,Bd)を算出し、これらの内から任意に選択
して、両者の比 をまたは差 (RhまたはGhまたはBh)−(RdまたはGdまたはBd) を算出する。
この中で、(Bh−Rd)あるいは(Rh−Rd)の値が視覚
で測定した艶値と高い相関関係を示す。
また、パーソナルコンピュータでは、明部領域(H)
のR信号、G信号、B信号それぞれの濃度値(Rh,Gh,B
h)と、暗部領域(D)のR信号、G信号、B信号それ
ぞれの濃度値(Rd,Gd,Bd)をプリンタから出力すること
ができる。
なお、ビデオテープレコーダなどの画像記録手段を接
続して、撮影した画像を記録しておくと処理が容易であ
る。
また、デジタイザを用いず、明部領域(H)と明部領
域(D)をそれぞれ別個に撮像して上記処理をすること
もできる。
以下、この装置を用いて、頭髪の艶評価をした例を説
明する。また、並行して、視覚による艶の評価、ゴニオ
メータ法による物理的艶の測定を行った。
1)頭髪試料 毛束、頭部に人毛を植毛した人形(Modele Wig)及び
パネル頭髪を用いた。毛束は黒髪40g,30cmを一束として
用いた。パネル(被験者)は、艶の悩みが多い年代であ
る20才代の健常日本人女性33名を用いた。今回は、植毛
(Straight hair)者を中心に選び、天然パーマの者(I
rregular waved hair者)あるいは、パーマネントをか
けた者(Parmanent waved hair者)は除外した。
2)視覚的艶の評価 本発明の実施に先だって、まず、熟練した専門評価者
5名で視覚的艶の評価を実施した。
あらかじめ順位配列法にて5段階の異なった艶のモデ
ル毛束を準備し、これとの比較で試料の艶を評価した。
毛束は、前記人形(Model Wig)の頭髪に固定した測定
した。測定は室温25℃、湿度50%RH、の暗室にて、試料
の30゜の上方から、トゥルー・ライト(True Light 20
W){DURO−TEST社製の光源}の照明下で行った。光源
の位置は、試料表面の照度が250ルックスとなるようセ
ットした。
3)ゴニオメータ法による物理的艶の測定 次に、ゴニオメータ法による物理的艶の測定を行っ
た。
ゴニオフォトメータ(Goniphotometer 村上色彩研究
所社製)を用い、視覚的艶を測定した試料の一部から、
単繊維毛を10〜15本採取し、光源入射角30゜の条件で、
それらの正反射値(s)と拡散反射値(d)(反射角=
0゜)を測定した。そして、s/dをゴニメーター値とし
た。
4)本発明による物理的艶の測定 第1図に示される装置で、まず、試料に、標準A光源
(Standerd A Luminant 100V 150W Kenko社製)からの
光を照射し、この試料をカラーテレビカメラ(日本ビク
ター社製ビデオカメラK−1900)で撮影した。
光源の位置は、試料の斜め30゜上方で、試料表面の照
度が1500ルックスとなる位置とした。また、カラーテレ
ビカメラは、試料の後方、水平距離160cmの位置にセッ
トした。
撮影した頭髪映像を、前記カラーイメージアナライザ
(画像処理手段)(nexus 6400)を用いて解析した。
(A)モデル頭髪表面の光反射特性観察及び測定範囲の
決定 カラーイメージアナライザにより、赤、緑、青の3原
色信号(RGB信号)に分解された画像情報の解析方法を
いくつか検討した。その結果、測定範囲をカラーモニタ
ー画像上で設定し、その範囲の情報を解析する方法が最
も簡便であり、また、頭髪の艶測定の可能性も高いこと
が示された。そして、測定対象範囲内のRGB信号各々の
平均輝度値を測定し、これらをR,G,B値として艶値の検
討に用いた。
より具体的に述べると、視覚とより一致性の高い測定
を行うためには、明部と暗部を比較することであると考
えられる。そこで、本実施例ではその暗部位置の決定の
為に、以下の手法によった。
まず、カラーモニター画面上に映し出された映像で
は、異なった反射を示すいくつかの部位が観察された。
そこで、まずこれらの部位からの反射の特徴を望遠色彩
計(Minolta Cs−100)及び、ゴニフォトメータを用い
て明らかにした。
