JP2888941B2 - 空冷インフレーションエラストマーフィルム - Google Patents

空冷インフレーションエラストマーフィルム

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JP2888941B2
JP2888941B2 JP2187425A JP18742590A JP2888941B2 JP 2888941 B2 JP2888941 B2 JP 2888941B2 JP 2187425 A JP2187425 A JP 2187425A JP 18742590 A JP18742590 A JP 18742590A JP 2888941 B2 JP2888941 B2 JP 2888941B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、MD、TD両方向に高い伸縮特性及び製膜安定
性を有する薄い空冷インフレーションエラストマーフィ
ルムに関する。
〔従来の技術〕
エラストマーと熱可塑性樹脂とからなる熱可塑性エラ
ストマー組成物のフィルムは、熱可塑性樹脂フィルムに
はない弾性や伸縮性を有し、種々の分野での用途が期待
されている。このような熱可塑性エラストマー組成物か
らなるフィルムは、ポリウレタンフィルムに代表される
ように、ほとんどがTダイ法による製膜であるため、MD
方向のみに配向性があり、TD方向にはあまり伸縮性がな
いという問題がある。また薄膜化することにより、フィ
ッシュアイ、ピンホール等のフィルムの品質の低下をき
たしやすく、安定的にしかも品質のよいエラストマーフ
ィルムを製造するのは困難である。
そこで、本発明者らは、高ブロー比でMD、TD両方向に
伸縮性のよいフィルムを空冷インフレーション法により
製膜する方法を提案した(特願平1−183998号、特願平
1−319268号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、空冷インフレーション法による製膜で
は、上記のような問題はないが、製膜の際にバブルを安
定化するのが困難であり、特に薄膜(30μm以下)を成
形する場合に、バブルを安定化し、均一なフィルムとす
ることが望まれている。
そこで、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体とからなるエラストマー樹
脂組成物を空冷インフレーション法により製膜する場合
にバブルが安定しない原因について研究した結果、エ
ラストマー樹脂組成物の溶融張力が低いためにバブルが
安定しないこと、及びエラストマー樹脂組成物の溶融
張力は、エラストマー成分であるエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)
/数平均分子量(Mn)と密接な関係があることが分かっ
た。
したがって本発明の目的は、MD、TD両方向に高い伸縮
特性及び製膜安定性を有する薄い空冷インフレーション
エラストマーフィルムを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、高分
子量成分が多く、所定の分子量分布を有するエチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)とからなるエラストマー樹脂
組成物を、空冷インフレーション法により薄いフィルム
に製膜すれば、バブルが安定し、MD、TD両方向に高い伸
縮特性を有するエラストマーフィルムが得られることを
見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の空冷インフレーションエラストマ
ーフィルムは、(a)エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体30〜70重量%と、(b)酢酸ビニル含有量が5〜
30重量%で、メルトインデックスが0.2〜25g/10分のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体70〜30重量%とを含有する
エラストマー樹脂組成物からなり、前記エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体の重量平均分子量(Mw)が30×
104〜50×104であり、重量平均分子量100万以上の比率
が3.0〜15.0重量%であり、かつ重量平均分子量(Mw)
/数平均分子量(Mn)の比が2.7〜8.0であり、もってM
D、TD両方向に高い伸縮特性及び製膜安定性を有し、厚
さが30μm以下であることを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
[1]エラストマー樹脂組成物 (a)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)と
は、エチレンから誘導される繰返し単位、プロピレンか
ら誘導される繰返し単位及びジエン化合物から誘導され
る繰返し単位を含む共重合体のことである。ジエン化合
物としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジ
エン、ジシクロペンタジエン等がある。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、
エチレンから誘導される繰り返し単位の含有率が60〜70
モル%、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有
率が20〜30モル%、及びヨウ素価が1〜15であることが
好ましい。より好ましい範囲は、エチレン系繰返し単位
が65〜70モル%、プロピレン系繰返しが25〜30モル%、
及びそのヨウ素価が8〜12である。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の重量平均分
子量(Mw)は30×104〜50×104であり、好ましくは35×
104〜45×104である。また数平均分子量(Mn)は10×10
4〜14×104が好ましい。ただし本発明においては、EPDM
の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比(分
子量分布)は、2.7〜8.0、好ましくは3.0〜6.0である分
子量分布が2.7未満では、高分子量成分が少なすぎ、空
冷インフレーション成形の際にバブルを十分に安定化す
ることができない。また分子量分布が8.0を超えると、
高分子量成分が多くなりすぎ、インフレーション成形そ
のものが困難となる。
このようなエチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)は、重量平均分子量100万以上の比率が3.0〜1
5.0重量%であり、好ましくは4.5〜8.0重量%であり、
そのムーニー粘度(ML1+8、120℃)は、好ましくは35〜
70である。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、
基本的には上記の繰返し単位からなるものであるが、こ
の共重合体の特性を損なわない範囲内で、例えばブテン
−1あるいは4−メチルペンテ−1等のα−オレフィン
から誘導される繰り返し単位等の他の繰り返し単位を含
んでもよい。
(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体 エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニ
ル繰り返し単位の含有率が5〜30重量%であり、かつメ
ルトインデックス(190℃、2.16kg荷重)が0.2〜25g/10
分の共重合体である。酢酸ビニルの含有量が5重量%未
満であると、ゴム弾性が劣り、一方、30重量%を超える
とフィルムがブロッキングし、製膜が困難となる。好ま
しい酢酸ビニルの含有量は15〜30重量%である。またメ
ルトインデックスについては、0.2g/10分未満であると
製膜加工性が劣り、25g/10分を超えると空冷インフレー
ション法による製膜が困難となる。好ましいメルトイン
デックスは10〜25g/10分である。
上述したような(a)エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体(EPDM)と、(b)エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)との配合割合は、(a)+(b)を100重量
%として、(a)エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM)が30〜70重量%、好ましくは50〜60重量%で
あり、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が7
0〜30重量%、好ましくは50〜40重量%である。
(a)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)の配合割合が30重量%未満では(b)エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)の配合割合が70重量%を超え
ると)、得られる空冷インフレーションエラストマーフ
ィルムの延伸率が低下する。一方、(a)エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体(EPDM)の配合割合が70重量
%を超えると((b)エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)の配合割合が30重量%未満では)、得られる空
冷インフレーションエラストマーフィルムの成形性が低
下する。
エラストマー樹脂組成物は、結晶性ポリオレフィンを
添加することによりその剛性及び成形性を向上させるこ
とができる。上記結晶性ポリオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの
単独重合体、エチレンとプロピレン又は他のα−オレフ
ィンとの共重合体、もしくはこれらのα−オレフィンの
