JP2888731B2 - 熱可塑性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性発泡樹脂粉砕粒
の整粒装置に関し、特に、例えば発泡ポリスチレンのよ
うな熱可塑性発泡樹脂成形体の粉砕粒子に必要な処理を
施しその比重及び粒度を同時に調整することのできる熱
可塑性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、発泡ポリスチレン成形品等の
熱可塑性発泡樹脂成形品は、断熱性が高くまた軽量かつ
衝撃性に優れている等の利点を有することから、各種梱
包材や容器の原料として広く用いられる一方で、使用済
みのこの種熱可塑性発泡樹脂成形体の処理は社会的な課
題となってきている。そのための一つの手段として、こ
の種廃棄物を資源として再利用するための回収処理技術
が開発されてきており、この処理技術は、資源の再利用
の観点からも好ましい技術であり、鋭意研究が進められ
ている。

【０００３】熱可塑性発泡樹脂廃棄物の再利用回収処理
技術の１つとして、使用済みの発泡ポリスチレン成形品
等を粉砕機により不定形の小粉砕物に粉砕し、この粉砕
物を新しい予備発泡粒と混合して、再度発泡ポリスチレ
ン成形品等の熱可塑性発泡樹脂成形体として再利用する
ための方法が提案されている（特開平４−１０８８３５
号公報等参照）。

【０００４】また、他の回収処理技術として、発泡ポリ
スチレン成形品等の廃棄物を粉砕した粉砕粒を通気性の
ある風袋に詰め、これを土中に埋設することによって水
はけを良くするあるいは排水路とする方法も提案されて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、熱可塑性発
泡樹脂成形体を粉砕した粉砕品は一般に比重が小さく軽
量すぎることや、粉砕時もしくは送粒時に初期の目的物
である粉砕品に加えて微小な薄片状あるいは糸状の粉砕
粉末（以下、樹脂粉末という）がその粉砕粒中に発生し
やすいこと、粉砕品の表面に「ひげ」状のものを有する
場合があること、あるいは粉砕粒子の形状が一定してい
ないこと等の理由から、再利用を行うに際していくつか
の問題を招来している。

【０００６】すなわち、熱可塑性発泡樹脂成形体を粉砕
機により粉砕した粉砕品は、その粒度分布が広範囲に及
んでおりかつ嵩比重としてもかなり軽いことから、計量
する度にその計量値が変動しがちであり、粉砕品として
の安定した評価をすることが困難となっている。そのた
めに、再利用に先立って粉砕品の比重と粒度を調整する
ことが必要となる場合が多いが、通常それは別個の装置
で別個の工程として行われており、作業工程の簡素化及
びコスト低減の双方の観点から改善が求められている。

【０００７】さらに、前記のように粉砕品を新原料の予
備発泡粒に混合して再度熱可塑性発泡樹脂成形品とする
場合において、その混合原料を成形機のホッパーに送粒
する際、新原料発泡粒と粉砕品とに比重差があるため
に、また粒子形状が一定していないために、送粒中に新
原料発泡粒と粉砕品とが分離しがちであり、それが成形
不良の原因となることがある。

【０００８】また、発泡成形用金型に上記混合原料を充
填して蒸気加熱成形する場合に、該粉砕粒中には前記の
ように樹脂粉末が含まれていることから、発泡成形用金
型に削孔された蒸気穴が閉塞されて蒸気の供給が不十分
となり、発泡が不完全になるという問題も生じている。
また、貯蔵用ホッパーから前記粉砕粒と予備発泡粒子と
の混合物を発泡成形用金型に充填するのに充填器が使用
されるが、この充填器の作動部分に前記粉砕粒中の樹脂
粉末が入り込み、充填器が作動不良を起こして、充填不
能となる場合も生じている。