第3図(b)(c)は、頭髪Y軸方向の明度と色の変
化を(L),(a),(b)表色系で示したもの
である。
画面上で観察される明部(Highlight portion)は、
明度が高値を示すが色の影響は最も低い。しかし明部
(Dark portion)はこれと逆の結果を示した。一方、画
面上では明部に隣接して観察されるやや明るい領域は、
両者の中間の性質を示した。
他方、ゴニオメータ法で作成した頭髪の反射分布曲線
から、明部に正反射光、その上部に内部反射光、さらに
その外部に拡散光による表面反射の生ずることがわかっ
た。
これらの結果から、頭髪からの光反射は以下の3種に
分類される。
明部(H部): 正反射部。表面光沢色を発生している。
中間色調部(M部): H部とD部の中間に出現する。髪の特徴が正反射光の
影響で相殺されている。
暗部(D部): 散乱反射部。正反射光の影響は小さく、髪の色の影響
が支配的である。D部は、Y軸方向の位置により異なっ
た現れ方を示した。そこでD部は、M部直下とその約80
pixels下の2ヶ所に分類された。第3図(a)にH部、
M部そしてD部を示す。
そして、第2図のように試料映像のH部、M部そして
D部をカラーモニター画面上でデジタイザで設定した
後、各々のR,G,B値を求めた。
さらに、パーソナルコンピュータでこれらの測定値間
の差及び対比値(物理的艶値Lph)を計算し、これらと
視覚的艶値との相関を調べた。
(B)測定パラメーターの特定 B−1) 明度を用いる方法の検討 艶には、色の要素のうち明度が大きく関与している。
そこでR,G,B値から、次式を用い色の(X・Y・Z)表
色系の明度Yを計算した。
Y=0.30・R+0.59・G+0.11・B このようにして求められた明度は、物質の実際の明度
変化と良い相関を示すことがわかった。そこで、測定パ
ラメーターとして明度を用いる方法で頭髪の艶評価を試
みることにした。
その結果、H部単独の明度よりも、H部とD部の明度
の差、あるいはその対比値が視覚的艶と高い相関を示し
た。
最も高い相関を示したのは、H部とM部直下のD部と
の対比値を求めた時であり、その相関関係は0.77であっ
た(第1参照)。この方法で頭髪の艶の測定がある程度
可能と考えられた。
B−2) RGB値を用いる方法の検討 髪の艶感には、髪色が少なからず影響することが知ら
れている。従って、上述の方法に髪の色の影響を強調し
て測定すれば、より良好な評価が可能ではないかと考え
た。
そこで次に、測定パラメーターとして明度のかわり
に、髪の色情報を含むと考えられるR,G,B値を用いる方
法について検討した。
表1に、H部とM部直下のD部のR,G,B値、それらの
差及び対比値(物理的艶値Lph)と、視覚的艶との相関
関係を求めた結果を示す。
この表で、各欄上段の数字は明部・暗部領域の標準輝
度の対比値(明部/暗部)の相関係数、各欄下段( )
内の数字は明部・暗部領域の標準輝度の差(明部−暗
部)の相関係数、明部の相関係数の欄(表の最下段)の
数字は明部の輝度の値に対する相関係数である。相関係
数は1に近いほどよい。Y値は(X・Y・Z)表色系の
明度である。
表1から明らかなように、H部にB値(Bh)、そし
て、D部にR値(Rd)を選んだ時、これらの対比値(物
理的艶値Lph=Bh/Rd)が視覚的艶と0.9以上の高い相関
関係を示す、という非常に興味深い結果が得られた。
第4図にLphと視覚的艶の関係図を示す。
以上B−1)、B−2)の検討結果から、頭髪の艶の
測定パラメーターとして明度を用いる方法より、RGB信
号をそのまま用いる方法がより有用と考えられる。
そこで、物理的艶値Lph=Bh/Rdを測定する客観的方法
が、頭髪の艶の主観的視覚評価に代替し得ると考えられ
る。
5)検討 艶を評価するとき、「経験のある観測者は、明部を周
辺の暗い部分に対比しながら艶を観測する」と言われて
いる。今回の検討結果では、H部とM部直下のD部の対
比値が視覚的艶と最も良い相関を示した。
このことは、頭髪の艶が同じ様な方法で観察されてい
ること、そしてこれらの部位を比較する我々の方法が根
拠がある方法であることを示している。