2種以上の共重合体等が挙げられる。これらの中では、
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン及
びポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンはホモポ
リマーに限らず、プロピレン成分を50モル%以上、好ま
しくは80モル%以上含む他のα−オレフィンとのランダ
ムまたはブロック共重合体も使用することができる。プ
ロピレンに共重合するコモノマーとしてはエチレンその
他のα−オレフィンがあり、エチレンが特に好ましい。
従って、本明細書において使用する用語「ポリプロピレ
ン」はプロピレンのホモポリマーに限定されず共重合体
をも含むものと解すべきである。
上記結晶性ポリオレフィンの添加量は、EPDM+EVAを1
00重量部として、1〜30重量部とするのが好ましい。1
重量部未満では剛性、成形性の向上に効果がなく、また
30重量部を超えると得られる組成物のエラストマー性が
低下する。
エラストマー樹脂組成物はまた、粉末状無機充填材を
添加することにより、耐ブロッキング性、耐熱性を向上
させることができる。無機充填材としては、タルク、炭
酸カルシウム、セッコウ、カーボンブロック、クレー、
カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、シラスバルー
ン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフュー
ム、雲母粉等を使用することができるが、タルク、酸化
チタン、炭酸カルシウム、シリカ等が特に好ましい。無
機充填材の平均粒径は5μm以下、好ましくは1〜3μ
mである。
これらの粉末状無機充填材は、単独であるいは組合せ
て使用することができる。上記粉末状無機充填材の添加
量の合計は前述のEPDM+EVAの重量を100重量部として、
2〜15重量部とするのが好ましい。2重量部未満では粉
末状無機充填材を添加した効果が顕著には現れないこと
があり、また15重量部を超えると、得られる組成物の強
度がかえって低下することがある。ただし無機充填材を
添加すると得られる組成物の製膜性及び延伸加工性が低
下するため、無機充填材の量は、エラストマーフィルム
の用途に応じ上記範囲内で適宜選定するのが好ましい。
なお上記添加剤の他に、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、色剤等を適宜配合することもで
きる。
[2]空冷インフレーション法 上記エラストマー樹脂組成物から、空冷インフレーシ
ョン法によりエラストマーフィルムを製造するには、例
えば以下のような方法を使用する。
まず(a)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)及び所望の添加剤等を混練する。混練は、170℃以下
の樹脂温度で行うのが好ましく、特に145〜165℃の範囲
内の樹脂温度で行うのが好ましい。混練温度が170℃よ
り高いと、エラストマー樹脂組成物の熱劣化が進行し、
異臭を発生したり、粘着性を発現したりする。このた
め、二軸押出機のような押出機中で混練を行う場合、発
熱しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当
な冷却装置を有するものを使用する。なお混練温度の下
限については、145℃未満になると、樹脂圧が高く成形
しにくくなり、また混練効率も悪化するため好ましくな
い。
次にこの混練物を空冷インフレーション用ダイから押
し出す。ダイから押し出されたバブルは、空冷インフレ
ーション法により冷却しながらMD方向のみならずTD方向
にも延伸する。この様子を第1図に概略的に示す。
第1図において、空冷インフレーション装置は、ダイ
1と、ダイ1のすぐ上に設けられた第一冷却リング2
と、第一冷却リング2の上方に設けられた第二冷却リン
グ31及び第三冷却リング32とを有する。
以上の構成の装置を用いて、空冷インフレーション法
によりエラストマーフィルムを製造するには、まずダイ
1の環状オリフィス11より溶融したエラストマー樹脂組
成物を押し出して、バブル4を形成する。押出された直
後のバブル4は、溶融張力が低いために細径状となり、
いわゆるネック部41を形成する。ネック部41において、
バブル4は主としてMD方向に延伸される。次に、バブル
4は急激に膨張し、所定のバブル径となる。この膨張部
42において、バブル4はMD方向のみならずTD方向にも延
伸される。膨張部42のほぼ上端付近にフロストライン43
があり、ここでエラストマー樹脂組成物は冷却固化状態
となる。フロストライン43より上方に設けられた第二冷
却リング31及びさらにその上方に設けた第三冷却リング
32で、バブルはさらに冷却される。
このような空冷インフレーション法では、バブル4の
各部の温度は、以下のようにコントロールするのが好ま
しい。
(a)ダイ1より押出し直後の温度は170℃以下。
(b)ネック部41では120℃以下まで冷却。
(c)フロストライン43では45℃以下まで冷却。
(d)第二冷却リング3により35℃以下まで冷却。
