JP2888706B2 - 超電導マグネット - Google Patents

超電導マグネット

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JP2888706B2
JP2888706B2 JP4222811A JP22281192A JP2888706B2 JP 2888706 B2 JP2888706 B2 JP 2888706B2 JP 4222811 A JP4222811 A JP 4222811A JP 22281192 A JP22281192 A JP 22281192A JP 2888706 B2 JP2888706 B2 JP 2888706B2
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隆博 松本
修一 中川
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政志 長尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、極低温冷媒、例えば
液体ヘリウムを直接再液化できる極低温冷凍機を備えた
超電導マグネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導マグネットは、磁気共鳴画
像診断装置、磁気浮上列車、シンクロトロンラジエーシ
ョン、結晶引き上げ装置等の磁場発生装置として用いら
れている。一般に、この種超電導マグネットは、ヘリウ
ム槽内に円筒形の超電導コイルを配設し、このヘリウム
槽を包囲するように真空層を設け、ヘリウム槽と真空槽
との間にヘリウム槽を包囲するように同軸円筒状に第1
および第2熱シールドを設け、さらに第1および第2熱
シールドを冷却する蓄冷型冷凍機を超電導コイルの軸方
向に対して垂直に配設して構成された横向中空円筒状の
超電導マグネットが知られている。
【0003】しかし、上記従来の超電導マグネットは、
横向中空マグネットであり、蓄冷型冷凍機を上方から磁
石の軸方向に対して垂直に配設しているので、冷凍機の
冷却性能を達成するためにディスプレーサとよばれるピ
ストンの往復移動の長さを確保する必要があり、第1熱
シールドと第2熱シールドとの間隙および真空槽と第1
熱シールドとの間隙を大きくとらなければならず、装置
の高さが高くなるとともに大形化してしまうという欠点
あった。さらに、ヘリウム槽内で蒸発するヘリウムガス
を再液化しておらず、液体ヘリウムの消費量が多くなる
という欠点もあった。
【0004】そこで、本出願人は上記欠点を解決するた
めに、蓄冷型冷凍機を略水平に配置して小形化を図ると
ともに、ヘリウム槽内で蒸発するヘリウムガスを再液化
する超電導マグネットを先に提案している(特願平4ー
70922号)。
【0005】図13は特願平4ー70922号に記載さ
れた従来の超電導マグネットを示す一部破断斜視図であ
り、図において1は円筒形に構成された超電導コイルで
あり、この超電導コイル1は極低温冷媒槽としての中空
円筒形のヘリウム槽2内に収納され、ヘリウム槽2内に
満たされている極低温冷媒としての液体ヘリウム3に浸
漬され、極低温に保持されている。4はヘリウム槽2を
包囲して設けられた真空槽であり、この真空槽4とヘリ
ウム槽2との間を真空排気して断熱している。5は第2
熱シールド、6は第1熱シールドであり、これらの第1
および第2熱シールド6、5は、ヘリウム槽2と真空槽
4との間にヘリウム槽2を包囲するように同軸円筒状に
配設され、ヘリウム槽2への熱侵入を減少させている。
【0006】30は円筒形の超電導コイル1の軸方向と
略平行に真空槽4の端面に取り付けられた3段式蓄冷型
冷凍機、31は鉄製の磁気シールドフランジ32ととも
に真空槽4を包囲して配設された鉄製の磁気シールド、
33はボア、34はポート部13に設けられた放圧弁、
35は超電導マグネットの据付足、36はヘリウム槽2
内の圧力を制御する圧力コントローラユニットである。
【0007】ここで、上記従来の超電導マグネットで
は、超電導コイル1を収納するヘリウム槽2、第2熱シ
ールド5、第1熱シールド6および真空槽4を同軸配置
して、横向中空マグネットを構成している。
【0008】つぎに、上記従来の超電導マグネットに用
いられる3段式蓄冷型冷凍機30について、図14に基
づいて詳細に説明する。3段式蓄冷型冷凍機30は、例
えばホーニングパイプで作られ3段になっているシリン
ダ40内に、第1段ディスプレーサ16、第2段ディス
プレーサ17および第3段ディスプレーサ41が摺動可
能に配設され、シリンダ40と第1段、第2段および第
3段ディスプレーサ16、17、41のそれぞれの間に
はヘリウムガス24が漏れることを防止する第1段シー
ル18、第2段シール19および第3段シール42が配
設され、さらにシリンダ40の各段外周面のそれぞれに
第1段ヒートステージ10、第2段ヒートステージ11
および第3段ヒートステージ43が配設されて構成され
ている。
【0009】また、第3段ディスプレーサ41内の第3
段蓄冷器45は、20Kから7.5Kで比熱が大きいG
dRhを蓄冷材とする高温部45aと、7.5K以下で
比熱が大きいGd0.5Er0.5Rhを蓄冷材とする低温部
45bとから構成されている。
【0010】このように構成された3段式蓄冷型冷凍機
30はつぎのように動作する。まず、第1段、第2段お
よび第3段ディスプレーサ16、17、41が最下端に
あり、吸気バルブ26が開き、排気バルブ27が閉じて
いる状態で、第1段、第2段および第3段膨張室22、
23、46内には、ヘリウムガス圧縮手段であるヘリウ
ム圧縮機25で圧縮された高圧のヘリウムガス24が導
入され、高圧状態となっている。
【0011】つぎに、第1段、第2段および第3段ディ
スプレーサ16、17、41が上方に動き、それに伴い
高圧のヘリウムガス24が第1段、第2段および第3段
蓄冷器20、21、45を通じて、第1段、第2段およ
び第3段膨張室22、23、46に導入される。この
間、吸気および排気バルブ26、27は動かない。高圧
のヘリウムガス24は、第1段蓄冷器22、第2段蓄冷
器23および第3段蓄冷器45を通過する際に、それぞ
れの蓄冷材により所定温度に冷却される。第1段、第2
段および第3段ディスプレーサ16、17、41が最上
端になった時に、吸気バルブ26が閉じ、排気バルブ2
