JP2890129B2 - 馬鈴薯汁液の精製法 - Google Patents

馬鈴薯汁液の精製法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、馬鈴薯澱粉製造工程において排出される馬
鈴薯汁液の脱色、脱臭法に関するものであり、更に詳し
くは馬鈴薯澱粉分離後の馬鈴薯の濃厚汁液から加熱凝固
物(ポテトプロテイン)を除去した不快臭を有する黒褐
色の脱蛋白液を脱色、脱臭する精製法に関するものであ
る。
本発明の方法により処理した馬鈴薯の汁液は、糖、ア
ミノ酸、有機酸等を含み、食品素材として用いることが
でき、馬鈴薯から分離した新たな食品素材を供すること
を目的としている。
従来の技術 馬鈴薯から澱粉を製造する際、澱粉製造工場から排出
される廃水は河川の汚染の原因となり問題となってい
る。特に、北海道における澱粉工場は、鮭の俎上する河
川の流域にあり、その完全な処理法の開発が切望されて
いる。
一方、馬鈴薯の総合利用の観点からみても排出される
馬鈴薯汁液の利用が望まれるが、現在のところ、濃厚汁
液からの蛋白質の回収、脱水澱粉粕と混合して飼料とす
る、草や草地へ肥料として直接散布するなどの方法が試
みられているにすぎない。
しかし、例えば飼料とする場合、一度乾燥してから用
いられるため、エネルギーを消費し採算が悪く、また肥
料として直接散布する場合、実施地域が工場周辺の極く
限られた地域に限定されるなどの問題があり、企業化は
困難であった。
現在、一部の澱粉工場では、馬鈴薯の濃厚汁液中の蛋
白を加熱凝固させ、ポテトプロテインとして回収し、飼
料として利用することが試みられている。それでも、蛋
白質回収後の残液(脱蛋白液)は、黒褐色を呈し、有機
物濃度が高いため、そのまま河川に放流することができ
ず、肥料として畑や牧草地に散布されている。このよう
な利用方法は、輸送費がかさむため澱粉工場の周辺の限
られた範囲で実施できるにすぎず、広く行われるまでに
は至ってない。
また、資源の有効利用や付加価値を高めるるという観
点からすると食糧化が好ましく、最近ではポテトプロテ
インの利用法として、その酵素的加水分解による栄養組
成物とすることが提案されている(特開昭64−2006
0)。
一方ポテトプロテイン回収後の脱蛋白液は、黒褐色に
着色し、特有の不快臭を呈するため畑や草地への散布以
外に利用法がなく、その利用研究はなされていなかっ
た。
発明が解決しようとする手段 本発明は、馬鈴薯澱粉廃液である馬鈴薯の濃厚汁液か
ら蛋白質を除いた黒褐色で不快臭を有する脱蛋白液を利
用するものであり、そのための脱色、脱臭に関するもの
である。
すなにわち、本発明の目的は、馬鈴薯澱粉製造工場に
おいて排出される脱蛋白液を脱色、脱臭して清澄透明な
脱蛋白液を得ることを目的としており、脱色、脱臭した
馬鈴薯澱粉廃液の脱蛋白液より調味料として利用可能な
馬鈴薯汁液を提供することも目的としている。
課題を解決するための手段 本発明は、黒褐色で不快臭を有する脱蛋白液をアニオ
ン交換樹脂及び活性炭で処理することにより、脱色し、
異臭を改善して不快臭のない無色ないしはわずかに黄色
をした清澄透明な脱蛋白液又はその乾燥物とするもので
ある。
本発明で使用する脱蛋白液は、通常の馬鈴薯澱粉製造
工場において馬鈴薯から澱粉などを取り去った濃厚汁液
から熱凝固性蛋白質(ポテトプロテイン)を回収した後
の残液として入手できる。
また、本発明に用いる活性炭としては、脱色及び脱臭
能のある活性炭であればよく、例えば木質活性炭ややし
殻活性炭などが利用できる。
さらに、アニオン交換樹脂としては、スチレン系の樹
脂が好ましく、アニオン交換基としては第3級アミン基
あるいは第4級アンモニウム基が好ましい。交換容量、
粒度は特に限定しないが、交換容量が1〜2meq/ml(湿
潤樹脂)、粒度が20〜50メッシュ(湿潤樹脂)のものが
好ましい。
脱蛋白液より本発明の無色ないしはわずかに黄色をし
た清澄透明な液を得るには、活性炭処理を行った脱蛋白
液または活性炭処理を行わない脱蛋白液をアニオン交換
樹脂により処理した後、さらに活性炭処理を行う。
アニオン交換樹脂による処理を行うには、バッチ法又
はカラム法が用いられる。
バッチ法として例えば、活性化したアニオン交換樹脂
と処理液とを混合し、撹拌もしくは振盪し、処理液中の
色素及び臭いをアニオン交換樹脂に吸着後、アニオン交
換樹脂を除去する方法が行われる。このときの樹脂の使
用量は、処理液1当たり50gで充分である。また、処
理時間は、1時間前後が好ましい。
カラム法として、例えば活性化したアニオン交換樹脂
をカラムに充填し、脱蛋白液を上部より流通させること
により処理液中の色素および臭いをアニオン交換樹脂に
吸着させ、カラムの下より流出する流出液を取得する。
このようにしてアニオン交換樹脂で処理した脱蛋白液
は、引き続き活性炭で処理する。処理の方法は、アニオ
ン交換樹脂と同様にバッチ式又はカラム式で行える。
アニオン交換樹脂処理および活性炭処理した脱蛋白液
は、そのまま用いることも可能であるが、例えば澱粉、
デキストリン、カゼイン、アラビアガム、ゼラチン、大
豆蛋白、その他の粉末化助剤を添加し、または添加せず
に噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥などの公知の乾燥法に
より乾燥し、粉末あるいは顆粒状とすることもできる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 馬鈴薯澱粉廃液である濃厚汁液から遠心分離により沈
澱物を除去して脱蛋白した脱蛋白液(ホクレン芽室澱粉
工場より入手)4を活性化したポリスチレン系(スチ
レンジビニルベンゼン)樹脂に第4級アンモニウム基を
導入した強アニオン交換樹脂(交換容量1.0meq当量/ml