対比値を用いる今回の方法には、光源や測定カメラの
波長特性の差が相殺され、その結果分光補正を必要とし
ない、という大きなメリットがある。
今回定めた物理的艶値すなわちLphを測定することに
より、従来のゴニオメータ法に比べ、視覚とより一致性
の高い頭髪の艶測定が可能であった。
その理由を明らかにする目的で、Lph及びゴニオメー
ター値が、パネラーの髪特性9項目とどのような関係を
有するか調べ、各々髪のどのような変化をとらえている
か解析した。
その結果、ゴニオメーター値は頭髪状態の表面変化と
色変化の2要素をとらえているのに対し、Lphは、ミク
ロな表面変化、マクロ形態変化そして色変化の3色素を
とらえていることが示された。
また、毛束を用いこれら3要素を、表面研磨、髪の配
列撹乱そして脱色等でモデル的に変化させた。その結
果、この3要素の変化に伴ってLphは大きく変化するこ
と、そしてLphと視覚測定結果の間には良い一致性が観
察されることが明らかにされた。
測定パラメーターBhは、毛束の表面荒れ及び並びの乱
れ増大時にともに低下し、ミクロな表面変化とマクロ状
態変化を現していた。一方Rdは毛束のブリーチとともに
上昇し、色調変化を現していた。
これらの結果は、ゴニオメーター法に比べ今回の方法
を用いることにより、頭髪の艶に関係するより多くの頭
髪情報が得られることを示している。
そして、H部とD部の測定パラメーターには明度を選
ぶより、各々にB値(Bh)とR値(Rd)を選んだ時、視
覚とより高い相関が示されたが、このことは、頭髪の艶
に髪色が少なからず影響していることを示唆している。
今回用いたパネルの頭髪色は黒から黄赤の色分布を示し
た。この色分布がB値及びR値の選ばれた事実と何等か
の関係を有することがわかった。
この点をさらに検討する目的で、明度と彩度の異なっ
た7枚の艶のある黄赤色紙を測定した。その結果、暗部
に黒から黄赤の変化があった時、その変化を最も大きな
差としてとらえているのはR値であり、B値はその変化
を殆どとらえていなかった(第5図)。第5図はマンセ
ル色紙(10YR(yellowwish red)のRGB値を示す。
H部のR,G,B値の比が、パネル間で異なっていた。R,
G,B値の比で髪色を評価できることから、H部にも色の
影響のでていることがわかる。しかし、H部に対するこ
の髪色の影響は、視覚感覚ではとらえられない。
従って、B値は、このH部に漏出する黄赤色の影響、
そしておそらくは光源色の影響等を消去して、視覚に近
い測定データを提供していると思われる。
6)ヘアケア製品の有用性検索への利用 今回開発した艶評価方法は、ヘアケア製品の影響や効
果測定にも利用可能であった。以下で、その実施例のい
くつかを示す。
6−1) 染毛の影響 頭髪の艶に対する毛髪着色の効果を明らかにする目的
で、ブリーチで脱色した毛束を市販染毛剤にて4色に染
毛した。そしてその前後でのLphの変化を測定した。第
6図はそのLphの変化を示す。青や緑の染色は黄や赤の
染色に比し、髪の明度低下を引き起こすことにより、Lp
hの大きな上昇をもたらした。さらにブリーチ脱色毛に
は、艶だし油剤をスプレーするよりも着色するほうがLp
h効果は大きかった。
第6図では、20分の脱色処理を施した毛髪を使用し
た。図中Yは黄、Rは赤、Bは青、Gは緑、SOはシリコ
ンオイル(メチルフェニルポリシロキサン)を示す。
第7図は、ブリーチ前の黒毛に青染色を行った時の結
果を示す。L,a,b表色系で髪色を測定した時、Lp
hは青緑色の測定(△M)が強まるほど高くなる蛍光を
示し、最大で染色前の1、2、6倍(Lphの差で1.5)の
上昇が観察された。ゴニオメータ法ではこの変化は、観
測されなかった。Lph=1.5は視覚的艶値で1以上の差に
相当する(第4図)。
このことは、「黒髪を青染色すると黒の艶は増してみ
える。」と経験的に感じられてきたことを支持してい
る。
なお、第7図(a)(b)(c)で、Aは黒茶色染
色、Bは黒色染色、CとDは緑青色染色で、Cは薄く、
Dは濃く染色してある。また、△Mは、(a*)
(b*)の平方根、**は染色後、染色前の対比値