7が開き、高圧のヘリウムガス24が低圧部に膨張して
冷凍が発生する。この時、ヘリウムガス24は、低温低
圧ガスとなる。
【0012】ついで、第1段、第2段および第3段ディ
スプレーサ16、17、41が下方に移動することによ
り、低温低圧のヘリウムガス24が、第1段、第2段お
よび第3段蓄冷器20、21、45を通過して排気バル
ブ27から排気される。この時、低温低圧のヘリウムガ
ス24は、第1段、第2段および第3段蓄冷器20、2
1、45の蓄冷材を冷却した後、ヘリウム圧縮機25に
戻る。
【0013】その後、第1段、第2段および第3段膨張
室22、23、46の容積が最小となった状態で、排気
バルブ27が閉じ、吸気バルブ26が開き、ヘリウム圧
縮機25で圧縮された高圧のヘリウムガス24が導入さ
れ、第1段、第2段および第3段膨張室22、23、4
6の圧力が低圧から高圧になる。
【0014】ここで、高圧、例えば20バールのヘリウ
ムガス24は、第1段蓄冷器20で60Kに冷却され、
第2段蓄冷器21で15Kに冷却され、さらに第3段蓄
冷器45で冷却されて第3膨張室46に導かれる。例え
ば、第3段蓄冷器45の蓄冷材を鉛とすると、比熱がヘ
リウムガス24より小さいのでヘリウムガス24は十分
冷却されずに第3段膨張室46に導かれ、膨張室の温度
が上昇して損失が生じてしまい、6.5K程度の到達温
度しか得られず、また蓄冷材としてGdRhを用いる
と、比熱が鉛より大きいので損失が小さくなり、5.5
Kの到達温度が得られている。
【0015】さらに、蓄冷材としてGdRhとGd0.5
Er0.5Rh(GdRhの重量比を45〜65%)とす
ると、4.2Kの到達温度が得られ、さらにまた、シリ
ンダ40の内面の表面粗さを0.5μmRMSとしてシ
ール部の漏れを低減させたところ、3.68Kの到達温
度を達成できた。ここで、蓄冷材としてGdRhに代え
てEr3Niを用いても、同様の到達温度が得られた。
なお、ヘリウムガス24の高圧は20バール、低圧は6
バールとしている。
【0016】このように、銅金網を蓄冷材とする第1段
蓄冷器20と、鉛玉を蓄冷材とする第2段蓄冷器21
と、GdRhを蓄冷材とする高温部45aとGd0.5
0.5Rhを蓄冷材とする低温部45bからなる第3段
蓄冷器45とから3段式蓄冷型冷凍機30を構成してい
るので、第1段ヒートステージ10の到達温度が50〜
80K、第2段ヒートステージ11の到達温度が10〜
20K、第3段ヒートステージ43の到達温度が2〜
4.5Kの優れた冷凍性能が得られ、超電導マグネット
を安定して運転できる。
【0017】図15に3段式蓄冷型冷凍機30の取り付
け構造を示す。一端がヘリウム槽2内で蒸発するヘリウ
ムガスの雰囲気に臨むようにヘリウム槽2の上部に引出
部としてのステンレス製のL字管50が設けられてい
る。また、真空槽4の端面には、ステンレス製の3段の
冷凍機取付シリンダ51が超電導コイル1の軸方向と略
平行に取り付けられている。L字管50と冷凍機取付シ
リンダ51とはベロー52で接続されている。この冷凍
機取付シリンダ51には、銅製の第1段ヒートステージ
53および第2段ヒートステージ54が設けられ、それ
ぞれが第1熱シールド6および第2熱シールド5に熱接
続されている。また、第1段および第2段ヒートステー
ジ53、54と第1および第2熱シールド6、5との熱
接続部を覆うように、銅製の第1および第2輻射カバー
56、55が配設され、さらにステンレス製の封口板5
7が真空層4に取り付けられ、外部からの熱侵入を低減
している。
【0018】このように、冷凍機取付シリンダ51が真
空槽4の端面から超電導コイル1の軸方向と略平行に取
り付けられているので、ヘリウム槽2、第2熱シールド
5、第1熱シールド6および真空槽4のそれぞれの間隙
を大きくすることなく、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍
性能に寄与する各ディスプレーサの往復移動距離を確保
でき、超電導マグネットの小形化が図られるとともに、
3段式蓄冷型冷凍機30が冷凍機取付シリンダ51に着
脱可能に取り付けられているので、装置を分解すること
なく3段式蓄冷型冷凍機30を取り外すことができ、メ
ンテナンス性が向上する。
【0019】また、3段式蓄冷型冷凍機30の第3段ヒ
ートステージ43がL字管50内に露呈しているので、
ヘリウム槽2内で蒸発したヘリウムガスがL字管50内
に引き出されて第3段ヒートステージ43により凝縮液
化され、高価な液体ヘリウム3の消費量を低減できる。
【0020】つぎに、上記従来の超電導マグネットのヘ
リウム槽2の圧力調整について説明する。図16は従来
の超電導マグネットの模式構成図であり、図において8
0は3段式蓄冷型冷凍機30の第3段ヒートステージ4
3に取り付けられたヒータ、81はポート部13と屋外
とを連通し、経路上に放圧弁34が設けられた排気管、
82は排気管81のバイパス配管、83はバイパス配管
82に設けられた逆止弁、84は圧力検出手段としての
差圧式圧力センサである。
【0021】まず、超電導マグネットの運転の際に、ヘ
リウム槽2内の液体ヘリウム3が突発的に蒸発してヘリ
ウム槽2内の圧力が異常に上昇した場合には、放圧弁3
4から排気管81を介してヘリウムガスを屋外に放出し
て、超電導マグネットの破損を防止している。また、超
電導マグネットの通常運転の際、外部からの熱侵入によ
りヘリウム槽2内の液体ヘリウム3が蒸発している。こ
のヘリウム槽2内の圧力はバイパス配管82の逆止弁8
3の両端から差圧式圧力センサ84により、基準圧力と
する屋外の気圧との差圧として検出される。この差圧式
圧力センサ84の検出信号は、圧力制御コントローラユ
ニット36に入力される。
【0022】圧力制御コントローラユニット36では、
差圧が例えば0Kg/cm2未満となると、ヒータ80
に通電してヘリウム槽2内の温度を上昇させる。ヘリウ
ム槽2では、槽内の温度上昇に伴って液体ヘリウム3が
蒸発して、槽内の圧力が上昇する。そして、差圧が0K
g/cm2以上となるとヒータ80への通電を停止す
る。
【0023】一方、差圧が例えば0.5Kg/cm2
越えると、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍サイクルを速
めて冷凍能力を高め、第3段ヒートステージ43による