湿潤樹脂、粒度20〜50メッシュ(湿潤))を詰めたカラ
ム(2.8×25cm)の上部より流し、脱色、脱臭した流出
液を得た。
この流出液3に活性炭粉末(二村化学工業株式会社
製、太閣S、ウェットタイプ)90gを添加し、50℃で1
時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、活性炭を
除去した。得られた液は、不快臭のない無色透明な液体
であった。この処理液の脱色率及び糖、有機酸、アミノ
酸の組成は第1〜第4表の通りである。
脱色率は、試料の着色度を450nmの吸光度(OD450)で
測定し、次の式で求めた。
A:処理前の脱蛋白澱粉廃液の吸光度 B:処理後の脱蛋白澱粉廃液の吸光度 表4のF.A.は遊離アミノ酸量、T.A.は全アミノ酸量を
示す。
本処理液は、表に示すように種々の呈味成分を含有し
ており、良好な味を感じることができた。
さらに得られた液2.7を凍結乾燥し、不快臭のない
白色粉末350gを得た。
実施例2 実施例1で用いたのと同じ脱蛋白液4に実施例1で
用いたのと同じ活性炭120gを添加し、50℃にて1時間撹
拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、活性炭を除去し
た。
得られた処理液3.6に活性化したポリスチレン系
(スチレンジビニルベンゼン)樹脂に第3級アミン基を
導入したアニオン交換樹脂(粒度20〜50メッシュ(湿
潤)、交換容量1.2meq/ml湿潤樹脂)184gを添加し、常
温で1時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、交
換樹脂を除去した。得られた液3.5に活性炭35gを添加
し、さらに70℃にて1時間撹拌しながら脱臭、脱色処理
を行った後、活性炭を除去した。
実施例1で得られた液と同様に不快臭のない無色透明
な液が得られた。この処理液3.3に分枝デキストリン9
90gを加え、噴霧乾燥を行い不快臭のない白色粉末1150g
を得た。
実施例3 実施例1で用いたのと同じ脱蛋白液1に活性炭(実
施例1で用いたものと同じ)10gを添加し、70℃にて1
時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、活性炭を
除去した。得られた液890mlに活性化したポリスチレン
系(スチレンジビニルベンゼン)樹脂に第4級アンモニ
ウ基を導入した強アニオン交換樹脂430gを添加し、常温
で1時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、交換
樹脂を除去した。得られた液870mlに活性炭粉末17.4gを
添加し、70℃にて1時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を
行った後、活性炭を除去した。不快臭のない、わずかに
黄色をした清澄透明な液が得られた。この処理液830ml
にカゼイン166gを添加し、凍結乾燥を行い、不快臭のな
い白色粉末260gを得た。
実施例4 実施例1で用いたのと同じ脱蛋白液4に活性炭(実
施例1で用いたものと同じ)40gを添加し、50℃にて1
時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行った後、活性炭を
除去した。得られた液3.8を活性化したポリスチレン
系(スチレンジビニルベンゼン)樹脂に第4級アンモニ
ウ基を導入した強アニオン交換樹脂(粒度20〜50メッシ
ュ(湿潤)、交換容量1.2meq/ml湿潤樹脂)を詰めたカ
ラム(2.8×25cm)に上部より通し、脱色、脱臭した流
出液を得た。この流出液3に活性炭粉末60gを添加
し、50℃にて1時間撹拌しながら脱色、脱臭処理を行っ
た後、活性炭を除去した。実施例1で得られたのと同様
に不快臭のない無色透明な液が得られた。
この処理液2.8に澱粉560gを添加し噴霧乾燥を行
い、不快臭のない白色粉末730gを得た。
発明の効果 本発明によれば、黒褐色で不快臭を有し、従来利用価
値が低かった馬鈴薯澱粉製造工場の廃液である脱蛋白液
を原料として、これを精製することにより不快臭がな
く、無色ないしはわずかに黄色をした透明液とし、又こ
れを乾燥して白色粉末とすることががきわめて容易に出
来るようになる。
本発明において用いられる脱蛋白廃液は、従来河川汚
染の原因となり、その処理法が望まれていたものであ
る。
しかも、これを精製することにより、そのまま単独で
調味料として用いられるものとなった。その上、従来か
ら利用されている例えばかつおぶしエキス、こんぶエキ
スなどと適宜任意に組み合わせて利用することもでき
る。
例えば、市販の即席わかめスープや椎茸風味の即席お
吸いものに実施例1で得た白色粉末を0.1%添加する
と、こく味やうま味が強くなり、呈味改良剤として有用
であった。また、市販のこんぶやかつお風味のだしの素
に本発明で得られた粉末を0.1%添加すると、味の伸び
がよくなり、こく味が付与され全体の風味が向上するこ
とが認められた。
このようにこの発明を実施することにより、従来捨て
られていた脱蛋白液を不快な臭いがなく無色透明な液と
することができ、食品加工に利用可能な調味原料として
用いられるものが得られ、馬鈴薯の高度利用が計れるこ
とになる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】馬鈴薯澱粉製造工程において馬鈴薯の磨碎
    乳より分離される濃厚汁液から蛋白を分離した脱蛋白液
    をアニオン交換樹脂及び活性炭で処理することを特徴と
    する馬鈴薯汁液の精製法
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