(染色後/染色前)である。
6−2) 艶出し剤の効果 第8図は、当社ヘアケア製品4品とそれらで用いられ
る油剤の効果を、毛束を用い観察した結果である。
図中LSは艶出しスプレー(ポーラ化成工業株式会社
商品名アナリス ラスタースプレー)、 SGはジェルタイプの整髪剤(ポーラ化成工業株式会社
商品名 シンフリー スタイリングジェル)、 HGはヘアグルーム(ポーラ化成工業株式会社商品名
ギャラントム ヘアグルーム)、 POはポマード(ポーラ化成工業株式会社 商品名 ギ
ャラントム アマロード)、 SOはシコンオイル、OOはオリーブ油である。
ラスタースプレーとスタイリングジェルには、高い艶
出し効果が観察された。
これは、シリコン油が明部の正反射を増大すること、
そして暗部の散乱反射を減少することによる。
一方これら比し、ヘアグルームとポマードの艶出し効
果は低かった。特にポマードは、Lphが殆ど艶出し効果
を示していないように効果を示さなかった。それにも関
わらず、コニオメーター値は5倍の上昇を示した。この
ことは、視覚観察によっても支持された。
ポマードのこの貧弱な艶出し効果は、用いられた油剤
のタイプに依存している。その油剤は、結果として暗部
を明るくするような錯乱反射の増加をもたらす。
不規則であるいはくせっ毛を有する何人かのパネルで
は、ラスタースプレーの効果が見られなかった。より大
きな効果が、油剤を頭髪に直接塗布した時でなく、髪の
マクロ配列改善によりえられた。髪のマクロ配列改善と
は、頭髪の大きな視野からの改善で、頭髪のストレート
な配列を乱す、くせ毛やはね毛などの縮れや湾曲を改善
しストレートな配列に戻すことである。
従って、このような髪の問題を有する人たちには、髪
のマクロ状態改善を行うアドバイスがなされるべきであ
る。
6−3) コンデショナーとシャンプーの影響 第9図は、洗浄前後における頭髪の変化をModel Wig
を用いて測定した結果である。
ここで、処置Aはシャンプー前、Bはシャンプー後ド
ライタオルで吸水、Cは処置Bの後ドライヤーにて乾
燥、Dは処置C後6時間放置、Eは処置Dに続いてシャ
ンプー、コンディショナーを行い、その後B,C,Dの処置
をした例である。使用したシャンプーはいずれもポーラ
化成工業株式会社製 商品名 シンフリー ヘアーシャ
ンプー、で、コンディショナーはポラー化成工業株式会
社製 商品名 アナリス モイスチャーコンディショナ
ーである。
シャンプー後の濡れた髪では、強い正反射と暗部と明
度低下が観察される。しかし乾燥するに従い、正反射は
低下し、暗部の明度や髪の配列もシャンプー前の状態に
戻る。このような頭髪の状態変化が、LphそしてBh,Rdの
変化に再現されている。
また、シャンプーだけの時に比べ、コンデショナー併
用は、正反射の増大と散乱反射の低下により、頭髪の艶
を高くすることが示された。
パネルを用いた検討でも、コンデショナーには、軽度
の艶出し効果のあることが確認された。
7)結論 7−1) 本発明の艶評価方法は、頭髪の艶を測定する
ための新しい手法を提供する。本法は、髪映像の明部と
暗部各々のRGB値の対比値を計算するという興味深いそ
して有用な方法である。
今回の検討で、いままで経験的に得られたいたいくつ
かの一般則が、事実であることを示した。さらに、頭髪
の艶の悩み改善には、髪のマクロ形態改善や染毛も効果
的であることを明らかにした。
第10図にゴニオメーター法、従来の視覚的艶値の測
定、本発明方法による物理的艶値の比較を示した。第10
図でCOはカストルオイル、OOはオリーブオイル、CIOは
セチルオクタノエート、MITDはイソトリデシルミリステ
ート、C70は液体パラフィン、SiOはシリコンオイルによ
り試料を処理した例であり、本発明方法による場合視覚
的艶値に極めて近似していることが判明した。
7−2) 今回は、頭髪の測定部位の特定を容易にする
ため、直毛が一つの測定モデルとして取り上げられた。
天然パーマなどの癖毛やパーマネントヘアーの場合、頭
髪の表面反射は複雑である。
しかし、測定範囲を正確に決定することにより、直毛
以下の測定もなしうると考えられる。
