JP2888734B2 - オリゴマーの製造方法 - Google Patents

オリゴマーの製造方法

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JP2888734B2
JP2888734B2 JP5155424A JP15542493A JP2888734B2 JP 2888734 B2 JP2888734 B2 JP 2888734B2 JP 5155424 A JP5155424 A JP 5155424A JP 15542493 A JP15542493 A JP 15542493A JP 2888734 B2 JP2888734 B2 JP 2888734B2
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  • Lubricants (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オリゴマーの製造方法
に関し、詳しくは低温流動性が良好であるとともに低温
から高温までの広い温度範囲にわたってすぐれたトラク
ション性能を示す炭化水素系トラクションドライブ用流
体に供せられるオリゴマーの効率のよい製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、トラクションドライブ用流体はトラクションドライ
ブ装置(ころがり接触による摩擦駆動装置)、例えば、
自動車用無段変速機,産業用無段変速機,水圧機器など
に用いられる流体であり、需要が高まるにつれて高いト
ラクション係数や熱および酸化に対する安定性,経済性
等が要求されている。近年、トラクションドライブ装置
の小型軽量化が、自動車用途を中心に研究されてきてい
る。それに伴なってこのトラクションドライブ装置に用
いるトラクションドライブ用流体にも、様々な苛酷な条
件下で使用に耐え得る性能、特に低温から高温(−30
〜140℃程度)までの広い温度範囲にわたって安定的
に高性能(トラクション係数が高いこと、粘度が低いこ
と、熱及び酸化安定性にすぐれることなど)を発揮しう
ることが要求されている。しかしながら、今までに特公
昭46−338号公報,特公昭46−339号公報及び
特公昭61−44918号公報を始めとして種々のトラ
クションドライブ用流体が開発されているが、いずれも
上述の要求特性を満足しうるものはなく、様々な問題が
あった。例えば、高温で高いトラクション係数を示す化
合物は、粘度が高いため撹拌ロスが大きいので伝達効率
が低く、また低温始動性にも問題がある。一方、低粘度
で伝達効率のすぐれた化合物は、高温下でのトラクショ
ン係数が著しく低く、また高温になると粘度が低下し過
ぎて、トラクションドライブ装置の潤滑上のトラブルの
原因となる。
【0003】本発明者らの研究グループは、上記の状況
に鑑み、従来法の問題点を解消すべく検討した結果、ト
ラクションドライブ装置の潤滑に、不飽和ビシクロヘプ
タン誘導体オリゴマー水素化物(特開平3−95295
号)及び不飽和ビシクロオクタン誘導体オリゴマー水素
化物(特願平3−75145号)がトラクションドライ
ブ用流体として、優れた性能を有することを見出してい
る。ところで、上記不飽和ビシクロヘプタン誘導体オリ
ゴマー水素化物及び不飽和ビシクロオクタン誘導体オリ
ゴマー水素化物を製造する場合、水素化する前に、不飽
和ビシクロヘプタン誘導体及び不飽和ビシクロオクタン
誘導体をオリゴマー化する必要がある。ここで、上記オ
リゴマーの原料である不飽和ビシクロヘプタン誘導体及
び不飽和ビシクロオクタン誘導体は、それぞれ対応する
アルコールの脱水反応によって得られる。この対応する
アルコールの脱水反応の際、シクロペンタジエン誘導体
あるいはシクロヘキサジエン誘導体の副生は避けられな
い。したがって、オリゴマー化には、シクロジエン誘導
体を含んだ不飽和ビシクロヘプタン誘導体あるいは不飽
和ビシクロオクタン誘導体が原料として供される。しか
るに、脱水反応の副生成物であるシクロジエン誘導体が
存在すると、不飽和ビシクロヘプタン誘導体あるいは不
飽和ビシクロオクタン誘導体をオリゴマー化する場合、
そのオリゴマー化反応がスムーズに進行しない事実が判
明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記問題を解消すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、
不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘導体及び/又
は不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン誘導体を含有
する原料を固体酸処理することによって、原料中に含ま
れるシクロジエン誘導体を重質化した後、あるいは重質
化しながら蒸留すると、その後のオリゴマー化反応がス
ムーズに進行することを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明
は、不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘導体及び
/又は不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン誘導体を
含有する原料を固体酸処理と同時に蒸留してから、又は
固体酸処理、次いで蒸留してからオリゴマー化すること
を特徴とするオリゴマーの製造方法を提供するものであ
る。
【0005】先ず、本発明において、オリゴマー化に供
される原料における不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
タン誘導体は、不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン
及びその誘導体であって、対応するアルコールの脱水反
応によって得られる不飽和化合物である。具体的には例
えば、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−
メチレンビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2−メチル
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン:2−メチレ
ン−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン:2,
3−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エ
ン;2−メチレン−7−メチルビシクロ〔2.2.1〕
ヘプタン;2,7−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プト−2−エン;2−メチレン−5−メチルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプタン;2,5−ジメチルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−6−
メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,6−ジメ
チルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メ
チレン−1−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;
1,2−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−
エン;2−メチレン−4−メチルビシクロ〔2.2.