【０００９】さらに、樹脂粉末が混入したままで発泡成
形を行うと発泡成形の途中で樹脂粉末が減容し、その減
容分だけ新規な予備発泡粒子が過発泡を起こすことか
ら、所期した嵩比重の成形品を得ることが困難である事
態も生じている。さらには、通気性のある風袋に熱可塑
性発泡樹脂の粉砕品を詰め土中に埋設して使用する場
合、上記と同様に粉砕品中の樹脂粉末が目詰まりを引き
起こし、その製品の特徴である通気性を阻害することも
生じうる。

【００１０】そのような不都合を解消する手段として、
使用済み発泡熱可塑性樹脂成形体を粉砕して得られた粉
砕粒を初期の目的物である不定型の粉砕粒と障害物とな
りがちな樹脂粉末とに分離すべく、振動ふるい器による
分離作業を行うことが提案されているが、粉砕粒、特に
樹脂粉末に静電気が生じることから、十分な分離効果を
あげることは困難である。静電気の発生を阻止する目的
から、本出願人はふるい分け時の雰囲気を多湿環境に置
くこと等の提案も行っている（特願平５−３０７３９
号）。さらに改良した手段として、本出願人は、粉砕機
で粉砕した発泡熱可塑性樹脂成形体の粉砕粒をふるい区
間を通過させ、そのふるい区間の少なくとも一所におい
て該粉砕粒に吸引力を作用させることにより、該ふるい
を通して、該粉砕によって生じた樹脂粉末を該粉砕粒か
ら除去することを特徴とする、発泡熱可塑性樹脂成形体
の粉砕粒の処理方法及びそのための装置をもすでに提案
しており（特願平５−８２１５１号）十分な成果をあげ
ている。

【００１１】本発明の目的は、上記した発泡熱可塑性樹
脂成形体の粉砕粒と新規な予備発泡粒子との混合物を新
たな発泡成形品として成形する際に生じている、あるい
は粉砕粒を単独で用いる際に生じている上記のような不
都合を解消するための、さらに改良された手段を提供す
ることにあり、より具体的には、発泡熱可塑性樹脂成形
体の粉砕粒から、再利用時に障害となる樹脂粉末あるい
は「ひげ」を確実に除去すると共に、その粒度と比重の
調整を一台の装置においてかつ一つの工程で同時に行う
ことのできる、熱可塑性発泡樹脂粉砕粒のための整粒装
置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を継続し
本発明を完成するにいたった。すなわち、本発明は、基
本的に、熱可塑性発泡樹脂粉砕粒を収容するホッパー、
該ホッパーの出口近傍に導入口を持ちかつ周壁部分を網
目状に形成している回転ドラム、該回転ドラムの周囲又
は内部に配置される加熱手段、及び該回転ドラムの下側
に位置する排出手段、とを有することを特徴とする熱可
塑性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置を開示する。

【００１３】

【作 用】本発明による熱可塑性発泡樹脂粉砕粒子の整
粒装置によれば、粉砕機で粉砕された発泡熱可塑性樹脂
成形体の粉砕粒は、その周壁を網目状に形成した回転ド
ラム内に投入される。回転ドラムの周囲又は内部には加
熱手段が配置されており、回転ドラム内に投入された粉
砕品は回転ドラムの回転により攪拌作用を受けると共に
加熱手段からの熱により加熱される。加熱手段を回転ド
ラムの周囲に配置した場合には回転ドラム自体も加熱さ
れ、粉砕粒は回転ドラムからの輻射熱によっても加熱さ
れる。

【００１４】その加熱により、粉砕粒に含まれる前記し
た樹脂粉末及び「ひげ」状の物が熱収縮して小粒子状と
なりまた粉砕粒の表面に融着すると共に、加熱温度及び
時間を適宜調節することにより、粉砕粒の表面自体も所
定量の熱収縮を受ける。そして、回転ドラムの周壁に形
成した網目を通過する大きさの粉砕粒もしくはその網目
を通過する大きさにまで収縮された粉砕粒は回転ドラム
外に排除され、回転ドラムから処理品として取り出され
る粉砕粒は、その比重と粒度とが同時に調整されたもの
が得られる。