ヘリウムガスの凝縮液化を促進させる。ヘリウム槽2内
の圧力は、ヘリウムガスの再液化により低下し、差圧が
0.5Kg/cm2以下となると所定の冷凍サイクルで
運転させる。
【0024】このように、上記従来の超電導マグネット
では、差圧式圧力センサ84の出力信号に基づいて圧力
制御コントローラユニット36によりヒータをON/O
FF制御し、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍サイクルを
制御して、ヘリウム槽2内の圧力を所定範囲内にコント
ロールしているので、屋外の気圧変動あるいはヘリウム
槽2内の圧力変動に伴って生じるヘリウム槽2の歪みが
防止でき、超電導コイル1で発生する磁界の歪みを防止
できる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が先に提案し
ている従来の超電導マグネットでは、差圧式圧力センサ
84の出力信号に基づいて圧力制御コントローラユニッ
ト36によりヒータをON/OFF制御し、3段式蓄冷
型冷凍機30の冷凍サイクルを制御して、ヘリウム槽2
内の圧力を所定範囲内にコントロールしている。そこ
で、ヘリウム槽2のガス漏れ、あるいは3段式蓄冷型冷
凍機30の冷凍能力の低下等の異常が発生し、ヘリウム
槽2内の圧力が変動した場合でも、ヘリウム槽2内の圧
力を所定範囲内にコントロールしようとして動作するこ
とになる。従って、ヘリウム槽2のガス漏れ、あるいは
3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力の低下等の超電導マ
グネットの機器異常を検出することができないという課
題があった。
【0026】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、ヘリウム槽のガス漏れ、蓄冷型
冷凍機の冷凍能力の低下等の機器異常を検出できる超電
導マグネットを得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る超電導マグネットは、超電導コイルと、超電導コイル
を収納し、超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液す
る極低温冷媒槽と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、
一端が極低温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲
気中に臨み、他端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付
シリンダと、冷凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少
なくともヒートステージの一部で冷凍機取付シリンダ内
に引き出された極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷
型冷凍機と、極低温冷媒槽内の圧力を検出する圧力検出
手段と、圧力検出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の
圧力異常を判定し、圧力異常の継続時間を計測し、圧力
異常の継続時間から異常を判定する異常判定手段と、異
常判定手段の出力信号により異常を報知する異常報知手
段とを備えたものである。
【0028】また、この発明の請求項2に係る超電導マ
グネットは、超電導コイルと、超電導コイルを収納し、
超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液する極低温冷
媒槽と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、一端が極低
温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲気中に臨
み、他端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付シリンダ
と、冷凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少なくとも
ヒートステージの一部で冷凍機取付シリンダ内に引き出
された極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷型冷凍機
と、極低温冷媒槽内の圧力変動に応じて駆動され、極低
温冷媒槽内の圧力を調整するヒータと、ヒータの入力電
力を検出するヒータ入力電力検出手段と、ヒータ入力電
力検出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常を
判定し、圧力異常の継続時間を計測し、圧力異常の継続
時間から異常を判定する異常判定手段と、異常判定手段
の出力信号により異常を報知する異常報知手段とを備え
たものである。
【0029】また、この発明の請求項3に係る超電導マ
グネットは、超電導コイルと、超電導コイルを収納し、
超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液する極低温冷
媒槽と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、一端が極低
温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲気中に臨
み、他端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付シリンダ
と、冷凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少なくとも
ヒートステージの一部で冷凍機取付シリンダ内に引き出
された極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷型冷凍機
と、極低温冷媒槽内の温度を測定する温度検出手段と、
温度検出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常
を判定し、圧力異常の継続時間を計測し、圧力異常の継
続時間から異常を判定する異常判定手段と、異常判定手