1〕ヘプタン;2,4−ジメチルビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3,7−ジメチ
ルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン;2,3,7−トリ
メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−
メチレン−3,6−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プタン;2,3,6−トリメチルビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3−エチルビシ
クロ〔2.2.1〕ヘプタン;2−メチル−3−エチル
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エンなどが挙げら
れる。
【0006】また、本発明において、オリゴマー化に供
される原料における不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オク
タン誘導体は、不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン
及びその誘導体であって、対応するアルコールの脱水反
応によって得られる不飽和化合物である。具体的には例
えば、ビシクロ〔2.2.2〕オクト−2−エン;2−
メチレンビシクロ〔2.2.2〕オクタン;2−メチル
ビシクロ〔2.2.2〕オクト−2−エン;2−メチレ
ン−3−メチルビシクロ〔2.2.2〕オクタン;2,
3−ジメチルビシクロ〔2.2.2〕オクト−2−エン
などが挙げられる。
【0007】これらの不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プタン誘導体及び不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン誘導体は、通常、次のようにして得られる。すなわ
ち、はじめに、シクロジエン類とアルデヒド類又はアル
コール類とを反応させる。次いで、反応生成物を冷却
後、触媒(例えば、ラネーニッケル触媒)の存在下で水
素化処理する。続いて、冷却後、触媒を濾別し、濾液を
減圧蒸留することによって対応するアルコール誘導体を
生成する。また、シクロジエン類としては、例えば、シ
クロペンタジエン,シクロヘキサジエン,メチルシクロ
ペンタジエン,ジメチルシクロペンタジエン,メチルシ
クロヘキサジエンあるいはそれらの誘導体がある。ここ
で、誘導体として、例えば、ジシクロペンタジエン,メ
チルシクロペンタジエンダイマー,ジメチルシクロペン
タジエンダイマーなどが挙げられる。
【0008】一方、アルデヒド類としては、例えば、ク
ロトンアルデヒド,アクロレインなどが挙げられる。ま
た、アルコール類としては、アリルアルコールが挙げら
れる。本発明においては、不飽和ビシクロ〔2.2.
1〕ヘプタン誘導体及び不飽和ビシクロ〔2.2.2〕
オクタン誘導体は、混合して用いることもできる。この
場合、シクロジエン類と、前記アルデヒド類とアルコー
ル類とを併用して反応させ、後は同様に処理すればよ
い。
【0009】上記のようにして得られた対応するアルコ
ールは、触媒の存在下で脱水反応を施すことによって、
不飽和ビシクロ〔2.2.2〕ヘプタン誘導体あるいは
不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン誘導体を得るこ
とができる。そして、この脱水反応の際に、シクロジエ
ン誘導体が副生し、オリゴマー化反応に悪影響を及ぼ
す。この脱水反応に供される触媒としては、アルミナ,
チタニア,クロミア,マグネシア,シリカ−アルミナ等
の金属酸化物、リン酸カルシウム,リン酸ジルコニウ
ム,カルシウムヒドロキシアバタイト等の金属リン酸塩
類、硫酸マグネシウム,硫酸カルシウム,硫酸アルミニ
ウム等の金属硫酸塩類、ゼオライト類、ベントナイト,
モンモリロナイト,カオリン等の層状シリケート類など
いずれを用いてもよい。これらの中では、骨格の異性化
が少ないγ−アルミナが好ましく用いられる。これらの
触媒を用いて脱水反応を行う場合、その反応条件として
は、一般的に、反応温度は50〜400℃、好ましくは
100〜350℃である。また、WHSVは、0.1〜1
0.0hr-1、好ましくは0.5〜5.0hr-1である。
【0010】次に、上述の不飽和ビシクロ〔2.2.
1〕ヘプタン誘導体及び/又は不飽和ビシクロ〔2.