【００１５】それにより、処理作業が簡素化されるばか
りでなくも、再利用時に不都合を生起する恐れのない樹
脂粉砕品を得ることが可能となる。

【００１６】

【実施例】以下、添付の図面を参照した一実施例の説明
により本発明をより詳細に説明する。なお、図１は本発
明による整粒装置の第１の実施例の側面図、図２は図１
（及び図３）のII-II 線に沿う断面図、図３は図２のII
I-III 線に沿う断面図であり、図において、Ａは整粒装
置、Ｂは該整粒装置Ａへの材料（すなわち、熱可塑性発
泡樹脂粉砕粒子）の供給装置である。

【００１７】まず、整粒装置Ａについて説明する。整粒
装置Ａは前後の壁部１１、１２をもつ機台１０を有し、
機台１０には円筒型の回転ドラム２０が中心軸芯線Ｌを
機台Ａの基準面に対して傾斜させた状態で回転自在に装
着されている。回転ドラム２０は上流側円筒体２１及び
下流側円筒体２２を有し、二つの円筒体２１、２２はそ
の対向する端面同志を中心軸芯線Ｌに平行な複数本の補
強杆２３・・により中心軸芯線を共通する状態で接続す
ることにより一体に連接されている。さらに、上流側円
筒体２１と下流側円筒体２２の相対向する端部間には、
各補強杆２３・・の内方側に接する状態で、例えはステ
ンレス製の網のように耐熱性がありかつ多数の小さい貫
通孔を持つ部材が、適宜の手段により一体に取り付けら
れていて、回転ドラムの周壁部２９を形成している（特
に図２参照）。

【００１８】図１及び図３に示されるように、回転ドラ
ム２０の長さは機枠１０の前後の壁部１１、１２間の長
さより長く、回転ドラム２０はその上流側円筒体２１及
び下流側円筒体２２が機枠１０の前後の壁部１１、１２
よりも外側に位置するようにして機枠１０に取り付けら
れている。そして、各円筒体２１、２２には放射方向に
延出する２本のフランジが所定の間隔をおいてそれぞれ
平行に形成されており、そこに断面凹字状の溝２５、２
６を形成している。

【００１９】前記回転ドラム２０の軸心線Ｌに平行な軸
心線Ｌ’を持ちかつ回転ドラム２０とほぼ同じ長さの回
転軸３０が、機枠１０の前後の壁部１１、１２のほぼ中
央部上方に設けた適宜の軸受け３１、３１を介して回転
自在に、かつ回転ドラム２０の前記周壁部から所定の距
離を置いて、回転自在に取り付けられている。また、回
転軸３０の両端部は機枠１０の前後の壁部１１、１２よ
りも外側に延出している。該回転軸３０が回転ドラム２
０に形成された前記凹溝２５、２６に対向する部位に
は、弾性ゴムのように適宜の摩擦抵抗を持つ部材により
形成された摩擦車３３、３４が装着されており、該摩擦
車３３、３４はその周面を前記回転ドラム２０に形成し
た凹溝２５、２６にそれぞれ摩擦係合状態で嵌入してい
る。

【００２０】機枠１０の下流側壁部１２近傍には適宜の
手段によりモータＭ１が装着されており、該モータＭ１
の駆動軸３６と前記回転軸３０とは、適宜のベルト伝動
手段３８により動力伝達可能に接続されている。また、
機枠１０の前後の壁部１１、１２の外側には回転ローラ
４１、４２が取り付けられおり、該ローラ４１、４２間
には前後の壁部１１、１２を貫通した状態で、ベルトコ
ンベア４０が装着されている。そして、一方のローラ４
１は機枠１０に固定した他のモータＭ２の駆動軸と歯車
列４３を介して接続している。ベルトコンベア４０の幅
は、図２に示すように回転ドラム２０の直径の長さとほ
ぼ同じとされる。