段の出力信号により異常を報知する異常報知手段とを備
えたものである。
【0030】
【作用】この発明の請求項1に係る超電導マグネットに
おいては、圧力検出手段により極低温冷媒槽内の圧力変
化がモニタされ、異常判定手段により圧力検出手段の出
力信号から槽内の圧力異常が判定され、圧力異常の継続
時間から機器異常が判定され、異常報知手段により機器
異常が作業者に報知される。
【0031】また、この発明の請求項2に係る超電導マ
グネットにおいては、ヒータ入力電力検出手段によりヒ
ータの入力電力変化がモニタされる。ここで、ヒータの
入力電力の変化は極低温冷媒槽内の圧力変化と連動して
いるので、異常判定手段によりヒータ入力電力検出手段
の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常が判定され、
圧力異常の継続時間から機器異常が判定され、異常報知
手段により機器異常が作業者に報知される。
【0032】また、この発明の請求項3に係る超電導マ
グネットにおいては、温度検出手段により極低温冷媒槽
内の温度変化がモニタされる。ここで、極低温冷媒槽内
の温度変化は極低温冷媒槽内の圧力変化と連動している
ので、異常判定手段により温度検出手段の出力信号から
極低温冷媒槽内の圧力異常が判定され、圧力異常の継続
時間から機器異常が判定され、異常報知手段により機器
異常が作業者に報知される。
【0033】
【実施例】この発明は、本出願人が先に提案している図
13乃至図16に示す超電導マグネット(特願平4ー7
0922号)の改良に関するものであり、同一または相
当部分には同一符号を付してその説明を省略し、発明の
特徴部分について以下に説明する。
【0034】実施例1.この実施例1はこの発明の請求
項1に係る一実施例である。図1はこの発明の実施例1
を示す超電導マグネットにおける異常検出部のブロック
図であり、図において100はヘリウム槽2内の圧力を
検出する圧力検出手段、101は圧力検出手段100の
出力信号から機器異常を判定する異常判定手段であり、
この異常判定手段101は圧力検出手段100の出力信
号に基づいて圧力異常を判定する異常圧力判定手段10
2と、圧力異常の継続時間を計測する異常時間計測手段
103と、圧力異常の継続時間から機器異常を判定する
異常時間判定手段104とから構成している。105は
機器異常を報知する異常報知手段である。
【0035】つぎに、上記実施例1の動作を図2に基づ
いて説明する。ここで、ヘリウム槽2内の圧力を圧力検
出手段100によりモニタするとともに、異常圧力判定
手段102における圧力異常を判定する第1および第2
の基準圧力P1、P2をP1>P2と設定している。
【0036】まず、超電導マグネットの通常運転の際に
は、上記従来の超電導マグネットで述べたように、差圧
式圧力センサ84の出力信号に基づいて圧力制御コント
ローラユニット36によるヒータ80のON/OFFお
よび3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍サイクルの速度制御
により、ヘリウム槽2内の圧力を所定圧力範囲にコント
ロールしている。そこで、ステップ200で圧力検出手
段100がモニタしているヘリウム槽2内の圧力Pは、
1>P>P2となっている。従って、異常圧力判定手段
102では、ステップ201およびステップ202によ
り圧力異常と判定せず、ステップ209に進み、圧力異
常の継続時間をリセットし、ステップ200に戻り、上
記フローを繰り返している。
【0037】ついで、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能
力が低下した場合には、ヘリウム槽2内の圧力が上昇
し、圧力制御コントローラユニット36により3段式蓄
冷型冷凍機30の冷凍サイクルの速度を速めるように制
御する。しかし、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力が
低下しているので十分なヘリウムガスの凝縮液化が行わ
れず、ヘリウム槽2内の圧力がさらに上昇し、ついには
放圧弁34から排気菅81を介してヘリウムガスが屋外
に放出され、ヘリウム槽2内の圧力は図3に示すように
変化する。なお、図3において、点A1が3段式蓄冷型
冷凍機30の冷凍能力の低下発生時点を、点B1が放圧
弁34からのヘリウムガス放出開始時点を表している。
【0038】ここで、ヘリウム槽2内の圧力Pが第1の
基準圧力P1より大きくなると、異常圧力検出手段10
2で圧力異常と判定し(ステップ201)、異常時間計
測手段103で異常時間の継続時間CTを積算する(ス
テップ203)。さらに、異常時間判定手段104で異
常時間CTが設定時間CT0より長いか否かを判定する
(ステップ205)。ステップ205において、CT≧
CT0ならば機器異常と判定し、異常報知手段105に
より3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力の低下を知らせ
る機器異常を報知する(ステップ207)。また、CT
<CT0ならばステップ200に戻り、上記フローを繰
り返すことになる。ここで、本実施例では、CT0=2
日としている。
【0039】ついで、ヘリウム槽2のガス漏れが発生し
た場合には、ヘリウム槽2内の圧力が下降し、圧力制御
コントローラユニット36によりヒータ80に通電して
液体ヘリウム3の蒸発を促進する。しかし、ヘリウム槽
2にガス漏れが生じているので、ヘリウム槽2内の圧力
が上昇せず、ついには大気圧と同等となり、ヘリウム槽
2内の圧力は図4に示すように変化する。なお、図4に
おいて、点C1はヘリウム槽2のガス漏れ発生時点を表
している。
【0040】ここで、ヘリウム槽2内の圧力Pが第2の
基準圧力P2より小さくなると、異常圧力検出手段10
2で圧力異常と判定し(ステップ202)、異常時間計
測手段103で異常時間の継続時間CTを積算する(ス
テップ204)。さらに、異常時間判定手段104で異
常時間CTが設定時間CT0より長いか否かを判定する
(ステップ206)。ステップ206において、CT≧
CT0ならば機器異常と判定し、異常報知手段105に
よりヘリウム槽2のガス漏れを知らせる機器異常を報知
する(ステップ208)。また、CT<CT0ならばス
テップ200に戻り、上記フローを繰り返すことにな
る。