2.2〕オクタン誘導体を含有する原料は、オリゴマー
化する前に、固体酸処理と同時に蒸留するか、又は固体
酸処理、次いで蒸留する。ここで、この固体酸処理にお
いて、固体酸としては、例えば、活性白土,酸性白土,
ゼオライト,シリカ,アルミナ,シリカ−アルミナ,カ
チオン交換樹脂,ヘテロポリ酸などが挙げられる。これ
らの固体酸は、不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン
誘導体及び/又は不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン誘導体に対して、0.01〜100重量%、好ましくは
0.1〜20重量%で用いられる。そして、処理温度は、
用いる固体酸の種類に応じて適宜定めればよいが、一般
的には、0〜250℃、好ましくは50〜150℃であ
る。
【0011】本発明においては、前記固体酸処理後、蒸
留してからオリゴマー化することによって、オリゴマー
を効率的に得ることができる。このオリゴマー化する前
に行う蒸留は、固体酸処理後、別の処理釜で行ってもよ
いが、固体酸処理と同じ処理釜で固体酸処理をしながら
蒸留してもよい。生産効率上からは、固体酸処理と同時
に蒸留するのが好ましい。ここで、蒸留は、減圧蒸留、
また常圧蒸留のいずれであってもよい。そして、固体酸
は、その効能が続く限り、処理釜の中に入れたまま何回
でも連続して使用することができる。
【0012】上述のように固体酸処理してから蒸留処理
された不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘導体及
び/又は不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン誘導体
は、オリゴマー化される。このオリゴマー化によって得
られるオリゴマーは、次いで水素化反応を施され、水添
オリゴマーが、トラクションドライブ用流体に好ましく
供される。ここで、原料オレフィンのオリゴマー化反応
は、触媒の存在下で必要により溶媒や反応調節剤を添加
して行う。触媒としては、各種のものが使用可能である
が、一般には酸触媒を用いる。この酸触媒としては、活
性白土,酸性白土などの白土類、硫酸,塩酸などの鉱酸
類、p−トルエンスルホン酸,トリフリック酸などの有
機酸、塩化アルミニウム,塩化第二鉄,塩化第二スズ,
三塩化チタン,四塩化チタン,三フッ化ホウ素,フッ化
水素,三臭化ホウ素,臭化アルミニウム,塩化ガリウ
ム,臭化ガリウムなどのルイス酸、さらに固体酸、例え
ばゼオライト,シリカ,アルミナ,シリカ・アルミナ,
カチオン交換樹脂,ヘテロポリ酸(例えば、リンタング
ステン酸,リンモリブデン酸,ケイタングステン酸,ケ
イモリブデン酸)など各種のものが使用できるが、取扱
の容易さや経済性などを考慮して適宜選択すればよい。
また、使用量は、特に制限はないが、通常はビシクロオ
クタン類等の原料に対して0.1〜100重量%、好まし
くは1〜20重量%の範囲である。
【0013】不飽和ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘
導体及び/又は不飽和ビシクロ〔2.2.2〕オクタン
誘導体の上記オリゴマー化,共オリゴマー化反応にあた
って、溶媒は必ずしも必要とはしないが、反応時のこれ
らビシクロヘプタン類あるいはオクタン類等や触媒の取
扱い上あるいは反応の進行を調節する上で用いることが
好ましい。このような溶媒としては、例えば、n−ペン
タン,n−ヘキサン,ヘプタン,オクタン,ノナン,デ
カン等やシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシク
ロヘキサン,デカリン等の飽和炭化水素であれば特に制
限なく、広く使用することができる。さらに、前記触媒
が白土類等の反応促進性の弱い触媒の場合は、ベンゼ
ン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素やテトラ
リン等も用いることができる。また、鉱油(150ニュ
ートラル,500ニュートラル等)を用いることができ
る。
【0014】また、反応調整剤は、必要に応じてビシク
ロヘプタン類あるいはオクタン類等に適度な反応を行わ
せるため、特に2量化,共2量化反応の選択率を高める
ために用いるもので、通常は触媒使用量に対して0.1〜
100重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲であ
る。反応調整剤としては、具体的には例えば、酢酸など
のカルボン酸、無水酢酸,無水フタル酸などの酸無水
物、γ−ブチロラクトン,バレロラクトンなどの環状エ
ステル類、エチレングリコールなどのグリコール類、酢
酸エチルなどのエステル類、メシチルオキシドなどのケ
トン類、ホルマリン,アセトアルデヒドなどのアルデヒ
ド類、セロソルブ,水など各種のものを用いることがで
きる。
【0015】上記の反応の条件としては、一般に−30
℃〜300℃の温度範囲で触媒の種類や添加剤などによ
り適当な条件が設定される。例えば、触媒が白土類やゼ
オライト類の場合の反応温度は、室温〜250℃、好ま
しくは60℃以上で行われ、他の触媒の場合は−30℃
〜100℃,好ましくは0℃〜60℃で行われる。
【0016】上記オリゴマー化,共オリゴマー化反応時
には、三量体以上の重質分が副生するが、水素化するこ
とにより、粘度調整剤やトラクション係数調整剤として
使用する。そして、オリゴマー体又は共オリゴマー体の
水添物、即ちビシクロヘプタンあるいはオクタン骨格を
含有する炭化水素は、単独でトラクションドライブ用流
体として用いてもよいし、必要に応じて他のトラクショ
ンドライブ用流体と混合して用いることもできる。この
場合、上記オリゴマー化水添物の含有量は特に制限はな
く、該オリゴマー化水添物の種類や混合すべき他のトラ
クションドライブ用流体の種類等に応じて適宜選定すれ
ばよいが、通常はトラクション用流体全体の少なくとも
5重量%、好ましくは30重量%以上の二量化水添物を
含有することが望ましい。なお、本発明によって得られ
るオリゴマー体からのトラクションドライブ流体と混合
