JP2888226B2 - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板 - Google Patents
鉄損の低い無方向性電磁鋼板Info
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Description
気機器に使用される電気材料として好適な無方向性電磁
鋼板に関する。
り、より鉄損の低い電磁鋼板が求められるようになって
きている。この鉄損を低減するためには結晶粒の粗大化
が効果的であり、低鉄損が特に要求されるSi+Al量が1
〜3%程度の中・高級グレードの無方向性電磁鋼板にお
いては、仕上焼鈍温度を1000℃程度まで高めたり、焼鈍
時のラインスピードを下げ、焼鈍時間を長くすることに
より結晶粒の粗大化を図っている。
は、鋼板中の介在物、析出物量を低減することが効果的
である。このため、これまで介在物、析出物を無害化す
ることが試みられており、特に高級材ではMnSの析出防
止の観点からS量を低減させる試みがなされてきた。
は、Si:2.5 〜3.5%、Al:0.3〜1.0%の鋼において
S:50ppm以下、O:25ppm以下とすることにより鉄損を
低下させる技術が開示されている。
Si:2.5〜3.5%、Al:0.25〜1.0%の鋼においてS:15p
pm以下、O:20ppm以下、N:25ppm以下とすることによ
り鉄損を低下させる技術が開示されている。
は、Si:2.0〜4.0%、Al:0.10〜2.0%の鋼において
S:30ppm以下、Ti、Zr、Nb、Vをそれぞれ50ppm以下と
することにより鉄損を低下させる技術が開示されてい
る。
の技術においても、S量を10ppm以下とした高級グレー
ドの鋼板の鉄損値は、W15/50=2.4W/kg程度(板厚0.5
mm)であり、これ以上の低鉄損は達成されていないのが
現状である。単純に考えると、S量を少なくしていけば
鋼中のMnSの量が減り、これに伴って結晶粒の成長が容
易になるので、鉄損はどんどん低下していくように思わ
れる。しかしながら、現実には、S量の低下に伴う鉄損
の低下は、S量が10ppm程度となると飽和し、前記のよ
うな鉄損値が限界である。
のであり、鉄損の低い電磁鋼板を提供することを目的と
する。
ppm以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないのは、
微量S領域において顕著な窒化層が表面領域に形成され
るためであるという新しい知見に基づき、Sb+Sn/2を0.0
01〜0.05%含有させることによって窒化物の形成を抑制
し、鉄損を低下させるものである。
005%以下、P:0.2%以下、N:0.005%以下(0を含
む)、Si:4%以下、Mn:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下
を含み、さらにS:9.2ppm以下(0を含む)、Sb+Sn/
2:0.001〜0.05%を含み、残部が実質的にFeおよび不可
避的不純物であることを特徴とする鉄損の低い無方向性
電磁鋼板によって解決される。
0.005%とすることにより、際立って鉄損を低下させる
ことができる。
不純物である」とは、本発明の作用効果を妨げない範囲
で不可避不純物以外の微量元素を含むものが権利範囲に
入ることを意味する。なお、以下の説明において、鋼の
成分を示す%は全て重量%を意味し、ppmも重量ppmを意
味する。
由)本発明者等は、鉄損に及ぼすSの影響を調査するた
め、C:0.0025%、Si:2.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0021%とし、S量をtr.〜15pp
m の範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗を
行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25%N2雰囲気
で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mm
まで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲気で900℃×1m
in間の仕上焼鈍を行った。図1に、このようにして得ら
れたサンプルのS量と鉄損W15/50の関係を示す(図1
の×印)。ここで、磁気測定は25cmエプスタイン法によ
り行った。
幅な鉄損低減が達成されていることがわかる。これは、
S量低減により粒成長性が向上したためである。
損の低下は緩やかとなり、S量をtr. としても、鉄損を
2.4 W/kg以下とすることはできない。
において鉄損の低減が阻害されるのは、MnS以外の未知
の要因によるものではないかと考え、光学顕微鏡にて組
織観察を行った。その結果、S≦10ppmの領域で鋼板
表層に顕著な窒化層が認められた。これに対し、S>1
0ppm の領域では窒化層は軽微となっていた。
関しては次のように考えられる。すなわち、Sは表面お