【0041】このように、上記実施例1によれば、ヘリ
ウム槽2内の圧力をモニタする圧力検出手段100と、
圧力検出手段100の出力信号からヘリウム槽2内の圧
力異常を判定し、圧力異常の継続時間を計測し、継続時
間から機器異常を判定する異常判定手段101と、異常
判定手段101の出力信号から機器異常を報知する異常
報知手段105とを備えているので、3段式蓄冷型冷凍
機30の冷凍能力の低下およびヘリウム槽2のガス漏れ
の機器異常を確実に検知し、操作者に報知でき、早期に
必要な保守等の処置が可能となり、超電導マグネットの
安全性およびメンテナンス性を向上できる。
【0042】ここで、圧力検出手段100はヘリウム槽
2内の圧力をモニタできればよく、ヘリウム槽2内の圧
力制御用として配設している差圧式圧力センサ84を用
いることもできる。また、異常判定手段101は圧力検
出手段100の出力信号から機器異常を判定できればよ
く、比較回路、カウンタ回路等を組み合わせたハード構
成、あるいはソフトで構成してもよい。さらに、異常報
知手段105は機器異常を操作者に報知できればよく、
警告等、表示パネル、ブザー等を用いることができる。
【0043】実施例2.この実施例2はこの発明の請求
項2に係る一実施例である。図5はこの発明の実施例2
を示す超電導マグネットにおける異常検出部のブロック
図であり、図において106はヒータ80に通電する通
電電流を検出するヒータ通電電流検出手段、107はヒ
ータ通電電流検出手段106の出力信号から機器異常を
判定する異常判定手段であり、この異常判定手段107
はヒータ通電電流検出手段106の出力信号に基づいて
圧力異常を判定する異常圧力判定手段108と、圧力異
常の継続時間を計測する異常時間計測手段109と、圧
力異常の継続時間から機器異常を判定する異常時間判定
手段110とから構成している。105は機器異常を報
知する異常報知手段である。
【0044】つぎに、上記実施例2の動作を図6に基づ
いて説明する。まず、ヒータ通電電流検出手段106に
より、ヒータ80への通電電流Iをモニターしている
(ステップ210)。ヒータ通電電流検出手段106の
出力信号は異常圧力判定手段108に入力され、第1の
基準電流値I1との大小が比較され(ステップ21
1)、I>I1の場合には第2の基準電流値I2との大小
が比較される(ステップ212)。ステップ211でI
≦I1ならば圧力異常と判定され、ステップ213に進
み、ステップ212でI≧I2ならば同様に圧力異常と
判定されてステップ214に進む。
【0045】ついで、異常時間計測手段109で圧力異
常の継続時間CTを積算する(ステップ213、21
4)。その後、異常時間判定手段110により、圧力異
常の継続時間CTと設定時間CT0との大小が比較され
(ステップ215、216)、CT≧CT0ならば機器
異常と判定され、異常報知手段105により機器異常が
操作者に報知される(ステップ217、218)。ま
た、CT<CT0ならばステップ210に戻り、上記フ
ローを繰り返す。さらに、ステップ212でI<I2
時は、圧力異常でないと判定され圧力異常の継続時間を
リセット(ステップ219)してステップ210に戻
る。
【0046】ここで、超電導マグネットの通常運転の際
には、上記従来の超電導マグネットで述べたように、差
圧式圧力センサ84の出力信号に基づいて圧力制御コン
トローラユニット36によるヒータ80のON/OFF
および3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍サイクルの速度制
御により、ヘリウム槽2内の圧力を所定圧力範囲にコン
トロールしている。そこで、ステップ210→ステップ
211→ステップ212→ステップ219→ステップ2
10の機器異常判定のフローとなる。
【0047】また、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力
が低下した場合には、ヘリウム槽2内の圧力が上昇し、
圧力制御コントローラユニット36により3段式蓄冷型
冷凍機30の冷凍サイクルの速度を速めるように制御す
る。しかし、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力が低下
しているので十分なヘリウムガスの凝縮液化が行われ
ず、ヘリウム槽2内の圧力がさらに上昇することにな
り、ヒータ80への通電電流は図7に示すように減少し
ていく。
【0048】ヒータ80への通電電流Iが第1の基準電
流I1より小さくなると、機器異常判定のフローは、ス
テップ210→ステップ211→ステップ213→ステ
ップ215→ステップ210のフローとなり、CT≧C
0となった時に、異常報知手段105により3段式蓄
冷型冷凍機30の冷凍能力の低下を知らせる機器異常が
報知される。
【0049】ついで、ヘリウム槽2のガス漏れが発生し
た場合には、ヘリウム槽2内の圧力が下降し、圧力制御
コントローラユニット36によりヒータ80に通電して
液体ヘリウム3の蒸発を促進する。しかし、ヘリウム槽
2にガス漏れが生じているので、ヘリウム槽2内の圧力
が上昇せず、通電電流Iは図8に示すように大きくな
る。
【0050】ヒータ80への通電電流Iが第2の基準電
流I2より大きくなると、機器異常判定のフローは、ス
テップ210→ステップ211→ステップ212→ステ
ップ214→ステップ216→ステップ210のフロー
となり、CT≧CT0となった時に、異常報知手段10
5によりヘリウム槽2のガス漏れを知らせる機器異常が
報知される。
【0051】このように、上記実施例2によれば、ヒー
タ80への通電電流を検出するヒータ通電電流検出手段
106と、ヒータ通電電流検出手段106の出力信号か
らヘリウム槽2内の圧力異常を判定し、圧力異常の継続
時間を計測し、継続時間から機器異常を判定する異常判
定手段107と、異常判定手段107の出力信号から機
器異常を報知する異常報知手段105とを備えているの
で、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力の低下およびヘ
リウム槽2のガス漏れの機器異常を確実に検知し、操作
者に報知でき、早期に必要な保守等の処置が可能とな
り、超電導マグネットの安全性およびメンテナンス性を
向上できる。
【0052】ここで、異常判定手段107はヒータ通電