【００２１】機枠１０の上方には、前記回転ドラム２０
を外側から包囲する状態で覆い部材５０が取りつけられ
ている。該覆い部材５０は回転ドラム２０の網状部分の
長さとほぼ同じ長さあるいはそれよりいくぶん短い長さ
であり、適宜の固定部材５１を用いて機枠に対して、着
脱自在に取りつけられる。そして、該覆い部材５０の内
壁側には、熱反射板（図示しない）が取り付けられると
同時に、例えば遠赤外線ヒータのような複数の加熱用ヒ
ータ５５が、回転ドラム２０の周壁部を覆うように装着
されている。

【００２２】次に、材料供給装置Ｂについて説明する。
材料供給装置Ｂは機枠６０を有し、該機枠６０には適宜
のホッパー６１が取り付けられており、ホッパー６１の
材料出口側には定量供給装置６２が設けられている。該
定量供給装置６２はスクリューコンベア６３及び駆動モ
ータＭ３とから構成されており、スクリューコンベア６
３のー端側は、前記回転ドラム２０の上流側円筒体２１
内に位置している。

【００２３】この装置の作動について、説明する。操作
を開始するに先立ち、ホッパー６１に例えは家電製品用
梱包材として使用された発泡スチロール成形品の回収品
を粒径１０ｍｍ以下に粉砕した粉砕品を貯留する。駆動
モータＭ３を駆動して定量供給装置６２のスクリューコ
ンベア６３を回動し、ホッパー６１内の粉砕品を整粒装
置Ａを構成する回転ドラム２０の上流側円筒体２１内に
搬送する。スクリューコンベア６３の回転数を調整する
ことにより、時間当たりの搬送量（すなわち、整粒装置
Ａへの供給量）を任意に調節することができる。

【００２４】材料の供給と同時にモータＭ１を駆動す
る。駆動力はベルト伝動手段３８を介して回転軸３０に
伝えられ、回転軸３０に取り付けられた摩擦車３３、３
４が回動する。その回動により回転ドラム２０が回動を
開始する。前記のように回転ドラム２０の中心軸心線Ｌ
は機台１０の基準面に対して傾斜していることから、回
転ドラム２０の上流側円筒体２１部分に供給された粉砕
品は、回転ドラム２０の回転により全体としてその周壁
面２９に沿い所定距離上方に移送された後落下すること
を繰り返しながら、徐々に下流側回転体２２に向けて搬
送される。その搬送量は回転ドラム２０の回転速度を調
整することにより任意に調節することができる。

【００２５】回転ドラム２０の周壁部２９は前記のよう
に、例えはステンレス製の網のように耐熱性がありかつ
多数の小さい貫通孔を持つ部材により構成されている。
従って、回転ドラム２０の回転による粉砕品の搬送過程
において、前記貫通孔の径よりも小径の粉砕粒は該貫通
孔を通過して下方に落下する。落下した粉砕粒子はベル
トコンベア４０により系外に搬出される。

【００２６】一方、回転ドラム２０の周囲に配置された
ヒータ５５により、回転ドラム２０の特に前記多数の小
さい貫通孔を持つ部材からなる周壁部２９が加熱される
と共に、搬送中の粉砕粒も加熱される。それにより、粉
砕機による粉砕時あるいはその後の搬送時に発生した樹
脂粉末あるいは「ひげ」状物は熱収縮して粒状となる
か、静電気などにより粉砕粒の表面に付着している樹脂
粉末等は熱溶融によりそのまま表面に溶着する。さら
に、粉砕粒の表面それ自体も熱による溶融を受けて全体
が丸みをおびた形状となると共に、その粒子径や比重を
変化させる。熱収縮あるいは熱溶融を受けた樹脂粉末あ
るいは「ひげ」状物、さらには粉砕粒のうち、周壁に形
成した貫通孔の径よりも小径のものは下方に落下して、
ベルトコンベア４０により系外に搬出される。