よび粒界に濃化しやすい元素であることから、S>10pp
m の領域では、Sが雰囲気中から鋼板表層への窒素の吸
着を抑制しており、このため窒化層は生成しない。一
方、S≦10ppm の領域ではSによる窒素吸着の抑制効果
が低下するため、窒化層が鋼板表層に生成する。
化層が結晶粒の成長を妨げ、鉄損の低下を抑制するので
はないかと考えた。
窒素の吸着を抑制する元素でS以外のものを含有させる
ことにより、窒化層の生成を抑制し、結晶粒の成長を促
して鉄損を低下させるという着想を抱き、このような元
素について種々の検討を加えた結果、Sbが有効であるこ
とを発見した。
に40ppmのSbを含有したサンプルについて、同一の条件
で試験を行った結果を○印で示す。Sbの鉄損低減効果に
着目すると、S含有量が多い領域では、Sb含有により鉄
損は0.02〜0.04W/kg程度しか低下しないが、S≦9.6p
pmの領域では0.2W/kg程度低下しており、Sbによる鉄
損低減効果は、S量が少ない場合に顕著に認められる。
また、このサンプルではS量によらず窒化層は認められ
なかった。このことから、Sbが鋼板表層部に濃化して窒
素の吸着を抑制し、その結果、結晶粒の成長が妨げられ
なかったので鉄損が低下したものと考えられる。
C:0.0026%、Si:2.70%、Mn:0.20%、P:0.020
%、Al:0.30%、S:0.0004%、:0.0020%とし、Sb量
をtr.〜700ppmで変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、
酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%H2%−25%
N2雰囲気830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その後、板
厚0.5mmまで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲気で900
℃×1minの仕上焼鈍を行った。図2に、Sb量と鉄損W
15/50の関係を示す。
鉄損が低下し、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されることがわかる。
しかし、Sbをさらに添加し、Sb>50ppm となった場合に
は、鉄損は再び増大することもわかる。しかしながら、
増加したとしても、少なくとも700ppmまでのSb量におい
ては、従来の電磁鋼板では得られなかったW15/50=2.2
5〜2.35W/kgが達成されている。
調査するため、光学顕微鏡による組織観察を行った。そ
の結果、表層細粒組織は認められなかったものの、平均
結晶粒径が若干小さくなっていた。この原因は明確では
ないが、Sbが粒界に偏析しやすい元素であるため、Sbの
粒界ドラッグ効果により粒成長性が低下したものと考え
られる。
10ppm以上に限定し、経済的な理由から500ppm以下に限
定する。しかし、前記の理由により、Sbを50ppm以下と
することがより好ましい。さらに、20ppm以上40ppm以下
とすることが望ましい。
同様の効果が得られないかどうかを研究し、Snの効果に
着目して試験を行った。
の影響を調査するため、C:0.0020%、Si:2.85%、M
n:0.18%、P:0.01%、Al:0.30%、N:0.0018%、T
i:0.0020%とし、S量をtr. 〜15ppmの範囲で変化させ
た鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこ
の熱延板に75%H2−25%N2雰囲気で830℃×3hrの熱
延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、2
5%H2−75%N2雰囲気で900℃×1min の仕上焼鈍を行
った。図3に、このようにして得られたサンプルのS量
と鉄損W15/50の関係を示す(図3の×印)。ここで、
磁気測定は25cmエプスタイン法により行った。
大幅な鉄損低減が達成され、かつ、S量がさらに低下す
ると、鉄損の低下は緩やかとなり、S量をtr.として
も、鉄損を2.4W/kg以下とすることはできないことが
確認される。
に 60ppmのSnを含有させたサンプルについて同一の条件
で試験を行った結果を○印で示す。Snの鉄損低減効果に
着目すると、S含有量が多い領域では、Sn含有により鉄
損は0.02〜0.04W/kg程度しか低下しないが、S≦9.2p
pmの領域では0.2 W/kg程度低下しており、S量が少な
い場合にSnの鉄損低減効果は顕著に認められる。また、
このサンプルではS量によらず窒化層は認められなかっ
た。このことから、Snが鋼板表層部に濃化して窒素の吸
着を抑制し、その結果、結晶粒の成長が妨げられなかっ
たので鉄損が低下したものと考えられる。
C:0.0025%、Si:2.72%、Mn:0.20%、P:0.020
%、Al:0.30%、S:0.0002% 、N:0.0020%、Ti:0.