頭髪の艶は頭髪状態の多くの因子と関係しているの
で、今回開発された方法を応用していくことにより、頭
髪の健康状態や頭髪製品の有効性についての更に多くの
情報を得ることが可能と考える。
〔発明の効果〕
本発明によれば、熟練を要する視覚による艶評価と同
等の評価を自動的に、かつ、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の艶評価装置の一例を示したブロック
図、第2図はカラーテレビモニタ上の測定範囲決定を示
す図、第3図(a)は測定範囲のモデル図、第3図
(b)は頭髪モデルのL*値変化を示したグラフ図、第
3図(c)は頭髪モデルの(a*)+(b*)の平
方根の変化を示したグラフ図、第4図は視覚的艶値と物
理的艶値(Bh/Rd)間の関係図を示したグラフ図、第5
図はマルセル色紙のRGB値を示したグラフ図、第6図は
頭髪の脱色、脱色毛への染色、油剤塗布の艶値への影響
を示したグラフ図、第7図(a)(b)(c)は黒色毛
に対する染色の影響を示したグラフ図で第7図(a)は
染色処置の種類と髪色の差との関係、第7図(b)は染
色処置の種類と物理的艶値Lphとの関係、第7図(c)
は染色処置の種類とゴニオメータ法による艶値との関係
を示す。第8図は艶出し剤及び油剤の頭髪の艶に対する
効果を示すグラフ図、第9図はシャンプーとコンディシ
ョナーの頭髪の艶に対する効果を示したグラフ図、第10
図はゴニオメーター法、従来の視覚的艶値の判定、本発
明方法による物理的艶値の比較を示したグラフ図であ
る。 (S)……毛髪試料、(H)……明部領域、(D)……
暗部領域、1……光源、2……画像入力手段としてのカ
ラーテレビカメラ、3……画像処理手段、4……カラー
テレビモニタ、5……範囲設定手段としてのデジタイ
ザ、6……艶値演算手段としてのパーソナルコンピュー
タ、7……出力手段としてのプリンタ。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 博 静岡県静岡市弥生町648番地 ポーラ化 成工業株式会社内 (72)発明者 石田 忠 静岡県静岡市弥生町648番地 ポーラ化 成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−100310(JP,A) 実開 平1−70161(JP,U) 実開 昭63−159754(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 A61B 10/00 G01N 33/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を試料に照射して、画像入力
    手段で試料の明部領域と暗部領域とを同時または別個に
    撮像し、明部領域の輝度と暗部領域の輝度とを求め、両
    者の比または差をもって艶の良否を現す艶値とする艶評
    価方法において、 前記画像入力手段がRGB信号を出力するカラーテレビカ
    メラであり、前記明部領域の輝度は、前記カラーテレビ
    カメラからの明部領域のRGB信号のうちB信号による画
    像の輝度であり、前記暗部領域の輝度は、前記カラーテ
    レビカメラからの暗部領域のRGB信号のうちR信号によ
    る画像の輝度であることを特徴とする艶評価方法。
  2. 【請求項2】試料から反射した光を捕らえる画像入力手
    段と、画像入力手段で捕らえた試料の画像信号を処理し
    て試料の明部領域の輝度と暗部領域の輝度とを演算する
    画像処理手段と、明部領域の輝度と暗部領域の輝度との
    比または差を演算する艶値演算手段とを備えた艶評価装
    置において、 前記画像処理手段は、画像入力手段で捕らえた試料の画
    像を映し出すテレビモニタと、このテレビモニタ上で採
    取すべき明部領域と暗部領域を設定する範囲設定手段と
    を有することを特徴とする艶評価装置。
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