電流検出手段106の出力信号から機器異常を判定でき
ればよく、比較回路、カウンタ回路等を組み合わせたハ
ード構成、あるいはソフトで構成してもよい。また、ヒ
ータ入力電力検出手段としてヒータ80への通電電流を
検出するヒータ通電電流検出手段106を用いている
が、電圧値あるいは電力値を検出する検出手段であって
もよい。
【0053】実施例3.この実施例3はこの発明の請求
項3に係る一実施例である。図9はこの発明の実施例3
を示す超電導マグネットにおける異常検出部のブロック
図であり、図において111はヘリウム槽2内に配設さ
れヘリウム槽2内の温度を検出する温度検出手段、11
2は温度検出手段111の出力信号から機器異常を判定
する異常判定手段であり、この異常判定手段112は温
度検出手段111の出力信号に基づいて圧力異常を判定
する異常圧力判定手段113と、圧力異常の継続時間を
計測する異常時間計測手段114と、圧力異常の継続時
間から機器異常を判定する異常時間判定手段115とか
ら構成している。105は機器異常を報知する異常報知
手段である。
【0054】つぎに、上記実施例3の動作を図10に基
づいて説明する。まず、温度検出手段111により、ヘ
リウム槽2内の温度Tをモニターしている(ステップ2
20)。ここで、ヘリウム槽2内の温度Tは槽内の圧力
Pに対応している。温度検出手段111の出力は異常圧
力判定手段113に入力され、第1の基準温度T1との
大小が比較され(ステップ221)、T<T1の場合に
は第2の基準温度T2との大小が比較される(ステップ
222)。ステップ221でT≧T1ならば圧力異常と
判定され、ステップ223に進み、ステップ222でT
≦T2ならば同様に圧力異常と判定されてステップ22
4に進む。
【0055】ついで、異常時間計測手段114で圧力異
常の継続時間CTを積算する(ステップ223、22
4)。その後、異常時間判定手段115により、圧力異
常の継続時間CTと設定時間CT0との大小が比較され
(ステップ225、226)、CT≧CT0ならば機器
異常と判定され、異常報知手段105により機器異常が
操作者に報知される(ステップ227、228)。ま
た、CT<CT0ならばステップ220に戻り、上記フ
ローを繰り返す。さらに、ステップ222でT>T2
時は、圧力異常でないと判定され圧力異常の継続時間を
リセット(ステップ229)してステップ220に戻
る。
【0056】ここで、超電導マグネットの通常運転の際
には、上記従来の超電導マグネットで述べたように、差
圧式圧力センサ84の出力信号に基づいて圧力制御コン
トローラユニット36によるヒータ80のON/OFF
および3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍サイクルの速度制
御により、ヘリウム槽2内の圧力を所定圧力範囲にコン
トロールしている。従って、ヘリウム槽2内の圧力Pと
対応する槽内の温度TもT1>T>T2とコントロールさ
れている。そこで、ステップ220→ステップ221→
ステップ222→ステップ229→ステップ220の機
器異常判定のフローとなっている。
【0057】また、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍能力
が低下した場合には、ヘリウム槽2内の圧力が上昇し、
圧力制御コントローラユニット36により3段式蓄冷型
冷凍機30の冷凍サイクルの速度を速めるように制御す
る。しかし、3段式蓄冷型冷凍機30の冷凍性能が低下
しているので十分なヘリウムガスの凝縮液化が行われ
ず、ヘリウム槽2内の圧力がさらに上昇することにな
り、つまり槽内の温度Tが図11に示すように上昇する
ことになる。なお、図11において、点A3が3段式蓄
冷型冷凍機30の冷凍能力の低下発生時点を表してい
る。
【0058】ヘリウム槽2内の温度Tが第1の基準温度
1より大きくなると、機器異常判定のフローは、ステ
ップ220→ステップ221→ステップ223→ステッ
プ225→ステップ220のフローとなり、CT≧CT
0となった時に、異常報知手段105により3段式蓄冷
型冷凍機30の冷凍能力の低下を知らせる機器異常が報
知される。
【0059】ついで、ヘリウム槽2のガス漏れが発生し
た場合には、ヘリウム槽2内の圧力が下降し、圧力制御
コントローラユニット36によりヒータ80に通電して
液体ヘリウム3の蒸発を促進する。しかし、ヘリウム槽
2にガス漏れが生じているので、ヘリウム槽2内の圧力
が上昇せず、同様にヘリウム槽2内の温度Tは図12に
示すように低下する。
【0060】ヘリウム槽2内の温度Tが第2の基温度T
2より小さくなると、機器異常判定のフローは、ステッ
プ220→ステップ221→ステップ222→ステップ
224→ステップ226→ステップ220のフローとな
り、CT≧CT0となった時に、異常報知手段105に
よりヘリウム槽2のガス漏れを知らせる機器異常が報知
される。
【0061】このように、上記実施例3によれば、ヘリ
ウム槽2内の温度をモニタする温度検出手段111と、
温度検出手段111の出力信号からヘリウム槽2内の圧
力異常を判定し、圧力異常の継続時間を計測し、継続時
間から機器異常を判定する異常判定手段112と、異常
判定手段112の出力信号から機器異常を報知する異常
報知手段105とを備えているので、3段式蓄冷型冷凍
機30の冷凍能力の低下およびヘリウム槽2のガス漏れ
の機器異常を確実に検知し、操作者に報知でき、早期に
必要な保守等の処置が可能となり、超電導マグネットの
安全性およびメンテナンス性を向上できる。
【0062】ここで、異常判定手段112は温度検出手
段111の出力信号から機器異常を判定できればよく、
比較回路、カウンタ回路等を組み合わせたハード構成、
あるいはソフトで構成してもよい。
【0063】なお、上記各実施例では、円筒形の超電導
コイル1の軸方向に略平行に配設された3段式蓄冷型冷
凍機30を備えた超電導マグネットとして説明している
が、この発明は、これに限定されるものではなく、3段
式蓄冷型冷凍機30によりヘリウム槽2内で蒸発するヘ
リウムガスを直接再液化する超電導マグネットであれば
よく、例えばレーストラック形状の超電導コイルでもよ
く、3段式蓄冷型冷凍機30を超電導コイル1の軸方向
に垂直に配設してもよい。
【0064】また、上記各実施例では、3段式蓄冷型冷