0010%としSn量をtr. 〜1400ppmの範囲で変化させた鋼
をラボ溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの熱
延板に75%H2−25%N2雰囲気で830℃×3hrの熱延板
焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25%
H2−75%N2雰囲気で900℃×1minの仕上焼鈍を行っ
た。図4に、Sn量と鉄損W15/50の関係を示す。
鉄損が低下し、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されることがわかる。
しかし、Snをさらに添加し、Sn>100ppm となった場合
には、鉄損は再び増大することもわかる。しかしなが
ら、増加したとしても、少なくとも1400ppmまでのSn量
においては、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されている。
を調査するため、光学顕微鏡による組織観察を行った。
その結果、表層細粒組織は認められなかったものの、平
均結晶粒径が若干小さくなっていた。この原因は明確で
はないが、Snが粒界に偏析しやすい元素であるため、Sn
の粒界ドラッグ効果により粒成長性が低下したものと考
えられる。また、このサンプルにおいても、S量によら
ず窒化層は認められなかった。これはSnが鋼板表層部に
濃化し窒素の吸着を抑制したためと考えられる。
20ppm以上に限定し、経済的な理由から1000ppm以下に限
定する。しかし、前述の理由から、Snの上限を100ppmと
することがより好ましい。さらに、40ppm以上80ppm以下
とすることが好ましい。
%以上のSiを含む高級電磁鋼板についてのものである。
研究者らは更に考察を進め、Siが1%以下の低級磁性鋼
板についても、同様の手法により鉄損を低下させること
ができるのではないかと考えて試験を行った。
P:0.10%、Al:0.27%、N=0.0015%とし、S量をtr.
〜15ppm の範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、
酸洗を行った。引き続きこの熱延板を板厚0.5 mmまで冷
間圧延し、10%H2−90%N2中で750℃×1min 間の仕
上焼鈍を施し、さらに100%N2中で750℃×2hrの磁性
焼鈍を行った。
S量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50 の関係を示したもので
ある(図中×印)。ここで、磁気測定は25cmエプスタイ
ン試験片を用いて行った。
損W15/50は4.3 W/kg以下となり、鉄損が大幅に低下す
ることがわかる。しかし、S量が8.8ppm以下となると鉄
損の低下は緩やかとなり、S量をさらに低減したとして
も鉄損は4.2 W/kg程度にしかならない。この傾向は、
Siが1%を超えているときと同じである。
に40ppmのSbを含有させたサンプルについて同一の条件
で試験をした結果を○印で示す。
が多い領域では、Sb含有により鉄損は0.02〜0.04W/kg
程度しか低下しないが、S≦8.5ppmの領域では、Sb含有
により鉄損は0.20W/kg程度低下しており、S量が少な
い場合にSbの鉄損低減効果は顕著に認められる。また、
このサンプルにおいても、S量によらず窒化層は認めら
れなかった。これはSbが鋼板表層部に濃化し窒素の吸着
を抑制したためと考えられる。
め、C:0.0026%、Si:0.20%、Mn:0.50%、P:0.120
%、Al=0.25%、S=0.0004%、N=0.0020%としSb量をtr.