【００２７】上記のように、ホッパー６１から回転ドラ
ム２０内に投入された粉砕品は、回転ドラム２０の回転
により周壁部に沿って攪拌と加熱を受けながら下流側に
搬送され、下流側回転体２２から排出される。その間
に、粉砕粒、樹脂粉末及び「ひげ」状物は共に熱による
溶融、収縮を受ける。従って、回転ドラム２０の回転速
度やヒータ５５による加熱量を適宜調整することによ
り、さらには回転ドラム２０の周壁部２９に形成する貫
通孔の孔径を適宜選択することにより、処理済みの粉砕
粒として、所定以上の粒度及び比重を持つものを単一の
工程で得ることが可能となる。もし、粉砕粒を回転ドラ
ム２０内に投入する前工程として、所定粒度以上のもの
を排除する工程を取る場合には、あるいは、最大粒度を
制御することが可能である粉砕機を用いて回収品を粉砕
した場合には、この整粒装置を用いて粉砕粒の処理を行
うことにより、粒子の大きさをある一定以上の大きさに
ならないように粒度の調整を行うことも可能となる。

【００２８】次に、実際の使用態様について説明する。
電気店から回収した発泡スチロール製家電梱包材を、φ
１０ｍｍの穴が複数配列されているパンチングプレート
を介して排出される形態の粉砕機にて粉砕し、嵩比重が
約0.０１ｇ／ｃｃの粉砕粒を得た。これを本発明による
整粒装置に付設したホッパー６１に貯留し、これを定量
供給装置６２にて定量的にホッパー６１より切り出し回
転ドラム２０内に供給した。回転ドラム２０の周壁部２
９には目開きが２ｍｍ四方のステンレス製の網を取り付
けた。回転ドラム２０の回転により、供給された粉砕粒
は適度に攪拌されながら下流側に搬送され、その間に該
網目を通過する大きさの粒子はふるい落とされた。

【００２９】この搬送時に、ヒータ５５に通電してその
表面温度が３５０℃程度になるように制御した。ヒータ
５５による加熱により放射される遠赤外線によって搬送
中の粉砕粒は加熱され、また加熱された回転ドラムによ
っても加熱されて、粉砕粒の表面は熱収縮して丸められ
た。こうして得られた処理済み粉砕粒は、その粒径がφ
２ｍｍ〜φ８ｍｍの粒子となり、樹脂粉末の混入も少な
く、その嵩比重は約0.０２ｇ／ｃｃとなった。

【００３０】次に、粉砕機のパンチングプレートの穴径
を８ｍｍとし、回転ドラム２０の周壁部をφ３ｍｍの穴
が配列しているパンチングプレートにより構成し、以下
上記と同じ粉砕粒の処理を行った。それにより、樹脂粉
末の混入も少なく、粒径がφ３ｍｍ〜φ６ｍｍ、嵩比重
は約0.０３ｇ／ｃｃとなった処理済み粉砕粒を得ること
ができた。

【００３１】本発明による熱可塑性発泡樹脂粉砕粒の整
粒装置の他の態様について、図４を参照しつつ説明す
る。この態様による整粒装置は、粉砕粒を加熱するヒー
タを、回転ドラムの周囲にではなく、回転ドラムの内部
に配置するようにしたものであり、他の構成は実質的に
図１〜３に示したものと変更はない。ただし、図４に示
すものにおいては、より目的を達成し得るようにいくつ
かの改良をさらに付加している。以下、相違点のみにつ
いて説明する。

【００３２】すなわち、図４は図２に対応した断面図で
あって、この実施例においては、加熱手段であるヒータ
１５５が覆い部材５０にではなく回転ドラム２０の内部
に取り付けられている。ヒータ１５５の数及び形式は任
意であるが、先の態様の場合と同様に遠赤外線ヒータを
用いることは好ましい態様である。また、図示の実施例
においては、覆い部材５０からヒータ５５を除去したこ
とにより生じた空間を有効に利用すべく回転ドラム２０
の径をより大きなものとしている。さらに、径の大きい
回転ドラムから落下してくる粉砕粒子をベルトコンベア
４０に適切に案内するための案内板１６０が配置されて
いる。