凍機30を用いるものとして説明しているが、ヒートス
テージの一部が液体ヘリウムを再液化できる冷凍性能を
有する冷凍機であればよく、2段式蓄冷型冷凍機であっ
ても、4段式蓄冷型冷凍機であってもよい。
【0065】また、上記各実施例では、多段式蓄冷型冷
凍機の蓄冷材としてGdRh、Gd0.5Er0.5Rh、E
3Niを用いるものとして説明しているが、蓄冷材は
これらに限らずヘリウムガスを液化できる冷凍性能が得
られるものであればよく、例えばEr0.9Yb0.1Ni、
Er0.5Dy0.5Ni2、DyNi2等の希土類金属の合金
または化合物、あるいはヘリウムガスを用いることがで
きる。
【0066】また、上記各実施例では、3段式蓄冷型冷
凍機30を用いるものとして説明しているが、本発明
は、蓄冷型冷凍機に限らずヘリウムガスを液化できる冷
凍性能を有するヘリウム液化装置であればよく、例えば
ジュールトムソン膨張を利用する従来のヘリウム液化装
置を用いた場合にも適用できることは言うまでもないこ
とである。
【0067】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0068】この発明の請求項1に係る超電導マグネッ
トは、超電導コイルと、超電導コイルを収納し、超電導
コイルを冷却する極低温冷媒を貯液する極低温冷媒槽
と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、一端が極低温冷
媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲気中に臨み、他
端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付シリンダと、冷
凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少なくともヒート
ステージの一部で冷凍機取付シリンダ内に引き出された
極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷型冷凍機と、極
低温冷媒槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、圧力検
出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常を判定
し、圧力異常の継続時間を計測し、継続時間から異常を
判定する異常判定手段と、異常判定手段の出力信号によ
り異常を報知する異常報知手段とを備えているので、極
低温冷媒槽内の圧力変化をモニタして、機器異常を確実
に検知でき、作業者に報知でき、早期に必要な保守等の
処置が可能となり、マグネットのメンテナンス性を向上
させる。
【0069】また、この発明の請求項2に係る超電導マ
グネットは、超電導コイルと、超電導コイルを収納し、
超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液する極低温冷
媒槽と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、一端が極低
温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲気中に臨
み、他端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付シリンダ
と、冷凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少なくとも
ヒートステージの一部で冷凍機取付シリンダ内に引き出
された極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷型冷凍機
と、極低温冷媒槽内の圧力変動に応じて駆動されて極低
温冷媒槽内の圧力を調整するヒータと、ヒータの入力電
力を検出するヒータ入力電力検出手段と、ヒータ入力電
力検出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常を
判定し、圧力異常の継続時間を計測し、継続時間から異
常を判定する異常判定手段と、異常判定手段の出力信号
により異常を報知する異常報知手段とを備えているの
で、極低温冷媒槽内の圧力を調整するヒータの入力電力
の変化をモニタして、機器異常を確実に検知でき、作業
者に報知でき、早期に必要な保守等の処置が可能とな
り、マグネットのメンテナンス性を向上させる。
【0070】また、この発明の請求項3に係る超電導マ
グネットは、超電導コイルと、超電導コイルを収納し、
超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液する極低温冷
媒槽と、極低温冷媒槽を包囲する真空槽と、一端が極低
温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガスの雰囲気中に臨
み、他端が真空槽に取り付けられた冷凍機取付シリンダ
と、冷凍機取付シリンダ内に挿入固定され、少なくとも
ヒートステージの一部で冷凍機取付シリンダ内に引き出
された極低温冷媒ガスを再液化する多段式蓄冷型冷凍機
と、極低温冷媒槽内の温度を測定する温度検出手段と、
温度検出手段の出力信号から極低温冷媒槽内の圧力異常
を判定し、圧力異常の継続時間を計測し、継続時間から
異常を判定する異常判定手段と、異常判定手段の出力信
号により異常を報知する異常報知手段とを備えているの
で、極低温冷媒槽内の温度変化をモニタして、機器異常
を確実に検知でき、作業者に報知でき、早期に必要な保
守等の処置が可能となり、マグネットのメンテナンス性
を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す超電導マグネットに
おける異常検出部のブロック図である。
【図2】この発明の実施例1を示す超電導マグネットに
おける異常検出の動作を説明する動作フローである。
【図3】この発明の実施例1を示す超電導マグネットに
おける機器異常時のヘリウム槽内の圧力変化を表すグラ
フである。
【図4】この発明の実施例1を示す超電導マグネットに
おける機器異常時のヘリウム槽内の圧力変化を表すグラ
フである。
【図5】この発明の実施例2を示す超電導マグネットに
おける異常検出部のブロック図である。
【図6】この発明の実施例2を示す超電導マグネットに