すべき他のトラクションドライブ流体は、従来からトラ
クションドライブ用流体として利用されているものは勿
論、単独ではトラクション性能が低く実用されていない
油など種々のものをあげることができる。例えば、パラ
フィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間系鉱油等の鉱油、
アルキルベンゼン,ポリブテン,ポリα−オレフィン,
合成ナフテン,エステル,エーテル等、極めて広範囲の
液状物をあげることができる。そのなかでも、アルキル
ベンゼン,ポリブテン,合成ナフテンが好ましい。ここ
で、合成ナフテンとしては、シクロヘキサン環を2個ま
たは3個以上有するアルカン誘導体、デカリン環とシク
ロヘキサン環をそれぞれ1個以上有するアルカン誘導
体、デカリン環を2個以上有するアルカン誘導体、シク
ロヘキサン環またはデカリン環が2個以上直接結合して
いる構造を有する化合物、ノルボルナン環を2個以上有
するアルカン誘導体、ノルボルナン環が2個以上直接結
合している構造を有する化合物などがある。このような
合成ナフテンの具体例としては、1−シクロヘキシル−
1−デカリルエタン;1,3−ジシクロヘキシル−3−
メチルブタン;2,4−ジシクロヘキシルペンタン;
1,2−ビス(メチルシクロヘキシル)−2−メチルプ
ロパン;1,1−ビス(メチルシクロヘキシル)−2−
メチルプロパン;2,4−ジシクロヘキシル−2−メチ
ルペンタン;1,3−ビス(ビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プチル)ブタン等をあげることができる。
【0017】さらに、本発明によって得られるオリゴマ
ー体からのトラクションドライブ用流体は、ビシクロヘ
プタンあるいはオクタン骨格を有する炭化水素の水添物
を必須成分として含有し、さらに場合により他の液状物
(トラクションドライブ用流体等)を配合して調製され
るが、そのほか必要に応じて酸化防止剤,防錆剤,清浄
分散剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤,極圧剤,耐摩
耗添加剤,疲労防止剤,消泡剤,油性向上剤,着色剤な
どの各種添加剤を適量配合して用いることもできる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
さらに詳しく説明する。 比較例1 2リットルのステンレス製オートクレーブに、クロトン
アルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエ
ン352g(2.6モル)を仕込み、170℃で3時間反
応させた。上記反応溶液を室温まで冷却した後、ラネー
ニッケル〔川研ファインケミカル(株)製,M−300
T〕18gを入れ、水素圧9kg/cm2 、反応温度1
50℃で4時間水素化を行った。冷却後、触媒を濾別し
た後、濾液を減圧蒸留し、150℃/20mmHg留分
565gを得た。この留分をマススペクトル,核磁気共
鳴スペクトルで分析した結果、この留分は2−ヒドロキ
シメチル−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン
であることが確認された。次いで、外径20mm,長さ
500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に、γ−ア
ルミナ20g〔日揮化学(株)製,N612N〕を入
れ、反応温度325℃,重量空間速度(WHSV)1.5
hr-1で脱水反応を行い、2−メチレン−3−メチルビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプタン及び2,3−ジメチルビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エンを含有する2−
ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕
ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。脱水反応生
成物460gと、活性白土〔水沢化学(株)製,ガレオ
ナイト#136〕23gを1リットルの三口フラスコに
入れ、140℃で3時間攪拌し、オリゴマー化反応を行
った。その反応結果を第1表に示す。
【0019】比較例2 比較例1において、脱水反応を320℃で行った以外
は、比較例1と同様に操作した。その反応結果を第1表
に示す。
【0020】実施例1 比較例1と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例1と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0021】実施例2 比較例2と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例2と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0022】比較例3 比較例1において、クロトンアルデヒド561gの代わ
りにアリルアルコール522gを用い、ジシクロペンタ
ジエンの量を396gとした以外は、比較例1と同様に
操作して420gの2−ヒドロキシメチルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプタンを得た。これを、比較例1と同
様に脱水反応後、オリゴマー化反応を行った。その反応
結果を第1表に示す。
【0023】実施例3 比較例3と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)355gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン34
0gを用いた以外は、比較例3と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0024】比較例4 比較例1において、クロトンアルデヒド561gの代わ
りにアリルアルコール522gと、ジシクロペンタジエ