(e)第三冷却リング32では30℃以下まで冷却。
条件(a)については、押出し直後の温度が170℃を
超えると第一冷却リングにより十分に低温まで冷却する
のが困難となる。また条件(b)については、ネック部
41で120℃以下まで冷却しないと、次の膨張部42でTD方
向の延伸を十分に達成することができない。すなわち、
ネック部41で120℃以下まで冷却されないと、膨張部42
で十分な溶融張力を有さず、MD方向の延伸が主となって
しまう。一方、ネック部で余り冷却しすぎると、膨張部
42の形成(すなわちバブル4のTD方向の延伸)が困難と
なるので、ネック部41におけるバブルの温度の下限は90
℃程度にするのが好ましい。特にネック部41での冷却は
90〜110℃まで行うのが好ましい。
なおこのような温度条件を満たすためには、ネック部
41を比較的長くすればよい。ネック部41の長さは、バブ
ル径や、肉厚、温度、第一冷却リング2からの冷却空気
の流量等により異なるが、上記(b)の条件を満たすよ
うに設定するには、ネック部の径がダイス口径と同等か
又は5〜15%細い口径で、ダイス口径の1.0〜4.0倍の範
囲になる引取速度にすればよい。例えばネック部41の径
が100mm程度の場合、100〜400mm程度の長さにすればよ
い。またブローアップ比は、1.5〜5.0が好ましく、特に
3.0〜4.5が望ましい。
条件(c)について、フロストライン43でのバルブ温
度を45℃以下まで低くすることにより、バブル4の冷間
延伸を達成することができる。エラストマー樹脂組成物
は約40℃付近で延伸するとエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体成分が一部延伸結晶化する。このため、フロ
ストライン43においてバブル温度が45℃より高いと、バ
ブル4のMD方向、TD方向の両方における延伸が不十分で
ある。
条件(d)については、フロストライン43の上方でバ
ブル4を35℃以下、特に30℃以下に冷却することによ
り、均一な薄いバブルの形成を安定化することができ
る。第二冷却リング31を設けずに、フロストライン43上
方のバブルの温度を35℃より高い状態に保つと、不均一
な延伸が起こるおそれがあり、さらに(e)第三冷却リ
ング32を設けずにバブル温度を30℃より高い温度に保つ
とバブルが膨張変形し、そのためバブル全体が不安定と
なる。このように、バブルのやや上方では実質的に延伸
が起こらないようにする。
上記の各冷却リングを設置する位置の関係は、第1図
に示すように設けられるが、これらの位置は、ダイ口
径、ネック高さ、引取速度、バブル径等によって調整す
る。特に第二冷却リング31は、ダイ1の口径の5〜10倍
の距離だけダイ1の上方に配置し、また第三冷却リング
32は、ダイ1の口径の0.5〜5.0倍の距離だけ第二冷却リ
ング31より上方にそれぞれ配置することが好ましい。
以上の方法において、第一、第二及び第三冷却リング
2、31、32よりバブル4に噴射する冷却空気としては、
冷却効率の観点から加湿空気を用いるのが好ましい。加
湿空気は、冷水により加湿冷却した空気で、ほぼ飽和状
態の水分を含有するもので、単なる冷却空気より約5℃
も冷却効果が大きい。
このようにして得られた空冷インフレーションエラス
トマーフィルムは、MD方向のみならずTD方向にも延伸さ
れているので、機械的強度に優れ、かつ熱収縮率が小さ
い。また上記組成のエラストマー樹脂組成物を用いてい
るので、空冷インフレーション法に生ずるバブルが極め
て安定しており、30μm以下のエラストマーフィルムを
安定的に製膜することができる。
〔作 用〕
本発明では、(a)所定の重量平均分子量(Mw)、重
量平均分子量100万以上の比率、及び分子量分布を有す
るエチレン−プロピレン−ジエン共重合体と、(b)エ
チレン−酢酸ビニル共重合体とからなるエラストマー樹
脂組成物を、空冷インフレーション法によりフィルムに
製膜するので、バブルが安定し、MD、TD両方向に高い伸
縮特性を有するエラストマーフィルムが得られる。しか
もピンホール、フィッシュアイ等が防止される。
このような効果が得られる理由は必ずしも明らかでは
ないが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の分子
量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))
の大小は一般に高分子量成分の多少を示す指標であり、
高分子量成分が多く、かつ分子量分布の値が所定の範囲
内のものを用いることにより、空冷インフレーションエ
ラストマーフィルムに成形するのに好適な溶融張力を有
するためであると考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1 第1表に示すエチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)60重量%と、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含有量28重量%、メルトインデックス(M