おける異常検出の動作を説明する動作フローである。
【図7】この発明の実施例2を示す超電導マグネットに
おける機器異常時のヒータ通電電流の変化を表すグラフ
である。
【図8】この発明の実施例2を示す超電導マグネットに
おける機器異常時のヒータ通電電流の変化を表すグラフ
である。
【図9】この発明の実施例3を示す超電導マグネットに
おける異常検出部のブロック図である。
【図10】この発明の実施例3を示す超電導マグネット
における異常検出の動作を説明する動作フローである。
【図11】この発明の実施例3を示す超電導マグネット
における機器異常時のヘリウム槽内の温度変化を表すグ
ラフである。
【図12】この発明の実施例3を示す超電導マグネット
における機器異常時のヘリウム槽内の温度変化を表すグ
ラフである。
【図13】従来の超電導マグネットの一例を示す一部破
断斜視図である。
【図14】従来の超電導マグネットにおける3段式蓄冷
型冷凍機の構成を示す模式的断面図である。
【図15】従来の超電導マグネットにおける3段式蓄冷
型冷凍機の取付構造を示す模式的断面図である。
【図16】従来の超電導マグネットの模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 超電導コイル 2 ヘリウム槽(極低温冷媒槽) 3 液体ヘリウム(極低温冷媒) 4 真空槽 10 第1段ヒートステージ 11 第2段ヒートステージ 30 3段式蓄冷型冷凍機 43 第3段ヒートステージ 51 冷凍機取付シリンダ 80 ヒータ 84 差圧式圧力センサ(圧力検出手段) 100 圧力検出手段 101 異常判定手段 105 異常報知手段 106 ヒータ通電電流検出手段 107 異常判定手段 111 温度検出手段 112 異常判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 秀人 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 長尾 政志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 稲口 隆 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 6/02 ZAA H01F 6/04 ZAA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルと、前記超電導コイルを収
    納し、前記超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液す
    る極低温冷媒槽と、前記極低温冷媒槽を包囲する真空槽
    と、一端が前記極低温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガ
    スの雰囲気中に臨み、他端が前記真空槽に取り付けられ
    た冷凍機取付シリンダと、前記冷凍機取付シリンダ内に
    挿入固定され、少なくともヒートステージの一部で前記
    冷凍機取付シリンダ内に引き出された前記極低温冷媒ガ
    スを再液化する多段式蓄冷型冷凍機と、前記極低温冷媒
    槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手
    段の出力信号から前記極低温冷媒槽内の圧力異常を判定
    し、前記圧力異常の継続時間を計測し、前記継続時間か
    ら異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段の
    出力信号により異常を報知する異常報知手段とを備えた
    ことを特徴とする超電導マグネット。
  2. 【請求項2】 超電導コイルと、前記超電導コイルを収
    納し、前記超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液す
    る極低温冷媒槽と、前記極低温冷媒槽を包囲する真空槽
    と、一端が前記極低温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガ
    スの雰囲気中に臨み、他端が前記真空槽に取り付けられ
    た冷凍機取付シリンダと、前記冷凍機取付シリンダ内に
    挿入固定され、少なくともヒートステージの一部で前記
    冷凍機取付シリンダ内に引き出された前記極低温冷媒ガ
    スを再液化する多段式蓄冷型冷凍機と、前記極低温冷媒
    槽内の圧力変動に応じて駆動されて前記極低温冷媒槽内
    の圧力を調整するヒータと、前記ヒータの入力電力を検
    出するヒータ入力電力検出手段と、前記ヒータ入力電力
    検出手段の出力信号から前記極低温冷媒槽内の圧力異常
    を判定し、前記圧力異常の継続時間を計測し、前記継続
    時間から異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定
    手段の出力信号により異常を報知する異常報知手段とを
    備えたことを特徴とする超電導マグネット。
  3. 【請求項3】 超電導コイルと、前記超電導コイルを収
    納し、前記超電導コイルを冷却する極低温冷媒を貯液す
    る極低温冷媒槽と、前記極低温冷媒槽を包囲する真空槽
    と、一端が前記極低温冷媒槽内で蒸発する極低温冷媒ガ
    スの雰囲気中に臨み、他端が前記真空槽に取り付けられ
    た冷凍機取付シリンダと、前記冷凍機取付シリンダ内に
    挿入固定され、少なくともヒートステージの一部で前記
    冷凍機取付シリンダ内に引き出された前記極低温冷媒ガ
    スを再液化する多段式蓄冷型冷凍機と、前記極低温冷媒
    槽内の温度を測定する温度検出手段と、前記温度検出手
    段の出力信号から前記極低温冷媒槽内の圧力異常を判定
    し、前記圧力異常の継続時間を計測し、前記継続時間か
    ら異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段の
    出力信号により異常を報知する異常報知手段とを備えた
    ことを特徴とする超電導マグネット。
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