〜700ppmの範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、
酸洗を行った。引き続きこの熱延板を板厚0.5mmまで冷
間圧延し、10%H2−90%N2 中で750℃×1min 間の仕上
焼鈍を施し、さらに100%N2 中で750℃×2hrの磁性焼
鈍を行った。
Sb量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示したもので
ある。図6より、Sb量が10ppm 以上の領域で鉄損が低下
し、W15/50≦4.0W/kgが達成されることがわかる。し
かし、Sbをさらに添加し、Sb>50ppm となった場合に
は、鉄損はSb量の増大に伴い緩やかに増大することもわ
かる。
ー鋼と比べると鉄損は良好である。
は10ppm 以上とし、コストの問題から上限を500 ppmと
する。また鉄損の観点より、望ましくは10ppm 以上、50
ppm以下、より望ましくは20ppm 以上、40ppm 以下とす
る。
磁性鋼板についても、Snの含有によりSbの含有と同様の
効果が得られるのではないかと考え、試験を行った。
るため、C:0.0020%、Si:0.25%、Mn:0.55%、P:
0.11%、Al:0.25%、N:0.0018%としS量をtr.〜15pp
mの範囲で変化させた鋼をラボ溶解し熱延後、酸洗を行
った。引き続きこの熱延板を板厚0.5mmまで冷間圧延
し、10%H2−90%N2中で750℃×1min 間の仕上焼鈍
を施し、さらに100%N2 中で750 ℃×2hrの磁性焼鈍
を行った。
S量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示したもので
ある(図中×印)。ここで、磁気測定は25cmエプスタイ
ン試験片を用いて行った。
pmとなった場合に鉄損W15/50は4.3W/kg以下となり大
幅に低下するが、S量が9.1ppm以下となると鉄損の低下
は緩やかとなり、S量をさらに低減したとしても鉄損は
4.2W/kg程度にしかならないことがわかる。
に80ppmのSnを含有させたサンプルについて同一の条件
で試験をした結果を○印で示す。Snの鉄損低減効果に着
目すると、S含有量が多い領域では、Snの含有により鉄
損は0.02〜0.04W/kg程度しか低下しないが、S≦9.2p
pm の領域では、Snの含有により鉄損は0.20〜0.30W/k
g程度低下しており、S量が少ない場合にSnの鉄損低減
効果は顕著に認められる。また、このサンプルにおいて
も、S量によらず窒化層は認められなかった。これはSn
が鋼板表層部に濃化し窒素の吸着を抑制したためと考え
られる。
0.0021%、Si:0.25%、Mn:0.52%、P:0.100%、Al=
0.26%、S:0.0003%、N:0.0015%としSn量をtr.〜1300
ppmの範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗
を行った。引き続きこの熱延板を板厚0.5 mmまで冷間圧
延し、10%H2−90%N2中で750℃×1min 間の仕上焼
鈍を施し、さらに100%N2中で750℃×2hrの磁性焼鈍を
行った。
Sn量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示したもので
ある。
が低下し、W15/50≦4.0W/kgが達成されることがわか
る。しかし、Snをさらに添加し、Sn>100ppmとなった場
合には、鉄損は再び緩やかに増大することもわかる。
リー鋼と比べると鉄損は良好である。
的な理由から上限を1000ppmとする。コストの観点より
考えれば、上限を500ppmとすることが好ましい。また、
鉄損の観点より、Sn量は100ppm 以下とすることがより
好ましく、40〜80ppmとすることが更に好ましい。
下のように理解できる。
ため、表面偏析により窒化を抑えるためには、Sbの2倍
程度の量が必要となる。このため、Snは20ppm以上の添
加により鉄損が低下することとなる。一方、Snの粒界偏
析によるドラッグ効果により鉄損が増大し始める添加量
も、Sbに比べSnの偏析係数が小さいことより、2倍程度
となる。
含有量を9.2ppm以下(0を含む)に限定する。また、請
求項1にかかる発明においては、SbとSnをまとめて扱