I、JIS K6758、荷重2.16kg、190℃)20g/10分)40重量
%とからなるエラストマー樹脂組成物を二軸混練機によ
り溶融混練し、第1図に示すような装置を用いて、空冷
インフレーション法によりエラストマーフィルムに成形
した。
得られた空冷インフレーションエラストマーフィルム
に対して、厚さ、破断強度、破断伸度、100%リサイク
ル延伸後の歪率、熱収縮率、製膜安定性、及び2mm以上
の穴の数を測定した。結果をエラストマー樹脂組成物の
組成とともに第2表に示す。
(1)重量平均分子量:ウォーターズ(株)製のGPC装
置を用い、カラムにショウデックスカラム、溶媒にトリ
ジクロルベンゼンを使用し、温度135℃、流量1.0ml/分
で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
法により測定。
(2)破断強度:20mm×150mmのサンプルに対し、JIS L1
096に従って、クロスヘッドスピード200mm/分、チャッ
ク間距離50mmで幅方向(TD)及び長手方向(MD)の値を
測定。
(3)破断伸度:JIS L1096に従って、“破断強度の測
定”と同じ条件により幅方向(TD)及び長手方向(MD)
の値を測定。
(4)100%リサイクル延伸後の歪率:“破断強度の測
定”と同じ条件によりサンプルを100%延伸する操作を
2回繰り返した後の幅方向(TD)及び長手方向(MD)の
歪み率を測定。
(5)熱収縮率:10mm×100mmのサンプルを50℃で1日間
放置した後の幅方向(TD)及び長手方向(MD)及び面積
比の歪率を測定。
(6)製膜安定性:以下の基準により評価した。
◎:良好。
○:やや安定(バブルが微妙に振動)。
×:不安定。
(7)2mm以上の穴の数:2mm以上の穴が、幅1mの空冷イ
ンフレーションエラストマーフィルム3000mにつき何個
あるかを計測した。
第1表及び第2表から明らかなように、本発明の空冷
インフレーションエラストマーフィルムは製膜安定性に
優れているのみならず、100%リサイクル延伸後の歪
率、熱収縮率等の伸縮特性にも優れている。これに対
し、比較例1のエラストマー樹脂組成物を使用した場
合、製膜安定性が悪く、得られる空冷インフレーション
エラストマーフィルムの熱収縮率が大きかった。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の空冷インフレーション
エラストマーフィルムは、(a)所定の重量平均分子量
(Mw)、重量平均分子量100万以上の比率、及び分子量
分布を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体
と、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体とからなるエ
ラストマー樹脂組成物を、空冷インフレーション法によ
り製膜してなるので、製膜中にバブルが安定している。
そのため、本発明の空冷インフレーションエラストマー
フィルムはMD、TD両方向に高い伸縮特性及び製膜安定性
を有するのみならず、良好な熱安定性を有し、ピンホー
ル、フィッシュアイ等がない。その上、本発明の空冷イ
ンフレーションエラストマーフィルムは30μm以下と薄
膜である。
【図面の簡単な説明】
第1図はエラストマー樹脂組成物を製膜する空冷インフ
レーション装置を示す概略図である。 1……環状ダイ 2……第一冷却リング 31……第二冷却リング 32……第三冷却リング 4……バブル
フロントページの続き (72)発明者 戸田 英明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東燃石油化学株式会社技術開発センター 内 (56)参考文献 特開 平1−259038(JP,A) 特開 平2−113046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MD、TD両方向に高い伸縮特性及び製膜安定
    性を有する厚さ30μm以下の空冷インフレーションエラ
    ストマーフィルムにおいて、(a)エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体30〜70重量%と、(b)酢酸ビニル
    含有量が5〜30重量%で、メルトインデックスが0.2〜2
    5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜30重量%
    とを含有するエラストマー樹脂組成物からなり、前記エ
    チレン−プロピレン−ジエン共重合体の重量平均分子量
    (Mw)が30×104〜50×104であり、重量平均分子量100
    万以上の比率が3.0〜15.0重量%であり、かつ重量平均
    分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が2.7〜8.0であ
    ることを特徴とする空冷インフレーションエラストマー
    フィルム。
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