352gの代わりにメチルシクロペンタジエンダイマ
ー480gを用いた以外は、比較例1と同様に操作して
2−ヒドロキシメチル−メチルビシクロ〔2.2.1〕
ヘプタン570gを得た。これを、比較例1と同様に脱
水反応後、オリゴマー化反応を行った。その反応結果を
第1表に示す。
【0025】実施例4 比較例4と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例3と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0026】比較例5 比較例1において、クロトンアルデヒド561gの代わ
りにアクロレイン362gと、ジシクロペンタジエン
52gの代わりに1,3−シクロヘキサジエン400g
を用いた以外は、比較例1と同様に操作して2−ヒドロ
キシメチルビシクロ〔2,2,1〕オクタン515gを
得た。これを、比較例1と同様に操作した。その反応結
果を第1表に示す。
【0027】実施例5 比較例5と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)430gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン40
0gを用いた以外は、比較例3と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0028】比較例6 比較例1と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)について、リンタングステン酸〔日本無機化
学(株)製〕をシリカゲル〔フジデヴィソン(株)製,
CA−10〕に20重量%担持した触媒5gを入れた外
径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧
反応管を用い、反応温度110℃,重量空間速度(WH
SV)0.80hr-1でオリゴマー化反応を行った。その
反応結果を第1表に示す。
【0029】実施例6 比較例1と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例6と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0030】比較例7 比較例6において、リンタングステン酸をシリカゲルに
担持した触媒の代わりに活性白土〔水沢化学(株)製,
ガレオナイト#136〕5gを用いた以外は、比較例6
と同様にオリゴマー化反応を行った。その反応結果を第
1表に示す。
【0031】実施例7 比較例1と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例7と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0032】比較例8 比較例6において、リンタングステン酸をシリカゲルに
担持した触媒の代わりにシリカアルミナ〔日揮化学
(株)製,N632L〕5gを用いた以外は、比較例6
と同様にオリゴマー化反応を行った。その反応結果を第
1表に示す。
【0033】実施例8 比較例1と同様に操作して得られたオレフィン(脱水反
応生成物)490gと活性白土5gを1リットルの三口
フラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した後、そのま
ま100mmHgに減圧して単蒸留したオレフィン46
0gを用いた以外は、比較例8と同様に操作した。その
反応結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、不飽和ビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプタン誘導体及び/又は不飽和
ビシクロ〔2.2.2〕オクタン誘導体を含有する原料
から、トラクションドライブ用流体に供することができ
るオリゴマーを非常に高収率で得ることができる。した
がって、本発明によって得られるオリゴマーは、自動車
用あるいは産業用の無段階変速機、さらには水圧機器等
様々な機器製品に供されるトラクションドライブ用流体
の素材として、幅広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C10M 105/04 C10M 105/04 C10N 30:02 30:08 40:04 70:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 13/44 C07C 2/08 C07C 13/40 C07C 13/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ対応するアルコールの脱水反応
    により得られた2−メチレンビシクロ〔2,2,1〕ヘ
    プタン、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、2
    −メチレンビシクロ〔2,2,2〕オクタン及びビシク
    ロ〔2,2,2〕オクト−2−エン(但し、これらの化
    合物は、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも
    一つの置換基を有していてもよい)から選ばれる一種又
    は二種以上を含有する原料を固体酸処理と同時に蒸留し
    てから、又は固体酸処理、次いで蒸留してからオリゴマ
    ー化することを特徴とするオリゴマーの製造方法。
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US10927321B2 (en) 2019-03-13 2021-02-23 Valvoline Licensing And Intellectual Property Llc Traction fluid with improved low temperature properties

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