い、(Sb+Sn/2)を0.001〜0.05%に限定することに
し、請求項2にかかる発明においては、さらに好ましい
範囲として、(Sb+Sn/2)を0.001〜0.005%に限定する
ことにした。
は、SbとSnをまとめて扱い、(Sb+Sn/2)を0.001〜0.0
5%に限定することにし、請求項2にかかる発明において
は、さらに好ましい範囲として、(Sb+Sn/2)を0.001
〜0.005%に限定することにした。
の成分の限定理由について説明する。
5%以下とする。
めに必要な元素であるが、0.2 %を超えて添加すると鋼
板が脆化するため0.2%以下とする。
析出量が多くなり、鉄損を増大させるため0.005%以下
とする。
に有効な元素であるが、4.0 %を超えると飽和磁束密度
の低下に伴い磁束密度が低下するため上限を4.0 %とす
る。
するために、0.05%以上必要であるが、1.0 %以上にな
ると磁束密度を低下させるので0.05〜1.0 %とする。
ために有効な元素であるが、1.5 %を超えると飽和磁束
密度の低下に伴い磁束密度が低下するため上限を1.5 %
とする。また、0.1 %未満の場合にはAlNが微細化し粒
成長性が低下するため下限を0.1%とする。
Sn/2が所定の範囲内であれば、製造方法は、無方向性電
磁鋼板を製造する通常の方法でかまわない。すなわち、
転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理して所定の成分に調整
し、引き続き鋳造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上
焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要はなく、通常
の無方向性電磁鋼板を製造する範囲の温度でかまわな
い。また、熱延後の熱延板焼鈍は行っても良いが必須で
はない。次いで一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をは
さんだ2回以上の冷間圧延により所定の板厚とした後
に、最終焼鈍を行う。
で吹練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分
に調整後鋳造し、スラブ加熱温度1160℃で1hr加熱した
後、板厚2.0mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延時の仕
上げ温度は800℃、巻取り温度は670℃とした。次にこの
熱延板を酸洗し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延を行
い、10%H2−90%N2雰囲気中で、表1に示す仕上焼鈍
条件で焼鈍を行い、さらに100%N2中で750℃×2hrの磁
性焼鈍を行った。
て行った((L+C)/2)。各鋼板の磁気特性(鉄損
W15/50と磁束密度B50)を表1に併せて示す。
ーダである本発明の実施例である。No.22からNo.27がSi
のレベルが0.75%のオーダである本発明の実施例であ
る。いずれの実施例においても、鉄損W15/50は、従来
製造が困難とされた4.2 W/kgよりはるかに低く、Siの
レベルが0.25%のオーダのもので3.94〜4.05W/kg、Si
のレベルが0.75%のオーダのもので3.36〜3.45W/kg程
度となっている。
%のオーダのもので1.76T、Siのレベルが0.75%のオー
ダのもので1.73Tと高い。
+Sn/2)共に本発明の範囲を外れており、No.19とNo20
のものは、Sが本発明の範囲を外れており、No.21のも
のは、(Sb+Sn/2)が本発明の範囲を外れているので、
いずれも鉄損W15/50が高くなっている。
o.28のものは、Sと(Sb+Sn/2)共に本発明の範囲を外
れており、No.29のものはSが、No.30のものは(Sb+Sn
/2)の値が、それぞれ本発明の範囲から外れているの
で、同じSiレベルの本発明品より鉄損W15/50が高くなっ
ている。
に、鋼板成分を本発明のS、Sb+Sn/2量に制御した場合
に、磁性焼鈍後の鉄損が非常に低く、かつ、磁束密度の
低下しない無方向性電磁鋼板が得られることがわかる。
ついても、同様に、鋼を、転炉で吹練した後に脱ガス処
理を行うことにより、表2、表3に示す所定の成分に調
整後鋳造し、スラブを1200℃で1hr加熱した後、板厚2.