【００３３】この整粒装置の使用態様は、図１〜３に示
した整粒装置の場合と同様である。そして、この装置に
おいても、覆い部材５０は熱反射体として有効に機能し
て粉砕粒の熱融着は助長される。また、前記のように、
回転ドラムの径をより大径のものとすることができるこ
とから、処理効率を高めることもできる。上記の実施例
及び実際の使用例の記載はあくまでも一つの例示であっ
て、本発明による熱可塑性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置に
は他に多くの変形例が存在する。例えば、回転ドラムを
回動させる手段は任意であり、図示のような摩擦係合手
段に代えて、図示しないがベルト伝動手段あるいは歯車
伝動手段等の伝動手段を用いてもよい。さらに、動力伝
達のための回転軸３０を回転ドラムの周壁面に沿って複
数本配置して回転ドラムの回動を安定化させるようにし
てもよく、回転ドラムの荷重支持を目的とする案内輪を
回転ドラムの適宜箇所に接するよう配置してもよい。ま
た、図示のものにおいては、材料供給ホッパー６１の出
口近傍に回転ドラムを配置しているが、ホッパーと共に
粉砕機（好ましくは、最大粒径を制御できるような機構
を備えた粉砕機）を備えるようにしてもよい。さらに、
覆い手段に敷設する熱反射板は熱効率を一層向上させる
目的から設けられるものであって必ずしも必須のもので
はなく、また加熱手段も遠赤外線ヒータに限るものでは
なく、従来公知の加熱手段を適宜用いることができる。

【００３４】

【発明の効果】熱可塑性発泡樹脂の廃棄物の粉砕粒は、
その表面にひげのようなものを有していたりいわゆる樹
脂粉末を混入していることから、その粒度はかなりの広
範囲内で存在しまた嵩比重もかなり軽く計量する度にそ
の数値はバラついてしまい安定した評価が従来困難であ
った。本発明による整粒装置を使用することによりその
粒度及び比重を同時にかつ一工程で調整することが可能
となり、粉砕粒を評価する際のその精度を向上させるこ
とができる。

【００３５】また、本発明による整粒装置によって処理
された粉砕粒を新原料と混合して混合材料を得、それを
用いて成形を行うことにより、従来の混合材料の場合の
ように粉砕品のひげによる充填不良、あるいは樹脂粉末
によるスリットの目詰まりや充填機の作動不良等が発生
する不都合を大きく低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による熱可塑性発泡樹脂粉砕粒の整粒装
置の一実施例の側面図。

【図２】図１のII-II 線に沿う断面図。

【図３】図２のIII-III 線に沿う断面図。

【図４】他の態様による整粒装置の図２の同様な断面
図。

【符号の説明】

Ａ…整粒装置、Ｂ…材料供給装置、１０…機台、２０…
回転ドラム、３０…回転軸、４０…ベルトコンベア（排
出手段）、５５…ヒータ（加熱手段）、６１…ホッパ
ー、６２…定量供給装置

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性発泡樹脂粉砕粒を収容するホッ
   パー、該ホッパーの出口近傍に導入口を持ちかつ周壁部
   分を網目状に形成している回転ドラム、該回転ドラムの
   周囲に配置される加熱手段、及び該回転ドラムの下側に
   位置する排出手段、とを有することを特徴とする熱可塑
   性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置。
2. 【請求項２】 熱可塑性発泡樹脂粉砕粒を収容するホッ
   パー、該ホッパーの出口近傍に導入口を持ちかつ周壁部
   分を網目状に形成している回転ドラム、該回転ドラムの
   内側に配置される加熱手段、及び該回転ドラムの下側に
   位置する排出手段、とを有することを特徴とする熱可塑
   性発泡樹脂粉砕粒の整粒装置。
3. 【請求項３】 さらに、熱可塑性発泡樹脂粉砕粒の最大
   粒度を制御することが可能である粉砕機を付設している
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の熱可塑性発泡樹
   脂粉砕粒の整粒装置。