0mm まで熱間圧延した。熱延仕上げ温度は800 ℃とし
た。巻取り温度はNo.31〜No.40の鋼板については650 ℃
とし、No.41〜No.72の鋼板については550 ℃とした。ま
た、No.41〜No.72の鋼板には表2、表3に示す条件で熱
延板焼鈍を施した。熱延板焼鈍の雰囲気は、75%H2−2
5%N2とした。次にこの熱延板を酸洗し、その後、板厚
0.5mmまで冷間圧延を行い、25%H2−75%N2雰囲気中
で表2、表3に示す仕上焼鈍条件で焼鈍を行った。
て行った((L+C)/2)。各鋼板の磁気特性(鉄損
W15/50 と磁束密度B50)を表2、表3に併せて示す。
1.05%のレベルにあるもの、No.41〜No.48は、Si含有量
が1.85%のレベルにあるものである。いずれのレベルに
おいても、本発明鋼であるNo.31〜No.37とNo.41〜No.46
においては、本発明鋼以外のものに対して低い鉄損が得
られている。No.38とNo.47のものは、Sと(Sb+Sn/2)
共に本発明の範囲を外れており、No.39のものはSが、N
o.40とNo.48のものは(Sb+Sn/2)の値が、それぞれ本
発明の範囲から外れているので、同じSiレベルの本発明
品より鉄損W15/50が高くなっている。
いて実験結果を示したもので、示されている内容は表2
と同じものである。No.49〜No.63が本発明鋼であり、そ
の他のものより低い鉄損値を示している。No.64のもの
は、Sと(Sb+Sn/2)が共に本発明の範囲を外れてお
り、No.65のものはSが、No.66とNo.67のものは(Sb+S
n/2)の値が、それぞれ本発明の範囲から外れているの
で、同じSiレベルの本発明品より鉄損W15/50が高くな
っている。
いため、鉄損W15/50が高いばかりでなく、磁気時効の
問題を有している。
ているので、鉄損W15/50が高いばかりでなく、磁束密
度B50が低くなっている。
の範囲より高いため、鉄損W15/50は低下するものの、
磁束密度B50が低くなっている。
ているので、鉄損W15/50が高い。
より高いので、鉄損W15/50は低く押さえられているも
のの、磁束密度B50が小さくなっている。
についても、本発明の範囲内のいずれのSiレベルにおい
ても、他の成分が本発明の範囲内にある鋼板は、その他
の鋼板に比して、鉄損が低く、かつ磁束密度が低下する
ことがないことがわかる。
は、無方向性電磁鋼板の成分を、重量%で、C:0.005
%以下、P:0.2%以下、N:0.005%以下(0を含
む)、Si:4%以下、Mn:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下
を含み、さらにS:9.2ppm以下(0を含む)、Sb+Sn/
2:0.001〜0.05%を含み、残部が実質的にFeおよび不可
避的不純物であるようにしているので、鉄損が少なく、
磁束密度の高いものが得られ、電磁鋼板として有用であ
る。
を示す図である。
係を示す図である。
を示す図である。
係を示す図である。
示す図である。
を示す図である。
示す図である。
を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005%以下(0を含む)、Si:4%以下、M
n:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.2
ppm以下(0を含む)、Sb+Sn/2:0.001〜0.05%を含
み、残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であること
を特徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005%以下(0を含む)、Si:4%以下、M
n:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.2
ppm以下(0を含む)、Sb+Sn/2:0.001〜0.005%を含
み、残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であること
を特徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板。 - 【請求項3】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005 %以下(0を含む)、Si:4%以下、
Mn:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.
2ppm以下(0を含む)、Sb:0.001%〜0.05%を含み、
残部が実質的にFe及び不可避不純物であることを特徴
とするの鉄損の低い無方向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005 %以下(0を含む)、Si:4%以下、
Mn:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.
2ppm以下(0を含む)、Sb:0.001%〜0.005%を含み、
残部が実質的にFe及び不可避不純物であることを特徴
とするの鉄損の低い無方向性電磁鋼板。 - 【請求項5】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005%以下(0を含む)、Si:4%以下、M
n:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.2
ppm以下(0を含む)、Sn:0.002%〜0.1%を含み、残
部が実質的にFe及び不可避不純物であることを特徴と
する鉄損の低い無方向性電磁鋼板。 - 【請求項6】 重量%で、C:0.005%以下、P:0.2%
以下、N:0.005%以下(0を含む)、Si:4%以下、M
n:0.05〜1.0%、Al:1.5%以下を含み、さらにS:9.2
ppm以下(0を含む)、Sn:0.002%〜0.01%を含み、残
部が実質的にFe及び不可避不純物であることを特徴と
する鉄損の低い無方向性電磁鋼板。
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